JP2007077354A - プリプレグ及びそれを用いた銅張り積層板 - Google Patents

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【課題】 無機フィラーが少ない組成で低熱膨張率を可能としたプリプレグを提供すると共に、低熱膨張率が可能であり、かつ加熱処理で膨張が小さい銅張り積層板を提供する。
【解決手段】 A成分:シリカ、
B成分:エポキシ樹脂、
C成分:エポキシ基又はアミノ基を官能基に有したシランカップリング剤、
D成分:A成分、B成分及びC成分を混合する際の溶剤にジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)又はジメチルアセトアミド(DMAC)の何れか若しくは混合した溶剤
を含むE溶液を含有した絶縁樹脂をガラスクロスに含浸してなるプリプレグ及び前記の絶縁樹脂をガラスクロスに含浸、乾燥したプリプレグを1枚又は複数枚重ねて銅箔と一緒に加熱圧着してなる銅張り積層板。
【選択図】 なし

Description

本発明は、絶縁樹脂をガラスクロスに含浸したプリプレグ及びそれを用いた銅張り積層板に関する。
積層板は、プリプレグと呼ばれるガラス布にエポキシ樹脂を含浸し半硬化状態にした材料を銅箔と重ねて熱プレスにより積層一体化して得られる。特に、銅張り積層板は、ドリルで層間接続用のスルーホールと呼ばれる穴をあけ、スルーホール内壁と銅箔表面上に無電解めっきを行い、必要に応じてさらに電解めっきを行って層間接続し、不要な銅を除去して製造される。
ところで、近年、電子機器の小型化、軽量化、多機能化が一段と進み、これに伴い、LSI、チップ部品等の高集積化が進みその形態も多ピン化、小型化へと急速に変化している。この為、電子部品を搭載するプリント配線板は、薄型化、高密度化の必要性がより強まっている。
また、プリント配線板を構成する積層板は、薄くても加熱処理で膨張しにくいことが必要となっている。
これらの対応として、絶縁樹脂組成物に熱膨張率が小さい無機フィラーを高充填化する手法が盛んに行われている。この際、樹脂と無機フィラーの分散性を向上するため、シリコーン系のオリゴマ処理を行う手法がとられている。例えば、特許文献1に基材表面の水酸基と反応するシリコーンオリゴマ処理が公開されており、無機フィラーを高充填化する手法として有効である。
特開平10−121363号公報
一方、電子部品の接続や電子部品搭載用のスルーホールは、レーザー技術の進化により従来のドリル形成を凌駕しつつある。このレーザーにより積層板に孔明け加工を施す際、積層板用樹脂は炭化、飛散し易いことが必要になっている。このため、炭化し難い無機フィラーを多く含有する積層板系は、レーザー加工性が充分でなくなってきている。このような理由により、できるだけ無機フィラーを少なくして熱膨張率を低減する技術が必要となっている。
本発明者らは、このような問題を解決するために研究を進めた結果、無機フィラー成分としてナノサイズのシリカを用い、このシリカにエポキシ樹脂と架橋する表面処理として特定のカップリング剤処理を選定し、高極性の溶剤中でエポキシ樹脂と一緒に処理する方法を見いだした。この手法を用いた絶縁樹脂は、従来よりも無機フィラーが少ない組成で低熱膨張率が可能となり、加熱処理で膨張が小さい積層板を得ることができる。
本発明は、無機フィラーが少ない組成で低熱膨張率を可能としたプリプレグを提供すると共に、低熱膨張率が可能であり、かつ加熱処理で膨張が小さい銅張り積層板を提供するものである。
本発明は、
A成分:シリカ、
B成分:エポキシ樹脂、
C成分:エポキシ基又はアミノ基を官能基に有したシランカップリング剤、
D成分:A成分、B成分及びC成分を混合する際の溶剤にジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)又はジメチルアセトアミド(DMAC)の何れか若しくは混合した溶剤
を含むE溶液を含有した絶縁樹脂をガラスクロスに含浸してなるプリプレグに関する。
また、本発明は、溶剤を除いた樹脂とシリカを合計した濃度が、40〜85重量%の範囲であるプリプレグに関する。
また、本発明は、シリカが、平均粒径が0.02〜5μmであるプリプレグに関する。
また、本発明は、E溶液が、D成分を用意し、次いでこのD成分にC成分を加えて攪拌し、さらにA成分を加えて攪拌し、最後にB成分を加えて攪拌して作製したものであるプリプレグに関する。
また、本発明は、E溶液が、D成分を用意し、次いでこのD成分にA成分を加えて攪拌し、さらにC成分を加えて攪拌し、最後にB成分を加えて攪拌して作製したものであるプリプレグに関する。
また、本発明は、エポキシ基又はアミノ基を官能基に有したシランカップリング剤の配合量が、シリカの量に対して0.01〜10重量%であるプリプレグに関する。
また、本発明は、E溶液が、室温で5分以上静置放置した後、室温で回転数600min−1以上の条件で5分以上攪拌したものであるプリプレグに関する。
また、本発明は、エポキシ樹脂が、固形状又は溶剤を含んだ状態であり、溶剤を含んだ状態のエポキシ樹脂を用いるときの溶剤が請求項1記載の溶剤で希釈したものであり、その際の溶剤を除いたエポキシ樹脂の濃度が50〜90重量%であるプリプレグに関する。
また、本発明は、E溶液を絶縁樹脂に加える際、室温で回転数600min−1以上の条件で攪拌しながら少量ずつ添加して絶縁樹脂ワニスとしたものであるプリプレグに関する。
また、本発明は、E溶液に用いるジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)又はジメチルアセトアミド(DMAC)の比率が、絶縁樹脂に使用される溶剤全体の15〜50重量%であるプリプレグに関する。
また、本発明は、エポキシ樹脂が、エポキシ基数2.5以上であるプリプレグに関する。
また、本発明は、溶剤を除いた絶縁樹脂に占めるシリカの割合が、30〜65重量%であるプリプレグに関する。
さらに、本発明は、前記の絶縁樹脂をガラスクロスに含浸、乾燥したプリプレグを1枚又は複数枚重ねて銅箔と一緒に加熱圧着してなる銅張り積層板に関する。
本発明のプリプレグは、無機フィラーが少ない組成で低熱膨張率が可能であり、このプリプレグを用いた銅張り積層板は、低熱膨張率が可能であり、かつ加熱処理で膨張が小さく、工業的に極めて好適である。
本発明になるプリプレグは、A成分:シリカ、B成分:エポキシ樹脂、C成分:エポキシ基又はアミノ基を官能基に有したシランカップリング剤及びD成分:A成分とB成分とC成分を混合する際の溶剤にジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)又はジメチルアセトアミド(DMAC)の何れか若しくは混合した溶剤を含むE溶液を含有した絶縁樹脂に用いることが必要である。
本発明に用いられA成分のシリカは、平均粒径が0.02〜5μmの破砕シリカ、合成球状シリカの何れも使用が可能であるが、流度分布の均一性の点から合成球状シリカを用いることが好ましい。市販品としては、電気化学工業(株)製のUFP−80(商品名)、UFP−30(商品名)、(株)アドマテックスのSO−G1(商品名)、SO−G2(商品名)、SO−G3(商品名)等が使用可能である。
平均粒径を0.02〜5μmの範囲とした理由は、平均粒径が0.02μm未満の場合、シリカの表面積増加により親水性が増し、増粘性が高まるため塗工時にスジや厚みムラが生じ易くなる。平均粒径が5μmを超える場合は、シリカの密度が相対的に減少して熱膨張率低減の効果が小さくなる傾向がある。
シリカの量は、溶剤を除いた絶縁樹脂に占める割合として30〜65重量%の範囲が好ましい。シリカの量が30重量%未満では熱膨張率の小さいシリカが少ないため絶縁樹脂全体の熱膨張率が大きくなる傾向がある。またの割合が65重量%を超えると絶縁樹脂中の有機成分の割合が減るため硬化塗膜が脆くなり、割れの発生や塗膜強度が低下する傾向がある。
本発明に用いられるエポキシ樹脂は、エポキシ基数2.5以上が好ましく、このようなエポキシ樹脂としては、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、燐含有エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等が使用可能である。これらのエポキシ樹脂の中では、高伸びと多層配線板特性の観点からビフェニル型エポキシ樹脂が特に好ましい。
エポキシ樹脂は、固形状又は溶剤を含んだ状態のものが用いられ、溶剤としてはジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)又はジメチルアセトアミド(DMAC)で希釈したものを用いる必要がある。
溶剤を除いたエポキシ樹脂の濃度は、50〜90重量%の範囲が好ましい。
エポキシ樹脂の希釈溶剤として、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)又はジメチルアセトアミド(DMAC)を用いる理由は、シリカの分散性と関係しているからである。即ち、シリカは凝集や沈降が生じ易いが、極性が高い前記溶剤を用いるとシリカ内のシラノール基と溶剤が結合し易くなり、凝集や沈降が防止できるからである。
また、エポキシ樹脂の濃度を50〜90重量%が好ましいとした理由は、50重量%未満では溶剤量が多くなり、その結果、絶縁樹脂をガラスクロスに含浸する際に溶剤が揮発し難くなって残存し易くなり、後工程で溶剤が揮発して作業環境が悪化したり、樹脂流れが大きくなりすぎて厚みの変化が生じ易くなる傾向がある。また90重量%を超えると未溶解のエポキシ樹脂が生じ易くなる傾向がある。
本発明でエポキシ基又はアミノ基を官能基に有したシランカップリング剤は、エポキシ基の場合、X−Si(OR)で表せるもので、Xがエポキシ基であり、ORがメトキシ基又はエトキシ基のものであれば使用可能である。例えば、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランが使用可能である。
アミノ基の場合も同様であり、例えば 、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、 3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランN−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩が使用可能である。
上記のエポキシ基又はアミノ基を官能基に有したシランカップリング剤の配合量は、シリカの量に対して0.01〜10重量%の範囲が好ましい。0.01重量%未満では熱膨張率の低減効果が少なく、10重量%を超えるとカップリング剤とエポキシ樹脂の反応に関してのカップリング剤が過剰となるため、Tgやはんだ耐熱性が低下する傾向がある。
A成分のシリカ、B成分のエポキシ樹脂、C成分のエポキシ基又はアミノ基を官能基に有したシランカップリング剤の3成分を混合する際の溶剤は、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)又はジメチルアセトアミド(DMAC)の何れか若しくは混合した溶剤を用いる必要がある。これらの溶剤は高極性という点で共通性があるために用いることができる。
即ち、シリカ内のシラノール基は親和性が高いため、極性が高い溶剤を用いることはシリカと溶剤の分散性の点から有利となる。
また、粒径が小さいシリカは表面積が大きいため凝集し易くなるが、シリカ同士の凝集を防止する点でも有利となるからである。
また、高極性の溶剤はアセトニトリルなどもあるが、沸点が低い場合、溶剤の揮発による濃度変化が起き易いことから、上記の3種類の溶剤の単独又は混合使用とした。
これらの溶剤を用いて、シリカ、エポキシ樹脂、エポキシ基又はアミノ基を官能基に有したシランカップリング剤の3成分を混合して作製した溶液の濃度は、40〜85重量%の範囲が好ましい。溶液の濃度が40重量%未満では溶剤分が増えるためにガラスクロスに含浸する際に溶剤が揮発し難くなって残存し易くなり、後工程で溶剤が揮発して作業環境が悪化したり、樹脂流れが大きくなりすぎて厚みの変化が生じ易くなる傾向がある。また、85重量%を超えると攪拌時の流動が起きにくくなり、シリカやエポキシ樹脂の分散性が悪化する傾向がある。
溶液(E)を作製する手順としては、まず溶剤を用意し、この溶剤を攪拌しながらカップリング剤、シリカ、エポキシ樹脂の順番で投入して作製する方法と、溶剤を攪拌しながらまず、シリカを投入し次いで、カップリング剤、エポキシ樹脂の順番で作製する方法を選択できる。この投入順序で重要なのは、シリカを溶剤とカップリング剤に浸漬させることであり、エポキシ樹脂は最後に投入する必要がある。この理由は不明であるが、分子間の距離と関係していると推定している。
また、前記の順番で作製した溶液(E)は、室温で5分以上、48時間以内で静置放置し、その後室温で回転数600min−1以上で5分以上攪拌することにより、絶縁樹脂内への分散性を高めることができる。即ち、溶液(E)は、エポキシ樹脂を投入することにより急激な粘度上昇が生じるためである。この粘度の上昇は、投入するエポキシ樹脂全量の10重量%を超えた付近から生じる。
エポキシ樹脂全量を投入した後は、ホイップ状となり、流動性が不足する。このホイップ状で流動性がない状態の溶液(E)をそのまま使用してもよいが、この溶液(E)を小分けして用いる場合、濃度差が生じる可能性があり好ましくない。このため、溶液(E)を先ず、室温で5分以上静置放置する。室温で5分間の静置放置は、粘度が安定する時間である。なお、室温で5分間以上放置すればこれ以上の静置放置は必要がない。
次に、室温で5分間以上放置した溶液(E)は、回転数600min−1以上の条件で5分以上攪拌することで、粘度が急激に低下する。そして、ホイップ状であった溶液(E)の粘度は、0.05Pa・s以下となる。この操作により、溶液(E)の濃度は安定し、小出しによる使用も可能にできる。
作製した溶液(E)は所定量を絶縁樹脂に加えるが、この際、室温で回転数600min−1以上の攪拌機を用いて溶液(E)を少量ずつ攪拌しながら添加することが好ましい。この理由は、絶縁樹脂中の溶剤は、揮発し易い低沸点溶剤が用いられるためであり、極性が低いメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル等を単独又は併用するからである。これらの極性が低い溶剤を含んだ絶縁樹脂中に、前記の極性が高い溶剤を使用した溶液(E)を加える際に、ケミカルショックを考慮しないとシリカの凝集が生じる。このため、作製した溶液(E)は、所定量を絶縁樹脂に加える際に少量ずつ攪拌しながら加える必要がある。
また、作製した溶液(E)のジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)又はジメチルアセトアミド(DMAC)の比率は、絶縁樹脂中に使用される溶剤全体の15〜50重量%とすることが好ましい。15重量%未満では、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)又はジメチルアセトアミド(DMAC)が不足するため、絶縁樹脂とした場合にシリカの凝集や沈降が生じる傾向があり、50重量%を超えると塗工時に揮発し難い溶剤が増すため作業環境上好ましくない。
上記の溶液(E)を作製又は絶縁樹脂組成物に添加する際、攪拌機を用いて作製し、600min−1以上の回転数を有する装置が必要である。この攪拌機に用いる回転羽根の形状には制限はなく、円状や十字状等何れも使用可能である。攪拌機の動力源にも制限はなく、電気、圧縮空気等が使用できる。
溶液(E)を加える絶縁樹脂は、特に制限はなく、エポキシ樹脂系、イミド樹脂系、シアネート樹脂系、ポリフェニレンエーテル樹脂系、フェノール樹脂系等が使用できる。この中で、耐薬品性、耐めっき液性及び絶縁性の点からエポキシ樹脂系を使用することが好ましい。
本発明に用いられる銅箔は、片面が粗化されたものを用いることが好ましい。銅箔は特に制限はなく、従来から銅張り積層板に使用されている電解銅箔、圧延銅箔、キャリアフィルム付き極薄銅箔等を使用することができる。
銅箔の厚さは、微細な回路を形成できる理由から、薄いものがよく、30μm以下が好ましく、10μm程度の極薄銅箔がより好ましくいが、この場合、単独では取り扱いが困難なためキャアリアフィルム付き銅箔を用いることが好ましい。
本発明における絶縁樹脂は、ガラスクロスに含浸させてB−ステージ化してプリプレグとする。このプリプレグの片面又は両面に銅箔を積層してB−ステージ化し、銅箔付きプリプレグとしてもよい。またこれらのプリプレグや銅はくは複数枚重ね合わせて加熱プレスし、多層積層板としてもよい。
以下、本発明を実施例に従い、詳細に説明する。
実施例1
(1)溶液(E)の作製
(1)−1 材料の秤量
A成分:シリカ(平均粒径0.04μm、電気化学工業(株)製、商品名UFP−80)…60g
B成分:ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、商品名NC−3000−H)、希釈溶剤:なし…78g
C成分:アミノシランカップリング剤(信越化学(株)製、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、商品名KBM−903)…0.6g
D成分:溶剤N−メチルー2−ピロリドン(NMP)(試薬)…90g
(1)−2 材料の混合
新東科学(株)製攪拌機BL−1200製に付属の十字状攪拌羽根を取り付ける。そして、ポリカップにD成分を移し、回転数100min−1の条件で攪拌を開始した。
次に、ゆっくりとC成分を滴下し、全量滴下後、2分間攪拌した。次いで攪拌を止めないまま、A成分を5回に分けて投入した。なお、回転数は、A成分の2回目投入後、600min−1とし、投入間隔1分間でA成分を全量投入し、その後、3分間回転数を保持した。最後に、B成分をA成分と同じ間隔で投入し、全量投入後、回転数を900min−1に上げて3分間回転数を保持した。
(1)−3 溶液(E)の静置
900min−1の条件で3分間回転した後、攪拌を止め、溶液(E)が入ったポリカップを取り出し、それを室温で10分間静置した。
(1)−4 溶液(E)の再攪拌
再度、新東科学(株)製攪拌機BL−1200製を用いて、溶液(E)を回転数900min−1の条件で10分間攪拌した。
その後、アルミシャーを用いて、160℃で60分乾燥前後の重量から濃度を測定した。その結果、実施例1で作製した溶液(E)の濃度は、70重量%であった。
(2)絶縁樹脂の作製
下記に示す材料を秤量し、新東科学(株)製攪拌機BL−1200製を用いて回転数600min−1の条件で、室温中で60分間攪拌を行った。
・溶液(E)…171g
・アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン(株)製、商品名ニポールー1031)…4g
・ノボラックフェノール樹脂(日立化成工業(株)製、商品名HP−850)…17g
・溶剤、メチルエチルケトン…30g
(3)プリプレグ及び銅張り積層板の作製
(2)で作製した絶縁樹脂を厚さが0.2mmのガラス布(坪量210g/m)に含浸し、160℃で3分間加熱して半硬化(Bステージ状態)のプリプレグを得た。このプリプレグを4枚重ね、その両側に18μmの銅箔を重ね、175℃で90分、圧力2.5MPaのプレス条件で両面銅張り積層板を作製した。
実施例2
実施例1の溶液(E)について、配合量は変えずにA成分のシリカを、平均粒径が0.12μmのUFP−30(電気化学工業(株)製、商品名)に変えた以外は、実施例1と同様の材料を使用し、実施例1と同様の工程を経て両面銅張り積層板を作製した。
実施例3
実施例1の溶液(E)について、配合量は変えずにA成分のシリカを、平均粒径が1.0μmのSO−E3((株)アドマテックス製、商品名)に変えた以外は、実施例1と同様の材料を使用し、実施例1と同様の工程を経て両面銅張り積層板を作製した。
実施例4
実施例1の溶液(E)について、配合量は変えずにC成分のシランカップリング剤を、エポキシ基を含有したカップリング剤の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製、商品名KBM−403)に変えた以外は、実施例1と同様の材料を使用し、実施例1と同様の工程を経て両面銅張り積層板を作製した。
実施例5
実施例1の溶液(E)について、配合量は変えずに溶剤を、D成分のジメチルホルムアミド(DMF)(試薬)に変えた以外は、実施例1と同様の材料を使用し、実施例1と同様の工程を経て両面銅張り積層板を作製した。
実施例6
実施例1の溶液(E)について、配合量は変えずに溶剤を、D成分のジメチルアセトアミド(DMAC)に変えた以外は、実施例1と同様の材料を使用し、実施例1と同様の工程を経て両面銅張り積層板を作製した。
実施例7
実施例1の溶液(E)について、B成分のビフェニルノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、商品名NC−3000−H)を固形量換算で実施例1と同様のまま、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)(試薬)で溶解したものを用いた。その際のエポキシ樹脂の濃度は、80重量%であった。その他は、実施例1と同様の材料を使用し、実施例1と同様の工程を経て両面銅張り積層板を作製した。
実施例8
実施例1の溶液(E)を作製するのに際し、材料の投入順序をD成分の次にA成分を投入し、次いでC成分を投入し、最後にB成分を投入した。その他は、実施例1と同様の材料を使用し、実施例1と同様の工程を経て両面銅張り積層板を作製した。
実施例9
実施例1の溶液(E)について、B成分のエポキシ樹脂を、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、商品名NC−3000−H)とクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(住友化学(株)製、商品名ESCN−190−3)をそれぞれ39g(合計78g)配合し、その他は、実施例1と同様の材料を使用し、実施例1と同様の工程を経て両面銅張り積層板を作製した。
比較例1
実施例1の溶液(E)について、配合量は変えずにD成分の溶剤をメチルエチルケトンに変えた以外は、実施例1と同様の材料を使用し、実施例1と同様の工程を経て両面銅張り積層板を作製した。
比較例2
実施例1の溶液(E)について、C成分のアミノシランカップリング剤(信越化学(株)製、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、商品名KBM−903)を使用しない以外は、実施例1と同様の材料を使用し、実施例1と同様の工程を経て両面銅張り積層板を作製した。
比較例3
実施例1の溶液(E)について、配合量は変えずにC成分のシランカップリング剤をエポキシ基、アミノ基を含有しないビニルシランカップリング剤(信越化学(株)製、ビニルトリエトキシシラン、商品名KBE−1003)に変えた以外は、実施例1と同様の材料を使用し、実施例1と同様の工程を経て両面銅張り積層板を作製した。
参考例1
実施例1の溶液(E)について、配合量は変えずにA成分のシリカを平均粒径が10μmのシリカ(電気化学工業(株)製、商品名FS−44)に変えた以外は、実施例1と同様の材料を使用し、実施例1と同様の工程を経て両面銅張り積層板を作製した。
参考例2
実施例1の溶液(E)を作製するのに際し、材料の投入順序をD成分の次にB成分を投入し、次いでC成分を投入し、最後にA成分を投入した。その他は、実施例1と同様の材料を使用し、実施例1と同様の工程を経て両面銅張り積層板を作製した。
上記で作製した両面銅張り積層板について、絶縁樹脂作製段階での溶液(E)の状態観察、溶液(E)の粘度と積層板とした段階での熱膨張率、銅箔との接着強度及び288℃はんだ耐熱性試験を評価した。その結果を表1、表2及び表3に示す。
〔溶液(E)の状態観察〕
作製した溶液(E)を室温中で5時間静置し、フィラーの沈降の有無及び溶液の分離の発生有無について観察した。
〔溶液(E)の粘度測定〕
各実施例、各比較例及び各参考例で作製した溶液(E)の粘度を、静置前(作製直後)と室温中に60分静置後に分けて測定した。粘度は、B型粘度BM−2を用いて、室温で測定した。
〔熱膨張係率〕
各実施例、各比較例及び各参考例で作製した両面銅張り積層板の銅箔をエッチング除去した基材を5mm角に切断し、Du Pont製2000型熱分析システム943TMAを用いて、圧縮法、加重5gの条件で測定し、30〜100℃間の平均熱膨張率で表した。
〔銅箔との接着強度〕
L1回路層(第3回路層)の一部に幅10mm及び長さ100mmの部分を形成し、この一端を剥がしてつかみ具でつかみ、垂直方向に50mm室温中で引き剥がしたときの荷重を測定した。
〔288℃はんだ耐熱性〕
各実施例、各比較例及び各参考例で作製した両面銅張り積層板を25mm角に切断し、288℃±2℃に調整したはんだ浴に浮かべ、ふくれが発生するまでの時間を調べた。
Figure 2007077354
Figure 2007077354
Figure 2007077354
表1、表2及び表3に示されるように、本発明のプリプレグとそれを用いた両面銅張り積層板は、同じシリカ量でも低熱膨張率化が実現でき、さらに、今後の薄型化や高密度化に優れた特性を得ることができることが明らかである。


Claims (13)

  1. A成分:シリカ、
    B成分:エポキシ樹脂、
    C成分:エポキシ基又はアミノ基を官能基に有したシランカップリング剤、
    D成分:A成分、B成分及びC成分を混合する際の溶剤にジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)又はジメチルアセトアミド(DMAC)の何れか若しくは混合した溶剤
    を含むE溶液を含有した絶縁樹脂をガラスクロスに含浸してなるプリプレグ。
  2. 溶剤を除いた樹脂とシリカを合計した濃度が、40〜85重量%の範囲である請求項1記載のプリプレグ。
  3. シリカが、平均粒径が0.02〜5μmである請求項1又は2記載のプリプレグ。
  4. E溶液が、D成分を用意し、次いでこのD成分にC成分を加えて攪拌し、さらにA成分を加えて攪拌し、最後にB成分を加えて攪拌して作製したものである請求項1〜3のいずれかに記載のプリプレグ。
  5. E溶液が、D成分を用意し、次いでこのD成分にA成分を加えて攪拌し、さらにC成分を加えて攪拌し、最後にB成分を加えて攪拌して作製したものである請求項1〜3のいずれかに記載のプリプレグ。
  6. エポキシ基又はアミノ基を官能基に有したシランカップリング剤の配合量が、シリカの量に対して0.01〜10重量%である請求項1〜5のいずれかに記載のプリプレグ。
  7. E溶液が、室温で5分以上静置放置した後、室温で回転数600min−1以上の条件で5分以上攪拌したものである請求項1〜6のいずれかに記載のプリプレグ。
  8. エポキシ樹脂が、固形状又は溶剤を含んだ状態であり、溶剤を含んだ状態のエポキシ樹脂を用いるときの溶剤が請求項1記載の溶剤で希釈したものであり、その際の溶剤を除いたエポキシ樹脂の濃度が50〜90重量%である請求項1〜7のいずれかに記載のプリプレグ。
  9. E溶液を絶縁樹脂に加える際、室温で回転数600min−1以上の条件で攪拌しながら少量ずつ添加して絶縁樹脂ワニスとしたものである請求項1〜8のいずれかに記載のプリプレグ。
  10. E溶液に用いるジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)又はジメチルアセトアミド(DMAC)の比率が、絶縁樹脂に使用される溶剤全体の15〜50重量%である請求項1〜9のいずれかに記載のプリプレグ。
  11. エポキシ樹脂が、エポキシ基数2.5以上である請求項1〜10のいずれかに記載のプリプレグ。
  12. 溶剤を除いた絶縁樹脂に占めるシリカの割合が、30〜65重量%である請求項1〜11のいずれかに記載のプリプレグ。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の絶縁樹脂をガラスクロスに含浸、乾燥したプリプレグを1枚又は複数枚重ねて銅箔と一緒に加熱圧着してなる銅張り積層板。


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