JP2015022185A - カラーフィルター用赤色着色組成物 - Google Patents

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Kenjiro Yai
健二郎 矢井
林 明
Akira Hayashi
明 林
平井 淳一
Junichi Hirai
淳一 平井
大介 纐纈
Daisuke Koketsu
大介 纐纈
真裕 山田
Masahiro Yamada
真裕 山田
俊輔 杉江
shunsuke Sugie
俊輔 杉江
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Abstract

【課題】本発明は、高コントラスト、耐熱性、及び、耐溶剤性を維持しつつ、輝度を向上させたカラーフィルターを製造できるカラーフィルター用赤色着色組成物を提供する。【解決手段】本発明は、着色顔料、酸基を含有する顔料分散助剤、塩基性基を含有する顔料分散剤、透明樹脂、及び、有機溶剤を含有するカラーフィルター用赤色着色組成物であって、上記着色顔料は、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド242及び、C.I.ピグメントレッド254を含有し、かつ、C.I.ピグメントレッド254の上記着色顔料中における混合比率が、5〜30質量%であり、さらに硫酸バリウムを上記着色顔料100質量部に対して、5〜15質量部含有することを特徴とするカラーフィルター用赤色着色組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、カラーフィルター用赤色着色組成物に関する。
カラーフィルターは、ガラスなどの透明な基板の表面に2種以上の異なる色相の微細な帯(ストライプ)を平行に配置したもの、あるいは微細な画素を縦横一定の配列で配置したものからなっている。画素サイズは、数10〜数100μmという微細な大きさであり、しかも色相毎に所定の順序で整然と配列される。このため、カラーフィルターの製造法としては、印刷法、インクジェット法、フォトリソグラフィー法等の種々の方法が提案されている。
カラーフィルターは高い透明性が必要とされるため、従来、いわゆる染色法を用いること等により製造されていた。この染色法とは、以下の工程による製造方法である。
ゼラチン、カゼインなどの染色可能な天然高分子の水溶液に、重クロム酸などの感光剤を加えて感光化し、フォトリソグラフィー法を用いて画素パターンを形成する。次いで、上記画素パターンを所望の色に染色して色パターンを得る工程を3回繰り返して3色の透明着色微細パターンを形成する。
近年、カラー液晶ディスプレーパネルの大型化、用途の多様化にともない、耐熱性、耐光性といった信頼性の向上が要求されるようになっている。このため、カラーフィルター形成用の色材も、色特性に優れるものの、耐熱性、耐光性に限界がある染料の代わりに、耐熱性および耐光性に優れる有機顔料が用いられるようになってきている。
赤色の有機顔料を使用する赤色フィルターの場合、近年のテレビ用カラー液晶表示装置に適用するために、可視光の高透過率化と高コントラスト化とが要求されている。
上記の可視光の透過やコントラスト性能は、カラーフィルター中に分散されている赤色顔料の性能に大きく依存しているが、1種類の赤色顔料で要求される性能を実現することが難しく、従来、他の調色顔料と併用することが提案されてきた。
例えば、カラーフィルター用の顔料組成物として、主赤色顔料のピグメントレッド254に対して、ピグメントレッド177等の調色赤色顔料を併用することが提案されている。しかしながら、この顔料組成物は、高輝度のカラーフィルターを製造できるが、顔料の微粒化が困難であり、着色皮膜の膜厚が厚くなるとともにコントラストが低下し、さらに、顔料の特性から微粒化させた場合であっても、耐熱性や耐溶剤性に劣るという問題があった。
このような問題に対し、例えば、特許文献1には、主赤色顔料としてピグメントレッド242を用い、調色赤色顔料としてピグメントレッド177を用いることにより、膜厚を厚くした場合であっても、カラーフィルターの高コントラストを維持し、耐熱性、耐溶剤性にも優れるカラーフィルター用赤色着色組成物が開示されている。また、特許文献2〜4では、有機顔料成分に硫酸バリウムを含有させることにより、カラーフィルターのコントラストを向上させた顔料組成物が開示されている。
しかしながら、これら従来の顔料組成物では高コントラストは維持できるが、近年の輝度向上に対する高い要求に応えることはできなかった。
WO2007/142293号パンフレット 特開平02−204704号公報 特開2000−329926号公報 特開2008−52157号公報
本発明は、高コントラスト、耐熱性、及び、耐溶剤性を維持しつつ、輝度を向上させたカラーフィルターを製造できるカラーフィルター用赤色着色組成物を提供することを目的とする。
本発明は、着色顔料、酸基を含有する顔料分散助剤、塩基性基を含有する顔料分散剤、透明樹脂、及び、有機溶剤を含有するカラーフィルター用赤色着色組成物であって、上記着色顔料は、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド242、及び、C.I.ピグメントレッド254を含有し、かつ、C.I.ピグメントレッド254の上記着色顔料中における混合比率が、5〜30質量%であり、さらに硫酸バリウムを上記着色顔料100質量部に対して、5〜15質量部含有することを特徴とするカラーフィルター用赤色着色組成物である。
上記硫酸バリウムの一次粒子径は、5〜20nmであることが好ましい。
上記透明樹脂は、アルカリ可溶性樹脂及び光重合性化合物を含むことが好ましい。
上記着色顔料中のC.I.ピグメントレッド254の混合比率は、5〜15質量%の範囲であることが好ましい。
上記着色顔料は、微粒子化処理された着色顔料であることが好ましい。
上記微粒子化処理された着色顔料は、ソルトミリング処理された着色顔料であることが好ましい。
本発明は、カラーフィルター用赤色着色組成物に関する発明であり、該カラーフィルター用赤色着色組成物としては、レジストでない組成物であっても良く又はレジスト組成物であっても良い。
いずれにしても、本発明のカラーフィルター用赤色着色組成物は、カラーフィルターに使用される組成物であり、本発明によると、高コントラスト、耐熱性、及び、耐溶剤性を維持しつつ、輝度を向上させたカラーフィルター用赤色着色組成物(以下、単に「着色組成物」ともいう)を提供することができる。
以下、本発明のカラーフィルター用赤色着色組成物について、その成分毎に具体的に説明する。
本発明の着色組成物は、着色顔料を含有する。
上記着色顔料としてC.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド242、及び、C.I.ピグメントレッド254を含有する。このような着色顔料を含有することで、高コントラスト、高輝度、耐熱性、耐溶剤性が付与される。
上記C.I.ピグメントレッド254の上記着色顔料中における混合比率は、5〜30質量%である。上記C.I.ピグメントレッド254の混合比率が5質量%未満であると、輝度が低くなり、30質量%を超えると、耐熱性、耐溶剤性が低下してしまい、コントラストも発現し難くなる傾向にある。上記C.I.ピグメントレッド254の上記着色顔料中における混合比率の好ましい下限は10質量%であり、好ましい上限は25質量%である。
上記C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド242、及び、C.I.ピグメントレッド254は、それぞれ平均粒子径が0.02〜0.07μm、0.02〜0.07μm、0.02〜0.07μmであることが好ましい。上記範囲の平均粒子径を有することで、高コントラスト特性が付与される。
なお、本発明において、上記平均粒子径とは、レーザー回析式粒度測定法、測定装置:ナノトラック(UPA−EX150、日機装社製)で測定した体積平均粒子径を意味する。
本発明における上記着色顔料の合計含有量は、本発明の着色組成物の全量に対して好ましくは10〜18質量%、より好ましくは12〜15質量%の範囲である。10質量%未満であると、着色濃度が低下することがあり、18質量%を超えると、高粘度且つ粘度安定性が悪く、異物低減の分散負荷も増えることがある。
本発明においては、上記着色顔料のほかに本発明の効果を損なわない範囲で他の顔料も添加混合することができる。
上記他の顔料としては、例えば、黄色顔料、橙色顔料等が挙げられる。
また、本発明の着色組成物の透過率とコントラスト比を高くするために、上記着色顔料としては、微粒子化処理された着色顔料であることが好ましい。
上記微粒子化処理としては、ニーダーや3本の攪拌ブレードをそれぞれ自転運動させながら公転運動させる混練装置等を用いて、着色顔料を無機塩で摩砕して、顔料の一次粒子径をさらに微細にするソルトミリング処理が挙げられる。本発明の着色組成物では、上記微粒子化された着色顔料は、ソルトミリング処理された着色顔料であることが好ましい。このようなソルトミング処理して得られた着色顔料は、一次粒子径をさらに微細かつ均一になるように、微粒子化されたものとなる。なお、3本の攪拌ブレードをそれぞれ自転運動させながら公転運動させる混練装置を用いたソルトミリング処理を、特にトリミックス処理ともいう。
以下、トリミックス処理について更に詳しく説明する。
上記トリミックス処理は、着色顔料、水溶性の無機塩(以下、単に「無機塩」ともいう)、及び、無機塩を実質的に溶解しない水溶性分散媒体(以下、単に「分散媒体」ともいう)とを含む混合物を、3本の攪拌ブレードをそれぞれ自転運動させながら公転運動させる混練装置で混練した後、無機塩及び分散媒体を除去することにより行う。
この処理では、混練装置として、3枚の攪拌ブレードが遊星運動、すなわち、自転運動しながら公転運動するものを用いる。これにより、攪拌ブレード相互間及び攪拌ブレードと装置内面のデッドスペースが非常に少なくなり、より強力で均一なせん断力が得られる。そのせん断力のもとで無機塩により摩砕処理された着色顔料の粒子径は、一次粒子径よりも微細かつ均一になる。そして、この処理顔料を含有する着色組成物は、顔料として有機顔料を使用した場合には、透明性やコントラスト比が従来のものより高いカラーフィルターを得ることができる。
なお、ここで「公転運動」とは、攪拌ブレードがタンク内で周回する運動をいう。また、「攪拌ブレードを公転運動させる混練装置」とは、本来、攪拌ブレード自体を移動させてタンク内を周回運動させる混練装置を言う。しかし、本明細書においては、タンクと攪拌ブレードの相対運動が同じであれば(例えば、タンクを回転させるなど)、その混練装置も「攪拌ブレードを公転運動させる混練装置」に含まれる。
さらに、混練装置の構造としては、以下(1)及び(2)の条件を満足することが好ましい。
(1)3本の攪拌ブレードの自転軸と直交する平面に対して、3本の自転軸が交わる点を頂点として得られる三角形が正三角形である。
(2)その正三角形の重心の位置に公転軸が交わる。
また、攪拌ブレードは、タンクの底部から液面にまで及ぶ長さと、タンクの内壁から中心まで程度の幅を有していることが好ましい。
この様な混練装置としては、例えば、トリミックス(井上製作所社製)等が挙げられる。
なお、この処理では、タンク内に着色顔料、無機塩、及び分散媒体を仕込んで混練する、湿式の処理方法が利用可能である。
上記無機塩としては、水溶性のものであれば特に限定されないが、コストの点から食塩(塩化ナトリウム)を用いるのが好ましい。
また、上記無機塩の粒子径は、好ましくは200μm以下、より好ましくは50μm以下である。これにより、着色顔料の粒子径を一次粒子径より微細かつ均一にできる。
なお、本発明において、上記無機塩の粒子径は、レーザー回析式粒度測定法、測定装置:ナノトラック(UPA−EX150、日機装社製)で測定した体積平均粒子径を意味する。
上記分散媒体としては、水溶性であることと無機塩を溶解しないことの両方の条件を有する水溶性分散媒体であれば特に限定されない。なかでも、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から沸点が120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。
このような水溶性分散媒体としては、例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコキシアルコール類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、液体ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、低分子量ポリプロピレングリコール等のグリコール類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類等が挙げられる。
なお、上記トリミックス処理では、着色顔料の結晶措置を抑えて均一に微細化できる点より、後述する酸基を有する顔料分散助剤の存在下、微粒子化処理することが好ましい。酸基を有する顔料分散助剤の使用量は、着色顔料100質量部に対して0.5〜30質量部、好ましくは3〜10質量部である。
以上の材料と装置を用いて、トリミックス処理を行う方法としては、以下の方法等が挙げられる。
上記着色顔料、酸基を含有する顔料分散助剤、無機塩及び分散媒体をタンク内に仕込む。次いで、混練装置の3本の攪拌ブレードをそれぞれ自転運動させながら公転運動させて、着色顔料を無機塩で摩砕処理する。その後、温水を加えスラリー状としたものをろ過し、水洗により残存している無機塩と分散媒体を除去する。
この着色顔料の摩砕処理においては、混練のための応力が充分にかかるように、材料の仕込み量(粘度)やタンクの内径などを適宜調節することが好ましい。例えば、上記のトリミックスを用いて処理時の、負荷アンペアがモーターの定格電流値の50%〜85%の範囲となるように配合して処理することが好ましい。
本発明の着色組成物は、更に、硫酸バリウムを含有する。上述した着色顔料と硫酸バリウムを含有することで、本発明の着色組成物は、高コントラスト、耐熱性、及び、耐溶剤性を維持しつつ、輝度を向上させたカラーフィルターを製造することができる。
本発明において、上記硫酸バリウムの含有量は、上記着色顔料100質量部に対して、5〜15質量部である。上記硫酸バリウムが上記着色顔料に対して5質量部未満であると、十分な効果が得られず、15質量部を超えると、着色力が大幅に低下する。上記硫酸バリウムの含有量のより好ましい下限は5質量部であり、より好ましい上限は、12質量部である。
上記硫酸バリウムは、一次粒子径が5〜20nmであることが好ましい。
上記硫酸バリウムの一次粒子径が、20nmを超えると、コンストラストの低下し、異物が発生する傾向となることがある。
上記酸基を有する顔料分散助剤としては、スルホン酸基を有する顔料分散助剤等を使用することができる。本発明の着色組成物の使用する酸基を有する顔料分散助剤の使用量は、着色顔料100質量部に対して0.5〜30質量部であることが好ましい。上記酸基を有する顔料分散助剤の使用量が0.5質量部より小さいと顔料分散効果が低下し、一方30質量部を超える場合は、顔料分散効果がそれ以上に向上しないことがある。
上記酸基を有する顔料分散助剤は、上記微細化処理の状況によって使用量を調節することが好ましい。
(1)酸基を有する顔料分散助剤の不存在下で微粒子化処理された着色顔料を用いる場合は、微粒子化処理された着色顔料の分散時に着色顔料100質量部に対して上記酸基を有する顔料分散助剤を0.5〜30質量部、好ましくは3〜15質量部を使用する。
(2)酸基を有する顔料分散助剤の存在下で微粒子化処理された着色顔料を用いる場合は、着色顔料の微粒子化処理時に着色顔料100質量部に対して酸基を有する顔料分散助剤を0.5〜30質量部、好ましくは3〜15質量部を使用し、微粒子化処理された着色顔料の分散時に着色顔料100質量部に対して上記酸基を有する顔料分散助剤を0〜29.5質量部、好ましくは0〜12質量部を使用する。
なお、上記微粒子化処理時に使用する酸基を有する顔料分散助剤の使用料と、上記微粒子化処理した着色顔料の顔料分散時に使用する酸基を有する顔料分散助剤の使用量の合計は、着色顔料100質量部に対して酸基を有する顔料分散助剤を0.5〜30質量部、好ましくは3〜15質量部を使用する。
より具体的にスルホン酸基を有する顔料分散助剤を使用する場合について説明する。
赤色顔料としてC.I.ピグメントレッド254を使用する場合は、スルホン酸基を有する顔料誘導体としては、C.I.ピグメントレッド254と同一骨格を有するピロロピロール骨格を有する顔料のスルホン化物(C.I.ピグメントレッド254のスルホン化物、C.I.ピグメントオレンジ71のスルホン化物等)及びピグメントレッド2のスルホン化物から選ばれる少なくとも1種のスルホン酸基を有する顔料誘導体であることが好ましい。ピグメントレッド177を使用する場合は、スルホン酸基を有する顔料誘導体としては、C.I.ピグメントレッド177と同一骨格を有するアントラキノン骨格を有する顔料のスルホン化物及び/又は色素のスルホン化物(C.I.ピグメントレッド149のスルホン化物、特開2002−22922号公報に記載のアントラキノン誘導体)及びC.I.ピグメントレッド2のスルホン化物から選ばれる少なくとも1種のスルホン酸基を有する顔料誘導体であることが好ましい。C.I.ピグメントレッド242を使用する場合は、スルホン酸基を有する顔料誘導体としては、C.I.ピグメントレッド242と同一骨格を有するアゾ骨格を有する顔料(C.I.ピグメントレッド242及びC.I.ピグメントレッド2のスルホン化物から選ばれる少なくとも1種)であることが好ましい。
上記塩基性基を含有する顔料分散剤としては、塩基性高分子顔料分散剤が使用でき、例えば、以下のものが挙げられる。
(1)ポリアミン化合物(例えば、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリエチレンポリイミン等のポリ(低級アルキレンアミン等)のアミノ基及び/又はイミノ基と、遊離のカルボキシル基を有するポリエステル、ポリアミド及びポリエステルアミドからなる群より選択される少なくとも1種との反応生成物(特開2001−59906号公報参照)、
(2)分子内にポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖、及びポリアクリル側鎖からなる群より選択される少なくとも1種の側鎖と、塩基性窒素含有基とをそれぞれ少なくとも1つ有するカルボジイミド系化合物(国際公開WO04/000950号公報参照)、
(3)ポリ(低級)アルキレンイミン、メチルイミノビスプロピルアミン等の低分子アミノ化合物と、遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応生成物(特開昭54−37082号公報参照、特開平01−311177号公報参照)、
(4)ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基に、メトキシポリエチレングリコール等のアルコール類やカプロラクトンポリエステル等の水酸基を1個有するポリエステル類、2〜3個のイソシアネート基反応性官能基を有する化合物、イソシアネート基反応性官能基と第3級アミノ基とを有する脂肪族又は複素環式炭化水素化合物を順次反応させてなる反応生成物(特開平02−612号公報参照)、
(5)アルコール性水酸基を有するアクリレートの重合物にポリイソシアネート化合物とアミノ基を有する炭化水素化合物とを反応させた反応生成物、
(6)低分子アミノ化合物にポリエーテル鎖を付加させてなる反応生成物、
(7)イソシアネート基を有する化合物にアミノ基を有する化合物を反応させてなる反応生成物(特開平04−210220号公報参照)、
(8)ポリエポキシ化合物に遊離のカルボキシル基を有する線状ポリマー及び2級アミノ基を1個有する有機アミン化合物を反応させた反応生成物(特開平09−87537号公報参照)、
(9)片末端にアミノ基と反応し得る官能基を有するポリカーボネート化合物とポリアミン化合物との反応生成物(特開09−194585号公報参照)、
(10)メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ステアリルアクリレート、ベンジルアクリレート等のメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステルから選択される少なくとも1種と、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアミド、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、アミノ基とポリカプロラクトン骨格を有するモノマー等の塩基性基含有重合性モノマーの少なくとも1種と、スチレン、スチレン誘導体、その他の重合性モノマーの少なくとも1種との共重合体(特開平01−164429号公報参照)、
(11)3級アミノ基、4級アンモニウム塩基等の塩基性基を有するブロックと塩基性官能基を有していないブロックとからなるアクリル系ブロック共重合体等(特開2005−55814号の明細書中に記載のアクリル系ブロック共重合体の説明欄参照)、
(12)ポリアリルアミンにポリカーボネート化合物をマイケル付加反応させて得られる顔料分散剤(特開平09−194585号公報参照)、
(13)ポリブタジエン鎖と塩基性窒素含有基とをそれぞれ少なくとも1つ有するカルボジイミド系化合物(特開2006−257243号公報参照)、
(14)分子内にアミド基を有する側鎖と、塩基性窒素含有基とをそれぞれ少なくとも1つ有するカルボジイミド系化合物(特開2006−176657号公報参照)
これらの中でも、上記(1)で示されるポリアリルアミン誘導体や、カルボジイミド系化合物が好ましい。
本発明における塩基性基を含有する顔料分散剤の含有量は、上記着色顔料100質量部に対して、10〜60質量部であることが好ましく、より好ましくは20〜50質量部である。上記塩基性基を含有する顔料分散剤の含有量が10質量部未満であると、上記着色顔料の分散性が低下する場合があり、60質量部を超えると、本発明の着色組成物を後述するレジスト組成物として用いた場合に現像性が低下するおそれがある。
本発明において上記透明樹脂とは、波長400〜700nmの全波長領域において透過率が80%以上、好ましくは95%以上の樹脂が挙げられる。
なお、上記透過率は、分光光度計(2500PC、島津製作所社製)を用いて測定された値である。
上記透明樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物(光重合性樹脂、光重合性不飽和結合を分子内に1個以上有するモノマー、オリゴマー等)等が挙げられる。これらは単独又は2種以上混合して用いることができる。
上記透明樹脂の含有量は、本発明の着色組成物の全固形分に対して質量分率で、使用する透明樹脂の合計量で好ましくは5〜94質量%、より好ましくは20〜50質量%の範囲である。
上記熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、スチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム、エポキシ樹脂、セルロース類、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。
上記光重合性化合物としての光重合性樹脂としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する線状高分子に、イソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等を介して、(メタ)アクリル化合物、ケイヒ酸等の光架橋性基を導入した樹脂が挙げられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子を、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化した重合物も用いられる。なお、本明細書において、(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタクリルを意味する。
上記光重合性化合物としての光重合性不飽和結合を分子内に1個有するモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート等のアラルキル(メタ)アクリレート;ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;N’N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル等のポリアルキレングリコールアルキルエーテルの(メタ)アクリル酸エステル;ヘキサエチレングリコールフェニルエーテル等のポリアルキレングリコールアリールエーテルの(メタ)アクリル酸エステル;イソボニル(メタ)アクリレート;グリセロール(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記光重合性化合物としての光重合性不飽和結合を分子内に2個以上有するモノマーとしては、例えば、ビスフェノールαジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
なお、上記アルカリ可溶性樹脂については、後述する。
本発明の着色組成物で使用する有機溶剤としては、具体的には、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル等のエーテル系有機溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエーテルエステル系有機溶剤;メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、δ−ブチロラクトン等のケトン系有機溶剤;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、蟻酸n−アミル等のエステル系有機溶剤;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール系溶剤;N−メチルピロリドン、N’N−ジメチルホルムアミド、N’N−ジメチルアセトアミド等の含窒素系有機溶剤等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明の着色組成物は、上述した着色顔料、酸基を有する顔料分散助剤、塩基性基を含有する顔料分散剤、透明樹脂及び有機溶剤を含有するが、これらの成分は、本発明の着色組成物中に、90〜100質量%含有されていることが好ましい。
本発明の着色組成物は、その製造方法に応じて、光重合開始剤、顔料誘導体、熱重合禁止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の公知の各種添加剤を適宜含有してもよい。
以上の材料を用いて本発明の着色組成物を製造する方法を説明する。
本発明の着色組成物を製造する方法としては、例えば下記の(1)、(2)の方法が例示できる。
(1)予め、C.I.ピグメントレッド177含有顔料分散組成物と、C.I.ピグメントレッド242含有顔料分散組成物と、及び、C.I.ピグメントレッド254含有顔料分散組成物とを混合する工程を経て、本発明の着色組成物を得る。
<C.I.ピグメントレッド177含有顔料分散組成物>
上記酸基を有する顔料分散助剤の存在下又は不存在下で微粒子化されたC.I.ピグメントレッド177、上記酸基を有する顔料分散助剤、上記塩基性基を含有する顔料分散剤、上記有機溶剤、必要に応じて、上記硫酸バリウム、上記透明樹脂、更に必要に応じてその他の補色顔料からなる混合物を得る。得られた混合物を、ロールミル、ニーダー、高速攪拌装置ビーズミル、ボールミル、サンドミル、超音波分散機、高圧分散機などの各種分散機を用いて、混練し、分散処理し、C.I.ピグメントレッド177含有顔料分散組成物を得る。
<C.I.ピグメントレッド242含有顔料分散組成物>
上記酸基を有する顔料分散助剤の存在下又は不存在下で微粒子化されたC.I.ピグメントレッド242、上記酸基を有する顔料分散助剤、上記塩基性基を含有する顔料分散剤、上記有機溶剤、必要に応じて、上記硫酸バリウム、上記透明樹脂、更に必要に応じてその他の補色顔料からなる混合物を得る。得られた混合物を、ロールミル、ニーダー、高速攪拌装置ビーズミル、ボールミル、サンドミル、超音波分散機、高圧分散機などの各種分散機を用いて、混練し、分散処理し、C.I.ピグメントレッド242含有顔料分散組成物を得る。
<C.I.ピグメントレッド254含有顔料分散組成物>
上記酸基を有する顔料分散助剤の存在下又は不存在下で微粒子化されたC.I.ピグメントレッド254、上記酸基を有する顔料分散助剤、上記塩基性基を含有する顔料分散剤、上記有機溶剤、必要に応じて、上記硫酸バリウム、上記透明樹脂、更に必要に応じてその他の補色顔料からなる混合物を得る。得られた混合物を、ロールミル、ニーダー、高速攪拌装置ビーズミル、ボールミル、サンドミル、超音波分散機、高圧分散機などの各種分散機を用いて、混練し、分散処理し、C.I.ピグメントレッド254含有顔料分散組成物を得る。
以上の各顔料分散組成物を、C.I.ピグメントレッド177とC.I.ピグメントレッド242とC.I.ピグメントレッド254とが所定の割合となるように混合して、更に必要に応じて透明樹脂、硫酸バリウム、有機溶剤、その他の添加剤を加えて本発明の着色組成物を得る。
(2)予め、それぞれ個別に製造してなるC.I.ピグメントレッド177含有着色組成物と、C.I.ピグメントレッド242含有着色組成物と、及び、C.I.ピグメントレッド254含有着色組成物とを混合する工程を経て、本発明の着色組成物を得る。
上記の方法で得た各顔料分散物に、必要に応じて上記透明樹脂、上記硫酸バリウム、上記有機溶剤、その他の添加剤を加えて各顔料着色組成物を調製する。次いで、調製した各顔料着色組成物をC.I.ピグメントレッド177とC.I.ピグメントレッド242とC.I.ピグメントレッド254とが所定の割合となるように混合して、本発明の着色組成物を得る。
上記(1)、(2)の製造方法において、酸基を有する顔料分散助剤の存在下で微粒子化処理された微粒子顔料を使用する場合は、微粒子化顔料の分散時に酸基を有する顔料分散助剤を含有させなくても製造することは可能である。
また、上記(1)、(2)の製造方法において、上記透明樹脂、上記硫酸バリウムは、顔料分散組成物の作成時及び/又は顔料分散組成物の作成後に加えることができる。
また、上記(1)、(2)の製造方法の中でも、高い着色力及び高い輝度が得られる点から、上記酸基を有する顔料分散助剤の存在下で微粒子化処理された顔料を使用することが好ましい。
次に、本発明の着色組成物の好ましい用途の一例であるカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物について説明する。
上記カラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物は、活性エネルギー線硬化性を有し、アルカリ現像可能なレジスト組成物であり、着色顔料、酸基を有する顔料分散助剤、塩基性基を有する顔料分散剤、透明樹脂、及び有機溶剤から主として構成され、前記透明樹脂としてアルカリ可溶性樹脂及び光重合性化合物を含むものである。
上記カラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物で使用する着色顔料としては、上記着色組成物で記載したものを使用する。着色顔料の使用量は、カラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物の全固形分に対して質量分率で、使用する着色顔料の合計量で好ましくは5〜80質量%、より好ましくは20〜50質量%である。
上記カラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物で使用する酸基を有する顔料分散助剤としては、上記着色組成物で記載したものと同じものを使用することができる。上記カラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物における、酸基を有する顔料分散助剤の使用量は、着色顔料100質量部に対して0.5〜30質量部である。上記酸基を有する顔料分散助剤の含有量が0.5質量部より小さいと顔料分散効果が低下し、一方30質量部を超える場合は、顔料分散効果がそれ以上向上しない。
上記酸基を有する顔料分散助剤は、上記微細化処理の状況によって使用量を調節することが好ましい。
(1)酸基を有する顔料分散助剤の不存在下で微粒子化処理された着色顔料を用いる場合は、微粒子化処理された着色顔料の分散時に着色顔料100質量部に対して酸基を有する顔料分散助剤を0.5〜30質量部、好ましくは3〜15質量部を使用する。
(2)酸基を有する顔料分散助剤の存在下で微粒子化処理した着色顔料を用いる場合は、着色顔料の微粒子化処理時に着色顔料100質量部に対して酸基を有する顔料分散助剤0.5〜30質量部、好ましくは3〜15質量部を使用し、微粒子化処理された着色顔料の分散時に着色顔料100質量部に対して酸基を有する顔料分散助剤を0〜29.5質量部、好ましくは0〜12質量部を使用する。
なお、微粒子化処理時に使用する酸基を有する顔料分散助剤の使用量と微粒子化処理した着色顔料の顔料分散時に使用する酸基を有する顔料分散助剤の使用量の合計は、着色顔料100質量部に対して酸基を有する顔料分散助剤を0.5〜30質量部、好ましくは3〜15質量部を使用する。
上記カラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物で使用する塩基性基を有する高分子顔料分散剤としては、上記着色組成物で記載したものと同じ塩基性基を有する高分子顔料分散剤を使用することができる。
上記カラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物において、塩基性基を有する高分子顔料分散剤の使用量は、着色顔料100質量部に対して1〜100質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜60質量部である。上記塩基性基を有する高分子顔料分散剤の含有量が1質量部より小さいと顔料分散効果が低下する場合があり、一方100質量部を超える場合は、現像性が低下する等のおそれがある。
上記カラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物で使用する透明樹脂としてのアルカリ可溶性樹脂としては、着色顔料に対してバインダーとして作用し、かつ、カラーフィルターを製造する際に、その現像処理工程において用いられる現像液、特に好ましくはアルカリ現像液に対して可溶性を有するものであれば、特に限定されるものではない。なかでも、カルボキシル基を有するアルカリ可溶性樹脂が好ましく、特に、1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体との共重合体が好ましい。
具体的には、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と共重合可能なスチレン、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、グリセロールモノアクリレート、グリセロールメタクリレート、N−フェニルマレイミド、ポリスチレンマクロモノマー及びポリメチルメタクリレートマクロモノマーの群から選ばれる少なくとも1種のエチレン性不飽和単量体との共重合体を挙げることができる。
上記共重合体の酸価としては、50〜300KOHmg/gが好ましい。この場合、酸価が50KOHmg/g未満では、レジスト組成物のアルカリ現像液に対する溶解性が低下する傾向がある。一方300KOHmg/gを超えると、アルカリ現像液に対する溶解性が過大となり、アルカリ現像液により現像する際に、着色層の基板からの脱落や着色層表面の膜荒れを来たしやすくなる傾向がある。
上記アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は、1000〜10万が好ましい。上記アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量が1000未満では、アルカリ現像剤に対する溶解性が上がり現像特性が低下する場合がある。一方10万を超える場合は、有機溶剤への溶解性が低下し、レジスト組成物の粘度が高くなる場合がある。
なお、本発明において、上記アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は、GPCに基づいて得られるポリスチレン換算の重量平均分子量である。上記重量平均分子量の測定には、装置としては、WATER 2690(ウオーターズ社製)、カラムとしては、PLgel 5μ MIXED−D(Polymer Laboratories社製)を用いる。
上記アルカリ可溶性樹脂の含有量は、使用する着色顔料100質量部に対して、通常、1〜100質量部、好ましくは10〜50質量部である。上記アルカリ可溶性樹脂の含有量が1質量部未満では、例えば、アルカリ現像性が低下したり、未露光部の基板上あるいは遮光層上に地汚れや膜残りが発生するおそれがある。一方100質量部を超えると、相対的に着色剤濃度が低下するため、目的とする色濃度のカラーフィルターが得られなくなるおそれがある。
上記カラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物で使用する透明樹脂を形成することができる光重合性化合物としては、光重合性不飽和結合を分子内に1個以上有する単量体、オリゴマー等で、上記着色組成物で記載したものと同じものを使用する。光重合性不飽和結合とは、後述する光重合開始剤が、紫外線や電子線等の活性エネルギー線により分解した際に発生するラジカルやカチオンの作用により、重合することのできる不飽和結合である。これらの透明樹脂を形成することができる光重合性化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。上記光重合性化合物の使用量は、カラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物中の全固形分に対して質量分率で、好ましくは3〜50質量%の範囲である。
上記カラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物は、光重合開始剤を含有することが好ましい。
上記光重合開始剤としては特に限定されず、例えば、ベンゾフェノン、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、ベンジル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2,3−ジクロロアントラキノン、3−クロル−2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、1,2−ベンゾアントラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、トリアジン系光重合開始剤等が挙げられる。これらは単独又は2種以上を併用して用いることができる。
上記光重合開始剤の含有量は、上記カラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物中の全固形分に対して質量分率で、好ましくは1〜10質量%の範囲である。
上記カラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物で使用する硫酸バリウムとしては、耐熱性(輝度)を向上させるために上記着色組成物で記載したものと同じ一次粒子径が5〜20nmである硫酸バリウムを用いることができる。
上記硫酸バリウムの使用量は着色顔料100質量部に対して5〜15質量部の範囲で使用することが好ましい。
上記硫酸バリウムは、微粒子化処理した着色顔料の分散時又は分散後に使用する。
上記カラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物で使用する有機溶剤としては、好ましくは、常圧(1.013×10kPa)における沸点が100〜220℃のエステル系有機溶剤、エーテル系有機溶剤、エーテルエステル系有機溶剤、ケトン系有機溶剤、芳香族炭化水素系有機溶剤、含窒素系有機溶剤等である。沸点が220℃を超える有機溶剤を多量に含有していると、塗布形成された塗膜をプレベークする際に有機溶剤が充分に蒸発せずに乾燥塗膜内に残存し、乾燥塗膜の耐熱性が低下するおそれがある。また、沸点100℃未満の有機溶剤を多量に含有していると、ムラなく均一に塗布することが困難になり、表面平滑性に優れた塗膜が得られなくなるおそれがある。
好ましい有機溶剤としては、具体的には、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル等のエーテル系有機溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエーテルエステル系有機溶剤;メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、δ−ブチロラクトン等のケトン系有機溶剤;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、蟻酸n−アミル等のエステル系有機溶剤;N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の含窒素系有機溶剤等を例示できる。これらは、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
これらの有機溶剤の中でも、溶解性、分散性、塗布性等の点で、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、蟻酸n−アミル等が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートであることがより好ましい。
更に、これらの有機溶剤は、上記アルカリ可溶性樹脂の溶解性、顔料分散性、塗布性等の点から、上記カラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物中、50質量%以上含有されていることが好ましく、70質量%以上含有されていることがより好ましい。
上記レジスト組成物は、着色顔料、塩基性基を含有する顔料分散剤、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤及び有機溶剤を含有し、これらの成分は、カラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物中、90〜100質量%含有されていることが好ましい。
上記のレジスト組成物は、必要に応じて、熱重合禁止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の各種添加剤を適宜使用することができる。
以上の材料を用いてカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物を製造する方法を説明する。カラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物は、下記の製造方法(1)、(2)により得ることができる。
(1)予めC.I.ピグメントレッド254含有顔料分散組成物と、I.ピグメントレッド242含有顔料分散組成物と、C.I.ピグメントレッド177含有顔料分散組成物とを混合する工程を経て、本発明のカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物を製造する方法。
<C.I.ピグメントレッド177含有顔料分散組成物>
酸基を有する顔料分散助剤の存在下又は不存在下で微粒子化処理されたC.I.ピグメントレッド177、酸基を有する顔料分散助剤、塩基性基を有する高分子顔料分散剤、有機溶剤、必要に応じて硫酸バリウム、アルカリ可溶性樹脂、更に必要に応じてその他の添加剤からなる混合物を得る。得られた混合物を、ロールミル、ニーダー、高速攪拌装置、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、超音波分散機、高圧分散機などの各種分散機を用いて、混練し、分散処理し、C.I.ピグメントレッド177含有顔料分散組成物を得る。
<C.I.ピグメントレッド242含有顔料分散組成物>
酸基を有する顔料分散助剤の存在下又は不存在下で微粒子化されたC.I.ピグメントレッド242、酸基を有する顔料分散助剤、塩基性基を含有する顔料分散剤、有機溶剤、必要に応じて、硫酸バリウム、アルカリ可溶性樹脂、更に必要に応じてその他の補色顔料からなる混合物を得る。得られた混合物を、ロールミル、ニーダー、高速攪拌装置ビーズミル、ボールミル、サンドミル、超音波分散機、高圧分散機などの各種分散機を用いて、混練し、分散処理し、C.I.ピグメントレッド242含有顔料分散組成物を得る。
<C.I.ピグメントレッド254含有顔料分散組成物>
酸基を有する顔料分散助剤の存在下又は不存在下で微粒子化されたC.I.ピグメントレッド254、酸基を有する顔料分散助剤、塩基性基を含有する顔料分散剤、有機溶剤、必要に応じて、硫酸バリウム、アルカリ可溶性樹脂、更に必要に応じてその他の補色顔料からなる混合物を得る。得られた混合物を、ロールミル、ニーダー、高速攪拌装置ビーズミル、ボールミル、サンドミル、超音波分散機、高圧分散機などの各種分散機を用いて、混練し、分散処理し、C.I.ピグメントレッド254含有顔料分散組成物を得る。
以上の各顔料分散組成物を、C.I.ピグメントレッド177とC.I.ピグメントレッド254とC.I.ピグメントレッド242が所定の割合となるように混合し、さらに光重合性化合物、光重合開始剤、必要に応じてアルカリ可溶性樹脂、硫酸バリウム、有機溶剤、その他の添加剤を加えて本発明のカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物を得る。
(2)予め、それぞれを個別に製造してなるC.I.ピグメントレッド254含有カラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物と、C.I.ピグメントレッド242含有カラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物と、C.I.ピグメントレッド177含有カラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物とを混合する工程を経て、本発明のカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物を製造する方法。
上記の方法で得た各顔料分散組成物に、さらに光重合性化合物、光重合開始剤、必要に応じてアルカリ可溶性樹脂、硫酸バリウム、有機溶剤、その他の添加剤を加えて各カラーフィルター用顔料分散レジスト組成物を調製する。次いで、調製した各カラーフィルター用顔料分散レジスト組成物を、C.I.ピグメントレッド254とC.I.ピグメントレッド242とC.I.ピグメントレッド177含有カラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物が所定の割合となるように混合し、カラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物を得る。
上記(1)、(2)の製造方法において、酸基を有する顔料分散助剤の存在下で微粒子化処理された微粒子化顔料を使用する場合は、微粒子化顔料の分散時に酸基を有する顔料分散助剤を含有させなくても製造することは可能である。
また、上記(1)、(2)の製造方法において、透明樹脂、硫酸バリウムは、顔料分散組成物の作成時及び/又は顔料分散組成物を作成後に加えることができる。
また、上記(1)、(2)の製造方法の中でも、高い着色力及び高い輝度が得られる点から、酸基を有する顔料分散助剤の存在下で微粒子化処理された顔料を使用することが好ましい。
本発明によれば、高コントラスト、耐熱性及び、耐溶剤性を維持しつつ、輝度を向上させたカラーフィルター用赤色着色組成物を提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<顔料分散助剤>
(C.I.ピグメントレッド242のスルホン化物)
100ml三角フラスコに濃硫酸を30ml仕込み、マグネチックスターラーで撹拌しながらC.I.ピグメントレッド242を10g投入し、室温で30分撹拌した。1Lビーカーに水50gと氷50gの混合物を入れ、上記反応物をこの氷水中に注ぎ、マグネチックスターラーで30分撹拌した。これを減圧下で濾過・水洗し、得られた固体を乾燥させてC.I.ピグメントレッド242のスルホン化物を12g得た。
(C.I.ピグメントレッド2のスルホン化物)
100ml三角フラスコに濃硫酸を30ml仕込み、マグネチックスターラーで撹拌しながらC.I.ピグメントレッド2を10g投入し、室温で30分撹拌した。1Lビーカーに水50gと氷50gの混合物を入れ、上記反応物をこの氷水中に注ぎ、マグネチックスターラーで30分撹拌した。これを減圧下で濾過・水洗し、得られた固体を乾燥させてC.I.ピグメントレッド2のスルホン化物12gを得た。
(C.I.ピグメントオレンジ71のスルホン化物)
100ml三角フラスコに濃硫酸を30ml仕込み、マグネチックスターラーで撹拌しながらC.I.ピグメントオレンジ71を10g投入し、室温で30分撹拌した。1Lビーカーに水50gと氷50gの混合物を入れ、上記反応物をこの氷水中に注ぎ、マグネチックスターラーで30分撹拌した。これを減圧下で濾過・水洗し、得られた固体を乾燥させてC.I.ピグメントレッド71のスルホン化物12gを得た。
<スルホン酸基を有する顔料分散助剤の存在下で微粒子化処理された赤色顔料>
(トリミックス処理PR177:C.I.ピグメントレッド2のスルホン化物の存在下で連続式一軸混練機処理されたC.I.ピグメントレッド177)
C.I.ピグメントレッド177を800質量部、顔料分散助剤としてのC.I.ピグメントレッド2のスルホン化物を40質量部、粒径20μmの塩化ナトリウム8000質量部、ジエチレングリコール1000質量部を予備混合した。この混合物を連続式一軸混練機(ミラクルKCK−42、浅田鉄工(株)社製)に定量供給し、75℃で混練しソルトミリングを行った。次に得られた混練物1300質量部を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌しスラリー状とした。ろ過、水洗を繰り返し塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、40℃にて乾燥し、96質量部のトリミックス処理PR177を得た。
(トリミックス処理PR254:C.I.ピグメントオレンジ71のスルホン化物の存在下で連続式一軸混練機処理されたC.I.ピグメントレッド254)
C.I.ピグメントレッド254を800質量部、顔料分散助剤としてのC.I.ピグメントオレンジ71のスルホン化物を40質量部、粒径20μmの塩化ナトリウム8000質量部、ジエチレングリコール1000質量部を予備混合した。この混合物を連続式一軸混練機(ミラクルKCK−42、浅田鉄工(株)社製)に定量供給し、75℃で混練しソルトミリングを行った。次に得られた混練物1300質量部を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌しスラリー状とした。ろ過、水洗を繰り返し塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、40℃にて乾燥し、96質量部のトリミックス処理PR254を得た。
(トリミックス処理PR242:C.I.ピグメントレッド242のスルホン化物の存在下で連続式一軸混練機処理されたC.I.ピグメントレッド254)
C.I.ピグメントレッド242を800質量部、顔料分散助剤としてのC.I.ピグメントレッド242のスルホン化物を40質量部、粒径20μmの塩化ナトリウム8000質量部、ジエチレングリコール1000質量部を予備混合した。この混合物を連続式一軸混練機(ミラクルKCK−42、浅田鉄工(株)社製)に定量供給し、75℃で混練しソルトミリングを行った。次に得られた混練物1300質量部を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌しスラリー状とした。ろ過、水洗を繰り返し塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、40℃にて乾燥し、96質量部のトリミックス処理PR242を得た。
(塩基性基を有する高分子顔料分散剤)
Disprbyk2001(DB2001、ビックケミー社製、変性アクリル系ブロック共重合体、アミン価29、酸価13)
(アルカリ可溶性樹脂)
BMA/MAA共重合体(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、理論酸価:120mgKOH/g、質量平均分子量:25,000)
(有機溶剤)
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(光重合性化合物)
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(光重合開始剤)
イルガキュア369:2−ベンジル−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン
<カラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物>
上記微粒子化処理赤色顔料、スルホン酸基を有する顔料分散助剤、塩基性基を有する高分子顔料分散剤、硫酸バリウム、アルカリ可溶性樹脂、有機機溶剤を表1の組成で、0.2mmΦのジルコニアビーズを用いてペイントコンディショナーで6時間混練し、各カラーフィルター用赤色顔料分散物を得た。次いで、各カラーフィルター用赤色顔料分散組成物と他の材料を表1の組成になるように高速攪拌機を用いて均一に混合した後、孔径3μmのメンブランフィルターでろ過し、各カラーフィルター用赤色顔料分散レジスト原料を得た。次いで、表2の顔料割合となるように各カラーフィルター用赤色顔料分散レジスト原料を均一混合し、実施例1〜5及び比較例1〜6のカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物を得た。
Figure 2015022185
Figure 2015022185
(評価)
<粘度>
実施例1〜5及び比較例1〜6のカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物について、それぞれガラス瓶に採り、密栓し室温で1日保存した後、B型粘度計(トキメック社製)を用いて25℃における粘度を測定し、流動性を評価した。
<分散安定性>
実施例1〜5及び比較例1〜6のカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物について、それぞれガラス瓶に採り、密栓して室温で7日間保存した後の状態を下記評価基準に従って評価した。結果を表3に示す。
○:増粘、沈降物が共に認められない。
△:軽く振ると元に戻る程度の増粘や沈降物が認められる。
×:強く振っても元に戻らない程度の増粘や沈降物が認められる。
<カラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物の色特性の評価>
実施例1〜5及び比較例1〜6のカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物を、スピンコーターを用いてガラス基板上に塗布した。次いで、100℃で3分間プレベークした後、高圧水銀灯で露光し、更に230℃で30分間ポストベークした。次いで、実施例1〜5及び比較例1〜6の各レジストの色特性(x,y,Y)を分光光度計(島津製作所社製、UV−2500PC、C光源2°視野)で測定した。実施例1〜5及び比較例1〜6では色度x=0.6444、y=0.335の膜厚、明度Yを求めた。
<カラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物のコントラスト>
実施例1〜5及び比較例1〜6のカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物をスピンコーターを用いてガラス基板上に塗布した。次いで、100℃で3分間プレベークした後、高圧水銀灯で露光し、更に230℃で30分間ポストベークした。
次いで、レジスト組成物が塗布されたガラス基板を2枚の偏光板(ルケオ社製、型番:Polax38S)で挟み、蛍光灯(波長範囲380〜780nm)で照射しつつ前面側の偏光板を回転させ、前面側の偏光板と後面側の偏光板の偏光面が平行であるとき及び直角であるときの透過する光強度を色彩輝度計(トプコン社製、BM−5A)で測定した。前面側の偏光板と後面側の偏光板の偏光面が平行であるときの輝度と、前面側の偏光板と後面側の偏光板の偏光面が直角であるときの輝度との比をコントラスト比として評価した。
コントラスト比=(前面側の偏光板と後面側の偏光板の偏光面が平行であるときの輝度/前面側の偏光板と後面側の偏光板の偏光面が直角であるときの輝度)。
Figure 2015022185
実施例に係るカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物は、粘度、分散安定性、及び、コントラストに優れたものであった。また、カラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物の耐熱性は、輝度(Y値)に依存する(Y値が低いほど耐熱性に劣る)。このため、同割合の顔料を含有する実施例、及び、比較例に係るカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物の輝度(Y値)を比較することで、耐熱性を評価できる。例えば、実施例1、4、5と比較例3、実施例2と比較例4、及び、実施例3と比較例5、6を比較すると、いずれも、実施例に係るカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物の方が、輝度(Y値)が高く、耐熱性に優れていた。また、実施例に係るカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物では、本発明に規定する量の硫酸バリウムを含むことにより、PR254が少量であっても、充分な耐溶剤性を有していた。
一方、比較例に係るカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物では、粘度、分散安定性、及び、コントラストと、充分な耐熱性、及び、耐溶剤性を兼ね備えたものは得られなかった。
本発明によれば、高コントラスト、耐熱性、及び、耐溶剤性を維持しつつ、輝度を向上させたカラーフィルターを製造できるカラーフィルター用赤色着色組成物を提供することができる。

Claims (6)

  1. 着色顔料、酸基を含有する顔料分散助剤、塩基性基を含有する顔料分散剤、透明樹脂、及び、有機溶剤を含有するカラーフィルター用赤色着色組成物であって、
    前記着色顔料は、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド242、及び、C.I.ピグメントレッド254を含有し、かつ、
    C.I.ピグメントレッド254の前記着色顔料中における混合比率が、5〜30質量%であり、
    さらに硫酸バリウムを前記着色顔料100質量部に対して、5〜15質量部含有する
    ことを特徴とするカラーフィルター用赤色着色組成物。
  2. 硫酸バリウムの一次粒子径が、5〜20nmである請求項1記載のカラーフィルター用赤色着色組成物。
  3. 透明樹脂は、アルカリ可溶性樹脂及び光重合性化合物を含む請求項1又は2記載のカラーフィルター用赤色着色組成物。
  4. 着色顔料中のC.I.ピグメントレッド254の混合比率が、10〜25質量%の範囲である請求項1、2又は3記載のカラーフィルター用赤色着色組成物。
  5. 着色顔料は、微粒子化処理された着色顔料である請求項1、2、3又は4記載のカラーフィルター用赤色着色組成物。
  6. 微粒子化処理された着色顔料は、ソルトミリング処理された着色顔料である請求項5に記載のカラーフィルター用赤色着色組成物。
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