JP2012090966A - 粉体含有化粧料入り噴射容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮ガスを用いても、粉体による目詰まりを防止し、良好な噴射状態を得られる粉体含有化粧料入り噴射容器を提供する。
【解決手段】メカニカルブレイクアップ機構を備えた噴射釦1を備えた噴射容器に、粉体含有化粧料と圧縮ガスとを内容物として充填した粉体含有化粧料入り噴射容器であって、噴射釦1は、噴射口21の口径Da、旋回室20の径D、噴射溝17と旋回室20との接続部における噴射溝17の幅Dd、噴射口前端面24から旋回室後端面25までの長さLが下記(i)〜(iii)の関係を満たし、粉体含有化粧料は、(A)成分:粉体と、(B)成分:ノニオン性界面活性剤と、(C)成分:エタノールと、(D)成分:水とを含有し、(A)成分/(B)成分で表される質量比が0.1〜10であることよりなる。
(i)3<D/Da、(ii)7≦D/Dd、(iii)3≦D/L
【選択図】図1

Description

本発明は、粉体含有化粧料入り噴射容器に関する。
例えば、制汗剤として、パウダースプレーと呼ばれるエアゾール剤型の製品が知られている。パウダースプレーは、粉体、油分等を含有する粉体含有化粧料と噴射剤とを内容物とし、噴射容器に充填したものであり、粉体含有化粧料と噴射剤との比率は、粉体含有化粧料:噴射剤=10:90(質量比)程度が一般的である。
パウダースプレーにおける内容物の噴射状態は、噴射釦の構造に左右され、噴射釦の構造は大きく2つに分類できる。そのうちの1つは、噴射釦内部の膨張室から噴射口までの流路が直線状とされたストレート型と呼ばれるものであり、他の1つは、例えば、特許文献1に開示されているようなメカニカルブレイクアップ機構を備えるものである。
一般に、パウダースプレーには、粉体が含有されるため、噴射釦内の流路での目詰まりを防止すべくストレート型の噴射釦を備える噴射容器が用いられる。
パウダースプレーは、比較的近距離で、内容物を噴射対象である身体に吹き付けるため、噴射口から大きな広がりで内容物を噴射できることが望まれるものの、ストレート型の噴射釦を備える噴射容器を用いると、内容物が噴射口からストリーム状に噴射され、噴射対象の任意の部位に集中的に付着してしまうという問題がある。
こうした問題に対し、例えば、膨張室出口と噴口との間の流路に屈曲部を有するメカニカルブレイクアップ型ボタンを備えた容器に、粉体の粒径を特定の範囲とした内容物を充填した粉体含有エアゾール組成物が提案されている(例えば、特許文献2)。特許文献2の発明によれば、目詰まりすることなく、粉体を含有する内容物を均一に噴射できる。
特開2000−153188号公報 特開平10−57849号公報
ところで、噴射剤としては、1980年代までフロンガスが主流であったが、オゾン層破壊の問題から、現在では可燃性の噴射剤である液化石油ガス(LPG)が多く用いられている。近年、液化石油ガス等、常温常圧で大気中に容易に揮散する有機化学物質であるVOC(Volatile Organic Compounds)の大気や水等への放出が問題視されており、液化石油ガスに代わる噴射剤の使用が求められている。液化石油ガスに代わる噴射剤として、窒素ガス等の圧縮ガスが挙げられるが、例えば、特許文献2における噴射剤を単に圧縮ガスとすると、内容物が減少するにつれて噴射容器内の圧力が低下し、内容物を微細化できなかったり、噴射された内容物が広がらなかったり、噴射された内容物の粒子の分布が不均一になったり等、良好な噴射状態を維持できないという問題がある。そして、噴射状態の悪化により、噴射対象への内容物、特に粉体の付着が不均一になったり、噴射釦内の流路への粉体の滞留により、噴射釦の目詰まりを起こしやすいという問題がある。
そこで、本発明は、圧縮ガスを用いても、粉体による目詰まりを防止し、良好な噴射状態を得られる粉体含有化粧料入り噴射容器を目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、メカニカルブレイクアップ機構を有する噴射釦を特定の形状とし、かつ粉体含有化粧料の粉体とノニオン性界面活性剤とを特定の割合で配合することで粉体同士の凝集を防ぎ、圧縮ガスを用いても、粉体による目詰まりを防止し、良好な噴射状態を得られるとの知見を得、本発明に至った。
即ち、メカニカルブレイクアップ機構を備えた噴射釦を備えた噴射容器に、粉体含有化粧料と圧縮ガスとを内容物として充填した粉体含有化粧料入り噴射容器であって、前記噴射釦には、内容物を噴射する噴射口と、該噴射口の後側で連通する旋回室と、該旋回室の外周縁から外方に延び、前記旋回室に内容物を流入させ旋回させる噴射溝とを備え、前記噴射口の口径Da、前記旋回室の径D、前記噴射溝と前記旋回室との接続部における前記噴射溝の幅Dd、前記噴射口の前端面から前記旋回室の後端面までの長さLが下記(i)〜(iii)の関係を満たし、前記粉体含有化粧料は、(A)成分:粉体と、(B)成分:ノニオン性界面活性剤と、(C)成分:エタノールと、(D)成分:水とを含有し、(A)成分/(B)成分で表される質量比が0.1〜10であることを特徴する。
(i)3<D/Da
(ii)7≦D/Dd
(iii)3≦D/L
前記ノニオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択される1種以上であることが好ましい。
本発明によれば、圧縮ガスを用いても、粉体による目詰まりを防止し、良好な噴射状態を得られる。
本発明の一実施形態にかかる噴射釦の正面断面図である。 図1のノズル体のステム側からの側面図である。 (a)寸法関係を示すステム側から見たノズル体の模式図である。(b)寸法関係を示す正面から見たノズル体の模式図である。
本発明の粉体含有化粧料入り噴射容器は、メカニカルブレイクアップ機構の噴射釦を備えた噴射容器に、粉体含有化粧料と圧縮ガスとを内容物として充填したものである。
(粉体含有化粧料)
本発明の粉体含有化粧料は、(A)成分:粉体と、(B)成分:ノニオン性界面活性剤と、(C)成分:エタノールと、(D)成分:水とを含有するものである。本発明の粉体含有化粧料は、例えば、デオドラントウォーター等のデオドラント剤、制汗剤、防臭剤、化粧水、ファンデーション等として用いられるものであり、中でも、デオドラント剤、制汗剤、防臭剤として好適に用いられる。
粉体含有化粧料の粘度は、用途等を勘案して決定でき、例えば、25℃で、100mPa・s以下が好ましく、(A)成分同士の凝集をより良好に防止する観点から30mPa・s以下がより好ましい。
<(A)成分:粉体>
(A)成分は、粉体であり、従来、化粧料に用いられるものから選択できる。(A)成分としては、例えば、ケイ酸、無水ケイ酸、マグネシアシリカ、タルク、酸化チタン、ゼオライト、銀担持ゼオライト等の親水性無機粉体、シリコーン処理タルク、シリコーン処理シリカ等の疎水性無機粉体等の無機粉体、シリコーン複合パウダー、ナイロンパウダー等のナイロン系粉体、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)樹脂、ポリエチレンパウダー、シルクパウダー、ポリスチレンパウダー、ウレタンパウダー、セルロース等の有機粉体等が挙げられる。中でも、無機粉体としては、親水性無機粉体が好ましく、有機粉体としては、シリコーン複合パウダー、ナイロン系粉体、PMMA樹脂が好ましく、目詰まり防止効果、さらさら感向上の観点からは、真球状で多孔質である無水ケイ酸、シリコーン複合パウダーがより好ましい。
これらの(A)成分は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
シリコーン複合パウダーの市販品としては、KSPシリーズ(信越化学工業株式会社製)、ナイロン系粉体の市販品としては、ガンツパールGPA−550(ガンツ化成株式会社製)、オルガソール2002(エルフオートケム社製)等が挙げられる。
(A)成分は、球状粉体であればさらさら感を付与でき、多孔質粉体であれば汗や皮脂を吸着して肌のベタ付きを抑制したり、臭いの吸着による消臭効果を付与できる。また、(A)成分は、無孔質粉体であればさらさら感を付与できる。さらさら感を向上するためには、真球状であることがより好ましい。多孔質球状粉体の(A)成分としては、無水ケイ酸、アルミナ、マグネシアシリカ、酸化チタン、ゼオライト、銀担持ゼオライト、セルロース等が挙げられ、無孔質粉体の(A)成分としては、シリカ、ウレタンパウダー、ナイロンパウダー等が挙げられる。
(A)成分の平均粒子径は、特に限定されないが、50μm超であると目詰まりを起こしやすく、1μm未満であると噴射直後に飛散し、噴射対象に到達できないおそれがある。このため、(A)成分は、平均粒子径1〜50μmのものが好ましく、平均粒子径3〜30μmのものがより好ましく、さらさら感を高める観点から平均粒子径5〜20μmがさらに好ましい。
平均粒子径は、例えば走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S−570)で得られた写真像から任意の粒子を選び、スケールを用いて粒子像の直径を計測する方法により求められる値である。
粉体含有化粧料中の(A)成分の含有量は、粉体含有化粧料の目的に応じて決定でき、例えば、0.1〜5質量%が好ましく、0.3〜3質量%がより好ましく、さらさら感、(A)成分同士の凝集防止効果及び目詰まり防止効果の向上の観点から、0.5〜1.5質量%がさらに好ましい。0.1質量%未満では、目詰まりはしにくいが、さらさら感等、(A)成分の配合効果が表れにくく、5質量%を超えると、目詰まりしやすくなる。
<(B)成分:ノニオン性界面活性剤>
(B)成分は、ノニオン性界面活性剤である。(B)成分としては、従来、化粧料に用いられるものから選択でき、例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.)、ジイソステアリン酸PEG−20グリセリル、ジイソステアリン酸PEG−60グリセリル等のポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−10、ステアリン酸ポリグリセリル−6、ポリグリセリン脂肪酸エステル等のポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、脂肪酸モノエタノールアミド等が挙げられ、中でも、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルが好ましく、(A)成分同士の凝集防止効果、目詰まり防止の観点から、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.)、ジイソステアリン酸PEG−60グリセリル、ステアリン酸ポリグリセリル−6がより好ましい。なお、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油のカッコ内の数値は、エチレンオキサイドの平均付加モル数を示す。例えば、「40E.O.」はエチレンオキサイドの平均付加モル数が40であることを示す。
粉体含有化粧料中の(B)成分の含有量は、(B)成分の種類や(A)成分の含有量等を勘案して決定でき、例えば、0.1〜3質量%が好ましく、(A)成分同士の凝集防止効果の向上、さらさら感の付与の観点から0.3〜2質量%がより好ましい。0.1質量%未満では、目詰まりしやすくなったり、良好なさらさら感が得られなかったりするおそれがある。3質量%超では、良好なさらさら感を得られないおそれがある。
粉体含有化粧料中の(A)成分/(B)成分で表される質量比(A/B比)は0.1〜10であり、0.2〜6が好ましく、0.2〜3がより好ましい。0.1未満であると良好なさらさら感が得られず、10超であると(A)成分同士が凝集しやすく目詰まりしやすい。
<(C)成分:エタノール>
(C)成分は、エタノールである。(C)成分を含有することで、(A)成分と(D)成分との親和性を適度なものとし、噴射状態を良好にできる。
粉体含有化粧料中の(C)成分の含有量は、(A)成分の含有量等を勘案して決定でき、例えば、5〜50質量%が好ましく、使用感(さらさら感)をより高める観点から10〜45質量%がより好ましく、15〜40質量%がさらに好ましい。5質量%未満では、噴射対象、即ち肌上での乾きが遅く、使用感が低下するおそれがある。50質量%超とすると、良好な噴射状態を得られなかったり、引火しやすくなったりするおそれがある。
<(D)成分:水>
(D)成分は水である。(D)成分は、特に限定されず、水道水、井水や、蒸留、イオン交換、ろ過又はこれらを組み合わせて処理した精製水等が挙げられる。
粉体含有化粧料中の(D)成分の配合量は、(A)〜(C)成分の配合量や、用途等を勘案して決定でき、例えば、噴射状態をより良好にする観点から57〜82質量%が好ましい。57質量%以上であれば、(C)成分の火炎長を防止でき、82質量%以下であれば、他の成分との配合バランスが良好である。
<任意成分>
粉体含有化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、制汗成分、殺菌成分、消臭成分、炭化水素、エステル油、高級脂肪酸、シリコーン油等の油剤、アニオン性ポリマー、カチオン性ポリマー、両性ポリマー、ノニオン性ポリマー等のポリマー類、多価アルコール、ビタミン類、抗炎症剤、清涼化剤、抗酸化剤、生薬、色素、香料、(B)成分を除く界面活性剤等の任意成分を配合できる。
制汗成分としては、アルミニウムクロルヒドロール、パラフェノールスルホン酸亜鉛等が挙げられる。制汗成分を配合する場合、粉体含有化粧料中の制汗成分の含有量は、例えば、0.1〜10質量%とされる。
殺菌成分としては、イソプロピルメチルフェノール、塩化ベンザルコニウム、トリクロサン、塩化ベンゼトニウム、銀担持ゼオライト、緑茶エキス等が挙げられる。殺菌成分を配合する場合、粉体含有化粧料中の殺菌成分の含有量は、例えば、殺菌効果の観点から、0.01〜1質量%とされる。
(圧縮ガス)
圧縮ガスは、粉体含有化粧料と共に噴射容器に充填され、噴射剤として機能するものであればよく、例えば、窒素、圧縮空気、炭酸ガス、亜酸化窒素、アルゴン、ヘリウム等が挙げられ、中でも、臭気や取り扱いの容易さの点から、窒素が好ましい。
噴射容器への圧縮ガスの充填量は、圧縮ガスの種類に応じて決定でき、例えば、粉体含有化粧料100質量部に対し、圧縮ガス0.2〜3質量部が好ましく、0.3〜3質量部がより好ましい。上記範囲内であれば、目詰まりの防止効果を維持しつつ、内容物を良好に噴射できる。
(噴射容器)
噴射容器は、メカニカルブレイクアップ機構を備えた噴射釦を備えたものである。本発明の一実施形態にかかる噴射容器について、以下に図面を用いて説明する。なお、説明の便宜上、噴射口が向く方向を前方として説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる噴射釦1の正面概略断面図であり、噴射釦1は、耐圧性の容器本体(不図示)に装着されるものである。容器本体は、従来公知のものを用いることができ、ステムが押し込まれることによりバルブが開となり、内容物を容器外に放出する構造のものが挙げられる。容器本体の材質としては、アルミニウム、ステンレス、鋼鉄等が挙げられる。ただし、(D)成分による腐食を防止するために、各部材がエポキシフェノール樹脂等でコーティングされたものが好ましい。
図1に示す噴射釦1は、噴射釦本体2とノズル体3との2ピースの組み合わせからなり、ノズル体3が噴射釦本体2の突出部4に嵌合したものである。噴射釦本体2は、合成樹脂で一体成形され、中央部内部には、容器本体のステムが嵌合する流入路6と、流入路6に略直交する連通孔7とが形成されている。突出部4の外周部と噴射釦本体2との間には、ノズル体3の環状壁15が嵌合する環状溝8が形成され、該環状溝8は、後述するように、内容物の噴射流路となって、ノズル体3との間に形成される液流路16に連通している。
ノズル体3は、ノズル基盤14と該ノズル基盤14の後方(ステム側)に突出形成された環状壁15とから構成されている。環状壁15は、環状溝8の途中まで嵌合する長さに形成されている。そして、環状壁15の内周面には、等間隔に複数本(本実施形態では3本)の液流路16が、突出部4の外周面に形成され、その前方の端部である基端部がノズル体3のステム側壁面23に形成されている噴射溝17に連通している。噴射溝17は、後述する旋回室20の外周部に対して略接線方向から接し、旋回室20に内容物を接線方向に供給して旋回流を形成するように形成されている。本実施形態の噴射溝17は、図2に示すように、旋回室の軸線回りに120°間隔で3方位置に形成され、それぞれの噴射溝17は、旋回室20との接続部18に近づくに従って細幅となるものである。
旋回室20は、ノズル基盤14の後端面に、噴射釦本体2の突出部4の前端面に臨んで形成されている。旋回室20は、噴射口21との連通方向に直交する断面(横断面)の形状が略真円形の円形凹部であり、横断面の直径が、噴射口21の前端面(噴射口前端面)24から旋回室20の後端面(旋回室後端面)25に向かう方向において略同等とされたものである。ノズル基盤14には、旋回室20の中心部からノズル基盤14を貫通する噴射口21が形成され、噴射口21の前方、即ちノズル基盤14の前面にドーム状凹部22が形成されている。本実施形態においては、ドーム状凹部22が形成されていることで、内容物を良好に広角噴射できるようにされている。
図3を用いて、ノズル体3の各部の寸法関係を説明する。
旋回室20の径(旋回室径)D(図3(a)、(b))は、旋回室20の横断面の直径である。旋回室径Dは、旋回流を形成するためにできるだけ大きいことが好ましいが、大きすぎるとノズル体3自体を過度に大きくする必要がある。旋回室径Dは、粉体含有化粧料中の(A)成分の含有量や、圧縮ガスの充填圧力等を勘案して決定でき、例えば、1.5〜3.0mmとされる。1.5mm未満であると強い旋回流を形成するのが困難であり、所望する噴射角度が得られないおそれがある。3.0mm超であると、ノズル体3が大きくなり、噴射釦1のコンパクト化が図れないおそれがある。
なお、噴射角度は、正面視において、噴射口21の先端を頂点とし、噴射された内容物の広がりを示すものであり、噴射された内容物が描く略三角形の頂角である。本実施形態における噴射角度は、80°以上が好ましく、90°以上がより好ましく、90〜110°がさらに好ましい。
旋回室20における旋回室後端面25から旋回室20の前端面までの長さ、即ち旋回室深さLbは、(A)成分の粒子径や、圧縮ガスの充填圧力等を勘案して決定でき、例えば、下限は(A)成分の粒子径以上とされる。(A)成分の粒子径未満であると、旋回室20内で目詰まりが生じるおそれがある。旋回室深さLbの上限値は、例えば、0.6mm以下が好ましい。0.6mm超であると、旋回流の抵抗が大きくなり、粉体含有化粧料を十分に旋回できないおそれがある。
噴射口21の口径(噴射口径)Da(図3(a)、(b))は、(A)成分の粒子径や旋回室径Dを勘案して決定でき、例えば、0.2〜0.8mmが好ましく、0.3〜0.5mmがより好ましい。0.2mm未満であると目詰まりが生じやすくなる場合があり、0.8mmを超えると噴射状態が悪くなる場合がある。
噴射口21の長さ(ランド長)Laは、旋回室で旋回された内容物に噴射時の流量抵抗を与えないように、できるだけ短いことが好ましいが、短すぎると耐久性が不十分になるおそれがある。従って、ランド長Laは、ノズル体3の材質等を勘案して決定でき、例えば、0.1〜0.4mmとされる。0.1mm未満であると、ノズル体3の強度が不十分になるおそれがあり、0.4mm超であると、噴射角度が小さくなるおそれがある。
噴射溝17と旋回室20との接続部18の幅(接続部幅)Dd(図3(a))は、旋回室径D等を勘案して決定でき、例えば、0.1〜0.3mmが好ましく、0.1〜0.2mmがより好ましい。0.1mm未満であると、内容物が十分に旋回せず、良好な噴射状態を得られないおそれがあり、0.3mm超であるとノズル体3の耐久性が不十分になるおそれがある。
噴射溝17の深さは、(A)成分の粒子径等を勘案して決定でき、例えば、下限は(A)成分の粒子径以上とされる。(A)成分の粒子径未満であると、旋回室20内で目詰まりが生じるおそれがある。旋回室深さLbの上限値は、例えば、0.6mm以下が好ましい。0.6mm超であると、旋回流の抵抗が大きくなり、内容物を十分に旋回できないおそれがある。
噴射口前端面24から旋回室20の旋回室後端面25までの長さLは、旋回室で旋回された内容物に噴射時の流量抵抗を与えないように、できるだけ短いことが好ましいが、短すぎると耐久性が不十分になるおそれがある。従って、長さLは、旋回室径D等を勘案して決定でき、例えば、0.25〜0.6mmが好ましく、噴射状態をより向上させる観点から0.4〜0.5mmがより好ましい。0.25mm未満であるとノズル体3の強度が不十分になるおそれがあり、0.6mm超であると噴射角度が小さくなるおそれがある。
加えて、旋回室径Dと噴射口径Daとは、3<D/Daであり(条件(i))、好ましくは3<D/Da<12、より好ましくは4<D/Da<12、さらに好ましくは4<D/Dd≦10である。1以上であれば、液体及び/又は気体からなる流体を旋回することができるものの、3以下では(A)成分を含む流体を十分に旋回できず、良好な噴射状態を得られない。12以上であると、内容物を十分に旋回できず、良好な噴射状態が得られなかったり、(A)成分同士が凝集して目詰まりしやすくなるおそれがある。
また、旋回室径Dと接続部幅Ddとは、7≦D/Ddであり(条件(ii))、好ましくは7≦D/Dd<30、より好ましくは7.5≦D/Dd<30、さらに好ましくは7.5≦D/Dd<25である。7未満であると、旋回室20で内容物を十分に旋回できず、良好な噴射状態を得られない。30以上であると、内容物を十分に旋回できず、(A)成分同士が凝集して目詰まりしやすくなるおそれがある。
旋回室径Dと、噴射口前端面24から旋回室後端面25までの長さLとは、3≦D/Lであり(条件(iii))、好ましくは3≦D/L<10、より好ましくは3.3≦D/L<10、さらに好ましくは3.3≦D/L<8である。3未満であると、旋回室20における内容物の流動抵抗が大きくなり、旋回が不十分な状態で噴射されるため、良好な噴射状態を得られない。10以上であると、内容物を十分に旋回できず、良好な噴射状態が得られなかったり、(A)成分同士が凝集して目詰まりしやすくなるおそれがある。
噴射釦1は、上記条件(i)〜(iii)を満たすことで、内容物の噴射状態を良好なものにできる。
本発明に用いる噴射容器は、上述の実施形態に限定されるものではない。
上述の実施形態では、旋回室で旋回された内容物が直ちに噴射口に流入する構造、即ち旋回室と噴射口とが直結されているが、本発明はこれに限定されず、例えば、旋回室と噴射口との間に、旋回室後端面から噴射口前端面に向かうに従い減径するドーム状又は円錐台の凹部が形成されていてもよい。
上述の実施形態では、旋回室の横断面の形状が略真円形とされているが、例えば、旋回室の横断面の形状が、三角形、四角形等の多角形であってもよいし、楕円形等、略真円形以外の円形であってもよい。ただし、内容物に強い旋回力を与える観点から、旋回室の横断面の形状は円形が好ましく、略真円形がより好ましい。
なお、旋回室の横断面の形状が、略真円形でない場合、旋回室径Dは、旋回室の横断面に内接する円の直径である。
上述の実施形態では、噴射溝がノズル基盤の後端面に形成されているが、例えば、噴射釦本体の突出部の前端面に形成されていてもよい。
上述の実施形態では、ノズル基盤に3つの噴射溝が形成されているが、例えば、噴射溝は、2つ以下であってもよいし、4つ以上であってもよい。ただし、内容物を旋回室で強い旋回流にするために、噴射溝の数量は2つ以上が好ましく、3つ以上がより好ましい。
上述の実施形態では、噴射溝が、旋回室との接続部に近づくに従い細幅になっているが、例えば、噴射溝は、旋回室との接続部に近づくに従い拡幅するものであってもよいし、幅が変化しないものであってもよい。内容物をより効率的に旋回させる観点から、噴射溝は、旋回室との接続部に近づくに従い、細幅となるものが好ましい。
(製造方法)
粉体含有化粧料入り噴射容器の製造方法は、耐圧性の容器本体に、粉体含有化粧料と圧縮ガスとを充填した後、容器本体に噴射釦1を装着することにより得られる。
容器本体内における圧縮ガスの圧力は、容器本体の容量等を勘案して決定でき、例えば、0.5〜1MPa(25℃)が好ましく、0.6〜0.8MPa(25℃)がより好ましい。0.5MPa未満であると、内容物の全量を噴射できないおそれがあり、1MPa超であると良好な噴射状態を得られないおそれがある。
(使用方法)
次に、本実施形態の粉体含有化粧料入り噴射容器の使用方法を説明する。
粉体含有化粧料入り噴射容器の使用方法は、容器本体に装着された噴射釦1を押下することにより、内容物を噴射するものである。
まず、噴射容器を振とうし、容器本体内に充填されている粉体含有化粧料中の(A)成分を分散させる。この際、粉体含有化粧料は、A/B比が0.1〜10とされているため、(A)成分同士の凝集が抑制されている。加えて、(C)成分を含有するため、(A)成分と(D)成分との親和性が適度に抑制され、(A)成分同士の凝集が抑制されている。このため、噴射容器を振とうすることで、粉体含有化粧料は、(A)成分が良好に分散した状態となる。
次いで、噴射釦1を押し下げると、容器本体のステムが容器本体に押し込まれ、容器本体内のバルブが開かれる。バルブが開かれると、内容物は、圧縮ガスの圧力により、ステムと流入路6と環状溝8とを順に通流し、環状溝8の基端部から環状壁15の内周面に形成された液流路16へ流入する。液流路16に流入した内容物は、噴射溝17を通流し、120°間隔の3方位置で接線方向から旋回室20に流入する。内容物は、高圧で接線方向3方から旋回室20に流入することによって、旋回室20で強い旋回流となり、その旋回を保ったまま、噴射口21から外部に噴射される。この際、噴射釦1は、上記条件(i)〜(iii)を満たすため、(A)成分を噴射溝17内や旋回室20内で滞留させることなく、(A)成分の分散状態を維持したまま、内容物を旋回する。そして、内容物は、強い旋回力が与えられた状態で噴射口21から放出されるため、微細な粒子となって、大きな噴射角度で噴射される。加えて、粉体含有化粧料は、(A)成分が良好に分散した状態であるため、噴射溝17、旋回室20、噴射口21等を閉塞することがない。
従来、エタノール/水を分散媒とした粉体含有化粧料においては、親水性の(A)成分を用いることで、(A)成分の分離等を抑制するのが一般的であった。
しかしながら、親水性が高い(A)成分は、エタノール/水の分散媒中で凝集しやすいため、メカニカルブレイクアップ機構を備えた噴射釦のような複雑な構造中で、目詰まりを起こしやすい。このため、従来の粉体含有化粧料入り噴射容器には、噴射釦にストレート型が採用されていた。
加えて、ストレート型の噴射釦を採用した場合、噴射剤に圧縮ガスを用いると、圧縮ガスは自己気化しないため、内容物は、噴射口から広がらずに噴射される。このため、ストレート型の噴射釦を採用した場合には、噴射剤として自己気化するLPG等が用いられていた。
本実施形態によれば、粉体含有化粧料が(C)成分を含有するため、(D)成分に対する(A)成分の親和性が適度なものとされると共に、A/B比=0.1〜10であるため、(A)成分同士の凝集が防止され、メカニカルブレイクアップ構造の噴射釦内の流路の目詰まりを防止できる。この(A)成分の凝集を防止するメカニズムは定かではないが、(A)成分の表面に(B)成分が吸着することで、(A)成分同士の凝集を防止するものと考えられる。このため、本実施形態によれば、(A)成分として疎水性の粉体を用いても、粉体含有化粧料中での(A)成分同士の凝集を防止して、噴射釦内の流路の目詰まりを防止できる。
加えて、本実施形態によれば、上述の条件(i)〜(iii)を備える噴射釦を用いるため、粉体含有化粧料を良好な噴射状態で噴射できる。さらに、本実施形態の粉体含有化粧料入り噴射容器は、噴射容器内での貯留から噴射までの間において、(A)成分同士の凝集が抑制された状態である。このため、噴射剤に圧縮ガスを用いても、メカニカルブレイクアップ機構を備えた噴射釦を目詰まりさせることなく、(A)成分が均一に分散した状態で、内容物を噴射対象に噴射できる。
さらに、本実施形態によれば、噴射剤として圧縮ガスを用いるため、環境への負担を軽減できる。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
(使用原料)
<(A)成分:粉体>
A−1:無水ケイ酸(サンスフェアH−122、平均粒子径=12μm、真球状、AGCエスアイテック株式会社製)
A−2:シリコーン複合パウダー(KSP−100、平均粒子径=5μm、球状、信越化学工業株式会社製)
A−3:ナイロン系粉体(ナイロンパウダー、ガンツパール GPA−550、平均粒子径=2.5μm、真球状、ガンツ化成株式会社製)
A−4:PMMA樹脂(ガンツパール GMP−0810、平均粒子径=8μm、真球状、ガンツ化成株式会社製)
<(B)成分:ノニオン性界面活性剤>
B−1:ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.)(NIKKOL HCO−60、HLB=14、日光ケミカルズ株式会社製)
B−2:ジイソステアリン酸PEG−60グリセリル(GWIS−260EX、HLB=14、日本エマルジョン株式会社製)
B−3:ステアリン酸ポリグリセリル−6(MSG−6K、HLB=12、日本エマルジョン株式会社製)
<(C)成分:エタノール>
C−1:エタノール(日本アルコール販売株式会社製)
<(D)成分:水>
D−1:精製水
<任意成分>
I−メントール(高砂香料株式会社製)
パラフェノールスルホン酸亜鉛(マツモトファインケミカル株式会社製)
イソプロピルメチルフェノール(大阪化成株式会社製)
香料(高砂香料株式会社製)
(評価方法)
<目詰まり防止の評価>
各例の粉体含有化粧料入り噴射容器を45℃で3日間保管した後、室温(25℃)まで冷却し、さらに5℃で3日間保管し、試験対象品とした。この試験対象品5個について、噴射釦を鉛直方向上方とした状態(正立状態)で、3秒間/回噴射した(正立噴射)。この45℃,3日間保管、室温までの冷却、5℃,3日間保管、3秒間/回噴射を正立噴射1サイクルとし、12サイクルの正立噴射を行った。また、試験対象品5個について、噴射釦を鉛直方向下方とした状態(倒立状態)で、3秒間/回噴射した(倒立噴射)。この45℃,3日間保管、室温までの冷却、5℃,3日間保管、3秒間/回噴射を倒立噴射1サイクルとし、12サイクルの倒立噴射を行った。12サイクルの正立噴射及び倒立噴射における噴射状態を下記評価基準に分類して、目詰まり防止の効果を評価した。
≪評価基準≫
◎:12回の正立噴射及び倒立噴射において、全ての試験対象品に目詰まりがなかった。
○:12回の正立噴射及び倒立噴射において、1個の試験対象品に目詰まりが見られた。
×:12回の正立噴射及び倒立噴射において、2個以上の試験対象品に目詰まりが見られた。
<使用感の評価>
10名の専門パネラーが、各例の粉体含有化粧料入り噴射容器を肌に噴射したときの使用感(さらさら感)について、下記評価基準に従い官能評価した。10名の評価結果の平均点を下記判定基準に分類したものを使用感の評価結果とした。
≪評価基準≫
7点:さらさら感が非常によい
6点:さらさら感がかなりよい
5点:さらさら感がややよい
4点:さらさら感がよいとも悪いともいえない
3点:さらさら感がやや悪い
2点:さらさら感がかなり悪い
1点:さらさら感が非常に悪い
≪判定基準≫
◎:平均点が6点以上
○:平均点が5点以上6点未満
△:平均点が4点以上5点未満
×:平均点が2点以上4点未満
××:平均点が2点未満
<噴射状態の評価>
10名の専門パネラーが、各例の粉体含有化粧料入り噴射容器を肌に噴射し、内容物の噴射状態について、下記評価基準に従い官能評価した。10名の評価結果の平均点を下記判定基準に分類したものを噴射状態の評価結果とした。噴射状態は、噴射された内容物の微細化の状態と、噴射角度と、噴射された内容物の粒子の分散の均一性とから総合的に判断した。
≪評価基準≫
7点:噴射状態が非常によい
6点:噴射状態がかなりよい
5点:噴射状態がややよい
4点:噴射状態がよいとも悪いともいえない
3点:噴射状態がやや悪い
2点:噴射状態がかなり悪い
1点:噴射状態が非常に悪い
≪判定基準≫
◎:平均点が6点以上
○:平均点が5点以上6点未満
△:平均点が4点以上5点未満
×:平均点が2点以上4点未満
××:平均点が2点未満
<噴射角度>
噴射角度は、内容物を噴射した状態を撮影した画像から測定した。
(製造例1)噴射釦α−1の製造
図1の噴射釦1と同様の噴射釦α−1を下記仕様にて作製した。なお、噴射溝は、旋回室の軸線回りに90°間隔で形成した。
<噴射釦α−1の仕様>
噴射口径Da:0.4mm
旋回室径D:1.5mm
噴射口前端面から旋回室後端面までの長さL:0.45mm
ランド長La:0.2mm
旋回室深さLb:0.25mm
接続部幅Dd:0.2mm
噴射溝深さ:0.25mm
噴射溝数:4
(製造例2)噴射釦α−2の製造
旋回室径Dを2.1mmとした以外は、製造例1と同様にして噴射釦α−2を作製した。
(製造例3)噴射釦α−3の製造
噴射口径Daを0.5mmとした以外は、製造例2と同様にして噴射釦α−3を作製した。
(製造例4)噴射釦α−4の製造
噴射口径Daを0.25mmとした以外は、製造例1と同様にして噴射釦α−4を作製した。
(製造例5)噴射釦α−5の製造
噴射口径Daを0.2mm、旋回室径Dを2.4mmとした以外は、製造例1と同様にして噴射釦α−5を作製した。
(製造例6)噴射釦α−6の製造
噴射口径Daを0.3mm、旋回室径Dを3.0mm、接続部幅Ddを0.1mmとした以外は、製造例1と同様にして噴射釦α−6を作製した。
(製造例7)噴射釦α−7の製造
旋回室径Dを2.5mm、噴射口前端面から旋回室後端面までの長さLを0.25mm、ランド長Laを0.1mm、旋回室深さLb:0.15mmとした以外は、製造例1と同様にして噴射釦α−7を作製した。
(製造例8)噴射釦β−1の製造
図1の噴射釦1と同様の噴射釦β−1を下記仕様にて作製した。なお、噴射溝は、旋回室の軸線回りに90°間隔で形成した。
<噴射釦β−1の仕様>
噴射口径Da:0.36mm
旋回室径D:1.5mm
噴射口前端面から旋回室後端面までの長さL:0.53mm
ランド長La:0.36mm
旋回室深さLb:0.17mm
接続部幅Dd:0.16mm
噴射溝深さ:0.17mm
噴射溝数:4
(製造例9)噴射釦β−2の製造
噴射口径Daを0.72mmとした以外は、製造例1と同様にして噴射釦β−2を作製した。
(製造例10)噴射釦β−3の製造
接続部幅Ddを0.25mmとした以外は、製造例1と同様にして噴射釦β−3を作製した。
(実施例1〜36、比較例1〜7)
表1〜6の粉体含有化粧料の組成に従い、(C)成分に、(B)成分と、任意成分とをこの順で溶解し、さらに(D)成分を加えて混合し、ベース液体とした。このベース液体に(A)成分を分散して、デオドラントウォーターである粉体含有化粧料とした。
耐圧性のアルミニウム製の容器本体(φ45mm、高さ150mm、満注量215mL)に、粉体含有化粧料100gを充填し、さらに圧縮ガスを25℃で0.70MPaとなるように充填した。圧縮ガスの充填量は、約1gであった。このアルミニウム製缶のステムに表中に記載した種類の噴射釦を装着し、各例の粉体含有化粧料入り噴射容器とした。得られた粉体含有化粧料入り噴射容器について、目詰まり防止、使用感及び噴射状態の評価と、噴射角度の測定を行い、その結果を表1〜6に示す。
Figure 2012090966
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Figure 2012090966
Figure 2012090966
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表1〜2、4〜6に示す通り、本発明を適用した実施例1〜36は、いずれも目詰まりが防止され、噴射状態が良好であった。即ち、内容物が十分に微細化され、80°以上の噴射角度で噴射されると共に、微細化された内容物が均一に分散していた。また、実施例1〜36は、使用感が「○」〜「◎」であったことから、(A)成分が凝集せず、かつ肌に均一に付着したと推測できる。
一方、表3に示す通り、本発明の条件を満たさない噴射釦を用いた比較例1〜3は、噴射状態が「×」又は「××」であった。また、本発明のA/B比が下限未満の比較例4は使用感が「××」であり、噴射状態が「△」であった。A/B比が上限超の比較例5は目詰まり防止、使用感及び噴射状態が「×」であった。(B)成分を含有しない粉体含有化粧料を用いた比較例6は、目詰まり防止及び噴射状態が「×」であり、使用感が「××」であった。(C)成分を含有しない粉体含有化粧料を用いた比較例7は、目詰まり防止が「×」、使用感及び噴射状態が「××」であった。加えて、比較例1〜3、5〜7は、噴射された内容物が、十分に微細化されていなく、分布も不均一であった。
これらの結果から、本発明の条件を満たす噴射釦と、本発明の条件を満たす粉体含有化粧料とを組み合わせることで、圧縮ガスを用いても(A)成分による目詰まりを防止し、メカニカルブレイクアップ機構の特徴である良好な噴射状態を得られることが判った。
1 噴射釦
17 噴射溝
18 接続部
20 旋回室
21 噴射口
24 噴射口前端面
25 旋回室後端面

Claims (2)

  1. メカニカルブレイクアップ機構を備えた噴射釦を備えた噴射容器に、粉体含有化粧料と圧縮ガスとを内容物として充填した粉体含有化粧料入り噴射容器であって、
    前記噴射釦には、内容物を噴射する噴射口と、該噴射口の後側で連通する旋回室と、該旋回室の外周縁から外方に延び、前記旋回室に内容物を流入させ旋回させる噴射溝とを備え、前記噴射口の口径Da、前記旋回室の径D、前記噴射溝と前記旋回室との接続部における前記噴射溝の幅Dd、前記噴射口の前端面から前記旋回室の後端面までの長さLが下記(i)〜(iii)の関係を満たし、
    前記粉体含有化粧料は、(A)成分:粉体と、(B)成分:ノニオン性界面活性剤と、(C)成分:エタノールと、(D)成分:水とを含有し、(A)成分/(B)成分で表される質量比が0.1〜10であることを特徴する粉体含有化粧料入り噴射容器。
    (i)3<D/Da
    (ii)7≦D/Dd
    (iii)3≦D/L
  2. 前記ノニオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択される1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の粉体含有化粧料入り噴射容器。
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