JP2012077661A - 可変容量タービン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ノズルマウントおよびノズルプレートによって形成される流体空間と、流体空間に、周方向に間隔を空けて流体空間を区切るように配置され、それぞれノズルマウントに自転可能に軸支持されている複数のノズルベーン27と、を備え、隣り合うノズルベーン27で形成される流路断面積を開閉して流出する流体の流量が調整できる可変容量タービンであって、ノズルプレートには、ノズルベーン27が閉じた位置におけるノズルベーン27の前縁40側と隣り合うノズルベーン27の後縁42側との間を覆うように、少なくともノズルベーン27の端面位置よりもノズルベーン27側に突出したプレート突起部41が備えられている。
【選択図】図2
Description
円板間の流路には、作動流体を加速する複数のノズルベーンが周方向に間隔を空けて配置されている。
可変容量ラジアルタービンは、このノズルベーンをノズルマウントに軸支させ、この軸回りに自転させて、隣り合うノズルベーンで形成されるスロート空間を開閉して流出する流体の流量、速度等が調整できるものである。
この隙間は、流体の漏れ流路となるので、可変容量ラジアルタービンの効率を低下させる。この低下は、特に、小流量であるノズルベーンが閉じた状態のときに影響が大きくなる。
これは、ノズルベーンが閉じた位置におけるノズルベーンの前縁側と隣り合うノズルベーンの後縁側に板状の突起部を設け、隙間からの流体の漏れを抑制するようにしたものである。
特許文献1に示されるものでは、板状の突起部によって流体の漏れは抑制できるが、スロート幅に対する影響は小さく、ウェイクの発生に対する考慮がなされていないので、可変容量ラジアルタービンの性能低下が避けられないという課題がある。
すなわち、本発明の一態様は、間隔を空けて対向して配置された環状の一対の対向面によってドーナツ形状に形成され、外周側から流入する流体を内周側に流出させる流体空間と、該流体空間に、周方向に間隔を空けて該流体空間を区切るように配置され、それぞれ一方の前記対向面に自転可能に軸支持されている複数のノズルベーンと、を備え、該ノズルベーンを前記軸回りに自転させて隣り合う該ノズルベーンで形成されるスロート空間を開閉して流出する流体の流量が調整できる可変容量タービンであって、一対の前記対向面の内、少なくとも一方の前記対向面には、前記ノズルベーンが閉じた位置における前記ノズルベーンの前縁側と隣り合う前記ノズルベーンの後縁側との間を覆うように、少なくとも前記ノズルベーンの端面位置よりも前記ノズルベーン側に突出した突起部が備えられている可変容量タービンである。
また、突起部は、ノズルベーンが閉じた位置におけるノズルベーンの前縁側と隣り合うノズルベーンの後縁側との間を覆うように備えられているので、その分ノズルベーンが閉じた状態のときにおけるスロート空間の高さを減少することができる。スロート空間の高さが減少させられると、同一の流量、すなわち、同面積のスロート空間を得る場合に、スロート幅を大きく、すなわち、ノズルベーンの開度を大きくできるので、スロート空間のスロート幅(ノズルベーン間の距離)に対するノズルベーンの後縁の厚さが相対的に小さくできる。これにより、スロート空間を出た流体の拡幅率が小さくなるので、ウェイクの発生を抑制することができ、可変容量ラジアルタービンの性能を向上させることができる。
また、突起部の外周側は、ノズルベーンの前縁側部分が移動する範囲であるので、ノズルベーンの開度が効率低下に影響しない程度以上に大きくなると、ノズルベーンと対向面との間隔が大きくなる。ノズルベーンと対向面との間隔が大きくなると、この間隔を通る流体量が多くなるので、ノズルベーンから供給される流体の流量を増加させることができる。
一方、ノズルベーンの開度が小さくなると、ノズルベーンと対向面との間隔が小さくなるので、流体の漏れ量をより小さくすることができ、突起部と相俟って、小流量の場合における可変容量タービンの効率低下をより抑制することができる。
さらに、ノズルベーンと対向面との間隔を連続的に変化させることができるので、外周テーパ面の傾斜度、範囲等を調節することによって流体の流量の制御を容易に行うことができる。
なお、外周テーパ面は、少なくともノズルベーンの前縁側部分が移動する範囲に設けるのが好適である。
また、突起部の内周側は、ノズルベーンの後縁側部分が移動する範囲であるので、ノズルベーンの開度が効率低下に影響しない程度以上に大きくなると、ノズルベーンと対向面との間隔が大きくなる。ノズルベーンと対向面との間隔が大きくなると、この間隔を通る流体量が多くなるので、ノズルベーンから供給される流体の流量を増加させることができる。
一方、ノズルベーンの開度が小さくなると、ノズルベーンと対向面との間隔が小さくなるので、流体の漏れ量をより小さくすることができ、突起部と相俟って、小流量の場合における可変容量タービンの効率低下をより抑制することができる。
さらに、ノズルベーンと対向面との間隔を連続的に変化させることができるので、外周テーパ面の傾斜度、範囲等を調節することによって流体の流量の制御を容易に行うことができる。
なお、内周テーパ面は、少なくともノズルベーンの後縁側部分が移動する範囲に設けるのが好適である。
[第一実施形態]
以下に、本発明の第一実施例にかかる可変容量ラジアルタービン1を備えた可変容量ターボ過給機について図1〜図4を参照して説明する。
図1は、本発明の第一実施形態にかかる可変容量型排気ターボ過給機の可変容量ラジアルタービン側の概略構成を示す部分断面図である。図2は、図1のノズルベーンの一部を示す平面図である。図3は、図2のA−A断面図である。図4は、ノズルマウント部を示す断面図である。
可変容量ラジアルタービン1とコンプレッサとは、軸受ハウジング5を介して連結されている。軸受ハウジング5内には、軸受7に回転支持されたタービンロータ9が挿通されている。
一方、可変容量ラジアルタービン1には、タービンロータ9の他端側に取り付けられたタービンホイール11と、このタービンホイール11を囲んで覆うように設けられたタービンケーシング13と、タービンホイール11に流入する排気ガス(流体)の流路断面積(スロート面積)Sを変化させる可変ノズル機構15とが備えられている。
また、スクロール19の外周側には概ねスクロール19の接線方向に沿った排気ガス入口(図示せず)が設けられ、タービンロータ9の回転軸心17に沿って排気ガス出口25が設けられている。
ノズルマウント29とノズルプレート33とは、対向して配置され、ドーナツ形状をした流体入口流路23を形成している。
軸35の端部には、レバープレート37の一端が固定されている。レバープレート37の他端は、ドライブリング31に固定して取り付けられているドライブピン39に係合されている。
プレート突起部41は、図2に示されるように、ノズルベーン27が閉じた位置におけるノズルベーン27の前縁40側と隣り合うノズルベーン27の後縁42側との間を全面的に覆うように備えられている。
プレート突起部41の先端位置は、図3に示されるようにノズルベーン27の端面位置よりもノズルベーン27側に突出するように構成されている。
マウント突起部43は、ノズルベーン27が閉じた位置におけるノズルベーン27の前縁40側と隣り合うノズルベーン27の後縁42側との間を全面的に覆うように備えられている。
マウント突起部43の先端位置は、図4に示されるようにノズルベーン27の端面位置よりもノズルベーン27側に突出するように構成されている。
エンジン(図示省略)からの排ガスはスクロール19に入り、スクロール19の渦巻きに沿って周回しながら流体入口流路23に流入する。
流体入口流路23に流入した排ガスはノズルベーン27によって加速されてタービンホイール11にその外周側から流入する。この排ガスは、タービンホイール11の中心側に向かい半径方向に流れてタービンホイール11に膨張仕事をなした後、軸方向に流出して排気ガス出口25に案内されて機外に送出される。
図3に示されるように、本実施形態における流路断面積Sと同一面積となるプレート突起部41およびマウント突起部43がない場合の流路断面積S1を示している。両者を比べると、流路断面積Sの方が高さHが小さい分、スロート幅Bがスロート幅B1よりも大きくなる。
このように、スロート幅Bに対するノズルベーン27の後縁42の厚さが相対的に小さくできる。これにより、ノズルベーン27を出た排ガスの拡幅率が小さくなるので、ウェイクの発生を抑制することができ、可変容量ラジアルタービン1の性能を向上させることができる。
次に、本発明の第二実施形態にかかる可変容量ラジアルタービン1を備えた可変容量ターボ過給機について、図5〜図7を用いて説明する。
本実施形態は、ノズルプレート33の構成が第一実施形態のものと異なるので、ここではこの異なる部分について主として説明し、前述した第一実施形態のものと同じ部分については重複した説明を省略する。
なお、第一実施形態と同じ部材には同じ符号を付している。
本実施形態では、ノズルプレート33には、プレート突起部41の外周側にプレート突起部41に向かいノズルベーン27に近づくように形成された外周テーパ面51が備えられている。
外周テーパ面51とプレート突起部41との境界位置では、外周テーパ面51はノズルベーン27に接触しない程度の隙間が設けられている。
マウント突起部43が備えられている場合、マウント突起部43の外周側に外周テーパ面51に相当するテーパ面を備えるようにしてもよい。
ノズルプレート33とノズルベーン27との隙間を通って漏れる排ガスは外周テーパ面51を通ってプレート突起部41に当接することになる。この排ガスは外周テーパ面51を通ってノズルベーン27側に、すなわち、プレート突起部41の先端側に向かって流れるので、プレート突起部41で急激に流れが方向変換されることを抑制できる。このため、排ガスはプレート突起部41において急激に方向転換されることが抑制されるので、流体流れの剥離を抑制することができ、損失を低減することができる。
さらに、ノズルベーン27とノズルプレート33との間隔を連続的に変化させることができるので、外周テーパ面51の傾斜度、範囲等を調節することによって排ガスの流量の制御を容易に行うことができる。
次に、本発明の第三実施形態にかかる可変容量ラジアルタービン1を備えた可変容量ターボ過給機について、図8〜図10を用いて説明する。
本実施形態は、ノズルプレート33の構成が第一実施形態のものと異なるので、ここではこの異なる部分について主として説明し、前述した第一実施形態のものと同じ部分については重複した説明を省略する。
なお、第一実施形態と同じ部材には同じ符号を付している。
本実施形態では、ノズルプレート33には、プレート突起部41の内周側にプレート突起部41に向かいノズルベーン27に近づくように形成された内周テーパ面53が備えられている。
内周テーパ面53とプレート突起部41との境界位置では、内周テーパ面53はノズルベーン27に接触しない程度の隙間が設けられている。
マウント突起部43が備えられている場合、マウント突起部43の内周側に内周テーパ面53に相当するテーパ面を備えるようにしてもよい。
ノズルプレート33間の排ガスは、ノズルプレート33とノズルベーン27との隙間を通って漏れる。内周テーパ面53はプレート突起部41側がよりノズルベーン27側、すなわち、プレート突起部41先端側に位置しているので、プレート突起部41から内周テーパ面53になめらかに移動する。これにより、プレート突起部41から隙間を通って出る排ガスの流れが急激に方向変換されることを抑制できるので、排ガス流れの剥離を抑制することができ、損失を低減することができる。
さらに、ノズルベーン27とノズルプレート33との間隔を連続的に変化させることができるので、内周テーパ面53の傾斜度、範囲等を調節することによって排ガスの流量の制御を容易に行うことができる。
次に、本発明の第四実施形態にかかる可変容量ラジアルタービン1を備えた可変容量ターボ過給機について、図11〜図13を用いて説明する。
本実施形態は、ノズルプレート33の構成が第一実施形態のものと異なるので、ここではこの異なる部分について主として説明し、前述した第一実施形態のものと同じ部分については重複した説明を省略する。
なお、第一実施形態と同じ部材には同じ符号を付している。
本実施形態では、第一実施形態の構成に加えて第二実施形態の外周テーパ面51および第三実施形態の内周テーパ面53が備えられている。
内周側テーパ面53は、図11に示されるようにノズルベーン27の開閉に伴いノズルベーン27の後縁42側部分が移動する範囲に設けられている。
マウント突起部43が備えられている場合、マウント突起部43の外周側に外周テーパ面51に相当するテーパ面および内周側に内周テーパ面53を備えるようにしてもよい。
次に、本発明の第五実施形態にかかる可変容量ラジアルタービン1を備えた可変容量ターボ過給機について、図14を用いて説明する。
本実施形態は、ノズルプレート33の構成が第四実施形態のものと異なるので、ここではこの異なる部分について主として説明し、前述した第一実施形態のものと同じ部分については重複した説明を省略する。
なお、第四実施形態と同じ部材には同じ符号を付している。
マウント突起部43が備えられている場合、マウント突起部43は、ノズルベーン27の翼弦方向においてノズルベーン27の前縁40あるいは後縁42から軸35の近傍位置までをカバーするようにされていてもよい。
したがって、ノズルベーン27とノズルプレート33との間の隙間を略完全にカバーすることができるので、小流量の場合における可変容量ラジアルタービン1の効率低下をより抑制することができる。
なお、外周テーパ面51および内周テーパ面53を省略してもよいし、外周テーパ面51および内周テーパ面53のいずれか一方を省略してもよい。
たとえば、本実施形態では、可変容量ラジアルタービン1に適用しているが、斜流タービンに適用してもよい。
23 流体入口流路
27 ノズルベーン
29 ノズルマウント
33 ノズルプレート
35 軸
40 前縁
41 プレート突起部
42 後縁
43 マウント突起部
51 外周テーパ面
53 内周テーパ面
S 流路断面積
Claims (4)
- 間隔を空けて対向して配置された環状の一対の対向面によってドーナツ形状に形成され、外周側から流入する流体を内周側に流出させる流体空間と、
該流体空間に、周方向に間隔を空けて該流体空間を区切るように配置され、それぞれ一方の前記対向面に自転可能に軸支持されている複数のノズルベーンと、
を備え、
該ノズルベーンを前記軸回りに自転させて隣り合う該ノズルベーンで形成されるスロート空間を開閉して流出する流体の流量が調整できる可変容量タービンであって、
一対の前記対向面の内、少なくとも一方の対向面には、前記ノズルベーンが閉じた位置における前記ノズルベーンの前縁側と隣り合う前記ノズルベーンの後縁側との間を覆うように、少なくとも前記ノズルベーンの端面位置よりも前記ノズルベーン側に突出した突起部が備えられていることを特徴とする可変容量タービン。 - 前記突起部の外周側には、前記突起部に向かい前記ノズルベーンに近づくように形成された外周テーパ面が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の可変容量タービン。
- 前記突起部の内周側には、前記突起部に向かい前記ノズルベーンに近づくように形成された内周テーパ面が備えられていることを特徴とする請求項1または2に記載の可変容量タービン。
- 前記突起部は、前記ノズルベーンの翼弦方向において前記ノズルベーンの前縁あるいは後縁から前記軸の近傍位置までをカバーするようにされていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の可変容量タービン。
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