JP2012082721A - 内燃機関の制御装置及び制御方法 - Google Patents

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Satoru Yamada
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Abstract

【課題】内燃機関の低温始動時における未燃分(HC)の発生を効果的に抑制する。
【解決手段】内燃機関(100)の制御装置(114)は、冷却水温度が予め設定された第1の温度以下である場合に燃料噴射タイミングを冷却水温度に応じて設定された補正量で補正し、冷却水温度が第2の温度に達した際に冷却水のラジエータ(103)による冷却を開始する。特に、制御装置は冷却水の温度変化に基づいて暖気完了タイミングを推定し、前記第1温度を推定された暖気完了タイミングに近づけるように変更する。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の始動時に、該内燃機関の冷却水温度に応じて設定された補正量で燃料噴射タイミングを補正する内燃機関の制御装置及び制御方法の技術分野に関する。
ディーゼルエンジンなどの内燃機関では、筒内に噴射した燃料を圧縮燃焼することにより動力が得られる。筒内への燃料噴射タイミングは、基本的に燃料の燃焼効率が最良になるように設定されている。このような燃料噴射タイミングは、通常、内燃機関の通常動作状態(即ち、暖気完了後)を基準として設定されるため、内燃機関の低温始動時に未燃分(HC)が発生してしまうという問題がある。未燃分(HC)は水蒸気等と共に白煙として外部に排出されるが、このように排出される未燃分(HC)は、その後の運転中を含めた未燃分(HC)の総排出量に対して大きな割合を占めるため、低温始動時における未燃分(HC)の低減が従来から問題となっている。
このような問題に対し、特許文献1では、内燃機関の冷却水温度に基づいて、燃料噴射タイミングを補正することにより、低温始動時における燃焼効率を向上させ、未燃分(HC)の排出量を抑制する技術が開示されている。燃料噴射タイミングは、内燃機関の通常動作状態(即ち暖気完了後)ではノッキングの発生を避けるべく、筒内が最も高温高圧になる圧縮上死点より遅れるように設定される。特許文献1では、低温始動時ではノッキングが発生しにくいことを考慮して、燃料噴射タイミングを通常動作状態に比べて圧縮上死点に近づけるように進角量を設けて補正することにより、燃料の燃焼効率を向上させ、未燃分(HC)の発生を抑制している。
また特許文献2では、燃料噴射を主噴射と該主噴射に対して所定割合の燃料量で先行する前噴射とに分けて行うことにより、筒内での燃料の燃焼効率を向上させ、未燃分(HC)を低減する技術が開示されている。
特開2009−243270号公報 特開2006−2673号公報
特許文献1では、内燃機関の温度を冷却水温度として取得し、該取得した冷却水温度に従って燃料噴射タイミングの補正量を規定している。ここで内燃機関の冷却水は、内燃機関の暖気が完了するタイミングでラジエータに導入されることにより冷却される。このような冷却水のラジエータへの導入は、冷却水温度に従って開閉動作するサーモスタットによって行われる。そのため、冷却水温度はサーモスタットの開閉動作(即ち、開閉タイミング)やラジエータのスペック(例えば、サイズや材質など)におけるバラツキの影響を受けて変動し、実際の内燃機関の温度を正確に反映していない場合がある。特にラジエータによる冷却開始後から熱平衡状態に到達するまでの間では、冷却水温度と実際の内燃機関の温度との間にギャップが生じやすい。そのため、特許文献1では冷却水温度と内燃機関の温度との間に生じる温度ギャップを考慮して、内燃機関の暖気完了前に(即ち、冷却水温度が十分に昇温する以前に)補正を終了せざるを得なかった。そのため、補正終了後から暖気完了タイミングまでの間に発生する未燃分(HC)を抑制することができないという技術的問題点がある。また特許文献2では、主噴射に加えて前噴射を有することが前提となっているため、燃料噴射タイミングの制御が複雑化してしまうという技術的問題点がある。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、内燃機関の低温始動時における未燃分(HC)の発生を効果的に抑制可能な内燃機関の制御装置及び制御方法を提供することを目的とする。
本発明の内燃機関の制御装置は上記課題を解決するために、内燃機関の始動時に、前記内燃機関の冷却水温度が予め設定された第1の温度以下である場合に前記内燃機関の燃料噴射タイミングを前記冷却水温度に応じて設定された補正量で補正し、前記冷却水温度が前記第1の温度より高い第2の温度に達した際に前記内燃機関の冷却水をラジエータに導入して前記冷却水の冷却を開始する内燃機関の制御装置であって、前記冷却水の温度変化に基づいて前記冷却水温度が前記第2の温度に達する暖気完了タイミングを推定し、前記予め設定された第1温度を前記推定された暖気完了タイミングに近づけるように変更する制御手段を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、前記冷却水の温度変化に基づいて前記内燃機関の暖気完了タイミングを推定することにより、冷却水温度と実際の内燃機関の温度との間に生じる温度ギャップを加味することができるので、補正の終了タイミングを内燃機関の暖気完了タイミングに近づけることでき、内燃機関の始動後から暖気完了タイミングまでの間に発生する未燃分(HC)の発生を効果的に抑制することができる。
好ましくは、前記制御手段は、前記冷却水がラジエータに導入された際の冷却水の温度変動に基づいて前記暖気完了タイミングを推定するとよい。この場合、冷却水がラジエータに導入された際の冷却水の温度変動実績に基づいて、冷却水温度と内燃機関の温度との間に生じる温度ギャップを加味して暖気完了タイミングを推定することができる。
より好ましくは、前記制御手段は、前記冷却水がラジエータに導入された際の冷却水の温度変動おける最低温度値を検出し、前記第1の温度を前記検出された最低温度値に設定するとよい。この場合、冷却水のラジエータへの導入時の温度変動における最低温度値を検出することにより、冷却水温度と内燃機関の温度との間に生じる温度ギャップの最大値を実績値として得ることができる。そのため、冷却水温度と内燃機関の温度との間に生じる温度ギャップをより正確に加味して暖気完了タイミングを推定できるので、より効果的に未燃分(HC)の発生を抑制することが可能となる。
更に好ましくは、前記制御手段は、前記検出された最低温度値が過去に検出された最低温度値より低い場合に、前記第1の温度を前記検出された最低温度値に更新するとよい。この場合、冷却水のラジエータへの導入時の温度変動における最低温度値を検出した際に、過去の低温始動時において検出した最低温度値と比較して、より低い温度を第1の温度として採用することにより、冷却水温度と内燃機関の温度との間に生じる温度ギャップをより正確に加味して暖気完了タイミングを推定できるので、より効果的に未燃分(HC)の発生を抑制できる。
好ましくは、前記補正量は冷却水温度が低くなるに従い、前記燃料噴射タイミングが前記内燃機関の圧縮上死点に近づくように設定された進角量であるとよい。この場合、内燃機関の温度が未燃分(HC)が発生しやすい低温状態になるに従い、燃料噴射タイミングを内燃機関の筒内が高温高圧となる圧縮上死点に近づけることによって未燃分(HC)の燃焼を促し、未燃分(HC)の発生を抑制することができる。
また、前記制御手段は、前記内燃機関の始動後における前記冷却水温度の経時的な温度変化から温度上昇速度を算出し、該算出された温度上昇速度に基づいて、前記内燃機関の暖気完了タイミングを推定してもよい。この場合、内燃機関の始動時からの冷却水の経時的な温度変化から算出した温度上昇速度に基づいて、冷却水温度と内燃機関の温度との間に生じる温度ギャップを加味することにより暖気完了タイミングを推定することができる。
好ましくは、前記補正量は前記内燃機関の始動開始時からの経過時間が前記暖気完了タイミングに近づくに従い減少するように設定された進角量であるとよい。この場合、始動時から前記推定された暖気完了タイミングに向かって減少するように補正量を設定することができるので、より広い温度範囲において未燃分(HC)の発生を抑制しつつ、ノッキングの発生を防止することができる。
本発明の内燃機関の制御方法は上記課題を解決するために、内燃機関の始動時に、前記内燃機関の冷却水温度が予め設定された第1の温度以下である場合に前記内燃機関の燃料噴射タイミングを前記冷却水温度に応じて設定された補正量で補正し、前記冷却水温度が前記第1の温度より高い第2の温度に達した際に前記内燃機関の冷却水をラジエータに導入して前記冷却水の冷却を開始する内燃機関の制御方法であって、前記冷却水の温度変化に基づいて前記冷却水温度が前記第2の温度に達する暖気完了タイミングを推定する推定工程と、前記予め設定された第1温度を前記推定された暖気完了タイミングに近づけるように変更する制御工程とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば上述の内燃機関の制御装置(上記各種態様を含む)を好適に実現することができる。
本発明によれば、前記冷却水の温度変化に基づいて前記内燃機関の暖気完了タイミングを推定することにより、冷却水温度と実際の内燃機関の温度との間に生じる温度ギャップを加味することができるので、補正の終了タイミングを内燃機関の暖気完了タイミングに近づけることでき、内燃機関の始動後から暖気完了タイミングまでの間に発生する未燃分(HC)の発生を効果的に抑制することができる。
エンジン及びその周辺構成を示すブロック図である。 水温センサの検出値の経時変化を示すグラフ図である。 冷却水温度に応じて予め設定されたエンジンの燃料噴射タイミングの補正量と、未燃分(HC)の発生量を示すグラフ図である。 実施例1に係る制御装置の制御内容を示すフローチャート図である。 実施例1において、エンジンの初回始動時に温度T1を更新した後の、エンジンの燃料噴射タイミングの補正量と未燃分(HC)の発生量を示すグラフ図である。 実施例2に係る制御装置の制御内容を示すフローチャート図である。
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
本実施例では、内燃機関たる水冷多シリンダディーゼルエンジン(以下、適宜「エンジン」と称する)の制御装置を例に説明する。図1はエンジン及びその周辺構成を示すブロック図である。
図1において、100はエンジン、101は該エンジン100のシリンダジャケット、102はシリンダヘッドである。また103はラジエータ、104は冷却水ポンプ、105はEGRクーラーである。106は前記シリンダジャケット101と前記各シリンダヘッド102内の冷却水室とを接続するシリンダヘッド冷却水入口通路、107は各シリンダヘッド102に設けられたシリンダヘッド冷却水出口通路である。108は前記各シリンダヘッド冷却水出口通路107が合流してサーモスタット109に接続される冷却水集合通路、110は前記ラジエータ103の冷却水出口と前記冷却水ポンプ104の吸入口とを接続するラジエータ出口冷却水通路、111は冷却水ポンプ104の吐出口と前記シリンダジャケット101とを接続するエンジン冷却水入口通路、112は冷却水集合通路108からサーモスタット109に導入された冷却水をラジエータ103を介することなく前記冷却水ポンプ104の吸入口とを接続する冷却水バイパス通路である。
かかるエンジン100の運転時において、前記冷却水ポンプ104により圧送された冷却水は、エンジン入口冷却水通路111を通って前記シリンダジャケット101に導入され、該シリンダジャケット101を通流して図示しないシリンダライナを冷却した後、前記シリンダヘッド冷却水入口通路106を通って各シリンダヘッド102に導入され、該シリンダヘッド102を冷却する。各シリンダヘッド102を冷却し昇温された冷却水は、各シリンダヘッド冷却水出口通路107を通って冷却水集合通路108で合流し、サーモスタット109の開閉動作に従って、ラジエータ103又は冷却水バイパス通路112に導かれる。前記ラジエータ103では、導入された冷却水は該ラジエータ103において冷却空気と熱交換することによって降温され、ラジエータ出口冷却水通路110を通って前記冷却水ポンプ104に吸入される。
本発明においては、冷却水集合通路108にサーモスタット109が備えられている。サーモスタット109は、図不示の3方弁たる冷却水制御弁を備えており、これを開閉することにより冷却水集合通路108からサーモスタット109に導入された冷却水を、ラジエータ103の冷却水入口又は冷却水バイパス通路112のいずれか一方に導くように構成されている。
113は前記冷却水集合通路108に設けられた水温センサで、冷却水集合通路108における冷却水温度を検出する。114はコントローラで、前記水温センサ113からの合流冷却水温度の検出値が入力され、これらの検出値に基づき後述する演算や、前記サーモスタット109の開閉動作を制御する。
コントローラ114は、水温センサ113により取得した冷却水温度に基づいて、エンジン100の燃料噴射タイミングを予め設定された補正量で補正する。本実施例では特に、補正量として燃料噴射タイミングの進角量を用いている。図2は水温センサ113の検出値の経時変化を示すグラフ図であり、図3は冷却水温度に応じて予め設定されたエンジン100の燃料噴射タイミングの補正量と未燃分(HC)の発生量を示すグラフ図である。
図2に示すように、エンジン100の低温始動時において、冷却水温度は時間の経過と共に初期温度T0から次第に上昇する。冷却水温度が温度T1(60℃)を経て、温度T2(80℃)に到達すると、ラジエータ103による冷却が開始され(サーモスタット109によって冷却水がラジエータ103に導かれ)、熱平衡状態となる。
図3(a)に示すように、冷却水温度が上昇する過程において、冷却水温度が温度T1以下である場合に、燃料噴射タイミングの補正量たる進角量が正の値を有するように設定されている。本実施例では特に、当該補正量は冷却水温度に依存して規定されており、温度T3未満では一定になり、且つ温度T3以上では冷却水温度が低くなるに従って燃料噴射タイミングがエンジン100の圧縮上死点に近づくように設定されている。これにより、エンジン100の温度が低くなって未燃分(HC)が発生しやすくなるに従い、燃料噴射タイミングを筒内が高温高圧となる圧縮上死点に近づけて燃料の燃焼効率を向上させることで、未燃分(HC)の発生を効果的に抑制できる。
ここで、補正量がゼロとなる温度T1は、冷却水のラジエータ103への導入が開始される温度T2に比べて低くなるように予め設定されている。これは、冷却水温度とエンジン100の温度との間に生じる温度ギャップを加味して、低温側における未燃分(HC)の発生抑制と、高温側におけるノッキングの発生防止とを図ったものである。
このように補正量を冷却水温度に応じて設定することにより、図3(b)に示すように、未燃分(HC)の発生量は、冷却水が温度状態にある際の未燃分(HC)の排出量が低く抑えられている。ここで、従来は、補正量がゼロに達する温度T1が予め規定された値に固定されていたため、冷却水温度が温度T1から温度T2に達するまでの期間に、未燃分(HC)の発生量が増加してしまい、図3(b)において温度T1近傍に示すピークが生じてしまうという問題があった。このような問題は、以下に説明する制御によって解決される。
まず図4及び図5を参照して実施例1に係る制御装置の制御内容について説明する。図4は実施例1に係る制御装置の制御内容を示すフローチャート図であり、図5はエンジン100の初回始動時に温度T1を更新した後の、エンジン100の燃料噴射タイミングの進角量と未燃分(HC)の発生量を示すグラフ図である。
まずエンジン100が初回始動すると、コントローラ114は、エンジンの始動回数をインクリメント変数Nとしてカウントする(ステップS101)。ここでは初回起動時であるので、N=1に設定される。その後、コントローラ114は水温センサ113から冷却水温度を取得し(ステップS102)、当該取得した冷却水温度に応じて燃料噴射タイミングに対して補正量(進角量)を設定することにより、補正を行う(ステップS103)。ここでステップS103における補正量は、図3(a)に示すように冷却水温度に対応するように予め設定されている。
続いて時間が経過して冷却水温度が温度T1に達すると(ステップS104)、補正量はゼロとなり、補正は終了する(ステップS105)。冷却水温度はその後も時間の経過に伴い上昇し、温度T2に到達すると(ステップS106)、コントローラ114はサーモスタット109を作動させて、ラジエータ103による冷却水の冷却を開始する(ステップS107)。
ラジエータ103による冷却水の冷却が開始されると、コントローラ114は冷却水の温度変動を記録する(ステップS108)。このとき、冷却水温度はラジエータ103による放熱作用とエンジン100における発熱作用とによって熱平衡状態に向けて、温度変動を行いながら次第に収束するように振る舞う。冷却水温度の変動幅は、サーモスタット109の作動タイミングや、ラジエータ103の容量のバラツキなどの様々な要因に依存する。
コントローラ114は、ステップS108において記録した冷却水の温度変動における最低温度値Tminを取得する(ステップS109)。これにより、冷却水温度と実際のエンジン100の温度との間に生じる温度ギャップの最大値を実績値として得ることができる。そのため、冷却水温度とエンジン100の温度との間に生じる温度ギャップをより正確に考慮して暖気完了タイミングを推定することが可能となる。
エンジン100の初回始動時の場合(ステップS110:YES)、予め設定された温度T1(図3(a)を参照)をステップS109にて取得した最低温度値Tminに更新し(ステップS111)、補正パターンを図5(a)に示すように修正する(ステップS112)。尚、図5において修正前の補正パターン及び未燃分(HC)の排出量を破線で示してある。ここで、予め設定された温度T1は、ステップS109において取得される最低温度値Tminより十分小さくなるように設定されているため、当該更新処理によって、補正の終了タイミングを規定する温度T1は高温側(即ち、エンジン100の暖気完了タイミング)に近づけるように変更される。その結果、エンジン100の始動後から暖気完了タイミングまでの間に発生する未燃分(HC)は、図5(b)に示すように抑制される。
図5(a)に示すように、予め設定された温度T1は最低温度値Tminで更新されることにより、補正量が正の値を有する温度範囲が高温側に拡大する(即ち、温度T1からT2の温度間隔が狭くなるように変更される)。これにより、従来(図5(b)の破線を参照)、温度T2付近に生じていた未燃分(HC)の大きなピークを抑制することができる。即ち、従来に比べて補正を終了するタイミングを高温側にシフトすることができるので、より広い温度範囲で未燃分(HC)の発生を抑制するように補正することが可能となる。
尚、ステップS111における補正パターンの修正は、例えば図5(a)に示すように、未燃分(HC)の増加速度が所定値より大きくなるタイミングにおける冷却水温度T4における補正量から、更新後の温度T1において補正量がゼロに到達するように、補正量の算出式における温度係数を変更することによって行うとよい。
その後コントローラ114はインクリメント変数Nを加算し(ステップS113)、初回起動時における処理を終了する。
次回起動時には、上述したステップS101からS109を実行した後に、ステップS110において処理が分岐される。ここでは、ステップS109において取得した最低温度Tminが温度T1(過去の始動時に取得した最低温度Tminによって更新されたもの)より低いか否かが比較される(ステップS114)。最低温度Tminが温度T1より低い場合(ステップS114:YES)、ステップS109において取得した最低温度値Tminで温度T1を更新する(ステップS115)。これにより、複数回の始動時における最低温度値Tminに基づいて、冷却水温度と実際のエンジン100の温度との間に生じる温度ギャップをより正確に考慮して暖気完了タイミングを推定することができるので、より効果的に未燃分(HC)を抑制することが可能となる。
一方、最低温度Tminが温度T1以上である場合(ステップS114:NO)、コントローラ114はステップS114の処理を行うことなく、処理を進める。その後、コントローラ114はステップS112及びS113を行い、処理を終了する。
以上説明したように実施例1では、冷却水がラジエータ103に導入された際の冷却水の温度変動実績に基づいて、エンジン100の暖気完了タイミングを推定することにより、冷却水温度と実際のエンジン100の温度との間に生じる温度ギャップを加味することができる。そのため、単に冷却水温度に基づいて補正量を設定する従来に比べて、補正の終了タイミングをエンジン100の暖気完了タイミングに近づけるように変更でき、始動後から暖気完了タイミングまでの間に発生する未燃分(HC)を効果的に抑制することができる。
次に、図6を参照して実施例2に係る制御装置の制御内容について説明する。図6は実施例2に係る制御装置の制御内容を示すフローチャート図である。
まずエンジン100が始動すると(ステップS201)、コントローラ114は温度センサ113から冷却水温度を取得し、当該取得した冷却水温度が温度T2より低いか否かを判定する(ステップS202)。冷却水温度が温度T2以上である場合(ステップS202:NO)、コントローラ114はすでにエンジン100の暖気は完了しているとして、実施例1と同様に冷却水温度に従った燃料噴射タイミングの補正を行い、処理を終了する(ステップS210)。
一方、冷却水温度が温度T2より低い場合(ステップS202:YES)、コントローラ114はエンジン100の始動時からの経過時間の記録を開始すると共に、水温センサ113から冷却水温度の取得を開始する(ステップS203)。やがて冷却水温度が温度T4に到達すると(ステップS204)、コントローラ114はステップS203において記録を開始した経過時間と冷却水温度に基づいて、経過時間と冷却水の温度変動を取得する(ステップS205)。そして、当該取得した経過時間と冷却水の温度変動に基づいて、冷却水の昇温速度を算出する(ステップS206)。
続いてコントローラ114はステップS205において算出した冷却水の昇温速度に基づいて、エンジン100の暖気完了タイミング(即ち、冷却水温度が温度T2(80℃)に到達する時間)を推定する(ステップS207)。このように実施例2では、エンジン100の始動時からの冷却水の経時的な温度変動から算出した温度上昇速度に基づいて、冷却水温度と実際のエンジン100の温度との間に生じる温度ギャップを加味することにより暖気完了タイミングを推定することができる。当該推定した暖気完了タイミングに基づいて補正量を設定することにより、より広い温度範囲おいて未燃分(HC)の発生を抑制することが可能となる(ステップS208)。尚、ステップS208において設定される補正量は、温度T4における補正量が前記推定された暖気完了タイミングに向って次第にゼロに減少するように、補正量の算出式における温度係数を変更することによって行うとよい。
そしてステップS207において推定した暖気完了タイミングが経過すると(ステップS209)、コントローラ114は、実施例1と同様に冷却水温度に従った燃料噴射タイミングの補正を行い、処理を終了する(ステップS210)。
以上説明したように実施例2では、冷却水温度の上昇速度に基づいてエンジン100の暖気完了タイミングを推定することにより、未燃分(HC)の発生を抑制しつつ、ノッキングの発生を防止することができる。
本発明は、内燃機関の始動時において、該内燃機関の冷却水温度に応じて設定された補正量で燃料噴射タイミングを補正する内燃機関の制御装置及び制御方法に利用可能である。
100 エンジン
101 シリンダジャケット
102 シリンダヘッド
103 ラジエータ
104 冷却水ポンプ
105 EGRクーラー
106 シリンダヘッド冷却水入口通路
107 シリンダヘッド冷却水出口通路
108 冷却水集合通路
109 サーモスタット
110 ラジエータ出口冷却水通路
111 エンジン冷却水入口通路
112 冷却水バイパス通路
113 温度センサ
114 コントローラ

Claims (8)

  1. 内燃機関の始動時に、前記内燃機関の冷却水温度が予め設定された第1の温度以下である場合に前記内燃機関の燃料噴射タイミングを前記冷却水温度に応じて設定された補正量で補正し、前記冷却水温度が前記第1の温度より高い第2の温度に達した際に前記内燃機関の冷却水をラジエータに導入して前記冷却水の冷却を開始する内燃機関の制御装置であって、
    前記冷却水の温度変化に基づいて前記冷却水温度が前記第2の温度に達する暖気完了タイミングを推定し、前記予め設定された第1温度を前記推定された暖気完了タイミングに近づけるように変更する制御手段を備えたことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記冷却水がラジエータに導入された際の冷却水の温度変動に基づいて前記暖気完了タイミングを推定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記冷却水がラジエータに導入された際の冷却水の温度変動おける最低温度値を検出し、前記第1の温度を前記検出された最低温度値に設定することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記制御手段は、前記検出された最低温度値が過去に検出された最低温度値より低い場合に、前記第1の温度を前記検出された最低温度値に更新することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記補正量は冷却水温度が低くなるに従い、前記燃料噴射タイミングが前記内燃機関の圧縮上死点に近づくように設定された進角量であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記制御手段は、前記内燃機関の始動後における前記冷却水温度の経時的な温度変化から温度上昇速度を算出し、該算出された温度上昇速度に基づいて、前記内燃機関の暖気完了タイミングを推定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記補正量は前記内燃機関の始動開始時からの経過時間が前記暖気完了タイミングに近づくに従い減少するように設定された進角量であることを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の制御装置。
  8. 内燃機関の始動時に、前記内燃機関の冷却水温度が予め設定された第1の温度以下である場合に前記内燃機関の燃料噴射タイミングを前記冷却水温度に応じて設定された補正量で補正し、前記冷却水温度が前記第1の温度より高い第2の温度に達した際に前記内燃機関の冷却水をラジエータに導入して前記冷却水の冷却を開始する内燃機関の制御方法であって、
    前記冷却水の温度変化に基づいて前記冷却水温度が前記第2の温度に達する暖気完了タイミングを推定する推定工程と、
    前記予め設定された第1温度を前記推定された暖気完了タイミングに近づけるように変更する制御工程と
    を備えたことを特徴とする内燃機関の制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013249777A (ja) * 2012-05-31 2013-12-12 Aisin Seiki Co Ltd 内燃機関の制御装置
JP2017078387A (ja) * 2015-10-22 2017-04-27 ヤンマー株式会社 エンジン

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