JP2012092297A - 接着剤樹脂組成物、その硬化物、及び接着剤フィルム - Google Patents

接着剤樹脂組成物、その硬化物、及び接着剤フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】硬化物が優れた熱伝導性を有すると共に、接着力や絶縁性の低下が生じにくい接着剤樹脂組成物を提供する。
【解決手段】接着剤樹脂組成物は、エポキシ当量が150〜220のエポキシ樹脂をエポキシ樹脂全量に対し50重量%以上含有するエポキシ樹脂、イミダゾール化合物からなる硬化剤、フェノキシ樹脂及びアルミナ粉末を含有し、硬化物中のアンモニウムイオンが50重量ppm以下である。アルミナ粉末は最大粒子径が120μm以下であり、全アルミナ粉末中の結晶性球状アルミナの割合が90重量%以上である。結晶性球状アルミナは、i)平均粒子径D50が35〜50μm、[体積平均粒子径]/[個数平均粒子径]が1.2〜2.0のものが30〜50重量%、ii)平均粒子径D50が5〜15μm、[体積平均粒子径]/[個数平均粒子径]が2.0〜3.5のものが30〜50重量%、iii)平均粒子径D50が0.1〜2μmのものが10〜30重量%である。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば、回路基板や電子部品において絶縁性の接着剤層を形成するために用いられる接着剤樹脂組成物、その硬化物、及び接着剤フィルムに関する。
エポキシ樹脂は、接着性、機械強度及び電気絶縁性に優れているとともに、樹脂、硬化剤、変性剤等の組合せにより、様々な用途に適合した機能を持たせることができる。そのため、エポキシ樹脂は、例えば、回路基板材料、電子部品用の接着剤、封止剤等として多用されている。近年では、電気・電子機器の高性能化、高密度化が進展しており、それに伴い、回路基板に搭載される電子部品からの発熱への対策が求められている。そこで、回路基板の放熱性を高めるための技術として、回路基板用のエポキシ樹脂組成物に、粒子径分布を制御した高熱伝導性の無機フィラーを充填する提案がなされている(例えば特許文献1、2)。
ところで、電気・電子材料分野向けのエポキシ樹脂組成物には、予め組成物中に分散させておき、加熱溶解させることにより硬化を開始させる潜在性硬化剤が一般的に用いられている。このような潜在性硬化剤として、ジシアンジアミドが汎用されている。ジシアンジアミドは、ポットライフが長く、優れた潜在性を有しているが、一方で、硬化温度が高く、加熱時の硬化速度も遅いため、通常、硬化促進剤が併用される。硬化促進剤としては、一般的にアミン類、イミダゾール化合物等が使用されている(例えば、特許文献2参照)。
また、エポキシ樹脂の硬化剤としてイミダゾール化合物を使用する提案もなされている。例えば、特許文献3では、エポキシ当量の異なるエポキシ樹脂を2種以上使用し、見掛けのエポキシ当量が250以上1500以下であり、かつ最も大きなエポキシ当量を有するエポキシ樹脂のエポキシ当量が2000以上5000以下であるエポキシ樹脂混合物とイミダゾール化合物とを含有する接着剤組成物が開示されている。しかし、この特許文献3の接着剤組成物は、使用しているエポキシ樹脂のエポキシ当量が大きいため、硬化物のガラス転移温度(Tg)が低い。また、比較例として、見掛けのエポキシ当量が250以下であるエポキシ樹脂混合物とイミダゾール化合物とを組み合わせた組成物が開示されているが、離型性、柔軟性、硬化物の耐熱性(加熱後の耐電圧性)が不良になることが記載されている。
特開2001−348488号公報 特開2007−246861号公報 特許第3594363号公報
上記のとおり、ジシアンジアミドは、エポキシ樹脂組成物において潜在性硬化剤として多用されている。ところが、ジシアンジアミドを含有するエポキシ樹脂組成物を使用し、配線などの金属層に接する絶縁性の接着剤層を形成した回路基板や電子部品において、接着剤層の接着力が低下したり、絶縁性が低下して絶縁不良を引き起こしたりする場合があり、その対策が求められていた。
本発明は、硬化物が優れた熱伝導性を有すると共に、接着力や絶縁性の低下が生じにくい接着剤樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、ジシアンジアミドを硬化剤として用いたエポキシ樹脂の接着剤層中で、ジシアンジアミド由来のアンモニウムイオンがマイグレーション関与因子となり、回路基板等の絶縁特性に悪影響を与えているとの知見を得た。そして、接着剤樹脂組成物中の硬化剤をイミダゾール類から選択し、硬化物中のアンモニウムイオンの量を一定量以下まで抑制することによって、上記問題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の接着剤樹脂組成物は、下記の成分(A)及び(B)を含有する接着剤樹脂組成物であって、接着剤樹脂組成物を硬化させた硬化物中のアンモニウムイオンが50重量ppm以下である接着剤樹脂組成物である。
(A):下記の成分(イ)〜(ハ)を含有するエポキシ系接着樹脂原料。
(イ)エポキシ樹脂、
(ロ)イミダゾール化合物からなる硬化剤、及び
(ハ)フェノキシ樹脂
[但し、前記(イ)成分は、エポキシ当量が150〜220の範囲内にあるエポキシ樹脂をエポキシ樹脂の全量に対して50重量%以上含有するものであり、エポキシ系接着樹脂原料における(ロ)成分の含有量は、エポキシ系接着樹脂原料中の固形分100重量部に対し2〜10重量部の範囲内である。]
(B):下記の条件a)〜c)を満足するアルミナ粉末。
a)最大粒子径が120μm以下であり、
b)全アルミナ粉末中の結晶性の球状アルミナの割合が90重量%以上であり、かつ、
c)前記結晶性の球状アルミナ粒子径分布が、以下のi)〜iii)
の条件を満たすものである。
i)平均粒子径D50が35〜50μmであり、かつ[体積平均粒子径]/[個数平均粒子径]が1.2〜2.0の範囲内のものが結晶性の球状アルミナ中に30〜50重量%の範囲内で存在すること、
ii)平均粒子径D50が5〜15μmであり、かつ[体積平均粒子径]/[個数平均粒子径]が2.0〜3.5の範囲内のものが結晶性の球状アルミナ中に30〜50重量%の範囲内で存在すること、及び、
iii)平均粒子径D50が0.1〜2μmの範囲内のものが結晶性の球状アルミナ中に10〜30重量%の範囲内で存在すること。
本発明の接着剤樹脂組成物は、前記イミダゾール化合物が、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾールであってもよい。
本発明の接着剤樹脂組成物は、前記(B)成分の含有量が、接着剤樹脂組成物の固形分100重量部に対して86〜95重量部の範囲内であってもよい。
本発明の硬化物は、上記接着剤樹脂組成物を硬化させてなるものである。
本発明の接着剤フィルムは、上記接着剤樹脂組成物を半硬化状態でフィルム状に成形してなるものである。
本発明の接着剤樹脂組成物は、長期に亘って接着力および絶縁性が低下しにくく、耐電圧特性を維持することが可能な接着剤層を形成できる。また、本発明の接着剤樹脂組成物を硬化させた硬化物は、優れた熱伝導性を有するものとなり、Bステージ成形品は柔軟性・可とう性が改善されており、表面割れを防止できる。従って、本発明の接着剤樹脂組成物は、例えば回路基板、電子部品等における絶縁性の接着剤層に好ましく適用できる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明の接着剤樹脂組成物は、上記の(A)成分のエポキシ系接着樹脂原料と、(B)成分のアルミナ粉末とを含有する。(A)成分は、(イ)エポキシ樹脂、(ロ)硬化剤、及び(ハ)フェノキシ樹脂を含有するとともに、接着剤樹脂組成物を硬化させた硬化物中のアンモニウムイオンが50重量ppm以下である。
[(イ)成分のエポキシ樹脂]
本発明における(イ)成分のエポキシ樹脂は、接着剤樹脂組成物から絶縁性の接着剤層や接着剤フィルムを作製した場合に、十分な絶縁性、密着性、耐熱性、機械的強度、加工性等を付与する。この(イ)成分のエポキシ樹脂としては、特に制限なく使用できるが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂等の分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂を例示することができる。これらのエポキシ樹脂は1種又は2種以上を用いることができる。また、エポキシ樹脂の純度については、耐電圧特性、耐湿信頼性向上の観点からイオン性不純物や加水分解性塩素が少ないものであることが好ましい。更に、Bステージ状態の接着剤フィルムとした場合の割れを防止するという観点から、(イ)成分のエポキシ樹脂100重量部に対して、液状のエポキシ樹脂を好ましくは30重量部以上、より好ましくは50重量部以上配合することがよい。ここで、「液状」とは、25℃で流動性を有する液体であることを意味し、具体的には、粘度20000Pa・s以下の液体を意味する。(イ)成分のエポキシ樹脂として、液状のエポキシ樹脂を配合することにより、Bステージ状態の接着剤フィルムの軟化点を低下させ、表面の割れを抑制することができる。
また、(イ)成分は、エポキシ当量が150〜220の範囲内、好ましくは150〜200の範囲内にあるエポキシ樹脂を、エポキシ樹脂の全量に対して50重量%以上、好ましくは60重量%以上含有する。このエポキシ当量が150〜220の範囲内にあるエポキシ樹脂は、2種以上のエポキシ樹脂の組み合わせであってもよい。(イ)成分を構成する全エポキシ樹脂中の50重量%以上を占めるエポキシ樹脂のエポキシ当量が150を下回ると、エポキシ樹脂の結晶性が高くなり、溶剤溶解性が低下し、Bステージの接着剤フィルムが作製困難となることやBステージ割れが生じやすくなる。一方、(イ)成分を構成する全エポキシ樹脂中の50重量%以上を占めるエポキシ樹脂のエポキシ当量が220を上回ると、接着剤樹脂組成物の硬化後のガラス転移温度(Tg)が低下する傾向になる。また、エポキシ当量が150〜220の範囲内にあるエポキシ樹脂の含有量がエポキシ樹脂に対し50重量%未満である場合も、上記と同様の問題が生じる。
本発明の接着剤樹脂組成物を硬化させた硬化物のガラス転移温度は、好ましくは100℃以上、より好ましくは100〜170℃の範囲にあることがよい。硬化後の硬化物のガラス転移温度が100℃未満では、回路基板の実使用温度以下となり、金属配線からの金属イオンの発生を抑制する作用(耐マイグレーション性)が低下する傾向になる。なお、硬化物のガラス転移温度の測定は、例えば以下のようにして実施できる。まず、接着剤樹脂組成物をメチルエチルケトン溶剤に溶解して35重量%接着剤溶液とした後、縦×横×厚さ=50×150×1mmのフッ素樹脂シート上に塗布し、135℃で5分間乾燥して溶剤を蒸発させる。その後、接着剤塗布面に同一形状の別のフッ素樹脂シートを重ね、170℃で1時間、真空加熱プレスを行って、試料となる接着剤硬化物フィルムを調製する。このように調製した試料の温度分散tanδ曲線を、動的粘弾性測定装置を用い、周波数10Hz、温度範囲−150〜200℃、昇温速度2℃/分の条件で測定し、得られた温度−tanδ曲線のピーク温度をガラス転移温度(Tg)とすることができる。
(イ)成分のエポキシ樹脂の含有率は、例えば(A)成分のエポキシ系接着樹脂原料の固形分100重量部に対して20〜90重量部の範囲内であることが好ましく、40〜80重量部の範囲内がより好ましい。エポキシ樹脂の含有量が前記固形分100重量部に対して90重量部より多くなると、接着剤樹脂組成物のBステージ状態での作業性の低下や、硬化物が脆くなり、接着力の低下や耐熱性の低下、耐温度サイクル性の低下などが生じることがある。一方、エポキシ樹脂の含有量が前記固形分100重量部に対して20重量部未満であると、接着剤樹脂組成物の硬化が不十分となり、接着力の低下や耐熱性の低下が生じることがある。
[(ロ)成分の硬化剤]
(ロ)成分の硬化剤は、エポキシ樹脂を硬化させる目的で配合されるものであり、接着剤樹脂組成物から絶縁性の接着剤層や接着剤フィルムを作製した場合に、十分な絶縁性、密着性、耐熱性、機械的強度等を付与する。本発明では、硬化剤は、イミダゾール化合物のみから構成される。イミダゾール化合物は、例えば硬化時の熱処理において加熱されてもアンモニウムイオンを遊離させることがないため、硬化剤としてイミダゾール化合物のみを用いることによって、接着剤樹脂組成物を硬化させた硬化物中のアンモニウムイオンの量を容易に50重量ppm以下に抑えることができる。イミダゾール化合物としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4―メチル−2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等を挙げることができる。
上記イミダゾール化合物の中でも、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾールを用いることが最も好ましい。一般に、イミダゾール化合物をエポキシ樹脂の硬化剤として使用する場合、イミダゾール化合物の活性が高いために硬化反応が進行しやすく、硬化反応のコントロールが難しい側面がある。2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾールは、分子内に反応性の高いヒドロキシル基を2つ有しているが、反面、嵩高い官能基で反応性を抑える作用を有するフェニル基も有しているため、硬化剤としての活性を適度に抑えることが可能であり、硬化反応を適度にコントロールしやすい。また、硬化剤として2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾールを使用することによって、例えば接着剤樹脂組成物の塗工時の温度を高めに設定することができる。
イミダゾール化合物は、通常はエポキシ樹脂を主成分とする樹脂組成物において、硬化促進剤として配合されることが多いが、本発明の接着剤樹脂組成物においては、硬化剤としてイミダゾール化合物以外の物質を使用しないため、エポキシ樹脂同士の縮合反応によって接着剤樹脂組成物を硬化させることができる。この場合、エポキシ樹脂の末端(又はエポキシ樹脂同士の縮合反応における架橋点の間)にイミダゾール化合物が結合し、この結合部位が触媒機能を奏することによって、エポキシ樹脂同士の縮合反応を促進するものと考えられる。このような反応特性から、イミダゾール化合物を硬化剤として機能させることができ、付加型の硬化剤成分を配合した反応系と比較すると、硬化剤としての配合量も低く抑えることができる。このようにイミダゾール化合物は、触媒型の硬化剤であるため、例えばジシアンジアミドやフェノールノボラック樹脂等の付加型の硬化剤成分が存在すると、付加型の硬化剤成分とエポキシ樹脂とが優先的に反応し、エポキシ樹脂単独での縮合反応は起こりにくい。
(ロ)成分の硬化剤の含有率は、例えば(A)成分のエポキシ系接着樹脂原料の固形分100重量部に対して2〜10重量部の範囲内であることが好ましく、3〜8重量部の範囲内がより好ましい。硬化剤の含有量が10重量部より多くなると、エポキシ樹脂に由来するハロゲン元素をハロゲンイオンとして誘発する恐れがある。一方、硬化剤の含有量が2重量部未満であると、硬化反応が十分に進行せず、接着力が低下したり、硬化時間が長くなって使用性が低下したりすることがある。
また、(イ)成分のエポキシ樹脂と(ロ)成分の硬化剤の好ましい配合割合は、例えば2〜10phrであることが好ましく、3〜8phrであることがより好ましい。この範囲を外れると、十分な機械的強度を有する樹脂組成物が得られない。
[(ハ)成分のフェノキシ樹脂]
(ハ)成分のフェノキシ樹脂は、接着剤樹脂組成物から絶縁性の接着剤層や接着剤フィルムを作製した際の可とう性を向上させる成分である。フェノキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂、ビスフェノールF型フェノキシ樹脂、ビスフェノールAF型フェノキシ樹脂、ビスフェノールS型フェノキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型フェノキシ樹脂、臭素化ビスフェノールF型フェノキシ樹脂、リン含有フェノキシ樹脂等が挙げられる。使用するフェノキシ樹脂の重量平均分子量は、例えば10,000〜200,000の範囲内が好ましく、20,000〜100,000の範囲内がより好ましい。フェノキシ樹脂の重量平均分子量が10,000より小さい場合には、エポキシ樹脂組成物の耐熱性、機械的強度、可とう性の低下を招くことがある。逆に、フェノキシ樹脂の重量平均分子量が200,000より大きいと有機溶剤への溶解性や、エポキシ樹脂、硬化剤との相溶性の低下を招くことに加えて、ワニスとした場合の粘度、または接着剤フィルムとした場合の溶融粘度が増大して、絶縁性の接着剤層としての加工性や接着性が低下したり、表面状態が悪くなったりする。尚、ここでの重量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)測定によるポリスチレン換算の値である。
(ハ)成分のフェノキシ樹脂の含有量は、例えば(A)成分のエポキシ系接着樹脂原料の固形分100重量部に対して90重量部以下であることが好ましく、15〜70重量部の範囲内がより好ましい。フェノキシ樹脂の含有量が90重量部より多くなると、有機溶剤への溶解性が低下したり、(イ)成分のエポキシ樹脂や(ロ)成分の硬化剤との相溶性の低下を招いたりすることがある。また、ワニスとした場合の粘度や接着剤フィルムとした場合の溶融粘度が増大して、絶縁性の接着剤層としての加工性、接着性が低下したり、表面状態が悪くなったりすることがあり、さらに、耐熱性の低下を招く場合もある。
本発明の接着剤樹脂組成物では、(イ)成分中に、エポキシ当量が150〜220の範囲内にあるエポキシ樹脂をエポキシ樹脂の全量に対して50重量%以上含むため、このエポキシ樹脂に組み合わせて(ハ)成分のフェノキシ樹脂を必須成分として配合することによって、接着剤層や接着剤フィルムを作製した際の可とう性を向上させることが可能であり、さらに、硬化物の耐熱性の低下を補うことができる。
本発明の接着剤樹脂組成物において、上記(イ)〜(ハ)成分の中でも、(イ)成分の主体となるエポキシ当量が150〜220の範囲内にあるエポキシ樹脂として、(イ’)ビスフェノールA型エポキシ樹脂(2官能)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(多官能)又はトリフェニルメタン型エポキシ樹脂(多官能)、及び(ロ)成分の硬化剤として、(ロ’)2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾールを用いる組み合わせが好ましく、さらに、これら(イ’)、(ロ’)とともに、(ハ)成分のフェノキシ樹脂として、(ハ’)ビスフェノールA型フェノキシ樹脂を用いる組み合わせが最も好ましい。かかる(イ’)〜(ハ’)の組み合わせにより、長期に亘って接着力および絶縁性が低下しにくく、耐電圧特性に優れた接着剤層を形成できる。また、接着剤樹脂組成物を硬化させた硬化物において、優れた熱伝導性が得られるとともに、Bステージ成形品においては、柔軟性・可とう性が改善され、表面割れを防止できる。さらに、(B)成分を配合したワニスの状態でも粘度が好ましくは1000〜20000Pa・sの範囲内、より好ましくは2000〜10000Pa・sの範囲内に維持され、アルミナ粉末の沈降を長期間抑制することが可能になる。なお、(イ)成分において、エポキシ当量が150〜220の範囲内にある2官能のエポキシ樹脂と、エポキシ当量が150〜220の範囲内にある多官能のエポキシ樹脂とを併用することが特に好ましい。
[(B)成分のアルミナ粉末]
本発明の接着剤樹脂組成物に配合される(B)成分のアルミナ粉末は、以下のa)〜c)の特徴を有している。
a)アルミナ粉末の最大粒子径は、120μm以下であり、好ましくは100μm以下である。アルミナ粉末の最大粒子径が120μmより大きくなると絶縁性の接着剤層としての加工性が十分ではなく、絶縁層の表面状態が悪くなることがある。ここで、最大粒子径とは、アルミナ粒子の全体積を100%としたとき、粒子径の体積分率の分布カーブにおいて、ある粒子径以上で粒子の分布確率が全て0となるときの粒子径の最小値を示す。アルミナ粉末の最大粒子径の下限値については、高熱伝導化の観点では粒径が大きなアルミナ粉末が有利であることから、例えば55μmとすることが好ましい。
b)全アルミナ粉末中の90重量%以上が結晶性の球状アルミナであり、好ましくは95重量%以上が結晶性の球状アルミナである。アルミナ粉末の種類としては、例えば、結晶性アルミナ、溶融アルミナ等が挙げられ、アルミナ粉末の形状としては、例えば球状、破砕状が挙げられる。本発明の接着剤樹脂組成物では、最密充填による高熱伝導性を図る観点から、結晶性の球状アルミナが最も適している。結晶性のアルミナを使用することにより、溶融アルミナと比較して熱伝導率を高くする効果があり、球状アルミナを使用することにより、破砕アルミナと比較して、ワニスとした場合の粘度、または接着剤フィルムとした場合の溶融粘度を低くする効果がある。そして、全アルミナ粉末中の結晶性の球状アルミナの含有率が90重量%より少ないと、ワニスとした場合の粘度、または接着剤フィルムとした場合の溶融粘度が増大して、絶縁性の接着剤層としての加工性、耐電圧特性、接着性が低下したり、表面状態が悪くなることがある。
c)結晶性の球状アルミナの粒子径分布が、以下のi)〜iii)に示す条件を具備するものである。
i)平均粒子径D50が35〜50μmであり、かつ[体積平均粒子径]/[個数平均粒子径]が1.2〜2.0の範囲内のものが30〜50重量%の範囲内で存在する。
ii)平均粒子径D50が5〜15μmであり、かつ[体積平均粒子径]/[個数平均粒子径]が2.0〜3.5の範囲内のものが30〜50重量%の範囲内で存在する。
iii)平均粒子径D50が0.1〜2μmの範囲内のものが10〜30重量%の範囲内で存在する。
ここで、[体積平均粒子径]/[個数平均粒子径]は、粒子径分布を表す指標として用いられるものであって、一般に[体積平均粒子径]/[個数平均粒子径]≧1であり、この値が小さいほど粒子径分布がシャープであり、この値が大きいほど粒子径分布がブロードであることを表す。結晶性の球状アルミナの粒子径分布が上記範囲から外れると高熱伝導化が十分ではなく、十分な放熱性が発現しないことに加えて、ワニスとした場合の粘度、または接着剤フィルムとした場合の溶融粘度が増大して、絶縁性の接着剤層としての加工性、耐電圧特性、接着性が低下したり、表面状態が悪くなったりする。なお、平均粒子径D50とは、アルミナ粒子の全体積を100%としたとき、粒子径の体積分率の累積カーブにおいて50%累積となるときの粒子径を意味する。
また、上記a)〜c)の特徴に加え、本実施の形態では、接着剤樹脂組成物の固形分当たりの(B)成分のアルミナ粉末の含有率が86〜95重量%であることが好ましく、88〜93重量%であることがより好ましい。すなわち、(B)成分の含有量は、接着剤樹脂組成物の固形分100重量部に対して、86〜95重量部の範囲内であることが好ましく、88〜93重量部であることがより好ましい。接着剤樹脂組成物中のアルミナ粉末の含有率は、多くなるほど高熱伝導化および低熱膨張化を図ることが可能になる。接着剤樹脂組成物の固形分における(B)成分のアルミナ粉末の含有率が86重量%より少ないと熱伝導性が不十分となり、十分な放熱性が発現しない場合がある。また、低熱膨張性が不十分となり、半田耐熱性の低下を招くことがある。一方、(B)成分のアルミナ粉末の含有率が95重量%より多くなると、ワニスとした場合の粘度が増大し、または接着剤フィルムとした場合の溶融粘度が増大して、絶縁性の接着剤層としての加工性、耐電圧特性、接着性が低下したり、表面状態が悪くなったりすることがある。
なお、接着剤樹脂組成物の固形分とは、例えば接着剤樹脂組成物が所定の溶剤を含むワニスの場合、このワニスを用いて絶縁性の接着剤層などの硬化物を形成する過程で、乾燥や硬化によって溶剤が除去された後に最終的に残る固形分を意味する。ここで、ワニスは、接着剤樹脂組成物の粘度を低減させて加工性を向上させることを目的として溶剤を含有させたものであるが、最終的に絶縁性の接着剤層などの硬化物を形成した後では、溶剤は乾燥、熱処理により除去される。従って、本発明の接着剤樹脂組成物中での成分の含有率は、接着剤樹脂組成物の固形分に対する成分含有率を用いて規定した。なお、本発明の接着剤樹脂組成物には必須成分である(A)及び(B)成分のほか、必要に応じて任意成分が配合される場合もあるが、その場合には別途配合された任意成分も含めて固形分量を計算すればよい。
本実施の形態の接着剤樹脂組成物は、上記(A)及び(B)の必須成分に加え、必要に応じて、例えば溶剤、ゴム成分、その他の任意成分を配合することができる。
[ゴム成分]
また、本発明における接着剤樹脂組成物には、接着剤フィルム又は接着剤フィルム付き銅箔とした際のフィルム支持性向上や絶縁性の接着剤層としての低弾性化を図る観点から、必要に応じて、ゴム成分を添加することができる。このようなゴム成分としては、例えばポリブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、変性アクリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリルゴム等が挙げられる。これらのゴムは1種又は2種以上を用いることができる。使用するゴムの重量平均分子量は、例えば10,000〜1,000,000、好ましくは20,000〜500,000とすることができる。ここで、重量平均分子量は、GPC測定によるポリスチレン換算の値である。ゴム成分の重量平均分子量が10,000より小さいと、硬化物(接着剤層)の耐熱性、機械的強度、可とう性の低下を招くことがあり、また、硬化前段階でのフィルム支持性の低下を招く場合もある。ゴム成分の重量平均分子量が1,000,000より大きいと、有機溶剤への溶解性、エポキシ樹脂、硬化剤との相溶性が低下し、作業性の低下を招くことがあり、また、ワニスとした場合の粘度、または接着剤フィルムとした場合の溶融粘度が増大して、絶縁性の接着剤層としての加工性、接着性が低下したり、表面状態が悪くなったりする。また、ゴム成分として用いるゴムの純度については、耐電圧特性、耐湿信頼性向上の観点から、イオン性不純物の少ないものがよい。
[他の任意成分]
また、本発明の接着剤樹脂組成物には、ボイド低減や平滑性向上等の観点から、必要に応じて、例えば、フッ素系、シリコーン系等の消泡剤、レベリング剤等を添加することができる。また、金属基板、銅配線等の部材との密着性向上の観点から、例えば、シランカップリング剤、熱可塑性オリゴマー等の密着性付与剤を添加することができる。さらに、本発明の接着剤樹脂組成物には、(B)成分のアルミナ粉末以外の充填剤として、必要に応じて、アルミナ以外の無機充填剤、有機充填剤を添加してもよい。無機充填剤としては、例えばシリカ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等を挙げることができる。また、有機充填剤としては、例えば、シリコンパウダー、ナイロンパウダー、アクリロニトリル−ブタジエン系架橋ゴム等を挙げることができる。これらの充填剤については、その1種又は2種以上を用いることができる。また、本発明の接着剤樹脂組成物には、必要に応じて、フタロシアニン・グリーン、フタロシアニン・ブルー、カーボンブラック等の着色剤を配合することができる。
上記任意成分の中でも、硬化物中のアンモニウムイオンの含有量を低減する観点から、分子構造中にアミノ基を含まないか、アミノ基が少ないものを用いることが好ましい。
[組成物・ワニス]
本発明の接着剤樹脂組成物は、上記の必須成分および任意成分を混合することにより調製できる。この場合、溶剤を含むワニスの形態とすることが好ましい。すなわち、本発明の接着剤樹脂組成物は、所定の溶剤に溶解又は分散させてワニスを形成するようにしてもよい。ここで使用可能な溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等のアミド系溶剤、1−メトキシ−2−プロパノ−ル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤等の1種又は2種以上を混合したものを例示できる。(ロ)成分の硬化剤、(B)成分のアルミナ粉末、さらに、必要により添加される任意成分の中で無機充填剤、有機充填剤、着色剤等については、溶剤中に均一分散していれば、必ずしも溶剤に溶解していなくてもよい。
ワニスは、例えば、以下に示す手順に従い調製することができる。まず、(ハ)成分のフェノキシ樹脂を攪拌機付容器にて攪拌しながら適切な溶剤に溶解する。次に、この溶液に(イ)成分のエポキシ樹脂、(ロ)成分の硬化剤、さらに、任意成分を混合し、撹拌、溶解させる。なお、(イ)成分のエポキシ樹脂の種類によっては、別途溶剤にエポキシ樹脂を溶解させた状態のものを調製しておき、それを混合するようにしてもよい。次に、この混合溶液に(B)成分のアルミナ粉末を配合し、攪拌し、均一に分散させることによって、接着剤樹脂組成物のワニスを作製することができる。
ワニスは、粘度が1000〜20000Pa・sの範囲内であることが好ましく、2000〜10000Pa・sの範囲内であることがより好ましい。ワニスの粘度が1000Pa・sより小さい場合には、アルミナ粉末の沈降が生じやすくなり、また塗工時のムラやはじきなどを生じやすくなる。一方、ワニスの粘度が20000Pa・sより大きい場合は、流動性の低下により、塗工性が低下し、均一な塗膜の作製が困難になる。(B)成分のアルミナ粉末が上記a)〜c)の特徴を具備することにより、ワニスの粘度を上記範囲内に調節することが容易になる。
[接着剤フィルム・接着剤フィルム付銅箔]
本発明においては、上記ワニスを支持材としてのベースフィルム上に塗布し、乾燥させることでBステージ状態の接着剤フィルムを形成することができる。また、上記ワニスを銅箔上に塗布し、乾燥させることによって接着剤フィルム付き銅箔を形成することもできる。ここで、接着剤フィルムの厚みは特に限定されるものではないが、例えば100〜300μmの範囲内とすることができる。Bステージ状態の接着剤フィルム(接着剤フィルム付き銅箔)は、折り曲げた場合に表面に割れ(クラック)が発生すると製品としての価値が損なわれる。このようなBステージ状態での表面割れは、常温で固体の樹脂成分を多く配合することによって発生しやすくなる。硬化物中のアンモニウムイオンの含有量を低減する観点から、フェノールノボラック系の硬化剤を使用することも考えられるが、一般的に固体であるため、表面割れを生じやすい。しかし、本発明の接着剤フィルム(接着剤フィルム付き銅箔)では、硬化剤としてイミダゾール化合物のみを使用することによって、エポキシ系接着樹脂原料に占める固体の樹脂成分の割合を低く抑えることができる。また、イミダゾール化合物は、例えばフェノールノボラック系の硬化剤成分を配合した場合と比較すると、硬化剤としての配合量も低く抑えることができるため、常温で液状又は半固形の成分をより多く配合することができるので、Bステージ状態での柔軟性、可とう性が向上し、表面割れを防止することができる。
また、接着剤フィルム、又は接着剤フィルム付き銅箔(硬化前)のフィルム支持性については、溶剤残存率が高いほどフィルム支持性が良好な傾向にある。ただし、溶剤残存率が高すぎると、接着剤フィルム、又は接着剤フィルム付き銅箔(硬化前)にタックが発生したり、硬化時に発泡したりする。したがって、溶剤残存率は5重量%以下が好ましい。なお、溶剤残存率は、180℃雰囲気にて60分乾燥した際の、接着剤フィルム部分の正味重量減少率の測定により求めた値である。
また、上記接着剤フィルム及び接着剤フィルム付き銅箔は、溶剤を含まない接着剤樹脂組成物を支持材としてのベースフィルム上に加熱溶融状態で塗布した後、冷却するようにして得てもよい。
接着剤フィルム又は接着剤フィルム付き銅箔を形成する際に用いる支持材としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、銅箔、アルミ箔、離型紙等を挙げることができる。支持材の厚みは、例えば10〜100μmとすることができる。支持材として、銅箔、アルミ箔等の金属箔を用いる場合、金属箔は、例えば電解法、圧延法等により製造されたものであってもよい。なお、これらの金属箔においては絶縁層との接着性を高める観点から、絶縁層と接する側の面が粗化処理されていることが好ましい。
また、接着剤フィルム又は接着剤フィルム付き銅箔は、支持材としてのベースフィルム上に貼り合わせた後、銅箔に接していないもう一方の面を、保護材としてのフィルムで覆い、ロール状に巻き取って保存することもできる。この際に用いられる保護材としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、離型紙等を挙げることができる。この場合、保護材の厚みは例えば10〜100μmとすることができる。
[硬化物]
本発明の硬化物は、例えば、接着剤樹脂組成物から上記Bステージ状態の接着剤フィルム(又は接着剤フィルム付き銅箔)を調製した後、例えば150℃〜250℃の範囲内の温度に加熱して硬化させることによって製造できる。このようにして得られる硬化物は、アンモニウムイオン(NH )の含有量が抑制されたものである。すなわち、本発明の硬化物中のアンモニウムイオンの含有量は、50重量ppm以下であり、25重量ppm以下であることがより好ましい。アンモニウムイオンを50重量ppm以下に抑制することによって、硬化物を金属配線と接触する接着剤層として使用した場合でも、金属イオンの発生を誘発することがなく、接着不良や絶縁不良の原因となるマイグレーションを効果的に抑制できる。
なお、硬化物中のアンモニウムイオンの含有量は、硬化物を粉砕したものを純水中で加熱抽出し、得られた抽出水のアンモニウムイオン濃度をイオンクロマトグラフィーに付すことにより測定できる。アンモニウムイオンの含有量は、硬化物に対するアンモニウムイオンの重量分率(重量ppm)で表記した。
また、本発明の硬化物は、熱伝導率が例えば7W/mK以上であることが好ましく、10W/mK以上であることがより好ましい。一般的に硬化物の熱伝導率が7W/mK未満であると、放熱のため、例えば基板にサーマルビアを形成するなどの工夫が必要であるが、硬化物の熱伝導率が7W/mKより大きいことにより、放熱特性が優れたものとなり、高温環境で使用される回路基板等への適用が可能になる。このように優れた熱伝導率は、(B)成分のアルミナ粉末の粒子径分布と含有量を上記a)〜c)を満たすように制御することによって得られる。
[金属ベース回路基板の製造方法]
次に、本発明の接着剤樹脂組成物を用いて金属ベース回路基板を製造する方法の一例について説明する。ここでは、アルミニウム基板を用いたアルミニウムベース回路基板を例示する。まず、接着剤樹脂組成物から上記の接着剤フィルム付き銅箔を得た後、この接着剤フィルム付き銅箔を、アルミニウム基板の上にバッチ式真空プレスを用いて、例えば、温度150〜250℃、圧力1.0〜30MPaの条件で接着する。この際、アルミニウム基板面に接着剤フィルム面を接触させ、支持材としての銅箔を上面とした状態で加熱、加圧して、エポキシ樹脂を硬化させることにより、アルミニウム基板に貼り付ける。このようにして、接着剤フィルムを絶縁性の接着剤層として、銅箔層とアルミニウム基板との間に介在させた積層体を得ることができる。次に、エッチングによって所定箇所の銅箔を除去することにより回路配線を形成し、最終的にアルミニウムベース回路基板を得ることができる。なお、アルミニウム基板の厚さについては、特に制限はないが、一般的には例えば0.5〜3.0mmとすることができる。
本発明の接着剤樹脂組成物を用いて、銅による導体層、絶縁性の接着剤層、及びアルミニウム層からなるアルミニウムベース回路基板を得るには、前記方法のほかに、アルミニウム基板面に接着剤層を形成し、この接着剤層の上に銅箔を載せて、加熱、加圧しながら硬化させる方法、又はアルミニウム基板面に絶縁性の接着剤層を形成し、硬化させた後に、銅めっきにより銅の導体層を形成する方法を採用してもよい。なお、このときの接着剤層の形成に関しては、ワニスを塗布した後に加熱により溶剤を揮発させる方法、無溶剤のペーストを塗布する方法、あるいは接着剤フィルムを貼り合せる方法のいずれを用いてもよい。
以上のように製造される金属ベース回路基板において、接着剤層と銅箔とのピール強度は、例えば0.5kN/m以上であることが好ましく、1.0kN/m以上であることがより好ましい。このような高いピール強度は、上述の(ロ)成分の硬化剤の含有量および(B)成分のアルミナ粉末に関するa)〜c)の条件をすべて具備することによって得られる。(ロ)成分の硬化剤の含有量と(B)成分のアルミナ粉末のa)〜c)の条件のいずれかを満たしていない場合には、銅箔とのピール強度が0.5kN/m未満となって、回路基板等の用途に必要な密着力が不足する。
[作用]
従来、エポキシ樹脂組成物において潜在性硬化剤として多用されてきたジシアンジアミドは、例えば実使用時の素子の発熱によって分子中の−NH基が遊離し、アンモニウムイオンを発生させやすい性質を有している。そのため、エポキシ樹脂組成物の硬化剤としてジシアンジアミドを用いて回路基板や電子部品の接着剤層を形成した場合、ジシアンジアミドから生成したアンモニウムイオンが接着剤層中に残留する。アンモニウムイオンは、製品の使用過程で陰イオン(例えば、硫酸イオンSO 2−)と接触する機会があると、陰イオンとアンモニウム塩を形成して接着剤層中に陰イオンを取り込む。このようにアンモニウム塩の形態で接着剤層中に取り込まれた陰イオンは、高温高湿が繰返されるような使用環境で少しずつ遊離し、金属配線からの金属イオンの発生を誘発し、絶縁不良の原因となるマイグレーションを引き起こすものと考えられる。
本発明の接着剤樹脂組成物では、硬化剤としてイミダゾール化合物のみを使用することによって、硬化物中でマイグレーション関与因子となるアンモニウムイオンの量を50重量ppm以下に抑制しているため、金属配線と接触する接着剤層として使用した場合でも、金属イオンの発生を誘発することがなく、絶縁不良の原因となるマイグレーションを効果的に抑制できる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例において、特にことわりのない限り各種測定、評価は下記によるものである。
[ワニス粘度]
ワニス粘度は、得られた接着剤樹脂組成物のワニスを、B型粘度計4号ローターを使用し、23℃、6rpmで粘度を測定した場合の測定値(Pa・s)とする。
[ワニス中の沈降]
ワニスの沈降は、400gの接着剤樹脂組成物のワニスを、500ml三角フラスコ中、23℃で7日間及び1ヶ月放置し、三角フラスコの底におけるアルミナ粉末の沈降物の有無を確認し、高さが10mm以上の沈降物がある場合を「有」と評価し、10mm未満を「無」と評価した。但し、10mm未満の場合でも、沈殿物が固く、撹拌によっても元の状態に戻らない場合も「有」と判定した。
[アンモニウムイオン(NH )]
Bステージの接着剤フィルムを、圧縮プレス成型機にて180℃で1時間加熱硬化させ、硬化物を得た。この硬化物を粉砕したもの1gを、50ccの純水中で加圧しながら加熱温度121℃で20時間抽出した。抽出水をDIONEX社製イオンクロマト測定装置DX−300により処理してアンモニウムイオン濃度を測定した。アンモニウムイオンの含有量は、硬化物に対するアンモニウムイオンの重量分率(重量ppm)とした。
[塗工性]
接着剤樹脂組成物のワニスを、ナイフコーターにてPETフィルム上に、乾燥後の厚みが130μmとなるように塗工し、塗工面が均一な場合を「良」と評価し、スジ又はムラ等の外観欠陥を生じる場合を「不良」と評価した。
[熱伝導率]
所定量のBステージの接着剤フィルムを用いて、圧縮プレス成形機にて180℃で10分加熱し、プレスから取り出した後、さらに乾燥機中にて180℃で50分加熱することにより、直径50mm、厚さ5mmの円盤状試験片を得た。この試験片を、英弘精機製熱伝導率測定装置HC−110を用いて、定常法により熱伝導率(W/m・K)を測定した。
[ピール強度]
Bステージの接着剤フィルムを銅箔に重ね合わせ、バッチ式真空プレスを用いて、圧力10MPa、最高温度180℃で1時間維持の温度プロファイルにおいて、厚さ1.5mmのアルミニウム基板にプレスし、硬化させた。その際、アルミニウム基板面に接着剤フィルム面を接触させ、銅箔を上面とした状態で加圧してアルミニウム基板に貼り付けた。そして、JIS C 6481(引きはがし強さ)に基づいて試験を実施した。すなわち、前記の通りに作製した試験片を前記規格に基づいた形状に切り取り、テンシロン試験機(オリエンテック製RTA−250)を用いて、銅箔を90度方向に速度50mm/分の条件にて引っ張ることにより、90度銅箔ピール強度(kN/m)を測定した。
[Bステージ割れ]
Bステージの接着剤フィルムを、直径5mmの丸棒に沿わせて180°曲げたときに、フィルムの表面に異常がない場合を「なし」と評価し、クラックの発生が確認された場合を「割れ」と評価した。
[耐湿信頼性]
試験基板として、Bステージの接着剤フィルムの両面に銅箔に重ね合わせ、バッチ式真空プレスを用いて、圧力10MPa、最高温度180℃で1時間維持の温度プロファイルにおいて熱圧着し、両面銅箔の積層板を作製した。この積層板の片面に、線幅200ミクロン、間隔200ミクロンの碁盤目パターンをエッチングにより形成した。この積層板を2cm角に切断したのち、上下の銅箔部分にバイアス印加用配線を取り付けた。この試験基板に、122℃、2気圧、湿度100%のプレッシャークッカーテスター中で直流50Vの電圧印加を72時間行った。初期の抵抗値を基準として、試験後の抵抗値が20%以上低下した場合を「不良」と評価し、試験後の抵抗値の低下が20%未満の場合を「良」と評価した。
[実施例1〜6、及び比較例1〜13]
接着剤樹脂組成物、及び接着剤フィルムを作製するために使用した原料とその略号は以下の通りである。
(A)エポキシ系接着樹脂原料
(イ)エポキシ樹脂
エポキシ樹脂(1):ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成製YD128、エポキシ当量189、液状)
エポキシ樹脂(2):ビスフェノールF型エポキシ樹脂(東都化成製YDF−170、エポキシ当量170、液状)
エポキシ樹脂(3):o−クレゾールノボラックエポキシ樹脂(日本化薬製EOCN−1020−55、エポキシ当量200、軟化点55℃)
エポキシ樹脂(4):トリフェニルメタン型エポキシ樹脂(日本化薬製、EPPN−501H、エポキシ当量170、半固形)
エポキシ樹脂(5):ビスフェノールA型エポキシ樹脂(新日鐵化学製、YD−011、エポキシ当量470、固形)
(ロ)硬化剤
硬化剤(1):2−エチル−4−メチルイミダゾール
硬化剤(2):2−フェニルイミダゾール
硬化剤(3):2−メチルイミダゾール
硬化剤(4):フェノールノボラック(群栄化学工業製、PSM−4261、フェノール性水酸基当量105、軟化点80℃)
硬化剤(5):ジシアンアミド
硬化剤(6):2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール
(ハ)フェノキシ樹脂
フェノキシ樹脂(1):ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(東都化成製YP−50)
フェノキシ樹脂(2):ビスフェノールAF型フェノキシ樹脂(東都化成製YP−70)
フェノキシ樹脂(3):ビスフェノールS型フェノキシ樹脂(東都化成製YPS−007)
(B)アルミナ粉末
アルミナ粉末(1):
球状、結晶性、最大粒子径;100μm、平均粒子径D50;45μm、体積平均粒子径MV;49μm、個数平均粒子径MN;38μm、MV/MN;1.3
アルミナ粉末(2):
球状、結晶性、最大粒子径;68μm、平均粒子径D50;11μm、体積平均粒子径MV;12μm、個数平均粒子径MN;4.3μm、MV/MN;2.8
アルミナ粉末(3):
球状、結晶性、最大粒子径;7μm、平均粒子径D50;0.4μm、体積平均粒子径MV;0.7μm、個数平均粒子径MN;0.1μm、MV/MN;6.7
[アルミナ粉末の粒子径分布パラメータ]
測定対象のアルミナ粉末を、分散媒である0.2重量%ヘキサメタりん酸ナトリウム溶液に試料濃度が0.04重量%になるように計量して混合し、超音波ホモジナイザーを用いて3分間分散させた。このアルミナ分散液を、粒度分布測定装置マイクロトラックMT3300EX(日機装製)を用いて、波長780nmの半導体レーザの照射により得られた散乱光から粒子径分布を測定した。
最大粒子径は、前記測定法により得られた粒子径分布において、粒子の全体積を100%としたとき、粒子径の体積分率の分布カーブにおいて、ある粒子径以上で粒子の分布確率が全て0となるときの粒子径の最小値を示す。
平均粒子径D50は、前記測定法により得られた粒子径分布において、粒子の全体積を100%としたとき、粒子径の体積分率の累積カーブにおいて50%累積となるときの粒子径を示す。
体積平均粒子径(MV)は、前記測定法により得られた粒子径分布から求めた「体積で重みづけされた平均粒子径」を示す。MVは式(1)で表される。
MV=Σ(di*Vi) … …(1)
但し、粒子径分布はヒストグラムで表され、diはヒストグラムのi番目の区間の代表粒子径であり、Viはi番目の区間に属する粒子の体積分率である。
個数平均粒子径(MN)は、前記測定法により得られた粒子径分布から求めた「個数で重みづけされた平均粒子径」を示す。ここでは仮想的に粒子を全て球形と仮定し、MNを式(2)により求めた。
MN=Σ(Vi/di 2)/Σ(Vi/di 3) … …(2)
但し、diはヒストグラムのi番目の区間の代表粒子径であり、Viはi番目の区間に属する粒子の体積分率である。
[体積平均粒子径]/[個数平均粒子径]は粒子径分布を表す指標として用いた。一般に [体積平均粒子径]/[個数平均粒子径]≧1であり、この値が小さいほど粒子径分布がシャープであり、この値が大きいほど粒子径分布がブロードであることを示す。
(C)硬化促進剤
硬化促進剤(1):2−エチル−4−メチルイミダゾール
上記の原料を表1〜5に示す割合で配合した。まず、フェノキシ樹脂のみを、攪拌機付容器にて、メチルイソブチルケトン(MIBK)に攪拌、溶解した。(但し、エポキシ樹脂(2)がある場合は、フェノキシ樹脂のMIBK溶液とは別に、エポキシ樹脂(2)のみのMIBK溶液を用意し、フェノキシ樹脂のMIBK溶液に混合した。)次に、このMIBK溶液に、エポキシ樹脂(1)又は(2)(但し、エポキシ樹脂(3)〜(5)を配合する場合は、エポキシ樹脂(3)〜(5)も配合する。)、硬化剤(但し、硬化促進剤(1)を配合する場合は、硬化促進剤(1)も配合する。)を配合し、撹拌、溶解した。その後、この混合溶液にアルミナ粉末を配合し、攪拌、分散させ、接着剤樹脂組成物のワニスを作製した。このワニスを、厚さ50μmの離型処理PETフィルム(三菱化学製MR−50)に、乾燥後の樹脂層の厚さが100μmとなるように塗工し、110℃で5分乾燥させることで、Bステージの接着剤フィルムを作製した。
結果を表1〜5に示す。なお、表中、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、フェノキシ樹脂、アルミナ粉末、および溶剤(MIBK)の配合量は重量部で示しており、アルミナ含有率は、接着剤樹脂組成物の全固形分に対する重量%で示した。
Figure 2012092297
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Figure 2012092297
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表1〜5より、本発明の実施例1〜11の接着剤樹脂組成物は、実用性を考慮してもかなり厳しい評価項目である「ワニス中の沈降(1ヶ月)」を除き、概ね良好な結果が得られた。特に、エポキシ系接着樹脂原料として、好ましい成分(イ’)〜(ハ’)の組み合わせを採用した実施例7〜10では、「ワニス中の沈降(1ヶ月)」を含めて、すべての評価項目で良好な結果が得られた。それに対して、アルミナ粉末の粒子径分布と含有量が上記a)〜c)の要件を満たしていない比較例1〜4、硬化剤の配合量が規定外の比較例5〜9、硬化剤としてフェノールノボラック樹脂を用いた比較例10〜12、硬化剤としてジシアンジアミドを用いた比較例13、エポキシ当量が150〜220の範囲内にあるエポキシ樹脂の含有量が全エポキシ樹脂中50重量%未満である比較例14〜17では、いずれかの項目で満足のいく評価が得られなかった。
以上のように、本発明の接着剤樹脂組成物は、硬化剤として、イミダゾール化合物のみを接着剤樹脂組成物の固形分100重量部に対して2〜10重量部の範囲内で使用し、硬化物中のアンモニウムイオンの量を50重量ppm以下に抑制しているため、接着剤層を形成した場合の接着力および絶縁性が低下しにくく、高い耐電圧特性を維持することができる。また、本発明の接着剤樹脂組成物を硬化させた硬化物は、所定の粒子径分布を有するアルミナ粉末を含有することにより優れた熱伝導性を有する。また、本発明の接着剤樹脂組成物から作製したBステージ成形品は、イミダゾール化合物の作用によって柔軟性・可とう性が改善されており、表面割れを防止できる。従って、本発明の接着剤樹脂組成物は、例えば回路基板、電子部品等における絶縁性の接着剤層として好ましく適用できる。
以上、本発明の実施の形態を例示の目的で詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に制約されることはない。

Claims (5)

  1. 下記の成分(A)及び(B)を含有する接着剤樹脂組成物であって、接着剤樹脂組成物を硬化させた硬化物中のアンモニウムイオンが50重量ppm以下である接着剤樹脂組成物。
    (A):下記の成分(イ)〜(ハ)を含有するエポキシ系接着樹脂原料。
    (イ)エポキシ樹脂、
    (ロ)イミダゾール化合物からなる硬化剤、及び
    (ハ)フェノキシ樹脂
    [但し、前記(イ)成分は、エポキシ当量が150〜220の範囲内にあるエポキシ樹脂をエポキシ樹脂の全量に対して50重量%以上含有するものであり、エポキシ系接着樹脂原料における(ロ)成分の含有量は、エポキシ系接着樹脂原料中の固形分100重量部に対し2〜10重量部の範囲内である。]
    (B):下記の条件a)〜c)を満足するアルミナ粉末。
    a)最大粒子径が120μm以下であり、
    b)全アルミナ粉末中の結晶性の球状アルミナの割合が90重量%以上であり、かつ、
    c)前記結晶性の球状アルミナ粒子径分布が、以下のi)〜iii)の条件を満たすものである。
    i)平均粒子径D50が35〜50μmであり、かつ[体積平均粒子径]/[個数平均粒子径]が1.2〜2.0の範囲内のものが結晶性の球状アルミナ中に30〜50重量%の範囲内で存在すること、
    ii)平均粒子径D50が5〜15μmであり、かつ[体積平均粒子径]/[個数平均粒子径]が2.0〜3.5の範囲内のものが結晶性の球状アルミナ中に30〜50重量%の範囲内で存在すること、及び、
    iii)平均粒子径D50が0.1〜2μmの範囲内のものが結晶性の球状アルミナ中に10〜30重量%の範囲内で存在すること。
  2. 前記イミダゾール化合物が、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾールである請求項1に記載の接着剤樹脂組成物。
  3. (B)成分の含有量は、接着剤樹脂組成物の固形分100重量部に対して、86〜95重量部の範囲内である請求項1又は2に記載の接着剤樹脂組成物。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の接着剤樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
  5. 請求項1から3のいずれか1項に記載の接着剤樹脂組成物を半硬化状態でフィルム状に成形してなる接着剤フィルム。
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