JP2012083460A - カラーフィルタ用赤色感光性着色組成物、カラーフィルタ及びカラー液晶表示装置 - Google Patents

カラーフィルタ用赤色感光性着色組成物、カラーフィルタ及びカラー液晶表示装置 Download PDF

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裕一 山本
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Abstract

【課題】
位相差プラス化・高明度・高コントラスト比を充足した赤色着色画素層を可能とするカラーフィルタ用赤色感光性着色組成物、および該赤色感光性着色組成物により、斜め視認性・明度・コントラスト比に優れたカラー液晶表示装置を提供すること。
【解決手段】
着色剤[A]、バインダー樹脂[B]、光重合性単量体[C]、光重合開始剤[D]、および有機溶剤[E]を含有するカラーフィルタ用赤色感光性着色組成物であって、該着色剤[A]が、着色剤[A]の合計100重量%中、5〜40重量%のC.I.ピグメントオレンジ38と、10〜80重量%のC.I.ピグメントレッド254と、10〜80重量%のC.I.ピグメントレッド177とを含み、かつ該カラーフィルタ用赤色感光性着色組成物により形成されてなる着色画素層の厚み方向の位相差値Rthが、3〜30であることを特徴とするカラーフィルタ用赤色感光性着色組成物によって解決される。
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶表示装置や固体撮像素子に用いられるカラーフィルタ用赤色感光性着色組成物、それを用いたカラーフィルタ、およびこのカラーフィルタを備えたカラー液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、2枚の偏光板に挟まれた液晶層が、1枚目の偏光板を通過した光の偏光度合いを制御して、2枚目の偏光板を通過する光量をコントロールすることにより表示を行う表示装置であり、2枚の偏光板の間にカラーフィルタを設けることによりカラー表示が可能となっている。
カラーフィルタは、ガラス等の透明な基板の表面に2種以上の異なる色相の微細な帯(ストライプ)状の着色画素層を平行又は交差して配置したもの、あるいは微細な着色画素層を縦横一定の配列で配置したものからなっている。着色画素層は、数ミクロン〜数100ミクロンと微細であり、しかも色相毎に所定の配列で整然と配置されている。
一般的に、カラー液晶表示装置では、カラーフィルタの上に液晶を駆動させるための透明電極が蒸着あるいはスパッタリングにより形成され、更に、その上に液晶を一定方向に配向させるための配向膜が形成されている。これらの透明電極及び配向膜の性能を充分に得るには、その形成を一般に200℃以上、好ましくは230℃以上の高温で行う必要がある。このため、現在、カラーフィルタの製造方法としては、耐光性、耐熱性に優れる顔料を着色剤とする顔料分散法と呼ばれる方法が主流となっている。
カラーフィルタに要求される品質項目としては、コントラスト比と明度が挙げられる。コントラスト比が低いカラーフィルタを用いると、液晶が制御した偏光度合いを乱してしまい、光を遮断しなければならないとき(OFF状態)に光が漏れたり、光を透過しなければならないとき(ON状態)に透過光が減衰したりするため、ぼやけた画面となってしまう。そのため高品質な液晶表示装置を実現するためには、高コントラスト化が不可欠である。
また、明度が低いカラーフィルタを用いると、光の透過率が低いため、暗い画面となってしまい、明るい画面とするためには、光源であるバックライトの数を増量する必要がある。そのため消費電力の増大を抑制する観点から、カラーフィルタの高明度化がトレンドとなっている。
近年、これら2つの項目に加えて、光の位相差(リタデーション)制御の要望が高まっている。位相差制御が適切に行われていないと、黒表示時に表示面に対して正面(垂直方向)からの視認性は良いが、45度など斜めから観察した視認性(以下、斜め視認性と略称する)において、ある特定の色だけが光漏れしてしまい、その結果黒表示時に 赤味や青味など、あるいは緑味などの色付きを生じさせてしまい、表示特性が悪化してしまう。
通常、液晶表示装置において、位相差制御を達成するために、ポリカーボネートフィルム等を延伸したものか、もしくは複屈折異方性を有する液晶材料をトリアセチルセルロースフィルム等に塗布した位相差制御フィルムを用いた光学補償層を設置している。
しかしながら、これらの位相差制御フィルムは、そのリタデーション量は面内で均一に保たれているため、実際に表示される画素ごとには最適なリタデーション量に設定されておらず、必ずしも最適な位相差補償が行われているわけではない。
これは、現実的にはカラーフィルタを構成する赤色・緑色および青色の着色画素層の厚み方向位相差値(以下、Rth(R)、Rth(G)、Rth(B)と称する)がそれぞれ異なっており、光の波長に対して一方向(連続的)な波長分散性を示す光学補償層では、各色不揃いの厚み方向位相差値を、近時求められる高度な表示品質のレベルで補償することができなくなるためである。
そこで、カラーフィルタの着色画素層においても、位相差フィルム等の各波長における位相差補償程度を加味した上で、各着色画素層ごとに適切に位相差制御を行うのが、視認性改善にとって最も好ましい。一般的には、位相差フィルムの光学補償の波長分散性の関係から、カラーフィルタの各着色画素層の位相差はRth(R)>Rth(G)>Rth(B)となるように設計するのが望ましいとされる。緑色および青色の着色画素層は、位相差が0付近のものが多いため、上記の関係性を満たすためには、赤色着色画素層Rth(R)はプラス化にすることが斜め視認性改善にとって最も好ましく、またRth(R)の値を自在にプラス化制御できる手法が望まれている。
着色画素層において位相差制御を行う方法として、着色画素層を構成する着色組成物に平面構造基を有する高分子を含有させる手法、高分子と正負逆の複屈折率をもつ複屈折低減粒子を含有させることで、カラーフィルタの持つリタデーション量を低減させる手法などが特許文献1〜3に開示されている。
しかし、これらの手法の場合、明度・コントラスト比といったカラーフィルタの重要品質項目や着色組成物の安定性が犠牲となるほか、十分な位相差制御を行うには添加量を過剰にする必要があるなど、様々な欠点を抱えている。
現在、赤色着色組成物に用いる顔料として、高明度・高コントラスト比の高品質を満たすため、分光特性に優れた、すなわち明度に有利なC.I.ピグメントレッド254と、微細化が可能な、すなわちコントラスト比に有利なC.I.ピグメントレッド177を主顔料として使用し、色相調整として黄色顔料を併用する手法が主流となっている。しかし、位相差の観点から見ると、C.I.ピグメントレッド254・177共に位相差がマイナス〜0であるため、これらを使用して位相差をプラス化した赤色着色画素層の形成は困難であった。それゆえに、位相差補償の設計上、赤色着色画素層の位相差をプラス化にした方が位相差補償にとって好ましい場合において、斜め視認性の問題を完全に解決することは困難であった。
上記の課題、すなわち、斜め視認性および明度・コントラスト比を充足した液晶表示装置を達成するため、本発明者らは、カラーフィルタの赤色着色画素層を構成する赤色着色組成物の構成成分のうち、顔料に着目し、赤色着色組成物中の顔料種ならびにその配合比を適切に選択することで、明度・コントラスト比を損なうことなく、赤色着色画素層の位相差のプラス化制御を自在に可能とする手法を見出した。
本発明の手法による位相差制御された赤色着色画素層を作製することにより、斜め視認性・明度・コントラスト比に優れたカラー液晶表示装置を作製することが可能となる。
特開2000−136253号公報 特開2000−187114号公報 特開2008−185984号公報
本発明の目的は、位相差プラス化・高明度・高コントラスト比を充足した赤色着色画素層を可能とするカラーフィルタ用赤色感光性着色組成物、および該赤色感光性着色組成物により、斜め視認性・明度・コントラスト比に優れたカラー液晶表示装置を提供することである。
本発明者らは、前記諸問題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、カラーフィルタ用赤色感光性着色組成物の着色剤として、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177の3種の顔料を適切な配合比にて含むことにより、位相差プラス化・高明度・高コントラストを充足することを見出し、この知見に基づいて本発明をなしたものである。
さらに詳しくは、位相差プラスの特性を持つC.I.ピグメントオレンジ38を用い、分光特性に優れた、すなわち明度に有利なC.I.ピグメントレッド254と、微細化が可能な、すなわちコントラスト比に有利なC.I.ピグメントレッド177を使用し、その配合比を適切にすることで、従来の材料系では達成困難な位相差プラス化を達成し、かつ高明度、高コントラスト比である赤色着色画素層用の赤色感光性着色組成物を提供するものである。
すなわち、本発明は、着色剤[A]、バインダー樹脂[B]、光重合性単量体[C]、光重合開始剤[D]、および有機溶剤[E]を含有するカラーフィルタ用赤色感光性着色組成物であって、
該着色剤[A]が、着色剤[A]の合計100重量%中、5〜40重量%のC.I.ピグメントオレンジ38と、10〜80重量%のC.I.ピグメントレッド254と、10〜80重量%のC.I.ピグメントレッド177とを含み、
かつ該カラーフィルタ用赤色感光性着色組成物により形成されてなる着色画素層の下記式(1)により表される厚み方向の位相差値Rthが、3〜30であることを特徴とするカラーフィルタ用赤色感光性着色組成物に関する。
Rth={(Nx+Ny)/2−Nz}×d 式(1)
[式中、Nxは着色画素層の平面内のx方向の屈折率を、Nyは着色画素層の平面内のy方向の屈折率を、Nzは着色画素層の厚み方向の屈折率を、dは着色画素層の厚み(nm)をそれぞれ表す。]
また、本発明は、着色剤[A]が、さらにC.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、およびC.I.ピグメントイエロー150からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の顔料を含むことを特徴とする前記カラーフィルタ用赤色感光性着色組成物に関する。
また、本発明は、基板上に、前記カラーフィルタ用赤色感光性着色組成物を用いて形成された着色画素層を備えてなるカラーフィルタに関する。
また、本発明は、前記カラーフィルタを具備するカラー液晶表示装置に関する。
本発明のカラーフィルタ用赤色感光性着色組成物により、これまで困難であった高明度・高コントラスト比・位相差プラス化制御を充足した赤色着色画素層を形成可能となる。これにより、Rth(R)>Rth(G)>Rth(B)の関係が満たされ、赤色着色画素、緑色着色画素および青色着色画素の厚み方向の位相差のバランスのよい、高明度・高コントラスト比かつ斜め視認性に優れた表示特性の良好な液晶表示装置を得ることができる。
まず、本発明のカラーフィルタ用赤色感光性着色組成物の各種構成成分について説明する。
なお、本願では、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリル酸」、又は「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、又は「アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド」を表すものとする。
また、以下に挙げる「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
<着色剤[A]>
本発明のカラーフィルタ用赤色感光性着色組成物は、少なくともC.I. ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177の3種の顔料を特定量含むことを特徴としている。
上記3種の顔料の含有量としては、着色剤[A]の合計100重量%中、C.I.ピグメントオレンジ38を5〜40重量%、C.I.ピグメントレッド254を10〜80重量%、C.I.ピグメントレッド177を10〜80重量%含有する。また、好ましくは、C.I.ピグメントオレンジ38を10〜20重量%、C.I.ピグメントレッド254を30〜50重量%、C.I.ピグメントレッド177を30〜50重量%含有する。
C.I.ピグメントオレンジ38の含有量が5重量%未満では位相差プラス化に十分な効果が得られず、40重量%を超えると、充分なコントラスト比が得られない。C.I.ピグメントレッド254の含有量が10重量%未満の場合には、充分な明度を得ることができず、80重量%を超える場合には、充分なコントラスト比を得ることができない。C.I.ピグメントレッド177の含有量が10重量%未満の場合には、充分なコントラスト比を得ることができず、80重量%を超える場合には、充分な明度を得ることができない。
本発明における赤色感光性着色組成物には、上記記載の3種の顔料だけでなく、色調整や補色目的で他の赤色染顔料や黄色染顔料、橙色染顔料も併用することができる。
併用することができる他の赤色顔料としては、C.I.ピグメントレッド7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、168、176、178、179、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、242、246、255、264、272、又は279等の赤色顔料が挙げることができる。なかでも、C.I.ピグメントレッド242が好ましく使用出来る。又、併用することができる黄色顔料としてはC.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214等の黄色顔料を挙げることができる。なかでも、C.I.ピグメントイエロー138、139,150,185が好ましく使用出来る。その他、併用することができる橙色顔料としてはC.I.ピグメントオレンジ5、13、14、24、34、36、40、43、46、49、61、64、68、70、71、72、73、74等の橙色顔料が挙げられる。
上記の中でも、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、およびC.I.ピグメントイエロー150からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の顔料を使用することが特に望ましい。
これらの顔料を併用する場合には、着色剤[A]の合計100重量%中、1重量%〜30重量%が望ましい。1重量%以下では色調整効果が少なく、30重量%を越える場合には、表現可能な色度領域に制限が出たり、コントラスト比が不十分となってしまうことがある。
本発明の赤色感光性着色組成物において、赤色顔料を含む着色剤[A]の全不揮発成分に対する濃度は、充分な色再現性を得る観点から10〜90重量%である必要があり、より好ましくは15〜85重量%であり、最も好ましくは20〜80重量%である。着色剤[A]成分の濃度が、10重量%未満になると、十分な色再現性を得ることができず、90重量%を超えるとバインダー樹脂などの着色剤担体の濃度が低くなり、感光性着色組成物の安定性が悪くなる。
本発明の赤色感光性着色組成物に使用する顔料は、ソルトミリング処理を行い、微細化した物を使用することができ、微細化した物を使用することが好ましい。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等の混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕され、それにより活性面が生じて、結晶成長がおこると考えられている。従って、混練時は顔料の破砕と結晶成長が同時に起こり、混練条件により得られる顔料の一次粒子径が異なる。
加熱により結晶成長を促進するには、加熱温度が40〜150℃であることが好ましい。加熱温度が40℃未満の場合は、結晶成長が十分に起こらず、顔料粒子の形状が無定形に近くなるため好ましくない。一方、加熱温度が150℃を越える場合は、結晶成長が進みすぎ、顔料の一次粒子径が大きくなるため、カラーフィルタ用着色組成物の着色料としては好ましくない。又、ソルトミリング処理の混練時間は、ソルトミリング処理顔料の一次粒子の粒度分布とソルトミリング処理に要する費用のバランスの点から2〜24時間であることが好ましい。
顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、1次粒子径が非常に微細であり、又分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ、顔料を得ることができる。
本発明の赤色感光性着色組成物に使用する赤色顔料・橙色顔料および黄色顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)により求められる一次粒子径は、20〜100nmの範囲であることが好ましい。20nmよりも小さくなると有機溶剤中への分散が困難になってしまう。また100nmよりも大きくなると、十分なコントラスト比を得ることができなくなってしまう。特に好ましい範囲は25〜85nmの範囲である。
ソルトミリング処理に用いる水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料成分の全重量を基準として、50〜2000重量%用いることが好ましく、300〜1000重量%用いることが最も好ましい。
水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。但し、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、又は液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料の全重量100重量部に対し、5〜1000重量部用いることが好ましく、50〜500重量部用いることが最も好ましい。
ソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、又は天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることが、更に、好ましい。樹脂の使用量は、顔料の全重量100重量部に対し、5〜200重量部の範囲であることが好ましい。
<色素誘導体>
本発明のカラーフィルタ用感光性着色組成物においては、顔料の分散性を改善する目的で色素誘導体を用いることが出来る。色素誘導体としては、有機顔料、アントラキノン、アクリドンまたはトリアジンに、塩基性置換基、酸性置換基、または置換基を有していても良いフタルイミドメチル基を導入した化合物があげられる。
本発明においては、中でも顔料誘導体が好ましく、その構造は、下記一般式(2)で示される化合物である。
一般式(2):
P−Lm
(ただし、
P:有機顔料残基
L:塩基性置換基、酸性置換基、置換基を有していても良いフタルイミドメチル基を導入した化合物など
m:1〜4の整数である)
顔料誘導体は、例えば、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、又は特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独で又は2種類以上を混合して用いることができる。
顔料誘導体の配合量は、顔料100重量部に対し、好ましくは1〜50重量部、更に好ましくは3〜30重量部、最も好ましくは5〜25重量部である。顔料100重量部に対し顔料誘導体が1重量部未満であると分散性が悪くなる場合があり、50重量部を超えると耐熱性、耐光性が悪くなる場合がある。
一般式(2)中、Pの有機顔料残基を構成する有機顔料としては、下記のようなものが挙げられる。
例えば、
ジケトピロロピロール系顔料、アゾ、ジスアゾ、及びポリアゾ等のアゾ系顔料;
銅フタロシアニン、ハロゲン化銅フタロシアニン、及び無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料;
アミノアントラキノン、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、及びビオラントロン等のアントラキノン系顔料;
キナクリドン系顔料; ジオキサジン系顔料; ペリノン系顔料; ペリレン系顔料;チオインジゴ系顔料; イソインドリン系顔料; イソインドリノン系顔料; キノフタロン系顔料; スレン系顔料; 並びに、金属錯体系顔料等が挙げられる。
<バインダー樹脂[B]>
本発明の感光性着色組成物は、バインダー樹脂[B]を含む。バインダー樹脂[B]を含むことで、本発明の着色組成物の分散安定性がより良好となり、該感光性着色組成物を用いてカラーフィルタの着色画素層を形成した場合、顔料凝集物の少ない、現像性、パターン形状も良好な着色画素層を得ることができる。
バインダー樹脂[B]としては、熱可塑性樹脂(B1)、熱硬化性樹脂(B2)、酸性基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したアルカリ可溶性ビニル系樹脂(B3)、及びエチレン性不飽和活性二重結合を有するエネルギー線硬化性樹脂(B4)が好ましく、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂である。
熱可塑性樹脂(B1)は、例えば、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、及びポリイミド樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂(B2)は、例えば、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、及びフェノール樹脂等が挙げられる。
本発明のカラーフィルタ用赤色着色組成物をアルカリ現像型レジスト材の形態で用いる場合は、バインダー樹脂[B]として(メタ)アクリル酸等の酸性基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したアルカリ可溶性ビニル系樹脂(B3)を使用することが好ましい。酸性基含有エチレン性不飽和モノマーを共重合したアルカリ可溶性ビニル系樹脂(B3)としては、例えば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性基を有する樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂として具体的には、酸性基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、又はイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。中でも、酸性基を有するアクリル樹脂、およびスチレン/スチレンスルホン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂、特に酸性基を有するアクリル樹脂は、耐熱性、透明性が高いため、好適に用いられる。
また、エチレン性不飽和活性二重結合を有するエネルギー線硬化性樹脂(B4)を使用することもできる。エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂としては、たとえば以下に示す(a)や(b)の方法によりエチレン性不飽和二重結合を導入した樹脂が挙げられる。
[方法(a)]
方法(a)としては、例えば、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖エポキシ基に、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和一塩基酸のカルボキシル基を付加反応させ、更に、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させ、エチレン性不飽和二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)ア
クリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−グリシドキシエチル(メタ)
アクリレート、3,4エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4エポキシシクロ
ヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併
用してもかまわない。次工程の不飽和一塩基酸との反応性の観点で、グリシジル(メタ)
アクリレートが好ましい。
不飽和一塩基酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル
安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。
多塩基酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無
水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられ、これらは単独で用いても、2
種類以上を併用してもかまわない。カルボキシル基の数を増やす等、必要に応じて、トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物を用いたり、ピロメリット酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いて、残った無水物基を加水分解したりすること等もできる。また、多塩基酸無水物として、エチレン性不飽和二重結合を有する、エトラヒドロ無水フタル酸、又は無水マレイン酸を用いると、更にエチレン性不飽和二重結合を増やすことができる。
方法(a)の類似の方法として、例えば、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖カルボキシル基の一部に、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体を付加反応させ、エチレン性不飽和二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
[方法(b)]
方法(b)としては、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を使用し、他のカルボキシル基を有する不飽和一塩基酸の単量体や、他の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖水酸基に、イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体のイソシアネート基を反応させる方法がある。
水酸基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3
−若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキ
ル(メタ)アクリレート類が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用し
て用いてもかまわない。また、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、(ポリ)γ−バレロラクトン、(ポリ)ε−カプロラクトン、及び/又は(ポリ)12−ヒドロキシステアリン酸等を付加した(ポリ)エステルモノ(メタ)アクリレートも使用できる。塗膜異物抑制の観点から、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、又はグリセロール(メタ)アクリレートが好ましい。
イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−(メタ)アクリロイ
ルオキシエチルイソシアネート、又は1,1−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシ〕エチ
ルイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用するこ
ともできる。
バインダー樹脂[B]の中でアルカリ可溶性能とエネルギー線硬化性能とを併せもつものは、樹脂(B3)と樹脂(B4)の両方の性能を有するものとして使用できる。
顔料を好ましく分散させるためには、バインダー樹脂[B]の重量平均分子量(Mw)は5,000〜100,000の範囲が好ましく、より好ましくは5,000〜80,000の範囲であり、さらに好ましくは、5,000〜30,000の範囲である。また数平均分子量(Mn)は5,000〜50,000の範囲が好ましく、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。
バインダー樹脂[B]の重量平均分子量(Mw)が100,000を越えると樹脂間の相互作用が強くなり、感光性着色組成物の粘度が高くなるため、取り扱いが困難となりやすい。また、重量平均分子量(Mw)が5,000未満だと現像性やガラス等の基板への密着性に問題のおこることがある。
バインダー樹脂[B]は、着色剤[A]の全重量100重量部に対し、3〜500重量部の量で用いることができる。好ましくは30〜500重量部であり、3重量部未満では、現像性、成膜性及び諸耐性が不十分となりやすく、500重量部より多いと着色剤濃度が低く、色特性を発現できない。
また、バインダー樹脂[B]は、顔料分散性、現像性、及び耐熱性の観点から、顔料吸着基及び現像時のアルカリ可溶基として働くカルボキシル基、顔料担体及び溶剤に対する親和性基として働く脂肪族基及び芳香族基のバランスが、顔料分散性、現像性、さらには耐久性にとって重要であるので、酸価が20〜300mgKOH/gの範囲内が好ましい。
さらに好ましくは、酸価が50〜150mgKOH/gの範囲内である。酸価が、20mgKOH/g未満では、現像液に対する溶解性が悪く、微細パターン形成するのが困難である。300mgKOH/gを超えると、微細パターンが残らなくなることがある。
<光重合性単量体[C]>
本発明のカラーフィルタ用赤色感光性着色組成物に含有される光重合性単量体[C]とは、該感光性着色組成物を紫外線照射により硬化して透明樹脂を生成する、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物を意味し、光重合性単量体には、一般にオリゴマーと呼ばれている平均分子量1000程度の低重合体で、エチレン性不飽和二重結合を有するものも含む。
光重合性単量体[C]を使用する際の配合量は、着色剤[A]の全量100重量部に対し、10〜300重量部であることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から10〜200重量部であることがより好ましい。
光重合性単量体[C]としては、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、及びトリシクロデカニル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート類;
ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、及びトリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の二官能(メタ)アクリレート類;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の三官能以上の多官能(メタ)アクリレート;
1, 6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、及びフェノールノボラック樹脂等のエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応物であるエポキシ(メタ)アクリレート;
ポリエステル、ポリウレタン、イソシアヌレート、メチロール化メラミン等を変性した各種(メタ)アクリル酸エステル類;並びに
(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等の(メタ)アクリレート以外の単量体が挙げられ、これらを単独で又は2種類以上混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されない。
<光重合開始剤[D]>
本発明のカラーフィルタ用赤色感光性着色組成物には、該着色組成物を紫外線照射により硬化し、フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成するために、光重合開始剤[D]が添加される。光重合開始剤[D]を使用する際の配合量は、着色剤[A]の全量100重量部に対し、5〜200重量部であることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から10〜150重量部であることがより好ましい。
光重合開始剤[D]としては、
4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン、又は2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、又はベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、又は3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、又は2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、又は2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、又はO−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、又は2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物; ボレート系化合物; カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が用いられる。
これらの光重合開始剤[D]は1種または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
<増感剤>
さらに、本発明のカラーフィルタ用赤色感光性着色組成物には、増感剤を含有させることができる。
増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はミヒラーケトン誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,又は4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
さらに具体的には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、及び「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。
増感剤は、必要に応じて任意の比率で二種以上用いてもかまわない。増感剤を使用する際の配合量は、赤色着色組成物中に含まれる光重合開始剤[D]100重量部に対し、3〜60重量部であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50重量部であることがより好ましい。
<有機溶剤[E]>
さらに、本発明のカラーフィルタ用赤色感光性着色組成物には、着色剤を充分に着色剤担体中に分散させ、ガラス基板等の透明基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために有機溶剤[E]を含有させる必要がある。
有機溶剤[E]としては、例えば1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3-メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、N−メチルピロリドン、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。
有機溶剤[E]は、1種を単独で、若しくは2種以上を混合して用いることができる。また有機溶剤[E]は、着色組成物を適正な粘度に調節し、目的とする均一な膜厚のフィルタセグメントを形成できることから、着色剤[A]100重量部に対し、800〜4000重量部の量で用いることが好ましい。
<レベリング剤>
本発明の赤色感光性着色組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性を良くするため、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造又はポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、赤色感光性着色組成物の合計100重量%中、0.003〜0.5重量%である。
<その他の成分>
本発明の赤色感光性着色組成物には、着色組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
貯蔵安定剤としては、例えばベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色剤[A]の全量100重量部に対し、0.1〜10重量部の量で用いることができる。
密着向上剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等のシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤は、着色剤[A]の全量100重量部に対し、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の量で用いることができる。
<感光性着色組成物の製造方法>
本発明のカラーフィルタ用赤色感光性着色組成物の製造方法としては、例えばまず着色剤[A]であるC.I.ピグメントオレンジ38と、C.I.ピグメントレッド254とC.I.ピグメントレッド177の3種の顔料を、好ましくは色素誘導体および/または分散助剤と一緒に、バインダー樹脂[B]および有機溶剤[E]などの着色剤担体中に、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、アトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散し、顔料分散体を製造する。
そして、前記顔料分散体と、光重合性単量体[C]及び/または光重合開始剤[D]と、必要に応じて、溶剤、その他の分散助剤、及び添加剤等を混合し、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型感光性着色組成物(レジスト材)として調整する。
また、本発明の赤色感光性着色組成物は、数種類の着色剤を一緒に着色剤担体中に分散してもよく、または別々に分散したものを混合して製造することもできる。
<分散助剤>
着色剤[A]を着色剤担体中に分散する際には、適宜、樹脂型分散剤、界面活性剤等の分散助剤を用いることができる。分散助剤は、着色剤[A]の分散に優れ、分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて着色剤[A]を着色剤担体中に分散してなる赤色着色組成物を用いた場合には、分光透過率の高いカラーフィルタが得られる。
樹脂型分散剤は、着色剤[A]に吸着する性質を有する着色剤親和性部位と、着色剤担体と相溶性のある部位とを有し、着色剤[A]に吸着して着色剤の着色剤担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩などの油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、6919、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等、チバ・ジャパン社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503、等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
樹脂型分散剤、界面活性剤を添加する場合には、着色剤[A]の全量100重量部に対し、好ましくは0.1〜55重量部、さらに好ましくは0.1〜45重量部である。樹脂型分散剤、界面活性剤の配合量が、0.1重量部未満の場合には、添加した効果が得られ難く、配合量が55重量部より多いと、過剰な分散剤により分散に影響を及ぼすことがある。
<粗大粒子の除去>
本発明の赤色感光性着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
このように赤色感光性着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。(SEMによる粒子径)
<カラーフィルタ>
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。本発明のカラーフィルタは、少なくとも1つの赤色フィルタセグメント、少なくとも1つの青色フィルタセグメント、および少なくとも1つの緑色フィルタセグメントを具備し、前記少なくとも1つの赤色フィルタセグメントは、本発明のカラーフィルタ用赤色感光性着色組成物を用いて形成される赤色着色画素層からなる。
緑色フィルタセグメントを形成するための緑色感光性着色組成物には、緑色顔料として、例えばC.I.ピグメントグリーン 7、10、36、37、58等を用いることができる。緑色感光性着色組成物には黄色顔料を併用することができる。
緑色感光性着色組成物に添加する黄色顔料としては、例えばC.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199等を用いることができる。なかでも、C.I.ピグメントイエロー138、139、150、185が好ましい。
また、青色フィルタセグメントは、通常の青色感光性着色組成物を用いて形成することができる。青色着色組成物には、例えばC.I.ピグメントブルー 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64等の青色顔料が用いられる。また青色感光性着色組成物には、C.I.ピグメントバイオレット 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の紫色顔料を併用することができる。
また、本発明のカラーフィルタは、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、製造することができる。
印刷法によるフィルタセグメントの形成は、印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストで量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性の制御も重要であり、分散剤や体質顔料によるインキ粘度の調整を行うこともできる。
フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成する場合は、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型感光性着色組成物(レジスト材)として調製した赤色感光性着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、レジスト材の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記レジスト材を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法などにより製造することができるが、本発明の赤色着色組成物はいずれの方法にも用いることができる。なお、電着法は、基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめフィルタセグメントを形成しておき、このフィルタセグメントを所望の基板に転写させる方法である。
透明基板または反射基板上にフィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリクスを形成しておくと、液晶表示パネルのコントラストを一層高めることができる。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。また、前記の透明基板または反射基板上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後にフィルタセグメントを形成することもできる。TFT基板上にフィルタセグメントを形成することにより、液晶表示パネルの開口率を高め、輝度を向上させることができる。
カラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や柱状スペーサー、透明導電膜、液晶配向膜などが形成される。
カラーフィルタは、シール剤を用いて対向基板と張り合わせ、シール部に設けられた注入口から液晶を注入したのち注入口を封止し、必要に応じて偏光膜や位相差膜を基板の外側に張り合わせることにより、液晶表示パネルが製造される。
かかる液晶表示パネルは、ツイステッド・ネマティック(TN)、スーパー・ツイステッド・ネマティック(STN)、イン・プレーン・スイッチング(IPS)、ヴァーティカリー・アライメント(VA)、オプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)などのカラーフィルタを使用してカラー化を行う液晶表示モードに使用することができる。
着色画素層の厚み方向位相差値は、着色画素層に、可視域(おおむね光の波長 380nmから780nmの範囲)の透過光ピーク域の波長を含む連続した光を正面および複数の傾斜した角度から照射し、分光エリプソメータなどの位相差測定装置を用いて3次元屈折率を測定することで得られる。
例えば、赤色着色画素層では620nm、緑色着色画素層では550nm、青色着色画素層では450nmの波長で、正面と入射角45度の少なくとも2方向からの光で位相差測定を行い、Nx、Ny、Nzの3次元屈折率を得たのち、下記式(1)により表される厚み方向位相差値(Rth)を算出する。
Rth={(Nx+Ny)/2−Nz}×d 式(1)
式中、Nxは着色画素層の平面内のx方向の屈折率を、Nyは着色画素層の平面内のy方向の屈折率を、Nzは着色画素層の厚み方向の屈折率を、dは着色画素層の厚み(nm)をそれぞれ表す。
この際、測定する基板がカラーフィルタである場合は、R・G・Bの単一着色画素層のみを透過するように加工されたマスクを介して測定することで、単一着色画素層の位相差値を求めることができる。
また、例えば、620nmの波長の光を入射光として使用した場合は、赤色着色画素層のみに起因する位相差値、550nmの場合は、緑色着色画素層のみに起因する位相差値、450nmの場合は、青色着色画素層のみに起因する位相差値としてそれぞれ単一着色画素層のおおよその値を見積もることができる。
なお、測定する基板がR、G、Bのうちいずれかの単一着色画素層(透明基板に単色のカラーフィルタ用感光性着色組成物の塗膜を形成した構成)である場合は、マスクを介することなく位相差の測定が可能となる。
以下に、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例中、「部」および「%」は、「重量部」および「重量%」をそれぞれ表す。また、樹脂の重量平均分子量(Mw)、および着色画素層の厚み方向位相差値Rthの測定方法は以下の通りである。
[樹脂の重量平均分子量(Mw)の測定方法]
TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
[厚み方向位相差値Rthの測定方法]
厚み方向位相差値は、透過型分光エリプソメータ(日本分光社製「M−220」)を用い、着色画素層の法線方向から45°傾けた方位より、赤色着色画素層は620nm、緑色着色画素層は550nm、青色着色画素層は450nmの波長の光を照射して測定し、エリプソパラメータであるδを得た。△=δ/360×λより位相差値△(λ)を算出し、この値を用いて、3次元屈折率を算出し、下記式(1)より厚み方向位相差値(Rth)を算出した。
Rth={(Nx+Ny)/2-Nz}×d 式(1)
式中、Nxは着色画素層の平面内のx方向の屈折率を、Nyは着色画素層の平面内のy方向の屈折率を、Nzは着色画素層の厚み方向の屈折率を、dは着色画素層の厚み(nm)をそれぞれ表す。
まず実施例および比較例に用いた樹脂型分散剤溶液の調製方法と、アクリル樹脂溶液、顔料分散体、着色組成物、緑色感光性着色組成物、および青色感光性着色組成物の製造方法とを説明する。
<樹脂型分散剤溶液の調製方法>
市販の樹脂型分散剤である、BASF社製EFKA4300と、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いて不揮発分40重量%溶液に調製し、樹脂型分散剤溶液として使用した。
<アクリル樹脂溶液の製造方法>
反応容器にシクロヘキサノン800部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら100℃に加熱して、同温度で、スチレン80.0部、メタクリル酸40.0部、メチルメタクリレート85.0部、n−ブチルメタクリレート95.0部、及びアゾビスイソブチロニトリル10.0部の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。
滴下後、更に、100℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル2.0部をシクロヘキサノン50部で溶解させたものを添加し、更に、100℃で1時間反応を続けて、重量平均分子量が約30,000、酸価が87mgKOH/gのアクリル樹脂のシクロヘキサノン溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に、不揮発分が20重量%になるようにエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加してアクリル樹脂溶液を調製した。
<顔料分散体の製造方法>
[顔料分散体(P−1)の製造]
C.I.ピグメントオレンジ38(PO38)(クラリアント社製「Novoperm Red HFG」)を11.0部、アクリル樹脂溶液35.0部、樹脂型分散剤溶液5部、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート49部を均一に撹拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し、PO38の顔料分散体(P−1)を作製した。
[顔料分散体(P−2)の製造]
C.I.ピグメントオレンジ38をC.I. ピグメントレッド254(PR254)(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「IRGAPHOR RED B−CF」)に変更した他は、顔料分散体(P−1)と同一作製法にて、PR254の顔料分散体(P−2)を作製した。
[顔料分散体(P−3)の製造]
C.I.ピグメントオレンジ38をC.I.ピグメントレッド177(PR177)(BASF社製「CROMOPHTAL RED A2B」)に変更した他は、顔料分散体(P−1)と同一作製法にて、PR177の顔料分散体(P−3)を作製した。
[顔料分散体(P−4)の製造]
C.I.ピグメントオレンジ38をC.I.ピグメントレッド242(PR242)( Clariant 社製のSandorinScarlet4RF)に変更した他は、顔料分散体(P−1)と同一作製法にて、PR242の顔料分散体(P−4)を作製した。
[顔料分散体(P−5)の製造]
C.I.ピグメントオレンジ38をC.I.ピグメントイエロー150(PY150)(ランクセス社製「E4GN」)に変更した他は、顔料分散体(P−1)と同一作製法にて、PY150の顔料分散体(P−5)を作製した。
[顔料分散体(P−6)の製造]
C.I.ピグメントオレンジ38をC.I.ピグメントイエロー138(PY138)(BASF社製「パリオトールイエロー K0960−HD」)に変更した他は、顔料分散体(P−1)と同一作製法にて、PY138の顔料分散体(P−6)を作製した。
[顔料分散体(P−7)の製造]
C.I.ピグメントオレンジ38をC.I.ピグメントイエロー139(PY139)(BASF社製「パリオトールエローD1819」)に変更した他は、顔料分散体(P−1)と同一作製法にて、PY139の顔料分散体(P−7)を作製した。
[顔料分散体(P−8)の製造]
C.I.ピグメントオレンジ38をC.I.ピグメントグリーン58(PG58)(大日本インキ株式会社製「A110」)に変更した他は、顔料分散体(P−1)と同一作製法にて、PG58の顔料分散体(P−8)を作製した。
[顔料分散体(P−9)の製造]
C.I.ピグメントオレンジ38をC.I.ピグメントブルー15:6(PB15:6)(東洋インキ製造株式会社製「LIONOL BLUE ES」)に変更した他は、顔料分散体(P−1)と同一作製法にて、PB15:6の顔料分散体(P−9)を作製した。
[顔料分散体(P−10)の製造]
C.I.ピグメントオレンジ38をC.I.ピグメントバイオレット23(PV23)(東洋インキ製造株式会社製「LIONOGEN VIOLET RL」に変更した他は、顔料分散体(P−1)と同一作製法にて、PV23の顔料分散体(P−10)を作製した。
<着色組成物の製造方法>
[赤色着色組成物、緑色着色組成物、青色着色組成物の製造]
顔料分散体を、表1、表2に示す配合比(重量%)にて混合し、赤色着色組成物(PR1〜PR17)、緑色着色組成物(PG1)、青色着色組成物(PB1)を得た。
Figure 2012083460
Figure 2012083460
<緑色感光性着色組成物および青色感光性着色組成物の製造方法>
表3に示す着色組成物とその量(重量部)を均一になるようにそれぞれ攪拌混合した後、1.0μmのフィルターで濾過し、緑色感光性着色組成物(緑色レジスト材 RG−1)、青色感光性着色組成物(青色レジスト材 RB−1)を得た。
Figure 2012083460
表3中の略号等は以下の通りである。
バインダー樹脂[B]:アクリル樹脂
光重合性単量体[C]:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
光重合開始剤 [D]:2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバ・ジャパン社製「イルガキュア907」)
有機溶剤[E]:エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート
[実施例1〜13および比較例1〜4]
表4に示す着色組成物とその量(重量部)を均一になるようにそれぞれ攪拌混合した後、1.0μmのフィルターで濾過し、赤色感光性着色組成物(赤色レジスト材 RR−1〜17)を得た。
Figure 2012083460
表4中の略号等は以下の通りである。
バインダー樹脂[B]:アクリル樹脂
光重合性単量体[C]:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
光重合開始剤[D]:2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバ・ジャパン社製「イルガキュア907」)
有機溶剤[E]:エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート
[厚み方向位相差値Rth]
各赤色レジスト材をスピンコーターにてガラス基板(10cm×10cm)に、乾燥塗膜の膜厚が2.5μmになるように塗布し、50mJ/cm2の露光量で紫外線により露光した後、23℃の0.2重量%の炭酸ナトリウム水溶液にて30秒間スプレー現像し、オーブンにて230℃で焼成し、得られたレジスト材の塗布基板を形成し、赤色着色画素層を得た。この着色画素層について、厚み方向位相差値Rthを測定した。
結果を表5に示す。
[評価結果]
各赤色レジスト材を用い、厚み方向位相差値Rthを測定したのと同じ塗布基板を用い、色度、明度(分光透過率)、コントラスト比(CR)に関する評価を行った。評価手順を以下に示す。
[色度、明度(分光透過率)]
XYZ表色系色度図における色度・明度(分光透過率)は、分光光度計(OTSUKA LCF―1100M)を用いて測定した。
評価は、従来用いられているC.I.ピグメントレッド254、ピグメントレッド177、ピグメントイエロー150の組み合わせ(比較例1)と同じ色度において、明度が17.0以上を○、16.8以上を△、16.8未満を×とした。
[コントラスト比(CR)]
塗膜を形成した基板の両側に偏光板を重ね、偏光板が平行時の輝度(Lp)と直交時の輝度(Lc)との比、Lp/Lcをコントラスト比(CR)として算出した。
なお、輝度は、色彩輝度計(トプコン社製「BM−5A」)を用い、2°視野の条件で測定し、偏光板は、日東電工社製「NPF−SEG1224DU」を用いた。
評価は、コントラスト比(CR)が13000以上を○、12700以上を△、12700未満のものを×と評価した。
以下、表5にその結果を示す。
Figure 2012083460
実施例1〜13は、C.I.ピグメントオレンジ38と、C.I.ピグメントレッド254とC.I.ピグメントレッド177とが最適な顔料組成で使用されているためRthが3以上であり、かつ明度・コントラスト比も良好であり、明度・コントラスト比・位相差プラス化が充足した着色画素層の形成が可能となっている。比較例1は、ピグメントオレンジ38を含まないため位相差プラス化制御ができておらず、比較例2はピグメントレッド254を含まないため明度が不適格である。比較例3・4は顔料組成が最適でないため、明度・コントラスト比・位相差プラスの充足が不可能となっている。
[実施例14]
赤色レジスト材 RR−1をスピンコート法により、予めブラックマトリックスが形成されているガラス基板に塗工した後、クリーンオーブン中で、70℃で20分間プリベークした。次いで、この基板を室温に冷却した後、超高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介して紫外線を露光した。
その後、この基板を23℃の0.2重量%の炭酸ナトリウム水溶液にて30 秒間スプレー現像した後、イオン交換水で洗浄し、風乾した。さらに、クリーンオーブン中で、230℃で30分間ポストベークを行い、基板上にストライプ状の着色画素層を形成した。
次に、緑色レジスト材 RG−1を使用し、赤色着色画素層と同様にして緑色着色画素層を形成し、さらに、青色レジスト材 RG−1を使用して青色着色画素層を形成し、カラーフィルタ(CF−1)を得た。各着色画素層の形成膜厚はいずれも2.5μmであった。
[実施例15〜26および比較例5〜8のカラーフィルタ評価]
赤色レジスト材 RR―1を赤色レジスト材 RR−2〜17にそれぞれ代えた以外は、カラーフィルタ(CF−1)と同様にして、カラーフィルタ(CF−2〜17)を得た。
[評価結果]
得られたカラーフィルタを用い、明度(分光透過率)、コントラスト比(CR)に関する評価を行った。評価手順を以下に示す。
[色度、明度(分光透過率)]
XYZ表色系色度図における色度・明度(分光透過率)は、分光光度計(OTSUKA LCF―1100M)を用い、比較例1の色度にあわせて、それぞれの明度を測定した。
[コントラスト比(CR)]
塗膜を形成した基板の両側に偏光板を重ね、偏光板が平行時の輝度(Lp)と直交時の輝度(Lc)との比、Lp/Lcをコントラスト(CR)として算出した。
なお、輝度は、色彩輝度計(トプコン社製「BM−5A」)を用い、2°視野の条件で測定し、偏光板は、日東電工社製「NPF−SEG1224DU」を用いた。評価基準を下記に示す。
(コントラスト比の評価基準)
○:3000以上
×:3000未満
以下、表6にその結果を示す。
[液晶表示装置の作製]
得られたカラーフィルタ上に、透明ITO電極層を形成し、その上にポリイミド配向層
を形成した。このガラス基板の他方の表面に偏光板を形成した。
他方、別の(第2の)ガラス基板の一方の表面にTFTアレイおよび画素電極を形成し、他方の表面に偏光板を形成した。こうして準備された2つのガラス基板を電極層同士が
対面するよう対向させ、スペーサビーズを用いて両基板の間隔を一定に保ちながら位置合
わせし、液晶組成物注入用開口部を残すように周囲を封止剤で封止した。
開口部から液晶組成物を注入し、開口部を封止した。前記偏光板には広視野角表示が可
能なように最適化された光学補償層を設けた。このようにして作製した液晶表示装置をバ
ックライトユニットと組み合わせて液晶パネルを得た。
[液晶表示装置の黒表示時の視認性評価]
作製した液晶表示装置を黒表示させ、液晶パネルの法線方向から45°傾けた方位(斜め)より漏れてくる光(直交透過光;漏れ光)の量を目視観察した。評価基準を下記に示す。
○:光漏れなく黒く見えた場合
×:漏れ光による色づきが見られた場合
以下、表6にその結果を示す。
Figure 2012083460
実施例14〜26において、赤色着色画素層が適切にプラス化されているため、Rth(R)>Rth(G)>Rth(B)の関係が成立し、各色での波長連続性を有することから、赤色着色画素、緑色着色画素および青色着色画素の厚み方向の位相差のバランスのよい、斜め方向の視認性が良好な液晶表示装置を得ることができた。また、液晶表示装置における明度・コントラスト比も良好であった。
一方、比較例5〜8ではRth(R)<Rth(G)>Rth(B)の関係となり、位相差のバランスは不良であった。その結果、斜め方向の黒表示において色ずれが生じ、視認性が不良となった。
さらに、比較例8においては、視認性は良好であったものの、カラーフィルタにおけるコントラスト比が低下した。

Claims (4)

  1. 着色剤[A]、バインダー樹脂[B]、光重合性単量体[C]、光重合開始剤[D]、および有機溶剤[E]を含有するカラーフィルタ用赤色感光性着色組成物であって、
    該着色剤[A]が、着色剤[A]の合計100重量%中、5〜40重量%のC.I.ピグメントオレンジ38と、10〜80重量%のC.I.ピグメントレッド254と、10〜80重量%のC.I.ピグメントレッド177とを含み、
    かつ該カラーフィルタ用赤色感光性着色組成物により形成されてなる着色画素層の下記式(1)により表される厚み方向の位相差値Rthが、3〜30であることを特徴とするカラーフィルタ用赤色感光性着色組成物。
    Rth={(Nx+Ny)/2−Nz}×d 式(1)
    [式中、Nxは着色画素層の平面内のx方向の屈折率を、Nyは着色画素層の平面内のy方向の屈折率を、Nzは着色画素層の厚み方向の屈折率を、dは着色画素層の厚み(nm)をそれぞれ表す。]
  2. 着色剤[A]が、さらにC.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、およびC.I.ピグメントイエロー150からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の顔料を含むことを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ用赤色感光性着色組成物。
  3. 基板上に、請求項1または2に記載のカラーフィルタ用赤色感光性着色組成物を用いて形成された着色画素層を備えてなるカラーフィルタ。
  4. 請求項3に記載のカラーフィルタを具備するカラー液晶表示装置。
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