JP2012077683A - 二連型真空ポンプ装置、およびそれを備えるガス精製システム、ならびに二連型真空ポンプ装置の制御方法 - Google Patents

二連型真空ポンプ装置、およびそれを備えるガス精製システム、ならびに二連型真空ポンプ装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ガスの温度や気流振動に影響されることなく、少ない所要動力で減圧排気できる二連型真空ポンプ装置を提供する。
【解決手段】二連型真空ポンプ装置Y2は、容積式の真空ポンプ40A,40B及びライン52,60を備える。各真空ポンプ40A,40Bは吸気口41と排気口42を有し、二連型真空ポンプ装置Y2の吸気口41近傍に圧力検出器80を備えている。ライン52は、真空ポンプ40Aの排気口42と真空ポンプ40Bの吸気口41を連結する。ライン60は、連結ライン52に接続された端部E6と端部E5とを有し、バッファー管Z1および当該管Z1と端部E5との間に位置する開閉弁61を含み、圧力検出器80の圧力検出信号を開閉弁61の開閉信号とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、二連の真空ポンプを含む装置(二連型真空ポンプ装置)、およびそれを備えるガス精製システムに関する。さらに、本発明は、二連型真空ポンプ装置の所要動力を最小にして運転する制御方法にも関する。
容積式の真空ポンプが、様々な用途で使用されている。例えば、ガス精製方法としての圧力変動吸着法(PSA法)を実行するうえで、容積式の真空ポンプを二基直列に接続した二連型真空ポンプが使用される場合がある。
PSA法では、例えば、不純物を吸着するための吸着剤が充填された吸着塔が使用される。そのような吸着塔を使用して行われるPSA法によるガスの精製においては、吸着塔にて、例えば次のような吸着工程および減圧再生工程を含むサイクルが繰り返される。吸着工程では、塔内が相対的に高圧な状態にある吸着塔に対して混合ガスたる原料ガスが導入されて、当該原料ガス中の不純物が吸着剤に吸着されつつ、当該吸着塔から非吸着ガスが導出される。この非吸着ガスは、目的ガスが富化されたガスであり、精製ガスとして取得される。減圧再生工程では、塔内が減圧されて相対的に低圧化されつつ、吸着剤から不純物が脱着され、この不純物を含む脱着ガスが塔外へ導出される。この減圧再生工程にて吸着塔内を減圧するために、容積式真空ポンプが使用される場合があるのである。このような容積式真空ポンプについては、例えば下記の特許文献1,2に記載されている。
容積式真空ポンプから排出されるガスにおいては、比較的に大きな気流振動が生じる。容積式真空ポンプの排気口が所定のラインと連結されている場合には、容積式真空ポンプからの排出ガスの気流振動(排ガス振動)に起因して、当該ラインの一部を構成する要素ないし部材(例えば、開閉弁のシャフト)の機械的強度の劣化が促進されることがある。気流振動を伴ってライン内を流れるガスに曝され続ける、ライン内の部材は、当該ガスから振動エネルギーを付与され続けて不当に振動し続けるからである。当該部材の当該振動は、部材構成材料組織の局所的破壊を誘発し、ひいては、当該部材の機械的強度の劣化を促進することがあるのである。また、容積式真空ポンプは、いわゆるシール水がポンプ機構内に供給されつつ稼動される場合がある。この場合、容積式真空ポンプの排気口からは、シール水に由来する微小水滴がガスとともに振動して排出されて、当該微小水滴の振動が実質的に排ガス振動に含まれることとなる。そして、この場合、当該微小水滴もライン内の部材に対して振動エネルギーを付与し続けるので、部材の機械的強度の劣化の促進は顕著となる傾向がある。
以上のような問題を解決するために、本発明の発明者らは、先願である特願2009−291796号において、吸気口および排気口を有する容積式の第1真空ポンプと、吸気口および排気口を有する第2真空ポンプと、前記第1真空ポンプの前記排気口および前記第2真空ポンプの前記吸気口の間を連結する連結ラインと、前記連結ラインに接続された第1端部およびガス導出用の第2端部を有するバイパスラインと、を備え、前記バイパスラインは、バッファー管、および、当該バッファー管と前記第2端部の間に位置する開閉弁を含む、二連型真空ポンプ装置を提案した。このような二連型真空ポンプ装置では、所要動力を低減するための方法として、第1真空ポンプの排気量を第2真空ポンプの排気量より大きくして、第1真空ポンプと第2真空ポンプの連結ラインに圧力検出器を設置して、減圧排気しているときにこの圧力を検出し、その検出圧力が大気圧以上となっているときには開閉弁を開として第2真空ポンプが排気する以上に過剰なガス量を大気へ排出し、連結ラインにおける検出圧力が減少して大気圧以下となった場合には圧力検出器が作動しバイパス弁を閉として第1真空ポンプと第2真空ポンプが連携するように排出することが考えられる。しかしながら、連結ラインに圧力を検出する検出器を設置して連結ラインの圧力で開閉弁の開閉を行うと、第1真空ポンプ出口につながる連結ラインの気流振動により圧力検出器が破損し正しく圧力を検出し続けることができなくなる。
また、二連型真空ポンプ装置における所要動力を低減するための別の方法として、この連結ラインの圧力検出器を用いずに減圧排気初期から所要時間を予測して、操作時間プログラミングして、決まった時間にこの開閉弁を開閉させるという解決策も考えられる。しかしながら、この解決策では、例えば温度が比較的高い夏季には吸着剤のガス吸着量が減少するため、連結ラインの圧力が早く降下し、温度が比較的低い冬季にはガス吸着量が増加するため連結ラインの圧力の降下速度が遅くなり、このバイパス弁の適正な開閉タイミングがずれることがあった。
特開平10−296034号公報 特開2006−272325号公報
本発明は、真空ポンプの気流振動による影響を受けずに、また、季節変動でガス温度が変化してガス吸着量が変わっても第1真空ポンプと第2真空ポンプの連結ラインの圧力変化を正しく予測し、正確にバイパス弁の開閉を行い、真空ポンプの所要動力を最小化できる二連型真空ポンプ装置を提供することを課題とする。
本発明の別の課題は、以上のように所要動力を最小化できる二連型真空ポンプ装置を含むガス精製システムを提供することにある。
本発明のさらに別の課題は、以上のような二連型真空ポンプ装置における所要動力を最小化するための制御方法を提供することにある。
本発明の第1の側面によると、二連型真空ポンプ装置が提供される。この二連型真空ポンプ装置は、吸気口および排気口を有する容積式の第1真空ポンプと、吸気口および排気口を有する第2真空ポンプと、前記第1真空ポンプの前記排気口および前記第2真空ポンプの前記吸気口の間を連結する連結ラインと、前記連結ラインに接続された第1端部およびガス導出用の第2端部を有するバイパスラインと、前記バイパスラインにおける前記第1端部および前記第2端部の間に配置された開閉弁と、前記第1真空ポンプの前記吸気口の近傍の圧力を検出する圧力検出器と、を備え、前記開閉弁を前記圧力検出器に連動させるように構成されている。
本発明の第1の側面による二連型真空ポンプ装置の使用に際しては、第1真空ポンプの吸気口は、例えば所定のラインを介して、大気圧より低い所定圧力まで内部を減圧することが必要な容器(減圧対象容器)に連結される。そのような減圧対象容器としては、例えば、PSA法を実行するための吸着塔や、半導体製造装置の真空チャンバなどが挙げられる。また、本ポンプ装置の稼動時には、連結ラインを介して直列に接続された第1および第2真空ポンプが稼動される。第1真空ポンプないしその排気口からの排気量のうち、第2真空ポンプの排気量を超える流量のガスは、第2真空ポンプにとっての過剰ガスである。本ポンプ装置の稼動時においては、例えば、第1真空ポンプの排気量が第2真空ポンプの排気量を超えているとき(即ち、過剰ガスのあるとき)には、バイパスラインの開閉弁を開状態として、過剰ガスが連結ラインからバイパスラインに流入するように本装置のガス流れを制御し、また、第1真空ポンプの排気量が第2真空ポンプの排気量を超えていないとき(過剰ガスのないとき)には、バイパスラインの開閉弁を閉状態として、両真空ポンプを完全直列状態とする。この過剰ガスが生じている状態にあっては、当該過剰ガスは、連結ラインからバイパスラインに流入した後、バイパスライン内において、開閉弁を通過し、その後に第2端部から導出される。バイパスラインの第2端部は、例えば、第2真空ポンプの排気口から伸びる配管を通じて、間接的に消音器に連結されている。一方、過剰ガスが生じていない状態にあっては、完全直列状態にある第1および第2真空ポンプが協働して減圧対象容器の内部を減圧し、第2真空ポンプから所定量のガスが導出される。このとき、バイパスラインの開閉弁は閉状態にあるため、バイパスラインを通過するガスはない。
本ポンプ装置の特性として、予め二連型真空ポンプ装置の吸気口圧力に応じて、見掛け排気量(標準状態に換算していない排気量)がどのように変化するか、および、所要動力がどのように変化するかを、図5のような特性グラフとして予測しておく。この特性グラフは、第1真空ポンプのみが作用して連結ラインからバイパスラインの開閉弁を通じて第2真空ポンプにとって過剰なガスが外部に排出される最適なポイントを示唆しており、吸気口圧力が例えば−42kPaGにまで低下し、同時に連結ラインの圧力が大気圧にまで降下し、第2真空ポンプにとって過剰なガスが0となるとき、第1真空ポンプと第2真空ポンプが連携して直列に排気ガスを排出すれば、二連型真空ポンプ装置が最小で最適な所要動力をもたらすことを表している。
本発明者らは、本ポンプ装置の特性において、第1真空ポンプと第2真空ポンプの連結ラインの圧力が大気圧となるとき、これに対応する第1真空ポンプの吸気口の圧力がガス温度によって変動しないこと、具体的にはガス温度が変化してガス吸着量が変わっても、例えば、吸気口の圧力が−42kPaGのときに、連結ラインの圧力が大気圧であってガス温度によって変化しないことを発見した。この−42kPaGの圧力は第1真空ポンプと第2真空ポンプの組み合わせにおいて第1真空ポンプの排気量を大きくすると、所要動力の折れ曲がり点は−42kPaG以下の方向へ移動し、第2真空ポンプの排気量を大きくすると−42kPaG以上の方向へ移動する。更にガス温度の影響については、ガス温度が高くなる夏季には(例えば40℃のとき)、吸着剤へのガス吸着量が減少し、減圧再生時の吸気口側の圧力が下がり、図8の下側の曲線のように変化する。一方、ガス温度が低下する冬季には(例えば20℃になると)吸着剤へのガス吸着量が増加し、減圧再生時の吸気口側の圧力は上昇し図8の上側の曲線のように変化する。しかしながら、本ポンプ装置はルーツポンプで定容量式であるので季節変動によるガス温度変化から起こるガス吸着量変化の影響を受けず見掛け排気量は変わらない。
本発明の第1の側面において、前記第1真空ポンプの前記排気口からの排気量が前記第2真空ポンプの排気量に一致したことを示す圧力値を前記圧力検出器が検出したときに、前記開閉弁は開状態から閉状態へと切り替えるように構成されている。このような構成は、二連型真空ポンプ装置を効率よく稼動させるのに資する。この開閉弁を連結ラインの圧力が大気圧に降下する前に閉じると、図6のように第2真空ポンプの所要動力が増加し、また、大気圧以下に減圧される状態にまで開のままで放置すると図7のように第1真空ポンプの所要動力が増加する。したがって、連結ラインの圧力が大気圧まで降下する点を予測し、第1真空ポンプの吸気口側の圧力値を圧力検出器で検出し、その信号でバイパスラインの開閉弁を閉じると、正確な切り替えタイミングを捕らえることができる。
好ましくは、第1および第2真空ポンプは、それぞれ、ケーシングと当該ケーシング内のロータとを有するルーツポンプであり、単一のモータによって第1真空ポンプのロータと第2真空ポンプのロータとが連動して回転駆動されるように構成されている。このような構成は、本二連型真空ポンプ装置の所要動力を低減するうえで好適である。
本発明の第2の側面によるとガス精製システムが提供される。このガス精製システムは、圧力変動吸着法(PSA法)を利用してガスを精製するための、吸着剤が内部に充填された吸着塔と、当該吸着塔の内部を減圧するための、本発明の第1の側面に係る二連型真空ポンプ装置と、を備える。このような構成のガス精製システムにおいては、第1の側面に係る二連型真空ポンプ装置によって奏される技術的効果を享受しつつ、PSA法によって目的ガスを精製することが可能である。
本発明の第3の側面によると二連型真空ポンプ装置の制御方法が提供される。この制御方法では、前記圧力検出器により前記第1真空ポンプの前記吸気口の近傍の圧力を検出し、前記圧力検出器により検出した圧力が、前記第1真空ポンプの前記排気口からの排気量が前記第2真空ポンプの排気量に一致したことを示す値になったときに、前記開閉弁を開状態から閉状態へと切り替える。この制御方法によれば、第1の側面に係る二連型真空ポンプ装置にて意図された技術的効果が発揮されることになる。
本発明の実施形態に係るガス精製システムの概略構成図である。 ルーツポンプの一断面図であり、例えば、図1の線II−IIに沿った断面図である。 図1に示した実施形態に係るガス精製システムの変形例の概略構成図である。 図1のガス精製システムによって実行することが可能なガス精製方法における1サイクル(ステップ1〜4)を表す工程表である。 二連型真空ポンプ装置の吸気口圧力と見掛け排気量および最適な所要動力との関係を示すグラフである。 二連型真空ポンプ装置の吸気口圧力と見掛け排気量およびバイパスラインの開閉弁を早いタイミングで閉じた場合の所要動力との関係を示すグラフである。 二連型真空ポンプ装置の吸気口圧力と見掛け排気量およびバイパスラインの開閉弁を遅いタイミングで閉じた場合の所要動力との関係を示すグラフである。 ガス温度が変化したときの減圧再生時間と吸気口圧力との関係を示すグラフである。
図1は、本発明の実施形態に係るガス精製システムX1の概略構成を表す。ガス精製システムX1は、PSA装置Y1と、二連型真空ポンプ装置Y2と、消音器Y3とを備える。
PSA装置Y1は、吸着塔10A,10Bと、原料ブロワ21と、タンク22と、配管31〜34とを備え、混合ガスたる原料ガスから圧力変動吸着法(PSA法)を利用して不純物を吸着除去して目的ガスを濃縮分離することが可能なように構成されている。精製対象たる目的ガスは、本実施形態では、空気中の酸素である。この場合、主な不純物は窒素である。
吸着塔10A,10Bのそれぞれは、両端にガス通過口11,12を有し、ガス通過口11,12の間において、原料ガス中の不純物を選択的に吸着するための吸着剤が充填されている。本実施形態では、吸着剤として、主な不純物たる窒素を選択的に吸着するためのゼオライト系吸着剤が採用される。
原料ブロワ21は、本実施形態では空気ブロワであり、原料ガスとして吸引した空気を吸着塔10A,10Bに向けて供給ないし送出するためのものである。タンク22は、精製されたガス(本実施形態では酸素)を一旦貯留するためのものである。
配管31は、主幹路31’および分枝路31A,31Bを有する。主幹路31’は、端部E1を有する。端部E1は、原料ブロワ21のガス送出口に接続されている。分枝路31A,31Bは、それぞれ、吸着塔10A,10Bのガス通過口11側に連結されている。また、分枝路31A,31Bには、開状態と閉状態との間を切り替わることが可能な自動弁31a,31bが付設されている。
配管32は、主幹路32’および分枝路32A,32Bを有する。主幹路32’は、端部E2を有する。端部E2は、タンク22に接続されている。分枝路32A,32Bは、それぞれ、吸着塔10A,10Bのガス通過口12側に連結されている。また、分枝路32A,32Bには、開状態と閉状態との間を切り替わることが可能な自動弁32a,32bが付設されている。
配管33は、主幹路33’および分枝路33A,33Bを有する。主幹路33’は、端部E3を有する。端部E3は、二連型真空ポンプ装置Y2に対して接続されている。分枝路33A,33Bは、それぞれ、吸着塔10A,10Bのガス通過口11側に連結されている。また、分枝路33A,33Bには、開状態と閉状態との間を切り替わることが可能な自動弁33a,33bが付設されている。主幹路33'の端部E3の近傍には、圧力検出器80が設置されており、当該圧力検出器80は真空ポンプ40Aの吸気口41の圧力を常時検出する。この圧力検出器80で検出される圧力値(入口圧力値)を監視することにより、真空ポンプ40Aの排気口42につながる連結ライン52内の圧力(出口圧力値)を間接的に予測し、この入口圧力値が所定の閾値になったとき、開閉弁61が開閉するように信号を発信する。この入口圧力値の所定の閾値は、例えば上記出口圧力値(連結ライン52内の圧力)が大気圧になる値に設定される。
配管34は、配管32の分枝路32A,32Bを架橋するように設けられている。具体的には、配管34は、分枝路32Aにおける自動弁32aと吸着塔10Aとの間に連結され、且つ、分枝路32Bにおける自動弁32bと吸着塔10Bとの間に連結されている。また、配管34には、開状態と閉状態との間を切り替わることが可能な自動弁34aが付設されている。
二連型真空ポンプ装置Y2は、二つの真空ポンプ40A,40Bと、モータ51と、連結ライン52と、配管53と、バイパスライン60とを備え、真空ポンプ40A,40Bの稼動によって上述のPSA装置Y1の吸着塔10A,10Bの内部を減圧し得るように構成されている。
真空ポンプ40Aは、容積式の真空ポンプであり、本実施形態ではルーツポンプである。真空ポンプ40Bも、本実施形態ではルーツポンプである。真空ポンプ40Bの排気量は、真空ポンプ40Aの排気量より小さい。真空ポンプ40A,40Bは、それぞれ、吸気口41および排気口42を有する。上述のPSA装置Y1における配管33の端部E3は、真空ポンプ40Aの吸気口41に接続されている。
ルーツポンプは、例えば、図2に示すように、ケーシング40aと、当該ケーシング40a内の二個の例えばマユ型のロータ40bとを有する。二個のロータ40bは、互いに反対方向に同期回転するように構成されている。このようなルーツポンプの駆動時には、吸気口41からケーシング40a内に入った気体は、ケーシング40aとロータ40b間の空間に閉じ込められ、ロータ40bの回転で排気口42の側に排出される。また、本実施形態では、いわゆるシール水を真空ポンプ40A,40Bの各ケーシング40a内に供給するためのシール水供給手段(図示略)が、二連型真空ポンプ装置Y2に設けられている。シール水により、ケーシング40aとロータ40bの間に形成される空間について高い気密性を実現することが可能となる。
モータ51は、真空ポンプ40A,40Bを稼動させるためのものである。二連型真空ポンプ装置Y2においては、単一のモータ51によって真空ポンプ40Aのロータ40bと真空ポンプ40Bのロータ40bとが連動して回転駆動されるように構成されている。具体的には、単一のモータ51によって真空ポンプ40Aのロータ40bと真空ポンプ40Bのロータ40bとが連動して回転駆動されるように、モータ51と真空ポンプ40A,40Bの間は、軸部品やギア部品等を介して機械的に連結されている。
連結ライン52は、真空ポンプ40Aの排気口42に接続され、真空ポンプ40Bの吸気口41に接続され、当該排気口42と吸気口41の間を連結する。配管53は、端部E4,E7を有する。配管53の端部E4は、真空ポンプ40Bの排気口42に接続されている。配管53のもう一方の端部E7は、消音器Y3に接続されている。
バイパスライン60は、ライン入口たる端部E6およびライン出口たる端部E5を有し、且つ、開閉弁61およびバッファー管Z1をライン内に有する。端部E6は、真空ポンプ40A,40B間の連結ライン52に接続されている。端部E5は、配管53に接続されている。開閉弁61は、バイパスライン60におけるバッファー管Z1と端部E5の間に位置し、本実施形態では、検出圧力が圧力検出器80の圧力設定値に到達した時点で開閉される。二連型真空ポンプ装置Y2の稼動時には、開閉弁61が開状態とされてバイパスライン60をガスが通流可能とされる期間があるが、開閉弁61は、真空ポンプ40Aの排気口42からの排気量が漸減して真空ポンプ40Bの排気量に一致したときの吸気口41の圧力を検知し、開状態から閉状態へと切り替えられるように、構成されている。上述したように、真空ポンプ40Bの排気量は、真空ポンプ40Aの排気量より小さく設計されているため、このような制御が必要となる。
バッファー管Z1は、真空ポンプ40Aで発せられた気流振動を吸収する役目を果たす。
消音器Y3は、本ガス精製システムX1から排気されるガスの当該排気に際して放射される騒音を小さくするための装置である。従って、騒音が問題にならないのであれば、消音器Y3は省略して、配管53及びバイパスライン60を直接大気中に開放してもよい。また、図1の実施形態では、バイパスライン60は配管53に合流させた上で同一の消音器Y3に接続しているが、図3に示すように、配管53とバイパスライン60とをそれぞれ別の消音器Y3、Y3’に接続するようにしてもよい。
以上のような構成を有するガス精製システムX1(PSA装置Y1および二連型真空ポンプ装置Y2を含む)を使用して、原料ガス(本実施形態では空気)から目的ガス(本実施形態では酸素)を精製することができる。具体的には、PSA装置Y1および二連型真空ポンプ装置Y2の稼動時において、PSA装置Y1における自動弁31a,31b,32a,32b,33a,33b,34aを所定のタイミングで開閉状態を切り替えることによって、システム内にて所望のガスの流れ状態を実現して、PSA装置Y1の吸着塔10A,10Bにて以下のステップ1〜4からなる1サイクルを繰り返し、精製酸素ガスを取得することができる。1サイクル(ステップ1〜4)においては、図4に示すように、吸着塔10A,10Bのそれぞれにて、吸着工程、減圧再生工程、および復圧工程が行われる。
ステップ1では、吸着塔10Aにて吸着工程が行われ、且つ、吸着塔10Bにて減圧再生工程が行われる。ステップ1にて吸着工程が行われる吸着塔10Aは、後述のステップ4(吸着塔10Aでは復圧工程が行われる)を経て塔内が相対的に高圧(大気圧より若干高い約40kPaG:Gはゲージ圧を示し、以下も同じ)の状態にある。そして、ステップ1では、このような吸着塔10Aのガス通過口11側に、原料ブロワ21から、配管31における主幹路31’および分枝路31Aを介して、空気が導入され続け、当該空気中の主に窒素が吸着塔10A内の吸着剤に吸着され、且つ、酸素が富化された精製酸素ガスが吸着塔10Aのガス通過口12側から導出され続ける。精製酸素ガスは、配管32の分枝路32Aおよび主幹路32’を介してタンク22へと導かれて当該タンク22に貯留される。この精製酸素ガスについては、タンク22から所定の装置やプラントに供給し続けてもよい。
これとともに、ステップ1では、後述のステップ3〜4(吸着塔10Bでは吸着工程が行われる)を経た吸着塔10Bにおいて、二連型真空ポンプ装置Y2によって内部が減圧される。具体的には、吸着塔10Bのガス通過口11側と二連型真空ポンプ装置Y2の真空ポンプ40Aの吸気口41側とが配管33を介して連通した状態とされたうえで、二連型真空ポンプ装置Y2によって吸着塔10Bの内部が減圧される。これにより、吸着塔10B内の吸着剤から主に窒素が脱着されて塔外に導出され、当該窒素(オフガス)は、吸着塔10Bのガス通過口11側から配管33における分枝路33Bおよび主幹路33’を介して二連型真空ポンプ装置Y2へと導かれる。吸着塔10B内の吸着剤から窒素が脱着することにより、当該吸着剤は再生されることとなる。このような減圧再生工程の開始時における吸着塔10Bの内部圧力は、例えば約40kPaGである。また、減圧再生工程の終了時における吸着塔10Bの最終到達内部圧力は、ガス温度によって変化するが、例えば、−66〜−72kPaGである。
ステップ2では、吸着塔10Aにてステップ1から引き続き吸着工程が行われ、且つ、吸着塔10Bにて復圧工程が行われる。ステップ2では、具体的には、ステップ1から引き続き、原料ブロワ21から吸着塔10Aのガス通過口11側に空気が供給され続け、吸着塔10Aのガス通過口12側から精製酸素ガスが導出され続ける。精製酸素ガスの一部は、タンク22に導入されて貯留される。精製ガスの他の一部は、配管34を介して吸着塔10Bのガス通過口12側に導かれる。ステップ2では、吸着塔10Bのガス通過口12側から精製酸素ガスが導入されることにより、吸着塔10Bの内部圧力が回復される(即ち、吸着塔10B内が相対的に高圧(例えば大気圧から約40kPaGの圧力)の状態に復帰させられる。
ステップ3〜4では、ステップ1〜2で吸着塔10Aにおいて行われたのと同様に、吸着塔10Bにおいて吸着工程が行われる。したがって、ステップ3〜4では、吸着塔10Bのガス通過口12側から精製酸素ガスが導出され続け、この精製酸素ガスは、タンク22に導入されて貯留される。これとともに、ステップ3〜4では、ステップ1〜2で吸着塔10Bにおいて行われたのと同様に、吸着塔10Aにおいて、減圧再生工程(ステップ3)および復圧工程(ステップ4)が行われる。ステップ3における吸着塔10Aの減圧再生工程では、吸着塔10Aのガス通過口11側と二連型真空ポンプ装置Y2の真空ポンプ40Aの吸気口41側とが配管33を介して連通した状態とされたうえで、二連型真空ポンプ装置Y2によって吸着塔10Aの内部が減圧され、これにより、吸着塔10A内の吸着剤から主に窒素が脱着されて塔外に導出され、当該窒素(オフガス)は、吸着塔10Aのガス通過口11側から配管33における分枝路33Aおよび主幹路33’を介して二連型真空ポンプ装置Y2へと導かれる。吸着塔10A内の吸着剤から窒素が脱着することにより、当該吸着剤は再生されることとなる。
以上のようにして、ガス精製システムX1からは、空気を原料として精製酸素ガスを取得し続けることができる。このようなガス精製システムX1において、二連型真空ポンプ装置Y2については、具体的には以下のように稼動させる。
上述のステップ1(吸着塔10Bでは減圧再生工程が行われている)においては、PSA装置Y1の吸着塔10Bのガス通過口11側と、二連型真空ポンプ装置Y2の真空ポンプ40Aの吸気口41側とが、配管33を介して連通している状態にあり、モータ51によって真空ポンプ40A,40B(連結ライン52を介して直列に接続されている)が駆動されて、吸着塔10Bの内部が減圧される。二連型真空ポンプ装置Y2におけるバイパスライン60の開閉弁61は、このステップ1(減圧再生工程)の開始時においては吸気口41の近傍における配管33の内部圧力は大気圧より若干高い圧力にあり(吸着塔10Bにおける吸着圧力が例えば40kPaGであるため)、連結ライン52の内部も大気圧以上となっている。そのため、PSA装置Y1の吸着塔10Bにおける減圧再生工程の開始直後には、吸着塔10Bからのオフガスは、二連型真空ポンプ装置Y2において、真空ポンプ40Aを通過した後、一部が真空ポンプ40Bを通過し、一部がバイパスライン60を通過し、消音器Y3を通じて外部へ排出される。
また、ステップ1にある吸着塔10B(減圧再生工程が行われている)からのオフガスを吸引し続ける真空ポンプ40Aからの排気量は、吸着塔10Bと連結されている真空ポンプ40Aの吸気口41の側の圧力(即ち、二連型真空ポンプ装置Y2の入口圧力)に応じて変化する。具体的には、当該減圧再生工程が進行するほど、吸着塔10Bの内部圧力は小さくなり(従って、真空ポンプ40Aの吸気口41側圧力も小さくなり)、それに応じて真空ポンプ40Aからの排気量は減少していく。
ステップ1にある吸着塔10Bからのオフガスを吸引し続ける真空ポンプ40Aからのこのような排気量のうち、真空ポンプ40Bの排気量を超える流量のガスは、真空ポンプ40Bにとっての過剰ガスである(上述のように、真空ポンプ40Bの排気量は、真空ポンプ40Aの排気量より小さい)。真空ポンプ40Bにとっての過剰ガスは、吸着塔10Bの減圧再生工程(ステップ1)の開始時からある期間だけ存在する。減圧再生工程にて吸着塔10Bの内部圧力が小さくなると、真空ポンプ40Aの吸気口41側圧力も同様に小さくなる。それに応じて真空ポンプ40Aからの排気量は真空ポンプ40Bの吸気量に一致するまで減少し続ける。減圧再生工程における真空ポンプ40Aの吸気口41側の圧力変化は、ガス温度によって図8に示されるようになる。すなわち、ガス温度が高くなると吸着剤のガス吸着量が減少するため、第1真空ポンプ40Aの吸気口41(二連型真空ポンプ装置Y2の入口)側圧力は減圧再生時間の中で早く降下し、ガス温度が低くなると吸着剤のガス吸着量が増加するため、この圧力の降下は遅くなる。
一方、二連型真空ポンプ装置Y2の排気量特性として、図5に吸気口圧力と見掛け排気量(標準状態に換算しない排気量をいい、標準状態に換算した排気量をいう場合には、標準状態を表す“N”の表示を付加する)、および所要動力の最適な関係を表わした。この関係はガス温度には影響を受けず、第1真空ポンプ40Aと第2真空ポンプ40Bの連結ライン52内の圧力が大気圧以下となる点は吸気口41での圧力がほぼ−42kPaG付近で移動せず、排気ガスの温度が変わり吸着剤の吸着ガス量が変化しても変わることはない。従って、気流振動のない吸気口41側近傍に圧力検出器80を設置し、予め第1真空ポンプ40Aと第2真空ポンプ40Bの連結ライン52内の圧力が大気圧以上となったり大気圧以下となったりするときの変化点に達するときの、入口圧力値(例えば−42kPaG)を設定しておけば第1真空ポンプ40Aと第2真空ポンプ40Bを常に無駄のない組み合わせで運転し、二連型真空ポンプ装置Y2として最小の所要動力運転を行うことができる。
二連型真空ポンプ装置Y2においては、吸着塔10Bの減圧再生工程の開始時から過剰ガスの存在する期間中(即ち、真空ポンプ40Aからの排気量が真空ポンプ40Bの排気量を超えているとき)には、吸気口41側の圧力が圧力検出器80の圧力設定値(例えば、−42kPaG)より高いことを検出し、バイパスライン60の開閉弁61を開状態として、当該過剰ガスが連結ライン52からバイパスライン60に流入するようにガス流れを制御する。また、この圧力が圧力検出器80の上記圧力設定値となったとき、即ち、真空ポンプ40Aからの排気量が漸減して真空ポンプ40Bの排気量に等しくなったとき、バイパスライン60の開閉弁61を閉状態として両真空ポンプ40A,40Bを完全直列状態とする。吸着塔10Bの減圧再生工程の開始時から過剰ガスが生じている期間中にあっては、当該過剰ガスは、連結ライン52からバイパスライン60に流入した後、バイパスライン60内において、バッファー管Z1を通過し、続いて開閉弁61を通過し、その後に端部E5とE7を介して消音器Y3(または図3の別個の消音器Y3’)に導入され、当該過剰ガスは消音器Y3を介してガス精製システムX1外に排気される。これとともに、過剰ガスが生じている状態にあっては、連結ライン52を介して真空ポンプ40Aと連結されている真空ポンプ40Bの排気口42からも所定量のガスが排出される(但し、この場合は、実質的な減圧の仕事は前段の真空ポンプ40Aのみにて行われており、後段の真空ポンプ40Bは減圧に実質的に関与していない)。真空ポンプ40Bの排気口42は、配管53を介して端部E7に連結されており、真空ポンプ40Bからの排出ガスも、端部E7を介して消音器Y3に導入され、当該ガスは消音器Y3を介してガス精製システムX1外に排気される。一方、吸着塔10Bの減圧再生工程において過剰ガスが生じていない状態にあっては、完全直列状態にある真空ポンプ40A,40Bが協働して減圧対象容器たる吸着塔10Bの内部を減圧し、真空ポンプ40Bから所定量のガスが排出される。このガスは、配管53および端部E7を介して消音器Y3に導入される(そして、当該ガスは消音器Y3を介してガス精製システムX1外に排気される)。このとき、バイパスライン60の開閉弁61は閉状態にあるため、バイパスライン60を通過するガスはない。
上述のステップ1における吸着塔10Bについての減圧再生工程は、以上のように二連型真空ポンプ装置Y2を減圧稼動させることにより、実行する。上述のステップ3における吸着塔10Aについての減圧再生工程も、吸着塔10Bの減圧再生工程に関して上述したのと同様にして二連型真空ポンプ装置Y2を減圧稼動させることにより、実行する。
二連型真空ポンプ装置Y2の減圧稼動時には、上述のように、減圧開始時に開状態にある開閉弁61は、真空ポンプ40Aからの排気量が漸減して真空ポンプ40Bの排気量に一致したときに開状態から閉状態へと吸気口41側の圧力を圧力検出器80にて検出して切り替えられる。このような構成は、減圧工程の後半において真空ポンプ40Aと真空ポンプ40Bが直列に作動し二連型真空ポンプ装置Y2を効率よく稼動させるのに資する。しかも、二連型真空ポンプ装置Y2の所要動力を最小化できる圧力検出器80の設定値は温度変化の影響を殆ど受けないから、減圧開始時からの経過時間を予め設定して開閉弁61の開閉制御を行う場合と比較して、温度変化による所要動力増加の問題は生じない。
また、二連型真空ポンプ装置Y2においては、上述のように、単一のモータ51によって真空ポンプ40Aのロータ40bと真空ポンプ40Bのロータ40bとが連動して回転駆動されるように構成されている。このような構成は、二連型真空ポンプ装置Y2の所要動力を低減するうえで好適である。
次に本発明の実施例について、比較例とともに説明する。但し、比較例は本発明の効果を確認するために出願人が行った実験例であるにすぎず、公知技術に属する技術ではないことに留意すべきである。
〔実施例1〕
二連型真空ポンプ装置Y2の第1真空ポンプ40Aの見掛け排気量を14,800m3/h、第2真空ポンプ40Bの見掛け排気量を14,100m3/hのルーツポンプとして直列に接続し、ガス温度30℃のときに、ガス精製システムX1を使用して、図4に示す吸着工程、減圧再生工程、および復圧工程からなる1サイクル(ステップ1〜4)を吸着塔10A,10Bのそれぞれにて繰り返すことにより、原料ガスたる空気から酸素を取得した。本実施例では、PSA装置Y1の原料ブロア21による空気の供給量は8,300Nm3/h(N:標準状態を表し、以下も同じ)とした。吸着工程にある吸着塔10A、10Bの内部圧力を最大40kPaGとした。また、減圧再生工程にある10A、10Bの内部の減圧再生工程末期圧力は−69kPaGとなり、復圧工程にある吸着塔10A、10Bについては、その内部圧力を大気圧にまで復帰させた。また、吸着塔10A,10Bについての減圧再生工程は、吸気口41側の圧力が圧力検出器80で図5のような特性として、−42kPaGの圧力値に到達したときにバイパス弁61が開から閉となるように設定した。
本実施例の二連型真空ポンプ装置Y2については、具体的には次のように減圧稼動させた。減圧再生工程の開始時から圧力検出器80の指示値がほぼ大気圧から−42kPaGの間、即ち真空ポンプ40Aからの排気量が真空ポンプ40Bの排気量を超えているときには、バイパスライン60の開閉弁61に信号を発信して開状態として、当該過剰ガスが連結ライン52からバイパスライン60に流入するようにガス流れを制御した。そして、真空ポンプ40Aからの排気量が漸減して真空ポンプ40Bの排気量に一致したとき、すなわち圧力検出器80が−42kPaGを示したとき、開閉弁61を開状態から閉状態へと切り替えて両真空ポンプ40A,40Bを完全直列状態としたうえで、二連型真空ポンプ装置Y2の減圧稼動を継続した。その結果真空ポンプの積算平均所要動力は206kwとなった。
〔実施例2〕
二連型真空ポンプ装置Y2の第1真空ポンプ40Aの見掛け排気量を、14,800m3/h、第2真空ポンプ40Bの見掛け排気量を14,100m3/hのルーツポンプとして直列に接続し、ガス温度40℃のときに、ガス精製システムX1を使用して、図4に示す吸着工程、減圧再生工程、および復圧工程からなる1サイクル(ステップ1〜4)を吸着塔10A,10Bのそれぞれにて繰り返すことにより、原料ガスたる空気から酸素を取得した。また、PSA装置Y1の原料ブロア21による空気の供給量は8,300Nm3/hとし、吸着工程にある吸着塔10A、10Bの内部圧力を最大40kPaGとした。減圧再生工程にある10A、10Bの内部の減圧再生工程末期圧力は−72kPaGまで降下した。復圧工程にある吸着塔10A、10Bについては、その内部圧力を大気圧にまで復帰させた。また、吸着塔10A,10Bについての減圧再生工程は、吸気口41側の圧力が圧力検出器80で図4のような特性として、−42kPaGの圧力値に到達したときにバイパス弁61が開から閉となるように設定した。
二連型真空ポンプ装置Y2については、実施例1と同様の操作を行い圧力検出器80が−42kPaGを示したとき、開閉弁61を開状態から閉状態へと切り替えて両真空ポンプ40A,40Bを完全直列状態としたうえで、二連型真空ポンプ装置Y2の減圧稼動を継続した。その結果真空ポンプの積算平均所要動力は213kwとなった。
〔比較例1〕
実施例1と同様に、二連型真空ポンプ装置Y2の第1真空ポンプ40Aの見掛け排気量を14,800m3/hとし、第2真空ポンプの見掛け排気量を14,100m3/hのルーツポンプにして直列に連結し、ガス温度30℃のときに、実施例1と同様の構成を有するガス精製システムX1を使用して、図4に示す吸着工程、減圧再生工程、および復圧工程からなる1サイクル(ステップ1〜4)を吸着塔10A,10Bのそれぞれにて繰り返すことにより、原料ガスたる空気から酸素を取得した。本比較例では、PSA装置Y1の原料ブロア21による空気の供給量は実施例1と同様に8,300Nm3/hとし、吸着工程にある吸着塔10A、10Bの内部圧力を最大40kPaGとした。また、吸着塔10A,10Bについての減圧再生工程では末期圧力は−69kPaGとなった。バイパス弁61の開状態から閉状態への切り替えは図8のように減圧再生時間が7.5秒経過したときにバイパス弁61が開から閉となるように設定した。そのときの吸気口の圧力は−35kPaGを示していた。復圧工程にある吸着塔10A、10Bについては、その内部圧力を大気圧まで復帰させた。
二連型真空ポンプ装置Y2については、具体的には次のように減圧稼動させた。吸気口41の圧力が減圧再生工程の開始時から7.5秒間、ほぼ大気圧から−35kPaGに至る間、バイパスライン60の開閉弁61を開状態として、その後、開閉弁61を強制的に開状態から閉状態へと切り替えて両真空ポンプ40A,40Bを完全直列状態とした上で、二連型真空ポンプ装置Y2の減圧稼動を継続した。その結果、真空ポンプの平均積算所要動力は216kwとなり、吸気口41側の圧力検出器80で制御しない場合より10kw増加した。
なお、この比較例1に対応する吸気口圧力、見掛け排気量及び所要動力の関係を図6のグラフに示している。
〔比較例2〕
実施例2と同様に、二連型真空ポンプ装置Y2の第1真空ポンプ40Aの排気量を14,800m3/hとし、第2真空ポンプの排気量を14,100m3/hのルーツポンプにして直列に連結し、ガス温度40℃のときに、実施例2と同様の構成を有するガス精製システムX1を使用して、図4に示す吸着工程、減圧再生工程、および復圧工程からなる1サイクル(ステップ1〜4)を吸着塔10A,10Bのそれぞれにて繰り返すことにより、原料ガスたる空気から酸素を取得した。本比較例では、PSA装置Y1の原料ブロア21による空気の供給量は実施例2と同様に8,300Nm3/hとし、吸着工程にある吸着塔10A、10Bの内部圧力を最大40kPaGとした。また、吸着塔10A,10Bについての減圧再生工程では末期圧力は−72kPaGとなった。バイパス弁61の開状態から閉状態への切り替えは図8のように減圧再生時間が15秒経過したときにバイパス弁61が開から閉となるように設定した。そのときの吸気口の圧力は−50kPaGを示していた。復圧工程にある吸着塔10A、10Bについては、その内部圧力を大気圧まで復帰させた。
二連型真空ポンプ装置Y2については、具体的には次のように減圧稼動させた。吸気口41の圧力が減圧再生工程の開始時から15秒間、ほぼ大気圧から−50kPaGに至る間、バイパスライン60の開閉弁61を開状態として、その後、開閉弁61を強制的に開状態から閉状態へと切り替えて両真空ポンプ40A,40Bを完全直列状態としたうえで、二連型真空ポンプ装置Y2の減圧稼動を継続した。その結果真空ポンプの平均積算所要動力は224kwとなり、吸気口41側の圧力検出器80で制御しない場合より11kw増加した。
なお、この比較例2に対応する吸気口圧力、見掛け排気量及び所要動力の関係を図7のグラフに示している。
X1, ガス精製システム
Y1 PSA装置
Y2 二連型真空ポンプ装置
Y3 消音器
10A,10B 吸着塔
21 原料ブロワ
22 タンク
40A,40B 真空ポンプ
40a ケーシング
40b ロータ
41 吸気口
42 排気口
51 モータ
52 連結ライン
60 バイパスライン
61 開閉弁
80 圧力検出器
Z1 バッファー管

Claims (6)

  1. 吸気口および排気口を有する容積式の第1真空ポンプと、
    吸気口および排気口を有する第2真空ポンプと、
    前記第1真空ポンプの前記排気口および前記第2真空ポンプの前記吸気口の間を連結する連結ラインと、
    前記連結ラインに接続された第1端部およびガス導出用の第2端部を有するバイパスラインと、
    前記バイパスラインにおける前記第1端部および前記第2端部の間に配置された開閉弁と、
    前記第1真空ポンプの前記吸気口の近傍の圧力を検出する圧力検出器と、を備え、
    前記開閉弁を前記圧力検出器に連動させるように構成した、二連型真空ポンプ装置。
  2. 前記第1真空ポンプの前記排気口からの排気量が前記第2真空ポンプの排気量に一致したことを示す圧力値を前記圧力検出器が検出したときに、前記開閉弁は開状態から閉状態へと切り替えるように構成されている、請求項1に記載の二連型真空ポンプ装置。
  3. 前記開閉弁は、前記第1真空ポンプの吸気口近傍におけるガス温度が高いときには相対的に早く開状態から閉状態へと切り替わり、当該ガス温度が低いときには相対的に遅く切り替わる、請求項1に記載の二連型真空ポンプ装置。
  4. 前記第1および第2真空ポンプは、それぞれ、ケーシングと当該ケーシング内のロータとを有するルーツポンプであり、単一のモータによって前記第1真空ポンプの前記ロータと前記第2真空ポンプの前記ロータとが連動して回転駆動されるように構成されている、請求項1〜3のいずれか一つに記載の二連型真空ポンプ装置。
  5. 圧力変動吸着法を利用してガスを精製するための吸着剤が内部に充填された吸着塔と、前記吸着塔の内部を減圧するための、請求項1〜4のいずれか一つに記載の二連型真空ポンプ装置と、を備えるガス精製システム。
  6. 請求項1〜4のいずれか一つに記載の二連型真空ポンプ装置の制御方法であって、
    前記圧力検出器により前記第1真空ポンプの前記吸気口の近傍の圧力を検出し、
    前記圧力検出器により検出した圧力が、前記第1真空ポンプの前記排気口からの排気量が前記第2真空ポンプの排気量に一致したことを示す値になったときに、前記開閉弁を開状態から閉状態へと切り替えるようにした、二連型真空ポンプ装置の制御方法。
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