JP2012089559A - 窒化物系化合物半導体素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】GaN基板上に窒化物系化合物半導体が積層されたウエハーをチップ状に分離する方法であって、前記GaN基板を厚み100μm以上210μm以下になるように研磨する工程と、前記ウエハーの窒化物系化合物半導体が積層された側に、前記ウエハーに対してカッターの中心軸の角度が60°より大きく75°より小さく、カッター押し込み深さが前記GaN基板の厚みの5%以下でカッターにより割り溝を形成する工程と、前記ウエハーを、窒化物系化合物半導体が積層された側から、またはGaN基板側から、前記割り溝の位置に沿って、ブレード押し込み深さが前記GaN基板の厚みの25%以上60%以下でブレードにより荷重衝撃を与えて割断する工程と、を具備することを特徴とする。
【選択図】図4
Description
これにより、高い歩留まりで正確に切断することができ、一枚のウエハーから取り出せるチップ数を増加させて、生産性が向上する。
これにより、ウエハーの割断を容易にすることができる。
これにより、カッターによる加工幅を制限して半導体層や電極の破損を防ぎ、かつウエハーの未切断を防ぐことができる。
図1〜4は、それぞれ本発明の製造方法の一工程を示す概略断面図であり、図5は本発明の製造方法の一工程を示す概略図である。
また、カッター21のウエハーに対する押し込み深さは、研磨後のGaN基板11の厚みの5%以下が好ましい。これにより、カッターがウエハー外周部と接触する際に生じるカッターの跳ねを抑制することができ、外周部の歩留りを向上させることができる。
ウエハー1に対して押圧するカッター21の荷重は、0.2N以上0.4N以下が好ましく、0.3Nがさらに好ましい。荷重が大きすぎると割り溝の幅が大きくなって半導体層や電極を破損する恐れがあり、小さすぎると割り溝31が形成できない。したがって、このようにカッターによる加工幅を制限する事で、半導体層や電極の破損を防ぎ、かつウエハーの未割断を防ぐことができる。また、形成する割り溝が深くなり過ぎることを防ぎ、したがって先行して形成した割り溝に対して直交する割り溝を形成する際に、ウエハー上でカッターが跳ねることを抑制することができる。
カッター21の押し込み深さ、荷重においては、露出したn型層12内に溝31を形成するために、適宜調整することができる。
一方、GaN基板11側に割り溝31を形成した場合、半導体層20側またはGaN基板11側のどちらからブレードによる荷重衝撃を与えても、割り溝31が起点となってGaN基板11側から半導体層20側に向かって割れが進む。したがって、GaN基板11が割り溝31から垂直方向に割れなかったとき、半導体層20や電極が損傷する恐れがある。
厚さ550μm、大きさ3インチφのGaN基板11の上に順にn型GaN(n型層12)10.5μmと、p型GaN(p型層13)0.1μmとを積層したウエハー1を用意した。このウエハー1のn型GaNとp型GaNが積層された半導体層20側から、予め所定の形状で1.2μmの深さでエッチングして、図1に示すように電極を設けるべきn型GaNを一部露出させた後、n電極とp電極をそれぞれn型GaNとp型GaN上に形成した。分離させやすくするために、ウエハー1のGaN基板11側を研磨機により研磨して、GaN基板11の厚みを200μmにした。
実施例1の割り溝31を形成する工程において、角度dが、55°〜75°になるようにカッター21を傾け、カッター押し込み深さ5μm、荷重0.3Nで1ラインにつき3回スクライブしてウエハー1に割り溝31を形成した。形成した割り溝を、光学顕微鏡で上面から撮影した写真を、図6A〜D(A:55°、B:60°、C:65°、D:75°)に示す。角度dを60°以下にするとカッター21の刃先がウエハー1に対して平坦になり、ウエハー1と刃先との接触面積が大きくなるため、ウエハー1に割り溝31が入りにくく、また角度dを75°以上にすると、カッター21がウエハー1上ではね易くなった。この後、引き続き割り溝31に沿ってブレード23による荷重衝撃を与え、チップに分離することができたのは角度dが65°のもののみであった。
実施例1の溝を形成する工程において、溝をナノレーザーで加工速度15mm/sec、レーザーパワー1W、レーザー周波数100kHzにて深さ50μmほどの溝を形成した後応力をかけて切り込み面で割り、かつブレードによる割断を行わなかった以外は実施例1と同様にして、チップに分離した。
参考例1の溝を形成する工程において、溝をナノレーザーでGaN基板11側から加工速度15mm/sec、レーザーパワー1W、レーザー周波数100kHzにて深さ50μmほどの溝を形成する他は参考例1と同様にして、チップに分離した。
実施例1の研磨後のウエハーをダイサーのステージに固定し、ブレード幅30μmのブレードを用いて、半導体層側からX軸とY軸方向にそれぞれ320μmピッチ、押し込み深さ100μmでダイシングしてハーフカットした。ハーフカット後、ウエハーをステージから取り外し、GaN基板側から軽くローラーで押さえることによりチップに分離したが、歩留まりは約5%であった。
光出力については実施例1及び参考例1〜3の光出力を算出し、実施例1を100%として、参考例1〜3の光出力の比率を比較した。結果を表1に示す。また、実施例1、参考例3については半導体チップの形状を走査型電子顕微鏡(SEM)により比較した。
ダイサーで割断した参考例3のチップは、切断線で無数のクラックが生じた。GaN基板はブレードの幅でブレードが押し込まれた深さまで削り取られ、ブレードでハーフカットしなかったGaN基板の断面には、実施例1と同様にほぼ真っ直ぐな縦線が複数入っていた。
実施例1は参考例1〜3と比較して、光出力の向上がみられた。
11 GaN基板
12 n型層
13 p型層
20 半導体層
21 カッター
22 テーブル
23 ブレード
31 溝
Claims (3)
- GaN基板上に窒化物系化合物半導体が積層されたウエハーをチップ状に分離する方法であって、
前記GaN基板を厚み100μm以上210μm以下になるように研磨する工程と、
前記ウエハーの窒化物系化合物半導体が積層された側に、前記ウエハーに対してカッターの中心軸の角度が60°より大きく75°より小さく、カッター押し込み深さが前記GaN基板の厚みの5%以下でカッターにより割り溝を形成する工程と、
前記ウエハーを、窒化物系化合物半導体が積層された側から、またはGaN基板側から、前記割り溝の位置に沿って、ブレード押し込み深さが前記GaN基板の厚みの25%以上60%以下でブレードにより荷重衝撃を与えて割断する工程と、
を具備することを特徴とする窒化物系化合物半導体チップの製造方法。 - 前記ブレードにより荷重衝撃を与えて割断する工程は、前記ウエハーのGaN基板側からであることを特徴とする請求項1に記載の窒化物系化合物半導体チップの製造方法。
- 前記カッターにより割り溝を形成する工程は、前記ウエハーに対して押圧するカッターの荷重が0.2N以上0.4N以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の窒化物系化合物半導体チップの製造方法。
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