JP2009280741A - 赤色顔料分散物、及びそれを含有するカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】赤色顔料としてC.I.ピグメントレッド254、塩基性基を有する顔料分散剤、顔料分散助剤として式1で表される化合物及び有機溶剤を含有する赤色顔料分散物。
〔Mは、H、Na、K、NH4又はNR1R2R3R4(R1、R2、R3及びR4は、置換されていてもよいC1〜10の脂肪族炭化水素基、又は、置換されていてもよいC6〜10の芳香族炭化水素基を表す。)を表す。mは1以上の整数を表す。〕
【選択図】なし
Description
更に、これらカラーフィルターやインクジェット記録の分野では、高堅牢度が要求されるために高級顔料を使用し、より鮮明な色相を得るために、粒子径を微細化する方法が検討されている。しかしながら、もともと高級顔料は、他の顔料と比較して分散安定性に乏しい上に、微細化すればするほど凝集を起こしやすくなり、安定な分散体を得ることが困難となる問題を有している。
カラーフィルターは、ガラスなどの透明な基板の表面に2種以上の異なる色相の微細な帯(ストライプ)を平行に配置したもの、あるいは微細な画素を縦横一定の配列で配置したものからなっている。画素サイズは、数10〜数100μmと微細であり、しかも色相毎に所定の順序で整然と配列される。この様なカラーフィルターの製造法については、印刷法、インクジェット法、フォトリソグラフィー法等の種々の方法が提案されている。
しかしながら、これらの系では、透過率やコントラストは向上するが、上記の要求レベルに対しては充分ではなく、より一層の向上が望まれるものであった。
また、これらの系では、露光及び現像後にポストベークを行うと、着色パターンから昇華異物が発生し、この昇華異物が着色パターンに混入して製品不良が発生するといった輝度やコントラストとは別の問題を有するものであった。
また、本発明は、(3)微粒子化処理がソルトミリング処理である上記(2)項に記載の赤色顔料分散物に関する
また、本発明は、(4)有機顔料、水溶性の無機塩及び前記無機塩を実質的に溶解しない水溶性分散媒体を含む混合物を、3本の攪拌ブレードを自転運動させながら公転運動させる混練装置で混練した後、上記無機塩及び上記水溶性分散媒体を除去することにより得られたソルトミリング処理された有機顔料を用いる上記(3)項に記載の赤色顔料分散物に関する。
また、本発明は、(5)上記(1)項〜(4)項に記載のいずれかに記載の赤色顔料分散物、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物及び光重合性開始剤を少なくとも含有するカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物に関する。
以下、本発明の赤色顔料分散物及びその用途であるカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物について詳細に説明する。
まず、本発明の赤色顔料分散物の基本的な構成である赤色顔料としてC.I.ピグメントレッド254、塩基性基を有する顔料分散剤、顔料分散助剤としてC.I.ピグメントイエロー151のスルホン酸誘導体、及び有機溶剤について説明する。
本発明において、上記C.I.ピグメントレッド254の配合量は、本発明の赤色顔料分散物(100質量%)中1〜40質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜20質量%である。1質量%未満であると、カラーフィルターやインクジェット印刷で使用した場合に充分な色濃度を得ることができないことがあり、40質量%を超えると、上記赤色顔料の分散性が低下することがある。
また、上記微粒子化処理としては、ソルトミリング処理であることがより好ましい。すなわち、上記赤色顔料は、ニーダーや3本の攪拌ブレードをそれぞれ自転運動させながら公転運動させる混練装置等を用いて、有機顔料を無機塩で摩砕して、有機顔料の一次粒子径を更に微細になるようにソルトミリング処理したものがより好ましい。なかでも、3本の攪拌ブレードをそれぞれ自転運動させながら公転運動させる混練装置を用いソルトミリング処理して得られる有機顔料を用いることが好ましい。この場合、有機顔料の一次粒子径を更に微細かつ均一になるようにソルトミリング処理できる。3本の攪拌ブレードをそれぞれ自転運動させながら公転運動させる混練装置を用いたソルトミリング処理を、特にトリミックス処理ともいう。
具体的には、上記トリミックス処理は、有機顔料、水溶性の無機塩(塩化ナトリウム等)及び上記無機塩を実質的に溶解しない水溶性分散媒体(アルコキシアルコール類、グリコール類、エーテル類等)を含む混合物を、3本の攪拌ブレードを自転運動させながら公転運動させる混練装置で混練した後、上記無機塩及び上記水溶性分散媒体を除去することにより行われる。
上記一般式(1)で表される化合物の製造方法としては、例えば、下記式(2)のモノアゾ化合物(C.I.ピグメントイエロー151)を従来公知のスルホン化処理を行う方法がある。より具体的には、例えば、下記式(2)のモノアゾ化合物(C.I.ピグメントイエロー151)を濃硫酸、発煙硫酸、クロルスルホン酸又はそれらの混合液に溶解し、室温ないし80〜90℃に加熱し、次いで多量の水で希釈して得た懸濁液を濾過後、水洗し、得られたフィルターケーキを乾燥、粉砕して製造することができる。
上記顔料分散剤としては、塩基性基を有するものを必須成分として使用する。
上記塩基性基を有する顔料分散剤としては、従来から印刷インキ、塗料、カラーフィルター用顔料分散レジスト組成物、インクジェット印刷用インキ等で使用されている塩基性高分子顔料分散剤が使用でき、例えば、以下のものが挙げられる。なお、この様な顔料分散剤は、使用する有機顔料の種類や後述する有機溶剤の種類等により適宜選択される。
(2)分子内にポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖及びポリアクリル側鎖からなる群より選択される少なくとも1種の側鎖と、塩基性窒素含有基とをそれぞれ少なくとも1つ有するカルボジイミド系化合物(国際公開WO04/000950号公報等で詳述されている)。
(3)ポリ(低級)アルキレンイミン、メチルイミノビスプロピルアミン等の低分子アミノ化合物と、遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応生成物(特開昭54−37082号公報、特開平01−311177号公報等で詳述されている)。
(4)ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基に、メトキシポリエチレングリコール等のアルコール類やカプロラクトンポリエステル等の水酸基を1個有するポリエステル類、2〜3個のイソシアネート基反応性官能基を有する化合物、イソシアネート基反応性官能基と第3級アミノ基とを有する脂肪族又は複素環式炭化水素化合物を順次反応させてなる反応生成物(特開平02−612号公報等で詳述されている)。
(5)アルコール性水酸基を有するアクリレートの重合物にポリイソシアネート化合物とアミノ基を有する炭化水素化合物とを反応させた反応生成物。
(6)低分子アミノ化合物にポリエーテル鎖を付加させてなる反応生成物。
(7)イソシアネート基を有する化合物にアミノ基を有する化合物を反応させてなる反応生成物(特開平04−210220号公報等で詳述されている)。
(8)ポリエポキシ化合物に遊離のカルボキシル基を有する線状ポリマー及び2級アミノ基を1個有する有機アミン化合物を反応させた反応生成物(特開平09−87537号公報等で詳述されている)。
(9)片末端にアミノ基と反応し得る官能基を有するポリカーボネート化合物とポリアミン化合物との反応生成物(特開09−194585号公報等で詳述されている)。
(10)メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ステアリルアクリレート、ベンジルアクリレート等のメタクリル酸エステル及びアクリル酸エステルから選択される少なくとも1種と、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアミド、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、アミノ基とポリカプロラクトン骨格を有するモノマー等の塩基性基含有重合性モノマーの少なくとも1種と、スチレン、スチレン誘導体、その他の重合性モノマーの少なくとも1種との共重合体(特開平01−164429号公報等で詳述されている)。
(11)3級アミノ基、4級アンモニウム塩基等の塩基性基を有するブロックと塩基性官能基を有していないブロックとからなるアクリル系ブロック共重合体等(特開2005−55814号の明細書中に記載のアクリル系ブロック共重合体の説明欄等で詳述されている)。
(12)ポリアリルアミンにポリカーボネート化合物をマイケル付加反応させて得られる顔料分散剤(特開平09−194585号公報等で詳述されている)。
(13)ポリブタジエン鎖と塩基性窒素含有基とをそれぞれ少なくとも1つ有するカルボジイミド系化合物(特開2006−257243号公報等で詳述されている)。
(14)分子内にアミド基を有する側鎖と、塩基性窒素含有基とをそれぞれ少なくとも1つ有するカルボジイミド系化合物(特開2006−176657号公報等で詳述されている)。
(15)エチレンオキサイド鎖とプロピレンオキサイド鎖を有する構成単位を有し、且つ四級化剤により四級化されたアミノ基を有するポリウレタン樹脂(特開平10−246812号公報、特願2008−16404号等で詳述されている)。
上記有機溶剤は、赤色顔料分散物の用途や所望される物性等により適宜選択される。
先ず、C.I.ピグメントレッド254、一般式(1)で表される顔料分散助剤、塩基性基を有する顔料分散剤、有機溶剤からなる混合物を得る。得られた混合物を、ロールミル、ニーダー、高速攪拌装置ビーズミル、ボールミル、サンドミル、超音波分散機、高圧分散機等の各種分散機を用いて、混練し、分散処理し、赤色顔料分散物を得る。
尚、本発明の赤色顔料分散物には、予めバインダー樹脂(皮膜形成樹脂、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物等)を含有させておくこともできる。
本発明の赤色顔料分散物の好ましい用途の一例として本発明のカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物について更に詳細に説明する。
なお、本発明書においては、酸価は理論酸価であり、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体とその使用量に基づいて算術的に求めた値をいう。
なお、本発明において、上記アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は、GPCに基づいて得られるポリスチレン換算の重量平均分子量である。本発明において、装置としてはWater 2690(ウォーターズ社製)、カラムとしては PLgel 5μ MIXED−D(Polymer Laboratories社製)を用いる。
上記光重合性化合物としては、光重合性不飽和結合を分子内に1個以上有する単量体、オリゴマー等を挙げることができる。
また、光重合性不飽和結合を分子内に2個以上有する単量体としては、ビスフェノールAジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスルトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、グリセロールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスルトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等が挙げられる。これらの単量体は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物を製造する方法は、本発明の好ましい実施形態の一例であり、本発明ではこれに限定されるものではない。
先に記載した構成材料から、本発明のカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物を製造するためには、上記の方法により得られた本発明の赤色顔料分散物に、上記光重合性化合物、光重合開始剤、アルカリ可溶性樹脂、必要に応じて有機溶剤、本発明の赤色顔料分散物以外の顔料分散物、その他添加剤を加え、攪拌装置等を用いて攪拌混合する方法が利用できる。
<顔料分散助剤>
(顔料分散助剤1)
100ml三角フラスコに濃硫酸を30ml仕込み、マグネチックスターラーで攪拌しながらピグメントイエロー151(Ciba社製 Y2088、上記式(2)で表される化合物)を10g投入し、90℃で30分攪拌した。1Lビーカーに水50gと氷50gの混合物を入れ、上記反応物をこの氷水中に注ぎ、マグネチックスターラーで30分攪拌した。これを減圧下で濾過・水洗し、得られた固体を乾燥させて、目的物の顔料分散助剤1(上記一般式(1)で表される化合物:M=H)12gを得た。
100ml三角フラスコに濃硫酸を30ml仕込み、マグネチックスターラーで攪拌しながらピグメントレッド2を10g投入し、室温で30分攪拌した。1Lビーカーに水50gと氷50gの混合物を入れ、上記反応物をこの氷水中に注ぎ、マグネチックスターラーで30分攪拌した。これを減圧下で濾過・水洗し、得られた固体を乾燥させて、目的物の顔料分散助剤212gを得た。
市販の顔料分散助剤
ソルスパース22000(アビシア社製)
調製例1(トリミックス処理ピグメントレッド254)
トリミックスTX−15(商品名、井上製作所社製)のタンクにC.I.ピグメントレッド254を750質量部、粒径20μmの塩化ナトリウムを7500質量部、ジエチレングリコールを1800質量部投入した。定格電流値9.3Aの70%となる範囲で、且つ45℃で3時間混練し、ソルトミリングを行った。次に得られた混練物1300質量部を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌しスラリー状とした。ろ過、水洗を繰り返し塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、40℃にて一昼夜乾燥し、95質量部のトリミックス処理ピグメントレッド254(PR254)を得た。
ニーダー(商品名:KHD−2、井上製作所)のタンクに、C.I.ピグメントレッド254を100質量部、粒径20μmの塩化ナトリウムを1000質量部、ジエチレングリコールを240質量部投入し、75℃で10時間混練し、ソルトミリングを行った。次に得られた混練物1300質量部を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌しスラリー状とした。ろ過、水洗を繰り返し塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、40℃にて乾燥し、95質量部のソルトミリング処理ピグメントレッド254(ニーダー処理PR254)を得た。
トリミックスTX−15(商品名、井上製作所社製)のタンクにC.I.ピグメントレッド177を750質量部、粒径20μmの塩化ナトリウムを7500質量部、ジエチレングリコールを1800質量部投入した。定格電流値9.3Aの70%となる範囲で、且つ45℃で3時間混練し、ソルトミリングを行った。次に得られた混練物1300質量部を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌しスラリー状とした。ろ過、水洗を繰り返し塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、40℃にて一昼夜乾燥し、95質量部のトリミックス処理ピグメントレッド177を得た。
Disperbyk−2001(DB−2001、ビックケミー社製、塩基性基を有するアクリル系ブロック共重合体)
BMM/MAA共重合体(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、酸価:120mgKOH/g、重量平均分子量:25,000)
DPEHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)
イルガキュア907(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン)
PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
表1の組成で、ビーズミルで、40〜50℃の温度で3時間混練し、赤色顔料分散物を得た。尚、表1中、組成を表す数値の単位は、質量部である。
上記赤色顔料分散物と他の材料とを表1の組成になるように高速攪拌機を用いて均一に混合した後、孔径3μmのフィルターでろ過し、カラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物を得た。尚、表1中、組成を表す数値の単位は、質量部である。
下記評価を行い、結果を表2に示した。
<流動性>
実施例及び比較例のカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物について、それぞれガラス瓶に採り、密栓し室温で1日保存した後、B型粘度計(トキメック社製)を用いて25℃における粘度を測定し、流動性を評価した。
実施例及び比較例のカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物について、それぞれガラス瓶に採り、密栓し室温で1日保存した後の25℃の粘度、40℃において7日保存した後の粘度をB型粘度計(トキメック社製)を用いて測定した。分散安定性は、(40℃において7日保存した後の粘度)/(室温で1日保存した後の粘度)を求め、評価した。
実施例及び比較例のカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物をスピンコーターを用いて膜厚が1.0μmになるようにガラス基板上に塗布し、100℃で3分間プレベークした後、高圧水銀灯で露光し、更に230℃で30分間ポストベークした。
次いで、レジスト組成物が塗布されたガラス基板を2枚の偏光板(日東電工社製、型番:SEG1224Du)で挟み、蛍光灯(波長範囲380〜780nm)で照射しつつ前面側の偏光板を回転させ、前面側の偏光板と後面側の偏光板の偏光面が平行であるとき及び直角であるときの透過する光強度を色彩輝度計(トプコン社製、BM−5A)で測定した。前面側の偏光板と後面側の偏光板の偏光面が平行であるときの輝度と、前面側の偏光板と後面側の偏光板の偏光面が直角であるときの輝度との比をコントラスト比として評価した。
コントラスト比=(前面側の偏光板と後面側の偏光板の偏光面が平行であるときの輝度/前面側の偏光板と後面側の偏光板の偏光面が直角であるときの輝度)。
上記膜厚が1.2μmの実施例及び比較例の各レジストの色特性(x,y,Y)を分光光度計(島津製作所社製、UV−2500PC、C光源2°視野)で測定した。ここで、実施例1〜3及び比較例1〜2ではx=0.600の色度y、明度Yを求めた。
実施例及び比較例のカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物をスピンコーターを用いて膜厚が1.0μmになるようにガラス基板上に塗布し、100℃で3分間プレベークした後、高圧水銀灯で露光し、更に270℃で60分間ポストベークした。その後、得られたレジスト塗膜の表面をマイクロスコープ(株式会社キーエンス製、VHS−500、倍率500倍)で観察し、ポストベーク中の顔料昇華に伴う表面荒れの程度を観察した。表2において「昇華異物あり」とは、ポストベーク中の顔料の昇華に伴う表面の荒れが多いことを意味し、耐熱性が悪いことを意味する。観察例として、実施例1及び比較例2についての観察倍率450倍におけるマイクロスコープ写真を図1に示す。なお、図1(a)は、実施例1の結果を示し、図1(b)は、比較例2の結果を示す。
テレビ用途で要求される赤の色度について(x,y)=(0.654,0.329)として明度Yを求めた。
但し、最適の色度が得られるように、調色顔料としてピグメントレッド(PR)177を混合して調色したカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物で評価した。
表1の組成で、ビーズミルで、40〜50℃の温度で3時間混練し、PR177の赤色顔料分散物を得た。尚、表1中、組成を表す数値の単位は、質量部である。
次いで、上記PR177の赤色顔料分散物と他の材料とを表1の組成になるように高速攪拌機を用いて均一に混合した後、孔径3μmのフィルターでろ過し、PR177のカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物を得た。尚、表1中、組成を表す数値の単位は、質量部である。
次いで、実施例1〜3、比較例1〜2のPR254を用いたカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物とPR177のカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物を表2の割合となるように高速攪拌機を用いて均一に混合した後、孔径3μmのフィルターでろ過し、調色した実施例1〜3、比較例1〜2のカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物を得た。
得られた実施例1〜3及び比較例1〜2の調色したカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物をスピンコーターを用いて膜厚が1.2μmになるようにガラス基板上に塗布し、100℃で3分間プレベークした後、高圧水銀灯で露光し、更に230℃で30分間ポストベークした。その後、実施例1〜3及び比較例1〜2の各レジストのテレビ用途で要求される赤の色度(x,y)=(0.654,0.329)として明度Yを分光光度計(島津製作所社製、UV−2500PC、C光源2°視野)で測定した。
Claims (5)
- 赤色顔料としてC.I.ピグメントレッド254、塩基性基を有する顔料分散剤、顔料分散助剤として下記一般式(1)で表される化合物及び有機溶剤を含有することを特徴とする赤色顔料分散物。
- 赤色顔料が微粒子化処理された有機顔料である請求項1記載の赤色顔料分散物。
- 微粒子化処理がソルトミリング処理である請求項2記載の赤色顔料分散物。
- 有機顔料、水溶性の無機塩及び前記無機塩を実質的に溶解しない水溶性分散媒体を含む混合物を、3本の攪拌ブレードを自転運動させながら公転運動させる混練装置で混練した後、前記無機塩及び前記水溶性分散媒体を除去することにより得られたソルトミリング処理された有機顔料を用いる請求項3記載の赤色顔料分散物。
- 請求項1〜4記載のいずれかに記載の赤色顔料分散物、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物及び光重合開始剤を少なくとも含有するカラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物。
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