JP5252121B1 - はすば歯車および動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

外周側面(24b)は、リム部(22c)のハブ部(22a)側から外周側面(24b)までの回転軸の半径方向の距離において、はすば歯車(21)の回転方向(R1)の最も先端側に位置する距離(W2)が、後端側に位置する距離(W1)よりも大きく設けられている第1側面領域(24b1)を有する。

Description

この発明は、はすば歯車および動力伝達装置に関する。
図12および図13に、はすば歯車21Zの概略構成を示す。なお、図12および図13は、歯車の噛み合い箇所で、歯車が傾斜(倒れ)している状態を図示している。また、傾斜の程度は、理解を容易にするために誇張して図示している。
このはすば歯車21Zは、回転軸に装着されるハブ部22aと、このハブ部22aから回転軸の半径方向外側に向かって延びるディスク部22bと、このディスク部22bの外側に設けられたリム部22cとを備え、このリム部22cの外周面に、歯車21Zの回転方向(R)に対して傾斜する歯22dが設けられている。
このような、はすば歯車21Zは、歯車の回転方向に対して歯が傾斜している。これにより、歯車の回転方向に対して交差する方向(スラスト方向(図13中S方向))に歯当たりトルクが分散されるので騒音が抑制され、トルクの変動が少ない。しかし、トルクが分散されると、図13に示すように、スラスト方向(S方向)に向けてはすば歯車21Zが倒れ、これにより、振動、および騒音が増大し、十分に振動、および騒音の抑制が期待できない。
特開2009−228741号公報、特開2010−101334号公報、特開2008−303968号公報、特開2005−325865号公報、および特開2005−069401号公報に開示される歯車においては、歯車のディスク部に貫通孔を設けて、ディスク部の剛性に工夫を施すことで、振動および騒音の抑制が図られている。
特開2009−228741号公報 特開2010−101334号公報 特開2008−303968号公報 特開2005−325865号公報 特開2005−069401号公報
図14および図15に、はすば歯車21Yの概略構成を示す。なお、図14および図15は、歯車の噛み合い箇所で、歯車が傾斜(倒れ)している状態を図示している。また、傾斜の程度は、理解を容易にするために誇張して図示している。
このはすば歯車21Yにおいては、ディスク部22bに回転軸周りの周方向に向かって延びる複数の貫通孔H21が設けられている。これにより、ハブ部22aとリム部22cとの間に位置するディスク部22bの周方向に沿った剛性を変化させることで、図15に示すように、スラスト方向に向けてはすば歯車21Zが大きく倒れることを可能としている。これにより、振動、および騒音の増大を抑制している。
しかし、回転軸の半径方向において、リム部22cからハブ部22aを見た場合に、貫通孔H21が設けられていない領域のディスク部22bの剛性と、貫通孔H21が設けられている領域のディスク部22bの剛性とが急峻に変化する。
このため、貫通孔H21において、はすば歯車21Yの回転方向の先頭側((回転方向R1)の最も先端側(図14中のA1で囲まれる領域))において、ディスク部22bに生じる応力が極端に増加し、貫通孔H21の噛み合い進行方向側のリム部22cの強度不足が生じるおそれがある。一方、この強度不足を解消するために、たとえば、ディスク部22bの厚さを増大した場合には、剛性が高まり、振動、および騒音が増大することが懸念される。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、振動および騒音の抑制を図るとともに、ディスク部に設けられる貫通孔の回転方向の先端側に生じる応力を低下させることが可能な構造を備える、はすば歯車および動力伝達装置を提供することにある。
この発明に基づいたはすば歯車においては、回転軸に装着されるハブ部と、上記ハブ部から上記回転軸の半径方向外側に向かって延びるディスク部と、上記ディスク部の外側に設けられたリム部とを備える、はすば歯車であって、上記リム部は、その外周面に複数の歯を含み、上記ディスク部は、上記ハブ部の周りに沿って設けられる貫通孔を規定する複数の開口周壁を含む。
上記開口周壁は、上記ハブ部側に位置する内周側面と、上記内周側面よりも上記リム部側に位置する外周側面と、上記内周側面の一端と上記外周側面の一端を連結する第1端部側面と、上記内周側面の他端と上記外周側面の他端を連結する第2端部側面とを含む。
上記外周側面は、第1側面領域と、上記第1側面領域よりも当該はすば歯車の上記回転方向の後端側に位置する第2側面領域とを有し、上記第1側面領域は、上記リム部の上記ハブ部側から上記外周側面までの上記回転軸の上記半径方向の距離において、当該はすば歯車の回転方向の最も先端側の位置における距離が、最も大きく設けられている。
他の形態においては、上記第1側面領域と上記第2側面領域とは連結部により連続して設けられ、上記第1側面領域と上記第2側面領域とは上記連結部を挟んで左右対称に設けられている。
他の形態においては、上記第1側面領域は、湾曲形状に設けられている。
他の形態においては、上記第1側面領域は、直線形状に設けられている。
この発明に基づいた動力伝達装置においては、上述に記載のはすば歯車を備える。
この発明に基づいたはすば歯車および動力伝達装置によれば、振動および騒音の抑制を図るとともに、ディスク部に設けられる貫通孔の回転方向の先端側に生じる応力を低下させることが可能な構造を備えるはすば歯車および動力伝達装置を提供する。
本実施の形態のはすば歯車を備えるトランスミッションとアクスルとが一体に形成されている、トランスアクスル(動力伝達装置)の構成を示す断面図である。 本実施の形態のはすば歯車を備える、3軸構成の歯車装置の噛合い状態を示す模式図である。 本実施の形態のはすば歯車を示す正面図である。 本実施の形態のはすば歯車の部分拡大平面図である。 図3中V−V線矢視に対応するはすば歯車の噛み合い時の変形を示す断面図である。 背景技術におけるはすば歯車を示す正面図である。 図6中VII−VII線矢視に対応する断面図である。 本実施の形態のはすば歯車の応力と貫通孔位相との関係を示す図である。 背景技術におけるはすば歯車の応力と貫通孔位相との関係を示す図である。 他の実施の形態のはすば歯車を示す正面図である。 さらに他の実施の形態のはすば歯車を示す正面図である。 背景技術におけるはすば歯車の噛み合い時の変形を示す正面図である。 図12中XIII−XIII線矢視断面図である。 背景技術における他のはすば歯車の噛み合い時の変形を示す正面図である。 図14中XV−XV線矢視断面図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
なお、以下に説明する実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本発明にとって必ずしも必須のものではない。また、以下の実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、上記個数などは例示であり、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。
図1は、本実施の形態のはすば歯車が採用された歯車装置を備えるトランスミッションとアクスルとが一体に形成されている、トランスアクスルの構成を示す断面図である。図1に示すトランスミッションは、前輪駆動のハイブリッド車両に用いられるトランスミッションである。
図1に示すように、トランスアクスルは、回転電機100,200と、動力分配用のプラネタリギヤ300と、ディファレンシャル機構400とを備える。回転電機100,200、プラネタリギヤ300、およびディファレンシャル機構400は、ハウジング内に設けられている。
回転電機100は、ハウジングに対して回転可能に設けられた、第1軸としての回転シャフト10を含む。回転電機200は、ハウジングに対して回転可能に設けられた、第2軸としての回転シャフト20を含む。回転電機100,200は、電磁鋼板を積層して形成されたステータコアと、ステータコアに巻回されたステータコイルとを有する。ステータコイルの端子が外部電源からの給電ケーブルと接続されて、外部電源とステータコイルとが電気的に接続される。
プラネタリギヤ300は、回転シャフト20に接続されている。プラネタリギヤ300は、回転シャフト20を経由して伝達されるエンジン動力を、回転シャフト10と、第3軸としての回転シャフト30とに、分割して伝達する。
ディファレンシャル機構400は、ファイナルドリブンギヤ91を含む。ファイナルドリブンギヤ91は、ファイナルドライブギヤ81を介在させて、回転シャフト30に連結されている。回転シャフト30から動力伝達を受けたディファレンシャル部90は、車両旋回時の左右車輪の回転速度を変えながら、両輪に均等な駆動力を伝達する。
このようにして、図1に示すトランスアクスルは、モータおよびエンジンのクランクシャフトから入力される回転駆動力を駆動輪へ伝達して出力する、動力伝達装置として機能する。
このトランスアクスルでは、小型化、軽量化および低コスト化を達成するために、モータ動力とエンジン動力とを出力するトランスミッションに、一つの歯車が2箇所の噛合いをもつ3軸構造の歯車装置が採用されている。
回転シャフト10には、第1歯車11が設けられている。回転シャフト20には、第2歯車21が設けられている。回転シャフト30には、第3歯車31が設けられている。第1歯車11、第2歯車21、および第3歯車31には、それぞれはすば歯車が用いられている。
図2を参照して、3軸構成の歯車装置の噛合い状態を示す。図2に示すように、第1歯車11と第2歯車21とは、噛合い点41において噛合っている。第2歯車21と第3歯車31とは、噛合い点42において噛合っている。動力伝達装置は、第1歯車11、第2歯車21および第3歯車31を含む歯車装置を備える。噛合い点41は、第1歯車11と第2歯車21との噛合い位置である。噛合い点42は、第2歯車21と第3歯車31との噛合い位置である。
ここで、図3から図5を参照して、第2歯車としてのはすば歯車21の詳細構造について説明する。なお、図3は、本実施の形態のはすば歯車21を示す正面図、図4は、本実施の形態のはすば歯車21の部分拡大平面図、図5は、図3中V−V線矢視に対応するはすば歯車21の噛み合い時の変形を示す断面図である。また、第1歯車11および第3歯車31の採用されるはすば歯車にも、本実施の形態と同様のはすば歯車が採用されると良い。
このはすば歯車21は、回転シャフト20に装着されるハブ部22aと、ハブ部22aから回転シャフト20の半径方向外側に向かって延びるディスク部22bと、ディスク部22bの外側に設けられたリム部22cとを備える。リム部22cは、その外周面に複数の歯22dを含んでいる。
ディスク部22bは、ハブ部22aの周りに沿って設けられる貫通孔H11を規定する開口周壁24を含む。本実施の形態では、開口周壁24は、120°ピッチで3箇所に設けられている。
本実施の形態における開口周壁24は、ハブ部22a側に位置する内周側面24aと、内周側面24aよりもリム部22c側に位置する外周側面24bと、内周側面24aの一端と外周側面24bの一端とを連結する第1端部側面24cと、内周側面24aの他端と外周側面24bの他端を連結する第2端部側面24dとを含む。
内周側面24aは、回転シャフト20の回転中心(ハブ部22aの中心でもある)C1を中心とする半径(D1)を有する円弧の一部からなる。また、第1端部側面24cおよび第2端部側面24dは、回転中心C2を中心とする半径(D2)を有する半円からなる。
外周側面24bは、リム部22cのハブ部22a側から外周側面24bまでの回転軸の半径方向の距離において、はすば歯車21の回転方向(R1)の最も先端側(図中A1で囲まれる領域において、ライン(1)に最も近い位置側)に位置する距離(W2)が、後端側の連結部(P1)の距離(W1)よりも大きく設けられている第1側面領域24b1を有する。第1側面領域24b1は、リム部22c側の向けて凸となる湾曲形状を有している。
本実施の形態おける外周側面24bは、第1側面領域24b1よりもはすば歯車21の回転方向(R1)の後端側に位置する第2側面領域24b2を有している。この第2側面領域24b2は、第1側面領域24b1と連結部P1により連続して設けられ、第1側面領域24b1と第2側面領域24b2とは連結部(P1)を挟んで左右対称に設けられている。したがって、開口周壁24により規定される貫通孔H11は、回転中心C1と連結部(P1)とを結ぶ仮想直線(L1)に対して、左右対称の形態となる。
ここで、図6および図7を参照て、背景技術におけるはすば歯車21Yの形状について説明する。なお、図6は、背景技術におけるはすば歯車21Yを示す正面図、図7は、図6中VII−VII線矢視に対応するはすば歯車21Yの噛み合い時の変形を示す断面図である。
図3に示す本実施の形態おけるはすば歯車21と、背景技術におけるはすば歯車21Yとの基本的形状は同じであり、ディスク部22bに設けられる貫通孔H21を規定する開口周壁25の形状が異なっている。
はすば歯車21Yにおいて開口周壁25は、ハブ部22a側に位置する内周側面25aと、内周側面25aよりもリム部22c側に位置する外周側面25bと、内周側面25aの一端と外周側面25bの一端とを連結する第1端部側面25cと、内周側面25aの他端と外周側面245の他端を連結する第2端部側面25dとを含む。
内周側面25aは、回転シャフト20の回転中心C1を中心とする半径(D11)を有する円弧の一部からなる。外周側面25bは、回転シャフト20の回転中心C1を中心とする半径(D12:D12>D11)を有する円弧の一部からなる。また、第1端部側面25cおよび第2端部側面25dは、上記回転中心C2を中心とする半径(D2)を有する半円からなる。
外周側面25bは、連結部(P1)を挟んで左右対称に設けられている。したがって、開口周壁25により規定される貫通孔H21は、回転中心C1と連結部(P1)とを結ぶ仮想直線(L1)に対して、左右対称の形態となる。
外周側面25bは、回転シャフト20の回転中心C1を中心とする半径(D12)を有する円弧の一部からなることから、回転軸の半径方向の距離において、はすば歯車21Yの回転方向(R1)の最も先端側(図中A1で囲まれる領域において、ライン(1)に最も近い位置側)の位置の距離(W2)が、最も大きくなるように設けられている。
上述した図3に示す構成を有する本実施の形態のはすば歯車21、図6に示す背景技術におけるはすば歯車21Yとの噛み合い時の変形を、図5および図7を用いて比較すると、図6に示すはすば歯車21Yの倒れ角度(α2)よりも、図3に示す、本実施の形態におけるはすば歯車21の倒れ角度(α1)より小さくすることができる。
一方、図13に示す、ディスク部22bに貫通孔を設けていないはすば歯車21Zの倒れ角度(α3)よりも、本実施の形態におけるはすば歯車21の倒れ角度(α1)の方が大きい。つまり、はすば歯車21Yの倒れ角度(α2)>はすば歯車21の倒れ角度(α1)>はすば歯車21Zの倒れ角度(α3)の関係となる。
また、本実施の形態のはすば歯車21における貫通孔位相と応力との関係を図8に示し、背景技術におけるはすば歯車21Yにおける貫通孔位相と応力との関係を図9に示す。各図中の(1)は、図3および図6の中に示す、貫通孔の位置において、はすば歯車21の回転方向(R1)の最も先端側の位置を示す。また、図8および図9において、歯幅端部LHは、回転方向から見て左側(図においては奥側)の歯の位置を意味し、歯幅中央は、回転方向から見て中央の歯の位置を意味し、歯幅端部RHは、回転方向から見て右側(図においては手前側)の歯の位置を意味する。
図9に示すように、背景技術におけるはすば歯車21Yの貫通孔位相のおける応力は、はすば歯車21の回転方向(R1)の最も先端側の位置((1)で示す貫通孔の位置)において、700Mpaを超える応力が発生していた。
これは、貫通孔とディスク部との間で剛性の差が大きく生じる部分でギヤが噛み合った場合に、大きな変形がはすば歯車に生じる。その結果、噛み合っている歯が剛性の大きい部分に押し付けられるように変形をする。そのため、噛み合っている歯元が引っ張られ歯元の応力が高くなる。これにより、ディスク部に貫通孔を設けた歯車では、歯元強度が極端に不利になり、大きな応力が発生すると考えられる。
一方、本実施の形態におけるはすば歯車21の貫通孔位相のおける応力は、はすば歯車21の回転方向(R1)の最も先端側の位置((1)で示す貫通孔の位置)において、700Mpaを超えない応力にまで、応力を低下させることが可能となっている。
これは、貫通孔を回転方向に沿って見た場合に、第1側面領域24b1の曲率を回転中心C2から変化させて、リム部22cのハブ部22a側から外周側面24bまでの回転軸の半径方向の距離において、第1側面領域24b1のはすば歯車21の回転方向(R1)の最も先端側の位置の距離(W2)が、最も大きくなるように設けられている。
これにより、貫通孔H11を回転方向に沿って見た場合に、徐々にディスク部22bの厚さが薄くなるため、ディスク部22bの剛性差が、貫通孔H11の端部から中央部(連結部(P1))にかけて穏やかに変化させることができる。その結果、歯が剛性の高い部分に押し付けられるような変形を緩和することが可能となり、歯元応力の上昇を抑制することが可能となったからである。
このようにして、本実施の形態におけるはすば歯車では、振動および騒音の抑制を図るとともに、ディスク部に設けられる貫通孔の回転方向の先端側に生じる応力を低下させることが可能となる。その結果、このはすば歯車が採用された歯車装置、およびこの歯車装置を備えるトランスアクスルの性能の向上を図ることが可能となる。
なお、本実施の形態においては、外周側面24bの形状として、連結部P1を挟んで左右対称に設けている。これは、はすば歯車の回転方向が逆回転になった場合であっても、同様の作用効果を得るためである。また、外周側面24bとして、第1側面領域24b1と第2側面領域24b2とを連結部P1において直接連結する場合について説明しているが、第1側面領域24b1と第2側面領域24b2との間に、回転中心C1を中心とする円弧の一部を介在させてもかまわない。
(他の実施の形態)
また、他の実施の形態として、図10に示すような貫通孔H12を規定する開口周壁25Aを有するはすば歯車21Aを採用することも可能である。なお、このはすば歯車21Aと図3に示すはすば歯車21との相違は、開口周壁の形状の相違にあるため、同一または相当部分は同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない。
開口周壁25Aは、120°ピッチで3箇所に設けられている。開口周壁25Aは、はすば歯車21Aの回転方向の先端側に位置する第1開口周壁25Rと、はすば歯車21Aの回転方向の後端側に位置する第2開口周壁25Lとを含む。第1開口周壁25Rと第2開口周壁25Lとは、連結部(P1)において連結されている。
第1開口周壁25Rは、ハブ部22a側に位置する第1内周側面25a1と、第1内周側面25a1よりもリム部22c側に位置する第1外周側面25b1と、第1内周側面25a1の一端と第1外周側面25b1の一端とを連結する第1端部側面25c1とを含む。
第2開口周壁25Lは、ハブ部22a側に位置する第2内周側面25a2と、第2内周側面25a2よりもリム部22c側に位置する第2外周側面25b2と、第2内周側面25a2の一端と第2外周側面25b2の一端とを連結する第2端部側面25c2とを含む。
第2内周側面25a2は、回転シャフト20の回転中心C1を中心とする半径(D11)を有する円弧の一部からなる。また、第2外周側面25b2は、回転シャフト20の回転中心C1を中心とする半径(D21:D21>D11)を有する円弧の一部からなる。
第1端部側面25c1および第2端部側面25c2は、回転中心C2を中心とする半径(D2)を有する半円からなる。
第1外周側面25b1は、リム部22cのハブ部22a側から第1外周側面25b1までの回転軸の半径方向の距離において、はすば歯車21の回転方向(R1)の最も先端側(図中A1で囲まれる領域において、ライン(1)に最も近い位置側)に位置する距離(W2)が、後端側の連結部(P1)の距離(W1)よりも大きく設けられている。第1外周側面25b1は、直線状である。
第1内周側面25a1は、略第1外周側面25b1に対して平行に設けられ、第1内周側面25a1も直線状である。
このはすば歯車21Aは、回転方向がR1の場合には、第1開口周壁25Rの領域は、上記はすば歯車21と同じ条件となるため、同様の作用効果を得ることができる。
なお、図3に示すはすば歯車21および図10に示すはすば歯車21Aはいずれも、開口周壁が、120°ピッチで3箇所に設けられているが、数量はこれに限定されるものではない。たとえば、図11に示すように、図10に示すはすば歯車21Aを変形し、開口周壁25Aが、90°ピッチで4箇所に設けらるはすば歯車21Bを採用することも可能である。はすば歯車21の開口周壁24を90°ピッチで4箇所に設けることも可能である。また、必要に応じて、等間隔ピッチで複数箇所に開口周壁を設けることが可能である。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、車両のトランスミッションやトランスファなどの歯車装置に、特に有利に適用され得る。
10,20,30 回転シャフト、11 第1歯車(はすば歯車)、21 第2歯車(はすば歯車)、22a ハブ部、22b ディスク部、22c リム部、22d 歯、24 開口周壁、24a 内周側面、24b 外周側面、24b1 第1側面領域、24b2 第2側面領域、24c 第1端部側面、24d 第2端部側面、21A,21B はすば歯車、25A 開口周壁、25L 第2開口周壁、25R 第1開口周壁、25a1 第1内周側面、25a2 第2内周側面、25b1 第1外周側面、25b2 第2外周側面、25c1 第1端部側面、25c2 第2端部側面、31 第3歯車(はすば歯車)、41,42 噛合い点、81 ファイナルドライブギヤ、90 ディファレンシャル部、91 ファイナルドリブンギヤ、100,200 回転電機、300 プラネタリギヤ、400 ディファレンシャル機構、C1 回転中心、H11、H12 貫通孔、P1 連結部。

Claims (5)

  1. 回転軸に装着されるハブ部(22a)と、前記ハブ部(22a)から前記回転軸の半径方向外側に向かって延びるディスク部(22b)と、前記ディスク部(22b)の外側に設けられたリム部(22c)とを備える、はすば歯車(21)であって、
    前記リム部(22c)は、その外周面に複数の歯(22d)を含み、
    前記ディスク部(22b)は、前記ハブ部(22a)の周りに沿って設けられる貫通孔(H11)を規定する複数の開口周壁(24)を含み、
    前記開口周壁(24)は、
    前記ハブ部(22a)側に位置する内周側面(24a)と、
    前記内周側面(24a)よりも前記リム部(22c)側に位置する外周側面(24b)と、
    前記内周側面(24a)の一端と前記外周側面(24b)の一端を連結する第1端部側面(24c)と、
    前記内周側面(24a)の他端と前記外周側面(24b)の他端を連結する第2端部側面(24d)と、を含み、
    前記外周側面(24b)は、第1側面領域(24b1)と、前記第1側面領域(24b1)よりも当該はすば歯車(21)の前記回転方向(R1)の後端側に位置する第2側面領域(24b2)とを有し、
    前記第1側面領域(24b1)は、前記リム部(22c)の前記ハブ部(22a)側から前記外周側面(24b)までの前記回転軸の前記半径方向の距離において、当該はすば歯車(21)の回転方向(R1)の最も先端側の位置における距離(W2)が、最も大きく設けられている、はすば歯車。
  2. 前記第1側面領域(24b1)と前記第2側面領域(24b2)とは連結部(P1)により連続して設けられ、
    前記第1側面領域(24b1)と前記第2側面領域(24b2)とは前記連結部(P1)を挟んで左右対称に設けられている、請求項1に記載のはすば歯車。
  3. 前記第1側面領域(24b1)は、湾曲形状に設けられている、請求項1または2に記載のはすば歯車。
  4. 前記第1側面領域(24b1)は、直線形状に設けられている、請求項1または2に記載のはすば歯車。
  5. 請求項1に記載のはすば歯車を備える、動力伝達装置。
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