JP2012081481A - 電子部品における電極の接続構造 - Google Patents

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和伸 神谷
Masami Takeuchi
政美 竹内
Shigekazu Higashimoto
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Harumitsu Sato
晴光 佐藤
Takuya Ishizaki
卓也 石崎
Munehiko Masutani
宗彦 増谷
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Abstract

【課題】上部電極と被接合部材間の隙間を毛細管現象の発生する隙間に維持する必要が無く、且つ被接合部材と上部電極との接合強度を高めることが可能な電子部品における電極の接続構造の提供にある。
【解決手段】上面が平面状の基部11と、表面が平面状で第1電極13および第2電極14とを備えた被接合部材としての半導体素子12と、半導体素子12と間隔を空けて配置された板状の電極としての上部電極15と、半導体素子12と上部電極15とを接合する半田とをそなえた電子部品における電極の接続構造であって、上部電極15の側面15C〜15Eは、下面15Bから上面15Aに向かうほど外側に広がるような傾斜面で形成され、上部電極15の下面15Bと半導体素子12の第2電極14とが平行となるように配置して、側面15C〜15Eを第2電極14と対向して配置させる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、半導体素子など電子部品における電極の接続構造に関する。
特許文献1における図3及び図4で示す従来技術においては、ベース電極としての基部上に半導体素子が半田を介して接合されると共に、半導体素子上に上部電極が半田を介して接合された半導体装置が開示されている。半導体素子上には、信号線を接続(ワイヤボンディング)するための信号電極が設けられ、半導体素子上における信号電極が設けられた領域以外の領域に上部電極が半田で接合されている。上部電極には、半田供給用の注入孔が貫通形成されている。
この半導体装置の製造方法は、まず、基部上に半導体素子を半田を介して接合させた後、ワイヤボンディングにより半導体素子上の信号電極と外部電極とをワイヤにより接続させる。次に、半導体素子上に上部電極を所定間隔を保持しつつ対向配置させ、加熱装置で半導体装置全体を加熱させながら半田注入孔から溶融半田を供給する。供給された半田は、半田自身の毛細管現象により、半導体素子と上部電極との狭い隙間に侵入し、適量充填される。その後加熱装置から取り出し硬化させることにより、半導体素子と上部電極とが半田により接合される。
特開2004−303869号公報
しかし、特許文献1で開示された従来技術においては、半導体素子と上部電極間の隙間が、毛細管現象の発生するような狭小な隙間である必要があり、この隙間が大きすぎると毛細管現象が起こらず半導体素子と上部電極間の隙間に半田が充分に供給されない恐れがあり、逆にこの隙間が小さすぎると半田注入孔から供給された溶融半田は隙間に侵入しづらく、半導体素子と上部電極間の隙間に半田が充分に供給されない恐れがある。このため、半導体素子と上部電極との接合強度が低下してしまう問題がある。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、上部電極と電子部品間の隙間を毛細管現象の発生する隙間に維持する必要が無く、且つ電子部品と上部電極との接合強度を高めることが可能な電子部品における電極の接続構造の提供にある。
上記の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、平面状の被接合面を有する被接合部材と、少なくとも一部が該被接合部材と間隔を空けて配置される板状の電極と、前記被接合部材の被接合面と前記電極とを接合する半田とを備えた電子部品における電極の接続構造であって、前記電極の側面の少なくとも一部は前記被接合部材の被接合面と対向することを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、電極の側面の少なくとも一部は被接合部材の被接合面と対向していることにより、例えば、電極上のおもて面に供給された半田を側面の一部を伝わらせて電極の裏面に回り込ませ電極と被接合部材の被接合面間の隙間に供給することができる。従って、電極と被接合部材間の隙間を毛細管現象の発生する隙間に維持しなくても電極と被接合部材の被接合面間の隙間に半田を供給することができるため、被接合部材と電極との接合強度を高めることが可能である。なお、「対向する」とは、電極の側面と被接合部材の被接合面とが平行の場合のみならず互いに向き合っている場合も含んでいる。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の電子部品における電極の接続構造において、前記被接合部材の被接合面と対向する前記側面は、前記電極における前記被接合部材の被接合面と半田により接合されない非接合面に対して傾斜する傾斜面であることを特徴とする。
請求項2記載の発明によれば、電極と被接合部材間の隙間を毛細管現象の発生する隙間に維持しなくても電極と被接合部材の被接合面間の隙間にはんだを供給することができる。
請求項3記載の発明は、請求項1に記載の電子部品における電極の接続構造において、前記電極は前記被接合部材に対して傾斜して配置したことを特徴とする。
請求項3記載の発明によれば、電極は前記被接合部材に対して傾斜して配置されているので、電極における被接合部材の被接合面と半田により接合されない非接合面に対して傾斜する傾斜面を形成する必要が無く、製造工数を削減可能である。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子部品における電極の接続構造において、前記電極は、短冊状であり、被接合部材の被接合面と半田により接合される接合面と、前記接合面と反対側の非接合面と、前記接合面の側縁部および前記非接合面の側縁部から延びる側面とからなり、前記半田は、前記電極の非接合面より前記側面を伝わって供給されたものであることを特徴とする。
請求項4記載の発明によれば、半田は電極の非接合面より側面を伝わって供給されたものなので、電極の非接合面上に半田を供給するだけでよく、半田の供給が簡単である。
本発明によれば、電極の側面の一部を被接合部材の被接合面と対向させることにより、電極と被接合部材間の隙間を毛細管現象の発生する隙間に維持しなくても電極と被接合部材の被接合面間の隙間に半田を供給することができる。
第1の実施形態に係る半導体素子における電極の接続構造を示す斜視図である。(a)半田接合前の状態を示し、(b)半田接合後の状態を示す。 図1におけるA−A線断面図である。 図1におけるB−B線断面図である。 第1の実施形態に係る接続構造の製造工程を説明するための模式図である。(a)基部上に接合された半導体素子上に間隔を空けて電極を配置する工程を示し、(b)半導体装置を加熱装置内に配置し電極上より溶融半田を滴下させる工程を示し、(c)電極上に滴下された溶融半田が半導体素子と電極間の隙間に供給される工程を示し、(d)半田を供給後硬化させた状態を示す。 第2の実施形態に係る半導体素子における電極の接続構造を示す模式断面図である。(第1の実施形態における図1に相当する断面図) 第2の実施形態に係る半導体素子における電極の接続構造を示す模式断面図である。(第1の実施形態における図2に相当する断面図) 第2の実施形態に係る接続構造の製造工程を説明するための模式図である。(a)基部上に接合された半導体素子上に間隔を空けて電極を配置する工程を示し、(b)半導体装置を加熱装置内に配置し電極上より溶融半田を滴下させる工程を示し、(c)電極上に滴下された溶融半田が半導体素子と電極間の隙間に供給される工程を示し、(d)半田を供給後硬化させた状態を示す。 その他の実施形態に係る半導体素子における電極の接続構造を示す模式断面図である。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態に係る電子部品としての半導体素子における電極の接続構造を図1〜図4に基づいて説明する。
図1〜図3に示すように、半導体装置10は、上面が平面状の基部11と、表面が平面状の第1電極13および第2電極14とを備えた被接合部材としての半導体素子12と、半導体素子12と間隔を空けて配置された板状の電極としての上部電極15から構成され、基部11と第1電極13とは第1半田層16を介して接合され、第2電極14と上部電極15とは第2半田層17を介して接合されている。なお、第1電極13および第2電極14は被接合部材の被接合面に相当する。また、図1(a)は、上部電極15と半導体素子12の第2電極14とが半田接合される前の状態を示し、図1(b)は、上部電極15と半導体素子12の第2電極14とが半田接合された後の状態を示している。
基部11は、金属製で所定の厚さを有する材料が用いられており、材料としては、銅、アルミニウム、又はこれらの合金等を含んだ導電性で熱伝導性の良い金属材料が使用されている。
半導体素子12は、矩形の形状を有し、裏面に第1電極13が形成され、おもて面に第2電極14が形成されている。第1電極13及び第2電極14は、ニッケル、チタンやアルミニウム等で形成されている。半導体素子12としては、例えば、IGBTのような電力制御素子などが用いられている。半導体素子12のおもて面における短辺方向の側縁部のうちの一方には、制御用電極18が形成され制御用電極18は図示しない外部電極とワイヤ19により接続されている。従って、第1電極13は半導体素子12の裏面のほぼ全面に渡り形成されているが、第2電極14は半導体素子12のおもて面における制御用電極18の形成された部位を含まない領域に形成されている。
上部電極15は、所定の厚みを有し短冊状の板状部材から形成されている。材料としては、銅、アルミニウム、又はこれらの合金等を含んだ導電性で熱伝導性の良い金属材料が使用されている。詳述すると、上部電極15は、非接合面としての上面15Aと、上面15Aより一回り小さく形成され上面15Aと反対側の被接合部材の被接合面と半田により接合される接合面としての下面15Bと、上面15Aの側縁部および下面15Bの側縁部から延びる側面15C〜15Eとから構成されている。
側面15C〜15Eは、下面15Bから上面15Aに向かうほど外側に広がるように形成されている。つまり、側面15C〜15Eは上面15A及び下面15Bに対して傾斜した傾斜面であり、上部電極15の断面形状は、逆台形状となっている。
図2に示すように、上部電極15は、下面15Bと半導体素子12の第2電極14とが平行となるように間隔を空けて配置されるとともに、側面15C〜15Eが第2電極14と対向するように配置されている。
上部電極15の下面15B及び側面15C〜15Eと第2電極14間に第2半田層17が形成されている。また、基部11と第1電極13間に第1半田層16が形成されている。なお、第1半田層16及び第2半田層17は、スズ(Sn)等を含む同一組成、同一融点の半田を使用して形成されている。
次に、上記構造を有する半導体装置10についてその製造工程を図4に基づき説明する。
先ず、基部11上にはんだ箔を介して半導体素子12を載せ、図示しない加熱装置によって所定の温度ではんだ箔を溶融させ、その後硬化させて半導体素子12と基部11との半田付けを行い、半導体素子12上の第1電極13と基部11とを第1半田層16を介して接合させる。
図4(a)に示すように、この基部11と半田接合された半導体素子12上に上部電極15を治具にて隙間距離d1だけ間隔を空けて対向配置させる。詳述すると、上部電極15の先端側の側面15Cを制御用電極18側に向けて、上部電極15の下面15Bと半導体素子12の第2電極14とが平行となるように配置する。(図1(a)参照)このとき、側面15C〜15Eは半導体素子12の第2電極14とそれぞれ対向している。
次に、図4(b)に示すように、図4(a)に示す状態にある半導体装置を加熱装置内に入れて、装置全体を加熱させながら上方に配置された半田供給装置20から溶融半田を供給する。半田供給装置20から供給された溶融半田は、上部電極15の上面15A上に滴下されて半球状に貯まるが、上部電極15の半田ぬれ性により、上部電極15の上面15A上をぬれ広がり径を拡大させつつ周辺に移動する。
次に、図4(c)に示すように、上面15A上に広がった溶融半田は、側面15D、15Eに到達し、側面15D、15Eを伝わって下面15B側に回り込む。ところで、側面15D、15Eは下面15Bから上面15Aに向かうほど外側に広がるように形成された傾斜面なので、側面15D、15Eを通過した溶融半田は下面15B側にスムースに回り込み、図4(c)に矢印で示すように、下面15B上を広がるように移動し、下面15Bと第2電極14間の隙間及び、側面15D、15Eと第2電極14間に半田が充填される。
また、図示しないが、上面15A上を先端側に向けて広がった溶融半田は、側面15Cに到達し、側面15Cを伝わって下面15B側に回り込む。ところで、側面15Cは下面15Bから上面15Aに向かうほど外側に広がるように形成された傾斜面なので、側面15Cを通過した溶融半田は下面15B側にスムースに回り込み、下面15B上を広がるように移動し、下面15Bと第2電極14間の隙間及び、側面15Cと第2電極14間に半田が充填される。
次に、図4(d)に示すように、加熱装置から取り出し冷却させることにより半田が硬化し、第2電極14と上部電極15とが第2半田層17を介して接合される。特に、側面15C〜15Eと第2電極14間には、半田が裾広がり状となったフィレットが形成される。
この第1の実施形態に係る半導体装置10によれば以下の効果を奏する。
(1)上部電極15は、下面15Bと半導体素子12の第2電極14とが平行となるように間隔を空けて配置されるとともに、側面15C〜15Eが第2電極14と対向するように配置されている。よって、上部電極15の上面15A上に滴下された溶融半田を側面15C〜15Eを伝わらせて下面15B側に回り込ませ、上部電極15と第2電極14間の隙間に半田を供給することが可能である。従って、上部電極15と第2電極14間の隙間を毛細管現象の発生する隙間に維持しなくても電極と被接合部材の被接合面間の隙間に半田を供給することができる。また、隙間を毛細管現象の発生する隙間とする必要が無いので、設計の自由度を向上させることが可能である。
(2)半田の供給は上部電極15の上面15A上に溶融半田を滴下させるだけでよく、上部電極15に半田注入用孔を設けたり、隙間の側方より半田を供給したりする必要が無く、半田の供給が簡単である。
(3)側面15C〜15Eと第2電極14間には、半田が裾広がり状となったフィレットが形成されるので、上部電極15と半導体素子12間の接合強度を一層高めることが可能である。
(4)超音波探傷法により上部電極15裏面の接合状態を検査するときに、上部電極15の断面が逆台形状となっていることにより、上部より入射した超音波が上部電極15端部で減衰することが軽減され、端部の接合状態の検査が可能となる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る半導体装置30を図5〜図7に基づいて説明する。
この実施形態は、第1の実施形態における上部電極15の側面形状及び上部電極15と半導体素子12の位置関係を変更したものであり、その他の構成は共通である。
従って、ここでは説明の便宜上、先の説明で用いた符号を一部共通して用い、共通する構成についてはその説明を省略し、変更した個所のみ説明を行う。
図5及び図6に示すように、上部電極31は、所定の厚みを有し短冊状の板状部材から形成されおり、非接合面としての上面31Aと、上面31Aと反対側の半田が接合される接合面としての下面31Bと、上面31Aの側縁部及び下面31Bの側縁部から延びる側面31C〜31Eとから構成されている。
側面31C〜31Eは、上面31A及び下面31Bに対し垂直となるように形成された垂直面である。
図5に示すように、上部電極31は、側面31Cが第2電極14と対向するとともに、側面31Cから離れるに従い、下面31Bと第2電極14間の隙間距離が大きくなるように傾斜して配置されている。ここで、下面31Bと第2電極14間の隙間距離のうち側面31C側の隙間距離をd2とし、側面31Cから長辺方向に離れた側の隙間距離をd3とした場合に、d2<d3となるように形成されている。
次に、上記構造を有する半導体装置30についてその製造工程を図7に基づき説明する。
先ず、基部11上にはんだ箔を介して半導体素子12を載せ、図示しない加熱装置によって所定の温度ではんだ箔を溶融させ、その後硬化させて半導体素子12と基部11との半田付けを行い、半導体素子12の第1電極13と基部11とを第1半田層16を介して接合させる。
図7(a)に示すように、この基部11と半田接合された半導体素子12上に上部電極31を治具にて傾けて配置させる。詳述すると、第2電極14上に上部電極31の先端側の側面31Cを制御用電極18側に向け、側面31Cから離れるに従い、下面31Bと第2電極14間の隙間距離が大きくなるように傾斜して配置する。このとき、側面31Cと半導体素子12の第2電極14とが対向するように配置している。
次に、図7(b)に示すように、図7(a)に示す状態にある半導体装置を加熱装置内に入れて、装置全体を加熱させながら上方に配置された半田供給装置20から溶融半田を供給する。半田供給装置20から供給された溶融半田は、上部電極31の上面31A上に滴下されて半球状に貯まるが、上部電極31の半田ぬれ性と傾斜して配置されていることにより、上部電極31の上面31A上を側面31C側に向けてぬれ広がる。
次に、図7(c)に示すように、上面31A上を側面31C側に向けて広がった溶融半田は、側面31Cに到達し、側面31Cを伝わってさらに下面31B側に回り込む。ところで、側面31Cは半導体素子12の第2電極14と対向しているので、側面31Cを通過した溶融半田は下面31B側にスムースに回り込み、下面31B上を広がるように移動し、下面31Bと第2電極14間の隙間及び、側面31Cと第2電極14間に半田が充填される。
次に、図7(d)に示すように、加熱装置から取り出し冷却させることにより半田が硬化し、第2電極14と上部電極31とが第2半田層32を介して接合される。特に、側面31Cと第2電極14間には、半田が裾広がり状となったフィレットが形成される。
この第2の実施形態に係る半導体装置30によれば以下の効果を奏する。
(7)上部電極31は、側面31Cが第2電極14と対向するとともに、側面31Cから離れるに従い、下面31Bと第2電極14間の隙間距離が大きくなるように傾斜して配置されている。よって、上部電極31の上面31A上に滴下された溶融半田を側面31Cを伝わらせて下面31B側に回り込ませ、上部電極31と第2電極14間の隙間に半田を供給することが可能である。従って、上部電極31と第2電極14間の隙間を毛細管現象の発生する隙間に維持しなくても電極と被接合部材の被接合面間の隙間に半田を供給することができる。また、隙間を毛細管現象の発生する隙間とする必要が無いので、設計の自由度を向上させることが可能である。
(8)上部電極31を半導体素子12に対して傾斜して配置することにより、上部電極31の側面31Cを半導体素子12の第2電極14と対向して配置することができる。従って、側面31Cを上面31A及び下面31Bに対し傾斜した傾斜面に加工する必要が無く、製造工数を削減可能である。
(9)半田の供給は上部電極31の上面31A上に溶融半田を滴下させるだけでよく、上部電極31に半田注入用孔を設けたり、隙間の側方より半田を供給したりする必要が無く、半田の供給が簡単である。
(10)側面31Cと第2電極14間には、半田が裾広がり状となったフィレットが形成されるので、上部電極31と半導体素子12間の接合強度を一層高めることが可能である。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、次のように変更しても良い。
○ 第1及び第2の実施形態では、被接合部材を半導体素子12として説明したが、半導体素子12を介さずに基部11上に上部電極15を直接半田付けしても良い。この場合には、基部11が被接合部材となる。
○ 第2の実施形態において、側面31D、31Eを第1の実施形態と同様の傾斜面で形成しても良い。この場合には、上部電極31の上面31A上に滴下された溶融半田は、先端側の側面31Cを伝わって下面31B側に回り込むと共に、側面31D、31Eを伝わって下面31B側に回り込ませることができ、下面31Bと第2電極14間の隙間への半田の充填を促進することが可能となる。
○ 第1の実施形態では、溶融半田は上部電極15上に滴下されるとして説明したが、側面15C〜15Eより少し離れた半導体素子12の第2電極14上に半田を滴下させても良い。図8(a)に示すように、上部電極42は、非接合面としての上面42Aと、上面42Aより一回り小さく形成され上面42Aと反対側の接合面としての下面42Bと、上面42Aの側縁部および下面42Bの側縁部から延びる先端側の側面42C及び両側の側面とから構成されている。なお、図8(a)、(b)においては、先端側の側面42Cのみ図示しており両側面は図示していない。側面42Cは、下面42Bから上面42Aに向かうほど外側に広がるように形成された傾斜面である。上部電極42は、半導体素子41上に上部電極42の下面42Bと半導体素子41の第2電極41Aとが平行となるように配置されている。側面42Cは、半導体素子41の第2電極41Aと対向している。図8(a)は、上部電極42の側面42Cと対向している半導体素子41の第2電極41A上に直接半田を滴下させた状態を示しており、滴下された溶融半田は、表面張力と上部電極42のぬれ性により半球状に広がり、その周面の一部が側面42Cと当接している。次に、図8(b)に示すように、溶融半田は、上部電極42と半導体素子41の第2電極41A間の隙間距離の大きいところから小さいところへ(すなわち、隙間距離の大きい側面42Cと第2電極41A間より隙間距離の小さい下面42Bと第2電極41A間へ)侵入し隙間内を広がるように移動する。このようにして、上部電極42と半導体素子41間に半田が充填される。
○ 第1及び第2の実施形態では、上部電極の下面と半導体素子の第2電極とは間隔を空けて配置されているとして説明したが、下面の一部が第2電極と接触していても構わない。例えば、第2の実施形態において、側面31D、31Eを第1の実施形態と同様の傾斜面で形成し、側面31Cと下面31B間のエッジ部が半導体素子12の第2電極14と当接するように配置(d2=0)すると共に、側面31Cから離れるに従い、下面31Bと第2電極14間の隙間距離が大きくなるように傾斜して配置する。この場合には、上部電極31の上面31A上に滴下された溶融半田は、側面31D、31Eを伝わって下面31B側に回り込み、下面31Bと第2電極14間の隙間への半田の充填が可能となる。
11 基部
12 半導体素子
13 第1電極
14 第2電極
15 上部電極
15A 上面
15B 下面
15C 側面
15D 側面
15E 側面
16 第1半田層
17 第2半田層

Claims (4)

  1. 平面状の被接合面を有する被接合部材と、少なくとも一部が該被接合部材と間隔を空けて配置される板状の電極と、前記被接合部材の被接合面と前記電極とを接合する半田とを備えた電子部品における電極の接続構造であって、
    前記電極の側面の少なくとも一部は前記被接合部材の被接合面と対向することを特徴とする電子部品における電極の接続構造。
  2. 前記被接合部材の被接合面と対向する前記側面は、前記電極における前記被接合部材の被接合面と半田により接合されない非接合面に対して傾斜する傾斜面であることを特徴とする請求項1に記載の電子部品における電極の接続構造。
  3. 前記電極は前記被接合部材に対して傾斜して配置したことを特徴とする請求項1に記載の電子部品における電極の接続構造。
  4. 前記電極は、短冊状であり、被接合部材の被接合面と半田により接合される接合面と、前記接合面と反対側の非接合面と、前記接合面の側縁部および前記非接合面の側縁部から延びる側面とからなり、前記半田は、前記電極の非接合面より前記側面を伝わって供給されたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子部品における電極の接続構造。
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