JP2012101245A - 被切断材の切断方法及び切断装置 - Google Patents

被切断材の切断方法及び切断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】切断端材を含む被切断材の形状を認識するのに引き続き該被切断材の板厚を認識することができる切断方法を提供する。
【解決手段】切断領域Bに配置された端材を含む被切断材31〜34を非接触状態で切断する工具3を用いて切断する方法であって、切断領域BをCCDカメラ5によって撮影して撮影された画像から切断領域Bに配置された被切断材31〜34の平面形状を認識する工程と、平面形状を認識した被切断材31〜34に対し板厚計測点31a〜31c、32a〜32d、33a〜33c、34a〜34cを設定する工程と、設定された板厚計測点に対し、被切断材の厚さを計測する板厚計測装置4を対向させて該板厚計測装置4によって被切断材の板厚を計測する工程と、計測された被切断材の板厚に応じた切断速度を設定する工程と、を含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、切断可能領域に配置された被切断材を切断する方法と装置に関し、特に、切断残材のように雑多な形状で且つ板厚が判明していない被切断材を切断するのに有利な切断方法と装置に関するものである。
ステンレス鋼板を含む鋼板類、アルミニウム板や銅板を含む非鉄金属板、アクリル板を含む合成樹脂板等の板からなる被切断材を切断する際に、ガス切断法やプラズマ切断法或いはレーザ切断法が選択的に採用される。最近では、ノズルから被切断材に向けて超高圧水を噴射して切断するウォータージェット切断法を採用することもある。これらの切断法は、何れも被切断材の表面から離隔した位置にノズルを配置しておき、このノズルから火炎と酸素ガス、プラズマジェット、レーザ光とアシストガス、超高圧水の何れかを被切断材に向けて噴射しつつ、所定の経路で移動させて切断するものである。
被切断材は予め設定された寸法を持った長方形の大板であるのが一般的であるが、この大板から目的の製品を切断した場合、平面形状が異なる複数の端材(残材)が生じることが多い。通常、端材はスクラップとして処理される。しかし、例えばフランジのような比較的小さな部品を切断することができるような大きさを持った端材は、被切断材として管理され、小さな部品を切断する必要が生じたとき、複数の端材を並べて切断することが行われている。
一般的に端材は個々に平面形状が異なっており、複数の端材を並べて切断する場合、特許文献1に記載された技術が利用されている。この技術は、切断機の切断領域としての切断定盤上に複数の端材を並べてCCDカメラで撮影し、撮影した画像を処理して端材に対応する領域を切断可能領域として認識し、認識された切断可能領域に切断すべき部品の図形を割り当てた後、割り当てた図形を切断するものである。
特許文献1に係る技術では、形状の異なる複数の端材に対し、連続して切断を行うことが可能となり、従来、一人の作業員が1枚の端材を順に切断していた作業と比較すると、作業効率の向上や労力の削減等に大きな効果を発揮することができる。
特許第2548648号公報
上記した特許文献1に係る技術では、切断領域に並べた複数の端材を上方から撮影した画像から個々の端材の平面形状を認識することができるものの、端材の板厚を認識することができない。このため、数値制御切断装置のような自動切断装置を利用して切断する際に、作業員が手で板厚情報を入力することが必要となり、切断現場で被切断材の板厚を測定して入力する手間や、誤入力の虞があるという問題がある。
本発明の目的は、被切断材の形状を認識するのに引き続き該被切断材の板厚を認識することができる切断方法と、切断装置を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る被切断材の切断方法は、切断領域に配置された被切断材を非接触状態で切断する工具を用いて切断する方法であって、切断領域をCCDカメラによって撮影して撮影された画像から切断領域に配置された被切断材の平面形状を認識する工程と、前記平面形状を認識した被切断材に対し板厚計測点を設定する工程と、前記設定された板厚計測点に対し、被切断材の厚さを計測する板厚計測装置を対向させて該板厚計測装置によって被切断材の板厚を計測する工程と、前記計測された被切断材の板厚に応じた切断速度を設定する工程と、を含むことを特徴とするものである。
上記被切断材の切断方法に於いて、前記被切断材に対して設定される板厚計測点が複数であることが好ましい。
また上記何れかの被切断材の切断方法に於いて、前記板厚計測装置が、被切断材に対し非接触状態で該被切断材の表面までの距離を検出する検出部材と、前記検出部材を被切断材の表面に対し離隔させ又は接近させる駆動部材と、を有することが好ましい。
また、本発明に係る被切断材の切断装置は、切断領域に沿って移動可能に配置された走行台車と、前記走行台車に搭載され、該走行台車の走行方向に対し直行する方向に横行可能な横行キャリッジと、前記走行台車の走行と横行キャリッジの横行を制御する走行制御装置と、前記横行キャリッジに搭載され、切断領域に配置された被切断材に対し非接触状態で切断する切断工具と、前記横行キャリッジに搭載され、被切断材までの距離を検出する検出部材と、前記検出部材を被切断材の表面に対し離隔させ又は接近させる駆動部材と、を有する板厚計測装置と、切断領域を上方から撮影するCCDカメラと、前記CCDカメラによって撮影した画像から切断領域に配置された被切断材の平面形状を認識する被切断材認識装置と、前記被切断材認識装置によって認識した被切断材に対し板厚計測点を設定すると共に設定した板厚計測点の位置情報を前記走行制御装置に伝達して板厚計測装置を板厚計測点に移動させるように制御し、且つ板厚計測点に対向した板厚計測装置によって計測した該板厚検出装置の被切断材表面からの距離と予め設定された基準となる面との差から被切断材の板厚を検出する板厚検出装置と、前記板厚検出装置によって検出した被切断材の板厚に応じた切断速度を設定すると共に設定した切断速度情報を前記走行制御装置に出力する切断速度設定装置と、を有するものである。
上記被切断材の切断装置に於いて、前記板厚計測装置が、切断工具の被切断材からの高さを保持するように構成されたものであることが好ましい。
本発明に係る切断方法では、切断領域に配置された被切断材をCCDカメラによって撮影して画像を処理することで平面形状を認識することができる。その後、認識した被切断材に対して板厚測定点を設定し、この板厚測定点に板厚計測装置を対向させて板厚を計測することができる。そして、計測された板厚に応じた切断速度を設定することで、被切断材を板厚に応じて最適な切断速度で切断することができる。このため、作業員が切断領域に配置された被切断材の板厚を測定して入力する必要がなくなり、合理的な切断を実施することができる。
被切断材に対する板厚計測点を複数設定することによって、切断領域に配置された被切断材が傾斜しているような場合であっても、正確な板厚を計測することができる。即ち、切断領域が切断定盤であり、該切断定盤の上面にスラグが付着して凹凸が生じているような場合、計測データを適切に処理することによって板厚を計測することができる。
板厚計測装置を、非接触状態で被切断材の表面までの距離を検出する検出部材と、検出部材を被切断材の表面に対し離隔させ又は接近させる駆動部材と、を有して構成した場合には、短時間で正確に板厚を計測することができる。
また、本発明に係る切断装置では、切断領域に配置された被切断材の平面形状を認識した後、該被切断材の板厚を検出することができる。そして、切断速度設定装置に於いて、板厚検出装置によって検出した板厚に応じて最適な切断速度を設定すると共に設定した切断速度情報を走行制御装置に出力することで、走行台車と横行キャリッジの速度を制御することができる。
従って、例えば切断定盤からなる切断領域に配置された被切断材が如何なる平面形状と、板厚を有していても、この被切断材の板厚に応じて最適な速度で切断することができる。このため、被切断材の平面形状を認識した後、この被切断材から切断すべき図形を割り当てることで、人手を介在させることなく、被切断材から目的の図形を合理的に切断することができる。
また、板厚計測装置が、切断工具の被切断材からの高さを保持するために構成された高さ調整装置である場合、特別な部材を必要とせずに被切断材の板厚を計測することができる。
切断装置の構成を模式的に説明する図である。 切断装置の制御系の構成を模式的に説明する図である。 切断領域に配置された複数の被切断材の平面形状を認識すると共に板厚計測点を設定した状態を説明する図である。 被切断材の板厚を計測する手順を説明する図である。
以下、図1、2を用いて本実施例に係る切断装置の構成を説明し、あわせて切断方法について説明する。本実施例に係る切断装置Aは、切断領域Bに沿って移動可能に配置された走行台車1と、走行台車1に搭載されて該走行台車1の走行方向に対し直行方向に横行可能な横行キャリッジ2と、横行キャリッジ2に搭載された切断工具3及び板厚計測装置4と、切断領域Bを上方から撮影するCCDカメラ5と、を有している。
切断可能領域Bは、切断装置Aを構成する切断工具3が、走行台車1の走行範囲、走行台車1に搭載された横行キャリッジ2の横行範囲、に対応した移動し得る領域として設定されており、予め想定した切断すべき被切断材の最大寸法に応じて設定されている。この切断領域Bには、被切断材を載置するために、起立させた多数の板を所定の間隔で並べて構成したり、多数の突起物を並べて構成した切断定盤11が配置されている。
走行台車1は、切断領域Bを横断する方向に配置された門型のガーター1aを有している。このため、切断領域Bの両側には、該切断領域Bに沿って一対のレール12が設置され、このレール12にガーター1aが載置されている。また、ガーター1aには走行モーター1bが配置されており、この走行モーター1bに駆動されて、レール12上を所望の速度で所望の方向に走行し得るように構成されている。
走行台車1を構成するガーター1aに横行キャリッジ2が搭載されている。この横行キャリッジ2には横行モーター2aが取り付けられており、該横行モーター2aに駆動されて、ガーター1aに沿って切断領域Bを横断する方向に所望の速度で所望の方向に横行し得るように構成されている。
横行キャリッジ2には被切断材を非接触状態で切断する切断工具3が搭載されている。鋼板やステンレス鋼板を含む被切断材を非接触状態で切断する切断法としては、ガス切断法やプラズマ切断法、レーザ切断法或いはウォータージェット切断法があり、何れの切断法であっても好ましく採用することが可能である。このような切断法を実現する切断工具3としては、ガス切断トーチと火口(ノズル)の組み合わせ、プラズマ切断トーチとノズルの組み合わせ、レーザ切断トーチとノズルの組み合わせ、或いはウォータージェット切断トーチとノズルの組み合わせがあり、何れも好ましく採用することが可能である。
本実施例では、切断工具3としてガス切断法を実施するガス切断火口を用いている。このため、切断工具3には図示しない酸素ガスホース、燃料ガスホースが接続されており、夫々のホースは工場配管や、ガス供給装置に接続されている。
横行キャリッジ2には板厚計測装置4が搭載されている。板厚計測装置4は被切断材の板厚を計測するものであり、被切断材に対して接触して板厚を計測するか、非接触状態で板厚を計測するについては限定するものではなく、板厚を計測し得る機能を有するものであれば採用することが可能である。
例えば、被切断材に接触して板厚を計測する場合、接触子が被切断材の表面に接触したときの計測基準点の高さ位置を測定し、基準となる面に接触したときの計測基準点の高さ位置との差によって被切断材の板厚を計測し得るようにすることが可能である。この場合、横行キャリッジ2を移動させつつ被切断材の表面に棒状の接触子を間欠的に接触させる構成、ローラー状の接触子を被切断材の表面に連続的に接触させる構成等の機構を採用することが可能となる。
また、被切断材に対して非接触状態で板厚を計測する場合、被切断材との間の静電容量を予め設定された値となるように間隔を調整して計測基準点の高さ位置を測定し、基準となる面との静電容量の値が予め設定された値となったときの計測基準点の高さ位置との差によって板厚を計測する構成、レーザ距離測定センサーを含むセンサーを利用して板厚を計測する構成等の機構を採用することが可能である。
本実施例では、被切断材の表面に向けて発射したレーザ光の反射によって距離を測定し得るように構成されたセンサーを検出部材4aとし、この検出部材4aの被切断材の表面からの距離を予め設定された値となるように離隔又は接近させる駆動部材4bと、検出部材4aの被切断材からの距離が予め設定された値となったときの検出部材4aの高さ方向の位置を計測する計測部材4cと、によって板厚計測装置4を構成している。
計測部材4cは、検出部材4aが被切断材の表面から予め設定された距離(高さh)にあるとき、この検出部材4aの基準となる面からの距離(高さH)を計測するものである。即ち、計測部材4cは検出部材4aの被切断材の表面からの高さを計測する機能を有するものであれば利用することが可能である。このような機能を有するものとして、例えば、駆動部材4bを構成するモーターの回転を計測するロータリーエンコーダとパルスカウンタの組み合わせがある。また、横行キャリッジ2にスケール部材を固定すると共に検出部材4aに非接触式のセンサーを取り付けて位置を計測する構造であっても良い。前記各構成は何れも利用することが可能である。
被切断材の板厚を計測する際の基準となる面(以下「基準面」という)を何れの地点に設定するか、構造を如何にするか、は特に限定するものではなく、切断作業を実施する際に影響を受けることがなく、且つ高さ方向の位置が変化することがなければ良い。このため、例えば、検出部材4aの移動範囲に於ける切断領域Bに隣接した位置に、鋼板やステンレス鋼板を設置して基準面とすることが可能である。また、基準面を構成する鋼板やステンレス鋼板をエアシリンダーによって切断領域Bに出没し得るように構成しても良い。いずれにしても、基準面の表面と切断領域Bの面(切断定盤11の表面)とが高さ方向に一定の関係を保持することが必要である。
本実施例では、切断領域Bに隣接させてレール12との間に配置したステンレス鋼板によって基準面15を構成している。この基準面15の表面は切断領域Bに配置された切断定盤11の表面(起立させた板の端面)と同じ高さに設定されている。
上記の如く構成された板厚計測装置4による被切断材の板厚を計測する方法について説明する。先ず、切断定盤11の表面と等しい高さに設定された基準面15に検出部材4aを対向させ、該検出部材4aの基準面15から予め設定された距離(h)にあるときの高さを基準値(h)として設定する。
次に、切断定盤11に被切断材を載置し、検出部材4aを高さ方向に十分に上昇させた状態で被切断材の上表面に対向する位置まで移動させる。その後、検出部材4aを下降させ、該検出部材4aを被切断材から予め設定された距離(h)に設定し、このときの検出部材4aの基準面15からの高さ(H)を計測部材4cによって計測する。そして、検出部材4aの高さの値(H)と、検出部材4aの被切断材の表面からの高さ(h)の差(H−h)から、被切断材の板厚(t)を計測する。
本実施例に於いて、板厚計測装置4を構成する検出部材4aは切断工具3と同一のブラケット4dに設けられており、該ブラケット4dを駆動部材4bによって被切断材に対し離隔又は接近(昇降)させるように構成されている。本実施例に於いて、板厚計測装置4は、被切断材の板厚を計測する機能と、切断中には切断工具3を常に被切断材の表面から一定距離(h)離隔させた位置(高さ)に保持させる機能とを併せ持つように構成されている。
また、走行台車1には制御盤13が設けられており、この制御盤13に走行制御装置を含む各種の制御装置が組み込まれている。
上記構成に於いて、走行制御装置21によって走行モーター1b及び横行モーター2aの回転方向と回転速度を制御することによって、横行キャリッジ2に搭載した切断工具3を切断領域Bに於ける所望の方向に所望の速度で移動させることが可能である。そして、切断工具3の移動に伴って稼働させることで、被切断材に対する切断を実行することが可能である。
切断領域Bの上方にはCCDカメラ5が配置されている。CCDカメラ5は、切断領域Bの全体を一度で撮影できることが好ましい。しかし、必ずしも一度で撮影することにこだわるものではなく、一度で撮影できない場合には、切断領域Bの上方に複数台のCCDカメラ5を設置するか、1台のCCDカメラ5を切断領域の上方で移動させつつ、複数回の撮影を行うことで良い。
また、CCDカメラ5によって切断領域Bを撮影したとき、画素間に対応する切断領域Bの距離が大きいと、撮影した画像を処理して認識した被切断材の形状の精度、寸法の精度が劣化する。このため、CCDカメラ5の分解能は適度な精度を保証し得ることが必要である。CCDカメラ5に要求すべき分解能は5mm程度であれば充分である。
また、CCDカメラ5を切断領域Bの上方に配置して支持する構造として特に限定するものではなく、門型のガーターをレール12に沿って走行し得るように構成し、このガーターに取り付けて支持し得るように構成することが可能である。この構成では、ガーターをレール12に沿って走行させつつ切断領域Bの全域にわたって撮影することが可能である。また、工場建物の壁面から突出させた梁にCCDカメラを取り付けて支持し得るように構成することも可能であり、更に、前記梁を壁面側に回動させて退避し得るように構成することも可能である。
切断領域Bに配置される被切断材は、予め設定された寸法を持った長方形状の大板であって良く、また大板から必要な部材を切断した後の端材であっても良い。しかし、本実施例に係る切断装置Aでは、図3に示すように、切断領域Bに板厚の異なる複数の端材からなる被切断材31〜34を配置し、これらの被切断材31〜34を連続的に切断するような場合に用いたときに大きな効果を発揮することが可能である。
次に、上記の如く構成された切断装置Aの制御系の構成について図2により説明する。切断装置Aの動作を制御する制御部20は、走行台車1に搭載された制御盤13に内蔵されたコンピュータによって構成されている。
制御部20は、走行制御装置21と、被切断材認識装置22と、板厚検出装置23と、切断速度設定装置24と、これらの各装置21〜24を有機的に作動させて切断装置Aを動作させる制御装置25と、を有して構成されている。
走行制御装置21は、走行台車1に配置された走行モーター1b、及び横行キャリッジ2に配置された横行モーター2aの回転を制御するものである。即ち、被切断材31〜34の板厚を検出する際には、各被切断材31〜34に設定された板厚測定点31a〜31c、32a〜32d、33a〜33c、34a〜34cと対向する位置に検出部材4aを移動させるように各モーター1b、2aを制御する。また、被切断材31〜34に設定された製品を連続的に切断する際には、各被切断材31〜34の板厚に対応させた切断速度で且つ製品の形状に対応させて切断工具3を移動させるように各モーター1b、2aを制御する。
被切断材認識装置22は、CCDカメラ5によって撮影した画像を処理して切断領域Bに配置された被切断材31〜34の平面形状を認識するものである。即ち、CCDカメラ5によって撮影した切断領域Bの画像を二値化処理し、この二値化データから切断領域Bに配置された被切断材31〜34の輪郭線を認識して平面形状と寸法、及び切断領域Bに於ける配置位置を認識する。このようにして認識した被切断材31〜34の平面形状と寸法及び配置位置の情報は、被切断材認識装置22又は制御装置25に一時記憶される。
板厚検出装置23は、被切断材認識装置22によって平面形状と寸法、及び配置位置を認識した被切断材31〜34の板厚を検出するものである。即ち、被切断材認識装置22によって平面形状を認識した被切断材31〜34に対し、板厚計測点31a〜31c、32a〜32d、33a〜33c、34a〜34cを設定する。板厚計測点は、1枚の被切断材に対し少なくとも1つあれば良い。しかし、切断定盤11に前の切断時に生じたスラグが付着して凹凸が生じている虞があるため、1枚の被切断材に対し複数の板厚計測点を設定して複数の板厚データを収集し、収集した板厚データを処理、例えば平均値を得て板厚とすることが好ましい。
次に、設定した板厚計測点の位置情報を走行制御装置21に伝達し、板厚計測装置4を最初の板厚測定点、例えば31aに対向させる。板厚計測点31aに対向した板厚計測装置4によって、該板厚計測点31aに於ける検出部材4aの被切断材表面からの高さを検出し、検出した高さと予め設定された基準面15からの高さとの差から被切断材の板厚(t)を検出する。このようにして板厚計測点31aに於ける被切断材の板厚を計測した後、検出部材4aを次の板厚計測点、例えば31bに対向させ、板厚計測点31aに於ける作業を同じ作業を行って該板厚計測点31bに於ける板厚を検出し、その後、順に他の板厚検出点に於ける被切断材の板厚を計測することが可能である。
切断速度設定装置24は、板厚検出装置23によって検出した被切断材31〜34の板厚に応じた切断速度を設定すると共に設定した切断速度情報を走行制御装置21に出力するものである。即ち、切断速度設定装置24には、予め切断工具3による被切断材の板厚と切断速度との関係からなる切断速度のテーブルが記憶されており、被切断材の板厚が設定されると、この板厚に対応した切断速度が決定され、切断速度情報として出力される。
次に、上記の如く構成された切断装置Aにより切断残材からなる複数の被切断材31〜34に対して切断する際の手順について説明する。
先ず、走行台車1を切断領域Bから退避させると共に、切断工具3、検出部材4aを上昇限まで上昇させて退避させておき、図1、図3(a)に示すように、切断領域Bに複数の被切断材31〜34を配置する。次に、被切断材31〜34が配置された切断領域BをCCDカメラ5によって撮影し、撮影した画像を被切断材認識装置22で処理する。この処理を行うことによって、切断領域Bに配置された被切断材31〜34の平面形状と寸法、及び配置位置が認識され、これらの情報が被切断材認識装置22又は制御装置25に一時記憶される。
板厚検出装置23では、予め設定された被切断材の板厚を検出するためのプログラムに従って動作を開始する。先ず、被切断材認識装置22又は制御装置25に記憶させた切断領域Bに配置された被切断材31〜34の平面形状と寸法及び配置位置の情報に基づいて、各被切断材31〜34に対し板厚計測点を設定する。各被切断材31〜34に対して設定する板厚計測点の数は限定するものではなく、被切断材の面積や長さ等の条件に応じて適宜設定することが好ましい。
本実施例では、被切断材31に対しては3つの板厚計測点31a〜31cを設定しており、被切断材32に対しては4つの板厚計測点32a〜32dを、被切断材33、34に対しては夫々3つの板厚計測点33a〜33c、34a〜34cを設定している。各板厚測定点の位置は任意に設定されていて良く、また、x、y方向に夫々同一の座標上に複数設定されていても良い。
予め設定されている基準面15の位置情報、及び各被切断材31〜34に設定された板厚計測点31a〜31c、32a〜32d、33a〜33c、34a〜34cの位置情報は、制御装置25を介して又は直接走行制御装置21に伝達される。そして、走行制御装置21では、基準面15の位置情報、及び伝達された板厚測定点の位置情報に基づいて走行モーター1b、横行モーター2aを駆動して検出部材4aを順に各板厚測定点に対向する位置に移動させる。
ここで、被切断材の板厚を検出する方法として、被切断材31の場合を代表して説明する。
被切断材31の板厚を検出するのに先立って、基準面15を利用して検出部材4aの基準となる高さを検出する。この方法は、走行モーター1b、横行モーター2aを駆動して検出部材4aを基準面15上に移動させ、検出部材4aの基準面15からの高さを予め設定された値とし、このときの検出部材4aの高さを基準となる高さ(基準高さ)とすることで行われる。
即ち、検出部材4aとしてレーザセンサーを利用した場合、該検出部材4aが基準面15から予め設定された高さ(h:例えば20mm)に位置したときに信号を発生するように構成する。そして、駆動部材4bを駆動して検出部材4aを基準面15に対向させて昇降させ、検出部材4aから発生した信号を検出したときの計測部材4cの位置を基準位置(検出部材4aの基準高さh)として設定する。
例えば、駆動部材4bがモーターであり、計測部材4cがロータリーエンコーダ及びパルスカウンタによって構成されている場合、検出部材4aが基準高さに一致して発生した信号を検出したときのロータリーエンコーダの位置(基準位置)として設定する。従って、駆動部材4bを駆動して検出部材4aを上昇又は下降させたとき、駆動部材4bの回転に伴って発生するロータリーエンコーダからのパルス数を計測することで、検出部材4aの基準面15からの高さ(H)を計測することが可能である。
尚、基準面15を利用した検出部材4aの基準高さの検出は毎回行う必要はなく、適宜行えば良い。
被切断材31の板厚を検出する場合、走行制御装置21では、被切断材31に対する板厚計測点31a〜31cの位置情報に基づいて、走行モーター1b、横行モーター2aを駆動し、検出部材4aを板厚計測点31aに移動させる。検出部材4aが板厚計測点31aに対向する位置に到達したとき、走行モーター1b、横行モーター2aを夫々停止させ、板厚検出装置23に検出部材4aが板厚測定点31aに到達したとの情報を伝える。
検出部材4aが板厚計測点31aに到達したとの情報を得た板厚検出装置23では、駆動部材4bを駆動して検出部材4aを板厚計測点31a(被切断材31の表面)に接近させる。検出部材4aを板厚計測点31aに接近させている間、計測部材4cでは駆動部材4bの回転に伴ってパルス信号を発生すると共に発生したパルスを計測する。そして、検出部材4aが板厚計測点31aに於いて基準高さhに到達して信号を発生したとき、計測部材4cによって計測したパルス数から検出部材4aの基準面15からの高さHを計測することが可能である。このようにして計測された板厚計測点31aに於ける高さHの情報は、板厚検出装置23又は制御装置25に一時記憶される。
上記の如くして板厚計測点31aに於ける高さHを測定した後、該板厚計測点31aに於ける板厚検出が終了した旨の信号が発生する。走行制御装置21では、この信号に応じて走行モーター1b、横行モーター2aを駆動して検出部材4aを板厚計測点31bに移動させる。このとき、検出部材4aを被切断材31の表面から離隔させて退避させた状態とするか、基準高さhを保持させた状態とするか、については限定するものではない。
そして、検出部材4aが板厚計測点31bに到達したとき、走行モーター1b、横行モーター2aを夫々停止させ、板厚検出装置23に検出部材4aが板厚測定点31bに到達したとの情報を伝える。その後、前述したのと同じ手順で、板厚計測点31bに於ける検出部材4aの基準面15からの高さhを計測し、計測した情報を板厚検出装置23又は制御装置25に一時記憶する。
このような一連の作業を行うことによって、被切断材31に設定された複数の板厚計測点31a〜31cに於ける検出部材4aの基準面15からの高さHを計測し、計測された検出部材4aの基準面15からの高さHの値から基準高さhを差し引くことで、被切断材31の板厚tを検出することが可能である。
例えば、切断領域Bを構成する切断定盤11の表面にスラグが付着しており、被切断材31がスラグが付着している部位に配置された場合、複数の板厚計測点31a〜31cに於いて検出された板厚tの値にばらつきが生じることがある。このような場合には、検出された板厚tの値の平均値を1mm単位で繰り上げて被切断材31の板厚としても良く、最大値を除いた値を1mm単位で繰り上げて被切断材31の板厚としても良い。特に、被切断材が鋼板である場合、一般に板厚は1mm単位、或いは5mm単位で設定されており、1mm以下の数値に拘泥する必要はない。
板厚検出装置23で検出された被切断材31の板厚の情報は切断速度設定装置24に伝えられ、切断工具3によって被切断材31を切断するのに適した速度が設定され、設定された切断速度の情報が走行制御装置21に伝えられる。
また、被切断材31から切断すべき図形の情報は入力装置26から入力されて制御装置25に一時記憶される。そして、被切断材31から予め入力された図形を切断すべき旨の信号が発生すると、予め設定された切断プログラムに従って制御装置25から切断工具3、走行制御装置21が制御され、被切断材31を検出された板厚情報に基づく最適な切断速度で切断することが可能である。
更に、切断装置Aによる一連の作業で必要な情報はディスプレイ27に表示され、作業員が常時監視ことが可能である。
本発明に係る切断方法は、ガス切断法、プラズマ切断法、レーザ切断法、ウォータージェット切断法に限定されることなく利用することが可能である。
A 切断装置
B 切断領域
1 走行台車
1a ガーター
1b 走行モーター
2 横行キャリッジ
2a 横行モーター
3 切断工具
4 板厚計測装置
4a 検出部材
4b 駆動部材
4c 計測部材
4d ブラケット
5 CCDカメラ
11 切断定盤
12 レール
15 基準面
13 制御盤
20 制御部
21 走行制御装置
22 被切断材認識装置
23 板厚検出装置
24 切断速度設定装置
25 制御装置
26 入力装置
27 ディスプレイ
31〜34 被切断材
31a〜31c、32a〜32d、33a〜33c、34a〜34c
板厚計測点

Claims (5)

  1. 切断領域に配置された被切断材を非接触状態で切断する切断工具を用いて切断する方法であって、
    切断領域をCCDカメラによって撮影して撮影された画像から切断領域に配置された被切断材の平面形状を認識する工程と、
    前記平面形状を認識した被切断材に対し板厚計測点を設定する工程と、
    前記設定された板厚計測点に対し、被切断材の厚さを計測する板厚計測装置を対向させて該板厚計測装置によって被切断材の板厚を計測する工程と、
    前記計測された被切断材の板厚に応じた切断速度を設定する工程と、
    を含むことを特徴とする被切断材の切断方法。
  2. 前記被切断材に対して設定される板厚計測点が複数であることを特徴とする請求項1に記載した被切断材の切断方法。
  3. 前記板厚計測装置が、被切断材に対し非接触状態で該被切断材の表面までの距離を検出する検出部材と、前記検出部材を被切断材の表面に対し離隔させ又は接近させる駆動部材と、を有することを特徴とする請求項1又は2に記載した被切断材の切断方法。
  4. 切断領域に沿って移動可能に配置された走行台車と、
    前記走行台車に搭載され、該走行台車の走行方向に対し直行する方向に横行可能な横行キャリッジと、
    前記走行台車の走行と横行キャリッジの横行を制御する走行制御装置と、
    前記横行キャリッジに搭載され、切断領域に配置された被切断材に対し非接触状態で切断する切断工具と、
    前記横行キャリッジに搭載され、被切断材までの距離を検出する検出部材と、前記検出部材を被切断材の表面に対し離隔させ又は接近させる駆動部材と、を有する板厚計測装置と、
    切断領域を上方から撮影するCCDカメラと、
    前記CCDカメラによって撮影した画像から切断領域に配置された被切断材の平面形状を認識する被切断材認識装置と、
    前記被切断材認識装置によって平面形状を認識した被切断材に対し板厚計測点を設定すると共に設定した板厚計測点の位置情報を前記走行制御装置に伝達して板厚計測装置を板厚計測点に移動させるように制御し、且つ板厚計測点に対向した板厚計測装置によって計測した該板厚計測装置の被切断材表面からの距離と予め設定された基準となる面との差から被切断材の板厚を検出する板厚検出装置と、
    前記板厚検出装置によって検出した被切断材の板厚に応じた切断速度を設定すると共に設定した切断速度情報を前記走行制御装置に出力する切断速度設定装置と、を有することを特徴とする被切断材の切断装置。
  5. 前記板厚計測装置が、切断工具の被切断材からの高さを保持するように構成されたものであることを特徴とする請求項4に記載した被切断材の切断装置。
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