JP2006015221A - 気体分離装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 起動時等に貯留タンク内の製品ガス濃度を短時間で高める。
【解決手段】 圧縮機3にはドライヤ5等を介して吸着槽1,2を接続し、圧縮機3から吐出した圧縮空気を吸着槽1,2を用いて酸素と窒素とに分離する。また、吸着槽1,2の下流側には窒素槽22を接続し、窒素槽22内に吸着槽1,2から吐出された窒素ガスを貯留すると共に、窒素槽22内の窒素濃度を濃度センサ30等によって検出する。さらに、窒素槽22には窒素濃度に応じて開閉する製品ガス取出弁34と排出弁36とを接続すると共に、排出弁36は、リターン配管37を用いて圧縮機3の吸込口3Aに接続する。これにより、窒素槽22から排出される窒素ガスを再使用することができ、窒素ガスの生成効率を高めて、起動時等の排出弁36の開弁時間を短縮することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は気体分離装置に係り、特にPSA式(Pressure Swing Absorption)の気体分離装置に関し、例えば窒素発生装置または酸素発生装置として用いて好適な気体分離装置に関する。
一般に、PSA式気体分離装置は、分子ふるいカーボンやゼオライトなどからなる吸着剤を用いて空気を窒素ガスと酸素ガスに分離し、いずれか一方を製品ガスとして取り出し、使用するものである(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−117330号公報
このような特許文献1による気体分離装置は、例えば窒素ガスを製品ガスとして生成する場合には、(a)吸着工程:吸着剤が充填された吸着槽に圧縮機により圧縮された圧縮空気を導入すると共に、製品タンク内に残存する窒素ガスを吸着槽に還流して吸着槽内を昇圧させ圧力を利用して吸着剤に酸素分子を吸着させる工程、(b)取出工程:吸着工程から引続き、圧縮機から圧縮空気を吸着槽に導入し続けると同時に、吸着剤により分離生成された窒素ガスを吸着槽より取り出す工程、(c)均圧工程:取出工程終了後の吸着槽に残存する窒素濃度の高い残留ガスを吸着工程前の他の吸着槽に供給して各吸着槽間の圧力を均圧化を図り、次回の吸着工程の吸着効率を高めて、より高純度の窒素ガスを生成するための工程、(d)再生工程:均圧工程終了後の吸着槽内を大気解放または真空ポンプで減圧して吸着剤に吸着された酸素分子を脱着することにより吸着剤を再生する工程、が順次行われる。そして、これらの各工程(a)〜(d)を各吸着槽毎に繰返し行い、窒素ガスを分離生成すると共に、各吸着槽から吐出された窒素ガスは貯留タンク内に貯留させる。
また、特許文献1の気体分離装置では、貯留タンク内の窒素ガスの濃度を検出する濃度計(濃度センサ)が設けられていた。そして、濃度センサにより検出した値が所定濃度の設定値を超えた場合には、貯留タンクに接続された製品ガス取出弁を開弁して外部の被供給機器に窒素ガスを供給するのに対し、濃度センサにより検出した値が設定値を超えない場合には、貯留タンクに接続された排出弁を開弁し、低濃度の窒素ガスを大気中に排出する構成となっていた。
また、他の従来技術として、再生工程において吸着槽内から排出されるガス中の酸素ガス濃度を検出し、酸素ガス濃度が大気中よりも低下して窒素ガス濃度が高まったときに吸着槽内から排出されるガスを圧縮機の吸込口に供給する構成も知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平1−317521号公報
ところで、上述した特許文献1の気体分離装置では、例えば最初の運転時のように貯留タンク内に空気が収容されていた場合や、長時間に亘る装置の停止によって貯留タンク内の圧力が低下していた場合等には、貯留タンク内の低濃度のガスを高濃度のガスで置換する必要がある。このため、装置の起動時に貯留タンクから例えば99.9%程度の所定濃度の窒素ガスが吐出されるようになるには、例えば50分程度の長時間が必要となっていた。
一方、特許文献2の気体分離装置では、再生工程で吸着槽内から排出されるガスのうち窒素濃度が高いものを圧縮機の吸込口に供給して再使用している。このため、特許文献1の従来技術に比べて、窒素ガスの生成効率を高めることができ、貯留タンク内の窒素ガス濃度が高まるまでに必要な時間を短縮することができる。しかし、特許文献2の気体分離装置では、再生工程に吸着槽内から排出されるガスを圧縮機の吸込口に供給するために、当該ガスの窒素濃度を検出する必要がある。このため、貯留タンク内の窒素ガス濃度を検出するのに加えて、吸着槽内から排出されるガスの窒素ガス濃度をも検出する必要があるから、高価な濃度計を2個設けなればならず、製造コストが上昇するという問題がある。また、シーケンサ等を用いて制御を行っているため、装置全体が大型化する傾向がある。
また、再生工程では吸着剤に吸着していた酸素ガスが排出されるから、再生工程で吸着槽内から排出されるガスのうち窒素濃度が高いものは短時間(少量)しか吐出されない。このため、装置の起動時等には窒素ガスの生成効率は必ずしも十分には高めることができず、起動時間の短縮効果が少ないという問題もある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、起動時等に貯留タンク内の製品ガス濃度を短時間で高めることができる気体分離装置を提供することにある。
上述した課題を解決するために本発明は、空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機により生成された圧縮空気内の水分を除去するドライヤと、内部に吸着剤が充填され該ドライヤから吐出された乾燥した圧縮空気のうち一の気体を分離して他の気体を製品ガスとして生成する吸着槽と、該吸着槽により生成された製品ガスを貯留する貯留タンクと、該貯留タンク内の製品ガスの濃度を検出する濃度センサと、該濃度センサにより検出した値が設定値を超えた場合に開弁し前記貯留タンク内の製品ガスを外部に取り出す製品ガス取出弁と、前記濃度センサにより検出した値が設定値を超えない場合に開弁し前記貯留タンク内の製品ガスを排出する排出弁とからなる気体分離装置に適用される。
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記排出弁と圧縮機の吸込口との間を接続し、前記排出弁により排出された製品ガスを前記圧縮機の吸込口に戻すリターン流路を設ける構成としたことにある。
請求項1の発明によれば、排出弁と圧縮機の吸込口との間にはリターン流路を設けたから、該リターン流路を用いて排出弁により排出された製品ガスを圧縮機の吸込口に戻すことができる。このとき、排出弁から排出された製品ガスは、所望の濃度よりも低いものの、大気中の製品ガスの濃度よりは高くなっている。このため、排出弁から排出された製品ガスを圧縮機の吸込口に供給して再使用することによって、製品ガスの生成効率を高めることができ、起動時等に貯留タンク内の製品ガス濃度を設定値まで高めるまでの時間を短縮することができる。
また、リターン流路は排出弁と圧縮機の吸込口との間に接続するだけで構成できるから、構造を簡略化して小型化することができる。さらに、濃度センサは貯留タンク内の製品ガスの濃度を検出するだけで足りるから、濃度センサは1個だけ設ければよい。また、排気弁から大気中に製品ガスを排出することがないから、排気弁にサイレンサ(消音器)を設ける必要がなく、製造コストを低減することができる。
特に、排出弁から排出される製品ガスは、吸着槽内の吸着剤に接触して生成されているから、再生工程で吸着槽から排出されるガス(脱着ガス)に比べて、含まれる水分量が少ない。そして、圧縮機は排出弁から排出される製品ガスを圧縮するから、圧縮効率を向上できるのに加えて、ドライヤの負荷低減、吸着剤の吸着効率の向上が可能となる。
以下、本発明の実施の形態による気体分離装置をPSA式窒素発生装置に適用した場合を例に挙げて、添付図面を参照して詳細に説明する。
図において、1,2は第1,第2の吸着槽で、各吸着槽1,2内にはそれぞれ吸着剤としての分子ふるいカーボン1A,2Aが充填されている。
3は圧縮空気供給源となる圧縮機で、圧縮機3は例えば電動モータ4等によって駆動し、吸込口3Aから吸込んだ空気を圧縮して圧縮空気を生成する。そして、圧縮機3は、後述のドライヤ5等を介して空気槽7に接続され、空気槽7に圧縮空気を供給する。
5は圧縮機3の吐出口3Bに接続された除湿手段をなす例えば冷凍式のドライヤで、該ドライヤ5にはその内部に溜まった水分を排出するためのドレン排出弁5Aが設けられると共に、ドライヤ5の吐出側はエアフィルタ6を介して空気槽7に接続されている。そして、ドライヤ5は、圧縮機3と空気槽7との間に位置して圧縮機3により生成された圧縮空気中の水分を除去して、乾燥した圧縮空気を空気槽7に供給している。
7は圧縮空気を貯留する空気槽(空気タンク)で、該空気槽7は、上流側がドライヤ5を介して圧縮機3に接続されると共に、下流側が配管8,9を介して吸着槽1,2に接続されている。また、配管8,9の途中には電磁弁からなる遮断手段としての空気供給弁10,11が設けられている。そして、空気供給弁10,11が交互に開弁、閉弁することによって、空気槽7は、圧縮空気を吸着槽1,2にそれぞれ交互に供給している。
12,13は吸着剤から酸素分子を脱着させる時に吸着槽1,2からの気体(ガス)を排出する配管で、排気音を下げるサイレンサ14に接続されている。そして、配管12,13の途中にはそれぞれ吸着槽1,2内の脱着排ガスを半サイクル(一方の吸着槽が吸着工程から均圧工程まで)毎に交互に排出する電磁弁からなる排ガス排気弁15,16が設けられている。
17,18は吸着槽1,2から製品ガスとしての窒素ガスをそれぞれ取り出す取出配管で、該取出配管17,18は他の取出配管19に連結されている。また、取出配管17,18の途中には半サイクルの間だけ後述の制御回路100の制御の下に交互に開弁する電磁弁からなる取出弁20,21がそれぞれ設けられている。一方、取出配管19は後述の窒素槽22に接続されている。
22は取出配管19に接続された貯留タンクとしての窒素槽で、該窒素槽22は、吸着槽1,2により生成された製品ガスとしての窒素ガスを貯留し、後述の製品ガス取出配管28を介して外部の被供給機器(図示せず)に向けて窒素ガスを供給する。
23,24は吸着槽1,2間を連通する配管で、各配管23,24に吸着槽1,2の上流側と下流側との両端にそれぞれ配置されている。また、配管23は、配管8,9間を接続すると共に、その途中には電磁弁からなる下均圧弁25が設けられている。一方、配管24は、取出配管17,18間を接続すると共に、その途中には電磁弁からなる上均圧弁26が設けられている。そして、これらの均圧弁25,26は吸着槽1,2による半サイクルの終了間際に所定の数秒だけ弁し、吸着槽1,2間を均圧にする(均圧工程)。なお、配管24には、絞り27が並列接続されている。
28は窒素槽22に接続された製品ガス取出配管で、該製品ガス取出配管28は、その途中にフィルタレギュレータ29と後述の製品ガス取出弁34とが設けられると共に、外部の被供給機器(図示せず)に接続されている。
30は後述の窒素ガス濃度検出回路102と共に窒素槽22内の窒素ガスの濃度を検出する濃度センサで、該濃度センサ30は、例えば酸素センサによって構成され、製品ガス取出配管23から分岐した分岐配管31に接続されると共に、分岐配管31の途中には電磁弁からなる濃度検出弁32と流量調整弁33とが設けられている。ここで、濃度検出弁32は、窒素槽22内の気体が濃度センサ30に供給可能となるように、装置の作動中は常時開弁している。そして、濃度センサ30は、窒素槽22内の酸素濃度に応じた酸素ガス濃度測定信号を出力する。
34は分岐配管31よりも下流側に位置して製品ガス取出配管28の途中に設けられた電磁弁からなる製品ガス取出弁で、該製品ガス取出弁34は、流量調整弁35を介して外部の被供給機器(図示せず)に接続されている。そして、製品ガス取出弁34は、後述の制御回路100を用いて開弁、閉弁が制御され、濃度センサ30等により検出した値(窒素ガス濃度)が例えば99.9%程度の設定値を超えた場合に開弁して窒素槽22内の窒素ガスを外部に取り出し可能とし、設定値を超えない場合には閉弁する。
36は製品ガス取出配管23より分岐した後述のリターン配管37の途中に設けられた電磁弁からなる排出弁で、該排出弁36は、後述の制御回路100を用いて開弁、閉弁が制御され、濃度センサ30により検出した値(窒素ガス濃度)が例えば99.9%程度の設定値を超えない場合に開弁して窒素槽22内の窒素ガスを外部に排出し、設定値を超えた場合には閉弁する。
37は製品ガス取出配管28より分岐したリターン流路としてのリターン配管で、該リターン配管37は、製品ガス取出弁34よりも上流側に位置して、分岐配管31と同様に製品ガス取出配管28のうち窒素槽22と製品ガス取出弁34との間から分岐している。また、リターン配管37は、その先端が圧縮機3の吸込口3Aに接続されると共に、その途中には、排出弁36と窒素ガスの排出量を一定に保つ可変の流量調整弁38とが設けられている。これにより、リターン配管37は、排出弁36と圧縮機3の吸込口3Aとを接続し、排出弁36により排出された設定値よりも低濃度の窒素ガス(製品ガス)を圧縮機3の吸込口3Aに向けて戻している。
次に、制御回路100について説明する。制御回路100は、空気供給弁10,11、排ガス排気弁15,16、取出弁20,21、均圧弁25,26を開閉制御して窒素ガスを生成するための弁制御回路101と、濃度センサ30から出力される酸素ガス濃度測定信号が入力され、該酸素ガス濃度測定信号の値を用いて窒素層22内の窒素ガス濃度を検出する窒素ガス濃度検出回路102と、該窒素ガス濃度検出回路102から出力された窒素ガス濃度の検出値に基づいて製品ガス取出弁34、排出弁36を開閉制御して窒素ガスの戻りを制御するリターン制御回路103とによって構成されている。
ここで、弁制御回路101の動作について説明すると、弁制御回路101は、窒素発生装置を起動することにより、各電磁弁の開閉を制御し、窒素ガス(製品ガス)の発生を行う。
具体的には、最初に、第2の吸着槽2では、吸着工程、取出工程、均圧工程が実行されるのに対し、第1の吸着槽1では、第2の吸着槽2が吸着工程、取出工程を行っている間に再生工程が実行され、再生工程の終了後に第2の吸着槽2との均圧工程が実行される。
そして、第2の吸着槽2の吸着工程では、第2の吸着槽2側の空気供給弁11、取出弁21を開弁する。これにより、第2の吸着槽2に原料気体としての圧縮空気が圧縮機3より供給されると共に、窒素槽22内の窒素ガスが取出配管18,19を逆流して上部(下流側)より吸着槽2内に還流する。これにより、第2の吸着槽2は圧縮機3からの圧縮空気と窒素槽22内の窒素ガスとの上・下方向から流入したガスにより昇圧状態にあり、分子ふるいカーボン2Aに酸素が吸着される。
一方、第1の吸着槽1では再生工程が実行され、排ガス排気弁15の開弁により減圧状態にあり、吸着していた酸素が脱着して排出されている。
次に、第2の吸着槽2の取出工程では、第2の吸着槽2側の空気供給弁11および取出弁21を吸着工程に引続き開弁したままで、圧縮空気を第2の吸着槽2に供給し続けるため、第2の吸着槽2内の圧力が窒素槽22内の圧力より高くなり、第2の吸着槽2内の窒素ガスが取り出される状態となる。このとき、第1の吸着槽1は排ガス排気弁15が開弁した減圧状態の再生工程のままである。
次に、均圧工程では、均圧弁25,26を開弁すると共に空気供給弁11、取出弁21、排ガス排気弁15を閉弁する。これにより、吸着槽1,2と圧縮機3との間が遮断されると共に、吸着槽1,2と窒素槽22との間が遮断され、吸着槽1,2の間が連通する。この結果、第2の吸着槽2内に残存する窒素ガスは第1の吸着槽1に回収され、各吸着槽1,2の圧力は均圧となる。
以上により、1サイクルのうちの前半のサイクルが終了したことになり、空気供給弁10、取出弁20、排ガス排気弁16を開弁することによって、後半のサイクルに切替り、これらの工程を繰り返す。そして、この後半のサイクルにおいて、第1の吸着槽1では吸着工程、取出工程、均圧工程を行うのに対し、第2の吸着槽2では、第2の吸着槽2が吸着工程、取出工程を行っている間に再生工程が実行され、再生工程の終了後に第1の吸着槽1との均圧工程が実行される。
以上のように、弁制御回路101は上記サイクルを繰り返すことにより、圧縮機3より供給される原料気体を吸着槽1,2内で窒素ガスとそれ以外のガス(酸素ガス)とに分離し、吸着槽1,2で分離された窒素ガスを窒素槽22内に貯留させる。
次に、リターン制御回路103について説明すると、リターン制御回路103は、窒素発生装置の起動時には製品ガス取出弁34には開弁信号を出力せず、製品ガス取出弁34を閉弁させた状態で排出弁36に開弁信号を出力する。このとき、窒素ガス濃度検出回路102は濃度センサ30からの酸素ガス濃度測定信号を用いて窒素槽22内の製品ガスの窒素濃度を測定する。そして、リターン制御回路103は、窒素槽22内の窒素濃度が予め決められた所定の設定値(例えば99.9%)を超えるまでの間は、排出弁36を開弁させて窒素槽22内の窒素濃度の低い窒素ガスをリターン配管37を通じて圧縮機3の吸込口3Aに供給する。このとき、窒素槽22内の空気はリターン配管37を通じ排出され、窒素槽22内には吸着槽1,2から高濃度の窒素ガスが供給される。これにより、窒素槽22内の窒素濃度が徐々に高まるから、リターン制御回路103は、窒素槽22内の窒素濃度が所定の設定値を超えると、排出弁36を閉弁すると共に、製品ガス取出弁34を開弁させる。この結果、製品ガス取出配管28に接続された外部の被供給機器(図示せず)には高濃度の窒素ガスが供給される。
ここで、リターン配管37による起動時間の短縮効果について検討する。窒素槽22内に空気が充填されていた状態で、nサイクル目の窒素槽22内の酸素濃度をC(n)とする。このとき、酸素濃度C(n)は装置の運転時間に対応したサイクル回数nに対して図2のような関係となり、nの時間が微小であれば以下の数1のような関係となる。但し、C(n-1)は1サイクル前の酸素濃度を示し、aは正の値の係数である(a>0)。
Figure 2006015221
ここで、係数aは、吸着槽1,2内での酸素の吸着効率、圧力、温度等によって変化するが、これらを一定と考えた場合、本実施の形態では、以下の数2によって算出される原料空気(圧縮機3の吸込口3Aから吸込む空気)の酸素濃度C(air)に依存すると考えられる。
Figure 2006015221
但し、99.9%の窒素濃度ガスを取り出す場合で、Qinは、圧縮機3の吐出空気量であると同時に圧縮機3の吸気空気量を示し、例えば400[L/min]程度の値となる。また、Qoutはリターン配管37を通じて排出され、圧縮機3に再び吸気される空気量を示し、例えば100[L/min]程度の値となる。さらに、QinとQoutとの差(Qin−Qout)はリターン配管37から戻る以外に新たに吸気される外部の空気量を示し、例えば300[L/min]程度の値となる。
特許文献1のように吸気に窒素槽22内の窒素ガスを戻さない場合には、数2のC(air)は空気中の酸素濃度である20%でほぼ一定となる。これに対し、本実施の形態では、圧縮機3の吸込口3Aに窒素槽22内の窒素ガスを戻すから、C(air)は最初の20%から最終的にはC(n-1)がほぼ0%となるときの値(例えば15%)に減少して収束する。このため、数1中の係数aは以下の数3で表すことができる。
Figure 2006015221
ここで、吸気空気の酸素濃度が0%だった場合は係数aは定数eと一致するが(a=e)、係数aが正の値となるため、定数eも正の値となる(e>0)。また、C(air)が正の値となるから(C(air)>0)、dも正の値となる(d>0)。この結果、C(air)が減少するに従って係数aの値も減少するから、図3中に実線で示すように、酸素濃度C(n)は、特許文献1のようにC(air)が20%で一定の場合(図3中の点線参照)に比べて短時間で減少し、より早く純度の高い窒素ガスを取り出すことが可能となる。
例えば、窒素濃度99.9%の窒素ガスを7.2m3/hで吐出できる装置の場合、装置の起動から所望の濃度となった窒素ガスが取出し可能となる時間は、リターン配管37を設けないときには50分程度となるのが、本実施の形態のようにリターン配管37を設けたときには40分程度となった。これにより、起動時間が約25%短縮できることが確認された。
かくして、本実施の形態では、排出弁36と圧縮機3の吸込口3Aとの間にはリターン配管37を設けたから、該リターン配管37を用いて排出弁36により排出された窒素ガスを圧縮機3の吸込口3Aに供給することができる。このとき、排出弁36から排出された窒素ガスは、所望の濃度よりも低いものの、大気中の窒素ガスの濃度よりは高くなっている。このため、排出弁36から排出された窒素ガスを圧縮機3の吸込口3Aに供給して再使用することによって、窒素ガスの生成効率を高めることができ、起動時等に窒素槽22内の窒素ガス濃度を設定値まで上昇させる時間を短縮することができる。
また、リターン配管37は排出弁36と圧縮機3の吸込口3Aとの間に接続するだけで構成できるから、構造を簡略化して小型化することができる。さらに、濃度センサ30は窒素槽22内の窒素ガスの濃度を検出するだけで足りるから、濃度センサ30は1個だけ設ければよい。また、排出弁36から大気中に窒素ガスを排出することがないから、排出弁36にサイレンサを設ける必要がなく、製造コストを低減することができる。
特に、本実施の形態では、排出弁36から排出される窒素ガスは、吸着槽1,2内の吸着剤に接触して生成されているから、特許文献2のように再生工程で吸着槽1,2から排出されるガス(脱着ガス)に比べて、含まれる水分量が少ない。そして、圧縮機3は排出弁36から排出される窒素ガスを圧縮するから、圧縮効率を向上できるのに加えて、ドライヤの負荷低減、吸着剤の吸着効率の向上が可能となる。
なお、前記実施の形態では、空気供給弁10,11、排ガス排気弁15,16、取出弁20,21、均圧弁25,26、製品ガス取出弁34、排出弁36は電磁弁を用いて構成するものとした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば空気槽7内の空気圧を利用して開閉する空圧制御弁を用いて構成してもよい。
また、前記実施の形態では、ドライヤに冷凍式ドライヤを用いて説明したが、これに限ることはなく、圧縮空気の水分を除湿することができれば乾燥剤などを利用したドライヤでも良い。
また、前記実施の形態では、一対の吸着槽1,2を有するPSA式窒素発生装置を用いて説明したが、これに限ることはなく、圧縮機と吸着槽の間を遮断する遮断手段を有していれば単一および2つ以上の吸着槽を有していても良い。
また、前記実施の形態では、リターン流路としてリターン配管37を用いるものとしたが、例えば装置全体を取囲むケーシング中に貫通して設けた通路等を用いてリターン流路を形成してもよい。
さらに、前記実施の形態では、気体分離装置として窒素ガスを発生させる窒素発生装置を例に挙げて説明したが、例えば酸素ガスを発生させる酸素発生装置に適用してもよいものである。
本発明の実施の形態による気体分離装置を示す全体構成図である。 窒素槽内の酸素濃度とサイクル回数との関係を示す特性線図である。 窒素槽内の酸素濃度の時間変化を示す特性線図である。
符号の説明
1,2 吸着槽
3 圧縮機
3A 吸込口
5 ドライヤ
22 窒素槽(貯留タンク)
30 濃度センサ
34 製品ガス取出弁
36 排出弁
37 リターン配管(リターン流路)

Claims (1)

  1. 空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機により生成された圧縮空気内の水分を除去するドライヤと、内部に吸着剤が充填され該ドライヤから吐出された乾燥した圧縮空気のうち一の気体を分離して他の気体を製品ガスとして生成する吸着槽と、該吸着槽により生成された製品ガスを貯留する貯留タンクと、該貯留タンク内の製品ガスの濃度を検出する濃度センサと、該濃度センサにより検出した値が設定値を超えた場合に開弁し前記貯留タンク内の製品ガスを外部に取り出す製品ガス取出弁と、前記濃度センサにより検出した値が設定値を超えない場合に開弁し前記貯留タンク内の製品ガスを排出する排出弁とからなる気体分離装置において、
    前記排出弁と圧縮機の吸込口との間を接続し、前記排出弁により排出された製品ガスを前記圧縮機の吸込口に戻すリターン流路を設けたことを特徴とする気体分離装置。
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