JP2012090617A - 加工米飯 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱だけで、炊き立てのご飯の食感を得、ほぐしが容易で見た目も良く、具材が調理済み、未調理に関係なく具材入り炊き込みご飯など、多種多様の用途に対応させ得て、しかも炊飯時間ゼロの命題もクリアーすることのできる加工米飯を提供する。
【解決手段】水分値が5〜50重量%で米の澱粉の一部をアルファー化し且つ無菌状態で冷却してなる早炊き米である、アルファー化米に対し、50〜65重量%での最適水分値となるように水を加え、所定量の水溶性多糖類も加えて容器で真空包装し、80〜130℃の温度で4〜90分間加圧加熱調理することで、加熱だけで、炊き立てのごはんの食感を得、ほぐしが容易で見た目も良く、具材の調理具合に関係なく具材入り炊き込みご飯など、多種多様の用途に対応出来、炊飯時間ゼロの命題もクリアーできる。

Description

本発明は、電子レンジ加熱や温水加熱などにより、容易且つ直ぐに通常炊飯と同じような炊き立てご飯や、調理済みあるいは未調理の具材入りの炊き込みご飯を得ることができる加工米飯に関する。
近年の傾向として、老若にかかわらず1人生活者(以下、単身者という)が増え、米を電気炊飯器にて炊き、おかずを作って、食事をする度合が減ってきている。ところが、この事実は、そば屋、ファーストフード、ファミリーレストランなどのいわゆる外食産業が盛んになることに繋がっていない。それでは単身者は、どうしているかと言えば、直ぐに食べられる弁当などを購入したり、あるいは、電子レンジ加熱や温水加熱などにより直ぐに食べられる無菌包装米飯やレトルト米飯並びに総菜などを購入し、自宅に持ち帰って、電子レンジ加熱や温水加熱などして、食べているのである。
したがって、このような傾向にうまく対応するには、無菌包装米飯では、炊飯したご飯を無菌状態で容器に詰めることが必須条件となるため、高価な製造設備が必要となり、高度の運転管理も要求されることになって、大量小品種生産となり易く、如何にローコストで少量多品種生産出来るか、にかかっている。一方、レトルト米飯では、比較的ローコストで少量多品種生産が可能であるが、包装容器の形状がそのまま残り、それをほぐすことが難しく、さらに米の粒感も乏しくて、見た目も味も炊き立てご飯に比べて大きく劣ることになり、如何に見た目も味も炊き立てご飯に準じるものにするか、にかかっている。
上記傾向に対応したものとして、洗米して米糠を含まない水分54ないし60%、米澱粉のアルファー化度86%以上、8mmの網目を通過しない米粒の団塊が50%以下である、調理用加工米を、容器内に気体と共に密封してなる容器入りの調理用加工米がある。これにより、この調理用加工米は、リゾット風の調味液と共に短時間の電子レンジ加熱をすることで食することが出来、しかも、時間が経過しても、飯粒の粒残りが良く、花咲き状態にならず、食感が柔らかくなり過ぎず、調味液に米澱粉が流出しにくく、さらに調味液が濁らず糊っぽくならないものとなる(例えば、特許文献1参照)。
また、所定の洗米及び吸水工程を済ませた米を、水蒸気で蒸し且つ必要に応じて水蒸気で蒸す過程で加水して米澱粉の少なくとも一部をアルファー化し、さらに必要に応じて乾燥しその蒸し米の水分を5重量%〜50重量%にしたあと、無菌状態で冷却してなる早炊き米である、アルファー化米に対して、50重量%〜65重量%の範囲の最適水分値となるように水を吸水させ、該吸水後の所定量のアルファー化米を容器にて密封し、85℃〜125℃の温度にて10分間〜30分間加圧加熱調理してなる加工米飯がある。これにより、この加工米飯は、長期保管が可能なのに、加熱するだけで炊き立てのご飯の食感が得られ、そればかりか、多種多様の用途に対応させ得て、しかも炊飯時間ゼロの命題もクリアーできるものとなっている(例えば、特許文献2参照)。
また、生米、吸水米または米飯に、水または調味材料入りの水及び寒天、ゼラチンなどの増粘材料を加えたものを、容器により密封して、加熱滅菌したレトルト米飯食品またはお粥がある。これにより、これらのレトルト米飯食品またはお粥は、常温になると増粘材料により固まり、米粒の内容物が流出してのり状になることが無いものとなっている(例えば、特許文献3参照)。
また、水を添加吸収させていない米とデキストリン溶解液との混合物を加熱し、得られた加熱混合物と別途調製した調味液状物とを、容器に充填して密封し、これを加熱調理することによって得られた容器入り即食リゾットがある。これにより、この容器入り即食リゾットは、米飯の食感としてリゾット本来の粒感があり、且つ、アルデンテ様の歯ごたえがあり、しかもスープのベタツキを押さえることが出来るものとなっている(例えば、特許文献4参照)。
特開2001−275588号公報 特開2004−57758号公報 特開平09−47239号公報 特開2010−200692号公報
特許文献1の容器入りの調理用加工米は、その水分値が最大でも60%であり、米がうるち米であるとそのまま食するには固く、そのため、この調理用加工米に、雑煮風調味液、リゾットソース、ホワイトソース、コンソメソース、熱湯に雑煮風の粉末調味料を加えたものなどの液状物を、加えて加熱調理しないと、美味しく食べることが出来ないものとなっている。この調理用加工米の水分値が60%ではそのまま食するに固いのにかかわらず、最大でも60%である理由は、水分値を低くして、水溶性多糖類を加え、さらに容器内に気体を入れ、単粒化することが出来るギリギリの高水分状態が、60%であることによる。したがって、この調理用加工米は、リゾット、グラタン、ライスコロッケ、ライスサラダとするのに都合が良いが、そのままご飯として食したり、具材入り炊き込みご飯とするのには適していない。
特許文献2の加工米飯は、長期保存が可能なのに、加熱するだけで炊き立てのご飯の食感を得ることが出来、且つ多種多様の用途に対応させ得て、しかも炊飯時間ゼロの命題もクリアーできる点で優れているが、容器から出した後のほぐしに難があり、見た目が良好ではない。
特許文献3の加工米飯は、生米、吸水米またはお粥を原料として、レトルトお粥にした記載はあるものの、水分の少ないレトルト米飯食品の記載は、実施例2に記載しているのであるが、なぜか実施例1のレトルトお粥の場合が、高吸水米80g、寒天粉末0.5g、精製マンナン粉末0.25g及び湯180gであるのに対して、実施例2の水分の少ないレトルト米飯食品の場合も、高吸水米80g、寒天粉末1g、食塩1g及び湯180gであり、高吸水米80g及び湯180gの重量が全く同じであって、双方ともレトルトお粥となってしまう。したがって、この特許文献3の加工米飯は、レトルトお粥に関するものであり、水分の少ないレトルト米飯食品に関する記載が無いので、開示されていないことになるから、そのままご飯として食したり、具材入り炊き込みご飯とすることが出来るかどうか不明である。
特許文献4の加工米飯は、リゾット本来の粒状感があり、歯ごたえの指標であるアルデンテ性に優れているものの、そのままご飯として食したり、具材入り炊き込みご飯とするのには適していない。すなわち、本出願人の知見及び実験によれば、水を添加吸収させていない米とデキストリン溶解液との混合物を加熱し、得られた加熱混合物と別途調製した調味液状物とを容器に充填して密封し、加熱調理することでは、そのままご飯として食したり、具材入り炊き込みご飯にするには固くて、無理であった。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、加熱するだけで、炊き立てのご飯の食感ばかりか、ほぐしが容易であり見た目も良く、且つ、具材が調理済み、未調理に関係なく具材入り炊き込みご飯など、多種多様の用途に対応させ得て、しかも炊飯時間ゼロの命題もクリアーすることのできる加工米飯を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を達成することが、米の総需要を頭打ちから増加に転じさせ、ひいては減反が少なくなり田んぼの荒廃を減らし、いざ米を含めた食料品の輸入が種々の要因により減少するようなことがあっても、対応出来ることになるため、鋭意研究をおこなった。その結果、水分値が42重量%で米の澱粉の少なくとも一部をアルファー化し且つ無菌状態で冷却してなる早炊き米である、アルファー化米に、63重量%の最適水分値となるように水を加えると共に、アルファー化米に対しデキストリンを5重量%を加えたものを、耐熱容器にて真空包装し、125℃の温度にて20分間加圧加熱調理することで、利用時に耐熱容器に入った状態で加熱するだけで、炊き立てのご飯の食感ばかりか、ほぐしが容易で、炊飯時間ゼロの命題をクリアー出来ることを見い出し、本発明に到達したのである。
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであり、下記の構成からなるものである。
すなわち、請求項1の発明にかかる加工米飯は、水分値が5重量%ないし50重量%で、米の澱粉の少なくとも一部をアルファー化し且つ無菌状態で冷却してなる早炊き米である、アルファー化米に対して、50重量%ないし65重量%の範囲の最適水分値となるように水を加えると共に所定量の多糖類を加えたのち、容器にて真空包装し、80℃ないし130℃の温度にて4分間ないし90分間加圧加熱調理してなることを特徴とするするものである。
請求項1の加工米飯は、そのままご飯として食する場合を示すものである。そして、この加工米飯に供するアルファー化米は、上記のとおり水分値が5重量%ないし50重量%の範囲にあり、米澱粉の少なくとも1部がアルファー化しているものであって、これ以外に特に限定がない。なお、米澱粉が全くアルファー化していない通常の米は、本発明のアルファー化米にならない。すなわち、通常の米とおいしいご飯と言われる水分値とする量の水とを容器に入れ密封して、加圧加熱調理しても、その過程で、本発明の加工米飯とすることが出来ないことは、実験により実証されている。
最適水分値は、米の種類や具材入り炊き込みご飯の種類により異なり、さらに人の好みによっても変わるから一概に決めることは出来ない。しかしながら、この最適水分値は、流動食でなければ、50重量%ないし65重量%の範囲に入るものと思われる。
上記した定義のアルファー化米に、上記最適水分値となるように水を加えるが、この水は井戸水でも水道水も良い。このアルファー化米は、常温の水ではほとんど吸水せず、少なくとも50℃以上の湯である必要があるとされる。なお、この水は、後に詳述するように調味液や調味液+具材であっても良く、水、すなわちHOとしてアルファー化米の水分値15重量%ないし50重量%の範囲のものを、美味しいご飯の水分値と言われる50重量%ないし65重量%にするのに必要な量があれば良いのである。
前記多糖類は、アルファー化米に対して0.10重量%ないし10.0重量%を添加することが重要である。この多糖類の添加は、水を媒介としてなされる。例えば、多糖類40gを1Lの水に溶かし、その水溶液にアルファー化米1kgを浸漬して、1kgのもち米の表層部に40gの多糖類が付着するようにした後、加圧加熱調理してアルファー化米を可食状態にする。なお、アルファー化米に、上記最適水分値となるように水を加えるから、その水に多糖類を添加溶かしても良い。
この多糖類は、アルファー化米の表層部にこれを覆うように付着して、アルファー化米に水分を吸水しづらくする役割を担い、加圧加熱調理してアルファー化米を可食状態にしても、その表層部には若干の水分が残り、すなわち、多糖類が水を抱き込むことによって生じている保水膜がアルファー化米の表層部を覆うことになるため、表層部の粘りが強くならず、バラ化することが出来るのである。
アルファー化米の表層部を覆う多糖類は、アルファー化米に対して0.10重量%に満たない場合、水分が不足して表層部の粘りが強くなってバラ化出来なくなり、逆に、10.0重量%を越えた場合、炊き上がったご飯の味に影響を及ぼすことになる。したがって、より好ましい多糖類の添加量は、アルファー化米に対して2.0重量%ないし8.0重量%の範囲である。さらに、より好ましい多糖類の添加量は、3.0重量%ないし6.0重量%である。
上記の多糖類を例示すれば、デキストリン、澱粉、キサンタンガム、ジェランガム、グァーガム、ローカストビーンガム、タマリンドガム、カラギーナン、ペクチン、アラビアガム、タラガム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、寒天、マンナン、セルロース、グリコーゲン、グルカン、フルクトース、糖アルコールなどである。なお、多糖類は、上記例示物に限定されず、アルファー化米の表層部にこれを覆うように付着して保水膜を形成し、且つ炊き上がったご飯の味に影響を及ぼさないものであれば、特に限定がない。
そして、上記したアルファー化米、最適水分値にする水及び多糖類は、容器内に入れ密封して真空包装する。この容器は、第一義的に85℃ないし130℃の温度にて4分間ないし90分間の加圧加熱調理に耐えうるものでなければならない。第二義的にガスバリアー性を十分有するものでなかればならない。容器は上記した第一義的、第二義的の条件沿うものであれば袋状のものでも、トレー状のものでの良い。そして、この85℃ないし130℃、より好ましくは100℃ないし125℃の温度にて加圧加熱調理時に、アルファー化米は当然殺菌され、更に、アルファー化していない米澱粉が存在している場合は、アルファー化が100%近くに進むことになる。加圧加熱調理が終了した後、常温まで冷却して製品としての加工米飯となる。
なお、製品としての加工米飯が100℃を越えて130℃までの温度にて加圧加熱調理してあるもの、すなわち、レトルト殺菌してあるものは、常温で流通、保管出来る。製品としての加工米飯が85℃ないし100℃までの温度にて加圧加熱調理してあるもの、すなわち、ボイル殺菌してあるものは、冷蔵あるいは冷凍で流通、保管する必要がある。
また、製品としての加工米飯を食するには、容器内に密封した加工米飯を、蒸気加熱、電子レンジ加熱、熱水加熱などにより暖めた後、容器を開封して取り出せば、この加工米飯は、炊き立てのご飯の食感ばかりか、ほぐしが容易で食器に自在に盛り付け出来、しかも暖めるだけで実質炊飯時間ゼロの命題もクリアーしたものとなっている。
また、請求項2の発明にかかる加工米飯は、アルファー化米が、所定の洗米及び吸水工程を済ませた米を水蒸気で蒸し且つ必要に応じて水蒸気で蒸す過程で加水して米澱粉の少なくとも一部をアルファー化して、更に必要に応じて乾燥しその蒸し米の水分を5重量%ないし50重量%にしたあと、無菌状態で冷却してなる早炊き米であることを特徴とするものである。
上記した加工米飯となる早炊き米である、アルファー化米は、以下のようにして、作製される。
まず、加工米飯となる原料米を洗米する。この洗米方法は、水洗や水を使用しない方法、例えば、蒸気を使用したり、精米機でぬかの部分まで精米する、などいずれの方法でもよい。次に、洗米した原料米に吸水させる。この吸水方法も、常温の水、50℃ないし60℃の湯あるいは生蒸気を使用するなど、いずれでもよい。常温の水では20分間ないし120分間の浸漬が必要となり、50℃ないし60℃の湯では10分間ないし60分間の浸漬が必要となって、更に、生蒸気では10分間未満とすることができる。所定の浸漬ないし蒸気吸水を終えた原料米を水切りして、蒸し器に投入し、0.25kg/cm2ないし1.5kg/cm2の水蒸気で蒸す。この蒸し器で8分間ないし12分間ほど蒸し、少なくとも米澱粉の一部をアルファー化させる。
なお、上記の0.25kg/cm2ないし1.5kg/cm2の水蒸気で8分間ないし12分間ほど蒸すと、米澱粉のアルファー化度は90ないし99%程度になり、その水分値は、35重量%±2重量%ないし42重量%±2重量%程度となる。従って、水分値を15重量%ないし35重量%±2重量%未満の範囲にするには、得られた35重量%±2重量%ないし42重量%±2重量%のものを乾燥させる必要がある。同様に,水分値を42重量%±2重量%を越えて50重量%までの範囲にするには、蒸し器で水蒸気で蒸す過程で1ないし3回ほど加水する必要があり、その分全体として蒸し時間が長くなる。
蒸し器内で水蒸気で蒸し、場合により加水して所定の水分値及びアルファー化度となった蒸し米、あるいはその蒸し米を乾燥して所定の水分値とした乾燥蒸し米を、熱い状態のまま直ちに無菌状態のガスバリアー性の袋に入れ、袋を開いたまま真空冷却容器内に入れて真空冷却容器を密封し、減圧して急速に真空冷却する。この真空冷却容器内を−600mmHgほどの真空状態を10秒間〜30秒間保持できるまで真空冷却を継続すると、蒸し米あるいは乾燥蒸し米はほぼ常温となるから、この真空冷却容器内に無菌エアーを送り大気圧とし、この真空冷却容器内で無菌エアーを入れた状態の袋の口をシールする。
そして、真空冷却容器を開けて口をシールした袋入り蒸し米あるいは乾燥蒸し米を取り出し、常温にて24時間ないし48時間放置してアルファー化した米澱粉を均質化、換言すれば、熟成させて、早炊き米、すなわち、前記アルファー化米を得る。この状態の早炊き米であるアルファー化米は、塊状になっているから、袋の上から揉みほぐして単粒化すると、あたかも炊飯する前の通常の流通米のような状態になる。そして、この単粒化状態のアルファー化米から前記加工米飯を得るのは、上記した請求項1の通りである。なお、上記の所定の水分値及びアルファー化度となった蒸し米、あるいはその蒸し米を乾燥して所定の水分値とした乾燥蒸し米を真空冷却し、単粒化するまでの工程は、上記の請求項1又は2に記載のとおり、最終的に加圧加熱調理するから、例えば、常圧の無菌室にて冷却し、熟成し、単粒化するなど、上記したような厳格な無菌保持を簡略化しても良い。
そして、上記の方法にて得られたアルファー化米の水分値は、上記のとおり5重量%ないし50重量%の範囲であるが、好ましくは35重量%±2重量%ないし42重量%±2重量%の範囲である。その理由はすでに述べたように0.25kg/cm2ないし1.5kg/cm2の水蒸気で8分間ないし12分間ほど蒸すと、アルファー化度は90ないし99%程度になり、その水分値は、35重量%±2重量%ないし42重量%±2重量%程度となり、この蒸し米から35重量%±2重量%未満とするには別途乾燥機により乾燥させなければならないからである。一方、水分値を42重量%±2重量%を越えて50重量%の範囲にするには、すでに述べたように蒸し器で蒸す過程で1ないし3回ほど加水する必要があるが、同じ蒸し器内での加水操作が増えただけであり、更に美味しいご飯の水分値と言われている50重量%ないし65重量%により近づき、あと処理がなお一層容易になる。
また、請求項3の発明にかかる加工米飯は、前記水が、調味液であることを特徴とするものである。
前記水は、すなわち、HOとしてアルファー化米の水分値5重量%ないし50重量%の範囲のものを、美味しいご飯の水分値と言われる50重量%ないし65重量%にするのに必要であり、それに見合う十分な量があれば良いのである。したがって、それに見合う十分な量の水さえ確保されていれば、その水に調味料が添加され調味液となっていても何ら差し支えないのである。なお、この調味料には限定がないから、加工米飯の味を増したり栄養価を向上させたり、その他種々のものが利用出来る。
また、前記調味液は、単に水に調味料のみを添加したものばかりか、調理済みの具材あるいは未調理の具材を含有させたものと定義する。すなわち、調味液にアルファー化米の水分値5重量%ないし50重量%の範囲のものを、美味しいご飯の水分値と言われる50重量%ないし65重量%にするのに必要にして十分な量の水が含まれていれば良く、この量の水が確保されている限り、その水に調味料ばかりか、調理済みの具材あるいは未調理の具材を含有させた具材が入っていても、何ら差し支えないのである。
すなわち、本発明は、容器に上記した内容物を充填したあと、85℃ないし130℃の温度にて4分間ないし90分間加圧加熱調理するのであるから、具材は調理済みである必要はなく、生の具材、例えば、魚貝類、牛、豚、鳥などの肉類、野菜などでも何ら差し支えないことになる。仮に、上記の生の具材に菌が紛れ込んだとしても、加圧加熱調理により菌が死滅するので、問題ないことになる。上述したように、調味液に、アルファー化米の水分値5重量%ないし50重量%の範囲のものを、美味しいご飯の水分値と言われる50重量%ないし65重量%の水が含まれていれば良いのであって、この量の水が確保されていれば、その水に調味料、生の具材、さらに、上記した調理済みの具材や栄養剤などが入っていても良いのである。
以上詳述したように、請求項1の発明によれば、必要とする量のご飯が入る容器に、5重量%ないし50重量%のアルファー化米、最適水分値に不足分の水及び所定量の多糖類を、充填し密封してあり、それを加圧加熱調理してあるから、利用時に容器ごと密封のままあるいは開封して加熱すれば、バラ化しやすい炊き立てのご飯を得る。したがって、加熱するだけで、炊き立てのごはんの食感ばかりか、ほぐしが容易であり見た目も良好で、且つ、具材が調理済み、未調理に関係なく具材入り炊き込みご飯など、多種多様の用途に対応することが出来、しかも炊飯時間ゼロの命題もクリアーすることのできる効果がある。
また、請求項2の発明によれば、早炊き米であるアルファー化米であるから、不足分の水及び水溶性多糖類の存在下での加圧加熱調理により、米澱粉が100%アルファー化し不足分の水も吸収して、且つ滅菌状態の炊き立てのご飯を得る。したがって、上記の効果を確実に得ることが出来る。
また、請求項3の発明によれば、利用時に容器ごと加熱すれば、炊き立ての味付けご飯を得る。したがって、上記の効果に加えて、業務用、家庭用にかかわりなく、炊飯時間の取れない場合や炊飯技能が無くても、炊き立ての味付けの炊き込みご飯を得ることが出来る効果がある。
以下、本発明の加工米飯の優位性を実施例により実証する。
容器であるパウチに、粳米のアルファー化米(水分値37重量%)80g、水70g、デキストリン5.6g(水70gに対して8重量%)を収容し真空包装する。これを125℃で20分間加圧加熱調理(レトルト殺菌)したあと、水冷却をおこない常温保管する。1週間常温保管したものを、500Wの電子レンジで1分30秒間加熱して開封したところ、炊き立てのふっくらしたご飯を得ることが出来、ほぐしがうまくゆき、見た目を良好にすることが出来た。
パウチに、粳米のアルファー化米(水分値37重量%)80g、水70g、デキストリン5.6g(水70gに対して8重量%)を収容し真空包装する。これを95℃で90分間加熱調理(ボイル殺菌)したあと、水冷却をおこない冷蔵保管する。1週間冷蔵保管したものを、500Wの電子レンジで1分間加熱して開封したところ、炊き立てのふっくらしたご飯を得ることが出来、ほぐしがうまくゆき、見た目も良好にすることが出来た。
パウチに、粳米のアルファー化米(水分値37重量%)80g、水70g、デキストリン5.6g(水70gに対して8重量%)を収容し真空包装する。これを95℃で90分間加熱調理(ボイル殺菌)したあと、水冷却をおこない急速冷凍して冷凍保管する。1週間冷凍保管したものを、500Wの電子レンジで1分間加熱して開封したところ、炊き立てのふっくらしたご飯を得ることが出来、ほぐしがうまくゆき、見た目も良好にすることが出来た。
〈比較例1〉
パウチに、粳米のアルファー化米(水分値37重量%)80g、水70gを収容し真空包装する。これを125℃で20分間加圧加熱調理(レトルト殺菌)したあと、水冷却をおこない常温保管する。1週間常温保管したものを、500Wの電子レンジで1分30秒間加熱して開封したところ、炊き立てではあるがパウチの形状が残ったご飯を得、ほぐしを試みたがうまくゆかず、見た目を良好にすることが出来なかった。
パウチに、粳米のアルファー化米(水分値37重量%)80g、調味液70g、具材として調理済みのタケノコ、人参、鶏肉20g、デキストリン5.6g(調味液70gに対して8重量%)を収容し真空包装する。これを125℃で20分間加圧加熱調理(レトルト殺菌)したあと、水冷却をおこない常温保管する。1週間常温保管したものを、500Wの電子レンジで1分30秒間加熱して開封したところ、炊き立てのふっくらした具材を含んだ味付けの炊き込みご飯を得ることが出来、ほぐしがうまくゆき、見た目も良好にすることが出来た。
〈比較例2〉
デキストリン5.6gをパウチに収容していないこと以外、実施例4と同様に加圧加熱調理(レトルト殺菌)したあと、水冷却をおこない常温保管する。1週間常温保管したものを、500Wの電子レンジで1分30秒間加熱して開封したところ、炊き立てではあるがパウチの形状が残った具材を含んだ味付けの炊き込みご飯を得、ほぐしを試みたがうまくゆかず、見た目を良好にすることが出来なかった。
上記の結果、実施例1ないし4は、いずれも炊き立てのふっくらしたご飯を得ることが出来、ほぐしがうまくゆき、見た目も良好にすることが出来たのに対し、比較例1ないし2は、いずれも炊き立てではあるが、パウチの形状が残ったご飯となり、ほぐしを試みたがうまくゆかず、見た目を良好にすることが出来なかった。
以上、本発明を実施するための形態を説明したが、具体的な構成はこれらに限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲での変更は適宜可能でるとは理解されるべきである。
本発明の加工米飯は、加熱するだけで、炊き立てのご飯の食感ばかりか、ほぐしが容易であり見た目も良好にしたい場合や、具材が調理済み、未調理に関係なく具材入り炊き込みご飯など、多種多様の用途に対応させ得て、しかも炊飯時間ゼロの命題もクリアーしたいような場合に、特にその利用可能性が極めて高くなる。

Claims (3)

  1. 水分値が5重量%ないし50重量%で、米の澱粉の少なくとも一部をアルファー化し且つ無菌状態で冷却してなる早炊き米である、アルファー化米に対して、50重量%ないし65重量%の範囲の最適水分値となるように水を加えると共に所定量の多糖類を加えたのち、容器にて真空包装し、80℃ないし130℃の温度にて4分間ないし90分間加圧加熱調理してなることを特徴とする加工米飯。
  2. 前記アルファー化米は、所定の洗米及び吸水工程を済ませた米を、水蒸気で蒸し且つ必要に応じて水蒸気で蒸す過程で加水して米澱粉の少なくとも一部をアルファー化し、さらに必要に応じて乾燥しその蒸し米の水分を5重量%ないし50重量%にしたあと、無菌状態で冷却してなる早炊き米である請求項1記載の加工米飯。
  3. 前記水は、調味液である請求項1または2記載の加工米飯。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012115185A (ja) * 2010-11-30 2012-06-21 Q P Corp パウチ入り米加工食品の製造方法、及び前記パウチ入り米加工食品を用いた味付き米飯の製造方法
JP2013240311A (ja) * 2012-05-17 2013-12-05 Asano Shokuhin:Kk 冷凍貯蔵米飯
CN110432434A (zh) * 2019-07-29 2019-11-12 中国农业科学院农产品加工研究所 一种适用于自热食品的方便米饭及其制备方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012115185A (ja) * 2010-11-30 2012-06-21 Q P Corp パウチ入り米加工食品の製造方法、及び前記パウチ入り米加工食品を用いた味付き米飯の製造方法
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