JP2012083527A - フィルムミラー、その製造方法及び太陽熱発電用反射装置 - Google Patents

フィルムミラー、その製造方法及び太陽熱発電用反射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】太陽熱発電用フィルムミラーとして過酷な環境下で長期間用いられた場合であっても、ミラー面に歪みが発生せず、正反射率の低下を抑制することである。つまり、軽量で柔軟性があり、製造コストを抑え大面積化、大量生産することのでき、しかも耐久性に優れ、太陽光に対して良好な正反射率を有するフィルムミラー、その製造方法及びそのフィルムミラーを用いた太陽熱発電用反射装置を提供すること。
【解決手段】第1の延伸フィルムと第2の延伸フィルムとが、第1の延伸フィルム上に設けられた銀反射層を挟む形で、接着層を介して積層されたフィルムミラーであって、前記第1、第2の延伸フィルムの主たる延伸方向が交差し、その交角が45度以上90度以下であることを特徴とするフィルムミラー。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐久性に優れ、太陽熱に対して良好な正反射率を有するフィルムミラー、その製造方法及びそのフィルムミラーを用いた太陽熱発電用反射装置に関するものである。
近年、石油、天然ガス等の化石燃料エネルギーに代わる代替エネルギーとしては現在、石炭エネルギー、バイオマスエネルギー、核エネルギー、並びに風力エネルギー及び太陽エネルギー等の自然エネルギーが検討されているが、化石燃料の代替エネルギーとして最も安定しており、かつ量の多い自然エネルギーは、太陽エネルギーであると考えられる。
しかしながら、太陽エネルギーは非常に有力な代替エネルギーであるものの、これを活用する観点からは、(1)太陽エネルギーのエネルギー密度が低いこと、並びに(2)太陽エネルギーの貯蔵及び移送が困難であることが、問題となると考えられる。
これに対して、太陽エネルギーのエネルギー密度が低いという問題は、巨大な反射装置で太陽エネルギーを集めることによって解決することが提案されている。
反射装置は、太陽熱による紫外線や熱、風雨、砂嵐等に晒されるため、従来、ガラス製ミラーが用いられてきた。ガラス製ミラーは環境に対する耐久性が高い反面、柔軟性に欠け、輸送時に破損したり、重いために、ミラーを設置する架台の強度を持たせるために、プラントの建設費がかさむといった問題があった。また、ガラス製ミラーでは大面積化、大量生産することに対しても制約があった。
上記問題を解決するために、ガラス製ミラーを樹脂製反射シートに置き換えることが考えられてきた(例えば、特許文献1参照)。
太陽熱を集光する目的において、高い反射率を得るという観点では、金属層を、一般的に用いられているアルミニウムの反射層に比較して、可視光領域の反射率の高い銀で構成することが好ましい。しかしながら、銀を用いた樹脂製反射シートは耐候性に劣り、紫外線・酸素・水蒸気・硫黄等で劣化しやすいという問題がある。この問題に対し、特許文献2においては、UV遮蔽アクリルフィルムを備えているミラーフィルムの技術が提案されている。しかしながら、これらのミラーフィルムを屋外使用の過酷な環境下で長期間用いられた場合、ミラー面に歪みが生じて正反射率が低下するといった不具合が発生していた。
特開2005−59382号公報 特表2009−520174号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、太陽熱発電用フィルムミラーとして過酷な環境下で長期間用いられた場合であっても、ミラー面に歪みが発生せず、正反射率の低下を抑制することである。つまり、軽量で柔軟性があり、製造コストを抑え大面積化、大量生産することのでき、しかも耐久性に優れ、太陽光に対して良好な正反射率を有するフィルムミラー、その製造方法及びそのフィルムミラーを用いた太陽熱発電用反射装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.第1の延伸フィルムと第2の延伸フィルムとが、第1の延伸フィルム上に設けられた銀反射層を挟む形で、接着層を介して積層されたフィルムミラーであって、前記第1、第2の延伸フィルムの主たる延伸方向が交差し、その交角が45度以上90度以下であることを特徴とするフィルムミラー。
2.前記第1、第2の延伸フィルムの主たる延伸方向が交差し、その交角が70度以上90度以下であることを特徴とする前記1に記載のフィルムミラー。
3.第1の延伸フィルムと第2の延伸フィルムとが、第1の延伸フィルム上に設けられた銀反射層を挟む形で、接着層を介して積層される工程を有するフィルムミラーの製造方法であって、前記第1、第2の延伸フィルムの主たる延伸方向を交差させ、その交角を45度以上90度以下にして製造することを特徴とするフィルムミラーの製造方法。
4.前記第1、第2の延伸フィルムの主たる延伸方向を交差させ、その交角を70度以上90度以下にして製造することを特徴とする前記3に記載のフィルムミラーの製造方法。
5.前記3または4に記載のフィルムミラーの製造方法において、第1又は第2のいずれか一方の延伸フィルムの主たる延伸方向とその延伸フィルムの長手方向を同一方向にして積層することを特徴とするフィルムミラーの製造方法。
6.前記1または2に記載のフィルムミラーを用いることを特徴とする太陽熱発電用反射装置。
本発明により、太陽熱発電用フィルムミラーとして過酷な環境下で長期間用いられた場合であっても、正反射率の低下を抑制することが可能である。つまり、軽量で柔軟性があり、製造コストを抑え大面積化・大量生産することのでき、しかも耐候性に優れ、太陽光に対して良好な正反射率を有するフィルムミラー、その製造方法及びそのフィルムミラーを用いた太陽熱発電用反射装置を提供することができた。
本発明の積層フィルムを示す模式的平面図である。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、銀を用いた高反射面を有するフィルムミラーを製造し、太陽熱発電用フィルムミラーとして過酷な環境下で長期間用いられた場合を想定した耐久性試験を行ったところ、何らかの原因でミラーに歪みが発生し耐久性試験時間の経過とともにその歪みが増大し、正反射率が低下することが判明した。この原因について検討を行ったところ、特に延伸されたフィルムを用いた場合、フィルムミラーの歪みは顕著となり、正反射率の低下幅が大きいことも判明した。
フィルムミラーが銀反射層の保護層フィルムの主たる延伸方向と銀反射層が形成された延伸フィルムの方向とを交差させるように積層させたものとすることにより、銀反射層の耐久性向上とフィルムミラーの歪みの発生を抑えることができ、過酷な環境下で長期間用いられた場合でも正反射率の低下を抑制することが可能であることを見出した。それにより、軽量で柔軟性があり、延伸フィルムを用いることで製造コストを抑えつつ、大面積化・大量生産することができ、しかも耐候性に優れ、太陽光に対して良好な正反射率を有するフィルムミラー、その製造方法及び太陽熱発電用反射装置が得られることを見出し、本発明に至った次第である。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細に説明をする。
〔フィルムミラーの構成〕
本発明のフィルムミラーは、第1の延伸フィルムと第2の延伸フィルムとが、第1の延伸フィルム上に設けられた銀反射層を挟む形で、接着層を介して積層されたフィルムミラーであって、前記第1、第2の延伸フィルムの主たる延伸方向が交差し、その交角が45度以上90度以下であることを特徴とする。なお、ここで主たる延伸方向とは、例えば縦延伸又は横延伸等における、延伸倍率の大きい方向をいう。更にこの他に、銀保護層、バリア層、傷防止層等の特別な機能層を設けることも好ましい態様である。又、該第1、第2の延伸フィルム、接着層、銀保護層、バリア層、及び傷防止層等に、後述する銀の腐食防止剤、後述する酸化防止剤、紫外線吸収剤、及び光安定剤等が含有されていてもよい。
(銀反射層)
本発明の第1の延伸フィルム上に設けられる銀反射層の形成法としては、湿式法及び乾式法のどちらも使用することができる。湿式法とは、めっき法の総称であり、溶液から金属を析出させ膜を形成する方法である。具体例をあげるとすれば、銀鏡反応等がある。一方、乾式法とは、真空成膜法の総称であり、具体的に例示すると抵抗加熱式真空蒸着法、電子ビーム加熱式真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト真空蒸着法、スパッタ法等がある。とりわけ、本発明には連続的に成膜するロールトゥーロール方式が可能な蒸着法が好ましく用いられる。すなわち、本発明のフィルムミラーを製造するフィルムミラーの製造方法としては、銀反射層を銀蒸着によって形成する製造方法が好ましい。
第1の延伸フィルム上に設けられた銀反射層の厚さは、反射率等の観点から、10〜200nmが好ましく、より好ましくは30〜150nmである。
(第1の延伸フィルム)
本発明に係る第1の延伸フィルムとして用いる基材となるフィルムとしては、従来公知の種々の樹脂フィルムを用いることができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系フィルム、セルロースジアセテートフィルム、セルローストリアセテートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム等のセルロースエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム等のアクリル系フィルム等を挙げることができる。中でも、ポリエステル系フィルム、セルロースエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、及びノルボルネン系樹脂フィルムが好ましい。
特にポリエステル系フィルム、セルロースエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルムを用いることが好ましく、溶融流延製膜で製造されたフィルムであっても、溶液流延製膜で製造されたフィルムであってもよい。
本発明に係る第1の延伸フィルムは前記樹脂フィルムが少なくとも縦又は横等の一軸方向に延伸されていることが必要であり、場合によっては、二軸方向に延伸されているものでもよい。
本発明においては、上記の第1の延伸フィルムの製造に際しては、必要ならば、公知の添加剤、例えば、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、後述する酸化防止剤、紫外線吸収剤及び光安定剤等を任意に添加し、混練して製膜化してもよい。
本発明に用いられる第1の延伸フィルムには、本発明の効果を妨げない限り、機能層を片面、又は両面に積層することができる。積層される機能層としては、例えば、導電層、ハードコート層、平滑化層、易滑化層、ブロッキング防止層、及び易接着層等が挙げられる。
第1の延伸フィルムの厚さは、10〜300μmが好ましく、より好ましくは20〜200μmである。
なお、上記のフィルムの延伸方法としては、例えば、1軸延伸、逐次2軸延伸、同時2軸延伸等で行うことができ、それに用いる延伸装置としては、例えば、2本ロール式1軸延伸機、テンター式横延伸機、テンター式或いはチューブラー式2軸延伸機等を使用して延伸することができる。
一軸延伸にあたっては、周速の異なるロール間で一軸に延伸してもよいし、熱ロールを用いて一軸に延伸してもよい。又、一軸延伸は、大気中で延伸を行う乾式延伸であってもよいし、溶剤を用い、樹脂フィルムを膨潤させた状態で延伸を行う湿式延伸であってもよい。一軸延伸の温度としては、樹脂のガラス転移温度Tg−30℃以上、ガラス転移温度Tg+50℃以下の範囲が好ましい。延伸倍率は、1.1倍以上6倍以下が好ましい。
二軸延伸の延伸方式は特には限定されず、逐次二時延伸方式、同時二軸延伸方式等の方法を用いることができる。
本明細書では、延伸方向は、長尺フィルムの場合、フィルムの長尺方向を長手方向(縦方向)とし、それに直交する方向を幅手方向(横方向)とした。長手方向への延伸を縦延伸、幅手方向への延伸を横延伸とした。
また、「主たる延伸方向」とは、縦延伸又は横延伸等における、延伸倍率の大きい方向をいう。例えば二軸延伸の例で、横延伸倍率の方が縦延伸倍率より若干大きい場合、「主たる延伸方向」とは幅手方向をいう。又、一軸延伸の例で縦方向へ延伸されたのみの場合、「主たる延伸方向」とは、長手方向をいう。
同時二軸延伸法により延伸する場合は、リニアモーターを利用した駆動方式(特公昭63−12772号公報等)によるテンターを用いて同時二軸延伸する方法が好ましいが、特に限定されず、フィルム把持クリップの駆動方式には、チェーン駆動方式、スクリュー方式、パンタグラフ方式、等を採用することもできる。延伸の温度としては、ガラス転移温度Tg−30℃以上、ガラス転移温度Tg+50℃以下であることが好ましい。延伸倍率は、縦方向、横方向それぞれ1.1倍以上6倍以下が好ましい。延伸速度としては特に限定されないが、100〜50000%/分が好ましい。
逐次二軸延伸により延伸する場合は、得られた未延伸のフィルムを樹脂のガラス転移温度Tg−30℃以上、ガラス転移温度Tg+50℃以下に加熱されたロール群上で接触昇温させて、長手方向に1.1倍以上6倍以下に延伸し、これをいったん冷却した後に、テンタークリップに該フィルムの端部を噛ませて幅(TD)方向に樹脂のガラス転移温度Tg−30℃以上、ガラス転移温度Tg+50℃の温度雰囲気下の中で1.1倍以上6倍以下延伸し、二軸延伸した樹脂フィルムを得ることができる。
又、延伸方法としては斜め延伸を行ってもよく、斜め延伸装置を使用して行うことができる。斜め延伸処理をする方法としては、未延伸フィルムの幅方向に対し、所望の角度の方向に連続的に延伸処理して、ポリマーの配向軸を所望の角度に傾斜させる方法であれば特に制限されることはなく、公知の方法を採用することができる。この発明に用いることのできる斜め延伸処理の方法としては、例えば、特開昭50−83482号公報、特開平2−113920号公報、特開平3−182701号公報、特開2000−9912号公報、特開2002−86554号公報、特開2002−22944号公報等に記載の方法を挙げることができる。未延伸フィルムを斜め延伸処理する際の温度は、樹脂のガラス転移温度T−30℃以上、ガラス転移温度Tg+50℃の範囲が好ましい。斜め延伸の温度はTg−30℃以上、Tg+50℃以下の範囲が好ましい。又、延伸倍率は、1.1倍以上6倍以下が好ましい。
次に、熱収縮率の低減及び平面性を付与するために、必要に応じて熱処理を行ってもよい。熱処理条件としては、定長下、微延伸下、弛緩状態下のいずれかで、ガラス転移温度Tg以上、ガラス転移温度+130℃の範囲で0.5〜60秒間行うことが好適である。
このようにそれぞれの方法で延伸処理を施したフィルムを、室温まで徐冷しワインダーにて巻き取る。
特に好ましい第1の延伸フィルムの種類としてはポリエチレンテレフタレートフィルムが挙げられるが、下記にその詳細を記載する。
(ポリエチレンテレフタレートフィルム)
本発明で好ましく用いられるポリエチレンテレフタレートフィルムとは、一種以上のポリエチレンテレフタレート系樹脂を溶融押出によって製膜し、横延伸してなる一層以上の一軸延伸フィルム、又は、製膜後引き続いて縦延伸し、次いで横延伸してなる一層以上の二軸延伸フィルムである。
ポリエチレンテレフタレート系樹脂とは、繰り返し単位の80mol%以上がエチレンテレフタレートで構成される樹脂を意味し、他のジカルボン酸成分とジオール成分を含んでいてもよい。他のジカルボン酸成分としては、特に限定されるものでないが、例えば、イソフタル酸、p−β−オキシエトキシ安息香酸、4,4′−ジカルボキシジフェニール、4,4′−ジカルボキシベンゾフェノン、ビス(4−カルボキシフェニル)エタン、アジピン酸、セバシン酸、及び1,4−ジカルボキシシクロヘキサン等が挙げられる。他のジオール成分としては、特に限定されるものではないが、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。これらの他のジカルボン酸成分や他のジオール成分は、必要により2種類以上を組み合わせて使用することができる。又、p−オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸を併用することもできる。又、他の共重合成分として、少量のアミド結合、ウレタン結合、エーテル結合、及びカーボネート結合等を含有するジカルボン酸成分、又はジオール成分が用いられてもよい。
ポリエチレンテレフタレート系樹脂の分子量は、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(質量比)の混合溶媒に樹脂を溶解し、30℃で測定した極限粘度で表したとき、通常、0.45〜1.0dL/g、好ましくは0.50〜1.0dL/g、更に好ましくは0.52〜0.80dL/gの範囲である。
又、ポリエチレンテレフタレート系樹脂は、必要に応じて添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えば、滑剤、ブロッキング防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、耐衝撃性改良剤、及び後述する酸化防止剤、紫外線吸収剤、及び光安定剤等が挙げられる。その添加量は、光学物性に悪影響を与えない範囲にとどめることが好ましい。
ポリエチレンテレフタレート系樹脂は、このような添加剤の配合のため、及び後記するフィルム成形のため、通常、押出機によって造粒されたペレット形状で用いられる。ペレットの大きさや形状は、特に制限されるものではないが、通常、高さ、直径ともに5mm以下の円柱状、球状、又は扁平球状である。このようにして得られるポリエチレンテレフタレート系樹脂は、フィルム状に成形し、延伸処理することにより、透明で均質な機械的強度の高いポリエチレンテレフタレートフィルムとすることができる。その製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、次に記載する方法が採用される。
まず、乾燥させたポリエチレンテレフタレート樹脂からなるペレットを溶融押出装置に供給し、融点以上に加熱し溶融する。次に、溶融した樹脂をダイから押し出し、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未延伸フィルムを得る。この溶融温度は、用いるポリエチレンテレフタレート系樹脂の融点や押出機に応じて定められるものであり、特に制限するものではないが、通常、250〜350℃である。
又、フィルムの平面性を向上させるためには、フィルムと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、静電印加密着法又は液体塗布密着法が好ましく採用される。静電印加密着法とは、通常、フィルムの上面側にフィルムの流れと直交する方向に線状電極を張り、その電極に約5〜10kVの直流電圧を印加することによりフィルムに静電荷を与え、回転冷却ドラムとフィルムとの密着性を向上させる方法である。又、液体塗布密着法とは、回転冷却ドラム表面の全体又は一部(例えばフィルム両端部と接触する部分のみ)に液体を均一に塗布することにより、回転冷却ドラムとフィルムとの密着性を向上させる方法である。必要に応じ両者を併用してもよい。用いるポリエチレンテレフタレート系樹脂は、必要に応じ2種以上の樹脂構造や組成の異なる樹脂を混合してもよい。例えば、ブロッキング防止剤としての粒状フィラー、又は帯電防止剤等の配合されたペレットと、無配合のペレットとを混合して用いること等が挙げられる。
又、押し出すフィルムの積層数は、必要に応じ2層以上にしてもよい。例えば、ブロッキング防止剤としての粒状フィラーを配合したペレットと無配合のペレットを用意し、異なる押出機から同一のダイへ供給して「フィラー配合/無配合/フィラー配合」の2種3層からなるフィルムを押し出すこと等が挙げられる。
上記未延伸フィルムは、ガラス転移温度以上の温度において、通常、まず押出方向へ縦延伸される。延伸温度は、通常、70〜150℃であり、80〜130℃が好ましく、90〜120℃がより好ましい。又、延伸倍率は、1.1倍以上6倍以下が好ましい。この延伸は一回で終えることも、必要に応じて複数回に分けて行うこともできる。通常、複数回の延伸を行う場合でも、合計の延伸倍率は前記の範囲であることが好ましい。
こうして得られる縦延伸フィルムは、この後、熱処理を行うことができる。次いで、必要により弛緩処理を行うこともできる。この熱処理温度は、通常、150〜250℃であり、180〜245℃が好ましく、200〜230℃がより好ましい。又、熱処理時間は、通常、1〜600秒間であり、1〜300秒間が好ましく、1〜60秒間がより好ましい。
一軸延伸及び二軸延伸フィルムを得る場合、通常、縦延伸処理の後に、もしくは必要に応じて熱処理又は弛緩処理を経た後に、テンターによって横延伸が行われる。この延伸温度は、通常、70〜150℃であり、80〜130℃が好ましく、90〜120℃がより好ましい。又、延伸倍率は、1.1倍以上6倍以下が好ましい。
本発明に用いられる延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムには、本発明の効果を妨げない限り、機能層を片面、又は両面に積層することができる。積層される機能層には、例えば、導電層、ハードコート層、平滑化層、易滑化層、ブロッキング防止層、及び易接着層等が挙げられる。中でも、この延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムは易接着層が積層されていることが好ましい。
易接着層を構成する成分は、特に限定されるものではないが、例えば、極性基を骨格に有し比較的低分子量で低ガラス転移温度である、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、又はアクリル系樹脂等が挙げられる。又、必要に応じて架橋剤、有機又は無機フィラー、界面活性剤、及び滑剤等を含有することができる。
前記機能層を延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに形成する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、すべての延伸工程が終了したフィルムに形成する方法、ポリエチレンテレフタレート系樹脂を延伸している工程中、例えば縦延伸と横延伸工程の間に形成する方法等が採用される。中でも、生産性の観点からは、ポリエチレンテレフタレート系樹脂を縦延伸した後に形成し、引き続き横延伸する方法が好ましく採用される。
こうして得られる延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムは、市販品を容易に入手することが可能であり、例えば、それぞれ商品名で、「ダイアホイル」、「ホスタファン」、「フュージョン」(以上、三菱樹脂株式会社製)、「テイジンテトロンフィルム」、「メリネックス」、「マイラー」、「テフレックス」、(以上、帝人デュポンフィルム株式会社製)、「東洋紡エステルフィルム」、「東洋紡エスペットフィルム」、「コスモシャイン」、「クリスパー」(以上、東洋紡績株式会社製)、「ルミラー」(東レフィルム加工株式会社製)、「エンブロン」、「エンブレット」(ユニチカ株式会社製)、「スカイロール」(エス・ケー・シー社製)、「コーフィル」(株式会社高合製)、「瑞通ポリエステルフィルム」(株式会社瑞通製)、及び「太閤ポリエステルフィルム」(フタムラ化学株式会社製)等が挙げられる。この中でも、生産性や廉価性の観点から、本発明には二軸延伸品が好ましく用いられる。
(第2の延伸フィルム)
本発明に係る第2の延伸フィルムは、第1の延伸フィルム上に設けられた銀反射層を挟む形で、接着層を介して第1の延伸フィルムと積層される延伸フィルムである。第2の延伸フィルムとして用いる樹脂フィルムとしては、第1の延伸フィルム上に形成された、銀反射層のフィルムミラーとしての保護性を付与できるものであればよく、従来公知の種々の樹脂フィルムを用いることができ、第1の延伸フィルムとして用いる樹脂フィルムと同様のフィルムを挙げることができる。
中でも、アクリル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、及びセルロースエステル系フィルムが好ましく、溶融流延製膜で製造されたフィルムであっても、溶液流延製膜で製造されたフィルムであってもよい。
本発明に係る第2の延伸フィルムは前記樹脂フィルムが少なくとも縦又は横等の一軸方向に延伸されていることが必要であり、場合によっては、二軸方向に延伸されているものでもよい。延伸方法は前記第1の延伸フィルムと同様の方法が挙げられる。
本発明においては、上記の第2の延伸フィルムの製造に際しては、必要ならば、公知の添加剤、例えば、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、後述する酸化防止剤、紫外線吸収剤及び光安定剤等を任意に添加し、混練して製膜化してもよい。
本発明に用いられる第2の延伸フィルムには、本発明の効果を妨げない限り、機能層を片面、又は両面に積層することができる。積層される機能層には、例えば、防眩層、低反射層、導電層、ハードコート層、平滑化層、易滑化層、ブロッキング防止層、及び易接着層等が挙げられる。
第2の延伸フィルムの厚さは、10〜300μmが好ましい。より好ましくは20〜200μmである。
好ましい第2の延伸フィルムの種類としてはアクリル系フィルムが挙げられるが、下記にその詳細を記載する。
(アクリル系フィルム)
アクリル系フィルムの好ましい具体例としては、メタクリル酸メチル系樹脂からなるフィルムを挙げることができる。メタクリル酸メチル系樹脂とは、メタクリル酸メチル単位を50質量%以上含む重合体である。メタクリル酸メチル単位の含有量は、好ましくは70質量%以上であり、100質量%であってもよい。メタクリル酸メチル単位が100質量%の重合体は、メタクリル酸メチルを単独で重合させて得られるメタクリル酸メチル単独重合体である。
このメタクリル酸メチル系樹脂は、通常、メタクリル酸メチルを主成分とする単官能単量体及び必要に応じて使用される多官能単量体を、ラジカル重合開始剤及び必要に応じて使用される連鎖移動剤の共存下に重合することにより得ることができる。
メタクリル酸メチルと共重合し得る単官能単量体としては、特に限定されるものではないが、例えば、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、及びメタクリル酸2−ヒドロキシエチル等のメタクリル酸メチル以外のメタクリル酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、及びアクリル酸2−ヒドロキシエチル等のアクリル酸エステル類;2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、3−(ヒドロキシエチル)アクリル酸メチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチル、及び2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸ブチル等のヒドロキシアクリル酸エステル類;メタクリル酸及びアクリル酸等の不飽和酸類;クロロスチレン及びブロモスチレン等のハロゲン化スチレン類;ビニルトルエン及びα−メチルスチレン等の置換スチレン類;アクリロニトリル及びメタクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;無水マレイン酸及び無水シトラコン酸等の不飽和酸無水物類;並びにフェニルマレイミド及びシクロヘキシルマレイミド等の不飽和イミド類等を挙げることができる。このような単量体は、それぞれ単独で用いられてもよいし、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
メタクリル酸メチルと共重合し得る多官能単量体としては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、及びテトラデカエチレングリコール(メタ)アクリレート等のエチレングリコール又はそのオリゴマーの両末端水酸基をアクリル酸又はメタクリル酸でエステル化したもの;プロピレングリコール又はそのオリゴマーの両末端水酸基をアクリル酸又はメタクリル酸でエステル化したもの;ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、及びブタンジオールジ(メタ)アクリレート等の2価アルコールの水酸基をアクリル酸又はメタクリル酸でエステル化したもの;ビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、又はこれらのハロゲン置換体の両末端水酸基をアクリル酸又はメタクリル酸でエステル化したもの;トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトール等の多価アルコールをアクリル酸又はメタクリル酸でエステル化したもの、並びにこれら末端水酸基にグリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートのエポキシ基を開環付加させたもの;コハク酸、アジピン酸、テレフタル酸、フタル酸、これらのハロゲン置換体等の二塩基酸、及びこれらのアルキレンオキサイド付加物等にグリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートのエポキシ基を開環付加させたもの;アリール(メタ)アクリレート、及びジビニルベンゼン等のジアリール化合物等が挙げられる。中でも、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、及びネオペンチルグリコールジメタクリレートが好ましく用いられる。
本発明で用いられるメタクリル酸メチル系樹脂は、該樹脂が有する官能基間の反応を行うことによって変成された変性メタクリル酸メチル系樹脂であってもよい。その反応としては、例えば、アクリル酸メチルのメチルエステル基と2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチルの水酸基との高分子鎖内脱メタノール縮合反応、及び、アクリル酸のカルボキシル基と2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチルの水酸基との高分子鎖内脱水縮合反応等が挙げられる。
メタクリル酸メチル系樹脂は、市販品を容易に入手することが可能であり、例えば、各々商品名で、「スミペックス」(住友化学株式会社製)、「アクリペット」、「アクリライト」、「アクリプレン」(三菱レイヨン株式会社製)、「デルペット」、「デラグラス」(旭化成株式会社製)、「パラペット」(株式会社クラレ製)、「パラグラス」、「コモグラス」(株式会社クラレ製)及び「アクリビュア」(株式会社日本触媒製)等が挙げられる。
又、本発明に係るアクリル系フィルムには本発明の目的を損なわない範囲で、他の樹脂(例えばセルロースエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリイミド、ポリエーテルイミド等)、熱硬化性樹脂(例えばフェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等)の一種以上を更に含有させることができ、又後述する酸化防止剤、紫外線吸収剤、及び光安定剤や、高級脂肪酸や酸エステル系及び酸アミド系、更に高級アルコール等の滑剤及び可塑剤、モンタン酸及びその塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミド及びエチレンワックス等の離型剤、亜リン酸塩、次亜リン酸塩等の着色防止剤、ハロゲン系難燃剤、リン系やシリコーン系の非ハロゲン系難燃剤、核剤、アミン系、スルホン酸系、ポリエーテル系等の帯電防止剤、顔料等の着色剤、アクリル弾性体粒子等の添加剤を任意に含有させてもよい。但し、適用する用途が要求する特性に照らし、その添加剤保有の色が熱可塑性重合体に悪影響を及ぼさず、かつ透明性が低下しない範囲で添加する必要がある。
本発明においてアクリル弾性体粒子或いはその他の添加剤等の任意成分を配合する方法には、特に制限はなく、アクリル樹脂とその他の任意成分を予めブレンドした後、通常200〜350℃において、一軸又は二軸押出機により均一に溶融混練する方法が好ましく用いられる。
好ましい第2の延伸フィルムの種類としてはポリカーボネート系フィルムが挙げられるが、下記にその詳細を記載する。
(ポリカーボネート系フィルム)
ポリカーボネート系フィルムを構成するポリカーボネート系樹脂は、通常、二価フェノールとホスゲン又はジフェニルカーボネート類等のカーボネート前駆体とを界面重縮合法、又は溶融エステル交換法で反応させて得られるものであり、二価フェノールとしてビスフェノールAを用いた芳香族ポリカーボネート樹脂が一般的である。この他、カーボネートプレポリマーを固相エステル交換法により重合させたもの、又は環状カーボネート化合物を開環重合させたもの等も挙げられる。
二価フェノールとしては、透明樹脂としての性能を損なうものでなければ特に限定されるものではないが、例えば、ビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン)の他にも、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4′−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモ)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}フルオレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモ)フェニル}フルオレン、α,α′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベンゼン、α,α′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,α′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルケトン、及び4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル等が挙げられ、これらは単独又は2種以上を混合して使用することができる。
又、分子量を適切な範囲に調整したり、高分子鎖の水酸基末端を封止したりするために、一価フェノール化合物が併用されてもよい。この一価フェノールとしては、末端封止剤として機能する化合物であれば特に限定されるものではないが、例えば、フェノール、4−tert−ブチルフェノール、及び1−フェニル−1−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等が挙げられる。
又、必要に応じて、2−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−(2−カルボキシエチル))フェニルベンゾトリアゾール等のUV吸収性を有する化合物を末端封止剤として用いることもできる。
ポリカーボネート系樹脂は、市販品を容易に入手することが可能であり、例えば、各々商品名で、「レキサン」(SABICイノベーティブプラスチックス社製)、「マクロロン」、「アペック」(以上、バイエルマテリアルサイエンス社製)、「ユーピロン」、「ノバックス」(以上、三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製)、「パンライト」(帝人化成株式会社製)、「カリバー」(ダウケミカル社製)、「SDポリカ」(住友ダウ株式会社製)、及び「タフロン」(出光興産株式会社製)等が挙げられる。
好ましい第2の延伸フィルムの種類としては延伸ノルボルネン系樹脂フィルムが挙げられるが、下記にその詳細を記載する。
(ノルボルネン系樹脂フィルム)
ノルボルネン系樹脂フィルムを構成するノルボルネン系樹脂としては、例えば、シクロペンタジエンとオレフィン類とからディールス・アルダー反応によって得られるノルボルネン又はその誘導体をモノマーとして開環メタセシス重合を行い、それに続く水添によって得られる樹脂;ジシクロペンタジエンとオレフィン類又はメタクリル酸エステル類とからディールス・アルダー反応によって得られるテトラシクロドデセン又はその誘導体をモノマーとして開環メタセシス重合を行い、それに続く水添よって得られる樹脂;ノルボルネン、テトラシクロドデセン、それらの誘導体類、又はその他の環状オレフィンモノマーを同様に開環メタセシス共重合を行い、それに続く水添によって得られる樹脂;並びに、ノルボルネン、テトラシクロドデセン、それらの誘導体、及びビニル基を有する芳香族化合物等を付加重合により共重合させて得られる樹脂等が挙げられる。
このような環状オレフィン系樹脂は、市販品を容易に入手することが可能であり、例えば、各々商品名で、「トパス」(Topas Advanced Polymers GmbH製)、「アートン」(JSR株式会社製)、「ゼオノア」、「ゼオネックス」(以上、日本ゼオン株式会社製)、及び「アペル」(三井化学株式会社製)等が挙げられる。
(接着層)
本発明では、第1と第2の延伸フィルムの間に接着層を有するが、接着層は、第1の延伸フィルム上に設けられた銀反射層と第2の延伸フィルムとの接着性、又は銀反射層上に更に形成された銀保護層及び/又はバリア層と第2の延伸フィルム層との接着性を高める機能があるものであれば特に限定はないが、樹脂からなることが好ましい。
接着層に使用するバインダーとしての樹脂は、接着性、耐候性、及び平滑性の条件を満足するものであれば特に制限はなく、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹脂等の単独又はこれらの混合樹脂が使用でき、耐候性の点からポリエステル系樹脂とメラミン系樹脂の樹脂が好ましく、更にイソシアネート等の硬化剤を混合した熱硬化型樹脂とすればより好ましい。
接着層の厚さは、接着性、平滑性、反射材の反射率等の観点から、0.01〜30μmが好ましく、より好ましくは0.1〜15μmである。
接着層の形成方法は、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法等、従来公知のコーティング方法が使用できる。
又、接着層には、その目的に応じて、後述する銀の腐食防止剤、後述する酸化防止剤、紫外線吸収剤、及び光安定剤等を含有させてもよい。
接着層には市販の接着剤を使用できるが、これらの接着剤は、特に制限する必要はない。即ち、本発明に符合すれば、公知のいかなるものを使用してもよいが、ラミネーティング後、反射膜の熱変形が起こらず、接着力に優れていればよい。
第1と第2の延伸フィルムを接着層を介して積層する方法としては、包装材料を製造するときに使用する積層方法と同様な方法で行うことができる。例えば、ドライラミネーション(無溶剤型、ワックスホットメルト型等も含む)、ウェットラミネーション、押し出しラミネーション、インフレーションラミネート法等の方法で行うことができる。上記の積層に際しては、例えば、有機チタン系アンカーコート剤、イソシアネート系アンカーコート剤(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系アンカーコート剤等のラミネート用アンカーコート剤、或いはポリウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリ酢酸ビニル系接着剤、ポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系接着剤、ポリアクリル系接着剤等の溶融型接着剤、ポリ酢酸ビニルエマルジョン、ポリアクリル系樹脂エマルジョン等のエマルジョン系接着剤、紫外線或いは電子線硬化型接着剤等の各種の接着剤を使用することができる。なお、本発明においては、樹脂のフィルムがそれ自身で熱溶融等によって自己接着するものである場合には、上記のような接着剤を使用することなく積層してラミネートシートを製造することができ、この場合には、それ自身を接着剤としてみなしてもよい。又、本発明においては、積層する前に、フィルムの面に、予め、例えば、コロナ処理、オゾン処理等の公知の前処理を施すこともできる。貼合に際しては、工業用プラスチックフィルム(南智幸、小坂田篤著 CTI加工技術研究会発行 1991年)等に記載のドライラミネート、無溶剤ラミネート、ウェットラミネート等の方法を用いることもできる。
(延伸フィルムの主たる延伸方向を交差させた積層方法)
本発明では、第1の延伸フィルムと第2の延伸フィルムとを積層する工程で、第1の延伸フィルムと第2の延伸フィルムとが、第1の延伸フィルム上に設けられた銀反射層を挟む形で、接着層を介して積層される。
この工程では、第1と第2の延伸フィルムの主たる延伸方向が交差し、その交角が45度以上90度以下であるように重ね合わせ、更にその層間を接着層を介して積層することによって、ラミネートシートを製造する。交角が70度から90度以下の場合、耐光性、耐候性が向上し好ましい。
本発明における交角は第1と第2の延伸フィルムの主たる延伸方向が交差したときにできる角度のうち、同じか、狭い方の角度(0〜90度)をいう。
本発明において、2枚の延伸フィルムの交角を上記の範囲にすることで耐久性が向上した要因としては、本発明者は延伸フィルムの熱収縮による張力が重要であると推定している。つまり本発明の太陽熱発電用フィルムミラーのように過酷な環境下で長期間用いられた場合、フィルムは変形しやすくなるが、その変形力を張力の方向が異なる延伸フィルムを積層させることで、熱収縮による張力が抑えられた結果と推定している。しかも、ミラー面に歪みが発生しないのは縦横への張力がバランスよく働くことが重要であり、本発明者は本発明の延伸フィルムの交角の範囲が過酷な環境下で長期間用いられた場合でも、ミラー面に歪みが発生させない最適な範囲であることを見出した。
本発明の積層体の一例を図1を用いて示す。図1は本発明の積層フィルムを示す模式的平面図である。図1(a)に示すように積層フィルム1は、第1の延伸フィルム1a、第2の延伸フィルム2aが貼り合わされたものである。この延伸フィルム1a及び延伸フィルム2aの延伸方向A(図中実線の矢印で示す)及び延伸方向B(図中実線の矢印で示す)は、図1(a)に示すように長手方向に対して左に45度、及び右に45度の方向に延伸処理をしたフィルムを長手方向を一致させて積層することにより、交角が90度の積層フィルムを得ることができる。
図1(b)に示すように積層フィルム2は、第1の延伸フィルム1b、第2の延伸フィルム2bが貼り合わされたものである。この延伸フィルム1b及び延伸フィルム2bの延伸方向C(図中実線の矢印で示す)及び延伸方向D(図中実線の矢印で示す)は、図1(b)に示すように、それぞれ長手方向に対して垂直方向(90度)、及び同一方向(0度)に延伸処理をして得られたものである。この2つのフィルムを長手方向を一致させて積層することにより、交角が90度の積層フィルムを得ることができる。
第1の延伸フィルムと、第2の延伸フィルムの積層方法としては特に制限されず、公知の積層方法を採用することができる。
例えば、所定の角度をなすように貼合するために、各フィルムを枚葉に裁断して、一枚一枚を順次貼り合わせてもよいが、生産効率の観点から、長尺のフィルム同士を貼り合わせる、いわゆるロールトゥーロール方式を採用するのが好ましい。従って、第1又は第2のいずれか一方の延伸フィルムの主たる延伸方向とその延伸フィルムの長手方向を同一方向にして貼り合わせることが生産効率の観点から特に好ましい。
このロールトゥーロール方式によれば、ロール状に巻き取った第1の延伸フィルム及び第2の延伸フィルムをそれぞれ引き出し、接着剤を接合面に塗布して両者を積重し、この積重体を加圧ローラのニップに供給して圧着することにより連続的に貼り合わせることができる。
(銀保護層)
本発明のフィルムミラーに好ましく用いられる銀保護層は、前記、第2の延伸フィルムに積層するまでの間、第1の延伸フィルム上の銀反射層の保護のために使用されるものであり、透明のコーティングであることが好ましい。保護層の形成のために使用されるコーティング液は、特に制限する必要はない。即ち、本発明の目的に符合すれば、公知のいかなるものを使用してもよいが、塗布又はコーティングされた後、塗膜の透明度が80%以上で、耐熱性、耐候性、耐食性及び耐塩水性等に優れているものが好ましい。
本発明のフィルムミラーに用いられる銀保護層は、銀反射層の樹脂基材(支持体)から遠い側に隣接し、好ましくは後述する銀腐食防止剤を含み、銀の腐食劣化を防ぐとともに、銀反射層の傷防止及び、銀保護層の外側に形成されるバリア層や傷防止層との接着力向上に寄与するものである。
銀保護層に使用するバインダーとしての樹脂は、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂等の単独又はこれらの混合樹脂が使用でき、耐候性の点からポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂が好ましく、更にイソシアネート等の硬化剤を混合した熱硬化型樹脂とすればより好ましい。イソシアネートは、TDI(トリレンジイソシアネート)系、XDI(キシレンジイソシアネート)系、MDI(メチレンジイソシアネート)系、HMDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)系等の従来から使用されてきた各種イソシアネートの1種又は2種以上混合したものが使用可能である。又、上記熱硬化型樹脂に、更にシランカップリング剤を混合すれば、耐候性がより向上するので好ましい。中でもアミノ基を有するシランカップリング剤を混合すれば、耐候性の点からより好ましい。
銀保護層の厚さは、密着性、耐候性等の観点から、0.1〜20μmが好ましく、より好ましくは1〜10μmである。
銀保護層の形成方法は、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法等、従来公知のコーティング方法が使用できる。
又、銀保護層には、後述する銀腐食防止剤、後述する酸化防止剤、後述する光安定剤、後述する紫外線吸収剤を使用するのが好ましく、例えば、BASF社のTINUVINシリーズ、IRGANOXシリーズ及びChimassorbシリーズ等を使用することができる。
(銀腐食防止剤)
本発明のフィルムミラーに好ましく用いられる銀腐食防止剤としては、銀に対する吸着性基を有する腐食防止剤が好ましく用いられる。ここで、「腐食」とは、銀がそれをとり囲む環境物質によって、化学的又は電気化学的に浸食されるか若しくは材質的に劣化する現象をいう(JIS Z0103−2004参照)。
なお、腐食防止剤の含有量は、使用する化合物によって最適量は異なるが、一般的には、0.1〜1.0/mの範囲内であることが好ましい。
(銀に対する吸着性基を有する腐食防止剤〉
銀に対する吸着性基を有する腐食防止剤としては、アミン類及びその誘導体、ピロール環を有する化合物、トリアゾール環を有する化合物、ピラゾール環を有する化合物、チアゾール環を有する化合物、イミダゾール環を有する化合物、インダゾール環を有する化合物、銅キレート化合物類、チオ尿素類、メルカプト基を有する化合物、ナフタレン系の化合物の少なくとも一種又はこれらの混合物から選ばれることが好ましい。
アミン類及びその誘導体としては、エチルアミン、ラウリルアミン、トリ−n−ブチルアミン、O−トルイジン、ジフェニルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2N−ジメチルエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、アセトアミド、アクリルアミド、ベンズアミド、p−エトキシクリソイジン、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジシクロヘキシルアンモニウムサリシレート、モノエタノールアミンベンゾエート、ジシクロヘキシルアンモニウムベンゾエート、ジイソプロピルアンモニウムベンゾエート、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、シクロヘキシルアミンカーバメイト、ニトロナフタレンアンモニウムナイトライト、シクロヘキシルアミンベンゾエート、ジシクロヘキシルアンモニウムシクロヘキサンカルボキシレート、シクロヘキシルアミンシクロヘキサンカルボキシレート、ジシクロヘキシルアンモニウムアクリレート、シクロヘキシルアミンアクリレート等、或いはこれらの混合物が挙げられる。
ピロール環を有する物としては、N−ブチル−2,5−ジメチルピロール、N−フェニル−2,5−ジメチルピロール、N−フェニル−3−ホルミル−2,5−ジメチルピロール、N−フェニル−3,4−ジホルミル−2,5−ジメチルピロール等、或いはこれらの混合物が挙げられる。
トリアゾール環を有する化合物としては、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−ヒドロキシ−1,2,4−トリアゾール、3−メチル−1,2,4−トリアゾール、1−メチル−1,2,4−トリアゾール、1−メチル−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、4−メチル−1,2,3−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、4,5,6,7−テトラハイドロトリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−5−メチル−1,2,4−トリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等、或いはこれらの混合物が挙げられる。
ピラゾール環を有する化合物としては、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾロン、ピラゾリジン、ピラゾリドン、3,5−ジメチルピラゾール、3−メチル−5−ヒドロキシピラゾール、4−アミノピラゾール等、或いはこれらの混合物が挙げられる。
チアゾール環を有する化合物としては、チアゾール、チアゾリン、チアゾロン、チアゾリジン、チアゾリドン、イソチアゾール、ベンゾチアゾール、2−N,N−ジエチルチオベンゾチアゾール、P−ジメチルアミノベンザルロダニン、2−メルカプトベンゾチアゾール等、或いはこれらの混合物が挙げられる。
イミダゾール環を有する化合物としては、イミダゾール、ヒスチジン、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、4−ホルミルイミダゾール、2−メチル−4−ホルミルイミダゾール、2−フェニル−4−ホルミルイミダゾール、4−メチル−5−ホルミルイミダゾール、2−エチル−4−メチル−5−ホルミルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−4−ホルミルイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール等、或いはこれらの混合物が挙げられる。
インダゾール環を有する化合物としては、4−クロロインダゾール、4−ニトロインダゾール、5−ニトロインダゾール、4−クロロ−5−ニトロインダゾール等、或いはこれらの混合物が挙げられる。
銅キレート化合物類としては、アセチルアセトン銅、エチレンジアミン銅、フタロシアニン銅、エチレンジアミンテトラアセテート銅、ヒドロキシキノリン銅等、或いはこれらの混合物が挙げられる。
チオ尿素類としては、チオ尿素、グアニルチオ尿素等、或いはこれらの混合物が挙げられる。
メルカプト基を有する化合物としては、すでに上記に記載した材料も加えれば、メルカプト酢酸、チオフェノール、1,2−エタンジオール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、1−メチル−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、グリコールジメルカプトアセテート、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ブタンジオールビスチオグリコール、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリエチレングリコールジメルカプタン等、或いはこれらの混合物が挙げられる。
ナフタレン系としては、チオナリド等が挙げられる。
本発明のフィルムミラーに用いられる銀反射層の腐食防止剤としては、後述する紫外線吸収剤を用いることもできる。
(酸化防止剤)
本発明のフィルムミラーは構成層のうち少なくともいずれか一層に、酸化防止剤を含有することが好ましい。好ましく用いられる酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、チオール系酸化防止剤及びホスファイト系酸化防止剤を挙げることができる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、テトラキス−〔メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリス(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリエチレングリコールビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、3,9−ビス[1,1−ジ−メチル−2−〔β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−2,4,8,10−テトラオキオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等が挙げられる。特に、フェノール系酸化防止剤としては、分子量が550以上のものが好ましい。
チオール系酸化防止剤としては、例えば、ジステアリル−3,3′−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオプロピオネート)等を挙げられる。
ホスファイト系酸化防止剤としては、例えば、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス−(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)−ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,4′−ビフェニレン−ジホスホナイト、2,2′−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト等が挙げられる。
(光安定剤)
本発明のフィルムミラーは構成層のうち少なくともいずれか一層に、光安定剤を含有することが好ましい。本発明のフィルムミラーに好ましく用いられるヒンダードアミン系の光安定剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、1−メチル−8−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2、6,6−テトラメチルピペリジン、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレート、トリエチレンジアミン、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4,5]デカン−2,4−ジオン等が挙げられる。
その他ニッケル系紫外線安定剤として、〔2,2′−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)〕−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、ニッケルコンプレックス−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル・リン酸モノエチレート、ニッケル・ジブチル−ジチオカーバメート等も使用することが可能である。
特にヒンダードアミン系の光安定剤としては、3級のアミンのみを含有するヒンダードアミン系の光安定剤が好ましく、具体的には、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、又は1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノール/トリデシルアルコールと1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸との縮合物が好ましい。
(紫外線吸収剤)
本発明のフィルムミラーは構成層のうち少なくともいずれか一層に、紫外線吸収剤を含有することが好ましい。本発明のフィルムミラーに用いられる紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル系、又はトリアジン系の化合物等が挙げられる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシ−ベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシ−ベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシ−ベンゾフェノン等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2′−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
サリチル酸フェニル系紫外線吸収剤としては、フェニルサルチレート、2−4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。ヒンダードアミン系紫外線吸収剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート等が挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、上記以外に紫外線の保有するエネルギーを、分子内で振動エネルギーに変換し、その振動エネルギーを、熱エネルギー等として放出する機能を有する化合物が含まれる。更に、酸化防止剤或いは着色剤等との併用で効果を発現するものも併用することができる。但し、上記の紫外線吸収剤を使用する場合は、紫外線吸収剤の光吸収波長が、光重合開始剤の有効波長と重ならないものを選択する必要がある。
通常の紫外線防止剤を使用する場合は、可視光でラジカルを発生する光重合開始剤を使用することが有効である。
紫外線吸収剤の使用量は、0.1〜20質量%、好ましくは1〜15質量%、更に好ましくは3〜10質量%である。
(バリア層)
本発明のフィルムミラーは、バリア層を有することが好ましい。
本発明に係るバリア層は、湿度の変動、特に高湿度による樹脂基材及び当該樹脂基材で保護される各種機能素子等の劣化を防止するためのものであるが、特別の機能・用途を持たせたものであってもよく、上記特徴を維持する限りにおいて、種々の態様のバリア層を設けることができる。本発明においては、前記銀反射層よりも光源側にバリア層を設けることが好ましい。
バリア層の防湿性としては、40℃、90%RHにおける水蒸気透過度が、100g/m・day/μm以下、好ましくは50g/m・day/μm以下、更に好ましくは20g/m・day/μm以下となるように当該バリア層の防湿性を調整することが好ましい。又、酸素透過度としては、測定温度23℃、湿度90%RHの条件下で、0.6cm/m/day/atm以下(1atmは、1.01325×10Paである)であることが好ましい。
本発明に係るバリア層に関しては、その形成方法において特に制約は無いが、無機酸化物膜のセラミック前駆体を塗布した後に、塗布膜を加熱及び/又は紫外線照射により、無機酸化物膜を形成する方法が好ましく用いられる。
〈セラミック前駆体〉
本発明に係るバリア層は、加熱により無機酸化物膜を形成するセラミック前駆体を塗布した後に、一般的な加熱方法が適用して形成することできるが、局所的加熱により形成することが好ましい。当該セラミック前駆体は、ゾル状の有機金属化合物又はポリシラザンが好ましい。
〈有機金属化合物〉
本発明に係る有機金属化合物は、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、リチウム(Li)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、亜鉛(Zn)、バリウム(Ba)、インジウム(In)、スズ(Sn)、ランタン(La)、イットリウム(Y)、及びニオブ(Nb)のうちの少なくとも一つの元素を含有することが好ましい。特に、当該有機金属化合物が、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、リチウム(Li)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、及びバリウム(Ba)のうちの少なくとも一つの元素を含有することが好ましい。更に、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、及びリチウム(Li)のうちの少なくとも一つの元素を含有することが好ましい。
有機金属化合物としては、加水分解が可能なものであればよく、特に限定されるものではないが、好ましい有機金属化合物としては、金属アルコキシドが挙げられる。
前記金属アルコキシドは、下記一般式(I)で表される。
一般式(I):MR (OR(n−m)
前記一般式(I)において、Mは、酸化数nの金属を表す。R及びRは、各々独立に、アルキル基を表す。mは、0〜(n−1)の整数を表す。R及びRは、同一でもよく、異なっていてもよい。R及びRとしては、炭素原子4個以下のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基CH(以下、Meで表す。)、エチル基C(以下、Etで表す)、プロピル基C(以下、Prで表す。)、イソプロピル基i−C(以下、i−Prで表す。)、ブチル基C(以下、Buで表す)、イソブチル基i−C(以下、i−Buで表す)等の低級アルキル基がより好ましい。
前記一般式(I)で表される金属アルコキシドとしては、例えば、リチウムエトキシドLiOEt、ニオブエトキシドNb(OEt)、マグネシウムイソプロポキシドMg(OPr−i)、アルミニウムイソプロポキシドAl(OPr−i)、亜鉛プロポキシドZn(OPr)、テトラエトキシシランSi(OEt)、チタンイソプロポキシドTi(OPr−i)、バリウムエトキシドBa(OEt)、バリウムイソプロポキシドBa(OPr−i)、トリエトキシボランB(OEt)、ジルコニウムプロポキシドZn(OPr)、ランタンプロポキシドLa(OPr)、イットリウムプロポキシドY(OPr)、鉛イソプロポキシドPb(OPr−i)等が好適に挙げられる。これらの金属アルコキシドは何れも市販品があり、容易に入手することができる。又、金属アルコキシドは、部分的に加水分解して得られる低縮合物も市販されており、これを原料として使用することも可能である。
〈無機酸化物〉
無機酸化物は、前記有機金属化合物を原料とするゾルから局所的加熱により形成されたものであることが好ましい。従って、有機金属化合物に含有されているケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、亜鉛(Zn)、バリウム(Ba)、インジウム(In)、スズ(Sn)、ニオブ(Nb)等の元素の酸化物であることが好ましい。
例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等である。これらのうち、好ましくは、酸化ケイ素である。
本発明において、有機金属化合物から無機酸化物を形成する方法としては、いわゆるゾル−ゲル法及びポリシラザンを塗布する方法を用いることが好ましい。
〈ゾル−ゲル法〉
ここで、「ゾル−ゲル法」とは、有機金属化合物を加水分解すること等により、水酸化物のゾルを得て、脱水処理してゲルとし、更にこのゲルを加熱処理することで、ある一定の形状(フィルム状、粒子状、繊維状等)の金属酸化物ガラスを調製する方法をいう。
異なる複数のゾル溶液を混合する方法、他の金属イオンを添加する方法等により、多成分系の金属酸化物ガラスを得ることも可能である。
具体的には、下記工程を有するゾル−ゲル法で、無機酸化物を製造することが好ましい。
すなわち、少なくとも水及び有機溶媒を含有する反応液中で、ホウ素イオン存在下にてハロゲンイオンを触媒として、pHを4.5〜5.0に調整しながら、有機金属化合物を加水分解及び脱水縮合して反応生成物を得る工程、及び該反応生成物を200℃以下の温度で加熱してガラス化する工程、を有するゾル−ゲル法により製造されてなることが、高温熱処理による微細孔の発生や膜の劣化等が発生しないという観点から、特に好ましい。
前記ゾル−ゲル法において、原料として用いられる有機金属化合物としては、加水分解が可能なものであればよく、特に限定されるものではないが、好ましい有機金属化合物としては、前記金属アルコキシドが挙げられる。
上記ゾル−ゲル法において、前記有機金属化合物は、そのまま反応に用いてもよいが、反応の制御を容易にするため溶媒で希釈して用いることが好ましい。希釈用溶媒は、前記有機金属化合物を溶解することができ、かつ水と均一に混合することができるものであればよい。そのような希釈用溶媒としては、脂肪族の低級アルコール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、及びそれらの混合物が好適に挙げられる。又、ブタノールとセロソルブとブチルセロソルブの混合溶媒、或いはキシロールとセロソルブアセテートとメチルイソブチルケトンとシクロヘキサンの混合溶媒等を使用することもできる。
前記有機金属化合物において、金属がCa、Mg、Al等である場合には、反応液中の水と反応して水酸化物を生成したり、炭酸イオンCO 2−が存在すると炭酸塩を生成して沈殿を生ずるため、反応液に隠蔽剤としてトリエタノールアミンのアルコール溶液を添加することが好ましい。溶媒に混合溶解するときの前記有機金属化合物の濃度としては、70質量%以下が好ましく、5〜70質量%の範囲に希釈して使用することがより好ましい。
前記ゾル−ゲル法において用いられる反応液は、少なくとも水及び有機溶媒を含有する。前記有機溶媒としては、水及び酸、アルカリと均一な溶液をつくるものであればよく、通常、前記有機金属化合物の希釈に用いる脂肪族の低級アルコール類と同様のものが好適に挙げられる。前記脂肪族の低級アルコール類の中でも、メタノール、エタノールより、炭素数の多いプロパノール、イソプロパノール、ブタノール、及びイソブタノールが好ましい。これは、生成する金属酸化物ガラスの膜の成長が安定であるためである。前記反応液において、水の割合としては、水の濃度として0.2〜50mol/Lの範囲が好ましい。
前記ゾル−ゲル法においては、前記反応液中において、ホウ素イオンの存在下にて、ハロゲンイオンを触媒として、有機金属化合物を加水分解する。前記ホウ素イオンB3+を与える化合物としては、トリアルコキシボランB(OR)が好適に挙げられる。その中でも、トリエトキシボランB(OEt)がより好ましい。又、前記反応液中のB3+イオン濃度としては、1.0〜10.0mol/Lの範囲が好ましい。
前記ハロゲンイオンとしては、フッ素イオン及び/又は塩素イオンが好適に挙げられる。即ち、フッ素イオン単独、塩素イオン単独でもよく、これらの混合物でもよい。用いる化合物としては、上記反応液中でフッ素イオン及び/又は塩素イオンを生ずるものであればよく、例えば、フッ素イオン源として、フッ化水素アンモニウムNHHF・HF、フッ化ナトリウムNaF等が好適に挙げられ、塩素イオン源として、塩化アンモニウムNHCl等が好適に挙げられる。
前記反応液中の前記ハロゲンイオンの濃度としては、製造しようとする無機マトリックスを有する無機組成物からなるフィルムの膜厚や、その他の条件によって異なるが、一般的には、触媒を含む前記反応液の合計質量に対して、0.001〜2mol/kg、特に0.002〜0.3mol/kgの範囲が好ましい。ハロゲンイオンの濃度が0.001mol/kgより低いと、有機金属化合物の加水分解が十分に進行し難くなり、膜の形成が困難となる。又ハロゲンイオンの濃度が2mol/kgを超えると、生成する無機マトリックス(金属酸化物ガラス)が不均一になり易いため、いずれも好ましくない。
なお、反応時に使用したホウ素に関しては、得られる無機マトリックスの設計組成中にB成分として含有させる場合は、その含有量に応じた有機ホウ素化合物の計算量を添加したまま生成物とすればよく、又ホウ素を除去したいときは、成膜後、溶媒としてのメタノールの存在下、又はメタノールに浸漬して加熱すればホウ素はホウ素メチルエステルとして蒸発させて除去することができる。
前記有機金属化合物を、加水分解及び脱水縮合して反応生成物を得る工程においては、通常所定量の前記有機金属化合物を所定量の水及び有機溶媒を含有する混合溶媒に混合溶解した主剤溶液、並びに所定量の前記ハロゲンイオンを含有する所定量の反応液を、所定の比で混合し十分に攪拌して均一な反応溶液とした後、酸又はアルカリで反応溶液のpHを希望の値に調整し、数時間熟成することにより進行させて反応生成物を得る。前記ホウ素化合物は、主剤溶液又は反応液に予め所定量を混合溶解しておく。又、アルコキシボランを用いる場合は、他の有機金属化合物と共に主剤溶液に溶解するのが有利である。
前記反応溶液のpHは、目的によって選択され、無機マトリックス(金属酸化物ガラス)を有する無機組成物からなる膜(フィルム)の形成を目的とするときは、例えば、塩酸等の酸を用いてpHを4.5〜5の範囲に調整して熟成するのが好ましい。この場合は、例えば、指示薬としてメチルレッドとブロモクレゾールグリーンとを混合したもの等を用いると便利である。
なお、前記ゾル−ゲル法においては、同一成分の同一濃度の主剤溶液、及び反応液(B3+及びハロゲンイオンを含む。)を所定のpHに調整しながら、逐次同一割合で追加添加することにより簡単に継続して、反応生成物を製造することもできる。なお、前記反応溶液の濃度は±50質量%の範囲で、水(酸又はアルカリを含む。)の濃度は、±30質量%の範囲で、及びハロゲンイオンの濃度は±30質量%の範囲で変化させることができる。
次に、前工程で得られた反応生成物(熟成後の反応溶液)を、200℃以下の温度に加熱して乾燥しガラス化させる。加熱にあたって、特に50〜70℃の温度区間を注意して徐々に昇温して、予備乾燥(溶媒揮散)工程を経た後更に昇温することが好ましい。この乾燥は、膜形成の場合、無孔化膜とするために重要である。予備乾燥工程後、加熱し乾燥する温度としては、70〜150℃が好ましく、80〜130℃がより好ましい。
〈ポリシラザンを塗布する方法〉
本発明に係るバリア層は、加熱により無機酸化物膜を形成するセラミック前駆体を塗布した後に、塗布膜の局所的加熱により形成された無機酸化物を含有することも好ましい。
セラミック前駆体が、ポリシラザンを含有する場合は、下記一般式(II)で表されるポリシラザン及び有機溶剤中に必要に応じて触媒を含む溶液で樹脂基材を被覆し、そして、この溶剤を蒸発させて除去し、それによって樹脂基材上に0.05〜3.0μmの層厚を有するポリシラザン層を残し、そして、水蒸気を含む雰囲気中で酸素、活性酸素、場合によっては、及び窒素の存在下に、上記のポリシラザン層を、局所的加熱することによって、当該樹脂基材上にガラス様の透明な被膜を形成する方法を採用することが好ましい。
一般式(II): −(SiR11(R12)−NR13n11
式中、R11、R12、及びR13は、同一か又は異なり、互いに独立して、水素或いは置換されたアルキル基、アリール基、ビニル基又は(トリアルコキシシリル)アルキル基、好ましくは水素、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、フェニル、ビニル又は3−(トリエトキシシリル)プロピル、3−(トリメトキシシリルプロピル)からなる群から選択される基を表し、この際、n11は整数であり、そしてn11は、当該ポリシラザンが150〜150,000g/モルの数平均分子量を有するように定められる。
触媒としては、好ましくは、塩基性触媒、特にN,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、3−モルホリノプロピルアミン又はN−複素環式化合物が使用される。触媒濃度は、ポリシラザンを基準にして通常0.1〜10モル%、好ましくは0.5〜7モル%の範囲である。
好ましい態様の一つでは、R11、R12、及びR13の全てが水素原子であるパーヒドロポリシラザンを含む溶液が使用される。
更に別の好ましい態様の一つでは、本発明によるコーティングは、一般式(III)の少なくとも一種のポリシラザンを含む。
一般式(III):−(SiR2122−NR23n21−(SiR2425−NR26p21
式中、R21、R22、R23、R24、R25及びR26は、互いに独立して、水素或いは置換されたアルキル基、アリール基、ビニル基又は(トリアルコキシシリル)アルキル基を表し、この際、n21及びp21は整数であり、そしてn21は、当該ポリシラザンが150〜150,000g/モルの数平均分子量を有するように定められる。
特に好ましいものは、R21、R23及びR26が水素を表し、そしてR22、R24及びR25がメチルを表す化合物、R21、R23及びR26が水素を表し、そしてR22、R24がメチルを表し、そしてR25がビニルを表す化合物、R21、R23、R24及びR26が水素を表し、そしてR22及びR25がメチルを表す化合物である。
又、一般式(IV)の少なくとも一種のポリシラザンを含む溶液も同様に好ましい。
一般式(IV):−(SiR3132−NR33n31−(SiR3435−NR36p31−(SiR3738−NR39q31
式中、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38及びR39は、互いに独立して、水素或いは置換されたアルキル基、アリール基、ビニル基又は(トリアルコキシシリル)アルキル基を表し、この際、n31、p31及びq31は整数であり、そしてn31は、当該ポリシラザンが150〜150,000g/モルの数平均分子量を有するように定められる。
特に好ましいものは、R31、R33及びR36が水素を表し、そしてR32、R34、R35及びR38がメチルを表し、R39が(トリエトキシシリル)プロピルを表し、そしてR37がアルキル又は水素を表す化合物である。
溶剤中のポリシラザンの割合は、一般的には、ポリシラザン1〜80質量%、好ましくは5〜50質量%、特に好ましくは10〜40質量%である。
溶剤としては、特に、水及び反応性基(例えばヒドロキシル基又はアミン基)を含まずそしてポリシラザンに対して不活性の有機系で好ましくは非プロトン性の溶剤が好適である。これは、例えば、脂肪族又は芳香族炭化水素、ハロゲン炭化水素、エステル、例えば酢酸エチル又は酢酸ブチル、ケトン、例えばアセトン又はメチルエチルケトン、エーテル、例えばテトラヒドロフラン又はジブチルエーテル、並びにモノ−及びポリアルキレングリコールジアルキルエーテル(ジグライム類)又はこれらの溶剤からなる混合物である。
上記ポリシラザン溶液の追加の成分は、塗料の製造に慣用されているもののような更に別のバインダーであることができる。これは、例えば、セルロースエーテル及びセルロースエステル、例えばエチルセルロース、ニトロセルロース、セルロースアセテート又はセルロースアセトブチレート、天然樹脂、例えばゴムもしくはロジン樹脂、又は合成樹脂、例えば重合樹脂もしくは縮合樹脂、例えばアミノプラスト、特に尿素樹脂及びメラミンホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステルもしくは変性ポリエステル、エポキシド、ポリイソシアネートもしくはブロック化ポリイソシアネート、又はポリシロキサンである。
ポリシラザン調合物の更に別の成分は、例えば、調合物の粘度、下地の濡れ、成膜性、潤滑作用又は排気性に影響を与える添加剤、或いは無機ナノ粒子、例えばSiO、TiO、ZnO、ZrO又はAlであることができる。
本発明の方法を用いることによって、亀裂及び孔が無いためにガスに対する高いバリア作用に優れる緻密なガラス様の層を製造することができる。
形成される被膜の厚さは、100nm〜2μmの範囲内にすることが好ましい。
(傷防止層)
本発明においては、フィルムミラーの最外層として、傷防止層を設けることが好ましい。
傷防止層は、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、有機シリケート化合物、シリコーン系樹脂等で構成することができる。特に、硬度と耐久性等の点で、シリコーン系樹脂やアクリル系樹脂が好ましい。更に、硬化性、可撓性及び生産性の点で、活性エネルギー線硬化型のアクリル系樹脂、又は熱硬化型のアクリル系樹脂からなるものが好ましい。
活性エネルギー線硬化型のアクリル系樹脂又は熱硬化型のアクリル系樹脂とは、重合硬化成分として多官能アクリレート、アクリルオリゴマー或いは反応性希釈剤を含む組成物である。その他に必要に応じて光開始剤、光増感剤、熱重合開始剤或いは改質剤等を含有しているものを用いてもよい。
アクリルオリゴマーとは、アクリル系樹脂骨格に反応性のアクリル基が結合されたものを始めとして、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレート等であり、又、メラミンやイソシアヌール酸等の剛直な骨格にアクリル基を結合したもの等も用いられ得る。
又、反応性希釈剤とは、塗工剤の媒体として塗工工程での溶剤の機能を担うと共に、それ自体が一官能性或いは多官能性のアクリルオリゴマーと反応する基を有し、塗膜の共重合成分となるものである。
市販されている多官能アクリル系硬化塗料としては、三菱レイヨン社;(商品名“ダイヤビーム”シリーズ等)、長瀬産業社;(商品名“デナコール”シリーズ等)、新中村化学社;(商品名“NKエステル”シリーズ等)、DIC社;(商品名“UNIDIC”シリーズ等)、東亞合成化学社;(商品名“アロニックス”シリーズ等)、日油社;(商品名“ブレンマー”シリーズ等)、日本化薬社;(商品名“KAYARAD”シリーズ等)、共栄社化学社;(商品名“ライトエステル”シリーズ、“ライトアクリレート”シリーズ等)等の製品を利用することができる。
本発明において、傷防止層中には、本発明の効果が損なわれない範囲で、更に各種の添加剤を必要に応じて配合することができる。例えば、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤等の安定剤、界面活性剤、レベリング剤及び帯電防止剤等を用いることができる。
レベリング剤は、特に、傷防止層を塗工する際、表面凹凸低減に効果的である。レベリング剤としては、例えば、シリコーン系レベリング剤として、ジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体(例えば、東レダウコーニング社製SH190)が好適である。
(フィルムミラー全体の厚さ)
本発明に係るフィルムミラー全体の厚さは、ミラーがたわみ防止、正反射率、取り扱い性等の観点から、75〜300μmが好ましく、更に好ましくは100〜200μmである。
(太陽熱発電用反射装置)
本発明のフィルムミラーは、太陽光を集光する目的において、好ましく使用できる。フィルムミラー単体で太陽熱発電用反射装置として用いることもできるが、より好ましくは、樹脂基材を挟んで銀反射層を有する側と反対側の樹脂基材面に塗設された粘着層を介して、保持部材上に、特に金属基材上に、フィルムミラーを貼り付けて太陽熱発電用反射装置として用いることである。
太陽熱発電用反射装置として用いる場合、反射装置の形状を樋状(半円筒状)として、半円の中心部分に内部に流体を有する筒状部材を設け、筒状部材に太陽光を集光させることで内部の流体を加熱し、その熱エネルギーを変換して発電する形態が一形態として挙げられる。又、平板状の反射装置を複数個所に設置し、それぞれの反射装置で反射された太陽光を一枚の反射鏡(中央反射鏡)に集光させて、反射鏡により反射して得られた熱エネルギーを発電部で変換することで発電する形態も一形態として挙げられる。特に後者の形態においては、用いられる反射装置に高い正反射率が求められる為、本発明のフィルムミラーが特に好適に用いられる。
(粘着層)
粘着層としては、特に制限されず、例えばドライラミネート剤、ウェットラミネート剤、粘着剤、ヒートシール剤、ホットメルト剤等のいずれもが用いられる。
好ましくは粘着剤が挙げられ、主成分となる樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ニトリルゴム等が用いられる。中でも好ましい粘着剤としてはアクリル系が挙げられる。具体的には、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とし、更に少量の、官能基を有する(メタ)アクリルモノマーを含有するアクリル系単量体組成物を重合開始剤の存在下ラジカル重合してなる、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下のアクリル系樹脂と、架橋剤とを含有するアクリル系粘着剤が挙げられる。ここで、アクリル系樹脂の主成分となる(メタ)アクリル酸エステルは、下記式:
CH=C(R1N)COOR2N
で表すことができ、式中、R1Nは水素原子又はメチル基を表し、R2Nは炭素数1〜14のアルキル基、又はアラルキル基を表し、R2Nのアルキル基の水素原子、又はアラルキル基の水素原子は、炭素数1〜10のアルコキシ基によって置換されていてもよい。
又、官能基を有する(メタ)アクリルモノマーは、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基等の極性官能基と、一つのオレフィン性二重結合(通常は(メタ)アクリロイル基)を分子内に含有する単量体が好ましい。
アクリル系樹脂の主成分となる(メタ)アクリル酸エステルの具体例を挙げれば、例えば、R1NがHであり、R2Nがn−ブチル基であるアクリル酸ブチルや、R1NがHであり、R2Nが2−エチルヘキシル基であるアクリル酸2−エチルヘキシル等がある。又、官能基を有する(メタ)アクリルモノマーの具体例を挙げれば、例えば、水酸基を有するものとして、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル;カルボキシル基を有するものとして、アクリル酸等がある。更にこのアクリル系樹脂の製造にあたっては、分子内に複数の(メタ)アクリロイル基を有するモノマーを少量共重合させることもでき、その例として、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アクリル系樹脂の製造にあたり、上記の(メタ)アクリル酸エステル及び官能基を有する(メタ)アクリルモノマーは、それぞれ一種類のみが用いられてもよいし、複数種類が併用されてもよい。又、(メタ)アクリル酸エステルと官能基を有する(メタ)アクリルモノマーとの共重合体であるアクリル系樹脂を複数種類組み合わせたり、当該共重合体であるアクリル系樹脂に、他のアクリル系樹脂、例えば官能基を有しない(メタ)アクリルモノマーの単独又は共重合体からなるアクリル系樹脂を配合したりして、アクリル系樹脂組成物としたものを粘着剤の樹脂成分として用いることもできる。
アクリル系粘着剤に配合される架橋剤は、イソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、金属キレート系化合物、アジリジン系化合物等であることができる。イソシアネート系化合物は、分子内にイソシアナト基(−NCO)を少なくとも2個有する化合物それ自体のほか、それをポリオール等に反応させたアダクト体、その2量体、3量体等の形で用いることができる。架橋剤の具体例を挙げれば、ジイソシアネート系化合物として、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体等があり、それぞれ酢酸エチル等の有機溶剤に溶かした溶液として用いることが多い。これらの架橋剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、複数種類を組み合わせて用いてもよい。
アクリル系粘着剤に含有されるアクリル系樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算で、60万〜200万が好ましい。
上記アクリル系樹脂は、酢酸エチル等の有機溶剤に溶解され、更に架橋剤が加えられることにより、アクリル系粘着剤溶液が得られる。又、必要に応じて、シランカップリング剤、耐候安定剤、タッキファイヤー、可塑剤、軟化剤、顔料、及び無機フィラーの一種又は二種以上、更には有機ビーズ等の光拡散性微粒子を含有させることができる。
ラミネート方法は特に制限されず、例えばロール式で連続的に行うのが経済性及び生産性の点から好ましい。
粘着層の厚さは、粘着効果、乾燥速度等の観点から、通常1〜50μmの範囲であることが好ましい。
こうして得られるアクリル系粘着剤溶液は、通常、剥離フィルムの上に塗工され、60〜120℃で0.5〜10分間程度加熱して有機溶媒が留去されて、粘着剤層とされる。次いで、この粘着剤層に、前記の第2の延伸フィルムを貼合した後、例えば、温度23℃、湿度65%の雰囲気下、5〜20日程度熟成させ、架橋剤を十分反応させる。
上記のようなアクリル系粘着剤の原料は、市販品を容易に入手することが可能であり、例えば、各種アクリルモノマー(株式会社日本触媒製、東亞合成株式会社製)、重合開始剤である2,2′−アゾビスイソブチロニトリル等(大塚科学株式会社製、株式会社日本ファインケム製)、架橋剤であるヘキサメチレンジイソシアネート、及びそのトリメチロールプロパンアダクト体、トリレンジイソシアネート、及びそのトリメチロールプロパンアダクト体等(三井化学ポリウレタン株式会社製、住化バイエルウレタン株式会社製)が挙げられる。
(保持部材)
本発明の反射装置において、フィルムミラーを保持する部材としては金属支持体を用いることが好ましく、例えば、鋼板、銅板、アルミニウム板、アルミニウムめっき鋼板、アルミニウム系合金めっき鋼板、銅めっき鋼板、錫めっき鋼板、クロムめっき鋼板、ステンレス鋼板等熱伝導率の高い金属材料を用いることができる。本発明においては、特に、耐食性の良好なめっき鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板等にすることが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
〔フィルムミラーの作製〕
(フィルムミラー(F−1)の作製)
第1の延伸フィルムとして、ポリエチレンテレフタレート樹脂を280℃にてTダイ押出機で溶融押し出しして未延伸フィルムを製造し、次に該フィルムを延伸温度120℃で長手方向に3.0倍延伸後、幅方向に3.5倍延伸し、厚さ30μmの2軸延伸ポリエステルフィルムを製造した。該ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、ポリエステル樹脂(ポリエスターSP−181、日本合成化学社製)、メラミン樹脂(スーパーベッカミンJ−820、DIC社製)、TDI系イソシアネート(2,4−トリレンジイソシアネート)、HDMI系イソシアネート(1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート)を固形分比率で20:1:1:2に、固形分濃度10質量%となるようにトルエン中に混合した塗布液を、グラビアコート法によりコーティングして、厚さ1.0μmの易接着層を形成した。更に易接着層上に、銀反射層として、真空蒸着法により厚さ80nmの銀反射層を形成し、次に銀保護層として前記銀反射層上に、ポリエステル樹脂(ポリエスターSP−181、日本合成化学社製)とTDI系イソシアネートを樹脂固形分比率で10:2に、固形分濃度20質量%となるようにトルエン中に混合した塗布液を、グラビアコート法によりコーティングして、厚さ3.0μmの銀保護層を形成した。
次に、前記銀反射層を保護する第2の延伸フィルムとして、メタクリル樹脂(ガラス転移温度105℃)80部、アクリルゴム粒子20部、更に配合剤として、紫外線吸収剤(Tinuvin234、BASF社製)1.4部、酸化防止剤(アデカスタブAO−50、ADEKA社製)0.1部、及び、光安定剤(LA−67、ADEKA社製)0.3部を、ヘンシェルミキサーを用いて混合した。この混合物を240℃にて二軸押出機で溶融混錬して樹脂組成物のペレットにした後、240℃にてTダイ押出機で溶融押し出しして未延伸フィルムを製造し、次に該フィルムを延伸温度140℃で長手方向に1.2倍延伸後し、厚さ75μmの1軸延伸アクリルフィルムを製造した。
次いで、第1の延伸フィルムと第2の延伸フィルムをロールトゥーロール方式による積層態様に従って、それぞれの主たる延伸方向の交角が90度になる(長手方向が一致する)ように、接着層(A−626、硬化剤A−50、三井化学社製、厚み5μm)を介してドライラミネーションプロセスにより積層し、この積層体を加圧ローラのニップに供給して連続的に貼り合わせることにより、積層フィルムを製造した。
更にシリコン系剥離シートにアクリル系粘着剤(BPS−5296、硬化剤BXX4773東洋インキ社製)を乾燥後の厚さが25μmとなるように塗布した後、100℃で2分間乾燥後、この粘着層シートを前記第1の延伸フィルムであるポリエステルフィルムの裏面(銀反射層と反対側)に貼合し、本発明のフィルムミラー(F−1)を得た。
(フィルムミラー(F−2)の作製)
フィルムミラー(F−1)の作製において、第1の延伸フィルム及び第2の延伸フィルムの主たる延伸方向が所定の角度をなすように積層するために、第1の延伸フィルム及び第2の延伸フィルムを枚葉に裁断して、主たる延伸方向の交角が60度になるように積層したこと以外は、フィルムミラー(F−1)の作製と同様にして、本発明のフィルムミラー(F−2)を得た。
(フィルムミラー(F−3)の作製)
フィルムミラー(F−1)の作製において、第1の延伸フィルム及び第2の延伸フィルムの主たる延伸方向が所定の角度をなすように積層するために、第1の延伸フィルム及び第2の延伸フィルムを枚葉に裁断して、主たる延伸方向の交角が45度になるように積層したこと以外は、フィルムミラー(F−1)の作製と同様にして、本発明のフィルムミラー(F−3)を得た。
(比較フィルムミラー(HF−1)の作製)
フィルムミラー(F−1)の作製において、第1の延伸フィルム及び第2の延伸フィルムの主たる延伸方向が所定の角度をなすように積層するために、第1の延伸フィルム及び第2の延伸フィルムを枚葉に裁断して、主たる延伸方向の交角が43度になるように積層したこと以外は、フィルムミラー(F−1)の作製と同様にして、比較のフィルムミラー(HF−1)を得た。
(比較フィルムミラー(HF−2)の作製)
フィルムミラー(F−1)の作製において、第1の延伸フィルム及び第2の延伸フィルムの主たる延伸方向が所定の角度をなすように積層するために、第1の延伸フィルム及び第2の延伸フィルムを枚葉に裁断して、主たる延伸方向の交角が25度になるように積層したこと以外は、フィルムミラー(F−1)の作製と同様にして、比較のフィルムミラー(HF−2)を得た。
(比較フィルムミラー(HF−3)の作製)
フィルムミラー(F−1)の作製において、第1の延伸フィルム及び第2の延伸フィルムの主たる延伸方向が所定の角度をなすように積層するために、第1の延伸フィルム及び第2の延伸フィルムを枚葉に裁断して、主たる延伸方向の交角が0度になるように積層したこと以外は、フィルムミラー(F−1)の作製と同様にして、比較のフィルムミラー(HF−3)を得た。
(フィルムミラー(F−4)の作製)
フィルムミラー(F−1)の作製において、第2の延伸フィルムとして、ポリカーボネート樹脂(ガラス転移温度160℃)のペレットを、溶融温度270℃にてTダイ押出機で溶融押し出しして未延伸フィルムを製造し、次に該フィルムを延伸温度150℃で長手方向に1.2倍延伸後し、厚さ75μmの1軸延伸ポリカーボネートフィルムを製造し、第2の延伸フィルムとして使用した以外は、フィルムミラー(F−1)の作製と同様にして、本発明のフィルムミラー(F−4)を得た。
(フィルムミラー(F−5)の作製)
フィルムミラー(F−4)の作製において、第1の延伸フィルム及び第2の延伸フィルムの主たる延伸方向が所定の角度をなすように積層するために、第1の延伸フィルム及び第2の延伸フィルムを枚葉に裁断して、主たる延伸方向の交角が60度になるように積層したこと以外は、フィルムミラー(F−4)の作製と同様にして、本発明のフィルムミラー(F−5)を得た。
(フィルムミラー(F−6)の作製)
フィルムミラー(F−4)の作製において、第1の延伸フィルム及び第2の延伸フィルムの主たる延伸方向が所定の角度をなすように積層するために、第1の延伸フィルム及び第2の延伸フィルムを枚葉に裁断して、主たる延伸方向の交角が45度になるように積層したこと以外は、フィルムミラー(F−4)の作製と同様にして、本発明のフィルムミラー(F−6)を得た。
(比較フィルムミラー(HF−4)の作製)
フィルムミラー(F−4)の作製において、第1の延伸フィルム及び第2の延伸フィルムの主たる延伸方向が所定の角度をなすように積層するために、第1の延伸フィルム及び第2の延伸フィルムを枚葉に裁断して、主たる延伸方向の交角が43度になるように積層したこと以外は、フィルムミラー(F−4)の作製と同様にして、比較のフィルムミラー(HF−4)を得た。
(比較フィルムミラー(HF−5)の作製)
フィルムミラー(F−4)の作製において、第1の延伸フィルム及び第2の延伸フィルムの主たる延伸方向が所定の角度をなすように積層するために、第1の延伸フィルム及び第2の延伸フィルムを枚葉に裁断して、主たる延伸方向の交角が25度になるように積層したこと以外は、フィルムミラー(F−4)の作製と同様にして、比較のフィルムミラー(HF−5)を得た。
(比較フィルムミラー(HF−6)の作製)
フィルムミラー(F−4)の作製において、第1の延伸フィルム及び第2の延伸フィルムの主たる延伸方向が所定の角度をなすように積層するために、第1の延伸フィルム及び第2の延伸フィルムを枚葉に裁断して、主たる延伸方向の交角が0度になるように積層したこと以外は、フィルムミラー(F−4)の作製と同様にして、比較のフィルムミラー(HF−6)を得た。
(フィルムミラー(F−7)の作製)
フィルムミラー(F−1)の作製において、第2の延伸フィルムとして、ノルボルネン系樹脂(ZEONOR1420、日本ゼオン社製、ガラス転移温度135℃)のペレットを、溶融温度240℃にてTダイ押出機で溶融押し出しして未延伸フィルムを製造し、次に該フィルムを延伸温度150℃で長手方向に1.5倍延伸後し、幅方向に1.2倍延伸し、厚さ75μmの2軸延伸ノルボルネン系樹脂フィルムを製造し、第2の延伸フィルムとして使用した以外は、フィルムミラー(F−1)の作製と同様にして、本発明のフィルムミラー(F−7)を得た。
(フィルムミラー(F−8)の作製)
フィルムミラー(F−7)の作製において、第1の延伸フィルム及び第2の延伸フィルムの主たる延伸方向が所定の角度をなすように積層するために、第1の延伸フィルム及び第2の延伸フィルムを枚葉に裁断して、主たる延伸方向の交角が60度になるように積層したこと以外は、フィルムミラー(F−7)の作製と同様にして、本発明のフィルムミラー(F−8)を得た。
(フィルムミラー(F−9)の作製)
フィルムミラー(F−7)の作製において、第1の延伸フィルム及び第2の延伸フィルムの主たる延伸方向が所定の角度をなすように積層するために、第1の延伸フィルム及び第2の延伸フィルムを枚葉に裁断して、主たる延伸方向の交角が45度になるように積層したこと以外は、フィルムミラー(F−7)の作製と同様にして、本発明のフィルムミラー(F−9)を得た。
(比較フィルムミラー(HF−7)の作製)
フィルムミラー(F−7)の作製において、第1の延伸フィルム及び第2の延伸フィルムの主たる延伸方向が所定の角度をなすように積層するために、第1の延伸フィルム及び第2の延伸フィルムを枚葉に裁断して、主たる延伸方向の交角が43度になるように積層したこと以外は、フィルムミラー(F−7)の作製と同様にして、比較のフィルムミラー(HF−7)を得た。
(比較フィルムミラー(HF−8)の作製)
フィルムミラー(F−7)の作製において、第1の延伸フィルム及び第2の延伸フィルムの主たる延伸方向が所定の角度をなすように積層するために、第1の延伸フィルム及び第2の延伸フィルムを枚葉に裁断して、主たる延伸方向の交角が25度になるように積層したこと以外は、フィルムミラー(F−7)の作製と同様にして、比較のフィルムミラー(HF−8)を得た。
(比較フィルムミラー(HF−9)の作製)
フィルムミラー(F−7)の作製において、第1の延伸フィルム及び第2の延伸フィルムの主たる延伸方向が所定の角度をなすように積層するために、第1の延伸フィルム及び第2の延伸フィルムを枚葉に裁断して、主たる延伸方向の交角が0度になるように積層したこと以外は、フィルムミラー(F−7)の作製と同様にして、比較のフィルムミラー(HF−9)を得た。
(フィルムミラー(F−10)の作製)
フィルムミラー(F−1)の作製において、銀保護層に腐食防止剤としてブタンジオールビスチオグリコレートを塗布後に0.5g/mとなるよう調整した量を添加したこと以外は同様にして、本発明のフィルムミラー(F−10)を得た。
(フィルムミラー(F−11)の作製)
フィルムミラー(F−1)の作製において、第2の延伸フィルムを積層する前に、銀保護層の上に、下記真空蒸着プロセスにより、厚さ100nmの酸化ケイ素のバリア層を形成した以外は同様にして、本発明のフィルムミラー(F−11)を得た。
(真空蒸着法によるバリア層)
真空蒸着装置を用い、チャンバーの到達真空度が3.0×10−5torr(4.0×10−3Pa)になるまで排気した後、酸素ガスをコーティングドラムの近傍に、チャンバー内の圧力を3.0×10−4torr(4.0×10−2Pa)に保って導入し、蒸発源の一酸化ケイ素をピアス型電子銃により、約10kWの電力で加熱して蒸着させ、コーティングドラム上を120m/minの速度で走行するポリエステルフィルム上に、厚さが100nmの酸化ケイ素のバリア層を形成した。
(フィルムミラー(F−12)の作製)
フィルムミラー(F−1)の作製において、第2の延伸フィルムの上部(第1の延伸フィルムと貼合する面とは反対側)に下記傷防止層(ハードコート層)を塗布したこと以外は同様にして、本発明のフィルムミラー(F−12)を得た。
(傷防止層)
塗布液として下記組成の傷防止層用塗布液を調製し、前記第1の延伸フィルムの上に、硬化後の膜厚が3μmとなるようにマイクログラビアコーターを用いて塗布し、溶剤を蒸発乾燥後、高圧水銀灯を用いて0.2J/cmの紫外線照射により硬化させハードコートフィルムを得た。
〈傷防止層用塗布液〉
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 70質量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 30質量部
光反応開始剤(イルガキュア184、BASF社製) 4質量部
酢酸エチル 150質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 150質量部
シリコーン化合物(BYK−307、ビックケミージャパン社製) 0.4質量部
作製した21種のフィルムミラーの内容を表1に示す。
なお、表では以下のように略記した。
交角:第1の延伸フィルムと、第2の延伸フィルムの主たる延伸方向の交角
腐食防止剤の有無:銀保護層中の腐食防止剤の有無
紫外線吸収剤の有無:第2の延伸フィルム中に含まれる紫外線吸収剤の有無
Figure 2012083527
〔太陽熱発電用反射装置の作製〕
(太陽熱発電用反射装置1〜12、H−1〜H−9の作製)
前記作製したフィルムミラー(F−1)〜(F−12)、比較のフィルムミラー(HF−1〜HF−9)を縦4cm×横4cmに切り出し、厚さ0.1mmで、縦4cm×横5cmのアルミ板と前記作製したフィルムミラーの粘着層を介して貼り合せて、それぞれ太陽熱発電用反射装置1〜12、比較の太陽熱発電用反射装置H−1〜H−9を得た。
〔太陽熱発電用反射装置の評価〕
上記作製した21種の太陽熱発電用反射装置について、下記の方法により初期正反射率及び耐候性、耐光性、黄色変化、耐塩水性、及び鉛筆硬度の評価を行った。
(初期正反射率)
島津製作所社製の分光光度計「UV265」に、積分球反射付属装置を取り付けたものを改造し、反射面の法線に対して、入射光の入射角を5度となるように調整し、反射角5度の初期正反射率を測定した。評価は、350nmから700nmまでの平均反射率として測定した。
(耐候性)
耐候性の強制劣化条件として85℃、85%RHの条件で1500時間放置後の正反射率を、上記初期正反射率測定と同様の方法により測定し、強制劣化前の正反射率と強制劣化後の正反射率から、強制劣化による正反射率の低下率を算出し、耐候性を下記基準で評価した。
5:正反射率の低下率が5%未満
4:正反射率の低下率が5%以上10%未満
3:正反射率の低下率が10%以上15%未満
2:正反射率の低下率が15%以上20%未満
1:正反射率の低下率が20%以上
(耐光性)
岩崎電気製アイスーパーUVテスターを用いて、60℃、60%RHの条件で300時間紫外線照射を行った後、上記方法により正反射率を測定し、紫外線照射前後における正反射率の低下率を算出し、耐光性を下記基準で評価した。
5:正反射率の低下率が5%未満
4:正反射率の低下率が5%以上10%未満
3:正反射率の低下率が10%以上15%未満
2:正反射率の低下率が15%以上20%未満
1:正反射率の低下率が20%以上
(黄色変化)
岩崎電気製アイスーパーUVテスターを用いて、60℃、60%RHの条件で300時間紫外線照射を行った後、目視により黄色変化を観察し、下記基準で評価した。
5:目視で色味の差が全く見えない
4:目視で色味の差がわずかに見える
3:目視で色味の差が見えるが、実用上問題ないレベルにある
2:目視で色味の差がはっきり見え、実用上問題のレベルにある
1:色味の差が著しい
(耐塩水性)
温度25℃で塩水(pH;6.5〜7.2)を2時間噴霧して、60℃で24時間放置することを1サイクルとし、10サイクル行って耐塩水性を下記の基準で評価した。
5:正反射率の低下率が5%未満
4:正反射率の低下率が5%以上10%未満
3:正反射率の低下率が10%以上15%未満
2:正反射率の低下率が15%以上20%未満
1:正反射率の低下率が20%以上
(鉛筆硬度)
JIS−K5400に基づいて、各サンプルの45度傾斜、1kg荷重における鉛筆硬度を測定した。
以上の評価結果を表2に示す。
Figure 2012083527
表2から明らかなように、本発明のフィルムミラーを用いた太陽熱発電用反射装置の各種特性は、比較例に対して優れていることが分かる。すなわち、比較例において、過酷な環境下で長期間試験された場合、正反射率が大幅に低下しているのに対し、本発明では、良好な正反射率を維持しており、優れた耐久性があることが分かった。更に耐候性、又は耐光性に改良効果がある層又は添加剤が含有された場合、非常に優れた耐久性を示すことが分かった。又、太陽熱発電用反射装置として優れた結果を示した、太陽熱発電用反射装置1、4、7、10、11及び12に対応する本発明のフィルムミラーF−1、F−4,F−7、F−10、F−11、F−12のように、主たる延伸方向とその延伸フィルムの長手方向が同一な延伸フィルムと、主たる延伸方向とその延伸フィルムの長手方向が90度である延伸フィルムとを、長手方向を同一方向にして貼合することにより、ロールトゥーロール方式で連続的に生産することができ、生産効率の観点から特に好ましい。つまり本発明では、製造コストを抑え大面積化、大量生産することのでき、しかも耐久性に優れ、太陽光に対して良好な正反射率を有するフィルムミラー、その製造方法及びそのフィルムミラーを用いた太陽熱発電用反射装置を提供できることが分かった。
1 積層フィルム1
2 積層フィルム2
1a、1b 第1の延伸フィルム
2a、2b 第2の延伸フィルム
A、B、C、D 延伸方向

Claims (6)

  1. 第1の延伸フィルムと第2の延伸フィルムとが、第1の延伸フィルム上に設けられた銀反射層を挟む形で、接着層を介して積層されたフィルムミラーであって、前記第1、第2の延伸フィルムの主たる延伸方向が交差し、その交角が45度以上90度以下であることを特徴とするフィルムミラー。
  2. 前記第1、第2の延伸フィルムの主たる延伸方向が交差し、その交角が70度以上90度以下であることを特徴とする請求項1に記載のフィルムミラー。
  3. 第1の延伸フィルムと第2の延伸フィルムとが、第1の延伸フィルム上に設けられた銀反射層を挟む形で、接着層を介して積層される工程を有するフィルムミラーの製造方法であって、前記第1、第2の延伸フィルムの主たる延伸方向を交差させ、その交角を45度以上90度以下にして製造することを特徴とするフィルムミラーの製造方法。
  4. 前記第1、第2の延伸フィルムの主たる延伸方向を交差させ、その交角を70度以上90度以下にして製造することを特徴とする請求項3に記載のフィルムミラーの製造方法。
  5. 請求項3または4に記載のフィルムミラーの製造方法において、第1又は第2のいずれか一方の延伸フィルムの主たる延伸方向とその延伸フィルムの長手方向を同一方向にして積層することを特徴とするフィルムミラーの製造方法。
  6. 請求項1または2に記載のフィルムミラーを用いることを特徴とする太陽熱発電用反射装置。
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