JP2012097828A - 防振カップリング及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸方向荷重が入力したときのゴム状弾性体の変形および両スリーブの相対変位を小さく抑えることができるカップリングを提供し、併せて回転方向に過大な荷重が入力したときにゴム状弾性体が過大変形するのを抑制することができるカップリングを提供する。
【解決手段】インナースリーブおよびアウタースリーブ間にゴム状弾性体を介装してなる防振カップリングにおいて、インナースリーブは、筒状部の軸方向一方の端部に外向きフランジ部を一体に有し、アウタースリーブは、円筒部の軸方向他方の端部に内向きフランジ部を一体に有し、ゴム状弾性体は、両フランジ部によって軸方向に圧縮されて両スリーブの軸方向相対変位を抑制可能とされている。また、一方のスリーブのフランジ部に切欠状の凹部が設けられ、他方のスリーブに舌片状の凸部が設けられ、凹部および凸部は、両スリーブの相対回転角度を所定角度までに制限するストッパー部を形成している。
【選択図】図1

Description

本発明は、防振技術に係る防振カップリングとその製造方法に関する。本発明の防振カップリングは例えば、その外周側にギヤ部材を嵌合することによりギヤダンパとして用いられる。
ギヤ駆動における歯打ち音を低減するとともに回転変動を低減する目的で従来から図6に示すごとく、内・外筒ブッシュタイプの防振カップリング51が用いられている。またこのカップリング51は、プーリおよび無端ベルト等を介して回転トルクを伝達するトルク伝達装置においても同様の目的で用いられている。このカップリング51は、軸方向ストレートな円筒形状のインナースリーブ52と同じく軸方向ストレートな円筒形状のアウタースリーブ53との間にゴム状弾性体54を介装したものである(特許文献1参照)。
しかしながら上記カップリング51に対しては、以下の問題が指摘される。
すなわち上記カップリング51は、構造は簡易であるが、ヘリカルギヤやベルト張力等で回転方向(トルク伝達方向)だけでなくブッシュ軸方向に力が発生した際に、当該ブッシュ形状では軸方向は弾性体54のせん断の反力のみが作用するため、軸方向への変位(変形)が大きくなり、他部位への干渉等不具合が懸念される。
また、回転方向過大入力が発生した際にゴム状弾性体54が過大変形し、破損に至ることが懸念される。
実開昭63−178654号公報(第4図)
本発明は以上の点に鑑みて、軸方向荷重が入力したときのゴム状弾性体の変形および両スリーブの相対変位を小さく抑えることができるカップリングを提供することを目的とし、併せて回転方向に過大な荷重が入力したときにゴム状弾性体が過大変形するのを抑制することができるカップリングを提供することを目的とする。また、このようなカップリングを簡易に製造し得るカップリングの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1による防振カップリングは、インナースリーブおよびアウタースリーブ間にゴム状弾性体を介装してなる防振カップリングにおいて、前記インナースリーブは、筒状部の軸方向一方の端部に径方向外方へ向けて外向きフランジ部を一体に有し、前記アウタースリーブは、前記筒状部の外周側に配置される円筒部の軸方向他方の端部に径方向内方へ向けて内向きフランジ部を一体に有し、前記ゴム状弾性体は、前記両フランジ部によって軸方向に圧縮されて前記両スリーブの軸方向相対変位を抑制可能とされ、前記両スリーブのうちの一方のスリーブにおけるフランジ部に切欠状の凹部が設けられ、前記凹部に対応して他方のスリーブに舌片状の凸部が設けられ、前記凹部および凸部は、円周方向に係合することにより前記両スリーブの相対回転角度を所定角度までに制限するストッパー部を形成していることを特徴とする。
また、本発明の請求項2による防振カップリングは、上記した請求項1記載の防振カップリングにおいて、前記アウタースリーブの外周側に駆動伝達部材としてギヤ部材が嵌合されることにより、当該防振カップリングはギヤダンパとされることを特徴とする。
また、本発明の請求項3による防振カップリングの製造方法は、上記した請求項1または2記載の防振カップリングを製造する方法において、予め前記凹部および凸部を形成した前記両スリーブに対し前記ゴム状弾性体を一体成形する工程を実施し、予め形成した前記凸部は何れかの前記スリーブの筒状部または円筒部の軸方向端部から軸方向一方へストレートに延びる舌片状のものとしてこれを形成しておき、前記一体成形工程の終了後に曲げ加工を実施し、この曲げ加工により前記凸部を折り曲げて前記凹部に係合することを特徴とする。
また、本発明の請求項4による防振カップリングの製造方法は、上記した請求項3記載の防振カップリングの製造方法において、前記曲げ加工を、前記アウタースリーブの外周側に駆動伝達部材を嵌合するのと同時に実施することを特徴とする。
上記したように図6の従来技術においてインナースリーブおよびアウタースリーブはそれぞれ軸方向ストレートな円筒形状であったのに対し、本発明ではそれぞれフランジ付きの形状とされ、すなわちインナースリーブは、筒状部の軸方向一方の端部に径方向外方へ向けて外向きフランジ部を一体に有し、アウタースリーブは、円筒部の軸方向他方の端部に径方向内方へ向けて内向きフランジ部を一体に有し、ゴム状弾性体は両フランジ部間に配置され、両フランジ部によって軸方向に圧縮されて両スリーブの軸方向相対変位を抑制可能とされている。したがって当該カップリングに対し軸方向荷重が入力すると、ゴム状弾性体は、せん断よりも剛性の高い圧縮変形または引っ張り変形することとなり、よってゴム状弾性体の変形が小さく抑えられ、両スリーブの軸方向相対変位が小さく抑えられる。ゴム状弾性体は両フランジ部の軸方向端面に一体成形(加硫接着)するのが望ましい。
また、本発明では併せて、インナースリーブおよびアウタースリーブのうちの一方のスリーブにおけるフランジ部に切欠状の凹部が設けられるとともにこの凹部に対応して他方のスリーブに舌片状の凸部が設けられ、これら凹部および凸部が円周方向に係合することにより両スリーブの相対回転角度を所定角度までに制限するストッパー部を形成している。したがって当該カップリングに対し回転方向に過大な荷重が入力すると、このストッパー部が作動して両スリーブの相対回転角度が所定角度までに制限されるため、ゴム状弾性体が過大変形するのを抑制することが可能とされている。
尚、この凹部および凸部の組み合わせについては、アウタースリーブに凹部を設けるとともにインナースリーブに凸部を設ける場合と、凹凸の配置を反対としてインナースリーブに凹部を設けるとともにアウタースリーブに凸部を設ける場合とが考えられ、本発明にはこれら双方が共に含まれる。場合分けすると以下のようになる。
(1)アウタースリーブに凹部を設けるとともにインナースリーブに凸部を設ける場合
この場合は、アウタースリーブにおける内向きフランジ部の内周縁部に切欠状の凹部が設けられ、この凹部に対応してインナースリーブにおける筒状部の軸方向端部に舌片状の凸部が設けられる。凸部は径方向外方へ向け突出して凹部に係合する。
(2)インナースリーブに凹部を設けるとともにアウタースリーブに凸部を設ける場合
この場合は、インナースリーブにおける外向きフランジ部の外周縁部に切欠状の凹部が設けられ、この凹部に対応してアウタースリーブにおける円筒部の軸方向端部に舌片状の凸部が設けられる。凸部は径方向内方へ向け突出して凹部に係合する。
また、凸部は、スリーブがプレス加工によって成形される場合、当初この凸部を軸方向ストレートな舌片状のものとして形成し、適宜のタイミングで曲げ加工することにより径方向へ向け突出する舌片とするのが望ましい。曲げ加工のタイミングとしては、以下のように設定することが考えられる。
(1)当該カップリングを製造する際には、両スリーブに対しゴム状弾性体を一体成形する工程(一体成形工程)を実施するが、この一体成形工程を終えてから曲げ加工を実施する。このようにすれば、対応する凹部が広く開口した状態(対応する凹部が凸部により塞がれていない状態)で一体成形工程が実施されるために、ゴム状弾性体を成形する金型の構造が簡易になるとともにゴム状弾性体が凸部に付着しにくい。
(2)当該カップリングを実機に装着する際には、アウタースリーブの外周側にギヤ部材やプーリ部材などの駆動伝達部材を嵌合するが、この嵌合作業と同時に曲げ加工を実施する。このようにすれば、嵌合作業のために準備する加重付加設備を曲げ加工用として共用することが可能となる。
本発明は、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明の防振カップリングにおいては上記したように、インナースリーブおよびアウタースリーブがそれぞれフランジ付きの形状とされ、ゴム状弾性体が両フランジ間に配置され、両フランジ部によって軸方向に圧縮されて両スリーブの軸方向相対変位を抑制するものとされている。したがって当該カップリングに対し軸方向荷重が入力したときに、ゴム状弾性体が圧縮変形または引っ張り変形するため、ゴム状弾性体の変形が小さく抑えられ、両スリーブの軸方向相対変位が小さく抑えられる。したがってゴム状弾性体の変形および両スリーブの相対変位が大きくなってスリーブまたはギヤ部材などの駆動伝達部材が他部位へ干渉する不具合が発生するのを防止することができる。
また、本発明の防振カップリングにおいては併せて、インナースリーブおよびアウタースリーブのうちの一方のスリーブにおけるフランジ部に切欠状の凹部が設けられるとともにこの凹部に対応して他方のスリーブに舌片状の凸部が設けられ、これら凹部および凸部が円周方向に係合することにより両スリーブの相対回転角度を所定角度までに制限するストッパー部を形成している。したがって当該カップリングに対し回転方向に過大な荷重が入力したときに、ストッパー部が作動して両スリーブの相対回転角度が所定角度までに制限されるため、ゴム状弾性体が過大変形するのを抑制することができる。したがってゴム状弾性体が過大変形して破損するのを防止することができる。
また、本発明の製造方法によれば、金型構造を簡易化できる、嵌合作業と曲げ加工で設備を共用できるなどのメリットがある。
本発明の実施例に係るカップリングの断面図 同カップリングの一部切り欠きした斜視図 同カップリングの製造工程における状態を示す断面図 同カップリングの製造工程における状態を示す一部切り欠きした斜視図 ギヤ部材の一例を示す斜視図 従来例に係るカップリングの断面図
本発明には、以下の実施形態が含まれる。
(1)本発明は、防振技術に係るカップリングに関する。本発明のカップリングは、ギヤダンパ、ギヤ駆動伝達装置、動力伝達装置などとして用いられる。
(2)従来、ギヤ駆動における歯打ち音低減、および回転変動を低減する目的で図6に示すごとく、内・外筒ブッシュタイプのカップリングが用いられる。また、プーリ+ベルト等を介したトルク伝達装置においても同様の目的で用いられる場合がある。この従来の場合、構造は簡易であるが、ヘリカルギヤやベルト張力等で回転方向(トルク伝達方向)だけでなくブッシュ軸方向に力が発生した際に、当該ブッシュ形状では軸方向は弾性体のせん断の反力のみのため、軸方向への変位が大きくなり、他部位への干渉等不具合が懸念される。
(3)そこで、本発明では、以下の構成および製法を提案する。
(3−1)
(3−1−1)L字断面のインナースリーブおよびアウタースリーブを対向させて配置し、内部四角状の空間に弾性体を軸方向圧縮成分となるように一体成形したカップリング構造。
(3−1−2)スリーブ内周部もしくは外周部に凹部を設け、対向するスリーブ外周部もしくは内周部に凸部を設け、凹凸を組み合わせるようにしたもの。
(3−1−3)凸部はカップリング体の成形性を考慮し、成形後に曲げ加工を行なうことで前述の凹凸組み合わせを実現するもの。
(3−1−4)上記カップリングを駆動伝達部材(ギヤ、プーリーなど)へ嵌合することで固定するもの。
(3−1−5)凸部の曲げ加工は当該圧入工程で同時に行なう工程で作製する上記カップリング。
(3−2)
(3−2−1)L字断面のインナースリーブおよびアウタースリーブを対向させて配置し、内部四角状の空間に弾性体を軸方向圧縮成分となるように配置したカップリング。スリーブおよび弾性体は一体成型で製作される。
(3−2−2)一方のスリーブの内周部(または外周部)に凹部を設け、他方のスリーブの外周部(または内周部)に凸部を設け、凹凸を組み合わせるように配置したもの。凹凸は円周上任意の数で可。尚、凸部は弾性体およびスリーブの成形性を考慮し、成形後に曲げ加工を行なうことで前述の凹凸組み合わせを実現しても良い。
(3−2−3)上記カップリングを駆動伝達部材(ギヤ、プーリ等)へ嵌合することで固定するもの。上記(3−2−2)における凸部の曲げ加工は当該圧入工程で同時に行なうのが望ましい。
(4)本発明によれば、以下の効果が実現される。
(4−1)回転方向は従来と同様、せん断成分で作用することにより充分な防振効果を確保しつつ、軸方向に発生した荷重に対しては、せん断よりも剛性の高い圧縮成分で受けるため、軸方向への変位(変形)を抑制することが可能。
(4−2)凹凸により回転方向過大入力が発生した際にストッパー構造となり、ゴム部破損を防止することが可能。従来では駆動伝達部材にて同様のストッパー構造を形成することが一般的であるが、駆動伝達部材形状が複雑化することを回避することが可能。
(4−3)圧入位置の調整により予圧縮を調整することで、軸方向の剛性を調整すると同時に、予圧縮により弾性体へ圧縮応力を付与することで弾性体の耐久性を確保可能。
つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
図1は、本発明の実施例に係るカップリング1の断面図を示している。図2は同カップリング1の一部切り欠きした斜視図を示している。同カップリング1は以下のように構成されている。
すなわち当該実施例に係るカップリング1は、インナースリーブ2およびアウタースリーブ3に対しゴム状弾性体4を一体成形してなり、両スリーブ2,3が相対変位するとともにゴム状弾性体4が弾性変形することにより防振作用をなす防振カップリングであって、その構成部品としてインナースリーブ2、アウタースリーブ3およびゴム状弾性体4よりなる3部品を有し、この3部品は両スリーブ2,3に対しゴム状弾性体4を一体成形(金型による成形時に加硫接着)することにより一体化されている。
このうち先ず、インナースリーブ2は、板金プレスの環状体であり、軸方向ストレートの筒状部2aを有し、この筒状部2aの軸方向一方の端部に径方向外方へ向けて外向きフランジ部2bが一体に成形されている。
また、アウタースリーブ3は、これも板金プレスの環状体であり、軸方向ストレートの円筒部3aを有し、この円筒部3aの軸方向他方の端部に径方向内方へ向けて内向きフランジ部3bが一体に成形されている。
アウタースリーブ3はインナースリーブ2の外周側に配置されている。アウタースリーブ3の円筒部3aの内径寸法はインナースリーブ2の外向きフランジ部2bの外径寸法よりも大きく設定され、よって両者3a,2bの間には径方向間隙cが設定されている。またアウタースリーブ3の内向きフランジ部3bの内径寸法はインナースリーブ2の筒状部2aの外径寸法よりも大きく設定され、よって両者3b,2aの間にはここにも径方向間隙cが設定されている。両スリーブ2,3は互いに離間しており、接触していない。
アウタースリーブ3の円筒部3aはインナースリーブ2の筒状部2aの外周側に配置されている。したがって円筒部3aと筒状部2aは径方向に対向している。また、アウタースリーブ3の内向きフランジ部3bの内径寸法はインナースリーブ2の外向きフランジ部2bの外径寸法よりも小さく設定されている。したがって両フランジ部3b,2bは軸方向に対向している。
以上により、両スリーブ2,3は、断面L字形のスリーブ2つを互いに向かい合わせに組み合わせたものであって、両スリーブ2,3の間に断面矩形状を呈する環状の空間部が形成され、この空間部に環状のゴム状弾性体4が装着され、ゴム状弾性体4は、アウタースリーブ3の円筒部3aの内周面、内向きフランジ部3bの軸方向端面、インナースリーブ2の筒状部2aの外周面および外向きフランジ部2bの軸方向端面の4面に対しそれぞれ加硫接着されている。また、上記径方向間隙c,cが設定された部位に相当する外向きフランジ部2bの外周側および内向きフランジ部3bの内周側においてゴム状弾性体4の表面にはそれぞれ、環状の凹みであるすぐり部4a,4bが設けられ、これによりゴム状弾性体4がここから破断し始めるのが防止されている。すぐり部4a,4bの大きさや軸方向深さは、使用されるゴム状弾性体4の弾性や入力荷重の大きさなどに応じて設計製造時に適宜調整される。
アウタースリーブ3における内向きフランジ部3bの内周縁部に円周上一部の切欠状を呈する凹部5が設けられ、この凹部5に対応してインナースリーブ2における筒状部2aの軸方向他方の端部に同じく円周上一部の舌片状を呈する凸部6が設けられている。凸部6は径方向外方へ向け突出して凹部5に係合しており、この凹部5および凸部6の組み合わせによって、両スリーブ2,3の相対回転角度を所定角度までに制限するストッパー部7が形成されている。凹部5の形成角度は凸部6の形成角度よりも大きく設定されており、よって両スリーブ2,3が相対回転すると凸部6が凹部5内面に当接し、それ以上の角度に及ぶ相対回転が抑制される。図2に示すようにストッパー部7は円周上180度対称位置に2箇所設けられているが、その形成数や配置はとくに限定されるものではない。
また、図2に示したように、アウタースリーブ3の外周側には、ギヤ部材やプーリ部材などの外周側駆動伝達部材11が嵌合され、換言するとアウタースリーブ3は外周側駆動伝達部材11の内周側に嵌合される。またインナースリーブ2の内周側には、軸などの内周側駆動伝達部材21が嵌合され、換言するとインナースリーブ2は内周側駆動伝達部材21の外周側に嵌合される。外周側駆動伝達部材11であるギヤ部材としては例えば、図5に示すようなヘリカルギヤが用いられる。
上記構成のカップリング1において、インナースリーブ2およびアウタースリーブ3はそれぞれフランジ付きの形状とされ、ゴム状弾性体4は両フランジ部2b,3b間に配置され、両フランジ部2b,3bによって軸方向に圧縮されて両スリーブ2,3の軸方向相対変位を抑制可能とされている。したがって当該カップリング1に対し軸方向荷重が入力すると、ゴム状弾性体4は、せん断よりも剛性の高い圧縮変形または引っ張り変形することとなり、よってゴム状弾性体4の変形が小さく抑えられ、両スリーブ2,3の軸方向相対変位が小さく抑えられる。したがってゴム状弾性体4の変形および両スリーブ2,3の相対変位が大きくなってスリーブ2,3またはギヤ部材などの駆動伝達部材11が他部位へ干渉したりする等の不具合が発生するのを未然に防止することができる。また上記カップリング1において、ゴム状弾性体4はアウタースリーブ3の円筒部3aの内周面およびインナースリーブ2の筒状部2aの外周面にも加硫接着されているため、軸方向のみでなく径方向についても圧縮変形または引っ張り変形することになる。
また、上記構成のカップリング1においては併せて、アウタースリーブ3における内向きフランジ部3bの内周縁部に切欠状の凹部5が設けられるとともにこの凹部5に対応してインナースリーブ2における筒状部2aの軸方向他方の端部に舌片状の凸部6が設けられ、これら凹部5および凸部6が円周方向に係合することにより両スリーブ2,3の相対回転角度を所定角度までに制限するストッパー部7が形成されている。したがって当該カップリング1に対し回転方向に過大な荷重が入力すると、このストッパー部7が作動して両スリーブ2,3の相対回転角度が所定角度までに制限されることになり、よってゴム状弾性体4が過大変形するのを抑制することが可能とされている。したがってゴム状弾性体4が過大変形して破損するのを未然に防止することができる。
尚、この凹部5および凸部6の組み合わせについて、上記実施例では、アウタースリーブ3に凹部5を設けるとともにインナースリーブ2に凸部6を設けることにしたが、反対にインナースリーブ2に凹部5を設けるとともにアウタースリーブ3に凸部6を設けるようにしても良く、この場合には、インナースリーブ2における外向きフランジ部2bの外周縁部に切欠状の凹部5が設けられるとともにこの凹部5に対応してアウタースリーブ3における円筒部3aの軸方向一方の端部に舌片状の凸部6が設けられる。凸部6は径方向内方へ向け突出して凹部5に係合することになる。
また、凸部6は、両スリーブ2,3の何れに設けられる場合であっても、スリーブ2,3がプレス加工によって成形されるので、当該カップリング1の製造過程において図3および図4に示すように、当初この凸部6を軸方向ストレートな舌片状のものとして形成し、適宜のタイミングで曲げ加工することにより径方向へ向け突出する舌片とするのが望ましい。曲げ加工のタイミングとしては、以下のように設定することが考えられる。
当該カップリング1を製造する際には、上記したように両スリーブ2,3に対しゴム状弾性体4を一体成形する工程(一体成形工程)を実施するが、この一体成形工程を終えた後に曲げ加工を実施する。このようにすれば、対応する凹部5が広く開口した状態で一体成形工程が実施されるために、金型構造を簡易化することができ、またゴム状弾性体4が凸部6に付着するのを防止することができる。
また、カップリング1を実機に装着する際には、上記したようにアウタースリーブ3の外周側にギヤ部材やプーリ部材などの外周側駆動伝達部材11を嵌合するが、この嵌合作業と同時に曲げ加工を実施する。このようにすれば、嵌合作業のために準備する加重付加設備(圧入設備など)を曲げ加工用として共用することが可能となるため、曲げ加工を単独で実施する手間を省略することができる。
1 カップリング
2 インナースリーブ
2a 筒状部
2b 外向きフランジ部
3 アウタースリーブ
3a 円筒部
3b 内向きフランジ部
4 ゴム状弾性体
4a,4b すぐり部
5 凹部
6 凸部
7 ストッパー部
11 外周側駆動伝達部材
21 内周側駆動伝達部材
,c 径方向間隙

Claims (4)

  1. インナースリーブおよびアウタースリーブ間にゴム状弾性体を介装してなる防振カップリングにおいて、
    前記インナースリーブは、筒状部の軸方向一方の端部に径方向外方へ向けて外向きフランジ部を一体に有し、前記アウタースリーブは、前記筒状部の外周側に配置される円筒部の軸方向他方の端部に径方向内方へ向けて内向きフランジ部を一体に有し、前記ゴム状弾性体は、前記両フランジ部によって軸方向に圧縮されて前記両スリーブの軸方向相対変位を抑制可能とされ、
    前記両スリーブのうちの一方のスリーブにおけるフランジ部に切欠状の凹部が設けられ、前記凹部に対応して他方のスリーブに舌片状の凸部が設けられ、前記凹部および凸部は、円周方向に係合することにより前記両スリーブの相対回転角度を所定角度までに制限するストッパー部を形成していることを特徴とする防振カップリング。
  2. 請求項1記載の防振カップリングにおいて、
    前記アウタースリーブの外周側に駆動伝達部材としてギヤ部材が嵌合されることにより、当該防振カップリングはギヤダンパとされることを特徴とする防振カップリング。
  3. 請求項1または2記載の防振カップリングを製造する方法において、
    予め前記凹部および凸部を形成した前記両スリーブに対し前記ゴム状弾性体を一体成形する工程を実施し、
    予め形成した前記凸部は何れかの前記スリーブの筒状部または円筒部の軸方向端部から軸方向一方へストレートに延びる舌片状のものとしてこれを形成しておき、
    前記一体成形工程の終了後に曲げ加工を実施し、この曲げ加工により前記凸部を折り曲げて前記凹部に係合することを特徴とする防振カップリングの製造方法。
  4. 請求項3記載の防振カップリングの製造方法において、
    前記曲げ加工を、前記アウタースリーブの外周側に駆動伝達部材を嵌合するのと同時に実施することを特徴とする防振カップリングの製造方法。
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