JP2011231780A - タービンおよびこれを備えるターボチャージャ - Google Patents
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Abstract
【課題】流体の流量が少ない時または多い時にも、各スロートにおける流速のばらつきを低減し、能力低下を防止できるタービンを提供する。
【解決手段】タービンロータ80と、タービンロータ80を収容するタービンハウジング60と、スクロール部100を内周スクロール部66と外周スクロール部68とに分割する曲線上に固定された複数の固定ベーン102と、隣接する固定ベーン102間に形成され、内周スクロール部66と外周スクロール部68とを連通するスロート101と、タービンハウジング60内の流路を内周スクロール部66と内周スクロール部66及び外周スクロール部68とのいずれかに切り替える切替弁90とを備え、固定ベーン102は、内周スクロール部66側の後縁から延長される延長線が、隣接する下流側の固定ベーン102の前縁よりも内周スクロール部66側に向けられているタービン5を採用する。
【選択図】図2
【解決手段】タービンロータ80と、タービンロータ80を収容するタービンハウジング60と、スクロール部100を内周スクロール部66と外周スクロール部68とに分割する曲線上に固定された複数の固定ベーン102と、隣接する固定ベーン102間に形成され、内周スクロール部66と外周スクロール部68とを連通するスロート101と、タービンハウジング60内の流路を内周スクロール部66と内周スクロール部66及び外周スクロール部68とのいずれかに切り替える切替弁90とを備え、固定ベーン102は、内周スクロール部66側の後縁から延長される延長線が、隣接する下流側の固定ベーン102の前縁よりも内周スクロール部66側に向けられているタービン5を採用する。
【選択図】図2
Description
本発明は、容量を可変とするタービンおよびこれを備えるターボチャージャに関するものである。
従来、可変容量ターボチャージャに備えられるタービンとして、例えば、特許文献1に開示された技術が知られている。このタービンは、スクロール部を径方向に内周スクロール部と外周スクロール部とに分割し、これらスクロール部間を連通する連通部(以下、「スロート」という。)と、流体を内周スクロールまたは両スクロールのいずれかに流入させるかを切り替える切替弁とを備え、流体の流量に応じて切替弁により流路を切り替えるものである。
上記技術によれば、流体の流量が少ない時には、切替弁を作動させて内周スクロール部のみに流体を流入させ、タービンロータに回転トルクを与えて、タービンロータを効率的に回転させることができる。また、流体の流量が多い時には、切替弁を作動させて外周スクロール部にも流体を流入させ、流体の流速を下げてタービンロータに与える回転トルクを小さくし、必要以上にタービンロータが回転することを防止できる。
しかしながら、上記技術では、流体の流量が多い時には、外周スクロール部からスロートを通って内周スクロール部へ流入する際の流量が、スロートの位置によって異なっていた。すなわち、図14に示すように、スクロール部の下流方向に従って外周スクロールからスロートを通って内周スクロールへ流入する際の流量が増加していた。ここで、固定ベーンスロート番号とは、スクロール部の上流方向から各スロートに付した番号を示している。また、流体の流量が少ない時には、流体が内周スクロール部からスロートを通って外周スクロール部へ流出してしまう。その結果、図15に示すように、スクロール部の上流ではスロートで外向きの流れが発生し、下流では内向きの流れが発生していた。これら図14及び図15に示す各スロートにおける流量のばらつきにより、タービンの能力低下を引き起こしていた。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、流体の流量が少ない時または多い時にも、各スロートにおける流量のばらつきを低減し、能力低下を防止できるタービンおよびこれを備えるターボチャージャを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明の参考例は、タービン翼を有するタービンロータと、該タービンロータを収容し、前記タービンロータとの間に形成されたスクロール部の断面積を漸次減少させるハウジングと、前記スクロール部を内周スクロール部と外周スクロール部とに分割する曲線上に固定された複数の固定ベーンと、隣接する前記固定ベーン間に形成され、前記内周スクロール部と前記外周スクロール部とを連通する連通部と、前記ハウジング内の流路を前記内周スクロール部と前記内周スクロール部及び前記外周スクロール部とのいずれかに切り替える切替弁とを備え、前記連通部の流路面積が、前記スクロール部の下流方向に従って縮小するように形成されたタービンを採用する。
本発明の参考例は、タービン翼を有するタービンロータと、該タービンロータを収容し、前記タービンロータとの間に形成されたスクロール部の断面積を漸次減少させるハウジングと、前記スクロール部を内周スクロール部と外周スクロール部とに分割する曲線上に固定された複数の固定ベーンと、隣接する前記固定ベーン間に形成され、前記内周スクロール部と前記外周スクロール部とを連通する連通部と、前記ハウジング内の流路を前記内周スクロール部と前記内周スクロール部及び前記外周スクロール部とのいずれかに切り替える切替弁とを備え、前記連通部の流路面積が、前記スクロール部の下流方向に従って縮小するように形成されたタービンを採用する。
本発明の参考例によれば、例えば、ハウジング内に流入する流体の流量が多い時には、切替弁により内周スクロール部だけでなく外周スクロール部にも流体を流入させ、スクロール部の容量を大きくすることによって高速域に応じた流量をタービンへと導き,タービンロータを効率的に回転させることができる。ここで、内周スクロール部と外周スクロール部とを連通する連通部の流路面積が、スクロール部の下流方向に従って縮小するように形成されているため、スクロール部の下流側において、流体の圧力損失を増加させて流速を減少させることができる。これにより、外周スクロール部から連通路を通って内周スクロール部へ流入する際の流速を均一化し、タービンロータを効率的に回転させることができる。
上記の参考例において、隣接する前記固定ベーン間の距離が、前記スクロール部の下流方向に従って小さく形成されていることとしてもよい。
隣接する固定ベーン間の距離をスクロール部の下流方向に従って小さく形成することで、固定ベーンのコード長を変化させることなく連通部の流路面積を縮小することができ、タービンの設計および製作を容易化することができる。
隣接する固定ベーン間の距離をスクロール部の下流方向に従って小さく形成することで、固定ベーンのコード長を変化させることなく連通部の流路面積を縮小することができ、タービンの設計および製作を容易化することができる。
上記の参考例において、前記固定ベーンのコード長が、前記スクロール部の下流方向に従って大きく形成されていることとしてもよい。
固定ベーンのコード長をスクロール部の下流方向に従って大きく形成することで、隣接する固定ベーンの中心間の距離(ピッチ)を変化させることなく連通部の流路面積を縮小することができ、タービンの設計および製作を容易化することができる。
固定ベーンのコード長をスクロール部の下流方向に従って大きく形成することで、隣接する固定ベーンの中心間の距離(ピッチ)を変化させることなく連通部の流路面積を縮小することができ、タービンの設計および製作を容易化することができる。
本発明の参考例は、タービン翼を有するタービンロータと、該タービンロータを収容し、前記タービンロータとの間に形成されたスクロール部の断面積を漸次減少させるハウジングと、前記スクロール部を内周スクロール部と外周スクロール部とに分割する曲線上に固定された複数の固定ベーンと、隣接する前記固定ベーン間に形成され、前記内周スクロール部と前記外周スクロール部とを連通する連通部と、前記ハウジング内の流路を前記内周スクロール部と前記内周スクロール部及び前記外周スクロール部とのいずれかに切り替える切替弁とを備え、前記外周スクロール部の流路面積をA、前記外周スクロール部の流路中心から前記タービンロータの回転中心までの距離をRとした場合に、第1の位置におけるA/Rの流体流れ方向に対する変化率が、前記第1の位置よりも下流側の第2の位置におけるA/Rの流体流れ方向に対する変化率よりも大きく形成されているタービンを採用する。
本発明の参考例によれば、外周スクロール部の流路面積をA、外周スクロール部の流路中心からタービンロータの回転中心までの距離をRとした場合に、第1の位置におけるA/Rの流体流れ方向に対する変化率を、第1の位置よりも下流側の第2の位置におけるA/Rの流体流れ方向に対する変化率よりも大きくすることで、流体の圧力を、外周スクロール部の上流側において増加させると共に、外周スクロール部の下流側において減少させる。これにより、外周スクロール部から連通部を通って内周スクロール部に流入する際の流速を、外周スクロール部の上流側において増加させると共に、外周スクロール部の下流側において減少させる。したがって、外周スクロール部から連通路を通って内周スクロール部へ流入する際の流量を均一化し、タービンロータを効率的に回転させることができる。
本発明は、タービン翼を有するタービンロータと、該タービンロータを収容し、前記タービンロータとの間に形成されたスクロール部の断面積を漸次減少させるハウジングと、前記スクロール部を内周スクロール部と外周スクロール部とに分割する曲線上に固定された複数の固定ベーンと、隣接する前記固定ベーン間に形成され、前記内周スクロール部と前記外周スクロール部とを連通する連通部と、前記ハウジング内の流路を前記内周スクロール部と前記内周スクロール部及び前記外周スクロール部とのいずれかに切り替える切替弁とを備え、前記固定ベーンは、前記内周スクロール部側の後縁から延長される延長線が、隣接する下流側の前記固定ベーンの前縁よりも前記内周スクロール部側に向けられているタービンを採用する。
本発明によれば、例えば、流体の流量が少ない時には、切替弁により内周スクロール部のみに流体を流入させ、タービンロータに回転トルクを与えて、タービンロータを効率的に回転させる。そして、固定ベーンの内周スクロール部側の後縁から延長される延長線を、隣接する下流側の固定ベーンの前縁よりも内周スクロール部側に向けることで、内周スクロール部を流通する流体が、固定ベーンの前縁に衝突し、連通路を通って外周スクロール部へ流出してしまうことを防止することができる。これにより、タービンの能力低下を防止することが可能となる。
本発明は、上記のタービンと、前記タービンロータに接続されたシャフトと、該シャフトの前記タービンロータとは他端側に接続されたコンプレッサロータと、該コンプレッサロータを収容するコンプレッサハウジングとを備えるターボチャージャを採用する。
本発明によれば、シャフトによりタービンロータとコンプレッサロータを接続し、タービンロータを回転させることで、コンプレッサロータを回転させてコンプレッサハウジング内の流体を効率的に過給することが可能となる。
本発明によれば、流体の流量が少ない時または多い時にも、各スロートにおける流速のばらつきを低減し、能力低下を防止できるという効果を奏する。
〔第1の実施形態〕
以下、本発明の参考例としてのタービンおよびこれを備えるターボチャージャの第1の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る可変容量ターボチャージャ1の縦断面を示している。
図1に示すように、コンプレッサハウジング10には、コンプレッサ導入口12、コンプレッサ排出口14、リング状のスクロール16、18が設けられている。スクロール16、18はコンプレッサ排出口14に隣接する位置からコンプレッサハウジング10の外周方向に延びて、コンプレッサ排出口14に連通する。そして、コンプレッサ排出口14に近づくにつれて断面積を徐々に拡大するように構成されている。ディフューザー20は、スクロール16,18を区画し、ボルト22によってコンプレッサハウジング10に取り付けられている。
以下、本発明の参考例としてのタービンおよびこれを備えるターボチャージャの第1の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る可変容量ターボチャージャ1の縦断面を示している。
図1に示すように、コンプレッサハウジング10には、コンプレッサ導入口12、コンプレッサ排出口14、リング状のスクロール16、18が設けられている。スクロール16、18はコンプレッサ排出口14に隣接する位置からコンプレッサハウジング10の外周方向に延びて、コンプレッサ排出口14に連通する。そして、コンプレッサ排出口14に近づくにつれて断面積を徐々に拡大するように構成されている。ディフューザー20は、スクロール16,18を区画し、ボルト22によってコンプレッサハウジング10に取り付けられている。
コンプレッサハウジング10に隣接するベアリングハウジング30の外周には、潤滑油導入口32が形成されている。潤滑油導入口32は、軸方向に形成された油路34を介して枝油路36、38、40に通じており、図示しないオイルポンプから供給される潤滑油をシャフト50とシャフト50を支持する軸受42、43、44、45、46の摺動面に供給している。この摺動面に供給された潤滑油は、ベアリングハウジング30の内部に形成された空間52を介して潤滑油排出口54から排出される。符号56は可変容量ターボチャージャを冷却するための冷却水通路であり、符号58はプレートシールである。なお、符号59は、ベアリングハウジング30に設けられる各部位を成形するために分割したベアリングハウジング30の一片である。ベアリングハウジング30に隣接するタービンハウジング60には、排気ガス導入口62と排気ガス排出口64が形成されている。
また、ベアリングハウジング30の軸受42、43、44、45、46に支持されるシャフト50は、コンプレッサハウジング10側の端部においてボルト74とナット76によって固定されたコンプレッサロータ70を相対回転不能に取付けており、タービンハウジング60側の端部においてタービンロータ80を相対回転不能に取付けている。コンプレッサロータ70とタービンロータ80には、それぞれ径方向に延在するコンプレッサ翼72とタービン翼82が取り付けられており、タービンロータ80を回転させることによってコンプレッサロータ70が一体的に回転するようになっている。
図2は、図1のA−A断面図であり、可変容量ターボチャージャ1に備えられたタービン5の横断面図を示している。
図2に示すように、タービン5は、タービン翼82を有するタービンロータ80と、タービンロータ80を収容し、タービンロータ80との間に形成されたスクロール部100の断面積を漸次減少させるタービンハウジング60とを備えている。スクロール部100は、タービンハウジング60に取り付けられたインボリュート区画壁67及び複数の固定ベーン102により、内周スクロール部66と内周スクロール部66よりも大きな容積を有する外周スクロール部68とに分割されている。隣接する固定ベーン102の間には、内周スクロール部66と外周スクロール部68とを連通するスロート(連通部)101が複数形成されている。
図2に示すように、タービン5は、タービン翼82を有するタービンロータ80と、タービンロータ80を収容し、タービンロータ80との間に形成されたスクロール部100の断面積を漸次減少させるタービンハウジング60とを備えている。スクロール部100は、タービンハウジング60に取り付けられたインボリュート区画壁67及び複数の固定ベーン102により、内周スクロール部66と内周スクロール部66よりも大きな容積を有する外周スクロール部68とに分割されている。隣接する固定ベーン102の間には、内周スクロール部66と外周スクロール部68とを連通するスロート(連通部)101が複数形成されている。
また、タービンハウジング60の排気ガス導入口62側には、切替弁90が設けられている。この切替弁90は、図示しない回転手段により回転軸94を中心に回転して、図2の実線で示した外周スクロール部68の導入口の閉鎖位置92と、図2の破線で示した外周スクロール部68の導入口の開放位置96とを切り替えるものである。これにより、タービンハウジング60内の流路を内周スクロール部66と内周スクロール部66及び外周スクロール部68とのいずれかに切り替えるようになっている。
また、スロート101は、その流路面積が、スクロール部100の下流方向に従って縮小するように構成されている。具体的には、図3に示す固定ベーン102aとこの固定ベーン102aに隣接する固定ベーン102bとの間の距離Cが、図4に示すように、スクロール部100の下流方向に従って小さく形成されている。ここで、図4における固定ベーンスロート番号とは、スクロール部100の上流方向から順番にスロート101に付した番号を示している。なお、図5は、従来のタービンにおける固定ベーン102の間の距離Cを示しており、スクロール部100の位置に関わらず、固定ベーン102の間の距離Cは一定となっている。
次に、上記構成を有する可変容量ターボチャージャ1の作動について説明する。
排気ガス導入口62から導入した排気ガスは、タービンハウジング60内部のスクロール部100に導かれ、タービンロータ80を回転させて排気ガス排出口64から排出される。タービンロータ80の回転は、シャフト50を介してコンプレッサロータ70に伝達され、コンプレッサロータ70を回転させる。コンプレッサロータ70は、コンプレッサ導入口12に導かれたガス(大気)を圧縮し、コンプレッサ排出口14から図示しない内燃機関へ圧縮ガスを供給する。
排気ガス導入口62から導入した排気ガスは、タービンハウジング60内部のスクロール部100に導かれ、タービンロータ80を回転させて排気ガス排出口64から排出される。タービンロータ80の回転は、シャフト50を介してコンプレッサロータ70に伝達され、コンプレッサロータ70を回転させる。コンプレッサロータ70は、コンプレッサ導入口12に導かれたガス(大気)を圧縮し、コンプレッサ排出口14から図示しない内燃機関へ圧縮ガスを供給する。
排気ガス流量の多い高速域においては、図13に示すように、切替弁90を外周スクロール部68の導入口の開放する開放位置96として、排気ガス導入口62から取り入れた排気ガスを内周スクロール部66および外周スクロール部68に導く。これにより、スクロール部100の容量を大きくすることができ、高速域に応じた流量をタービンロータ80へと導くことで、タービンロータ80を効率的に回転させることができる。
ここで、内周スクロール部66と外周スクロール部68とを連通するスロート101の流路面積が、スクロール部100の下流方向に従って縮小するように構成されているため、スクロール部100の下流側において、流体の圧力損失を増加させて流速を減少させることができる。これにより、図6に示すように、外周スクロール部68からスロート101を通って内周スクロール部66へ流入する際の流量を均一化し、タービンロータ80を効率的に回転させることができる。
また、隣接する固定ベーン102の間の距離をスクロール部100の下流方向に従って小さく形成することで、固定ベーン102のコード長を変化させることなくスロート101の流路面積を縮小することができ、タービン5の設計および製作を容易化することができる。
なお、図7に示すように、固定ベーン102のコード長をスクロール部100の下流方向に従って大きくなるように形成してもよい。これにより、隣接する固定ベーン102の中心間の距離(ピッチ)Lを変化させることなくスロート101の流路面積を縮小することができ、タービン5の設計および製作を容易化することができる。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の参考例としての第2の実施形態について、図8および図9を用いて説明する。
本実施形態のタービンおよびこれを備えるターボチャージャが第1の実施形態と異なる点は、外周スクロール部68の流路面積Aを外周スクロール部68の流路中心からタービンロータ80の回転中心までの距離Rで除算した値A/Rを、所定の規則に従って変化させる点である。以下、本実施形態のタービンおよびこれを備えるターボチャージャについて、第1の実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
次に、本発明の参考例としての第2の実施形態について、図8および図9を用いて説明する。
本実施形態のタービンおよびこれを備えるターボチャージャが第1の実施形態と異なる点は、外周スクロール部68の流路面積Aを外周スクロール部68の流路中心からタービンロータ80の回転中心までの距離Rで除算した値A/Rを、所定の規則に従って変化させる点である。以下、本実施形態のタービンおよびこれを備えるターボチャージャについて、第1の実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
図8には、外周スクロール部68の流路面積をA、外周スクロール部68の流路中心からタービンロータ80の回転中心までの距離をRとした場合において、A/Rとスクロール角度との関係が示されている。
図8に示すように、破線で示す従来のタービンにおけるA/Rは、スクロール角度が大きくなるにつれて一定の割合で減少するように設計されている。これに対し、実線で示す本実施形態に係るタービン5におけるA/Rは、下向きに凸形状を有する曲線とされており、スクロール角度が大きくなるにつれて緩やかに減少するようになっている。
図8に示すように、破線で示す従来のタービンにおけるA/Rは、スクロール角度が大きくなるにつれて一定の割合で減少するように設計されている。これに対し、実線で示す本実施形態に係るタービン5におけるA/Rは、下向きに凸形状を有する曲線とされており、スクロール角度が大きくなるにつれて緩やかに減少するようになっている。
このようにすることで、流体の圧力を、外周スクロール部68の上流側において増加させると共に、外周スクロール部68の下流側において減少させる。これにより、外周スクロール部68からスロート101を通って内周スクロール部66に流入する際の流量を、外周スクロール部68の上流側において増加させると共に、外周スクロール部68の下流側において減少させることができる。したがって、図9に示すように、外周スクロール部68からスロート101を通って内周スクロール部66へ流入する際の流量を均一化し、タービンロータ80を効率的に回転させることが可能となる。
なお、図8に示すA/Rとスクロール角度との関係は、必ずしも下向きに凸形状を有する曲線である必要はなく、任意の第1の位置におけるA/Rのスクロール角度に対する変化率が、第1の位置よりも下流側の第2の位置におけるA/Rのスクロール角度に対する変化率よりも大きく形成されていればよく、例えば、傾きの異なる2本の線分を第1の位置と第2の位置との間で接続した折れ線形状であってもよい。また、外周スクロール部68における位置を示す指標としてスクロール角度を例示したが、流体の流れ方向を示すものであればよく、例えば、所定位置からの距離であってもよい。
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態について、図10および図11を用いて説明する。
本実施形態のタービンおよびこれを備えるターボチャージャが前述の各実施形態と異なる点は、固定ベーンを傾斜して設けることにより内部スクロール内の流体の流路方向を規制する点である。以下、本実施形態のタービンおよびこれを備えるターボチャージャについて、前述の各実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
次に、本発明の第3の実施形態について、図10および図11を用いて説明する。
本実施形態のタービンおよびこれを備えるターボチャージャが前述の各実施形態と異なる点は、固定ベーンを傾斜して設けることにより内部スクロール内の流体の流路方向を規制する点である。以下、本実施形態のタービンおよびこれを備えるターボチャージャについて、前述の各実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
図10および図11には、固定ベーン102、スロート101、スクロール部100を内周スクロール部66と外周スクロール部68とに分割するインボリュート曲線105と、内周スクロール部66内の流体の流路方向を表す矢印106,107が示されている。ここで、図10は従来のタービンにおける部分拡大図であり、図11は本実施形態に係るタービン5の部分拡大図である。
図10に示すように、従来のタービンにおいて、固定ベーン102a,102bは、それぞれ内周スクロール部66側の面111a,111bが、インボリュート曲線105に沿うように設けられている。このようなタービンにおいて、内周スクロール部66内の流体は、固定ベーン102aの面111aにより矢印106の方向に案内された後、固定ベーン102aの下流側に配置された固定ベーン102bの前縁の面112bに衝突して、矢印107の方向に向けられる。その結果、内周スクロール部66内の流体は、内周スクロール部66からスロート101を通って外周スクロール部68へ流出してしまい、タービンの効率低下を招いていた。
これに対し、本実施形態に係るタービン5では、図11に示すように、固定ベーン102aは、内周スクロール部66側の後縁113aから延長される延長線が、隣接する下流側の固定ベーン102bの前縁112bよりも内周スクロール部66側に向けられている。
上記のように構成されたタービン5によれば、内周スクロール部66内の流体は、固定ベーン102aの面111aにより矢印108の方向に案内された後、固定ベーン102aの下流側に配置された固定ベーン102bの面111bにより矢印109の方向に向けられる。
上記のように構成されたタービン5によれば、内周スクロール部66内の流体は、固定ベーン102aの面111aにより矢印108の方向に案内された後、固定ベーン102aの下流側に配置された固定ベーン102bの面111bにより矢印109の方向に向けられる。
排気ガス流量の少ない低速域においては、図12に示すように、排気ガスが効率的にタービンロータ80を回転させるために、切替弁90を外周スクロール部68の導入口を閉鎖する閉鎖位置92として、排気ガス導入口62から取り入れた排気ガスを容積の小さな内周スクロール部66のみに導く。内周スクロール部66に導かれ、流速を速められた排気ガスは、タービンロータ80の接線方向に流れる、すなわち、タービンロータ80の回転を考慮すると、タービン翼82に対して適切な角度で流入するので、効率的にタービンロータ80を回転させることができる。
この際、固定ベーン102aの内周スクロール部66側の後縁113aから延長される延長線を、隣接する下流側の固定ベーン102bの前縁112bよりも内周スクロール部66側に向けることで、内周スクロール部66を流通する流体が、固定ベーン102bの前縁112bに衝突し、スロート101を通って外周スクロール部68へ流出してしまうことを防止することができる。これにより、タービン5の能力低下を防止することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、上述した各実施形態において本発明に係るタービンをターボチャージャに適用する例を説明したが、他の設備に適用しても同様の効果を奏することが可能である。
例えば、上述した各実施形態において本発明に係るタービンをターボチャージャに適用する例を説明したが、他の設備に適用しても同様の効果を奏することが可能である。
1 ターボチャージャ
5 タービン
50 シャフト
60 タービンハウジング
66 内周スクロール部
68 外周スクロール部
70 コンプレッサロータ
72 コンプレッサ翼
80 タービンロータ
82 タービン翼
90 切替弁
100 スクロール部
101,101a,101b スロート
102,102a,102b,102c 固定ベーン
5 タービン
50 シャフト
60 タービンハウジング
66 内周スクロール部
68 外周スクロール部
70 コンプレッサロータ
72 コンプレッサ翼
80 タービンロータ
82 タービン翼
90 切替弁
100 スクロール部
101,101a,101b スロート
102,102a,102b,102c 固定ベーン
Claims (2)
- タービン翼を有するタービンロータと、
該タービンロータを収容し、前記タービンロータとの間に形成されたスクロール部の断面積を漸次減少させるハウジングと、
前記スクロール部を内周スクロール部と外周スクロール部とに分割する曲線上に固定された複数の固定ベーンと、
隣接する前記固定ベーン間に形成され、前記内周スクロール部と前記外周スクロール部とを連通する連通部と、
前記ハウジング内の流路を前記内周スクロール部と前記内周スクロール部及び前記外周スクロール部とのいずれかに切り替える切替弁とを備え、
前記固定ベーンは、前記内周スクロール部側の後縁から延長される延長線が、隣接する下流側の前記固定ベーンの前縁よりも前記内周スクロール部側に向けられているタービン。 - 請求項1に記載のタービンと、
前記タービンロータに接続されたシャフトと、
該シャフトの前記タービンロータとは他端側に接続されたコンプレッサロータと、
該コンプレッサロータを収容するコンプレッサハウジングとを備えるターボチャージャ。
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2011
- 2011-08-26 JP JP2011185163A patent/JP2011231780A/ja active Pending
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