JP6078242B2 - カラーフィルター用赤色着色組成物 - Google Patents

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本発明は、白色有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を光源として有するカラー表示装置のカラーフィルターの形成に用いられるカラーフィルター用赤色着色組成物に関する。
近年、テレビ、コンピュータ、携帯電話等の表示装置のほとんどが液晶カラー表示装置で占められるようになってきている。液晶カラー表示装置に用いられるカラーフィルターは、一般的に、透明基板と、透明基板上に形成され、赤色画素部、緑色画素部、青色画素部の三原色の着色パターンからなる着色層と、各着色パターンを区画するように透明基板上に形成された遮光部(ブラックマトリックス)とを有している。これらの赤色画素部、緑色画素部、青色画素部は、耐熱性、耐光性が良好である有機顔料が分散された合成樹脂の皮膜を基板上に設けた構造であり、有機顔料としては、赤、緑及び青の各色の有機顔料が用いられている。
この液晶カラー表示装置におけるバックライトとしては、冷陰極管を用いたタイプ、無機材料の発光ダイオードを用いたタイプ、白色有機EL素子を用いたタイプ等がある。そして、冷陰極管や無機材料の発光ダイオードを用いたバックライトは、優れた表示性能やカラーフィルターとのマッチング、さらにバックライトの耐久性の面から、輝線スペクトルが設定されているものが多いのに対して、白色有機EL素子を用いたバックライトの発光スペクトルでは、材料の特性から420〜430nm近辺にピークが無く、460nm付近と600nm付近にピークを有している。また、従来の光源に比較して、全体的にブロードなピークを有するため、460nmより高い波長側でも、500nm近辺まで輝度が高くなっている。
白色有機EL素子を用いたバックライトを用いた場合においては、液晶カラー表示装置の赤色フィルタセグメントのXYZ表示系における色特性(x,y,Y)として、分光光度計(島津製作所社製、UV−2500PC、C光源2°視野、または大塚電子社製、LCF−100型、顕微分光測定装置)で測定した時に、xが0.682、yが0.305〜0.320の範囲で、Y値(輝度)がより高いものが要求される。上記のような関係の中、従来の冷陰極管や無機材料の発光ダイオードを用いたバックライトの波長特性に合わせて設計された赤色フィルタセグメントの形成材料のカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物、具体的には、C.I.ピグメントレッド242とC.I.ピグメントレッド177との組合せ(例えば、特許文献1参照)、C.I.ピグメントレッド254とC.I.ピグメントレッド177との組合せ(例えば、特許文献2参照)、C.I.ピグメントレッド177とC.I.ピグメントレッド179との組合せ(例えば、特許文献3参照)等は、白色有機EL素子を用いたバックライトの発光スペクトルでは、Y値(輝度)に改善の余地を有するものであった。
この問題を解決するために、白色有機EL素子を用いたバックライトの発光スペクトルに合わせて、C.I.ピグメントレッド149とC.I.ピグメントレッド177からなるカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物が提案されている(例えば、特許文献4参照)。この特許では、顔料を特定の塩基性基含有色素誘導体とアルカリ可溶性樹脂にて分散して安定化している。
そして、さらなる着色力及び輝度等の性能向上が要求されるようになり、その対応が急がれている。
特開平11−014824号公報 特開2000−089025号公報 特開2005−202196号公報 特開2011−064994号公報
本発明の課題は、白色有機EL光源を具備する表示装置のカラーフィルターに使用できる高い着色力及び高い輝度を有するカラーフィルター用赤色着色組成物を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、着色顔料としてC.I.ピグメントレッド149とC.I.ピグメントレッド177とを使用し、顔料分散助剤として酸基を有する顔料分散助剤と顔料分散剤として塩基性基を有する高分子顔料分散剤を組み合わせて使用することにより、白色有機EL光源を具備する表示装置のカラーフィルターに使用できる高い着色力及び高い輝度を有するカラーフィルター用赤色着色組成物を得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
(1)着色顔料、酸基を有する顔料分散助剤、塩基性基を有する高分子顔料分散剤、透明樹脂、及び有機溶剤から主として構成されるカラーフィルター用赤色着色組成物であって、前記着色顔料が、C.I.ピグメントレッド149とC.I.ピグメントレッド177とを含み、且つ白色有機EL光源を具備する表示装置のカラーフィルターに用いられることを特徴とするカラーフィルター用赤色着色組成物。
(2)前記カラーフィルター用赤色着色組成物が、着色顔料、酸基を有する顔料分散助剤、塩基性基を有する高分子顔料分散剤、透明樹脂、及び有機溶剤から主として構成され、前記透明樹脂としてアルカリ可溶性樹脂及び光重合性化合物を含むことを特徴とする(1)記載のカラーフィルター用赤色着色組成物。
(3)前記C.I.ピグメントレッド149と前記C.I.ピグメントレッド177との質量比率が、70:30〜10:90であることを特徴とする(1)又は(2)記載のカラーフィルター用赤色着色組成物。
(4)さらに、一次粒子径が5〜20nmである硫酸バリウムを含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のカラーフィルター用赤色着色組成物。
(5)前記着色顔料は、微粒子化処理された着色顔料であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のカラーフィルター用赤色着色組成物。
(6)前記着色顔料は、酸基を有する顔料分散助剤の存在下でソルトミリング処理された微粒子化処理された着色顔料であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のカラーフィルター用赤色着色組成物。
(7)前記酸基は、スルホン酸基であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載のカラーフィルター用赤色着色組成物。
(8)前記C.I.ピグメントレッド149に対して使用する酸基を有する顔料分散助剤が、C.I.ピグメントレッド149のスルホン化物であり、前記ピグメントレッド177に対して使用する酸基を有する顔料分散助剤が、アントキノン骨格を有する顔料及び/又は色素のスルホン化物及びC.I.ピグメントレッド2のスルホン化物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載のカラーフィルター用赤色着色組成物。
以下、本発明のカラーフィルター用赤色着色組成物について、その成分毎に具体的に説明する。
本発明はカラーフィルター用赤色着色組成物に関する発明であり、そのカラーフィルター用赤色着色組成物としては、レジストでない組成物であっても良く又はレジスト組成物であっても良い。
いずれにしても、本発明のカラーフィルター用赤色着色組成物は、白色有機EL光源を具備する表示装置のカラーフィルターに使用される組成物であり、それによる本発明の効果として、高い着色力及び高い輝度を有するカラーフィルター用赤色着色組成物を提供することができる。
(着色顔料)
本発明のカラーフィルター用赤色着色組成物に使用する着色顔料としては、C.I.ピグメントレッド149とC.I.ピグメントレッド177とを併用して使用する。C.I.ピグメントレッド149とC.I.ピグメントレッド177との好ましい質量比率は、C.I.ピグメントレッド149:C.I.ピグメントレッド177=90:10〜10:90であり、70:30〜10:90であることがより好ましい。
尚、性能が低下しない範囲で、C.I.Pigment Red 7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、57:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、122、123、146、168、178、184、185、187、190、200、202、208、210、246、254、255、264、270、272、279等の赤色顔料等を併用して使用することも出来る。
本発明のカラーフィルター用赤色着色組成物において、着色顔料の合計使用量は、カラーフィルター用赤色着色組成物の全固形分に対して質量分率で、好ましくは5〜80質量%、より好ましくは20〜50質量%の範囲である。
本発明の着色顔料は、高い明度や高いコントラストを得るために微粒子化処理した着色顔料を使用することが好ましい。微粒子化処理を行うことにより、着色顔料の一次粒子径を更に微細にかつ均一にすることができる。
上記微粒子化処理としては、例えば、未処理着色顔料、水溶性の無機塩(塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム等で好ましくは塩化ナトリウムで、使用する水溶性の無機塩の平均粒子径としては50μm以下のものが好ましい)、及び、上記水溶性の無機塩を実質的に溶解しない水溶性分散媒体(アルコキシアルコール類、グリコール類、エーテル類等)を含む混合物を、ニーダー、ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル、特開2006−192385号公報に記載のプラネタリーミキサーである井上製作所(株)社製のトリミックス(商標名)、連続式一軸混練機である浅田鉄工(株)社製のミラクルKCK等の混練装置で混練した後、上記水溶性の無機塩及び上記水溶性分散媒体を除去するソルトミリングを行い、微粒子化処理を行うことが好ましい。
さらに、着色顔料の結晶成長を抑えて均一に微細化できる点より、後述する酸基を有する顔料分散助剤の存在下、微粒子化処理をすることが好ましい。酸基を有する顔料分散助剤の使用量は、着色顔料100質量部に対して0.5〜30質量部、好ましくは3〜10質量部である。
(酸基を有する顔料分散助剤)
本発明のカラーフィルター用赤色着色組成物に使用する酸基を有する顔料分散助剤としては、スルホン酸基を有する顔料分散助剤等を使用することができる。
本発明のカラーフィルター用赤色着色組成物において、酸基を有する顔料分散助剤の使用量は、着色顔料100質量部に対して0.5〜30質量部である。上記酸基を有する顔料分散助剤の含有量が0.5質量部より小さいと顔料分散効果が低下し、一方30質量部を超える場合は、顔料分散効果がそれ以上には向上しない。
上記酸基を有する顔料分散助剤は、
(1)酸基を有する顔料分散助剤の不存在下で微粒子化処理された着色顔料を用いる場合は、微粒子化処理された着色顔料の分散時に着色顔料100質量部に対して酸基を有する顔料分散助剤を0.5〜30質量部、好ましくは3〜15質量部を使用する。
(2)酸基を有する顔料分散助剤の存在下で微粒子化処理した着色顔料を用いる場合は、着色顔料の微粒子化処理時に着色顔料の100質量部に対して顔料分散助剤を0.5〜30質量部、好ましくは3〜15質量部を使用し、微粒子化処理された着色顔料の分散時に着色顔料100質量部に対して酸基を有する顔料分散助剤を0〜29.5質量部、好ましくは0〜12質量部を使用する。
尚、微粒子化処理時に使用する酸基を有する顔料分散助剤の使用量と微粒子化処理した着色顔料の顔料分散時に使用する酸基を有する顔料分散助剤の使用量の合計は、着色顔料100質量部に対して酸基を有する顔料分散助剤を0.5〜30質量部、好ましくは3〜15質量部を使用する。
より具体的に酸基を有する顔料分散助剤として、スルホン酸基を有する顔料分散助剤を使用する場合について説明する。
赤色顔料としてC.I.ピグメントレッド149を分散させる際、使用するスルホン酸基を有する顔料分散助剤としては、ピグメントレッド149と同一骨格のペリレン骨格を有する顔料のスルホン化物(C.I.149のスルホン化物等)であり、ピグメントレッド177を分散させる際には、スルホン酸基を有する顔料分散助剤としては、C.I.ピグメントレッド177と同一骨格のアントラキノン骨格を有する顔料及び/又は色素のスルホン化物(C.I.149のスルホン化物、特開2002−22922号公報に記載のアントラキノン誘導体等)及びC.I.ピグメントレッド2のスルホン化物から選ばれる少なくとも1種のスルホン酸基を有する顔料分散助剤であることが好ましい。
(塩基性基を有する高分子顔料分散剤)
本発明のカラーフィルター用赤色着色組成物に使用する塩基性基を有する高分子顔料分散剤としては、従来からカラーフィルター分野で使用されている塩基性基を有する高分子顔料分散剤を使用することができる。
本発明のカラーフィルター用赤色着色組成物において、塩基性基を有する高分子顔料分散剤の使用量は、着色顔料100質量部に対して1〜100質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜60質量部である。上記塩基性基を有する高分子顔料分散剤の含有量が1質量部より小さいと顔料分散効果が低下する場合があり、一方100質量部を超える場合は、現像性が低下する等のおそれがある。
塩基性基を有する高分子顔料分散剤としては、例えば、以下のものが挙げられる。
(1)ポリアミン化合物(例えば、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリエチレンポリイミン等の、ポリ(低級)アルキレンアミン等)のアミノ基及び/又はイミノ基と、遊離のカルボキシル基を有するポリエステル、ポリアミド及びポリエステルアミドからなる群より選択される少なくとも1種との反応生成物。
(2)分子内にポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖、及びポリアクリル側鎖からなる群より選択される少なくとも1種の側鎖と、塩基性窒素含有基とをそれぞれ少なくとも1つ有するカルボジイミド系化合物。
(3)ポリ(低級)アルキレンイミン、メチルイミノビスプロピルアミン等の低分子アミノ化合物と、遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応生成物。
(4)ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基に、メトキシポリエチレングリコール等のアルコール類やカプロラクトンポリエステル等の水酸基を1個有するポリエステル類、2〜3個のイソシアネート基反応性官能基を有する化合物、イソシアネート基反応性官能基と第3級アミノ基とを有する脂肪族又は複素環式炭化水素化合物を順次反応させてなる反応生成物。
(5)アルコール性水酸基を有するアクリレートの重合物にポリイソシアネート化合物とアミノ基を有する炭化水素化合物とを反応させた反応生成物。
(6)低分子アミノ化合物にポリエーテル鎖を付加させてなる反応生成物。
(7)イソシアネート基を有する化合物にアミノ基を有する化合物を反応させてなる反応生成物。
(8)ポリエポキシ化合物に遊離のカルボキシル基を有する線状ポリマー及び2級アミノ基を1個有する有機アミン化合物を反応させた反応生成物。
(9)片末端にアミノ基と反応し得る官能基を有するポリカーボネート化合物とポリアミン化合物との反応生成物。
(10)メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ステアリルアクリレート、ベンジルアクリレート等のメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステルから選択される少なくとも1種と、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアミド、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、アミノ基とポリカプロラクトン骨格を有するモノマー等の塩基性基含有重合性モノマーの少なくとも1種と、スチレン、スチレン誘導体、その他の重合性モノマーの少なくとも1種との共重合体。
(11)3級アミノ基、4級アンモニウム塩基等の塩基性基を有するブロックと塩基性官能基を有していないブロックとからなるアクリル系ブロック共重合体等。
(12)ポリアリルアミンにポリカーボネート化合物をマイケル付加反応させて得られる顔料分散剤。
(13)ポリブタジエン鎖と塩基性窒素含有基とをそれぞれ少なくとも1つ有するカルボジイミド系化合物。
(14)分子内にアミド基を有する側鎖と、塩基性窒素含有基とをそれぞれ少なくとも1つ有するカルボジイミド系化合物。
(15)エチレンオキサイド鎖とプロピレンオキサイド鎖を有する構成単位を有し、かつ四級化剤により四級化されたアミノ基を有するポリウレタン系化合物。
(16)分子内にイソシアヌレート環を有するイソシアネート化合物のイソシアネート基と、分子内に活性水素基を有し、かつ、カルバゾール環及び/又はアゾベンゼン骨格を有する化合物の活性水素基とを反応させて得られる化合物であって、該化合物の分子内の、イソシアヌレート環を有するイソシアネート化合物に由来するイソシアネート基と、イソシアネート基と活性水素基との反応により生じたウレタン結合及び尿素結合との合計に対するカルバゾール環とアゾベンゼン骨格の数が15〜85%である化合物。
等。
現在、カラーフィルター用赤色着色組成物を利用してカラーフィルターを製造する方法としてはレジスト法が主であるが、以後はレジスト法以外の方法にて用いるカラーフィルター用赤色着色組成物と、レジスト法に用いるカラーフィルター用赤色着色組成物に分けて、それぞれに含有される成分等について、以下に説明する。
[A.レジスト法以外で利用されるカラーフィルター用赤色着色組成物]
(透明樹脂)
本発明のカラーフィルター用赤色着色組成物に使用する透明樹脂としては、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が80%以上、好ましくは95%以上の樹脂を使用することができる。これらの透明樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物(光重合性樹脂、光重合性不飽和結合を分子内に1個以上有するモノマー、オリゴマー等)等がある。これらは単独又は2種以上混合して用いることができる。
このような透明樹脂は、カラーフィルター用赤色着色組成物の全固形分に対して質量分率で、使用する透明樹脂の合計量で好ましくは5〜94質量%、より好ましくは20〜50質量%の範囲である。
熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、スチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム、エポキシ樹脂、セルロース類、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。
光重合性化合物としての光重合性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する線状高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等を介して、(メタ)アクリル化合物、ケイヒ酸等の光架橋性基を導入した樹脂が用いられる。スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化した重合物も用いられる。
光重合性化合物としての光重合性不飽和結合を分子内に1個有するモノマーとしては、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアルキルメタクリレート又はアクリレート;ベンジルメタクリレート、ベンジルアクリレート等のアラルキルメタクリレート又はアクリレート;ブトキシエチルメタクリレート、ブトキシエチルアクリレート等のアルコキシアルキルメタクリレート又はアクリレート;N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート等のアミノアルキルメタクリレート又はアクリレート;ジエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル等のポリアルキレングリコールアルキルエーテルのメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステル;ヘキサエチレングリコールフェニルエーテル等のポリアルキレングリコールアリールエーテルのメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステル;イソボニルメタクリレート又はアクリレート;グリセロールメタクリレート又はアクリレート;2−ヒドロキシエチルメタクリレート又はアクリレート等が挙げられる。
光重合性化合物としての光重合性不飽和結合を分子内に2個以上有するモノマーとしては、ビスフェノールAジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、グリセロールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂については、後述のカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物のところで詳述する。
(硫酸バリウム)
本発明のカラーフィルター用赤色着色組成物には、耐熱性(輝度)を向上させるために一次粒子径が5〜20nmである硫酸バリウムを用いることができる。
硫酸バリウムの使用量は着色顔料100質量部に対して0〜25質量部、好ましくは5〜20質量部の範囲で使用する。
上記硫酸バリウムは、微粒子化処理した着色顔料の分散時又は分散後に使用する。
(有機溶剤)
本発明のカラーフィルター用赤色着色組成物に使用する有機溶剤としては、具体的には、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル等のエーテル系有機溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエーテルエステル系有機溶剤;メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、δ−ブチロラクトン等のケトン系有機溶剤;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、蟻酸n−アミル等のエステル系有機溶剤;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール系溶剤;N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の含窒素系有機溶剤等を例示できる。これらは、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明のカラーフィルター用赤色着色組成物は、着色顔料、酸基を有する顔料分散助剤、塩基性基を有する高分子顔料分散剤、透明樹脂及び有機溶剤から主として構成され、これらの成分は、カラーフィルター用赤色着色組成物中、90〜100質量%を占める。
(必要に応じて添加できる添加剤)
カラーフィルター用赤色着色組成物の製造法に応じて、光重合開始剤、熱重合禁止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の各種添加剤を適宜使用することができる。上記光重合開始剤としては、例えば、後述するものを挙げることができる。
(本発明の着色組成物の製造方法)
以上の材料を用いてレジスト法で使用されないカラーフィルター用赤色着色組成物を製造する方法を説明する。カラーフィルター用赤色着色組成物は、例えば、下記(1)、(2)の製造方法により得ることができる。
(1)予めC.I.ピグメントレッド149含有顔料分散組成物と、C.I.ピグメントレッド177含有顔料分散組成物とを混合する工程を経て、本発明のカラーフィルター用赤色着色組成物を製造する方法
C.I.ピグメントレッド149含有顔料分散組成物
酸基を有する顔料分散助剤(好ましくは、C.I.ピグメントレッド149と同一骨格のペリレン骨格を有する顔料のスルホン化物(C.I.ピグメントレッド149のスルホン化物等))の存在下または不存在下で微粒子化処理されたC.I.ピグメントレッド149、酸基を有する顔料分散助剤(好ましくは、C.I.ピグメントレッド149と同一骨格のペリレン骨格を有する顔料のスルホン化物(C.I.ピグメントレッド149のスルホン化物等))、塩基性基を有する高分子顔料分散剤、有機溶剤、必要に応じて硫酸バリウム、透明樹脂、更に必要に応じてその他の添加剤からなる混合物を得る。得られた混合物を、ロールミル、ニーダー、高速攪拌装置、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、超音波分散機、高圧分散機などの各種分散機を用いて、混練し、分散処理しC.I.ピグメントレッド149含有顔料分散組成物を得る。
C.I.ピグメントレッド177含有顔料分散組成物
酸基を有する顔料分散助剤(好ましくは、C.I.ピグメントレッド177と同一骨格のアントラキノン骨格を有する顔料及び/又は色素のスルホン化物及びC.I.ピグメントレッド2のスルホン化物から選ばれる少なくとも1種)の存在下または不存在下で微粒子化処理されたC.I.ピグメントレッド177、酸基を有する顔料分散助剤(好ましくは、C.I.ピグメントレッド177と同一骨格のアントラキノン骨格を有する顔料及び/又は色素のスルホン化物及びC.I.ピグメントレッド2のスルホン化物から選ばれる少なくとも1種)、塩基性基を有する高分子顔料分散剤、有機溶剤、必要に応じて硫酸バリウム、透明樹脂、更に必要に応じてその他の添加剤からなる混合物を得る。得られた混合物を、ロールミル、ニーダー、高速攪拌装置ビーズミル、ボールミル、サンドミル、超音波分散機、高圧分散機などの各種分散機を用いて、混練し、分散処理し、C.I.ピグメントレッド177含有顔料分散組成物を得る。
補色顔料含有顔料分散組成物
必要に応じて補色顔料も、酸基を有する顔料分散助剤の存在下又は不存在下で微粒子化処理された補色顔料を用いて、同様に顔料分散組成物を得る。
以上の各顔料分散組成物を、C.I.ピグメントレッド149とC.I.ピグメントレッド177と必要に応じて補色顔料が所定の割合となるように混合し、さらに必要に応じて透明樹脂、硫酸バリウム、有機溶剤、その他の添加剤を加えて本発明のカラーフィルター用赤色着色組成物を得る。
(2)予め、それぞれを個別に製造してなるC.I.ピグメントレッド149含有カラーフィルター用赤色着色組成物と、C.I.ピグメントレッド177含有カラーフィルター用赤色着色組成物とを混合する工程を経て、本発明のカラーフィルター用赤色着色組成物を製造する方法
前記の方法で得た各顔料分散組成物に、必要に応じて透明樹脂、硫酸バリウム、有機溶剤、その他の添加剤を加えて各カラーフィルター用着色組成物を調製する。次いで、調製した各カラーフィルター用着色組成物を、C.I.ピグメントレッド149とC.I.ピグメントレッド177と必要に応じて補色顔料が所定の割合となるように混合し、本発明のカラーフィルター用赤色着色組成物を得る。
上記(1)、(2)の製造方法において、酸基を有する顔料分散助剤の存在下で微粒子化処理された微粒子化顔料を使用する場合は、微粒子化顔料の分散時に酸基を有する顔料分散助剤を含有させなくても製造することは可能である。
また、上記(1)、(2)の製造方法において、透明樹脂、硫酸バリウムは、顔料分散組成物の作成時及び/又は顔料分散組成物を作成後に加えることができる。
また、上記(1)、(2)の製造方法の中でも、高い着色力及び高い輝度が得られる点から、酸基を有する顔料分散助剤の存在下で微粒子化処理された顔料を使用することが好ましい。
[B.レジスト法で使用されるカラーフィルター用赤色着色組成物]
次に、本発明のカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物として用いるカラーフィルター用赤色着色組成物について説明する。
本発明のカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物は、活性エネルギー線硬化性を有し、アルカリ現像可能なレジスト組成物であり、着色顔料、酸基を有する顔料分散助剤、塩基性基を有する顔料分散剤、透明樹脂、及び有機溶剤から主として構成され、前記透明樹脂としてアルカリ可溶性樹脂及び光重合性化合物を含むものである。
(着色顔料)
着色顔料としては、上記カラーフィルター用赤色着色組成物で記載したものを使用する。着色顔料の使用量は、カラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物の全固形分に対して質量分率で、使用する着色顔料の合計量で好ましくは5〜80質量%、より好ましくは20〜50質量%である。
(酸基を有する顔料分散助剤)
酸基を有する顔料分散助剤としては、上記カラーフィルター用赤色着色組成物で記載したものと同じものを使用することができる。本発明のカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物における、酸基を有する顔料分散助剤の使用量は、着色顔料100質量部に対して0.5〜30質量部である。上記酸基を有する顔料分散助剤の含有量が0.5質量部より小さいと顔料分散効果が低下し、一方30質量部を超える場合は、顔料分散効果がそれ以上向上しない。
上記酸基を有する顔料分散助剤は、
(1)酸基を有する顔料分散助剤の不存在下で微粒子化処理された着色顔料を用いる場合は、微粒子化処理された着色顔料の分散時に着色顔料100質量部に対して酸基を有する顔料分散助剤を0.5〜30質量部、好ましくは3〜15質量部を使用する。
(2)酸基を有する顔料分散助剤の存在下で微粒子化処理した着色顔料を用いる場合は、着色顔料の微粒子化処理時に着色顔料100質量部に対して酸基を有する顔料分散助剤0.5〜30質量部、好ましくは3〜15質量部を使用し、微粒子化処理された着色顔料の分散時に着色顔料100質量部に対して酸基を有する顔料分散助剤を0〜29.5質量部、好ましくは0〜12質量部を使用する。
尚、微粒子化処理時に使用する酸基を有する顔料分散助剤の使用量と微粒子化処理した着色顔料の顔料分散時に使用する酸基を有する顔料分散助剤の使用量の合計は、着色顔料100質量部に対して酸基を有する顔料分散助剤を0.5〜30質量部、好ましくは3〜15質量部を使用する。
(塩基性基を有する高分子顔料分散剤)
塩基性基を有する高分子顔料分散剤としては、上記カラーフィルター用赤色着色組成物で記載したものと同じ塩基性基を有する高分子顔料分散剤を使用することができる。
本発明のカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物において、塩基性基を有する高分子顔料分散剤の使用量は、着色顔料100質量部に対して1〜100質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜60質量部である。上記塩基性基を有する高分子顔料分散剤の含有量が1質量部より小さいと顔料分散効果が低下する場合があり、一方100質量部を超える場合は、現像性が低下する等のおそれがある。
(透明樹脂としてのアルカリ可溶性樹脂)
本発明のカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物に使用する透明樹脂としてのアルカリ可溶性樹脂としては、赤色顔料に対してバインダーとして作用し、かつカラーフィルターを製造する際に、その現像処理工程において用いられる現像液、特に好ましくはアルカリ現像液に対して可溶性を有するものであれば、特に限定されるものではなく、従来から使用されているものが使用できる。なかでも、カルボキシル基を有するアルカリ可溶性樹脂が好ましく、特に1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体との共重合体が好ましい。
具体的には、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と共重合可能なスチレン、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、グリセロールモノアクリレート、グリセロールメタクリレート、N−フェニルマレイミド、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー、カルドエポキシジアクリレート等のモノマー、オリゴマー類の群から選ばれる少なくとも1種のエチレン性不飽和単量体との共重合体を挙げることができる。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂の酸価としては、現像特性の点から50〜300KOHmg/gが好ましい。なお、本発明においては、上記酸価は理論酸価であり、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体とその含有量に基づいて算術的に求めた値である。
また、本発明におけるアルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は、通常、現像特性や有機溶剤への溶解性の点から1,000〜100,000が好ましい。なお、本発明において、上記アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は、GPCに基づいて得られるポリスチレン換算の重量平均分子量である。本発明において、装置としてはWater 2690(ウオーターズ社製)、カラムとしては PLgel 5μ MIXED−D(Polymer Laboratories社製)を用いる。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂の使用量は、使用する着色顔料100質量部に対して1〜300質量部、好ましくは、10〜200質量部である。この場合、アルカリ可溶性樹脂の使用量が1質量部未満では、現像特性が低下するおそれがある。一方300質量部を超えると、相対的に着色剤濃度が低下するため、薄膜として目的とする色濃度を達成することが困難となるおそれがある。
(透明樹脂を形成する光重合性化合物)
本発明のカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物に使用する透明樹脂を形成することができる光重合性化合物としては、光重合性不飽和結合を分子内に1個以上有する単量体、オリゴマー等で、上記カラーフィルター用赤色着色組成物で記載したものと同じものを使用する。光重合性不飽和結合とは、後述する光重合開始剤が、紫外線や電子線等の活性エネルギー線により分解した際に発生するラジカルやカチオンの作用により、重合することのできる不飽和結合である。
これらの透明樹脂を形成することができる光重合性化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明において、光重合性化合物の使用量は、カラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物中の全固形分に対して質量分率で、好ましくは3〜50質量%の範囲である。
(光重合開始剤)
本発明のカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物に使用する光重合開始剤としては、紫外線や電子線等の活性エネルギー線を照射されることにより、ラジカルやカチオンを発生することのできるものであれば特に限定されず、例えば、ベンゾフェノン、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、ベンジル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2,3−ジクロロアントラキノン、3−クロル−2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、1,2−ベンゾアントラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、トリアジン系光重合開始剤等が挙げられる。これらの光重合開始剤は単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
本発明において、上記光重合開始剤の含有量は、上記カラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物中の全固形分に対して質量分率で、好ましくは1〜20質量%の範囲である。
(硫酸バリウム)
本発明のカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物には、耐熱性(輝度)を向上させるために一次粒子径が5〜20nmである硫酸バリウムを用いることができる。
硫酸バリウムの使用量は着色顔料100質量部に対して0〜25質量部、好ましくは5〜20質量部の範囲で使用する。
上記硫酸バリウムは、微粒子化処理した着色顔料の分散時又は分散後に使用する。
(有機溶剤)
本発明のカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物に使用する有機溶剤としては、従来から液晶カラーフィルターレジストの分野で使用されている有機溶剤が好適に使用できる。具体的には、常圧(1.013×10kPa)における沸点が100〜220℃のエステル系有機溶剤、エーテル系有機溶剤、エーテルエステル系有機溶剤、ケトン系有機溶剤、芳香族炭化水素系有機溶剤、含窒素系有機溶剤等である。沸点が220℃を超える有機溶剤を多量に含有していると、塗布形成された塗膜をプレベークする際に有機溶剤が充分に蒸発せずに乾燥塗膜内に残存し、乾燥塗膜の耐熱性が低下するおそれがある。また、沸点100℃未満の有機溶剤を多量に含有していると、ムラなく均一に塗布することが困難になり、表面平滑性に優れた塗膜が得られなくなるおそれがある。
好ましい溶剤としては、具体的には、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル等のエーテル系有機溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエーテルエステル系有機溶剤;メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、δ−ブチロラクトン等のケトン系有機溶剤;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、蟻酸n−アミル等のエステル系有機溶剤;N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の含窒素系有機溶剤等を例示できる。これらは、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
これらの有機溶剤の中でも、溶解性、分散性、塗布性等の点で、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、蟻酸n−アミル等が好ましく、より好ましくは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである。
これらの有機溶剤は、上記アルカリ可溶性樹脂の溶解性、着色顔料の分散性、塗布性等の点から、本発明のカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物中に、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上含有させることがより好ましい。
本発明のカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物は、着色顔料、酸基を有する顔料分散助剤、塩基性基を有する高分子顔料分散剤、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤、硫酸バリウム及び有機溶剤から主として構成され、これらの成分は、カラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物中に、90〜100質量%占める。
(必要に応じて添加できる添加剤)
本発明のカラーフィルター用赤色顔料分散レシスト組成物は、必要に応じて、熱重合禁止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の各種添加剤を適宜使用することができる。
(本発明のカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物の製造方法)
以上の材料を用いてカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物を製造する方法を説明する。カラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物は、下記の製造方法(1)、(2)により得ることができる。
(1)予めC.I.ピグメントレッド149含有顔料分散組成物と、C.I.ピグメントレッド177含有顔料分散組成物とを混合する工程を経て、本発明のカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物を製造する方法
C.I.ピグメントレッド149含有顔料分散組成物
酸基を有する顔料分散助剤(好ましくは、C.I.ピグメントレッド149と同一骨格のペリレン骨格を有する顔料のスルホン化物(C.I.ピグメントレッド149のスルホン化物等))の存在下又は不存在下で微粒子化処理されたC.I.ピグメントレッド149、酸基を有する顔料分散助剤(好ましくは、C.I.ピグメントレッド149と同一骨格のペリレン骨格を有する顔料のスルホン化物(C.I.ピグメントレッド149のスルホン化物))、塩基性基を有する高分子顔料分散剤、有機溶剤、必要に応じて硫酸バリウム、アルカリ可溶性樹脂、更に必要に応じてその他の添加剤からなる混合物を得る。得られた混合物を、ロールミル、ニーダー、高速攪拌装置、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、超音波分散機、高圧分散機などの各種分散機を用いて、混練し、分散処理し、C.I.ピグメントレッド149含有顔料分散組成物を得る。
C.I.ピグメントレッド177含有顔料分散組成物
酸基を有する顔料分散助剤(好ましくは、C.I.ピグメントレッド177と同一骨格のアントラキノン骨格を有する顔料及び/又は色素のスルホン化物及びC.I.ピグメントレッド2のスルホン化物から選ばれる少なくとも1種)の存在下又は不存在下で微粒子化処理されたC.I.ピグメントレッド177、酸基を有する顔料分散助剤(好ましくは、C.I.ピグメントレッド177と同一骨格のアントラキノン骨格を有する顔料及び/又は色素のスルホン化物及びC.I.ピグメントレッド2のスルホン化物から選ばれる少なくとも1種)、塩基性基を有する高分子顔料分散剤、有機溶剤、必要に応じて硫酸バリウム、アルカリ可溶性樹脂、更に必要に応じてその他の添加剤からなる混合物を得る。 得られた混合物を、ロールミル、ニーダー、高速攪拌装置、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、超音波分散機、高圧分散機などの各種分散機を用いて、混練し、分散処理し、C.I.ピグメントレッド177含有顔料分散組成物を得る。
補色顔料含有顔料分散組成物
必要に応じて補色顔料も、酸基を有する顔料分散助剤の存在下又は不存在下で微粒子化処理された補色顔料を用いて、同様に補色顔料含有顔料分散組成物を得る。
以上の各顔料分散組成物を、C.I.ピグメントレッド149とC.I.ピグメントレッド177と必要に応じて補色顔料が所定の割合となるように混合し、さらに光重合性化合物、光重合開始剤、必要に応じてアルカリ可溶性樹脂、硫酸バリウム、有機溶剤、その他の添加剤を加えて本発明のカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物を得る。
(2)予め、それぞれを個別に製造してなるC.I.ピグメントレッド149含有カラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物と、C.I.ピグメントレッド177含有カラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物とを混合する工程を経て、本発明のカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物を製造する方法
前記の方法で得た各顔料分散組成物に、さらに光重合性化合物、光重合開始剤、必要に応じてアルカリ可溶性樹脂、硫酸バリウム、有機溶剤、その他の添加剤を加えて各カラーフィルター用顔料分散レジスト組成物を調製する。次いで、調製した各カラーフィルター用顔料分散レジスト組成物を、C.I.ピグメントレッド149とC.I.ピグメントレッド177と必要に応じて補色顔料が所定の割合となるように混合し、本発明のカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物を得る。
上記(1)、(2)の製造方法において、酸基を有する顔料分散助剤の存在下で微粒子化処理された微粒子化顔料を使用する場合は、微粒子化顔料の分散時に酸基を有する顔料分散助剤を含有させなくても製造することは可能である。
また、上記(1)、(2)の製造方法において、透明樹脂、硫酸バリウムは、顔料分散組成物の作成時及び/又は顔料分散組成物を作成後に加えることができる。
また、上記(1)、(2)の製造方法の中でも、高い着色力及び高い輝度が得られる点から、酸基を有する顔料分散助剤の存在下で微粒子化処理された顔料を使用することが好ましい。
また、本発明のカラーフィルター用赤色着色組成物を使用して、白色有機EL光源を具備する表示装置のカラーフィルターを製造する方法としては、それに必要な装置を含め、該着色組成物以外の構成として公知の手段を採用して製造することができる。
本発明の特定の組成を有するカラーフィルター用赤色着色組成物は、中でもその色特性(x,y,Y)として、色度xは0.682が好ましい。yは0.305〜0.325が好ましく、特に0.308〜0.320が好ましい。さらに明度Yは13.5以上、特に13.8以上が好ましい。この範囲であるとさらに着色力及び/又は輝度を向上させることができる。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味するものとする。
<顔料分散助剤>
(C.I.ピグメントレッド149のスルホン化物)
100ml三角フラスコに濃硫酸を30ml仕込み、マグネチックスターラーで撹拌しながらC.I.ピグメントレッド149を10g投入し、室温で30分撹拌した。1Lビーカーに水50gと氷50gの混合物を入れ、上記反応物をこの氷水中に注ぎ、マグネチックスターラーで30分撹拌した。これを減圧下で濾過・水洗し、得られた固体を乾燥させてC.I.ピグメントレッド149のスルホン化物を12g得た。
(C.I.ピグメントレッド2のスルホン化物)
100ml三角フラスコに濃硫酸を30ml仕込み、マグネチックスターラーで撹拌しながらC.I.ピグメントレッド2を10g投入し、室温で30分撹拌した。1Lビーカーに水50gと氷50gの混合物を入れ、上記反応物をこの氷水中に注ぎ、マグネチックスターラーで30分撹拌した。これを減圧下で濾過・水洗し、得られた固体を乾燥させてC.I.ピグメントレッド2のスルホン化物12gを得た。
(C.I.ピグメントレッド177のスルホン化物)
100ml三角フラスコに濃硫酸を30ml仕込み、マグネチックスターラーで撹拌しながらC.I.ピグメントレッド177を10g投入し、室温で30分撹拌した。1Lビーカーに水50gと氷50gの混合物を入れ、上記反応物をこの氷水中に注ぎ、マグネチックスターラーで30分撹拌した。これを減圧下で濾過・水洗し、得られた固体を乾燥させてC.I.ピグメントレッド177のスルホン化物12gを得た。
<スルホン酸基を有する顔料分散助剤の存在下で微粒子化処理された赤色顔料>
(微粒子化処理赤色顔料1:C.I.ピグメントレッド149のスルホン化物の存在下でトリミックス処理されたC.I.ピグメントレッド149)
トリミックスTX−15(商品名、井上製作所製)のタンクにC.I.ピグメントレッド149を800質量部、顔料分散助剤としてのC.I.ピグメントレッド149のスルホン化物を40質量部、粒径20μmの塩化ナトリウム8000質量部、ジエチレングリコール1920質量部を投入した。定格電流値9.3Aの70%となる範囲で、且つ45℃で3時間混練し、ソルトミリングを行った。次に得られた混練物1300質量部を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌しスラリー状とした。ろ過、水洗を繰り返し塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、40℃にて一昼夜乾燥し、95質量部の微粒子化処理赤色顔料1を得た。
(微粒子化処理赤色顔料2:C.I.ピグメントレッド149のスルホン化物の存在下でニーダー処理されたC.I.ピグメントレッド149)
ニーダー(商品名:KHD−2、井上製作所製)のタンクに、C.I.ピグメントレッド149を100質量部、顔料分散助剤としてのC.I.ピグメントレッド149のスルホン化物を5質量部、粒径20μmの塩化ナトリウム1000質量部、ジエチレングリコール240質量部を投入し、75℃で10時間混練しソルトミリングを行った。次に得られた混練物1300質量部を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌しスラリー状とした。ろ過、水洗を繰り返し塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、40℃にて乾燥し、96質量部の微粒子化処理赤色顔料2を得た。
(微粒子化処理赤色顔料3:C.I.ピグメントレッド149のスルホン化物の存在下で連続式一軸混練機処理されたC.I.ピグメントレッド149)
C.I.ピグメントレッド149を800質量部、顔料分散助剤としてのC.I.ピグメントレッド149のスルホン化物を40質量部、粒径20μmの塩化ナトリウム8000質量部、ジエチレングリコール1000質量部を予備混合した。この混合物を連続式一軸混練機(ミラクルKCK−42、浅田鉄工(株)社製)に定量供給し、75℃で混練しソルトミリングを行った。次に得られた混練物1300質量部を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌しスラリー状とした。ろ過、水洗を繰り返し塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、40℃にて乾燥し、94質量部の微粒子化処理赤色顔料3を得た。
(微粒子化処理赤色顔料4:C.I.ピグメントレッド2のスルホン化物の存在下でニーダー処理されたC.I.ピグメントレッド177)
ニーダー(商品名:KHD−2、井上製作所製)のタンクに、C.I.ピグメントレッド177を100質量部、顔料分散助剤としてのC.I.ピグメントレッド2のスルホン化物を5質量部、粒径20μmの塩化ナトリウム1000質量部、ジエチレングリコール240質量部を投入し、75℃で10時間混練しソルトミリングを行った。次に得られた混練物1300質量部を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌しスラリー状とした。ろ過、水洗を繰り返し塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、40℃にて乾燥し、95質量部の微粒子化処理赤色顔料4を得た。
(微粒子化処理赤色顔料5:C.I.ピグメントレッド177のスルホン化物の存在下でニーダー処理されたC.I.ピグメントレッド177)
ニーダー(商品名:KHD−2、井上製作所製)のタンクに、C.I.ピグメントレッド177を100質量部、顔料分散助剤としてのC.I.ピグメントレッド177のスルホン化物を5質量部、粒径20μmの塩化ナトリウム1000質量部、ジエチレングリコール240質量部を投入し、75℃で10時間混練しソルトミリングを行った。次に得られた混練物1300質量部を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌しスラリー状とした。ろ過、水洗を繰り返し塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、40℃にて乾燥し、96質量部の微粒子化処理赤色顔料5を得た。
(微粒子化処理赤色顔料6:C.I.ピグメントレッド2のスルホン化物の存在下で連続式一軸混練機処理されたC.I.ピグメントレッド177)
C.I.ピグメントレッド177を800質量部、顔料分散助剤としてのC.I.ピグメントレッド2のスルホン化物を40質量部、粒径20μmの塩化ナトリウム8000質量部、ジエチレングリコール1000質量部を予備混合した。この混合物を連続式一軸混練機(ミラクルKCK−42、浅田鉄工(株)社製)に定量供給し、75℃で混練しソルトミリングを行った。次に得られた混練物1300質量部を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌しスラリー状とした。ろ過、水洗を繰り返し塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、40℃にて乾燥し、96質量部の微粒子化処理赤色顔料6を得た。
<スルホン酸基を有する顔料分散助剤を使用せず微粒子化処理された赤色顔料>
(微粒子化処理赤色顔料7:市販の微粒子化処理されたC.I.ピグメントレッド254)
微粒子化処理顔料7として市販の微粒子化C.I.ピグメントレッド254を用いた。
(微粒子化処理赤色顔料8:スルホン酸基を有する顔料分散助剤の不存在下でニーダー処理されたC.I.ピグメントレッド149)
ニーダー(商品名:KHD−2、井上製作所製)のタンクに、C.I.ピグメントレッド149を100質量部、粒径20μmの塩化ナトリウム1000質量部、ジエチレングリコール240質量部を投入し、75℃で10時間混練しソルトミリングを行った。次に得られた混練物1350質量部を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌しスラリー状とした。ろ過、水洗を繰り返し塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、40℃にて乾燥し、96質量部の微粒子化処理赤色顔料8を得た。
(微粒子化処理赤色顔料9:スルホン酸基を有する顔料分散助剤の不存在下でニーダー処理されたC.I.ピグメントレッド177)
ニーダー(商品名:KHD−2、井上製作所製)のタンクに、C.I.ピグメントレッド177を100質量部、粒径20μmの塩化ナトリウム1000質量部、ジエチレングリコール240質量部を投入し、75℃で10時間混練しソルトミリングを行った。次に得られた混練物1350質量部を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌しスラリー状とした。ろ過、水洗を繰り返し塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、40℃にて乾燥し、95質量部の微粒子化処理赤色顔料9を得た。
これらの微粒子化処理赤色顔料1〜9を以下の表1に示す。
<カラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物>
上記微粒子化処理赤色顔料1〜9、スルホン酸基を有する顔料分散助剤、塩基性基を有する高分子顔料分散剤、硫酸バリウム、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物、有機機溶剤を表2の組成で、0.2mmΦのジルコニアビーズを用いてペイントコンディショナーで6時間混練し、カラーフィルター用赤色顔料分散組成物1〜15のカラーフィルター用赤色顔料分散物を得た。
(塩基性基を有する高分子顔料分散剤)
Disprbyk2001(ビックケミー社製、変性アクリル系ブロック共重合体、アミン価29、酸価13)
PB822(味の素ファインテクノ社製、アミノ基含有共重合物、アミン価17、酸価14)
(アルカリ可溶性樹脂)
BMA/MAA共重合体(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、理論酸価:120mgKOH/g、質量平均分子量:25,000)
(有機溶剤)
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
次いで、カラーフィルター用赤色顔料分散組成物1〜15と他の材料を表3の組成になるように高速攪拌機を用いて均一に混合した後、孔径3μmのメンブランフィルターでろ過し、カラーフィルター用赤色顔料分散レジスト原料1〜15を得た。
(光重合性化合物)
DPEHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(光重合開始剤)
イルガキュア368:2−ベンジル−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン
<実施例1〜9及び比較例1〜4のレジスト法に使用するカラーフィルター用赤色着色組成物>
表4の顔料割合となるようにカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト原料1〜15を均一混合し、実施例1〜9及び比較例1〜4のレジスト法に使用するカラーフィルター用赤色着色組成物を得た。
(評価)
<分散安定性>
実施例1〜9及び比較例1〜4のレジスト法に使用するカラーフィルター用赤色着色組成物について、それぞれガラス瓶に採り、密栓して室温で7日間保存した後の状態を下記評価基準に従って評価した。結果を表4に示す。
A:増粘、沈降物が共に認められない。
B:軽く振ると元に戻る程度の増粘や沈降物が認められる。
C:強く振っても元に戻らない程度の増粘や沈降物が認められる。
<レジスト法に使用するカラーフィルター用赤色着色組成物の色特性の評価>
実施例1〜9及び比較例1〜4のレジスト法に使用するカラーフィルター用赤色着色組成物を、スピンコーターを用いてガラス基板上に塗布した。次いで、100℃で3分間プレベークした後、高圧水銀灯で露光し、更に230℃で30分間ポストベークした。次いで、実施例1〜9及び比較例1〜4の各レジストの色特性(x,y,Y)を分光光度計(島津製作所社製、UV−2500PC、C光源2°視野)で測定した。実施例1〜7及び比較例1〜2では色度x=0.682、y=0.314、実施例8、比較例3では色度x=0.682、y=0.310、実施例9、比較例4では色度x=0.682、y=0.317の膜厚、明度Yを求めた。
本発明による効果は、カラーフィルター用赤色着色組成物として分散安定性に優れ、かつ、実施例1〜9の場合、x=0.682、y=0.310〜0.317であり、さらにYが13.5以上であるような組成物でありこのような特性を備えることにより、白色有機EL素子を光源とするカラー表示装置のカラーフィルターを得ることができる。
これに対し、比較例1、3及び4はピグメントレッド149に代えてピグメントレッド254を採用した例であり、これらの比較例においてはYが13.4以下と低い結果となった。
特に、比較例2は使用する赤色顔料及び製造法は実施例2と同じであるにも関わらず、酸基を有する顔料分散助剤を使用しない点において実施例とは異なる例である。そのような比較例によると、特に分散性が悪く、且つYの値が実施例よりも低い13.5という結果となる。
このような例によれば、本発明は単にC.I.ピグメントレッド149とC.I.ピグメントレッド177とを含み、単にこれらの顔料が安定性良く均一に分散すればよいのではなく、特定の酸基を有する顔料分散助剤と高分子顔料分散剤を組み合わせることによって、xの値とyの値が通常の範囲であっても、Yの値は高いという優れた効果を発揮できることがわかる。
さらに本発明によれば安定したxの値及びyの値の色特性も得ることができる。

Claims (8)

  1. 着色顔料、酸基を有する顔料分散助剤、アミノ基を有する高分子顔料分散剤、透明樹脂、及び有機溶剤から主として構成されるカラーフィルター用赤色着色組成物であって、前記着色顔料が、C.I.ピグメントレッド149とC.I.ピグメントレッド177とを含み、且つ白色有機EL光源を具備する表示装置のカラーフィルターに用いられることを特徴とするカラーフィルター用赤色着色組成物。
  2. 前記カラーフィルター用赤色着色組成物が、着色顔料、酸基を有する顔料分散助剤、アミノ基を有する高分子顔料分散剤、透明樹脂、及び有機溶剤から主として構成され、前記透明樹脂としてアルカリ可溶性樹脂及び光重合性化合物を含むことを特徴とする請求項1記載のカラーフィルター用赤色着色組成物。
  3. 前記C.I.ピグメントレッド149と前記C.I.ピグメントレッド177との質量比率が、70:30〜10:90であることを特徴とする請求項1又は2記載のカラーフィルター用赤色着色組成物。
  4. さらに、一次粒子径が5〜20nmである硫酸バリウムを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカラーフィルター用赤色着色組成物。
  5. 前記着色顔料は、微粒子化処理された着色顔料であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のカラーフィルター用赤色着色組成物。
  6. 前記着色顔料は、酸基を有する顔料分散助剤の存在下でソルトミリング処理された微粒子化処理された着色顔料であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のカラーフィルター用赤色着色組成物。
  7. 前記酸基は、スルホン酸基であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のカラーフィルター用赤色着色組成物。
  8. 前記C.I.ピグメントレッド149に対して使用する酸基を有する顔料分散助剤が、C.I.ピグメントレッド149のスルホン化物であり、前記ピグメントレッド177に対して使用する酸基を有する顔料分散助剤が、アントキノン骨格を有する顔料及び/又は色素のスルホン化物及びC.I.ピグメントレッド2のスルホン化物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のカラーフィルター用赤色着色組成物。
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