JP2012092290A - 樹脂組成物およびそれを用いた多層構造体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)にゴム質グラフト重合体(B)およびアイオノマー(C)を含有してなる樹脂組成物を用いる。
【選択図】なし
Description
一方、EVOHに他成分を配合して他の機能を付与する場合、一般的にEVOHにガスバリア性の無い他の成分を配合すると、樹脂組成物全体のガスバリア性が低下する傾向がある。
しかしながら、従来のEVOHには無い優れた耐衝撃性能を有し、かつ従来のEVOHと同様にガスバリア性に優れる樹脂が求められていた。
そして、かかる組成物に、EVOH(A)と親和性を有する特性のあるアイオノマー(C)が共存することによりアイオノマーの分子間のイオン架橋による強靭性が付与されるためか、曲げ弾性率、引張強さ、引張伸び性の全てに優れるという予想外の顕著な効果が得られた。
ガスバリア性の無いアイオノマー(C)を樹脂分として配合するにもかかわらず、ガスバリア性が低下しないのは、ゴム質グラフト重合体(B)とアイオノマー(C)が適度に相溶し、マトリックスたるEVOH(A)中に(B)+(C)として効率よく分散するという理由によるものと推測される。
本発明は、エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)にゴム質グラフト重合体(B)およびアイオノマー(C)を含有してなる樹脂組成物に存する。
本願で用いるエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)について説明する。
本発明で用いるEVOH(A)は、公知の樹脂であり、非水溶性の熱可塑性樹脂である。EVOH(A)は、通常、ビニルエステル系モノマー(例えば、脂肪酸ビニルエステル)とエチレンを共重合してエチレン−ビニルエステル系共重合体を得、これをケン化して得られるものである。すなわち、エチレン構造単位とビニルアルコール構造単位を主とし、ケン化後に残存する若干量のビニルエステル構造単位を含むものである。上記共重合に際しては、溶液重合法など、公知の重合法が採用されうる。
特にヒドロキシ基含有α−オレフィン類を共重合したEVOH樹脂は、延伸加工や真空・圧空成形などの二次成形性が良好になる点で好ましく、中でも1,2−ジオールを側鎖に有するEVOH樹脂が好ましい。
本発明の効果をより顕著に得るためには、添加物の分散性に優れるi)、ii)の方法、有機酸およびその塩を含有させる場合はiv)を併用する方法が好ましい。
本発明において使用されるゴム質グラフト重合体(B)は、ゴム質重合体(B1)の存在下でビニル単量体(B2)を重合して得られるグラフト重合体である。かかる重合体はゴム質重合体(B1)をコアとし、ビニル単量体(B2)をシェルとするコアシェル構造を有する微粒子である。
ゴム質重合体(B1)としては、ブタジエン系ゴム質重合体、シリコーン系ゴム質重合体、アクリル系ゴム質重合体など公知のゴム質重合体を用いることが可能である。これらのゴム質重合体(B1)のガラス転移温度(以下、「Tg」ということがある。)はより優れた耐衝撃性を付与できるという観点で、通常、0℃以下であり、好ましくは−10℃以下であり、より好ましくは−30℃以下である。ガラス転移温度が複数ある場合、少なくとも1つのガラス転移温度が上記範囲内であることが好ましく、特に好ましくは全てのガラス転移温度が上記範囲内にあることである。これらのゴム質重合体(B1)は、乳化重合によって得ることが好ましい。
具体的には、次のようにして測定する。
ゴム質グラフト重合体(B)の粉体を熱プレス機によって3mm(厚さ)×10mm(幅)×50mm(長さ)の試験片に調製し、動的機械的特性解析装置(機種名「EXSTAR DMS6100」、セイコーインスツル社製)により、両持ち曲げモード、昇温速度2℃/分、周波数10Hzの条件でtanδ曲線を測定し、tanδ曲線のピークトップの温度をガラス転移温度とする。
トを主成分とする混合物を重合して得られるものが好ましい。(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレートが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
かかるゴム質重合体(B1)として、低温衝撃強度において高い効果を発現させることができる点で好ましくは、ブタジエン系ゴム質重合体およびシリコーン系ゴム質重合体である。
)アクリレート、ジビニルベンゼン、多官能メタクリル基変性シリコーン等の、分子中に
2個以上の不飽和結合を有するビニル単量体を併用することもできる。
但し、グリシジル基を含有する単量体の場合、その含有量はビニル単量体(B2)の通常5重量%未満であり、好ましくは0〜4重量%である。
本発明で用いるアイオノマー(C)は、公知の樹脂であり、疎水性の高分子主鎖に対し、側鎖にイオン基を有する熱可塑性樹脂である。
かかるアイオノマーとしては、ポリスチレンスルホン酸塩(PSS)アイオノマー、エチレン系スルホン酸塩アイオノマー等スルホン酸基含有ポリマーのスルホン酸基の一部もしくは全部が金属イオンで中和された構造のスルホン酸塩アイオノマーや、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル基の一部もしくは全部が金属イオンで中和された構造のカルボン酸系アイオノマーなどを挙げることができる。 本発明においては、EVOHとの親和性の点から、カルボン酸系アイオノマーを用いることが好ましく、特にはエチレン−不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーを用いることが好ましい。
すなわち、本発明のアイオノマーは、エチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体の金属イオン中和物が好ましい。
本発明の樹脂組成物は、EVOH(A)にゴム質グラフト重合体(B)、アイオノマー(C)および他の成分を配合した樹脂組成物から形成される。EVOH(A)と重合体(B)のみでは、耐衝撃性に改善の余地があるところ、さらに(C)成分が存在することで、強靭性が付与され、優れたガスバリア性を保ちつつ、耐衝撃性すなわち、弾性率、降伏値、引張強さ、引張伸び性の全てに優れる硬さと粘り強さに優れるという、顕著な効果が得られる。
好適には、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の炭素数2〜7の低級脂肪族カルボン酸塩、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等の炭素数8〜22の高級脂肪族カルボン酸塩、燐酸ナトリウム、燐酸リチウム等の燐酸塩があげられる。さらに好ましくは、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等の炭素数8〜22の高級脂肪族カルボン酸塩であり、特に好ましくは炭素数8〜22の高級脂肪族カルボン酸のカリウム塩が用いられる。
重合体(D)は、グリシジル基を有する(メタ)アクリレート単位を通常5重量%以上含有する。重合体(D)中のグリシジル基を有する(メタ)アクリレート単位の含有率が5重量%以上であれば、重合体(D)の配合量を低くすることができる。これにより、EVOH(A)との相溶性の制御が容易になり、得られる樹脂組成物の耐衝撃性及びガスバリア性の発現が良好となる。重合体(D)中の、グリシジル基を有する(メタ)アクリレート単位の含有率は20重量%以上が好ましい。
(1)100mlメスフラスコに塩酸2gを入れ、エタノール/ジオキサン=20/80溶液でメスアップする。(A液)
(2)100ml共栓付き三角フラスコに試料0.15〜0.20gを精秤する。ジオキサン20mlを加え、超音波洗浄器を用いて超音波を1時間程度照射し、試料を溶解する。溶解時の液温は、40℃程度である。
(3)試料が溶解した後、三角フラスコ内にA液を10ml加える。
(4)A液添加後の試料溶液を、フェノールフタレインを指示薬として、0.1mol/l−KOH(エタノール)で滴定する。
(5)ブランク液の滴定も同時に行なう。
(6)試料量、試料溶液及びブランク液の適定量からエポキシ当量を算出する。
その他の単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中では、メチルメタクリレートが好ましい。
式1: 1/Tg=Σ(Wi/Tgi)
(但し、Wiは単量体iの全単量体に対する重量比率、Tgiは単量体iの単独重合体のTgを示す。)
単独重合体のTgの数値としては、POLYMER HANDBOOK THIRD EDITION(WILEY INTERSCIENCE)に記載の数値を用いることができる。
カラム :TSK−Gel SUPER HZM−M(東ソー(株)製)
測定温度 :40℃
溶離液 :テトラヒドロフラン(THF)
溶離液速度:0.6ml/分
検出器 :RI
本発明で用いるポリアルキレンエーテルユニットを有する重合体(E)は、公知の樹脂であり(特開2006−294204号公報参照)、ポリアルキレンエーテルユニットを含有する重合体であれば、単一重合体であっても共重合体であってもよい。
これら重合体(E)の中では、ポリアルキレンエーテルユニットを有するブロック共重合体が好ましく、さらに好ましくは芳香族ポリエステルとポリアルキレンエーテルを有するポリエステルポリエーテルブロック共重合体である。
また、該ポリアルキレンエーテルユニットとして好ましくは、ポリテトラメチレンエーテルグリコールユニットである。
カルボキシル基含有ポリアルキレンエーテルユニットを有する重合体の場合、マトリックスポリマーの分子量が増加してマトリックスそのものの耐衝撃性が向上し、同時にマトリックスから(B)成分への衝撃伝達効率が増加するためか、耐衝撃性が顕著に向上し、低温条件下における耐衝撃性にも優れる。以下、カルボキシル基含有ポリアルキレンエーテルユニットを有する重合体を調製する場合について述べる。
EVOH(A)とゴム質グラフト重合体(B)、アイオノマー(C)(および他の添加剤)とを混合する方法としては、公知の方法を採用することが出来る。例えば、全ての成分をドライブレンドして溶融混合する方法、予め溶融させたEVOH(A)に他の成分を配合する方法等の、溶融混合法や、EVOH(A)を溶媒に溶解し、かかる溶液に他の成分を配合し、EVOH(A)の貧溶媒を用いて析出させる方法等がある。
本発明の樹脂組成物は、押出機内で溶融混合後、押し出す際に各種成形物へ成形してもよいし、一旦樹脂組成物ペレットを作製し、別途公知の加工方法で各種成形物を成形してもよい。樹脂組成物の流通や取り扱い性の点から、後者の方法が好ましい。
また、ペレットにする場合、その形は通常球形、円柱形、立方体形、直方体形等が上げられ、円柱形ペレットが好ましく、その直径は通常1〜5mm、長さは通常1〜5mmである。
上記樹脂組成物層および他の熱可塑性樹脂層は、さらに樹脂組成物層と他の熱可塑性樹脂層との間に接着樹脂層が介在していても良い。
また、かかる多層構造体は、該多層構造体を製造する過程で発生する端部や不良品等を再溶融成形して得られる、樹脂組成物とEVOH以外の熱可塑性樹脂の混合物を含むリサイクル層を設けることが可能である。かかるリサイクル層をRとするとき、多層構造体の層構成は、例えばβ/α/R、R/β/α、β/R/α/β、β/R/α/R/β、β/α/R/α/β、β/R/α/R/α/R/β等が挙げられる。
特にリサイクル層を設けることは、成形時に発生する多量のスクラップを有効に活用できる点で工業上好ましい。
他の熱可塑性樹脂層は通常100〜6000μm、好ましくは200〜4000μm、特に好ましくは1000〜2000μmである。他の熱可塑性樹脂層が薄すぎる場合、耐衝撃性が低下する傾向があり、他の熱可塑性樹脂層が厚すぎる場合、加工性が低下する傾向がある。
接着性樹脂層は通常2〜100μm、好ましくは5〜50μm、特に好ましくは20〜40μmである。
また、各層の厚み比は、樹脂組成物層/他の熱可塑性樹脂層の厚み比=通常0.002〜1未満、好ましくは0.005〜1未満、特に好ましくは0.05〜0.2であり、樹脂組成物層/接着性樹脂層の厚み比=通常1〜250、好ましくは1〜60、特に好ましくは1〜10である。
なお、延伸については、公知の延伸方法でよく、例えば、一軸延伸、二軸延伸等が挙げられる。二軸延伸の場合は同時二軸延伸方式、逐次二軸延伸方式のいずれの方式も採用できる。延伸温度は、多層構造体の温度(多層構造体近傍温度)で、通常100〜300℃、好ましくは100〜160℃程度の範囲から選ばれる。延伸倍率は、面積比にて、通常2〜50倍、好ましくは2〜20倍である。
EVOH(A)としてエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(a1)(エチレン含有量32モル%,ケン化度99.6モル%,MFR12g/10分(210℃、荷重2160g),密度1.19g/cm3)を用いた。
ゴム質グラフト重合体(B)としてブタジエンを主成分とするゴム質重合体(B1)の存在下に、スチレン及びメチルメタクリレートをグラフト重合して得られるゴム質グラフト重合体((b1)商品名メタブレン C223A(三菱レイヨン社製、ゴム質重合体のガラス転移温度−66℃)を用いた。
アイオノマー(C)として、エチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体の金属イオン中和物(c1)商品名ハイミラン1707(三井・デュポンポリケミカル製、融点89℃、MFR0.9g/10分(190℃、荷重2160g))を用いた。
その他成分として、グリシジル基を有する(メタ)アクリル酸エステル重合体(D)として、(d1)商品名メタブレンP1900(三菱レイヨン社製)を用いた。本製品はグリシジルメタクリレート単位を主成分として重合してなる、エポキシ当量158(g/eq)、重量平均分子量が4.8万の重合体である。
すなわち、(A/B)の重量比は81/19であり、(A/C)の重量比は76/24である。(B/C)の重量比は0.8である。また、EVOH(A)100重量部に対する(D)の配合量は5重量部であり、(B)100重量部に対する(D)の配合量は20重量部である。
得られた成型体およびフィルムを用いて下記の評価を行った。
上記の膜厚20μmのフィルムを用いて、温度20℃,相対湿度65%の状態で、モコン製Ox−Tran 2/20によって酸素透過量を測定した。
上記の成型体(縦150×横10×厚4mm JIS K7161 射出片形状1A)を用いて、応力−ひずみ曲線(JIS K7161準拠)の測定を行なった。
<曲げ弾性率評価>上記の成型体(縦80×横10×厚4mm 射出片形状ISO179/1eA)を用いて、曲げ弾性率(JIS K7171 準拠)の測定を行なった。
実施例1において、アイオノマー(C)およびグリシジル基を有する(メタ)アクリル酸エステル重合体(D)を配合せず、EVOH(A)とゴム質グラフト重合体(B)のみを(a1/b1)=80/20にて用いた以外は同様にして射出成形体を得、同様の評価を行なった。
実施例1において、アイオノマー(C)を配合せず、(A)と(B)と(D)を重量比にて(a1/b1/d1)=82/15/3にて用いた以外は同様にして射出成形体を得、同様の評価を行なった。
条件と評価結果を表1に示す。
実施例1において、ゴム質グラフト重合体(B)およびアイオノマー(C)およびグリシジル基を有する(メタ)アクリル酸エステル重合体(D)を配合せず、EVOH(A)のみを用いた以外は同様にして射出成形体を得、同様の評価を行なった。
EVOH(A)として(a1)、ゴム質グラフト重合体(B)として(b1)、アイオノマー(C)として(c1)、グリシジル基を有する(メタ)アクリル酸エステル重合体(D)として(d1)を用い、ポリアルキレンエーテルユニットを有する重合体(E)として、(e1)商品名プリマロイ AP GQ430〔三菱化学社製、融点165℃、MFR35g/10分(230℃、荷重2160g)、ポリブチレンテレフタレートとポリテトラメチレンエーテルグリコールとのブロック共重合体を、溶融混練法によって無水マレイン酸をグラフトさせたもの。〕を用いた。
すなわち、(A/B)の重量比は88/12であり、(A/C)の重量比は96/4である。(B/C)の比率は重量比にて3である。また、EVOH(A)100重量部に対する重合体(D)の配合量は3重量部であり、重合体(B)100重量部に対する重合体(D)の配合量は20重量部である。また、EVOH(A)100重量部に対する重合体(E)の配合量は13重量部である。なお、(B/E)の比率は重量比にて1である。
得られた成型体およびフィルムを用いて下記の評価を行った。
<常温衝撃強度評価>
上記の成型体(縦80×横10×厚4mm)を用いて、23℃、50%RHにおける、ノッチ付シャルピー衝撃強度(JIS K7111準拠)の測定を行なった。
上記の成型体(縦80×横10×厚4mm)を用いて、−20℃、0%RHにおける、ノッチ付シャルピー衝撃強度(JIS K7111準拠)の測定を行なった。
上記の膜厚30μmのフィルムを用いて、温度20℃,相対湿度65%の状態で、モコン製Ox−Tran 2/20によって酸素透過量を測定した。
上記の膜厚60μmのフィルムを用いて、YSS式フィルムインパクトテスター(安田精機製作所社製:型式181)を用いて23℃、50%RHの雰囲気中で衝撃強度(kgf・cm)を測定した。
なお、試料厚みは60μm、径は80mmとし、衝撃球は直径12.7mmの鉄球を用い、荷重を15kgf・cmとし、振り子の持ち上げ角度は90°とした。
〔比較例3〕
実施例2において、(C)〜(E)成分を配合せず、EVOH(A)としてエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(a2)〔エチレン含有量29モル%,ケン化度99.6モル%,MFR4g/10分(210℃、荷重2160g)〕を用い、(A)と(B)を、重量比(A/B)=80/20にて用いた以外は同様にして、同様の評価を行なった。
実施例2において、(B)〜(E)成分を配合せずにEVOH(A)のみを用いて同様の評価を行った。
したがって、曲げ弾性率が小さい値を示し、かつ応力−ひずみ曲線の最大点応力値が適度に低い値を示し、かつ破断点歪み値が大きい値を示す樹脂組成物は、柔らかく、引張強さや引張伸び性の全てに優れる樹脂であるといえる。
Claims (11)
- エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)にゴム質グラフト重合体(B)およびアイオノマー(C)を含有してなる樹脂組成物。
- エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)とゴム質グラフト重合体(B)との重量比(A/B)は、70/30〜99/1である請求項1に記載の樹脂組成物。
- ゴム質グラフト重合体(B)とアイオノマー(C)との重量比(B/C)は、0.1〜10である請求項1または2いずれかに記載の樹脂組成物。
- エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)とアイオノマー(C)との重量比(A/C)は、70/30〜99/1である請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- ゴム質グラフト重合体(B)は、ゴム質重合体(B1)およびビニル単量体(B2)の合計100重量%中、ゴム質重合体(B1)10〜90重量%の存在下において、ビニル単量体(B2)10〜90重量%をグラフト重合して得られたものである請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- ゴム質重合体(B1)のガラス転移温度が0℃以下である請求項5に記載の樹脂組成物。
- 上記(A)〜(C)成分と共に、グリシジル基を有する(メタ)アクリル酸エステル重合体(D)を含有する請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- グリシジル基を有する(メタ)アクリル酸エステル重合体(D)のエポキシ当量が、50〜5000g/eqである請求項7に記載の樹脂組成物。
- 上記(A)〜(C)成分と共に、ポリアルキレンエーテルユニットを有する重合体(E)を含有する請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載の樹脂組成物からなる層を少なくとも1層有する多層構造体。
- 総厚みが、20〜50000μmであることを特徴とする請求項10記載の多層構造体。
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