JP2012084689A - 固体電解コンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】固体電解コンデンサにおいて、その大容量化を実現しつつ、該固体電解コンデンサの低ESR化を実現することである。
【解決手段】本発明に係る固体電解コンデンサは、コンデンサ素子1を有している。ここで、該コンデンサ素子1は、表面に誘電体被膜が形成された陽極部材を巻回した巻回体と、陽極部材に接続されると共に巻回体の巻回端面から引き出された複数の陽極リード12,12と、巻回体の内部及び外周面上に形成された固体電解質層と、固体電解質層が形成された巻回体の外周面上に形成された陰極層15とを具えている。そして、複数の陽極リード12,12は、陽極端子3と電気的に接続され、陰極層15は、陰極端子4と電気的に接続されている。コンデンサ素子1は、外装部材2で被覆され、陽極端子3および陰極端子4の一部が外装部材2から露出している。
【選択図】図1

Description

本発明は、巻回型の固体電解コンデンサに関する。
図10に示す様に、この種の固体電解コンデンサは、従来、陽極箔(801)と陰極箔(802)の両箔を、これらの間にセパレータ(803)を介在させて巻回することにより構成された巻回体(80)と、陽極箔(801)に電気的に接続されて巻回体(80)から引き出された陽極リード(81)と、陰極箔(802)に電気的に接続されて巻回体(80)から引き出された陰極リード(82)とを具えている(例えば、特許文献1参照)。ここで、陽極箔(801)の表面には、誘電体被膜が形成されている。又、陽極箔(801)と陰極箔(802)との隙間には、該隙間に電解重合液を含浸させて重合させることにより、固体電解質層が形成されている。
上記固体電解コンデンサは、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置から生じる高周波ノイズを除去するノイズフィルタとして機能させることが出来る。
特開2002−83750号公報 特開平4−154107号公報
近年、電子機器の小型化に伴い、固体電解コンデンサにおいて、それが小型であるにも拘わらず大容量であるものが求められている。又、CPU等の処理装置は、その動作速度が高速化しており、このため、処理装置に供給される電流量が増大し、又、ノイズの帯域が高周波側へシフトする傾向にある。従って、固体電解コンデンサにおいて、その低ESR(等価直列抵抗)化が求められている。
しかしながら、従来の固体電解コンデンサにおいて大容量化を実現しようとすると、陽極箔(801)と陰極箔(802)の巻回量を増やしてこれらの対向面積を増大させる必要があり、これに伴って固体電解コンデンサが大型化することになる。
固体電解コンデンサの大容量化を実現するべく、次の構成を有した固体電解コンデンサが提案されている(例えば、特許文献2参照)。即ち、この固体電解コンデンサは、コンデンサ素子と、陽極端子と、陰極端子とを具えている。コンデンサ素子は、表面に誘電体被膜が形成された1枚の陽極箔を巻回して構成された巻回体と、陽極箔に電気的に接続されて巻回体から引き出された1本の陽極リードと、巻回体の内部及び外周面上に形成された固体電解質層と、巻回体の外周面の上方にて固体電解質層上に形成された陰極層とから構成されている。そして、陽極端子は、陽極リードに電気的に接続され、陰極端子は、コンデンサ素子の陰極層に電気的に接続されている。
上記固体電解コンデンサによれば、コンデンサ素子を作製する過程で陰極箔を巻回する必要がない。従って、陰極箔がない分を陽極箔に置き換えて陽極箔の巻回量を増やすことが出来る。よって、上記固体電解コンデンサよれば、該固体電解コンデンサの大容量化を実現することが可能である。その一方で、該固体電解コンデンサにおいては、陽極箔近傍の位置にて該陽極箔に対向していた陰極箔が存在しなくなる。従って、巻回体内の陰極側の電子が陰極端子に到達するまでに、該電子は固体電解質層を通じて長い距離を移動する必要がある。又、固体電解質層は、金属からなる陰極箔に比べて電気抵抗が大きい。このため、巻回体の陰極側に生じる電気抵抗が大きく、従って、固体電解コンデンサのESRが大きくなっていた。
そこで本発明の目的は、固体電解コンデンサにおいて、その大容量化を実現しつつ、該固体電解コンデンサの低ESR化を実現することである。
本発明に係る固体電解コンデンサは、コンデンサ素子を有している。ここで、該コンデンサ素子は、表面に誘電体被膜が形成された陽極部材を巻回した巻回体と、前記陽極部材に接続されると共に前記巻回体の巻回端面から引き出された複数の陽極リードと、前記巻回体の内部及び外周面上に形成された固体電解質層と、前記固体電解質層が形成された巻回体の外周面上に形成された陰極層とを具えている。そして、前記複数の陽極リードは、陽極端子と電気的に接続され、前記陰極層は、陰極端子と電気的に接続されている。前記コンデンサ素子は、外装部材で被覆され、前記陽極端子および陰極端子の一部が前記外装部材から露出している。尚、陽極部材には、陽極箔が含まれる。
上記固体電解コンデンサにおいては、巻回体を構成する陽極部材に複数の陽極リードが電気的に接続されている。従って、巻回体を構成する陽極部材に1本の陽極リードが電気的に接続されているに過ぎない従来の固体電解コンデンサに比べて、陽極リードの本数が増加した分、各陽極リードが担う陽極部材の長さ寸法が小さい。よって、陽極部材自体に生じる電気抵抗が小さく、その結果、固体電解コンデンサの低ESR化が実現されることになる。又、上記固体電解コンデンサにおいて、巻回体が複数の陽極部材から構成され、各陽極部材に陽極リードが電気的に接続されている場合、陽極端子と陰極端子との間にて複数の陽極部材が並列に接続されることになる。よって、固体電解コンデンサの更なる低ESR化が実現されることになる。
又、上記固体電解コンデンサにおいては、コンデンサ素子を作製する過程で陰極箔を巻回する必要がない。従って、陰極箔がない分を陽極部材に置き換えて陽極部材の巻回量を増やすことが出来る。よって、上記固体電解コンデンサよれば、該固体電解コンデンサの大容量化を実現することが可能である。
更に、上記固体電解コンデンサにおいては、その製造過程にてコンデンサ素子を陽極端子及び陰極端子上に搭載したとき、複数の陽極リードが陽極端子上に載置されることになる。従って、コンデンサ素子は、陽極端子及び陰極端子上にて安定した姿勢を維持することが可能である。
上記固体電解コンデンサの具体的構成において、前記複数の陽極リードは、陽極端子の上面に沿って一列に並んで配置された態様で、該陽極端子と電気的に接続されている。
上記固体電解コンデンサの他の具体的構成において、前記コンデンサ素子の巻回体は、その巻回軸に対する断面において、前記陰極端子の上面に沿う方向の長さ寸法が、該上面に略垂直な方向の長さ寸法より大きい形状を有している。
上記具体的構成によれば、コンデンサ素子の巻回体が扁平形状を有することになる。従って、コンデンサ素子の陰極層と陰極端子との電気的な接続面積が増大し、その結果、固体電解コンデンサのESRが更に低減されることになる。又、コンデンサ素子の高さ寸法が小さくなるので、固体電解コンデンサの低背化が実現されることになる。
本発明に係る固体電解コンデンサによれば、その大容量化を実現しつつ、該固体電解コンデンサの低ESR化を実現することが出来る。
図1は、本発明の一実施形態に係る固体電解コンデンサを示した斜視図である。 図2は、該固体電解コンデンサについて、図1に示されるA−A線に沿う断面図である。 図3は、該コンデンサ素子を構成する巻回体を示した斜視図である。 図4は、上記固体電解コンデンサの側面図である。 図5は、該固体電解コンデンサを、陽極リードの延在方向から見た平面図である。 図6は、上記固体電解コンデンサの第1変形例を示した側面図である。 図7は、図6に示される固体電解コンデンサを、陽極リードの延在方向から見た平面図である。 図8は、上記固体電解コンデンサの第2変形例を示した断面図である。 図9は、図8に示される固体電解コンデンサのコンデンサ素子を作製する工程の内、巻回工程の説明に用いられる図である。 図10は、従来の固体電解コンデンサを示した斜視図である。
以下、本発明の実施の形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る固体電解コンデンサを示した斜視図である。図1に示す様に、該固体電解コンデンサは、コンデンサ素子(1)と、該コンデンサ素子(1)を被覆する外装部材(2)と、陽極端子(3)と、陰極端子(4)とを具えている。尚、外装部材(2)は、エポキシ樹脂等の樹脂から形成されている。
図2は、上記固体電解コンデンサについて、図1に示されるA−A線に沿う断面図である。図2に示す様に、コンデンサ素子(1)は、円柱形状を有する巻回体(11)と、2本の陽極リード(12)とを有している。そして、巻回体(11)には、誘電体被膜(図示せず)と、固体電解質層(図示せず)と、陰極層(15)とが形成されている。
巻回体(11)は、図3に示す様に、2枚の陽極箔(111)(111)を、各陽極箔(111)にセパレータ(112)を重ね合わせて巻回することにより構成されている。ここで、各陽極箔(111)は、アルミニウム、タンタル、ニオブ等の弁作用金属から構成されている。又、各陽極箔(111)の表面には、誘電体被膜が形成されている。尚、巻回体(11)は、陽極箔(111)に限らない種々の陽極部材を用いて構成されていてもよい。
2本の陽極リード(12)(12)はそれぞれ、2枚の陽極箔(111)(111)に1本ずつ電気的に接続されており、各陽極リード(12)は、巻回体(11)の外周面の内、巻回軸(110)に略直交する巻回端面(11a)から引き出されている。ここで、図3に示す様に、該巻回端面(11a)上に存在する陽極リード(12)の引き出し位置P,Pは、巻回軸(110)と交差する同一直線(120)上の位置であって、且つ、巻回軸(110)から互いに反対方向へ所定の距離Lだけ離れた位置に設定されている。
固体電解質層は、巻回体(11)の外周面上に形成されると共に、巻回体(11)の内部に存在する隙間(具体的には、2枚の陽極箔(111)(111)間に存在する隙間)に、該隙間を埋めた状態で形成されている。又、陰極層(15)は、固体電解質層が形成された巻回体(11)の外周面上に形成されている。ここで、陰極層(15)は、巻回体(11)の外周面の上方にて固体電解質層上に形成されたカーボン層(図示せず)と、該カーボン層上に形成された銀ペースト層(図示せず)とによって構成されている。そして、固体電解質層と陰極層(15)とは互いに電気的に接続されている。
ここで、上記コンデンサ素子(1)は、箔作製工程と、巻回工程と、再化成処理工程と、電解質層形成工程と、陰極層形成工程とを順に実行して作製される。
箔作製工程(図示せず)では先ず、陽極箔(111)となる金属箔を用意し、該金属箔の表面にエッチング加工を施して複数の微細な凹凸を形成し、これによって金属箔の表面積を増大させる。次に、金属箔の表面に対して化成処理を施すことにより、該表面に誘電体被膜を形成する。その後、金属箔に切断加工を施して該金属箔を長尺状の所定形状に裁断する。これにより、表面が誘電体被膜によって覆われた複数の陽極箔(111)〜(111)が作製される。尚、作製された陽極箔(111)においては、その切断面に陽極箔(111)の一部が露出することになる。
巻回工程(図3参照)では、2枚の陽極箔(111)(111)にそれぞれ陽極リード(12)を1つずつ取り付けた後、該2枚の陽極箔(111)(111)を、これらの間にセパレータ(112)を介在させて重ね合わせると共に、一方の陽極箔(111)に対して、他方の陽極箔(111)とは反対側から別のセパレータ(112)を重ね合わせる。その後、2枚の陽極箔(111)(111)を、前記一方の陽極箔(111)を内側して巻回し、これによって、巻回体(11)となる巻回構造物(60)を作製する。このとき、巻回構造物(60)の型崩れを防止するべく、巻き止めテープ(113)によって陽極箔(111)の終端部(111a)を巻回構造物(60)の外周面(60a)に固定する。尚、巻回工程では、陽極箔(111)への陽極リード(12)の取付けや陽極箔(111)(111)の巻回によって誘電体被膜にストレスが生じ、これにより誘電体被膜が損傷する虞がある。
再化成処理工程では、巻回構造物(60)を化成液に浸漬させ、この状態で、各陽極リード(12)を通じて各陽極箔(111)に電圧を印加する。これにより、巻回構造物(60)に対して再化成処理が施され、その結果、陽極箔(111)の露出面に酸化被膜(誘電体被膜)が形成され、又、誘電体被膜の損傷した部分が修復され、これによって、各陽極箔(111)の表面全体が誘電体被膜によって覆われて、巻回体(11)が完成する。
電解質層形成工程では、巻回体(11)を、導電性高分子等の化学重合液に浸漬させる。これにより、巻回体(11)の外周面上に化学重合膜が形成され、更には、セパレータ(112)(112)に化学重合液が浸み込むことにより、巻回体(11)の内部に存在する隙間(具体的には、2枚の陽極箔(111)(111)間に存在する隙間)に、該隙間を埋めた状態で化学重合膜が形成され、これらの化学重合膜によって固体電解質層が構成される。尚、導電性高分子には、例えば、ポリチオフェン系、ポリピロール系、又はポリアニリン系の高分子を用いることが出来る。
陰極層形成工程では、巻回体(11)をカーボンペーストに浸漬させて、巻回体(11)の外周面の上方にて固体電解質層上にカーボン層を形成する。その後、巻回体(11)を銀ペーストに浸漬させて、カーボン層上に銀ペースト層を形成する。
図4は、上記固体電解コンデンサの側面図である。又、図5は、該固体電解コンデンサを、陽極リード(12)の延在方向(91)から見た平面図である。図4に示す様に、陽極端子(3)及び陰極端子(4)はそれぞれ、それらの一部が外装部材(2)内に埋設されている。そして、陽極端子(3)は、外装部材(2)の第1側面(2b)から引き出されており、引き出された部分が外装部材(2)の第1側面(2b)及び下面(2a)に沿って折り曲げられている。又、陰極端子(4)は、外装部材(2)の外周面の内、第1側面(2b)とは反対側の第2側面(2c)から引き出されており、引き出された部分が外装部材(2)の第2側面(2c)及び下面(2a)に沿って折り曲げられている。これにより、陽極端子(3)と陰極端子(4)の一部が外装部材(2)の下面(2a)に露出し、これによって外装部材(2)の下面(2a)には陽極端子面(30)と陰極端子面(40)とが形成されている。尚、陽極端子面(30)は、陰極端子面(40)から所定方向(93)へ離間して配置されている。
図4に示す様に、陽極端子(3)及び陰極端子(4)上には、コンデンサ素子(1)が、その各陽極リード(12)の引出し部(121)(各陽極リード(12)の延在方向(91))を前記所定方向(93)と略同一の方向へ向けた姿勢で搭載されている。そして、陰極端子(4)の上面(4a)には、コンデンサ素子(1)の陰極層(15)が対向しており、該陰極層(15)と陰極端子(4)とは、これらの間に導電性接着剤(5)を介在させることによって、互いに電気的に接続されている。
又、図5に示す様に、コンデンサ素子(1)は、2つの陽極リード(12)(12)の引出し部(121)(121)が陽極端子(3)の上面(3a)に沿って一列に並んで配置されることとなる姿勢で、陽極端子(3)及び陰極端子(4)上に搭載されている。ここで、図4に示す様に、陽極端子(3)の上面(3a)は、陰極端子(4)の上面(4a)からの陽極リード(12)の引出し部(121)の高さ寸法Hに応じて、陰極端子(4)の上面(4a)よりも高く配置されている。従って、陽極端子(3)の上面(3a)には、コンデンサ素子(1)の各陽極リード(12)の引出し部(121)が接触している。そして、該引出し部(121)と陽極端子(3)とは、これらの接触面に溶接を施すことよって、互いに電気的に接合されている。
斯くして、上記固体電解コンデンサにおいては、コンデンサ素子(1)の各陽極リード(12)の引出し部(121)が陽極端子(3)に電気的に接続され、コンデンサ素子(1)の陰極層(15)が陰極端子(4)に電気的に接続されている。
上記固体電解コンデンサにおいては、巻回体を構成する2枚の陽極箔(111)(111)にそれぞれ、陽極リード(12)が1本ずつ電気的に接続されている。従って、巻回体を構成する1枚の陽極箔に1本の陽極リードが電気的に接続されているに過ぎない従来の固体電解コンデンサに比べて、陽極リード(12)の本数が増加した分、各陽極リード(12)が担う陽極箔(111)の長さ寸法が小さい。よって、陽極箔(111)自体に生じる電気抵抗が小さく、その結果、固体電解コンデンサの低ESR化が実現されることになる。又、上記固体電解コンデンサにおいては、陽極端子(3)と陰極端子(4)との間にて2枚の陽極箔(111)(111)が並列に接続されることになる。よって、上記固体電解コンデンサによれば、固体電解コンデンサの更なる低ESR化が実現されている。
更に、上記固体電解コンデンサにおいては、コンデンサ素子(1)を作製する過程で陰極箔を巻回する必要がない。従って、陰極箔がない分を陽極箔(111)に置き換えて陽極箔(111)の巻回量を増やすことが出来る。よって、上記固体電解コンデンサよれば、該固体電解コンデンサの大容量化を実現することが可能である。
上記固体電解コンデンサにおいては、その製造過程にてコンデンサ素子(1)を陽極端子(3)及び陰極端子(4)上に搭載したとき、2本の陽極リード(12)(12)の引出し部(121)(121)が陽極端子(3)上に載置されることになる。従って、コンデンサ素子(1)は、陽極端子(3)及び陰極端子(4)上にて安定した姿勢を維持することが可能である。よって、上記固体電解コンデンサによれば、陽極リード(12)と陽極端子(3)との接合不良が発生し難い。
本願発明者は、ESR、静電容量、及び接合不良率について、本実施形態の固体電解コンデンサと従来の固体電解コンデンサとを比較する実験を行っている。下掲の表1に、その実験の結果が示されている。
ここで、従来の固体電解コンデンサとして、図10に示される固体電解コンデンサ(従来例1;例えば、特許文献1参照)と、図1に示される固体電解コンデンサにおいて巻回体(11)と陽極端子(3)とが1本の陽極リード(12)で電気的に接続されているに過ぎない固体電解コンデンサ(従来例2;例えば、特許文献2参照)とを採用した。又、定格電圧を2.5V、静電容量の測定周波数を120Hz、ESRの測定周波数を100kHzとした。接合不良率は、陽極リード(12)と陽極端子(3)との接合不良を検査したときの、検査個数に対する不良個数の割合である。更に、本実施形態の固体電解コンデンサ(実施例1)の外形寸法、及び従来例2の固体電解コンデンサの外形寸法を何れも、長さ寸法7.5mm×幅寸法5.0mm×高さ寸法4.3mmとした。尚、表1には、後述する変形例2の固体電解コンデンサに対して同様の実験を行った結果も示されている。
実験の結果(表1参照)、従来例2のESRが従来例1のESRに比べて大きくなっている。これは、従来例1の固体電解コンデンサ(図10参照)では、巻回体(11)内に陰極箔(802)が存在しているため、巻回体(11)内の陰極側の電子が陰極リード(82)まで移動し易いのに対し、従来例2の固体電解コンデンサでは、巻回体(11)内の陰極側の電子が陰極端子(4)に到達するまでに、該電子は固体電解質層を通じて長い距離を移動する必要があるからである。一方、実施例1のESRは、従来例2のESRに比べて著しく低下して、従来例1のESRと同程度の値まで小さくなっている。これは、陽極リード(12)の本数が増加した分、各陽極リード(12)が担う陽極箔(111)の長さ寸法が小さくなって、陽極箔(111)自体に生じる電気抵抗が小さくなったからである。
又、実験の結果、従来例2及び実施例1の静電容量が従来例1の静電容量に比べて著しく大きくなっている。これは、陽極箔(111)の巻回量が増えた分、固体電解コンデンサの静電容量が増大したからである。更に、実施例1の接合不良率が従来例2の接合不良率に比べて著しく小さくなっている。これは、陽極端子(3)上に1本の陽極リード(12)の引出し部(121)が載置されているに過ぎない場合、陽極端子(3)及び陰極端子(4)上のコンデンサ素子(1)の姿勢が不安定であるのに対し、陽極端子(3)上に2本の陽極リード(12)(12)の引出し部(121)(121)が載置された場合、陽極端子(3)及び陰極端子(4)上のコンデンサ素子(1)の姿勢が安定するからである。
Figure 2012084689
図6は、上記固体電解コンデンサの第1変形例を示した側面図である。又、図7は、図6に示される固体電解コンデンサを、陽極リード(12)の延在方向(91)から見た平面図である。図6及び図7に示す様に、上記固体電解コンデンサにおいて、陽極端子(3)が、コンデンサ素子(1)の各陽極リード(12)の引出し部(121)から下方へ離間して配置される一方、陽極端子(3)の上面(3a)に、導電性を有する接続部材(34)が設けられ、各陽極リード(12)の引出し部(121)と陽極端子(3)とが接続部材(34)を介して互いに電気的に接続されていてもよい。
図8は、上記固体電解コンデンサの第2変形例を示した断面図である。図8に示す様に、上記固体電解コンデンサにおいて、コンデンサ素子(1)の巻回体(11)は、その巻回軸(110)に対する断面において、陰極端子(4)の上面(4a)に沿う方向の長さ寸法L1が、該上面(4a)に略垂直な方向の長さ寸法L2より大きい形状、所謂、扁平形状を有していてもよい。ここで、2本の陽極リード(12)(12)は、巻回体(11)の扁平方向、即ち巻回体(11)の長さ寸法L1の方向に沿って一列に並んで配置されている。
本変形例に係る固体電解コンデンサにおいては、上記巻回工程にて巻回構造物(60)を作製した後、図9に示す様に、巻回構造物(60)に対して、巻回軸(110)に略垂直であって且つ陽極リード(12)が並んだ第1方向(94)に対して略垂直な第2方向(95)の押圧力Fを加えることにより、巻回構造物(60)を扁平させる。これにより、図8に示す如く扁平形状を有する巻回体(11)を作製することが出来る。
この様に作製されたコンデンサ素子(1)の巻回体(11)においては、図8に示す様に、その外周面に、陽極リード(12)が並んだ第1方向(94)に沿う広い平坦面(11b)が形成され易い。これに対し、仮に、巻回構造物(60)に対して第1方向(94)の押圧力を加えることによって、該巻回構造物(60)を扁平させた場合、作製される巻回体(11)の外周面には平坦面が形成され難い。
そして、作製されたコンデンサ素子(1)を、巻回体(11)の平坦面(11b)を陰極端子(4)の上面(4a)に対向させた姿勢で、陽極端子(3)及び陰極端子(4)上に搭載することにより、図8に示す如く本変形例に係る固体電解コンデンサが作製される。
従って、本変形例に係る固体電解コンデンサによれば、コンデンサ素子(1)の陰極層(15)と陰極端子(3)との電気的な接続面積が増大し、その結果、固体電解コンデンサのESRが更に低減されることになる。又、コンデンサ素子(1)の高さ寸法H1が小さくなるので、固体電解コンデンサの低背化が実現されることになる。
尚、巻回構造物(60)に対して押圧力を加えて巻回構造物(60)を扁平させることに代えて、上記巻回工程にて2枚の陽極箔(111)(111)を、巻回構造物(60)が扁平形状となる様に巻回してもよい。
本願発明者は、本変形例に係る固体電解コンデンサについても、ESR、静電容量、及び接合不良率を実験により確かめている(表1参照)。尚、表1では、本変形例に係る固体電解コンデンサを「実施例2」と表記した。実験の結果、実施例2のESRが実施例1のESRに比べて小さくなっている。これは、コンデンサ素子(1)の巻回体(11)が扁平形状を有することにより、コンデンサ素子(1)の陰極層(15)と陰極端子(3)との電気的な接続面積が増大し、これによって固体電解コンデンサのESRが低下したからである。又、本変形例に係る固体電解コンデンサによれば、図2に示される固体電解コンデンサに比べて高さ寸法(外寸)を小さくすることが出来、この実験では、高さ寸法を3.3mmとした。
上記固体電解コンデンサの第3変形例として、各セパレータ(112)に、導電性を有するものを採用してもよい。具体的には、該セパレータ(112)には、金属製のメッシュ、又は金属製又は非金属製のメッシュの表面に金属層が形成されたものを用いることが出来る。ここで、メッシュを構成する金属として、金や白金等の貴金属を採用することにより、セパレータ(112)の耐食性を向上させることが出来る。又、セパレータ(112)として、銅や鉄等の金属からなるメッシュの表面に、メッキによって金やパラジウム等の金属からなる金属層が形成されたものを用いることにより、セパレータ(112)の耐食性を向上させることが出来る。
本変形例に係る固体電解コンデンサにおいては、各陽極リード(12)と陰極層(15)との間に電圧が印加されたとき、巻回体(11)内の陰極側の電子が、導電性を有するセパレータ(112)を通じて陰極層(15)まで移動することになる。従って、巻回体(11)内の陰極側の電子は陰極層(15)まで移動し易い。よって、本変形例に係る固体電解コンデンサによれば、該固体電解コンデンサのESRが更に低減されることになる。
尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。例えば、上記固体電解コンデンサにおいて、巻回体(11)は、1枚の陽極箔(111)を巻回して構成されたものであってもよいし、2枚に限らない複数の陽極箔(111)〜(111)を巻回して構成されたものであってもよい。又、上記固体電解コンデンサは、セパレータ(112)のない構成、即ち、巻回体(11)を構成する陽極箔(111)の間にセパレータ(112)が介在していない構成を有していてもよい。更には、陽極箔(111)に限らない種々の陽極部材を用いて、巻回体(11)が構成されていてもよい。
上記固体電解コンデンサにおいて、巻回体(11)からは、2本に限らない複数の陽極リード(12)〜(12)が引き出されていてもよい。この構成においては、該複数の陽極リード(12)〜(12)の引出し部(121)〜(121)は、陽極端子(3)の上面(3a)、又は接続部材(34)の上面に沿って一列に並んで配置され、これにより、各陽極リード(12)の引出し部(121)と陽極端子(3)とが互いに電気的に接続されることになる。
又、上記固体電解コンデンサにおいて、巻き止めテープ(113)に、導電性を有するものを採用してもよい。これにより、巻き止めテープ(113)を設けたことによるESRの増加を抑制することが出来る。
(1) コンデンサ素子
(11) 巻回体
(11a) 巻回端面
(11b) 平坦面
(110) 巻回軸
(111) 陽極箔(陽極部材)
(112) セパレータ
(113) 巻き止めテープ
(12) 陽極リード
(121) 引出し部
(15) 陰極層
(2) 外装部材
(2a) 下面
(3) 陽極端子
(30) 陽極端子面
(34) 接続部材
(4) 陰極端子
(40) 陰極端子面
(5) 導電性接着剤
(60) 巻回構造物
(60a) 外周面

Claims (3)

  1. 表面に誘電体被膜が形成された陽極部材を巻回した巻回体と、前記陽極部材に接続されると共に前記巻回体の巻回端面から引き出された複数の陽極リードと、前記巻回体の内部及び外周面上に形成された固体電解質層と、前記固体電解質層が形成された巻回体の外周面上に形成された陰極層と、を具えたコンデンサ素子を有し、
    前記複数の陽極リードは、陽極端子と電気的に接続され、
    前記陰極層は、陰極端子と電気的に接続され、
    前記コンデンサ素子は、外装部材で被覆され、前記陽極端子および陰極端子の一部が前記外装部材から露出している固体電解コンデンサ。
  2. 前記複数の陽極リードは、陽極端子の上面に沿って一列に並んで配置された態様で、該陽極端子と電気的に接続される請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 前記コンデンサ素子の巻回体は、その巻回軸に対する断面において、前記陰極端子の上面に沿う方向の長さ寸法が、該上面に略垂直な方向の長さ寸法より大きい形状を有している請求項1又は請求項2に記載の固体電解コンデンサ。
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