JP2012097877A - 防振連結ロッド - Google Patents

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Abstract

【課題】主荷重入力方向のバネ定数を十分に確保することができ且つ耐久性に優れた防振連結ロッドを提供する。
【解決手段】第1内筒体10と第1筒状部3とを連結する弾性腕部16を、第1内筒体10の筒軸方向から見て、該第1内筒体10の外周面から径方向外側に向かって、主荷重入力方向に直交する方向に対し傾斜するように延設して第1筒状部3の内周面に接続するとともに、第1筒状部3の内周面における弾性腕部16との接続面17に、該第1筒状部3の径方向内側に膨出する膨出部18を形成するようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、2つの被連結部材を防振しながら連結する防振連結ロッドに関する技術分野に属する。
従来より、長手方向の両端部にそれぞれ筒状部を形成してなるロッド本体と、各筒状部内に配設され、ゴム弾性体を介して各筒状部の内周面に連結される内筒体とを備えた防振連結ロッドは知られている。
例えば、特許文献1に示す防振連結ロッドでは、ロッド本体の長手方向を車両前後方向に向けて配設して、一方の筒状部に設けられた内筒体をエンジンに固定し、他方の筒状部に設けられた内筒体を車体に固定するようにしている。この防振連結ロッドの主荷重入力方向は、車両前後方向に一致している。車体側の筒状部内に設けられたゴム弾性体は、内筒体を介してエンジンから入力される振動を吸収する主バネ部を有している。この主バネ部は、内筒体から腕状をなして径方向外側へ延びる一対の弾性腕部を有している。各弾性腕部は、内筒体の外周面から、径方向外側に向かって、主荷重入力方向に直交する方向に対して車両前側に傾斜するように延びて筒状部の内周面に接続されている。そうして、2つの弾性腕部は、該筒状部の筒軸方向から見て、略V字状をなすように配設されている。
特開2009−2417号公報
ところで、上記特許文献1に示すように、主バネ部を構成する弾性腕部を、筒状部の筒軸方向から見て、主荷重入力方向に直交する方向に対して車両前側に傾斜させるようにした場合には、該弾性腕部を該直交方向に延設する場合に比べて、弾性腕部の主荷重入力方向のバネ定数を増加させることができる点で有利である。
しかしながら、この場合、弾性腕部の車両後側の端面と筒状部の内周面との接続角が鋭角になるため、弾性腕部を上記直交方向に延設する場合に比べて、この接続角が小さくなる分だけ、該接続部に形成することができるコーナRの半径が小さくならざるを得ない。このため、内筒体が主荷重入力方向に変位したときに、弾性腕部の該接続部近傍に生じる応力集中が大きくなり、延いては、弾性腕部の耐久性が低下するという問題がある。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、主荷重入力方向のバネ定数を十分に確保することができ且つ耐久性に優れた防振連結ロッドを提供しようとすることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、内筒体と筒状部とを連結する弾性腕部を、内筒体の外周面から径方向外側に向かって、主荷重入力方向に直交する方向に対して傾斜する方向に延設して筒状部の内周面に接続するとともに、ロッド本体の筒状部の内周面における弾性腕部との接続面に、該筒状部の径方向内側に膨出する膨出部を形成するようにした。
具体的には、請求項1の発明では、主荷重入力方向に互いに間隔を空けて配置された第1及び第2筒状部を有するロッド本体と、該第1筒状部内に配設され、一方の被連結部材が取り付けられるとともに該第1筒状部の内周面に第1弾性部材を介して連結される第1内筒体と、上記第2筒状部内に配設され、他方の被連結部材が取り付けられるとともに該第2筒状部の内周面に第2弾性部材を介して連結される第2内筒体とを備え、上記第1弾性部材が、該第1筒状部の内周面と第1内筒体の外周面とを連結する一対の弾性腕部を有するように構成された防振連結ロッドを対象とする。
そして、上記一対の弾性腕部は、上記第1内筒体の筒軸方向から見て、該筒軸を通り且つ主荷重入力方向に延びる直線を挟んでその両側に配設されていて、該第1内筒体の外周面からその径方向外側に向かって、上記主荷重入力方向に直交する方向に対して該主荷重入力方向の一側に傾斜するように延びて上記第1筒状部の内周面に接続されており、上記第1筒状部の内周面における上記弾性腕部との接続面には、該第1筒状部の径方向内側に膨出する膨出部が設けられているものとする。
この構成によれば、弾性腕部を、第1内筒体の筒軸方向から見て、内筒体の外周面から径方向外側に向かって、主荷重入力方向に直交する方向に対して該主荷重入力方向の一側に傾斜するように延設したことで、該直交方向に延設する場合に比べて、弾性腕部の主荷重入力方向のバネ定数を向上させることができる。
また、例えば、第1筒状部の筒孔を、筒軸方向から見て、主荷重入力方向に長い楕円形状や多角形状に形成するようにすれば、上述の如く、弾性腕部を上記直交方向に対して傾斜させることにより弾性腕部の延設方向の長さを増加させることができる。これにより、第1内筒体が変位したときの弾性腕部の局所的な変形を低減して、弾性腕部の耐久性を向上させることができる。
そしてさらに、本発明では、第1筒状部の内周面における弾性腕部との接続面に、径方向内側に膨出する膨出部を形成するようにしたことで、弾性腕部の耐久性を可及的に向上させることができる。すなわち、弾性腕部の主荷重入力方向の他側(上記一側とは反対側)の側端面と、第1内筒体の内周面との接続部には、第1内筒体がロッド本体に対して主荷重入力方向の一側に相対変位した際に、引っ張り荷重が作用して高い応力集中が生じる。この応力集中は、弾性腕部に亀裂破壊を生じさせて、その耐久性を低下させる要因となる。これに対して、本発明では、上述の如く、第1筒状部の内周面における上記弾性腕部との接続面に、径方向内側に膨出する膨出部を設けるようにしたことで、内筒体が主荷重入力方向に相対変位した際に、これに伴って応力集中部及びその近傍の弾性体が主荷重入力方向に変位しようとするのを膨出部にて堰き止めることができる。したがって、応力集中部とのその近傍部における弾性体の変位量を低減することができ、延いては、応力集中部における応力値を低減することができる。よって、この応力集中に起因して弾性腕部に亀裂が生じるのを防止することができる。
請求項2の発明では、請求項1の発明において、上記弾性腕部は、ゴム弾性体で構成されていて、上記第1筒状部の内周面と上記第1内筒体の外周面とに加硫接着により一体成形されているものとする。
この構成によれば、弾性腕部を、第1筒状部の内周面と第1内筒体の外周面とに加硫接着により一体成形するようにしたことで、例えば、内筒体と弾性腕部と外筒体とからなるブッシュタイプの加硫成形品を第1筒状部に圧入する場合に比べて、第1筒状部の成形自由度を高めることができ、延いては、上記膨出部の成形性を高めることができる。
請求項3の発明では、請求項1又は2の発明において、上記膨出部は、上記接続面における上記主荷重入力方向の両側端部を除く中間部に形成されているものとする。
この構成によれば、第1内筒体が相対変位した際の上記応力集中部の応力値をより一層確実に低減することができる。
すなわち、膨出部を上記接続面における主荷重入力方向の他側端部に形成するようにした場合、上記応力集中部の極近傍において、弾性体が膨出部により堰き止められて他領域に逃げようとするため、応力集中部近傍の弾性体の変位量が却って増加し、結果として応力値も増加してしまう。一方、膨出部を上記接続面における主荷重入力方向の一側端部に形成するようにした場合、膨出部が応力集中部から離れ過ぎて、上述した膨出部による弾性体の堰き止め効果が薄れるため、応力集中部の応力値を低減することができない。
これに対して、本発明では、膨出部を上記接続面における主荷重入力方向の両側端部を除く中間部に形成するようにしたことで、第1内筒体が相対変位した際の、応力集中部の応力値を効果的に低減することができる。
請求項4の発明では、請求項1乃至3のいずれか一つの発明において、上記膨出部における上記第1筒状部の径方向内側に臨む面は、曲面状又は球面状に形成されているものとする。
この構成によれば、上記膨出部における1筒状部の径方向内側に臨む面を、曲面状又は球面状に形成するようにしたことで、応力集中が生じ易い角部を極力排除して、弾性腕部に亀裂破壊が生じるのを確実に防止することができる。
以上説明したように、本発明の防振連結ロッドによると、内筒体と筒状部とを連結する弾性腕部を、内筒体の筒軸方向から見て、内筒体の外周面から径方向外側に向かって、主荷重入力方向に直交する方向に対して傾斜する方向に延設して筒状部の内周面に接続するとともに、ロッド本体の筒状部の内周面における弾性腕部との接続面に、該筒状部の径方向内側に膨出する膨出部を形成するようにしたことで、弾性部材の主荷重入力方向のバネ定数の向上と耐久性の向上との両立を図ることができる。
本発明の実施形態に係る防振連結ロッドとしてのトルクロッドを備えた車両のエンジンマウントシステムを示す、車両後方の斜め上側から見た斜視図である。 本発明の実施形態に係るトルクロッドを示す、第1筒状部の筒軸方向から見た側面図である。 図2のIII-III線断面図である。 従来のトルクロッドのFEM解析結果を示す図であり、図(a)は、トルクロッドの第1筒状部内に設けられる第1弾性部材を、その筒軸方向から見たFEM解析図であり、図(b)は、図(a)のIV方向から見たFEM解析図である。 本発明の実施形態に係るトルクロッドのFEM解析結果を示す図であり、図(a)は、トルクロッドの第1筒状部内に設けられる第1弾性部材を、その筒軸方向から見たFEM解析図であり、図(b)は、図(a)のV方向から見たFEM解析図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るトルクロッド(防振連結ロッド)1を備えた車両のエンジンマウントシステムを示している。図1において、符号Pは、エンジンE及び変速機Tが直列に連結されたパワープラントである。
パワープラントPは、その長手方向が車幅方向となるようにエンジンルームに対して横置きに配設されており、その長手方向両端部にそれぞれ配設された防振マウントM1,M2により車両のサイドフレームSに対して弾性支持されている。そうして、この2つの防振マウントM1,M2はそれぞれ、パワープラントPの慣性主軸(ロール軸)よりも高い位置に配設されており、そのことにより、パワープラントPは、2つの防振マウントM1,M2の荷重の支持点を結ぶ揺動支軸周りに振り子(ペンデュラム)のように揺動可能になっている。
このエンジンマウントシステムにおいて、例えば車両の急加減速時のように大きな駆動反力が作用すると、パワープラントPが振り子のように車体前後方向に大きく揺れようとする。そうした車体前後方向の揺れは、パワープラントPの下端部と該パワープラントPの車体後方に位置する車両のサブフレームFとがトルクロッド1を介して連結されていることにより規制されている。このように、本実施形態に係るトルクロッド1には、主に車両前後方向の荷重が入力される。
トルクロッド1は、図2に示すように、主荷重入力方向(つまり車両前後方向)に間隔を空けて配置された第1及び第2筒状部3,4を有するロッド本体2と、該第1筒状部3内に配設され、該第1筒状部3の内周面に第1弾性部材5を介して連結される第1内筒体10と、第2筒状部4内に配設され、パワープラントP(他方の被連結部材)に取り付けられるとともに該第2筒状部4の内周面に第2弾性部材6を介して連結される第2内筒体11とを備えている。
上記ロッド本体2は、全体形状が瓢箪状をなす金属製のフレーム部材で構成されていて、その長手方向が主荷重入力方向(車両前後方向)に一致するように配設されている。第1筒状部3及び第2筒状部4は、ロッド本体2の長手方向の両端部に形成され、一対の連結フレーム部7を介して互いに連結されている。
第1筒状部3及び第2筒状部4は、筒孔が同じ方向に開口するように配設されている。上記第2筒状部4は、筒軸方向から見て略真円状をなす円筒状に形成されいるのに対し、第1筒状部3は、筒軸方向から見て、外形が概ね多角形状をなす筒状に形成されている。第1筒状部3は、第2筒状部4に比べて相対的に大きい筒孔を有している。第1筒状部3の内周面における車両後側の端面には、車両前側に膨出する第1ストッパ本体部15(後述する)が形成されている。また、第1筒状部3の内周面における後述する弾性腕部16との接続面17には、径方向内側に膨出する膨出部18が形成されている。これらストッパ本体部15及び膨出部18は共に、ロッド本体2の一部を構成していて、金属部材により形成されている。
上記膨出部18における第1筒状部3の径方向内側に臨む膨出面18aは曲面状に形成されている。膨出面18aは、第1筒状部3の内周面における該膨出面18aを除く面に対して滑らかに(連続的に)接続されている。膨出部18は、接続面17における主荷重入力方向の両側端部を除く中間面に形成されている。より詳しくは、膨出部18は、該中間面17におけるコーナR部19(後述する)寄りの部分に形成されている。膨出部18の膨出量は、例えば、コーナR部19の半径値と略同じに設定されている。
第1内筒体10及び第2内筒体11は、円筒状の金属部材からなる。両内筒体10,11は、互いに平行に配設されており、ロッド本体2は、ロッド側面視において(つまり第1筒状部3の筒軸方向から見て)、第1内筒体10の軸心と第2内筒体11の軸心とを通る直線Cに関して線対称をなしている。
第1内筒体10は、第1筒状部3内における主荷重入力方向の中央位置よりも第2内筒体11側(車両後側)にややオフセットした位置に配設されている。第1内筒体10は、上述の如く第1弾性部材5を介して第1筒状部3の内周面に弾性連結されている。第1内筒体10は、その筒孔に挿通された不図示のボルトによりサブフレームFに連結され、これにより、トルクロッド1の第1筒状部3側がサブフレームFに連結される。
上記第1弾性部材5は、ゴム弾性体で構成されている。第1弾性部材5は、第1内筒体10から径方向外側に延びる一対の弾性腕部16と、第1筒状部3の内周面を全周に亘って薄皮状に覆う枠状部20とを有している。枠状部20には、第1ストッパ部25の一部を構成する第1ストッパゴム部26と、第1内筒体10を挟んで第1ストッパ部25の反対側に位置するゴム製の第2ストッパ部27とが一体形成されている。第1ストッパ部25は、後述するように、例えば車両加速時にロッド本体2に対する第1内筒体10の車両前側への相対変位量を規制するものであって、ロッド本体2の一部を構成する金属製の第1ストッパ本体部15と、その先端面を覆うべく配設された第1ストッパゴム部26とで構成されている。第2ストッパ部27は、例えば車両減速時にロッド本体2に対する第1内筒体10の車両後側への相対変位量を規制するものであって、ゴム弾性体のみで構成されている。
上記一対の弾性腕部16は、ロッド側面視において、略V字状をなすように上記直線Cを挟んで線対称に配置されている。より詳細には、各弾性腕部16は、第1内筒体10の外周面から径方向外側に向かって、主荷重入力方向(車両前後方向)に直交する方向に対して該主荷重入力方向の一側(車両後側)に傾斜するように延びて第1筒状部3の内周面に接続されている。このように、各弾性腕部16を、主荷重入力方向の直交方向に対して傾斜する方向に延設することで、各弾性腕部16のバネ定数を高めることができる。また、各弾性腕部16の延設方向の長さを増加させてその耐久性を向上させることが可能となる。この一対の弾性腕部16が、トルクロッド1に入力された振動を吸収する主バネ部として機能する。
弾性腕部16の車両前側の側端面28と、第1筒状部3の内周面(詳しくは枠状部20の内周面)との接続部には、該各面を連続的に滑らかに連結するコーナR部19が形成されている。
上記第1弾性部材5は、加硫成形により第1内筒体10及び第1筒状部3に一体成形されている。具体的には、射出成形金型に対して、ロッド本体2を設置した後、該ロッド本体2の第1筒状部3の内側に第1内筒体10をセットし、型締め後に、第1内筒体10と第1筒状部3との間に未加硫のゴム弾性体を射出して加熱加硫することで、第1内筒体10、第1弾性部材5、及び第1筒状部3が加硫接着により一体化されている。このように加硫一体成形を採用することで、例えば、ブッシュタイプの加硫成形品を第1筒状部3に圧入する場合に比べて、第1筒状部3の形状自由度を高めることができる。したがって、第1筒状部3の形状を、円筒状に限らず、本実施形態の如く、ストッパ本体部15や膨出部18を有する比較的複雑な形状にすることができる。さらに、ブッシュ圧入方式を採用した場合に必要となる、外筒体を省略して製造コストを低減することができる。
上記第2内筒体11は、第2筒状部4内に同軸に配設されていて、上述の如く第2弾性部材6を介して第2筒状部4の内周面に連結されている。該第2弾性部材6は、第2内筒体11の外周面を囲むようにその全周に亘って形成されている。この第2筒状部4内の第2弾性部材6も、上記第1弾性部材5と同様に、加硫接合により第2内筒体11及び第2筒状部4に一体成形されている。尚、第2筒状部4に対しては、ゴム弾性体の加硫一体成形に限らず、例えば、ブッシュタイプの加硫成形品を圧入する方式を採用するようにしてもよい。
上記第2内筒体11は、その筒孔に挿通された不図示のボルトによりパワープラントPの下端部に連結され、これにより、トルクロッド1の第2筒状部側がパワープラントPに連結される。こうして、第1内筒体10がサブフレームFに連結されることと、第2内筒体11がパワープラントPに連結されることとにより、サブフレームFとパワープラントPとがトルクロッド1を介して連結される。
以上のように構成されたトルクロッド1の動作について説明する。例えば、車両減速時には、トルクロッド1には第2内筒体11を通じて車両後側に向かう駆動反力が入力され、ロッド本体2が車両後側に変位する。第1内筒体10は、サブフレームFに固定されているため殆ど動かず、結果として、第1内筒体10がロッド本体2に対して車両前側に相対変位する。これに伴い、弾性腕部16の第1内筒体10側の端部が車両前側に相対変位する。この変位によって、弾性腕部16の車両前側の側端面28と、第1筒状部3の内周面との接続部(つまりコーナR部19)には、高い応力集中が生じることとなるが、この変位は接続角αを減少させる向きの変位であるため、両者の接続部(つまりコーナR部19)には主に圧縮荷重が作用することとなる。したがって、コーナR部19に引っ張り荷重が作用する後述の車両加速時に比べて、コーナR部19に亀裂が生じる危険性は低い。
一方、車両加速時には、トルクロッド1には第2内筒体11を通じて車両前側に向かう荷重が入力され、ロッド本体2が車両前側に変位する。第1内筒体10は、サブフレームFに固定されているため殆ど移動せず、結果として、第1内筒体10がロッド本体2に対して車両後側に相対変位する。これに伴い、弾性腕部16の第1内筒体10側の端部が車両後側に相対変位する。この変位は、弾性腕部16の車両前側の側端面28と、第1筒状部3の内周面との接続角αを増加させる向きの変位であるため、両者の接続部(つまりコーナR部19)には主に引っ張り荷重が作用する。この結果、コーナR部19において亀裂が生じ易くなる。特に、本実施形態の如く、弾性腕部16を、バネ定数向上のために主荷重入力方向に直交する方向に対して傾斜させるように形成した場合には、上記接続角αが鋭角になるため、弾性腕部16を上記直行方向に延設する場合に比べてコーナR部のR寸法を十分に確保することができず、コーナR部の応力集中に起因した亀裂破壊が生じ易くなる。
これに対して、本実施形態では、上述の如く、第1筒状部3の内周面における弾性腕部16との接続面17に、膨出部18を設けるようにしたことで、この亀裂破壊を効果的に防止することができる。これは以下の理由による。すなわち、この膨出部18を設けることで、弾性腕部16のコーナR部19の近傍において、ゴム弾性体は、車両後側に変位しようにも膨出部18によって堰き止められてその変位が規制される。このため、コーナR部19の近傍では、膨出部18を設けない場合に比べて、ゴム弾性体の局所的な変位量を低減することができる。この結果、コーナR部近傍における応力値が低下するため、弾性腕部16におけるコーナR部19からの亀裂破壊を防止することができる。一方、コーナR部19の近傍において、膨出部18によりゴム弾性体の変位量が規制された分、その他の領域ではゴム弾性体の局所的な変形量が増大して応力値が増加することとなる。しかし、この領域は、もともと、コーナR部19に比べて応力値が低い領域であるため、たとえ応力値が増加したとしても、この領域から亀裂破壊が生じることはない。
このことは、図4及び図5に示すFEM解析図からも読み取ることができる。図4は、膨出部18を有さない従来のトルクロッド1の解析図であり、図5は、本実施形態に係るトルクロッド1の解析図である。解析に際しては、汎用のFEM解析ソフト(本解析では、MSCソフトウェア社製 MARC)を使用し、CADモデル上にて第1内筒体10を図の矢印に示す向きに所定量変位させて解析を行った。各解析図の色の濃い部分ほど応力値が高いことを示し、吹出し内の数値は、吹出し位置における応力値を示している。
従来のトルクロッド1では、コーナR部19における筒軸方向の両端部に応力が集中していることが分かる。コーナR部19における応力値は、従来のトルクロッド1が1.18N/mmであったのに対し(図4参照)、本実施形態のトルクロッド1が0.72N/mmとなって(図5参照)、膨出部18を設けることによって略40%近く減少していることがわかる。一方、コーナR部19から主荷重入力方向に離間した所定位置Xにおける応力値は、従来のトルクロッド1が0.64N/mmであったのに対し、本実施形態のトルクロッド1が0.81N/mmとなって、膨出部18を設けることによって略30%近く増加していることがわかる。このように、本実施形態のトルクロッド1では、コーナR部19に集中していた応力を、膨出部18を設けることで、もともと応力値が低いその他の部分に分散させ、これによって、第1防振部材5全体で見たときに、各部の応力値を亀裂破壊が生じる危険レベル(例えば1.0N/mm)以下に抑制することができる。
さらに、上記実施形態では、膨出部18を、上記接続面17における主荷重入力方向の両側端部を除く中間部に形成するようにしたことで、第1内筒体10が車両前側に相対変位した際のコーナR部19の応力値をより一層確実に低減することができる。すなわち、膨出部18を上記接続面17における車両前側端部に形成するようにした場合、上記コーナR部19の極近傍において、ゴム弾性体が膨出部にて堰き止められて他領域に逃げようとするため、コーナR部19近傍のゴム弾性体の変位量が却って増加し、応力値も増加してしまう。一方、膨出部18を上記接続面における車両後側端部に形成するようにした場合、膨出部18がコーナR部19から離れ過ぎて、上述した膨出部18によるゴム弾性体の堰き止め効果が薄れるため、コーナR部19の応力値を低減することができない。これに対して、上記実施形態では、膨出部18を上記接続面17における主荷重入力方向の両側端部を除く中間部に形成するようにしたことで、第1内筒体10が相対変位した際の、コーナR部19の応力集中を効果的に緩和することができる。
さらに、上記実施形態では、上記膨出部18における第1筒状部3の径方向内側に臨む膨出面18aを、円筒面状(曲面状)に形成するようにしたことで、応力集中が生じ易い角部を極力排除することができる。よって、弾性腕部16が応力集中により破壊するのを確実に防止し、その耐久性を向上させることが可能となる。
(他の実施形態)
本発明の構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、それ以外の種々の構成を包含するものである。すなわち、上記実施形態では、膨出部18の膨出面18aを、曲面状に形成するようにしているが、例えば球面状に形成するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、ロッド本体2及び各内筒体10,11を、金属製部材で構成するようにしているが、これに限らず、例えば樹脂製部材で構成するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、弾性腕部16を、第1内筒体10の外周面から径方向外側に向かって、上記主荷重入力方向に直交する方向に対して車両後側に傾斜させるようにしているが、例えば車両前側に傾斜させるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、第1筒状部3の筒孔を、筒軸方向から見て略多角形状に形成するようにしているが、例えば、円形状や楕円形状に形成するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、第1筒状部3及び第2筒状部4が同じ方向に開口しているが、これに限ったものではなく、例えば、特開2007−057070号公報に示すように、両筒状部3,4が、互いに90°をなす方向に開口するものであってもよい。
また、上記実施形態では、一対の弾性腕部16を、第1筒状部3にのみ形成するようにしているが、さらに第2筒状部4にも形成するようにしてもよい。
本発明は、防振連結ロッドに有用であり、特にエンジンと車体との間に設けられるトルクロッドに有用である。
P パワープラント(被連結部材)
F フロントサブフレーム(被連結部材)
1 トルクロッド(防振連結ロッド)
2 ロッド本体
3 第1筒状部
4 第2筒状部
5 第1弾性部材
6 第2弾性部材
10 第1内筒体
11 第2内筒体
16 弾性腕部
17 接続面
18 膨出部
18a 膨出面

Claims (4)

  1. 主荷重入力方向に互いに間隔を空けて配置された第1及び第2筒状部を有するロッド本体と、該第1筒状部内に配設され、一方の被連結部材が取り付けられるとともに該第1筒状部の内周面に第1弾性部材を介して連結される第1内筒体と、上記第2筒状部内に配設され、他方の被連結部材が取り付けられるとともに該第2筒状部の内周面に第2弾性部材を介して連結される第2内筒体とを備え、上記第1弾性部材が、該第1筒状部の内周面と第1内筒体の外周面とを連結する一対の弾性腕部を有するように構成された防振連結ロッドであって、
    上記一対の弾性腕部は、上記第1内筒体の筒軸方向から見て、該筒軸を通り且つ主荷重入力方向に延びる直線を挟んでその両側に配設されていて、該第1内筒体の外周面からその径方向外側に向かって、上記主荷重入力方向に直交する方向に対して該主荷重入力方向の一側に傾斜するように延びて上記第1筒状部の内周面に接続されており、
    上記第1筒状部の内周面における上記弾性腕部との接続面には、該第1筒状部の径方向内側に膨出する膨出部が設けられていることを特徴とする防振連結ロッド。
  2. 請求項1記載の防振連結ロッドにおいて、
    上記弾性腕部は、ゴム弾性体で構成されていて、上記第1筒状部の内周面と上記第1内筒体の外周面とに加硫接着により一体成形されていることを特徴とする防振連結ロッド。
  3. 請求項1又は2記載の防振連結ロッドにおいて、
    上記膨出部は、上記接続面における上記主荷重入力方向の両側端部を除く中間部に形成されていることを特徴とする防振連結ロッド。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の防振連結ロッドにおいて、
    上記膨出部における上記第1筒状部の径方向内側に臨む面は、曲面状又は球面状に形成されていることを特徴とする防振連結ロッド。
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