JP2012100824A - 輸液バッグ用一体ポートおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】弾性栓体の筒状本体からの脱落や輸液漏れがなく、またウエルダー止め等の後工程がなく製造コストを削減した輸液バッグ用一体ポートの製造方法および輸液バッグ用一体ポートを提供する。
【解決手段】筒状本体2、弾性栓体3およびキャップ4を備えた輸液バッグ用一体ポート1の製造方法であって、前記筒状本体2、前記弾性栓体3および前記キャップ4には熱溶着可能な材料を使用し、前記筒状本体2および前記弾性栓3を個別に製造する部品製造工程、予め製造された前記筒状本体2に予め製造された前記弾性栓体3を挿入し、前記キャップの製造のための金型に挿入・設定する設定工程、前記キャップ4をインサート成形し、前記キャップ4、前記筒状本体2および前記弾性栓体3が溶着により一体化成形される。
【選択図】図2
【解決手段】筒状本体2、弾性栓体3およびキャップ4を備えた輸液バッグ用一体ポート1の製造方法であって、前記筒状本体2、前記弾性栓体3および前記キャップ4には熱溶着可能な材料を使用し、前記筒状本体2および前記弾性栓3を個別に製造する部品製造工程、予め製造された前記筒状本体2に予め製造された前記弾性栓体3を挿入し、前記キャップの製造のための金型に挿入・設定する設定工程、前記キャップ4をインサート成形し、前記キャップ4、前記筒状本体2および前記弾性栓体3が溶着により一体化成形される。
【選択図】図2
Description
本発明は、輸液バッグ用一体ポートおよびその製造方法に関する。
輸血用容器および薬液容器などに用いられる輸液バッグ用ポートは、熱可塑性樹脂から成形された筒状本体、筒状本体に挿入される弾性栓体、およびこの弾性栓体を筒状本体に固定するキャップから構成されている。弾性栓体は中空針が刺通可能なゴム栓またはエラストマー栓である。
図4は従来技術による輸液バッグ用ポート(101)の製造方法を示す。筒状本体(102)、弾性栓体(103)およびキャップ(104)の各部品が先ず樹脂で別々に成形された後、キャップ(104)と弾性栓体(103)とが一体に組立てられ、これが筒状本体(102)に挿入される。さらにその後、例えば超音波溶着機(ウエルダー)にてキャップ(104)を筒状本体(102)に溶着することによって、またはキャップ(104)のアニールによる収縮力でキャップが筒状本体をカシメることによって、弾性栓体(103)を筒状本体(102)に固定する。これは、バッグ内の圧力の増大によってまたは弾性栓体(103)から中空針を抜くとき等に、弾性栓体(103)が筒状本体(102)から脱落しないように固定するためである。
なお、下記特許文献1には、筒状本体と弾性栓体とから構成される医療用栓であって、両者は融着可能な熱可塑性樹脂を材料として一体成形されたものが開示されている。しかし、この医療用栓はキャップを備えていない。
図4は従来技術による輸液バッグ用ポート(101)の製造方法を示す。筒状本体(102)、弾性栓体(103)およびキャップ(104)の各部品が先ず樹脂で別々に成形された後、キャップ(104)と弾性栓体(103)とが一体に組立てられ、これが筒状本体(102)に挿入される。さらにその後、例えば超音波溶着機(ウエルダー)にてキャップ(104)を筒状本体(102)に溶着することによって、またはキャップ(104)のアニールによる収縮力でキャップが筒状本体をカシメることによって、弾性栓体(103)を筒状本体(102)に固定する。これは、バッグ内の圧力の増大によってまたは弾性栓体(103)から中空針を抜くとき等に、弾性栓体(103)が筒状本体(102)から脱落しないように固定するためである。
なお、下記特許文献1には、筒状本体と弾性栓体とから構成される医療用栓であって、両者は融着可能な熱可塑性樹脂を材料として一体成形されたものが開示されている。しかし、この医療用栓はキャップを備えていない。
上記のような従来方法で製造された輸液バッグ用ポート(101)は、筒状本体(102)と弾性栓体(103)が強固に接着しておらず、両者の密着性の悪い所から内容物の液漏れを生じやすく、また弾性栓体から中空針を抜くときや、輸液バッグの内部の圧力が上昇したときなどに、弾性栓体が筒状本体から脱落しやすいという問題があった。また、組立工程の後に、キャップと筒状本体の溶着のためのウエルダー止めまたはアニールによるカシメなどの後工程が必要であり、製造コストがかかるという問題も有していた。
本発明は、上記問題点に鑑み、弾性栓体の筒状本体からの脱落や輸液漏れがなく、またウエルダー止め等の後工程がなく、製造コストを削減した輸液バッグ用一体ポートの製造方法および輸液バッグ用一体ポートを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、
筒状本体、弾性栓体およびキャップを備えた輸液バッグ用一体ポートの製造方法であって、
予め成形された弾性栓体を予め成形された熱可塑性樹脂より成る筒状本体に挿入し、前記挿入された前記弾性栓体および前記筒状本体をキャップの成形用金型内に挿入する工程、
そして、
前記成形用金型にキャップ成形材料を注入し、成形されるキャップが前記筒状本体および前記弾性栓体と熱溶着により一体化されるインサート成形工程、
を含む、前記製造方法である。
筒状本体、弾性栓体およびキャップを備えた輸液バッグ用一体ポートの製造方法であって、
予め成形された弾性栓体を予め成形された熱可塑性樹脂より成る筒状本体に挿入し、前記挿入された前記弾性栓体および前記筒状本体をキャップの成形用金型内に挿入する工程、
そして、
前記成形用金型にキャップ成形材料を注入し、成形されるキャップが前記筒状本体および前記弾性栓体と熱溶着により一体化されるインサート成形工程、
を含む、前記製造方法である。
本願発明では、キャップ成形時の溶融樹脂の熱で、キャップが弾性栓体および筒状本体と熱溶着し、一体化されることで、組立部からの液漏れがなく確実に固定される。弾性栓体は、キャップに熱溶着され、隙間がないため、液漏れも栓体の脱落もない。さらに、キャップ成形工程と溶着工程が一体化されているため、ウエルダー止め等の後工程での組立工程が無くなり、製品コストの低減につながる。
図1は、本輸液バッグ用一体ポートの断面図を示す。本輸液バッグ用一体ポート(1)は、筒状本体(2)、弾性栓体(3)およびキャップ(4)を備え構成されており、キャップ(4)は筒状本体(2)および弾性栓体(3)と熱溶着により一体成形されている。
筒状本体(2)は、つば部を備えた筒状の形状を有する。弾性栓体(3)は、筒状本体に挿入され筒状本体を閉塞する。弾性栓体(3)は、キャップ(3)が挿入される溝および筒状本体(2)が挿入される溝を備えており、中空針が刺通可能なように弾性体、例えばエラストマーまたはゴムで成形される。キャップ(3)は、弾性栓体(上下面を除く)を被覆するようにインサート成形されるが、この成形時の溶融しているキャップ用樹脂の熱によって、弾性栓体および筒状本体のつば部分と相互に溶着一体化される。これによって弾性栓体の筒状本体からの脱落または輸液漏れを防止するという効果を奏する。
図2は、本発明に係る輸液バッグ用一体ポート(1)の製造方法を示す。以下、製造方法について図2を参照して説明する。
筒状本体(2)および弾性栓体(3)の製造を別々におこなう。筒状本体(2)の材料は、好ましくはポリオレフィン(ポリエチレンまたはポリプロピレン等)またはオレフィンの共重合体であり、射出成形等によって成形される。また、弾性栓体(3)の材料は、好ましくはスチレン・ジエンブロック共重合体またはこれの水添物、またはゴムで成形される。
筒状本体(2)および弾性栓体(3)の製造を別々におこなう。筒状本体(2)の材料は、好ましくはポリオレフィン(ポリエチレンまたはポリプロピレン等)またはオレフィンの共重合体であり、射出成形等によって成形される。また、弾性栓体(3)の材料は、好ましくはスチレン・ジエンブロック共重合体またはこれの水添物、またはゴムで成形される。
次に、弾性栓体(3)を筒状本体(2)に挿入し、これら両者をキャップ成形用金型に挿入する。インサート成形の準備のためである。
次にキャップ(3)を成形するため、溶融しているキャップ成形材料、例えばポリエチレンまたはポリプロピレン等をキャップ成形用金型内に射出する。この溶融樹脂の熱によって、筒状本体(2)および弾性栓体(3)の、キャップ(4)との接触部分が溶融し、キャップ(4)と熱溶着して一体化される(インサート成形工程)。そのために、キャップ材料の成形樹脂温度において、筒状本体(2)および弾性栓体(3)がキャップと相互に熱溶着するように夫々の材料の融点が互いに近い材料が選択される。
図3は、弾性栓体(3)の他の実施態様を示す。この弾性栓体(3)は、栓本体部(A)(例えばゴム等で成形)の輸液に向く側の面(輸液バッグ側の面)に、貯蔵液が直接に栓本体部(A)に触れないようにするため、ポリエチレンまたはポリプロピレンから成るラミネートシート(B)を備えている。
このように、本製造方法は、キャップの成形と同時に、その成形時の熱によって、弾性栓体および筒状本体とキャップとを熱溶着し一体化させることにより、従来これら3部品を組立てた後に必要であったウエルダー止め、またはカシメ工程を省くことを可能にしている。さらに、従来のウエルダー止め等に比較して、キャップが筒状本体および弾性栓体に確実に溶着し固定され、弾性栓体の脱落または液漏れがなくなるという大きな効果を奏する。
筒状本体(2)およびキャップ(4)の樹脂材料は、融点が190℃〜230℃の範囲のポリオレフィン(例えばポリエチレンまたはポリプロピレン)またはオレフィンの共重合体である。キャップ(4)の成形樹脂温度は190℃〜230℃の範囲を用いる。また、弾性栓体(3)の材料は、融点が195℃〜230℃の範囲のスチレン・ジエンブロック共重合体またはこれの水添物またはゴムである。例えば、スチレン系のエラストマーであるレオストマー(リケンテクノス(株)の登録商標)BP−6またはIR(Isoprene Rubber、イソプレン・ゴム)を用いることができる。
1 輸液バッグ用一体ポート
2 筒状本体
3 弾性栓体
4 キャップ
A 栓本体
B ラミネートシート
2 筒状本体
3 弾性栓体
4 キャップ
A 栓本体
B ラミネートシート
Claims (5)
- 筒状本体、弾性栓体およびキャップを備えた輸液バッグ用一体ポートの製造方法であって、
予め成形された弾性栓体を予め成形された熱可塑性樹脂より成る筒状本体に挿入し、前記挿入された前記弾性栓体および前記筒状本体をキャップの成形用金型内に挿入する工程、
そして、
前記成形用金型にキャップ成形材料を注入し、成形されるキャップが前記筒状本体および前記弾性栓体と熱溶着により一体化されるインサート成形工程、
を含む、前記製造方法。 - 前記インサート成形工程において、前記キャップと、前記筒状本体と、前記弾性栓体とは、前記キャップと前記筒状本体、および前記キャップと前記弾性栓体が熱溶着する程度に近い融点を備えている、請求項1に記載の製造方法。
- 前記筒状本体および前記キャップの樹脂材料は、融点が190℃〜230℃の範囲のポリオレフィンまたはオレフィンの共重合体であり、前記弾性栓体の材料は、融点が195℃〜230℃の範囲のスチレン・ジエンブロック共重合体またはこれの水添物またはゴムである、請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記弾性栓体は、輸液に向く側の面にポリオレフィンまたはオレフィンの共重合体の膜を備えた、請求項1〜3のいずれか1つに記載の製造方法。
- 請求項1〜4に記載の製造方法によって製作された輸液バッグ用一体ポート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010251089A JP2012100824A (ja) | 2010-11-09 | 2010-11-09 | 輸液バッグ用一体ポートおよびその製造方法 |
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JP2010251089A JP2012100824A (ja) | 2010-11-09 | 2010-11-09 | 輸液バッグ用一体ポートおよびその製造方法 |
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JP2012100824A true JP2012100824A (ja) | 2012-05-31 |
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ID=46392012
Family Applications (1)
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JP2010251089A Pending JP2012100824A (ja) | 2010-11-09 | 2010-11-09 | 輸液バッグ用一体ポートおよびその製造方法 |
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JP (1) | JP2012100824A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017060542A (ja) * | 2015-09-24 | 2017-03-30 | 株式会社大協精工 | ポート付き栓体 |
JP2019508326A (ja) * | 2016-01-19 | 2019-03-28 | ドクター ピー インスティチュート エルエルシー | 取付け具を備えたパウチおよびパウチを作製する方法 |
-
2010
- 2010-11-09 JP JP2010251089A patent/JP2012100824A/ja active Pending
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