JP2017203464A - 歯打ち防止装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スプライン嵌合された軸同士の捩れ角度が大きくなってもガラ音の抑制効果を良好に発揮することができる歯打ち防止装置を提供する。
【解決手段】互いにスプライン嵌合された駆動軸とロータ軸との間に配設され、環状部材11とゴムリング12とを備えた歯打ち防止装置1に対し、環状部材11の両端に、ロータ軸に向かって外周側に延びる鍔部14,14を設ける。ゴムリング12の幅方向の両端面15,15と環状部材11の鍔部14,14の側壁面との間に隙間を設け、ゴムリング12が鍔部14,14に接着されない構成とする。これにより、駆動軸とロータ軸との捩れ角度が大きくなっても、ゴムリング12の弾性特性としては線形が維持され、スプライン歯同士の衝突に起因する異音に対する抑制効果を良好に発揮することができる。
【選択図】図2
【解決手段】互いにスプライン嵌合された駆動軸とロータ軸との間に配設され、環状部材11とゴムリング12とを備えた歯打ち防止装置1に対し、環状部材11の両端に、ロータ軸に向かって外周側に延びる鍔部14,14を設ける。ゴムリング12の幅方向の両端面15,15と環状部材11の鍔部14,14の側壁面との間に隙間を設け、ゴムリング12が鍔部14,14に接着されない構成とする。これにより、駆動軸とロータ軸との捩れ角度が大きくなっても、ゴムリング12の弾性特性としては線形が維持され、スプライン歯同士の衝突に起因する異音に対する抑制効果を良好に発揮することができる。
【選択図】図2
Description
本発明は歯打ち防止装置に係る。特に、本発明は、互いにスプライン嵌合された第1の回転軸(例えば駆動軸)と第2の回転軸(例えばロータ軸)との間に配設され、環状部材とゴムリングとを備えた歯打ち防止装置の改良に関する。
従来、例えば特許文献1には、互いにスプライン嵌合された2つの回転軸(この特許文献1では外軸および内軸と称している)同士の間(外軸の内周側および内軸の外周側)に歯打ち防止装置(フリクションダンパ)が配設された構成が開示されている。
図9は、この特許文献1に開示されている歯打ち防止装置aの配設位置周辺の断面図である。この図9に示すように、歯打ち防止装置aは、内軸bの外周面に装着された環状部材c(特許文献1では芯金と称している)と、この環状部材cの外面に加硫接着されると共に外軸dの内周面に反発弾性力をもって摺接するゴムリングe(特許文献1では弾性リップと称している)とを備えている。
これにより、外軸dの内周面とゴムリングeの外面との間の摺動抵抗によって2つの軸b,dの相対回転を制限し、各軸b,dのスプライン歯b1,d1同士の衝突に起因する異音(ガラ音とも呼ばれる)の発生を抑制できるようにしている。
しかしながら、この従来の歯打ち防止装置aは、環状部材cの端縁部(図中における左側の端縁部)に形成されている鍔部fの外周側を覆うようにゴムリングeが配設されている。つまり、鍔部fの外周側端部と外軸dの内周面との間には薄肉のゴム(図9に符号gで示す薄肉部分)が存在しており、この薄肉部分gが鍔部fの外周側端部に接着されている。
このような構成において、内軸bと外軸dとの捩れ角度が大きくなると、前記薄肉部分gの歪み量がその他の部分の歪み量に比べて局所的に大きくなる。その結果、この捩れ角度が大きくなる状況にあっては、ゴムリングeの弾性特性が非線形となる。これは、ゴムの歪み量が所定量を超えた場合には弾性係数が大きくなって弾性特性が非線形となるハードニングと呼ばれる現象に起因するものである。そして、このようにゴムリングeの弾性係数が大きくなると、一方の軸b(d)に発生するトルクが急速に大きくなって、前記スプライン歯b1,d1同士の衝突に起因する異音が大きくなってしまう虞がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、各軸同士の捩れ角度が大きくなっても異音の抑制効果を良好に発揮することができる歯打ち防止装置を提供することにある。
前記の目的を達成するための本発明の解決手段は、軸受けによってそれぞれ回転自在に支持されていると共に互いにスプライン嵌合された第1の回転軸と第2の回転軸との間であって前記第1の回転軸の外周部と前記第2の回転軸の内周部との間に配設され、これら第1の回転軸および第2の回転軸のうちの一方側に装着された環状部材と、前記第1の回転軸および前記第2の回転軸のうちの他方側に摺接可能に配設されたゴムリングとを備えた歯打ち防止装置を前提とする。この歯打ち防止装置に対し、前記環状部材に、前記第1の回転軸および前記第2の回転軸のうちの他方側に向かって延びる鍔部を設ける。そして、前記ゴムリングを、前記鍔部に非接着とする、または、前記鍔部の側壁面に部分的に接着する構成としている。
この特定事項によれば、ゴムリングには、環状部材の鍔部の外周側端部に接着された薄肉部分は存在しないことになる。このため、第1の回転軸と第2の回転軸との捩れ角度が大きくなっても、ゴムリングには、局所的に歪み量が大きくなる部分は存在しないことになる。つまり、ゴムリングにおける厚さ寸法の大きい部分が弾性変形することになってゴムリングはその全体に亘って歪み量は小さくなる。その結果、前記捩れ角度が大きくなっても、ゴムリングの弾性特性としては線形が維持され(ハードニングは発生せず)、一方の回転軸に発生するトルクが急速に大きくなるといったことが回避されて、スプライン歯同士の衝突に起因する異音を良好に抑制することができる。
本発明では、環状部材とゴムリングとを備えた歯打ち防止装置に対し、ゴムリングを、環状部材の鍔部に非接着とする、または、環状部材の鍔部の側壁面に部分的に接着する構成としている。これにより、第1の回転軸と第2の回転軸との捩れ角度が大きくなっても、ゴムリングの弾性特性としては線形が維持されることになり、異音の抑制効果を良好に発揮することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、車両(例えばハイブリッド車両)の動力伝達系に備えられる歯打ち防止装置(フリクションダンパ)に本発明を適用した場合について説明する。
(第1実施形態)
先ず、第1実施形態について、図1および図2を用いて説明する。図1は本実施形態に係る動力伝達系における歯打ち防止装置1の配設位置周辺の断面図である。図2は本実施形態に係る歯打ち防止装置1の断面図(中心線Oに沿う方向での断面図)である。
先ず、第1実施形態について、図1および図2を用いて説明する。図1は本実施形態に係る動力伝達系における歯打ち防止装置1の配設位置周辺の断面図である。図2は本実施形態に係る歯打ち防止装置1の断面図(中心線Oに沿う方向での断面図)である。
図1に示すように、歯打ち防止装置1は、車両の動力伝達系を構成する第1の回転軸である駆動軸2と第2の回転軸であるロータ軸3との間に配設されている。例えば、駆動軸2には図示しないエンジン等の動力源からのトルクが伝達される。一方、ロータ軸3には図示しないモータからのトルクが伝達される。
具体的に、駆動軸2およびロータ軸3は中空の軸部材で成っている。そして、駆動軸2の中心線Oに沿う方向(図中の左右方向)の一端部分(図1における右端部分)の外周面には外スプライン歯21が形成されている。
一方、ロータ軸3の中心線Oに沿う方向の一端部分(図1における左端部分)から所定寸法を存した位置(所定寸法を存した右側位置)の内周面には内スプライン歯31が形成されている。
そして、駆動軸2の一端部分がロータ軸3の内部に挿入され、この駆動軸2の外スプライン歯21がロータ軸3の内スプライン歯31に嵌合されている。これにより、駆動軸2とロータ軸3とは動力伝達可能に連結されている。また、駆動軸2の外スプライン歯21とロータ軸3の内スプライン歯31との間には所定のバックラッシが設けられている。また、前述したように駆動軸2およびロータ軸3は中空であり、これら駆動軸2とロータ軸3とが連結された状態では、これらの内部空間が潤滑油の流通空間として利用されるようになっている。
また、駆動軸2における外スプライン歯21の形成部分よりも基端側(図1における左側)は、後述する転がり軸受けB2および歯打ち防止装置1が装着される軸受け部22となっている。
また、ロータ軸3における内スプライン歯31の形成部分よりも先端側(図1における左側)は、後述する転がり軸受けB3が装着される軸受け部32となっている。この軸受け部32の内径寸法は、前記駆動軸2の軸受け部22の外径寸法よりも所定寸法だけ大きく設定され、この両者間(駆動軸2の軸受け部22とロータ軸3の軸受け部32との間)に歯打ち防止装置1を配設するための空間Sが形成されている。
そして、駆動軸2およびロータ軸3は、それぞれ転がり軸受けB1〜B4によって図示しないトランスアクスルケースなどに回転自在に支持されている。これら軸受けB1〜B4のうち一つの軸受けB2は、前記駆動軸2の軸受け部22の外周部に装着されている。また、他の一つの軸受けB3は、前記ロータ軸3の軸受け部32の外周部に装着されている。
次に、本実施形態において特徴とする部材である前記歯打ち防止装置1について説明する。この歯打ち防止装置1は、前記駆動軸2の外周部と前記ロータ軸3の内周部との間に配設されている。つまり、前記駆動軸2の軸受け部22の外周面と前記ロータ軸3の軸受け部32の内周面との間に形成されている前記空間Sに歯打ち防止装置1は配設されている。
この歯打ち防止装置1は、図2に示すように、金属製の環状部材11と合成ゴム製のゴムリング12とが一体的に組み付けられて構成されている。
具体的に、環状部材11は、金属プレートのプレス加工等によって成形され、前記中心線Oに沿う方向に所定寸法を有する円筒形状の円筒部13と、この円筒部13における前記中心線Oに沿う方向の両端部分から外周側に向けて(ロータ軸3の軸受け部32側に向けて)所定寸法だけ延びる鍔部14,14とを備えている。前記円筒部13は、駆動軸2の軸受け部22に圧入または接着によって固定(装着)されており、駆動軸2と一体的に回転可能となっている。
前記円筒部13における前記中心線Oに沿う方向の寸法は、前記ロータ軸3の軸受け部32における前記中心線Oに沿う方向の寸法よりも僅かに短く設定されている。また、前記鍔部14,14の高さ寸法は、前記駆動軸2の軸受け部22の外周面と前記ロータ軸3の軸受け部32の内周面との間に形成されている空間Sの高さ寸法よりも僅かに短く設定されている。これにより、この鍔部14,14の外周端がロータ軸3の軸受け部32の内周面に接触しないようになっている。
一方、前記ゴムリング12は、環状部材11の円筒部13の外周囲であって、各鍔部14,14同士の間に配設されている。図2は、歯打ち防止装置1が装着される前の状態(駆動軸2の軸受け部22の外周面とロータ軸3の軸受け部32の内周面との間に装着される前の状態)である。この図2に示すように、ゴムリング12の内径寸法は前記環状部材11の円筒部13の外径寸法に一致している。そして、このゴムリング12の内周面16が、環状部材11の円筒部13の外周面に加硫接着などによって接着(固着)されている。
また、ゴムリング12の外径寸法は前記環状部材11の鍔部14,14の外径寸法よりも大きく設定されている。また、このゴムリング12の外径寸法は、図2に示す自然状態(外力が作用していない状態)では、前記ロータ軸3の軸受け部32の内径寸法よりも大きく設定されている。なお、このゴムリング12において、その外径寸法が前記ロータ軸3の軸受け部32の内径寸法よりも大きく設定されている領域としては、ゴムリング12の全周囲に亘って設けられていてもよいし、周方向に亘って間欠的に(例えば周方向の3箇所に)設けられていてもよい。
そして、このゴムリング12における前記中心線Oに沿う方向の幅寸法t1は、前記一対の鍔部14,14同士の間の間隔寸法t2よりも短く設定されている。また、ゴムリング12の配設位置は、これら鍔部14,14同士の間の略中央位置に設定されている。このため、ゴムリング12の幅方向の両端面15,15と鍔部14,14との間には所定寸法(図2における寸法t3,t3)の隙間が設けられている。つまり、ゴムリング12の両端面15,15は鍔部14,14には接着されていない(非接着とされた)構成となっている。
なお、このようにゴムリング12の両端面15,15が鍔部14,14に接着されない構成を得るための歯打ち防止装置1の製造工程としては、先ず、予めプレス加工等によって成形された環状部材11の円筒部13の外周面に加硫接着剤を塗布する。そして、この環状部材11を、図示しない加硫成形用の金型内にセットし、型締めによって、この環状部材11と金型内面との間に画成された環状のキャビティ内に、未加硫ゴム材料を充填して加熱・加圧することにより、加硫成形と同時に環状部材11と一体に加硫接着されたゴムリング12を成形する。そして、このゴムリング12の幅方向の両端部分(鍔部14,14に当接している部分)を切削加工することで、ゴムリング12の両端面15,15と鍔部14,14との間に所定寸法t3の隙間を形成する。歯打ち防止装置1の製造工程としてはこれに限定されるものではない。
このように構成された歯打ち防止装置1が、駆動軸2の軸受け部22の外周面とロータ軸3の軸受け部32の内周面との間に配設された状態では、ゴムリング12が、駆動軸2の軸受け部22の外周面とロータ軸3の軸受け部32の内周面との間の空間Sに応じた寸法だけ弾性変形し、このゴムリング12の外面17が、ロータ軸3の軸受け部32の内周面に反発弾性力をもって摺接可能となる。このため、図示しないエンジン等の動力源からのトルク(駆動軸2に伝達されるトルク)やモータからのトルク(ロータ軸3に伝達されるトルク)が変動する等して駆動軸2とロータ軸3との間に相対回転が生じる状況となった場合には、ロータ軸3の軸受け部32の内周面とゴムリング12の外面17との間の摺動抵抗によって、各軸2,3の相対回転が制限されることになり、各スプライン歯21,31同士の衝突に起因する異音(ガラ音)の発生が抑制されるようになっている。
前述したように、本実施形態では、ゴムリング12の両端面15,15と鍔部14,14との間には所定寸法t3の隙間が設けられており、ゴムリング12の両端面15,15は鍔部14,14には接着されていない構成となっている。
従来技術の歯打ち防止装置では、図9を用いて前述したように、環状部材cの鍔部fの外周側端部と外軸dの内周面との間には薄肉のゴムで成る薄肉部分gが存在しており、この薄肉部分gが鍔部fの外周側端部に接着されていた。このため、内軸bと外軸dとの捩れ角度が大きくなると、前記薄肉部分gの歪み量がその他の部分の歪み量に比べて局所的に大きくなり、ゴムリングeの弾性特性が非線形となって、スプライン歯b1,d1同士の衝突に起因する異音が大きくなってしまう虞があった。
これに対し、本実施形態にあっては、ゴムリング12には、環状部材11の鍔部14,14の外周側端部に接着された薄肉部分は存在していない。このため、駆動軸2とロータ軸3との捩れ角度が大きくなっても、ゴムリング12には、局所的に歪み量が大きくなる部分は存在しないことになる。つまり、ゴムリング12における厚さ寸法の大きい部分が弾性変形することになってゴムリング12はその全体に亘って歪み量は小さくなる。その結果、前記捩れ角度が大きくなっても、ゴムリング12の弾性特性としては線形が維持され(ハードニングは発生せず)、一方の軸2(3)に発生するトルクが急速に大きくなるといったことが回避されて、スプライン歯21,31同士の衝突に起因する異音に対する抑制効果を良好に発揮することができ、この異音を良好に抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態は、歯打ち防止装置1のゴムリング12の形状が前記第1実施形態のものと異なっている。その他の構成および動作は、前記第1実施形態のものと同様であるので、ここでは、ゴムリング12の形状について主に説明する。
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態は、歯打ち防止装置1のゴムリング12の形状が前記第1実施形態のものと異なっている。その他の構成および動作は、前記第1実施形態のものと同様であるので、ここでは、ゴムリング12の形状について主に説明する。
図3は、本実施形態に係る歯打ち防止装置1の断面図である。この図3に示すように、ゴムリング12は、その幅方向の両端面15,15が鍔部14,14に当接している。つまり、ゴムリング12における前記中心線Oに沿う方向の幅寸法t4は、前記一対の鍔部14,14同士の間の間隔寸法t2と同一寸法に設定されている。
そして、本実施形態にあっては、ゴムリング12の内周面16が環状部材11の円筒部13の外周面に加硫接着されている一方、ゴムリング12の両端面15,15は鍔部14,14に接着されていない(非接着とされた)構成となっている。
なお、このようにゴムリング12の両端面15,15が鍔部14,14に接着されない構成を得るための歯打ち防止装置1の製造としては、前記第1実施形態で説明した製造工程(環状部材11の円筒部13の外周面に加硫接着剤を塗布し、鍔部14,14の側壁面(内壁面)に加硫接着剤を塗布しない状態でゴムリング12を成形する製造工程)において、ゴムリング12の幅方向の両端部分に対する切削加工を実施しないことによって行われる。
本実施形態の構成によっても、ゴムリング12には、環状部材11の鍔部14,14の外周側端部に接着された薄肉部分は存在していない。このため、前記第1実施形態の場合と同様に、前記捩れ角度が大きくなっても、ゴムリング12の弾性特性としては線形が維持され(ハードニングは発生せず)、一方の軸2(3)に発生するトルクが急速に大きくなるといったことが回避されて、スプライン歯21,31同士の衝突に起因する異音に対する抑制効果を良好に発揮することができ、この異音を良好に抑制することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態も、歯打ち防止装置1のゴムリング12の形状が前記第1実施形態のものと異なっている。その他の構成および動作は、前記第1実施形態のものと同様であるので、ここでも、ゴムリング12の形状について主に説明する。
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態も、歯打ち防止装置1のゴムリング12の形状が前記第1実施形態のものと異なっている。その他の構成および動作は、前記第1実施形態のものと同様であるので、ここでも、ゴムリング12の形状について主に説明する。
図4は、本実施形態に係る歯打ち防止装置1の断面図である。この図4に示すように、ゴムリング12は、その内周側部分のみ、その幅寸法が、各鍔部14,14同士の間の幅寸法t2に一致しており、この部分が鍔部14,14の側壁面に加硫接着等によって接着されている。つまり、ゴムリング12が、部分的に鍔部14,14に接着された構成となっている。
なお、このようなゴムリング12の構成を得るための歯打ち防止装置1の製造工程としては、先ず、予めプレス加工等によって成形された環状部材11の円筒部13の外周面および鍔部14,14の側壁面に加硫接着剤を塗布する。そして、前記第1実施形態の場合と同様に、この環状部材11を、図示しない加硫成形用の金型内にセットし、型締めによって、この環状部材11と金型内面との間に画成された環状のキャビティ内に、未加硫ゴム材料を充填して加熱・加圧することにより、加硫成形と同時に環状部材11と一体に加硫接着されたゴムリング12を成形する。そして、このゴムリング12の幅方向の両端部分(鍔部14,14に接着されている部分)に対し、その外周部分のみを切削加工することで、ゴムリング12が部分的に鍔部14,14に接着された構成を得る。歯打ち防止装置1の製造工程としてはこれに限定されるものではない。
本実施形態の構成によっても、ゴムリング12には、環状部材11の鍔部14,14の外周側端部に接着された薄肉部分は存在していない。このため、前記第1実施形態の場合と同様に、前記捩れ角度が大きくなっても、ゴムリング12の弾性特性としては線形が維持され(ハードニングは発生せず)、一方の軸2(3)に発生するトルクが急速に大きくなるといったことが回避されて、スプライン歯21,31同士の衝突に起因する異音に対する抑制効果を良好に発揮することができ、この異音を良好に抑制することができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。本実施形態も、歯打ち防止装置1のゴムリング12の形状が前記第1実施形態のものと異なっている。その他の構成および動作は、前記第1実施形態のものと同様であるので、ここでも、ゴムリング12の形状について主に説明する。
次に、第4実施形態について説明する。本実施形態も、歯打ち防止装置1のゴムリング12の形状が前記第1実施形態のものと異なっている。その他の構成および動作は、前記第1実施形態のものと同様であるので、ここでも、ゴムリング12の形状について主に説明する。
図5は、本実施形態に係る歯打ち防止装置1の断面図である。この図5に示すように、ゴムリング12は、センタゴムリング部12Aと、このセンタゴムリング部12Aの両側に配設されたサイドゴムリング部12B,12Bとを備えている。そして、センタゴムリング部12Aとサイドゴムリング部12B,12Bとの間に、所定寸法(図5における寸法t5,t5)の隙間が設けられている。また、サイドゴムリング部12B,12Bの外径寸法は、センタゴムリング部12Aの外径寸法よりも小さくなっている。具体的には、サイドゴムリング部12B,12Bの外径寸法は、鍔部14,14の外径寸法に一致している。このため、このサイドゴムリング部12B,12Bの外周端がロータ軸3の軸受け部32の内周面に接触しないことになる。
このような構成のゴムリング12を得るための製造工程としては、前述した第1実施形態で説明した製造工程においてゴムリング12を切削加工する場合に、ゴムリング12の幅方向の両端から所定寸法を存した内側の位置を切削することで、ゴムリング12をセンタゴムリング部12Aとサイドゴムリング部12B,12Bとに分割する。また、サイドゴムリング部12B,12Bの外周部を切削することで、このサイドゴムリング部12B,12Bの外径寸法を鍔部14,14の外径寸法に一致させるようにする。なお、本実施形態の場合、ゴムリング12(サイドゴムリング部12B,12B)と鍔部14,14の側壁面との間は加硫接着等によって接着されていてもよいし、接着されていなくてもよい。
本実施形態の構成によっても、ゴムリング12には、環状部材11の鍔部14,14の外周側端部に接着された薄肉部分は存在していない。このため、前記第1実施形態の場合と同様に、前記捩れ角度が大きくなっても、ゴムリング12の弾性特性としては線形が維持され(ハードニングは発生せず)、一方の軸2(3)に発生するトルクが急速に大きくなるといったことが回避されて、スプライン歯21,31同士の衝突に起因する異音に対する抑制効果を良好に発揮することができ、この異音を良好に抑制することができる。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。本実施形態も、歯打ち防止装置1のゴムリング12の形状が前記第1実施形態のものと異なっている。その他の構成および動作は、前記第1実施形態のものと同様であるので、ここでも、ゴムリング12の形状について主に説明する。
次に、第5実施形態について説明する。本実施形態も、歯打ち防止装置1のゴムリング12の形状が前記第1実施形態のものと異なっている。その他の構成および動作は、前記第1実施形態のものと同様であるので、ここでも、ゴムリング12の形状について主に説明する。
図6は、本実施形態に係る歯打ち防止装置1の断面図である。この図6に示すように、ゴムリング12は、前記第4実施形態の場合と同様に、センタゴムリング部12Aと、このセンタゴムリング部12Aの両側に配設されたサイドゴムリング部12B,12Bとを備えている。本実施形態の場合には、センタゴムリング部12Aとサイドゴムリング部12B,12Bとの間には隙間は設けられている。
そして、本実施形態では、サイドゴムリング部12B,12Bの剛性がセンタゴムリング部12Aの剛性よりも低く設定されている。例えば、サイドゴムリング部12B,12Bを構成するゴム材料と、センタゴムリング部12Aを構成するゴム材料とを異ならせることで、この両者の剛性を異ならせることが挙げられる。
このような構成のゴムリング12を得るための製造工程としては、センタゴムリング部12Aを構成するゴム材料と、サイドゴムリング部12B,12Bを構成するゴム材料とを個別に前記金型内にセットし、それぞれを環状部材11に加硫接着させる。
本実施形態の場合、サイドゴムリング部12B,12Bと鍔部14,14の側壁面との間は加硫接着等によって接着されていてもよいし、接着されていなくてもよい。
本実施形態の構成によっても、ゴムリング12には、環状部材11の鍔部14,14の外周側端部に接着された薄肉部分は存在していない。このため、前記第1実施形態の場合と同様に、前記捩れ角度が大きくなっても、ゴムリング12の弾性特性としては線形が維持され(ハードニングは発生せず)、一方の軸2(3)に発生するトルクが急速に大きくなるといったことが回避されて、スプライン歯21,31同士の衝突に起因する異音に対する抑制効果を良好に発揮することができ、この異音を良好に抑制することができる。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について説明する。本実施形態も、歯打ち防止装置1のゴムリング12の形状が前記第1実施形態のものと異なっている。その他の構成および動作は、前記第1実施形態のものと同様であるので、ここでも、ゴムリング12の形状について主に説明する。
次に、第6実施形態について説明する。本実施形態も、歯打ち防止装置1のゴムリング12の形状が前記第1実施形態のものと異なっている。その他の構成および動作は、前記第1実施形態のものと同様であるので、ここでも、ゴムリング12の形状について主に説明する。
図7は、本実施形態に係る歯打ち防止装置1の断面図である。この図7に示すように、ゴムリング12の構成としては、前記第2実施形態の場合と同様に、その幅方向の両端面15,15が鍔部14,14に当接している。つまり、ゴムリング12における前記中心線Oに沿う方向の幅寸法t4は、前記一対の鍔部14,14同士の間の間隔寸法t2と同一寸法に設定されている。
そして、本実施形態にあっては、ゴムリング12の内周面16は環状部材11の円筒部13の外周面に接着されておらず、また、ゴムリング12の両端面15,15も鍔部14,14に接着されていない構成となっている。つまり、ゴムリング12は、その全体に亘って環状部材11に接着されておらず、鍔部14,14の間に嵌め込まれた状態で保持されている。このような構成の歯打ち防止装置1は、環状部材11とゴムリング12とを個別に製造し、このゴムリング12を環状部材11の外周部(鍔部14,14の間)に嵌め込むことで作製される。
本実施形態の構成によっても、ゴムリング12には、環状部材11の鍔部14,14の外周側端部に接着された薄肉部分は存在していない。このため、前記第1実施形態の場合と同様に、前記捩れ角度が大きくなっても、ゴムリング12の弾性特性としては線形が維持され(ハードニングは発生せず)、一方の軸2(3)に発生するトルクが急速に大きくなるといったことが回避されて、スプライン歯21,31同士の衝突に起因する異音に対する抑制効果を良好に発揮することができ、この異音を良好に抑制することができる。
(第7実施形態)
次に、第7実施形態について説明する。本実施形態は、前記第6実施形態に対する変形例であって、歯打ち防止装置1の環状部材11の形状が前記第6実施形態のものと異なっている。その他の構成および動作は、前記第6実施形態のものと同様であるので、ここでは、環状部材11の形状について主に説明する。
次に、第7実施形態について説明する。本実施形態は、前記第6実施形態に対する変形例であって、歯打ち防止装置1の環状部材11の形状が前記第6実施形態のものと異なっている。その他の構成および動作は、前記第6実施形態のものと同様であるので、ここでは、環状部材11の形状について主に説明する。
図8は、本実施形態に係る歯打ち防止装置1の断面図である。この図8に示すように、環状部材11は、一対の鍔部14A,14Bのうち一方の鍔部14A(図中における左側の鍔部14A)の高さ寸法が、他方の鍔部14Bの高さ寸法よりも短く設定されている。
このため、環状部材11とは個別に製造されたゴムリング12を環状部材11の外周部(鍔部14A,14Bの間)に嵌め込む際には、高さ寸法が短く設定されている鍔部14A側から嵌め込むことで、その嵌め込み作業が容易になる。
−他の実施形態−
前記の各実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。従って、本発明の技術的範囲は、前記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
前記の各実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。従って、本発明の技術的範囲は、前記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、前記各実施形態では、ハイブリッド車両の動力伝達系に備えられる歯打ち防止装置1に本発明を適用した場合について説明したが、その他の車両(動力源として内燃機関のみを備えたコンベンショナル車両や、電気自動車など)の動力伝達系に備えられる歯打ち防止装置1に対しても本発明は適用が可能である。
また、前記各実施形態では、環状部材11が駆動軸2の軸受け部22に固定(装着)され、ゴムリング12がロータ軸3の軸受け部32の内周面に摺接する構成としていた。本発明はこれに限らず、環状部材11がロータ軸3の軸受け部32の内周面に固定(装着)され、ゴムリング12が駆動軸2の軸受け部22に摺接する構成に対しても適用が可能である。
本発明は、車両の動力伝達系に備えられて互いにスプライン嵌合された軸同士の間に配設される歯打ち防止装置に適用可能である。
1 歯打ち防止装置
11 環状部材
12 ゴムリング
14 鍔部
2 駆動軸(第1の回転軸)
21 外スプライン歯
22 軸受け部
3 ロータ軸(第2の回転軸)
31 内スプライン歯
32 軸受け部
B1〜B4 転がり軸受け
11 環状部材
12 ゴムリング
14 鍔部
2 駆動軸(第1の回転軸)
21 外スプライン歯
22 軸受け部
3 ロータ軸(第2の回転軸)
31 内スプライン歯
32 軸受け部
B1〜B4 転がり軸受け
Claims (1)
- 軸受けによってそれぞれ回転自在に支持されていると共に互いにスプライン嵌合された第1の回転軸と第2の回転軸との間であって前記第1の回転軸の外周部と前記第2の回転軸の内周部との間に配設され、これら第1の回転軸および第2の回転軸のうちの一方側に装着された環状部材と、前記第1の回転軸および前記第2の回転軸のうちの他方側に摺接可能に配設されたゴムリングとを備えた歯打ち防止装置において、
前記環状部材には、前記第1の回転軸および前記第2の回転軸のうちの他方側に向かって延びる鍔部が設けられており、
前記ゴムリングを、前記鍔部に非接着とする、または、前記鍔部の側壁面に部分的に接着する構成とされていることを特徴とする歯打ち防止装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016093566A JP2017203464A (ja) | 2016-05-09 | 2016-05-09 | 歯打ち防止装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016093566A JP2017203464A (ja) | 2016-05-09 | 2016-05-09 | 歯打ち防止装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017203464A true JP2017203464A (ja) | 2017-11-16 |
Family
ID=60321465
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2016093566A Pending JP2017203464A (ja) | 2016-05-09 | 2016-05-09 | 歯打ち防止装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2017203464A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019078369A1 (ja) | 2017-10-20 | 2019-04-25 | 帝人フィルムソリューション株式会社 | 金属部材、樹脂部材及び外装部品の製造方法 |
JP2019127990A (ja) * | 2018-01-24 | 2019-08-01 | 光洋シーリングテクノ株式会社 | フリクションダンパ |
-
2016
- 2016-05-09 JP JP2016093566A patent/JP2017203464A/ja active Pending
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JP7045202B2 (ja) | 2018-01-24 | 2022-03-31 | 光洋シーリングテクノ株式会社 | フリクションダンパ |
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