JP2012084430A - 酸化物超電導導体の製造方法 - Google Patents

酸化物超電導導体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】超電導特性が良好な酸化物超電導導体を、低コストで製造できる酸化物超電導導体の製造方法の提供。
【解決手段】酸化物超電導導体の製造方法は、YAGレーザーの第3高調波(波長355nm)を、ターゲット27上でのエネルギー密度が1〜3J/cmとなるように該ターゲットの表面に照射して、このターゲットの構成粒子を叩き出し若しくは蒸発させ、この構成粒子を基材25上に堆積させて酸化物超電導層を形成することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、酸化物超電導導体の製造方法に関する。
RE−123系酸化物超電導体(REBaCu7−x:REはY、Gdなどの希土類元素)は、液体窒素温度(77K)よりも高い臨界温度を有しており、超電導デバイス、超電導変圧器、超電導限流器、超電導モータ又はマグネット等の超電導機器への応用が期待されている。
RE−123系酸化物超電導体を導電体として使用するためには、テープ状基材などの長尺基材上に、結晶配向性の良好な酸化物超電導体の薄膜を形成する必要がある。これは、この種の希土類酸化物系超電導体の結晶が、その結晶軸のa軸方向とb軸方向には電気を流しやすいが、c軸方向には電気を流し難いという電気的異方性を有しており、長尺基材上に酸化物超電導層を形成する場合、電気を流す方向にa軸あるいはb軸を配向させ、c軸をその他の方向に配向させる必要があるためである。
ところが、一般には、金属テープ自体が多結晶体でその結晶構造も酸化物超電導体と大きく異なるために、金属テープ上に直接、結晶配向性の良好な酸化物超電導体の薄膜を形成することは難しい。そこで、金属テープからなる基材の上に、中間層を介して酸化物超電導層を積層する技術が知られている。この中間層を利用する技術の一例として、イオンビームアシスト蒸着法(IBAD法:Ion Beam Assisted Deposition)が知られており、この方法は、スパッタリング法によりターゲットから叩き出した構成粒子を基材上に堆積させる際、イオン銃から発生されたアルゴンイオン等を同時に斜め方向(例えば、45度方向)から照射しながら中間層を堆積させる方法として知られている。このIBAD法によれば、高い2軸配向性を示す中間層を基材上に成膜できるので、この中間層上に酸化物超電導薄膜を形成することにより、超電導特性の優れた酸化物超電導導体を得ることができる。
金属テープ上に多結晶中間薄膜が形成された基材上に、RE123系酸化物超電導体を成膜して酸化物超電導層を形成する方法の一つにパルスレーザー蒸着法(PLD法)がある。酸化物超電導層の成膜には、照射光としてエキシマレーザーが主に使用されている(例えば、特許文献1参照)。エキシマレーザーを用いたPLD法により酸化物超電導層を成膜すると、良好な膜質の酸化物超電導層を形成することが可能であり、高い超電導特性が得られやすいことが知られている。そのため、エキシマレーザーを用いたPLD法で酸化物超電導層を成膜する方法が盛んに研究されている。
しかしながら、エキシマレーザーは、高価な希ガスや有毒なハロゲンガスを使用するため、コスト面及び安全面において不利である。そこで、希ガスやハロゲンガスを使用しない他のレーザー光を用いて、酸化物超電導層を成膜する方法の開発が望まれる。
エキシマレーザー以外の光源として、YAGレーザーの酸化物超電導層成膜への適用が検討されている(非特許文献1参照)。
特開2009−283372号公報
第80回2009年度春季低温工学・超電導学会予稿集P118
2009年に開示された非特許文献1では、MgO単結晶基板上およびSrTiO単結晶基板上に、YAGレーザー光の第4高調波(波長266nm)を用いたPLD法により、YBaGd7−xの酸化物超電導層を形成可能なことが記載されている。非特許文献1によれば、MgO単結晶上にYAGレーザーにより形成された超電導薄膜は、臨界電流密度Jcが1.1MA/cmの超電導特性を示し、SrTiO単結晶基板上にYAGレーザーにより形成された超電導薄膜は、臨界電流密度Jcが2.1MA/cmの超電導特性を示す。YAGレーザーはエキシマレーザーと比較して装置が安価であり、ハロゲンガスも使用しないという利点を有するため、エキシマレーザーの代替としては有望であると考えられる。
しかしながら、前述の如く、酸化物超電導体を導電体として使用するためには、金属テープ等の長尺基材上に中間層を介して結晶配向性の良好な酸化物超電導体の薄膜を形成する必要があるが、単結晶基板上にYAGレーザーを用いて酸化物超電導層を成膜することができたという非特許文献1に記載の技術を、金属テープ等の長尺基材上に成膜して超電導導体を製造する技術に適用できるか否かは、各々の製造条件の相違点が多いので、研究を重ねてみなければ明らかではない。
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであり、超電導特性が良好な酸化物超電導導体を、YAGレーザーの特定の高調波を用いて低コストで製造できる酸化物超電導導体の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の酸化物超電導導体の製造方法は、YAGレーザー光の第3高調波(波長355nm)を、ターゲット上でのエネルギー密度が1〜3J/cmとなるように該ターゲットの表面に照射して、このターゲットの構成粒子を叩き出し若しくは蒸発させ、この構成粒子を基材上に堆積させて酸化物超電導層を形成することを特徴とする。
本発明の酸化物超電導導体の製造方法において、前記酸化物超電導層を形成する雰囲気の酸素分圧を90〜120Paとすることができる。
本発明の酸化物超電導導体の製造方法において、前記基材の移動方向を転向させる転向部材を少なくとも一対、対向配置するとともに、これらの転向部材間に前記基材が複数の隣接するレーンを構成するように前記基材を巻回し、該転向部材間にて複数のレーンを構成した状態の前記基材の表面に対向するように前記ターゲット配し、前記基材を前記転向部材間を周回させることにより前記ターゲットの構成粒子の堆積領域を複数回通過させて、該堆積領域を通過毎に前記基材上に前記構成粒子を堆積させて前記酸化物超電導層を形成することもできる。
本発明の酸化物超電導導体の製造方法において、前記基材がイオンビームアシスト蒸着法(IBAD法)により形成された配向層を含む中間層を備え、この中間層上に前記酸化物超電導層を形成することもできる。
本発明の酸化物超電導導体の製造方法は、設備やランニングコストが高価なエキシマレーザーを用いずに、YAGレーザー光の第3高調波を使用することにより低コストで酸化物超電導導体を製造することができる。また、ターゲット上のエネルギー密度が1〜3J/cmとなるように、YAGレーザー光をターゲットに照射して酸化物超電導層を成膜することにより、エネルギー密度が高過ぎてターゲットからの構成粒子の噴流が水平方向に広がり過ぎてしまい、成膜される酸化物超電導層の組成ずれが起こることを防ぐことができる。また、エネルギー密度が低すぎてターゲットの構成粒子を上手く叩き出し若しくは蒸発させることができずに、成膜される酸化物超電導層の結晶配向性が低下することを防ぐことができる。従って、本発明によれば、良好な結晶配向性の酸化物超電導層をエキシマレーザーを用いた場合よりも低コストで成膜することができ、良好な超電導特性の酸化物超電導導体を低コストで製造することができる。
また、本発明の酸化物超電導導体の製造方法において、酸化物超電導層を成膜する雰囲気の酸素分圧を90〜120Paに設定することにより、酸素分圧が高すぎて蒸着粒子と酸素との衝突が多くなり、成膜される酸化物超電導層の表面性が粗くなり結晶配向性が悪くなることを防ぐことができる。また、酸素分圧が低すぎるために、成膜される酸化物超電導層に十分量の酸素が取り込まれず超電導特性が悪くなることを防ぐことができる。従って、成膜される酸化物超電導層の結晶配向性がより良好とすることができ、超電導特性がより良好な酸化物超電導導体を製造することができる。
本発明の酸化物超電導導体の製造方法で使用されるレーザー成膜装置の一例を示す構成説明図である。 図1に示すレーザー成膜装置の要部を示す概略斜視図である。 本発明の製造方法により得られる酸化物超電導導体の一例を示す概略斜視図である。 図3に示す酸化物超電導導体の層構造を詳細に示す構成図である。 イオンビームアシスト蒸着法を実施するための装置構成と成膜状態の一例を示す説明図である。 図6(a)は実施例6の成膜面のSEM写真であり、図6(b)は比較例3の成膜面のSEM写真であり、図6(c)は比較例4の成膜面のSEM写真である。 エキシマレーザーにより成膜した酸化物超電導層の成膜面のSEM写真である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の酸化物超電導導体の製造方法で使用されるレーザー蒸着装置の一例を示す構成説明図であり、図2は図1に示すレーザー蒸着装置の要部を示す概略斜視図である。なお、以下に示す本実施形態では、図3に示す構成の酸化物超電導導体10を製造する場合を例示して説明する。
図3は、本実施形態の酸化物超電導導体の製造方法により得られる酸化物超電導導体10の一例を示す概略斜視図であり、図4は図3に示す酸化物超電導導体10の積層構造の詳細を示す構成図である。
図3に示す酸化物超電導導体10は、長尺のテープ基材1上に中間層2が積層されてなる長尺の基材25の中間層2上に、酸化物超電導層3が積層されて構成されている。
酸化物超電導導体10は、より詳細には図4に示す如く、テープ基材1の上面に拡散防止層11とベッド層12と配向層13とキャップ層14とからなる中間層2が積層され、その上に酸化物超電導層3を積層して構成されているが、図3では図示の簡略化のために中間層2を1層のように描いている。なお、拡散防止層11とベッド層12は必須ではなく、場合によっては略しても良い。
長尺のテープ基材1は、耐熱性の金属や合金からなるものが好ましく、ニッケル(Ni)合金又は銅(Cu)合金からなるものがより好ましい。中でも、市販品であればハステロイ(商品名、ヘインズ社製)が好適であり、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、コバルト(Co)等の成分量が異なる、ハステロイB、C、G、N、W等のいずれの種類も使用できる。
テープ基材1の厚さは、目的に応じて適宜調整すれば良く、通常は、10〜500μmであることが好ましく、20〜200μmであることがより好ましい。下限値以上とすることで強度が一層向上し、上限値以下とすることでオーバーオールの臨界電流密度を一層向上させることができる。
拡散防止層11は、テープ基材1の構成元素拡散を防止する目的で形成されたもので、窒化ケイ素(Si)、酸化アルミニウム(Al、「アルミナ」とも呼ぶ)、あるいは、GZO(GdZr)等から構成され、その厚さは例えば10〜400nmである。拡散防止層11の厚さが10nm未満となると、基材1の構成元素の拡散を十分に防止できなくなる虞がある。一方、拡散防止層11の厚さが400nmを超えると、拡散防止層11の内部応力が増大し、これにより、他の層を含めて全体が基材1から剥離しやすくなる虞がある。また、拡散防止層11の結晶性は特に問われないので、通常のスパッタ法等の成膜法により形成すれば良い。
ベッド層12は、耐熱性が高く、界面反応性を低減するためのものであり、その上に配される膜の配向性を得るために用いる。このようなベッド層12は、例えば、イットリア(Y)などの希土類酸化物であり、組成式(α2x(β(1−x)で示されるものが例示できる。より具体的には、Er、CeO、Dy3、Er、Eu、Ho、La等を例示することができる。ベッド層12の厚さは例えば10〜100nmである。また、ベッド層12の結晶性は特に問われないので、通常のスパッタ法等の成膜法により形成すれば良い。
配向層13は、単層構造あるいは複層構造のいずれでも良く、その上に積層されるキャップ層14の結晶配向性を制御するために2軸配向する物質から選択される。配向層13の好ましい材質として具体的には、GdZr、MgO、ZrO−Y(YSZ)、SrTiO、CeO、Y、Al、Gd、Zr、Ho、Nd等の金属酸化物を例示することができる。配向層13の厚さは、目的に応じて適宜調整すれば良いが、通常は、0.1〜5μmである。
この配向層13をIBAD(Ion-Beam-Assisted Deposition、イオンビームアシスト蒸着)法により良好な結晶配向性(例えば結晶配向度15゜以下)で成膜するならば、その上に形成するキャップ層14の結晶配向性を良好な値(例えば結晶配向度5゜前後)とすることができ、これによりキャップ層14の上に成膜する酸化物超電導層3の結晶配向性を良好なものとして優れた超電導特性を発揮できる酸化物超電導導体10を得ることができる。
例えば、GdZr、MgO又はZrO−Y(YSZ)からなる配向層13は、IBAD法における結晶配向度を表す指標であるΔΦ(FWHM:半値全幅)の値を小さくできるため、特に好適である。
前記IBAD法による配向層13は例えば図5に示す装置により成膜される。
図5に示す装置は、拡散防止層11とベッド層12を備えたテープ基材1をその長手方向に走行するための走行系(図示略)と、その表面がテープ基材1の表面に対して斜めに向いて対峙されたターゲット41と、ターゲット41にイオンを照射するスパッタビーム照射装置42と、テープ基材1の表面に対して斜め方向からイオン(希ガスイオンと酸素イオンの混合イオン)を照射するイオン源43とを有しており、これらの各装置は真空容器(図示略)内に配置されている。
図5に示す装置によってテープ基材1上のベッド層12の上に配向層13を形成するには、真空容器の内部を減圧雰囲気とし、スパッタビーム照射装置42及びイオン源43を作動させる。これにより、スパッタビーム照射装置42からターゲット41にイオンを照射し、ターゲット41の構成粒子を叩き出すか蒸発させてベッド層12上に堆積する。これと同時に、イオン源43から、希ガスイオンと酸素イオンとの混合イオンを放射し、テープ基材1の表面(ベッド層12)に対して所定の入射角度(θ)で照射する。
このように、ベッド層12の表面に、ターゲット41の構成粒子を堆積させつつ、所定の入射角度でイオン照射を行うことにより、形成されるスパッタ膜の特定の結晶軸がイオンの入射方向に固定され、結晶のc軸が金属基板の表面に対して垂直方向に配向するとともに、結晶のa軸及びb軸が面内において一定方向に配向する。このため、IBAD法によってベッド層12上に形成された配向層13は、高い面内配向度、例えばΔφ=12〜16゜程度を得ることができる。
キャップ層14は、上述のように面内結晶軸が配向した配向層13表面に成膜されることによってエピタキシャル成長し、その後、横方向に粒成長して、結晶粒が面内方向に自己配向し得る材料であれば特に限定されないが、好ましいものとして具体的には、CeO、Y、Al、Gd、Zr、Ho、Nd等が例示できる。キャップ層14の材質がCeOである場合、キャップ層14は、Ceの一部が他の金属原子又は金属イオンで置換されたCe−M−O系酸化物を含んでいても良い。
例えばCeOによって構成されるキャップ層14は、上述のように自己配向していることにより、配向層13よりも更に高い面内配向度、例えばΔΦ=4〜6゜程度を得ることができる。
キャップ層14は、例えば、PLD法(パルスレーザ蒸着法)、スパッタリング法等で成膜することができるが、大きな成膜速度を得られる点でPLD法を用いることが望ましい。PLD法によるCeO層の成膜条件としては、基材温度約500〜1000℃、約0.6〜100Paの酸素ガス雰囲気中で行うことができる。
キャップ層14であるCeO層の膜厚は、50nm以上であればよいが、十分な配向性を得るには100nm以上が好ましい。但し、厚すぎると結晶配向性が悪くなるので、50〜5000nmの範囲、より好ましくは100〜5000nmの範囲とすることができる。
このように、良好な配向性を有する中間層2上に酸化物超電導層3を形成すると、酸化物超電導層3も中間層2の配向性に整合するように結晶化する。よって良好な配向性を有する中間層2上に形成された酸化物超電導層3は、結晶配向性に乱れが殆どなく、酸化物超電導層3を構成する結晶粒の1つ1つにおいては、テープ基材1の厚さ方向に電気を流しにくいc軸が配向し、テープ基材1の長さ方向にa軸どうしあるいはb軸どうしが配向している。従って得られた酸化物超電導層3は、結晶粒界における量子的結合性に優れ、結晶粒界における超電導特性の劣化が殆どないので、テープ基材1の長さ方向に電気を流し易くなり、十分に高い臨界電流密度が得られる。
酸化物超電導層3を構成する超電導体としては、RE−123系酸化物超電導体(REBaCu7−x:REはY、La、Nd、Sm、Eu、Gd等の希土類元素)が挙げられ、Y123(YBaCu7−x)又はGd123(GdBaCu7−x)等が好ましいものとして挙げられるが、その他の酸化物超電導体、例えば、(Bi,Pb)CaSrCuなる組成などに代表される臨界温度の高い酸化物超電導体からなるものも適用できる。酸化物超電導層の厚みは0.5〜5μm程度で、かつ均一な厚みとなっている。また、酸化物超電導層の膜質は均一となっており、酸化物超電導層3の結晶のc軸とa軸とb軸も中間層2またはキャップ層14の結晶に整合するようにエピタキシャル成長して結晶化しており、結晶配向性が優れたものとなっている。
酸化物超電導導体10は、酸化物超電導層3上にさらに金属安定化層を積層し、得られた積層体の露出面を絶縁層で被覆することで、超電導線材とすることができる。
金属安定化層は、酸化物超電導層3の一部領域が常電導状態に遷移しようとした場合に、酸化物超電導層3からの電流を転流させることで、酸化物超電導層3を安定化させて焼損を防止するものであり、導電性が良好な金属からなるものが好ましい。金属安定化層の材質として具体的には、銀、銀合金、銅又は銅合金が例示できる。金属安定化層の厚さは、1〜30μmであることが好ましい。下限値以上とすることで、酸化物超電導層3を安定化する一層高い効果が得られ、上限値以下とすることで、超電導線材を薄型化できる。金属安定化層は、公知の方法で積層できるが、なかでもスパッタ法が好ましい。また、金属安定化層を形成する最終工程で、酸素熱処理を行うことが好ましい。
絶縁層は、従来公知の絶縁性材質からなるものであり、具体的には、樹脂や酸化物などから形成されている。絶縁層による被覆の厚さは特に限定されず、被覆対象部位等に応じて、適宜調節すれば良い。絶縁層は、その材質に応じて公知の方法で形成すれば良い。
本発明の酸化物超電導導体の製造方法の実施に使用されるレーザー蒸着装置20は、レーザー光Lによってターゲット27から叩き出され若しくは蒸発した構成粒子の噴流(プルーム29)を基材25上に堆積させ、この構成粒子による薄膜を基材25上に形成する、レーザー蒸着法による成膜装置である。なお、以下の説明において、ターゲット27の構成粒子の堆積領域35とは、レーザー光Lの照射によりターゲット27から叩き出され若しくは蒸発した構成粒子(蒸着粒子)の噴流であるプルーム29が形成された領域を意味する。
図1および図2に示すレーザー蒸着装置20は、テープ状の長尺の基材25を巻回するリールなどの巻回部材を複数個同軸的に配列してなり、離間して対向配置された基材25の移動方向を転向する一対の転向部材群23、24と、転向部材群23の外側に配置された基材25を送り出すための送出リール21と、転向部材群24の外側に配置された基材25を巻き取るための巻取リール22と、転向部材群23、24の巻回により複数列とされた基材25を支持する基材ホルダ26と、基材ホルダ26に内蔵された基材25を加熱するための加熱手段34と、転向部材郡23、24間を走行する基材25と対向配置されたターゲット27と、ターゲット27にレーザー光Lを照射するYAGレーザー光発光手段28とを備えて構成されている。転向部材群23、24、送出リール21及び巻取リール22を駆動装置(図示略)により互いに同期して駆動させることにより、送出リール21から送り出された長尺の基材25が転向部材群23、24を周回し、巻取リール22に巻き取られるようになっている。
長尺の基材25は、成膜面である中間層12側が外側となるように一対の転向部材群23、24に巻回されており、これらの転向部材群23、24を周回することにより、ターゲット27の構成粒子(蒸着粒子)の堆積領域35にて複数列レーンを構成するように配置されている。そのため、レーザー蒸着装置20は、レーザー光Lをターゲット27の表面に照射し、ターゲット27から叩き出され若しくは蒸発した構成粒子の噴流(プルーム29)を、ターゲット27に対向する領域(ターゲット27の構成粒子の堆積領域35)を走行する基材25の表面(中間層12の表面)に向けて、基材25上に蒸着粒子を堆積させることができる。また、基材25が堆積領域35にて複数列レーンを構成するように配置されていることにより、ターゲット27からの蒸着粒子を良好な収率で基材25上に堆積させることができ、ターゲット27を有効利用することができる。
処理容器31には、真空排気装置32が接続され、この真空排気装置32により処理容器31内を所定の圧力に減圧するようになっている。
基材25、基材25の移動方向を転向させる転向部材群23、24、送出リール21、巻取リール22、ターゲット27および基材ホルダ26は、処理容器31内に収容され、処理容器31内の圧力が所定の圧力に減圧されている間は、基材25の長手方向の全体が処理容器31内の減圧下に置かれるようになっている。
ターゲット27の構成粒子の堆積領域35を走行する複数の基材25を支持する基材ホルダ26内には、加熱手段34が配されており、この加熱手段34により基材ホルダ26の温度を所定の温度に保つことができる。そのため、堆積領域35を通過中の基材25は、その成膜面(中間層12側)とは反対側の面(テープ基材11側)から、加熱手段34および基材ホルダ26からの放熱により所定の温度に加熱された状態でターゲット27の構成粒子が堆積し、成膜される。
加熱手段34としては、熱を放散して基材ホルダ26および堆積領域35内の基材25を加熱することができるものであれば特に限定されず、通電式の加熱ヒーター等が挙げられる。
ターゲット27は、形成しようとする酸化物超電導層3と同等または近似した組成、あるいは、成膜中に逃避しやすい成分を多く含有させた複合酸化物の焼結体あるいは酸化物超電導体などの板材からなっている。従って、酸化物超電導体のターゲットは、RE−123系酸化物超電導体(REBaCu7−x:REはY、La、Nd、Sm、Eu、Gd等の希土類元素)またはそれらに類似した組成の材料を用いることができる。RE−123系酸化物として好ましいのは、Y123(YBaCu7−x)又はGd123(GdBaCu7−x)等であるが、その他の酸化物超電導体、例えば、BiSrCaCuなる組成などに代表される臨界温度の高い酸化物超電導体と同一の組成か、近似した組成のものを用いることが好ましい。
YAGレーザー光発光手段28からは、レーザー光LとしてYAGレーザー光の第3高調波(波長355nm)が射出され、この第3高調波がターゲット27に照射される。
YAGレーザー光の基本波(1064nm)は非線形結晶を用いて、第2高調波(波長532nm)、第3高調波(波長355nm)、第4高調波(波長266nm)、第5高調波(波長213nm)へと波長を変えることができる。本実施形態においては、ターゲット27の照射するレーザー光Lとして、YAGレーザー光の第3高調波を用いる構成とした。
YAGレーザー光の第4高調波を用いて成膜した場合、第4高調波は基本波〜第3高調波と比較して多数の非線形結晶を介して出力されるため、パルスエネルギーが低くなる。そのため、第4高調波を使用しての成膜では、ターゲットから叩き出される構成粒子が少なくなり、成膜速度が遅くなるため、成膜工程に長時間を要してしまう。
これに対し、YAGレーザー光の第3高調波は、第4高調波および第5高調波と比較して、波長変換に使用する非線形結晶の数が少ないために出力が大きくなり、エキシマレーザーとほぼ同等のパルスエネルギーとなる。そのため、YAGレーザー光の第3高調波を用いて成膜することにより、ターゲット27からの構成粒子(蒸着粒子)の基材25への堆積速度(成膜速度)を良好なものとすることができるので、良好な生産性で酸化物超電導層3を成膜することができる。
また、YAGレーザー光の基本波および第2高調波を用いて成膜した場合、これらのレーザー光は長波長であるために光量子エネルギーが小さく、ターゲット27より叩き出された構成粒子が十分に微粒子化されず、粒径が大きな状態で基材25上に堆積してしまう。その結果、超電導特性の低い酸化物超電導層が成膜される。これに対し、YAGレーザー光の第3高調波はエキシマレーザーとほぼ同等のパルスエネルギーを有するため、ターゲット27の構成粒子が十分に微粒子化されるため、良好な膜質および特性の酸化物超電導層3を成膜することができる。
処理容器31には、YAGレーザー光発光手段28のレーザー光Lを取り込むための窓33が設けられている。本実施形態においては、YAGレーザー光発光手段28は処理容器31の外側に設置されているが、処理容器31の内側に配置することも可能である。
また、レーザー光Lは、その照射位置を移動させる手段(図示略)により、レーザー光Lの照射位置をターゲット27の表面上で移動可能とされていることが好ましい。このようにレーザー光Lの照射位置をターゲット27の表面上で移動可能とすることにより、ターゲット27が局所的に削られて、ターゲット27の寿命が短くなることを防止することがきできる。また、ターゲット27の表面上でレーザー光Lの照射位置を移動可能とすることにより、ターゲット27からのプルーム29を複数発生させて、ターゲット27の構成粒子の堆積領域35を広くすることができる。
ターゲット27はターゲットホルダ(図示略)により固定され、ターゲット移動機構(図示略)によって、平行な面に沿って移動可能に設けられている。さらに、ターゲット27は、ターゲット27の中心を軸として回転可能に設けられていることが好ましい。このように、ターゲット27を移動可能及び回転可能に設けるならば、長時間の成膜を継続して実施しても、ターゲット27の表面がほぼ均一に削られるので、ターゲット27表面の形状乱れによってプルーム29の大きさが変わる不具合を防止することができ、長尺基材25の長手方向に均一な膜厚の酸化物超電導層3を形成することが可能となる。
図1および図2に示す構成のレーザー蒸着装置20を用いて基材25の上(テープ基材1上の中間層2の上面)に酸化物超電導層3を成膜するには、ターゲット27を所定の位置に設置し、次いで、送出リール21に巻回されている長尺の基材25を引き出しながら、転向部材群23、24に成膜面(中間層12側)が外側となるように順次巻回し、その後、長尺の基材25の先端側を巻取リール22に巻き取り可能に取り付ける。
これにより、一対の転向部材群23、24に巻回された長尺の基材25が、これらの転向部材群23、24を周回し、ターゲット27に対向する位置に複数列並んで移動するようになる。その後、真空排気装置32を駆動し、少なくとも転向部材群23、24間を走行する基材25を覆うように設置された処理容器31内を減圧する。
この際、必要に応じて処理容器31内に酸素ガスを導入して容器内を酸素雰囲気としても良く、成膜時の処理容器31内の酸素分圧は90〜120Paに設定することが好ましい。成膜時の雰囲気の酸素分圧を前記範囲に設定することにより、成膜される酸化物超電導層3の結晶配向性が良好となり、超電導特性を向上させることができる。成膜時の雰囲気の酸素分圧を120Pa以下とすることにより、酸素分圧が高すぎて蒸着粒子と酸素との衝突が多くなるために、成膜される酸化物超電導層の表面性が粗くなり結晶配向性が悪くなることを防ぐことができる。また、成膜時の雰囲気の酸素分圧を90Pa以上とすることにより、酸素分圧が低すぎるために、成膜される酸化物超電導層に十分量の酸素が取り込まれず超電導特性が悪くなることを防ぐことができる。
次に、ターゲット27にレーザー光(YAGレーザー光)Lを照射して成膜を開始するよりも前の適当な時に、加熱手段34に通電して、基材ホルダ26を加熱し、一定温度に保温するとともに、この基材ホルダ26に保持されてターゲット27の構成粒子の堆積領域(成膜領域)35を走行する基材25を加熱し、一定温度に保温する。成膜時の基材ホルダ26の温度は、適宜調整可能であるが、880〜940℃とすることが好ましく、900〜920℃とすることがさらに好ましい。
基材ホルダ26の温度を前記上限値以下とすることにより、基材ホルダ26に保持された基材25の温度が高くなり過ぎて酸化物超電導層が熱により劣化することを抑止し、超電導特性が低下することを防ぐことができる。また、基材ホルダ26の温度を前記下限値以上とすることにより、基材ホルダ26に保持された基材25の温度が低くなり過ぎて、基材25の厚さ方向に所望のc軸配向ではなく、a軸配向した結晶配向性の酸化物超電導層が成膜され易くなり、超電導特性が低下することを防ぐことができる。成膜時の基材ホルダ26の温度を900〜920℃に設定することにより、成膜される酸化物超電導層3の結晶配向性がより良好となり、超電導特性をより向上させることができるため、特に好ましい。
続いて、送出リール21から基材25を送り出しつつ、レーザー光発光手段28からレーザー光LであるYAGレーザー光の第3高調波(波長355nm)を発生させ、レーザー光(YAGレーザー光)Lをターゲット27に照射する。この際、ターゲット27上に照射するYAGレーザー光Lのエネルギー密度が1〜3J/cmとなるようにして、ターゲット27の表面にYAGレーザー光Lを照射する。ターゲット27に照射するYAGレーザー光Lのエネルギー密度を前記範囲に設定することにより、成膜される酸化物超電導層3の結晶配向性が良好となり、超電導特性を向上させることができる。
ターゲット27に照射するYAGレーザー光Lのエネルギー密度を3J/cm以下とすることにより、エネルギー密度が高過ぎてターゲット27からの構成粒子の噴流であるプルーム29が水平方向に広がり過ぎてしまい、成膜される酸化物超電導層の組成ずれが起こることを防ぐことができる。また、ターゲット27に照射するYAGレーザー光Lのエネルギー密度を1J/cm以上とすることにより、エネルギー密度が低すぎてターゲット27の構成粒子を上手く叩き出し若しくは蒸発させることができずに、成膜される酸化物超電導層の結晶配向性が低下することを防ぐことができる。
さらに、YAGレーザーはエキシマレーザーと比較してビームの集光性が良いため、YAGレーザーを用いることにより、エキシマレーザーを用いた場合よりもエネルギー密度の均一性を上げることができるという特長がある。これにより、所望の超電導特性を有する酸化物超電導層3及び酸化物超電導導体10を作製することができる。
また、YAGレーザー光Lをターゲット27に照射する際、レーザー光Lの照射位置をターゲット27の表面上で移動させる走査を行いながらレーザー光Lをターゲット27に照射することが好ましい。また、ターゲット27は、ターゲット移動機構(図示略)によって、平行な面に沿って移動させることも好ましい。このように、ターゲット27におけるレーザー光Lの照射位置を移動させることにより、ターゲット27の表面全域から順次プルーム29を発生させてターゲット27の粒子を叩き出し若しくは蒸発させることができ、レーン状に複数配列した基材25の個々に可能な限り均一な酸化物超電導層3を成膜することができる。
ターゲット27から叩き出され若しくは蒸発した蒸着粒子は、その放射方向の断面積が拡大したプルーム29となり、複数列並んで移動している基材25の表面に蒸着粒子を堆積させることができ、基材25がこれらの転向部材群22、23を周回する間に、堆積領域35を複数回通過することにより酸化物超電導層3が繰り返し成膜され、必要な厚さに積層される。本実施形態では、長尺の基材25が堆積領域35にて複数列レーンを構成するように配置されていることにより、ターゲット27からの蒸着粒子を良好な収率で基材25上に堆積させることができ、ターゲット27を有効利用することができる。
酸化物超電導層3の成膜後、得られた酸化物超電導導体10は巻取リール21に巻き取られる。
以上の工程により、基材25(テープ基材1上の中間層2の上面)に、酸化物超電導層3を成膜し、酸化物超電導導体10を製造することができる。
YAGレーザーは、エキシマレーザーに比べて装置が安価であり、また、エキシマレーザーのように高価な希ガスや有毒なハロゲンガスを利用しないという利点がある。また、エキシマレーザーでは導入ガス用チューブなどの部品を頻繁に交換する必要があり、長時間の連続運転が難しいが、結晶を使用した固体レーザーであるYAGレーザーは長時間の連続使用が可能であり、エキシマレーザーと比較してランニングコストを安くできる利点がある。
本発明の酸化物超電導導体の製造方法は、設備やランニングコストが高価なエキシマレーザーを用いずに、YAGレーザー光の第3高調波を使用することにより低コストで酸化物超電導導体を製造することができる。また、ターゲット上のエネルギー密度が1〜3J/cmとなるように、YAGレーザー光をターゲットに照射して酸化物超電導層を成膜することにより、エネルギー密度が高過ぎてターゲットからの構成粒子の噴流が水平方向に広がり過ぎてしまい、成膜される酸化物超電導層の組成ずれが起こることを防ぐことができる。また、エネルギー密度が低すぎてターゲットの構成粒子を上手く叩き出し若しくは蒸発させることができずに、成膜される酸化物超電導層の結晶配向性が低下することを防ぐことができる。従って、本発明によれば、良好な結晶配向性の酸化物超電導層をエキシマレーザーを用いた場合よりも低コストで成膜することができ、良好な超電導特性の酸化物超電導導体を低コストで製造することができる。
また、本発明の酸化物超電導導体の製造方法において、酸化物超電導層を成膜する雰囲気の酸素分圧を90〜120Paに設定することにより、酸素分圧が高すぎて蒸着粒子と酸素との衝突が多くなり、成膜される酸化物超電導層の表面性が粗くなり結晶配向性が悪くなることを防ぐことができる。また、酸素分圧が低すぎるために、成膜される酸化物超電導層に十分量の酸素が取り込まれず超電導特性が悪くなることを防ぐことができる。従って、成膜される酸化物超電導層の結晶配向性がより良好とすることができ、超電導特性がより良好な酸化物超電導導体を製造することができる。
以上、本発明の酸化物超電導導体の製造方法の一実施形態について説明したが、上記実施形態において、酸化物超電導導体の各部、酸化物超電導線材の製造方法およびそれに使用される装置は一例であって、本発明の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上記実施形態では、基材をターゲットの構成粒子の堆積領域(成膜領域)を複数回通過させて、基材上に酸化物超電導層を成膜する例を示したが、本発明はこれに限定されない。基材を成膜領域を1回のみ通過させる構成としても良く、基材を成膜領域内を1回又は複数回通過させた後、基材の搬送方向を逆にして(送出リールおよび巻取リールの回転方向を逆にして)、基板を成膜領域内に再度通過させて成膜しても良い。
以下、実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の実施例において、幅10mm、厚さ100μmのハステロイC276(米国ヘインズ社製商品名)製のテープ基材上に、イオンビームアシスト蒸着法(IBAD法)により厚さ1.0μmのGdZr(配向層)を形成した上に、PLD法により厚さ0.5μmのCeO(キャップ層)を成膜したものを基材として用いた。
(実施例1)
図1および図2に示すレーザー蒸着装置20を用い、YAGレーザー光の第3高調波を使用したパルスレーザー蒸着法(PLD法)により基材上に酸化物超電導層としてGdBaCu7−x(膜厚1.0μm)を成膜することにより酸化物超電導導体を作製した。成膜条件は以下の通りである。
YAGレーザー光の周波数10Hz、YAGレーザー光のターゲット上でのエネルギー密度2J/cm、成膜雰囲気の酸素分圧100Pa、基材ホルダ温度900℃、基材の搬送速度8m/h。
得られた酸化物超電導導体の臨界電流密度を測定したところ、2.4MA/cmであった。
(参考例1)
図1および図2に示すレーザー蒸着装置20において、YAGレーザー光の第3高調波の代わりにエキシマレーザー(KrFレーザー、波長248nm)を用い、パルスレーザー蒸着法(PLD法)により基材上に酸化物超電導層としてGdBaCu7−x(膜厚1.0μm)を成膜することにより酸化物超電導導体を作製した。成膜条件は以下の通りである。
エキシマレーザー光の周波数200Hz、エキシマレーザー光のターゲット上でのエネルギー密度2J/cm、成膜雰囲気の酸素分圧70Pa、基材ホルダ温度900℃、基材の搬送速度8m/h。
得られた酸化物超電導導体の臨界電流密度を測定したところ、2.5MA/cmであった。
実施例1および参考例1の結果より、YAGレーザー光の第3高調波を用いることにより、エキシマレーザーを用いた場合と同等の超電導特性を示す酸化物超電導層及び酸化物超電導導体を製造することができることが確認された。
(実施例2:試料No.1〜5)
図1および図2に示すレーザー蒸着装置20を用い、YAGレーザー光の第3高調波を表1記載のエネルギー密度に設定してターゲットに照射することにより、基材上に酸化物超電導層としてGdBaCu7−x(膜厚1.0μm)を成膜することにより酸化物超電導導体を作製した。なお、その他の成膜条件は以下の通りである。
YAGレーザー光の周波数10Hz、成膜雰囲気の酸素分圧100Pa、基材ホルダ温度900℃、基材の搬送速度8m/h。
得られた試料No.1〜5の酸化物超電導導体について、臨界電流密度を測定した。結果を表1に併記した。
表1の結果より、ターゲット上のエネルギー密度が1〜3J/cmとなるようにして、YAGレーザー光の第3高調波をターゲットに照射して成膜することにより、良好な臨界電流特性の酸化物超電導導体を製造することができることが確認された。
(実施例3:試料No.6〜11)
図1および図2に示すレーザー蒸着装置20を用い、表2記載の酸素分圧に設定して基材上に酸化物超電導層としてGdBaCu7−x(膜厚1.0μm)を成膜することにより、酸化物超電導導体を作製した。なお、その他の成膜条件は以下の通りである。
YAGレーザー光の周波数10Hz、YAGレーザー光のターゲット上でのエネルギー密度2J/cm、基材ホルダ温度900℃、基材の搬送速度8m/h。
得られた試料No.6〜11の酸化物超電導導体について、臨界電流密度を測定した。結果を表2に併記した。
表2の結果より、酸素分圧90〜120Paで成膜することにより、良好な臨界電流特性の酸化物超電導導体を製造することができることが確認された。
(実施例4:試料No.12〜18)
図1および図2に示すレーザー蒸着装置20を用い、表3記載の基材ホルダ温度に設定して基材上に酸化物超電導層としてGdBaCu7−x(膜厚1.0μm)を成膜することにより、酸化物超電導導体を作製した。なお、その他の成膜条件は以下の通りである。
YAGレーザー光の周波数10Hz、YAGレーザー光のターゲット上でのエネルギー密度2J/cm、成膜雰囲気の酸素分圧100Pa、基材の搬送速度8m/h。
得られた試料No.12〜18の酸化物超電導導体について、臨界電流密度を測定した。結果を表3に併記した。
表3の結果より、基材ホルダ温度900〜920℃で成膜することにより、特に良好な臨界電流特性の酸化物超電導導体を製造することができることが確認された。
(実施例5)
図1および図2に示すレーザー蒸着装置20を用い、YAGレーザー光の第3高調波(波長355nm)を使用したパルスレーザー蒸着法(PLD法)により基材上に酸化物超電導層としてGdBaCu7−x(膜厚1.0μm)を成膜することにより酸化物超電導導体を作製した。成膜条件は以下の通りである。
YAGレーザー光の周波数10Hz、YAGレーザー光のターゲット上でのエネルギー密度1J/cm、成膜雰囲気の酸素分圧100Pa、基材ホルダ温度900℃。
得られた酸化物超電導導体の臨界電流密度を測定したところ、1.7MA/cmであった。
(比較例1)
YAGレーザー光の第3高調波(波長355nm)の代わりにYAGレーザー光の第2高調波(波長532nm)を使用したこと以外は、実施例5と同様の成膜条件で、基材上に酸化物超電導層としてGdBaCu7−x(膜厚1.0μm)を成膜することにより酸化物超電導導体を作製した。
得られた酸化物超電導導体の臨界電流密度を測定したところ、0.21MA/cmであった。
(比較例2)
YAGレーザー光の第3高調波(波長355nm)の代わりにYAGレーザー光の基本波(波長1064nm)を使用したこと以外は、実施例5と同様の成膜条件で、基材上に酸化物超電導層としてGdBaCu7−x(膜厚1.0μm)を成膜することにより酸化物超電導導体を作製した。
得られた酸化物超電導導体の臨界電流密度を測定したところ、0MA/cmであり、比較例2の酸化物超電導導体は超電導特性を示さなかった。
(実施例6)
長さ1cmに切断した基材を、CeO(キャップ層)側がターゲットと対向するように基材ホルダにより保持して配置し、YAGレーザー光の第3高調波(波長355nm)を使用したパルスレーザー蒸着法(PLD法)により、基材上に酸化物超電導層としてGdBaCu7−x(膜厚1μm)を成膜することにより酸化物超電導導体を作製した。成膜条件は以下の通りである。
YAGレーザー光の周波数10Hz、YAGレーザー光のターゲット上でのエネルギー密度1J/cm、成膜雰囲気の酸素分圧100Pa、基材ホルダ温度900℃。
得られた酸化物超電導導体の酸化物超電導層の表面状態をSEM(走査型電子顕微鏡)により観察した(図6(a))。
(比較例3)
YAGレーザー光の第3高調波(波長355nm)の代わりにYAGレーザー光の第2高調波(波長532nm)を使用したこと以外は、実施例6と同様の成膜条件で、基材上に酸化物超電導層としてGdBaCu7−x(膜厚1.0μm)を成膜することにより酸化物超電導導体を作製した。
得られた酸化物超電導導体の酸化物超電導層の表面状態をSEM(走査型電子顕微鏡)により観察した(図6(b))。
(比較例4)
YAGレーザー光の第3高調波(波長355nm)の代わりにYAGレーザー光の基本波(波長1064nm)を使用したこと以外は、実施例6と同様の成膜条件で、基材上に酸化物超電導層としてGdBaCu7−x(膜厚1.0μm)を成膜することにより酸化物超電導導体を作製した。
得られた酸化物超電導導体の酸化物超電導層の表面状態をSEM(走査型電子顕微鏡)により観察した(図6(c))。
(参考例2)
長さ1cmに切断した基材を、CeO(キャップ層)側がターゲットと対向するように基材ホルダにより保持して配置し、エキシマレーザー(KrFレーザー)を使用したパルスレーザー蒸着法(PLD法)により、基材上に酸化物超電導層としてGdBaCu7−x(膜厚1μm)を成膜することにより酸化物超電導導体を作製した。成膜条件は以下の通りである。
エキシマレーザー光の周波数10Hz、エキシマレーザー光のターゲット上でのエネルギー密度1J/cm、成膜雰囲気の酸素分圧100Pa、基材ホルダ温度940℃。
得られた酸化物超電導導体の酸化物超電導層の表面状態をSEM(走査型電子顕微鏡)により観察した(図7)。
図6(a)に示すYAGレーザー光の第3高調波(波長355nm)を使用して成膜した酸化物超電導層は、YAGレーザー光の第2高調波(波長532nm)及び基本波(波長1064nm)を使用して成膜した酸化物超電導層(図6(b)および図6(c))と比較して、堆積している粒子が微粒子化されており、膜質が均一になっていた。また、YAGレーザー光の第3高調波を使用して成膜した酸化物超電導層は、図7に示すエキシマレーザーを使用して成膜した酸化物超電導層の表面状態に非常に近くなっていた。
(実施例7)
図1および図2に示すレーザー蒸着装置20を用い、YAGレーザー光の第3高調波(波長355nm)を使用したパルスレーザー蒸着法(PLD法)により、基材上に酸化物超電導層としてGdBaCu7−x(膜厚1.0μm)を成膜することにより酸化物超電導導体を作製した。成膜条件は以下の通りである。
YAGレーザー光の周波数10Hz、YAGレーザー光のターゲット上でのエネルギー密度1J/cm、成膜雰囲気の酸素分圧100Pa、基材ホルダ温度900℃。
(比較例5)
図1および図2に示すレーザー蒸着装置20を用い、YAGレーザー光の第4高調波(波長266nm)を使用したパルスレーザー蒸着法(PLD法)により、基材上に酸化物超電導層としてGdBaCu7−x(膜厚1.0μm)を成膜することにより酸化物超電導導体を作製した。成膜条件は以下の通りである。
YAGレーザー光の周波数10Hz、YAGレーザー光のターゲット上でのエネルギー密度1J/cm、成膜雰囲気の酸素分圧100Pa、基材ホルダ温度900℃。
(比較例6)
図1および図2に示すレーザー蒸着装置20を用い、YAGレーザー光の第5高調波(波長213nm)を使用したパルスレーザー蒸着法(PLD法)により、基材上に酸化物超電導層としてGdBaCu7−x(膜厚1.0μm)を成膜することにより酸化物超電導導体を作製した。成膜条件は以下の通りである。
YAGレーザー光の周波数10Hz、YAGレーザー光のターゲット上でのエネルギー密度1J/cm、成膜雰囲気の酸素分圧100Pa、基材ホルダ温度900℃。
実施例7、比較例5、6の各酸化物超電導導体において、長さ100mの基材上に、膜厚1.0μmのGdBaCu7−xの酸化物超電導層を成膜するのに要した時間を表4に示す。
表4の結果より、YAGレーザー光の第3高超波を用いて酸化物超電導層を成膜することにより、良好な生産性で酸化物超電導導体を製造できることが明らかである。
(実施例8、比較例7〜10)
図1および図2に示すレーザー蒸着装置20を用い、表5に示すYAGレーザー光を使用したパルスレーザー蒸着法(PLD法)により、基材上に酸化物超電導層としてGdBaCu7−x(膜厚1.0μm)を成膜することにより酸化物超電導導体を作製した。成膜条件は以下の通りである。
YAGレーザー光の周波数10Hz、YAGレーザー光のターゲット上でのエネルギー密度1J/cm、成膜雰囲気の酸素分圧100Pa、基材ホルダ温度900℃。
実施例8および比較例7〜10で得られた酸化物超電導導体の臨界電流Ic(A)を表5に示す。また、実施例8および比較例7〜10について、1時間当たりの酸化物超電導導体の製造長さL(m)と臨界電流Ic(A)との積Ic×L(A・m)を算出した値を表5に併記した。このIc×L(A・m)の数値が大きいほど、良好な生産性と、製造される酸化物超電導導体の特性とを兼ね備えた製造方法であると言える。
表5の結果より、YAGレーザー光の第3高調波を用いる本発明の酸化物超電導導体の製造方法は、良好な生産性と、製造される酸化物超電導導体の特性とを兼ね備えた製造方法であることが明らかである。
本発明は、超電導デバイスや、変圧器、モーター又はマグネット等の超電導機器等の分野で利用可能である。
10…酸化物超電導導体、1…テープ基材、2…中間層、3…酸化物超電導層、11…拡散防止層、12…ベッド層、13…配向層、14…キャップ層、20…レーザー蒸着装置、21…送出リール、22…巻取リール、23、24…巻回部材群、25…長尺基材、26…基材ホルダ、27…ターゲット、28…YAGレーザー光発光手段、29…プルーム、31…処理容器、32…真空排気装置、33…窓、34…加熱手段、35…ターゲットの構成粒子の堆積領域、L…レーザー光(YAGレーザー光)。

Claims (4)

  1. YAGレーザー光の第3高調波(波長355nm)を、ターゲット上でのエネルギー密度が1〜3J/cmとなるように該ターゲットの表面に照射して、このターゲットの構成粒子を叩き出し若しくは蒸発させ、この構成粒子を基材上に堆積させて酸化物超電導層を形成することを特徴とする酸化物超電導導体の製造方法。
  2. 前記酸化物超電導層を形成する雰囲気の酸素分圧を90〜120Paとすることを特徴とする請求項1に記載の酸化物超電導導体の製造方法。
  3. 前記基材の移動方向を転向させる転向部材を少なくとも一対、対向配置するとともに、
    これらの転向部材間に前記基材が複数の隣接するレーンを構成するように前記基材を巻回し、
    該転向部材間にて複数のレーンを構成した状態の前記基材の表面に対向するように前記ターゲット配し、
    前記基材を前記転向部材間を周回させることにより前記ターゲットの構成粒子の堆積領域を複数回通過させて、該堆積領域を通過毎に前記基材上に前記構成粒子を堆積させて前記酸化物超電導層を形成することを特徴とする請求項1または2に記載の酸化物超電導導体の製造方法。
  4. 前記基材がイオンビームアシスト蒸着法(IBAD法)により形成された配向層を含む中間層を備え、この中間層上に前記酸化物超電導層を形成すること特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の酸化物超電導導体の製造方法。
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