JP2012097001A - 皮膚外用剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の皮膚外用剤は、グラブリジンが封入されたリポソームを含有する。リポソームを構成するリン脂質をスフィンゴミエリンとすることによって、グラブリジンによる美白効果を向上させ、且つグラブリジンによる細胞毒性を抑制することができる。このリポソームを皮膚外用剤に配合することにより、美白効果に優れ、且つ安全性の高い皮膚外用剤を得ることができる。
【選択図】図1
Description
このように、本発明の皮膚外用剤は、グラブリジンをスフィンゴミエリンリポソーム中に封入することによって、グラブリジンによる細胞毒性が顕著に抑制されるという優れた効果を有している。
このように、本発明の皮膚外用剤は、グラブリジンをスフィンゴミエリンリポソーム中に封入することによって、グラブリジンによる美白効果が顕著に向上するという優れた効果を有している。
なお、リポソームの粒径は、一般的な方法によって測定することができる。例えば、粒度分布測定器Nicomp380ZLS(Particle Sizing Systems Co.、光散乱光度計)を用いることができる。
また、水和法では、スフィンゴミエリンおよびグラブリジンを適当な有機溶媒に溶解させ、減圧下にてこれら溶媒を留去して、脂質膜を形成する。その後、この脂質膜に水を添加して水和させ、超音波処理等を行うことにより、グラブリジンを含有するリポソーム分散液を調整することができる。
スフィンゴミエリンには細胞の働きを活性化する作用があることが分かっており、この働きにより細胞毒性が抑制されるものと推察される。
グラブリジンを含有するスフィンゴミエリンリポソーム(SPMLG)を以下のように調製した。まず、スフィンゴミエリン(商品名「スフィンゴミエリンナチューレ(商標)」、株式会社シャローム)及びグラブリジン(商品名「Glabridin−90」、上海奥利実業有限公司)をエタノールに添加し、65℃で加熱溶解した。この溶液に、パラベンを溶解した注射用水を加えて、ホモミキサーを用いて、65℃、回転数8,500rpmで、15分間処理し、乳化した。次に、pH7付近になるように水酸化ナトリウムを添加した。その後、全量が100質量%になるように注射用水を加えて、リポソーム粗分散液を得た。このリポソーム粗分散液を、2枚重ねした孔径0.2μmのメンブランフィルターを用いて、65℃、0.8〜1.0Mpaの高圧下で濾過した。この濾過工程を3回行い、濾液としてグラブリジン含有スフィンゴミエリンリポソーム(SPMLG)分散液を得た。なお、SPMLG分散液の組成は次の通りである。
(SPMLG分散液の組成)
スフィンゴミエリン 1.0質量%
グラブリジン 0.05質量%
エタノール 5.0質量%
パラベン 0.15質量%
水酸化ナトリウム 適量
注射用水 残部
必要量のグラブリジンを秤取し、リポソームの分散媒(エタノール及びパラベン)を含むリン酸緩衝生理食塩水(PBS、pH7.4)に懸濁して、グラブリジン懸濁液(GS懸濁液)を調整した。なお、GS懸濁液の組成は次の通りである。
(GS懸濁液組成)
グラブリジン 0.05質量%
エタノール 5.0質量%
パラベン 0.15質量%
PBS 残部
必要量のスフィンゴミエリンおよびグラブリジンを秤取し,リポソームの分散媒を含むPBS(pH7.4)に懸濁して、スフィンゴミエリンおよびグラブリジンをリポソーム化せずに含有するスフィンゴミエリンとグラブリジンとの懸濁液(G−SPM懸濁液)を調整した。なお、G−SPM懸濁液の組成は次の通りである。
(G−SPM懸濁液の組成)
スフィンゴミエリン 1.0質量%
グラブリジン 0.05質量%
エタノール 5.0質量%
パラベン 0.15質量%
PBS 残部
グラブリジンを含有する水添レシチンリポソームを次のような方法によって調製した。まず、水添レシチン(SLP−PC92H、辻製油株式会社)及びグラブリジンをエタノールに添加し、65℃で加熱溶解した。この溶液に、パラベンを溶解した注射用水を加えて、ホモミキサーを用いて、65℃、8,500rpmで15分間処理し、乳化した。次に、pH7付近になるように水酸化ナトリウムを添加した。その後、全量が100質量%になるように注射用水を加えて、リポソーム粗分散液を得た。このリポソーム粗分散液を、2枚重ねした孔径0.2μmのメンブランフィルターを用いて、65℃、0.8〜1.0Mpaの高圧下で濾過した。この濾過工程を3回行い、濾液としてグラブリジン含有水添レシチンリポソーム(hSPCLG)分散液を得た。なお、hSPCLG分散液の組成は次の通りである。
(hSPCLG分散液の組成)
水添レシチン 1.0質量%
グラブリジン 0.05質量%
エタノール 5.0質量%
パラベン 0.15質量%
水酸化ナトリウム 適量
注射用水 残部
上記調製方法にて得られたグラブリジン含有スフィンゴミエリンリポソーム等の美白効果及び細胞毒性を評価するため、メラノサイト含有ヒト3次元培養表皮モデル(商品名「LabCyte MELANO MODEL」,J−TEC社)を、添付のプロトコールに従い、以下のように培養した。なお、「LabCyte MELANO MODEL」には、改良メラニン産生促進培地、ヒト培養表皮の入った培養カップ、及び12ウェルアッセイプレート等が付属されている。
まず、グラブリジンをスフィンゴミエリンリポソームに封入することによるメラニン産生率への影響を評価した。
具体的には、ヒト培養表皮を2週間培養した後、各培養カップ内の評価用製剤を除去し、PBSで1回洗浄した。次に、各ウェルのヒト培養表皮をマイクロチューブに入れ、溶液A(1%SDS、0.05mMのEDTA、10mM Tris−HCl)を150μL添加した。さらに5mg/mLのProteinase K溶液を3μL加え、よく混合し、45℃のウォーターバスで一晩温めて、皮膚を溶解させた。その後、500mM炭酸ナトリウム溶液を25μL、30%過酸化水素水を5μL添加し、よく混合した後、80℃のウォーターバスで30分間温めた。続いて、室温で放置して冷ました後、クロロホルム:メタノール(2:1)溶液を20μL加え混合し、15,000rpmで10分間遠心して不純物を取り除いた。遠心分離後の上清について405nmの吸光度を測定した。
メラニン量を算出するため、既知の各濃度のメラニン溶液を調整し、同様の操作により検量線を作成した。この検量線に基づいてメラニン量を算出し、対照のメラニン量を基準(100%)としてメラニン産生率を求めた。
次に、MTT試験を行うことにより、グラブリジンをスフィンゴミエリンリポソームに封入することによる細胞毒性への影響について評価した。
評価用製剤の添加後、上記と同様に2週間培養した。その後、各培養カップ内の評価物質分散液を除去しPBSで3回洗浄した。次に、培養カップ外側の改良メラニン生産促進培地を除去し、各ウェルの培養カップの外側に温めたMTT培地を1mLずつ分注し、CO2インキュベーター内で3時間静置した。なお、MTT培地は、終濃度0.5mg/mLになるようにMTT試薬(J−TEC社)をDMEM培地に溶解することによって調整した。その後、各ヒト培養表皮片をマイクロチューブに入れ、さらに200μLのイソプロパノールを添加した。このマイクロチューブを室温、暗所にて時々振とうしながら2時間静置することにより色素を抽出した。抽出終了後、色素抽出液について570nmの吸光度を測定し、対象の吸光度からブランクの吸光度を引いた値を100%として評価物質の生細胞率を計算した。なお、ブランクの吸光度はイソプロパノールを用いて測定した。
スフィンゴミエリンをリポソーム化せずに、スフィンゴミエリンとグラブリジンとを懸濁することによって得られたG−SPM懸濁液を用いた場合に、上記のような効果が認められるかどうかを検討するため、G−SPM懸濁液を含有する評価用製剤を用いてメラニン産生率の評価およびMTT試験を行った。
メラニン産生率の評価およびMTT試験は、上記のSPMLG添加によるメラニン産生率の評価およびMTT試験に記載の方法に従った。
その結果、0.0005%のグラブリジンを含有するG−SPM1を添加した場合、メラニン産生率は、図3に示すように対照と同程度であり、有意な美白効果は認められなかった。また、細胞毒性については、図4に示すようにG−SPM1を添加した場合の生細胞率は対照と同程度であった。
次に、スフィンゴミエリン以外の他のリン脂質からなるリポソームを用いた場合に上記の美白効果および細胞毒性抑制効果が認められるかどうかを検討するため、グラブリジン含有水添レシチンリポソーム(hSPCLG)を含む評価用製剤を用いてメラニン産生率の評価およびMTT試験を行った。
メラニン産生率の評価およびMTT試験は、上記のSPMLG添加によるメラニン産生率の評価およびMTT試験に記載の方法に従った。
その結果、グラブリジン含有水添レシチンリポソームとして0.0005%のグラブリジンを含有するhSPCLG1を添加した場合、図3に示すように、メラニン産生率が対照に比べて有意に低下することが分かった(多重検定、p<0.01)。なお、SPMLG1を添加したほうが、hSPCLG1よりもメラニン産生率が低下しており、SPMLG1による美白効果の方が高いことが明らかとなった。
一方、細胞毒性については、図4に示すようにhSPCLG1を添加した場合には生細胞率が低下しており、細胞毒性を示すことが分かった。
Claims (4)
- グラブリジンが封入されたリポソームを含み、該リポソームの構成成分であるリン脂質がスフィンゴミエリンであることを特徴とする皮膚外用剤。
- グラブリジンの含有量が、皮膚外用剤全体質量に対して0.0001質量%〜1質量%である請求項1に記載の皮膚外用剤。
- 上記リポソームの平均粒径が、50nm〜1000nmである請求項1または2に記載の皮膚外用剤。
- 美白用の化粧料であることを特徴とする、請求項1乃至3の何れか1項に記載の皮膚外用剤。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010243195A JP2012097001A (ja) | 2010-10-29 | 2010-10-29 | 皮膚外用剤 |
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JP2010243195A JP2012097001A (ja) | 2010-10-29 | 2010-10-29 | 皮膚外用剤 |
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JP2010243195A Pending JP2012097001A (ja) | 2010-10-29 | 2010-10-29 | 皮膚外用剤 |
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Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1997030696A1 (fr) * | 1996-02-26 | 1997-08-28 | Daiichi Pharmaceutical Co., Ltd. | Liposome et dispersion de liposome |
WO2007145276A1 (ja) * | 2006-06-14 | 2007-12-21 | Shalom Co., Ltd. | 化粧料及びその製造方法 |
JP2009221152A (ja) * | 2008-03-17 | 2009-10-01 | Doctor Program Kk | 皮膚外用剤 |
JP2009234945A (ja) * | 2008-03-26 | 2009-10-15 | Shalom:Kk | h−EGF含有スフィンゴミエリンリポソームおよびこれを配合した化粧料及び医薬品 |
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2010
- 2010-10-29 JP JP2010243195A patent/JP2012097001A/ja active Pending
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