JP2012077077A - 環状化合物、フォトレジスト基材及びフォトレジスト組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】高感度、高解像度であり、耐熱性や溶媒への溶解性も高いフォトレジスト材料を提供する。
【解決手段】下式(I)で表される環状化合物。
[式中、Rは置換アルコキシカルボニルフェニル基等を表し、同一芳香環上の2つのR1のうち一方は水素原子等を表し、他方は鎖状若しくは分岐状構造でありかつO−R1が2.2〜5.5オングストロームの大きさを有する基を表し、R2は水素原子等を表す。]
【選択図】なし
【解決手段】下式(I)で表される環状化合物。
[式中、Rは置換アルコキシカルボニルフェニル基等を表し、同一芳香環上の2つのR1のうち一方は水素原子等を表し、他方は鎖状若しくは分岐状構造でありかつO−R1が2.2〜5.5オングストロームの大きさを有する基を表し、R2は水素原子等を表す。]
【選択図】なし
Description
本発明は、新規な環状化合物、特に感放射線性化合物に関する。また、本発明は、半導体等の電気・電子分野や光学分野等で用いられるフォトレジスト基材、特に超微細加工用フォトレジスト基材に関する。
極端紫外光(Extream Ultra Violet Light:以下、EUVLと表記する場合がある)又は電子線によるリソグラフィーは、半導体等の製造において、高生産性、高解像度の微細加工方法として有用であり、それに用いる高感度、高解像度のフォトレジストが求められている。フォトレジストは、所望する微細パターンの生産性、解像度等の観点から、その感度を向上させることが欠かせない。
EUVLによる超微細加工の際に用いられるフォトレジストとしては、例えば、他のレジスト化合物と比較して光酸発生剤の濃度が高い化学増幅ポジ型フォトレジストを用いる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、実施例のフォトレジストは、ラインエッジラフネスの観点から、電子線を用いた場合で例示された100nmまでの加工が限界であると考えられる。これは基材として用いる高分子化合物の集合体又は各々の高分子化合物分子が示す立体的形状が大きく、該作製ライン幅及びその表面粗さに影響を及ぼすことがその主原因と推定される。
本発明者は既に高感度、高解像度のフォトレジスト材料としてカリックスレゾルシナレン化合物を提案している(特許文献2及び3参照)。また、特許文献4には、カリックスレゾルシナレン化合物が開示されている。
しかしながら、EUVLによる超微細加工技術として、さらなる高感度、高解像度、耐熱性が求められている。また、塗布溶媒への溶解性のさらなる向上も求められていた。本発明の目的は高感度、高解像度、高耐熱性を同時に満足し溶媒への溶解性も高いフォトレジスト材料を提供することである。
本発明によれば、以下の環状化合物、フォトレジスト基材等が提供される。
1.下記式(I)で表される環状化合物。
[式中、Rはそれぞれ下記式(II)で表される基である。
(式中、Arは炭素数6〜10のアリーレン基;炭素数6〜10のアリーレン基を2つ以上組み合わせた基;又は炭素数6〜10のアリーレン基1以上と、アルキル基及びエーテル結合から選択される1以上を組み合わせた基であり、
A1は単結合、アリーレン基、アルキレン基、エーテル結合、又は、アリーレン基、アルキレン基及びエーテル結合から選択される2つ以上を組み合わせた基である。
R3は水素、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の分岐脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基、アルコキシアルキル基、置換もしくは無置換のシリル基、又はこれらの基と二価の基(置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、置換もしくは無置換のシリレン基、エステル結合基(−COO−)、炭酸エステル結合基(−CO3−)もしくはエーテル結合基(−O−)、又はこれらの基が2以上結合してなる基)が結合した基である。
xは1〜5の整数、yは0〜3の整数である。
複数のR3、Ar及びA1はそれぞれ同じでも異なってもよい。)
同一の芳香環上に存在する2つのR1のうち、一方のR1は、水素、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の分岐脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基、アルコキシアルキル基、置換もしくは無置換のシリル基、又はこれらの基と二価の基(置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、置換もしくは無置換のシリレン基、エステル結合基(−COO−)、炭酸エステル結合基(−CO3−)もしくはエーテル結合基(−O−)、又はこれらの基が2以上結合してなる基)が結合した基を示す。
他方が、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の分岐脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基、アルコキシアルキル基、置換もしくは無置換のシリル基、又はこれらの基と二価の基(置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、置換もしくは無置換のシリレン基、エステル結合基(−COO−)、炭酸エステル結合基(−CO3−)もしくはエーテル結合基(−O−)、又はこれらの基が2以上結合してなる基)が結合した基であり、
式(I)にある4つの他方のR1の少なくとも1つは、鎖状若しくは分岐状構造でありかつO−R1が2.2オングストローム以上5.5オングストローム以下の大きさを有する基、又は環状構造でありかつO−R1が3.5オングストローム以上7.5オングストローム以下の大きさを有する基である。
R2はそれぞれ水素、水酸基、OR3で表される基、OR4(R4は溶解性調整基である)で表される基、炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の分岐脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族基又は酸素原子を含む基である。]
2.前記同一の芳香環上に存在する2つのR1のうち、一方のR1が水素であり、
前記他方の鎖状若しくは分岐状構造でありかつO−R1が2.2オングストローム以上5.5オングストローム以下の大きさを有する基、又は環状構造でありかつO−R1が3.5オングストローム以上7.5オングストローム以下の大きさを有する基であるR1が、炭素数2以上10以下の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素数3以上10以下の分岐脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族基又は酸素原子を含む基である1記載の環状化合物。
3.前記R2が水素である1又は2記載の環状化合物。
4.前記OR3が酸解離性溶解抑止基である1〜3のいずれかに記載の環状化合物。
5.前記酸解離性溶解抑止基が、三級脂肪族構造、芳香族構造、単環状脂肪族構造又は複環状脂肪族構造を有する分子量が15以上2000以下の置換基である4記載の環状化合物。
6.前記OR3が、下記式(III)〜(VI)のいずれかである1〜3のいずれかに記載の環状化合物。
(上記式(III)〜(VI)において、
αは、置換もしくは無置換の炭素数1〜10の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜10の分岐脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、又は置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基である。
βは、三級脂肪族基、置換もしくは無置換の芳香族基、置換もしくは無置換の単環状脂肪族基又は置換もしくは無置換の複環状脂肪族基が酸素原子と結合した基、又は三級脂肪族基、置換もしくは無置換の芳香族基、置換もしくは無置換の単環状脂肪族基又は置換もしくは無置換の複環状脂肪族基から選択される基と炭素数1〜10の直鎖状脂肪族炭化水素基を組み合わせた基が酸素原子と結合した基である。
γは、三級脂肪族基、置換もしくは無置換の芳香族基、置換もしくは無置換の単環状脂肪族基又は置換もしくは無置換の複環状脂肪族基が酸素原子と結合した基、又は三級脂肪族基、置換もしくは無置換の芳香族基、置換もしくは無置換の単環状脂肪族基又は置換もしくは無置換の複環状脂肪族基から選択される基と炭素数1〜10の直鎖状脂肪族炭化水素基を組み合わせた基が酸素原子と結合した基である。
δは、置換もしくは無置換の炭素数1〜10の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜10の分岐脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、又は置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基である。)
7.前記OR3が、下記式に示される基のいずれかである1〜3のいずれかに記載の環状化合物。
(式中、rはそれぞれ上記式で表される置換基の内、rを有さない置換基のいずれかを表す。)
8.前記R4の溶解性調整基が、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の分岐脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基、アルコキシアルキル基、置換もしくは無置換のシリル基、又はこれらの基と二価の基(置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、置換もしくは無置換のシリレン基、エステル結合基(−COO−)、炭酸エステル結合基(−CO3−)もしくはエーテル結合基(−O−)、又はこれらの基が2以上結合してなる基)が結合した基である1〜7のいずれか記載の環状化合物。
9.1〜8のいずれか記載の環状化合物を含有するフォトレジスト基材。
10.9記載のフォトレジスト基材及び溶剤を含有するフォトレジスト組成物。
11.さらに光酸発生剤を含有する10記載のフォトレジスト組成物。
12.さらに塩基性有機化合物をクエンチャーとして含有する10又は11記載のフォトレジスト組成物。
13.10〜12のいずれか記載のフォトレジスト組成物を用いた微細加工方法。
14.13記載の微細加工方法により作製した半導体装置。
15.14に記載の半導体装置を備えた装置。
1.下記式(I)で表される環状化合物。
A1は単結合、アリーレン基、アルキレン基、エーテル結合、又は、アリーレン基、アルキレン基及びエーテル結合から選択される2つ以上を組み合わせた基である。
R3は水素、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の分岐脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基、アルコキシアルキル基、置換もしくは無置換のシリル基、又はこれらの基と二価の基(置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、置換もしくは無置換のシリレン基、エステル結合基(−COO−)、炭酸エステル結合基(−CO3−)もしくはエーテル結合基(−O−)、又はこれらの基が2以上結合してなる基)が結合した基である。
xは1〜5の整数、yは0〜3の整数である。
複数のR3、Ar及びA1はそれぞれ同じでも異なってもよい。)
同一の芳香環上に存在する2つのR1のうち、一方のR1は、水素、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の分岐脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基、アルコキシアルキル基、置換もしくは無置換のシリル基、又はこれらの基と二価の基(置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、置換もしくは無置換のシリレン基、エステル結合基(−COO−)、炭酸エステル結合基(−CO3−)もしくはエーテル結合基(−O−)、又はこれらの基が2以上結合してなる基)が結合した基を示す。
他方が、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の分岐脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基、アルコキシアルキル基、置換もしくは無置換のシリル基、又はこれらの基と二価の基(置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、置換もしくは無置換のシリレン基、エステル結合基(−COO−)、炭酸エステル結合基(−CO3−)もしくはエーテル結合基(−O−)、又はこれらの基が2以上結合してなる基)が結合した基であり、
式(I)にある4つの他方のR1の少なくとも1つは、鎖状若しくは分岐状構造でありかつO−R1が2.2オングストローム以上5.5オングストローム以下の大きさを有する基、又は環状構造でありかつO−R1が3.5オングストローム以上7.5オングストローム以下の大きさを有する基である。
R2はそれぞれ水素、水酸基、OR3で表される基、OR4(R4は溶解性調整基である)で表される基、炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の分岐脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族基又は酸素原子を含む基である。]
2.前記同一の芳香環上に存在する2つのR1のうち、一方のR1が水素であり、
前記他方の鎖状若しくは分岐状構造でありかつO−R1が2.2オングストローム以上5.5オングストローム以下の大きさを有する基、又は環状構造でありかつO−R1が3.5オングストローム以上7.5オングストローム以下の大きさを有する基であるR1が、炭素数2以上10以下の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素数3以上10以下の分岐脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族基又は酸素原子を含む基である1記載の環状化合物。
3.前記R2が水素である1又は2記載の環状化合物。
4.前記OR3が酸解離性溶解抑止基である1〜3のいずれかに記載の環状化合物。
5.前記酸解離性溶解抑止基が、三級脂肪族構造、芳香族構造、単環状脂肪族構造又は複環状脂肪族構造を有する分子量が15以上2000以下の置換基である4記載の環状化合物。
6.前記OR3が、下記式(III)〜(VI)のいずれかである1〜3のいずれかに記載の環状化合物。
αは、置換もしくは無置換の炭素数1〜10の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜10の分岐脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、又は置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基である。
βは、三級脂肪族基、置換もしくは無置換の芳香族基、置換もしくは無置換の単環状脂肪族基又は置換もしくは無置換の複環状脂肪族基が酸素原子と結合した基、又は三級脂肪族基、置換もしくは無置換の芳香族基、置換もしくは無置換の単環状脂肪族基又は置換もしくは無置換の複環状脂肪族基から選択される基と炭素数1〜10の直鎖状脂肪族炭化水素基を組み合わせた基が酸素原子と結合した基である。
γは、三級脂肪族基、置換もしくは無置換の芳香族基、置換もしくは無置換の単環状脂肪族基又は置換もしくは無置換の複環状脂肪族基が酸素原子と結合した基、又は三級脂肪族基、置換もしくは無置換の芳香族基、置換もしくは無置換の単環状脂肪族基又は置換もしくは無置換の複環状脂肪族基から選択される基と炭素数1〜10の直鎖状脂肪族炭化水素基を組み合わせた基が酸素原子と結合した基である。
δは、置換もしくは無置換の炭素数1〜10の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜10の分岐脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、又は置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基である。)
7.前記OR3が、下記式に示される基のいずれかである1〜3のいずれかに記載の環状化合物。
8.前記R4の溶解性調整基が、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の分岐脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基、アルコキシアルキル基、置換もしくは無置換のシリル基、又はこれらの基と二価の基(置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、置換もしくは無置換のシリレン基、エステル結合基(−COO−)、炭酸エステル結合基(−CO3−)もしくはエーテル結合基(−O−)、又はこれらの基が2以上結合してなる基)が結合した基である1〜7のいずれか記載の環状化合物。
9.1〜8のいずれか記載の環状化合物を含有するフォトレジスト基材。
10.9記載のフォトレジスト基材及び溶剤を含有するフォトレジスト組成物。
11.さらに光酸発生剤を含有する10記載のフォトレジスト組成物。
12.さらに塩基性有機化合物をクエンチャーとして含有する10又は11記載のフォトレジスト組成物。
13.10〜12のいずれか記載のフォトレジスト組成物を用いた微細加工方法。
14.13記載の微細加工方法により作製した半導体装置。
15.14に記載の半導体装置を備えた装置。
本発明の環状化合物をフォトレジストに用いると、高感度、高解像度、高耐熱性を同時に満足し溶媒への溶解性も高い。
本発明の環状化合物は下記式(I)で表される構造を有する。
式(I)において、Rはそれぞれ下記式(II)で表される基である。
式(II)において、Arは、炭素数6〜10のアリーレン基;炭素数6〜10のアリーレン基を2つ以上組み合わせた基;又は炭素数6〜10のアリーレン基1以上と、アルキル基及びエーテル結合(−O−)から選択される1以上を組み合わせた基である。例えば、フェニレン基、メチルフェニレン基、ジメチルフェニレン基、トリメチルフェニレン基、テトラメチルフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、オキシジフェニレン基が好ましい。
なかでもフェニレン基、ビフェニレン基、オキシジフェニレン基が好ましい。
なかでもフェニレン基、ビフェニレン基、オキシジフェニレン基が好ましい。
式(II)のA1は単結合、アリーレン基、アルキレン基、エーテル結合、又は、アリーレン基、アルキレン基及びエーテル結合から選択される2つ以上を組み合わせた基である。アルキレン基、エーテル結合、又は、アルキレン基とエーテル結合から選択される2つ以上を組み合わせた基が好ましい。
アリーレン基としては、上記Arと同様な基が挙げられる。
アルキレン基としては、メチレン基、ジメチルメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等、炭素数1〜4のものが好ましい。
アルキレン基とエーテル結合を2つ以上組み合わせた基としては、オキシメチレン基、オキシジメチルメチレン基、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基が好ましい。
アリーレン基としては、上記Arと同様な基が挙げられる。
アルキレン基としては、メチレン基、ジメチルメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等、炭素数1〜4のものが好ましい。
アルキレン基とエーテル結合を2つ以上組み合わせた基としては、オキシメチレン基、オキシジメチルメチレン基、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基が好ましい。
A1は単結合又はオキシメチレン基(−O−CH2−)であることが好ましい。
R3はそれぞれ水素、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の分岐脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基、アルコキシアルキル基、置換もしくは無置換のシリル基、又はこれらの基と二価の基が結合した基、又は酸解離性溶解抑止基である。
炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が好ましい。
炭素数3〜20の分岐脂肪族炭化水素基としては、t−ブチル基、iso−プロピル基、iso−ブチル基、2−エチルヘキシル基等が好ましい。
炭素数3〜20の環状脂肪族基としては、環状脂肪族炭化水素基の他、炭素数3〜20のラクトン環等が含まれる。
炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基としては、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、ビアダマンチル基、ジアマンチル基等が好ましい。
炭素数6〜10の芳香族基としては、フェニル基、ナフチル基、テトラヒドロナフチル基、インダニル基、クロマニル基等が挙げられ、フェニル基、ナフチル基等が好ましい。
アルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、アダマンチルオキシメチル基等が好ましい。
置換もしくは無置換のシリル基としては、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基等が好ましい。
尚、上記の各基は置換基を有していてもよく、具体的には、メチル基、エチル基等のアルキル基、ケトン基、エステル結合、アルコキシ基、ニトリル基、ニトロ基、水酸基、フッ素等が挙げられる。
炭素数3〜20の分岐脂肪族炭化水素基としては、t−ブチル基、iso−プロピル基、iso−ブチル基、2−エチルヘキシル基等が好ましい。
炭素数3〜20の環状脂肪族基としては、環状脂肪族炭化水素基の他、炭素数3〜20のラクトン環等が含まれる。
炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基としては、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、ビアダマンチル基、ジアマンチル基等が好ましい。
炭素数6〜10の芳香族基としては、フェニル基、ナフチル基、テトラヒドロナフチル基、インダニル基、クロマニル基等が挙げられ、フェニル基、ナフチル基等が好ましい。
アルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、アダマンチルオキシメチル基等が好ましい。
置換もしくは無置換のシリル基としては、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基等が好ましい。
尚、上記の各基は置換基を有していてもよく、具体的には、メチル基、エチル基等のアルキル基、ケトン基、エステル結合、アルコキシ基、ニトリル基、ニトロ基、水酸基、フッ素等が挙げられる。
R3は、上記の各基と二価の基が結合した構造を有する基でもよい。
二価の基としては、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、置換もしくは無置換のシリレン基、エステル結合基(−COO−)、炭酸エステル結合基(−CO3−)もしくはエーテル結合基(−O−)、又はこれらの基が2以上結合してなる基が挙げられる。
アルキレン基としてはメチレン基、メチルメチレン基等が好ましく、アリーレン基としては、フェニレン基が好ましい。
二価の基としては、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、置換もしくは無置換のシリレン基、エステル結合基(−COO−)、炭酸エステル結合基(−CO3−)もしくはエーテル結合基(−O−)、又はこれらの基が2以上結合してなる基が挙げられる。
アルキレン基としてはメチレン基、メチルメチレン基等が好ましく、アリーレン基としては、フェニレン基が好ましい。
二価の基を2以上結合してなる基としては、下記の構造が好ましい。
(式中、R’はそれぞれH又はアルキル基を示す。)
OR3は、好ましくは酸解離性溶解抑止基であり、さらに好ましくは芳香族構造、単環状脂肪族構造又は複環状脂肪族構造を有する分子量が15以上2000以下の置換基である。
さらに、OR3が、下記式(III)〜(VI)のいずれかである環状化合物が好ましい。
式(III)〜(VI)において、αは、置換もしくは無置換の炭素数1〜10の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜10の分岐脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、又は置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基である。
βは、三級脂肪族基、置換もしくは無置換の芳香族基、置換もしくは無置換の単環状脂肪族基又は置換もしくは無置換の複環状脂肪族基が酸素原子と結合した基、又は三級脂肪族基、置換もしくは無置換の芳香族基、置換もしくは無置換の単環状脂肪族基又は置換もしくは無置換の複環状脂肪族基から選択される基と炭素数1〜10の直鎖状脂肪族炭化水素基を組み合わせた基が酸素原子と結合した基である。
γは、三級脂肪族基、置換もしくは無置換の芳香族基、置換もしくは無置換の単環状脂肪族基又は置換もしくは無置換の複環状脂肪族基が酸素原子と結合した基、又は三級脂肪族基、置換もしくは無置換の芳香族基、置換もしくは無置換の単環状脂肪族基又は置換もしくは無置換の複環状脂肪族基から選択される基と炭素数1〜10の直鎖状脂肪族炭化水素基を組み合わせた基が酸素原子と結合した基である。
δは、置換もしくは無置換の炭素数1〜10の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜10の分岐脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、又は置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基である。
尚、上記β及びγの単環状脂肪族基及び複環状脂肪族基には、単環状脂肪族炭化水素基、複環状脂肪族炭化水素基の他、炭素数3〜20のラクトン環が含まれる。
βは、三級脂肪族基、置換もしくは無置換の芳香族基、置換もしくは無置換の単環状脂肪族基又は置換もしくは無置換の複環状脂肪族基が酸素原子と結合した基、又は三級脂肪族基、置換もしくは無置換の芳香族基、置換もしくは無置換の単環状脂肪族基又は置換もしくは無置換の複環状脂肪族基から選択される基と炭素数1〜10の直鎖状脂肪族炭化水素基を組み合わせた基が酸素原子と結合した基である。
γは、三級脂肪族基、置換もしくは無置換の芳香族基、置換もしくは無置換の単環状脂肪族基又は置換もしくは無置換の複環状脂肪族基が酸素原子と結合した基、又は三級脂肪族基、置換もしくは無置換の芳香族基、置換もしくは無置換の単環状脂肪族基又は置換もしくは無置換の複環状脂肪族基から選択される基と炭素数1〜10の直鎖状脂肪族炭化水素基を組み合わせた基が酸素原子と結合した基である。
δは、置換もしくは無置換の炭素数1〜10の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜10の分岐脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、又は置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基である。
尚、上記β及びγの単環状脂肪族基及び複環状脂肪族基には、単環状脂肪族炭化水素基、複環状脂肪族炭化水素基の他、炭素数3〜20のラクトン環が含まれる。
上記式のα,δは、直鎖状又は分岐脂肪族炭化水素基が好ましい。α〜δの直鎖状又は分岐脂肪族炭化水素基の炭素数は1〜4が好ましく、メチレン基が最も好ましい。
上記式のβ,γの三級脂肪族基としてはt−ブチル、t−アミル等が挙げられる。芳香族基としてはフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、クロマニル等が挙げられる。単環状脂肪族基としてはシクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。複環状脂肪族基としてはノルボルニル、アダマンチル、ビアダマンチル、ジアマンチル等が挙げられる。
上記式のβ,γの三級脂肪族基としてはt−ブチル、t−アミル等が挙げられる。芳香族基としてはフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、クロマニル等が挙げられる。単環状脂肪族基としてはシクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。複環状脂肪族基としてはノルボルニル、アダマンチル、ビアダマンチル、ジアマンチル等が挙げられる。
上記式(I)〜(IV)のB,Cの芳香族基、単環状脂肪族基、複環状脂肪族基の置換基は、好ましくは炭素数1〜4のアルキル、アルコキシ、カルボキシ、カルボニルである。
尚、式(II)のyが1であることが好ましい。また、式(II)のxが1であることも好ましい。
さらに、Arがフェニレン基であることが好ましい。A1が単結合であることが好ましい。
さらに、Arがフェニレン基であることが好ましい。A1が単結合であることが好ましい。
酸解離性溶解抑止基(OR3)の具体例として、下記式に示される基を挙げられる。
(式中、rはそれぞれ上記式で表される置換基の内、rを有さない置換基のいずれかを表す。)
xは1〜5の整数であり、1〜3の整数であることが好ましい。
yは0〜3の整数であり、1又は2であることが好ましい。
尚、式(I)の中にRは複数存在するが、Rを構成する各R3、Ar、A1、x及びyは、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
yは0〜3の整数であり、1又は2であることが好ましい。
尚、式(I)の中にRは複数存在するが、Rを構成する各R3、Ar、A1、x及びyは、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
本発明においては、式(II)が下記式で表されるいずれかであることが好ましい。
(式中、R3は式(II)と同様な基を表し、xは1〜5の整数である。)
式(I)において、同一の芳香環上に存在する2つのR1のうち、一方のR1は、水素、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の分岐脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基、アルコキシアルキル基、置換もしくは無置換のシリル基、又はこれらの基と二価の基(置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、置換もしくは無置換のシリレン基、エステル結合基(−COO−)、炭酸エステル結合基(−CO3−)もしくはエーテル結合基(−O−)、又はこれらの基が2以上結合してなる基)が結合した基である。一方のR1が全て水素である場合が好ましい。
他方のR1は、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の分岐脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基、アルコキシアルキル基、置換もしくは無置換のシリル基、又はこれらの基と二価の基(置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、置換もしくは無置換のシリレン基、エステル結合基(−COO−)、炭酸エステル結合基(−CO3−)もしくはエーテル結合基(−O−)、又はこれらの基が2以上結合してなる基)が結合した基である。
R1基の具体例は、上述したR3と同様である。R1は酸解離性溶解抑止基であってもよい。
式(I)にある4つの他方のR1の少なくとも1つ(好ましくは全て)は、鎖状若しくは分岐状構造でありかつO−R1が2.2オングストローム以上5.5オングストローム以下の大きさを有する基、又は環状構造でありかつO−R1が3.5オングストローム以上7.5オングストローム以下の大きさを有する基である。
O−R1の長さが上記の範囲内であれば、耐熱性が向上すると共に、溶媒への溶解性に優れる。
ここで、鎖状若しくは分岐状構造の場合には、O−R1の長さが2.5オングストローム以上5オングストローム以下が好ましい。環状構造の場合には、O−R1の長さが3.8オングストローム以上7オングストローム以下が好ましい。
ここで、O−R1の長さとは、酸素原子とR1の部分のうち、最も離れている部分と酸素原子の距離を意味する。
具体的には、図1に示す通りである。
O−R1の長さが上記の範囲内であれば、耐熱性が向上すると共に、溶媒への溶解性に優れる。
ここで、鎖状若しくは分岐状構造の場合には、O−R1の長さが2.5オングストローム以上5オングストローム以下が好ましい。環状構造の場合には、O−R1の長さが3.8オングストローム以上7オングストローム以下が好ましい。
ここで、O−R1の長さとは、酸素原子とR1の部分のうち、最も離れている部分と酸素原子の距離を意味する。
具体的には、図1に示す通りである。
上記他方の鎖状若しくは分岐状構造でありかつO−R1の長さが2.2オングストローム以上5.5オングストローム以下の大きさを有する基、又は環状構造でありかつO−R1の長さが3.5オングストローム以上7.5オングストローム以下の大きさを有する基であるR1は、炭素数2以上3以下の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素数3以上10以下の分岐脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族基又は酸素原子を含む基であることが好ましい。尚、酸素原子を含む基とは、上記の他方のR1の定義の中で酸素原子を含む基である。
具体的には、エチル、n−プロピル、イソプロピル、イソブチル等の脂肪族鎖状、分岐状炭化水素基、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−デカヒドロナフチル、2−デカヒドロナフチル等の環状炭化水素基、1−アダマンチル、2−アダマンチル、2−ビシクロ[2.2.1]ヘプテン等の縮環型炭化水素基、トリフルオロメチル、2,2,3,3,3,−ペンタフルオロプロピル基等の含フッ素置換基、フェニル、3,5−ジメチルフェニル、1−ナフチル等の(置換)芳香族基、2−ヒドロキシエチル等の含酸素置換基、トリメチルシリル等の珪素含有基等が挙げられ、特に好ましいものは、エチル、n−プロピル、イソプロピル、イソブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、トリフルオロメチルである。
具体的には、エチル、n−プロピル、イソプロピル、イソブチル等の脂肪族鎖状、分岐状炭化水素基、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−デカヒドロナフチル、2−デカヒドロナフチル等の環状炭化水素基、1−アダマンチル、2−アダマンチル、2−ビシクロ[2.2.1]ヘプテン等の縮環型炭化水素基、トリフルオロメチル、2,2,3,3,3,−ペンタフルオロプロピル基等の含フッ素置換基、フェニル、3,5−ジメチルフェニル、1−ナフチル等の(置換)芳香族基、2−ヒドロキシエチル等の含酸素置換基、トリメチルシリル等の珪素含有基等が挙げられ、特に好ましいものは、エチル、n−プロピル、イソプロピル、イソブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、トリフルオロメチルである。
R2はそれぞれ水素、水酸基、OR3で表される基、OR4(R4は溶解性調整基である)で表される基、炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の分岐脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族基又は酸素原子を含む基である。
炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の分岐脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基及び炭素数6〜10の芳香族基の好適例は、上述したR3と同様である。
酸素原子を含む基としては、OR3で表される基、OR4(R4は溶解性調整基である)で表される基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基等が好ましい。
酸素原子を含む基としては、OR3で表される基、OR4(R4は溶解性調整基である)で表される基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基等が好ましい。
溶解性調整基は、好ましくは、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の分岐脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基、アルコキシアルキル基、置換もしくは無置換のシリル基、又はこれらの基と二価の基(置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、置換もしくは無置換のシリレン基、エステル結合基(−COO−)、炭酸エステル結合基(−CO3−)もしくはエーテル結合基(−O−)、又はこれらの基が2以上結合してなる基)が結合した基である。
溶解性調整基の各基の好適例は、上述したR3と同様である。
好ましくは、R2は水素である。
溶解性調整基の各基の好適例は、上述したR3と同様である。
好ましくは、R2は水素である。
尚、式(I)内に複数あるR、R1、及びR2は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
酸解離性溶解抑止基は、EUVL及び電子線に対し、高い反応性を有するため、感度の面で優れており、かつエッチング耐性の面でも優れる。そのため、環状化合物が酸解離性溶解抑止基を含むと、超微細加工用のフォトレジスト基材として好適に使用できる。
本発明に係る環状化合物は、例えば、公知の方法により、酸触媒存在下、対応する構造のアルデヒド化合物と、溶解性調整基と水酸基を併せ持つ芳香族化合物との縮合環化反応により、カリックスレゾルシナレン誘導体(前駆体)を合成し、R3等の基に対応する化合物を、エステル化反応、エーテル化反応、アセタール化反応等により前駆体に導入することで合成できる。具体例は、後述する実施例で説明する。
本発明に係る環状化合物はフォトレジスト基材、特に、極端紫外光(波長15nm以下)や電子線等のリソグラフィーによる超微細加工の際に用いるフォトレジスト基材として有用である。
本発明に係る環状化合物をフォトレジスト基材に用いるとき、精製して塩基性不純物(例えば、アンモニア、Li、Na、K等のアルカリ金属イオン、Ca、Ba等のアルカリ土類金属イオン等)等を除くことが好ましい。具体的には、塩基性不純物の含有量は、好ましくは10ppm以下、より好ましくは2ppm以下である。
精製方法としては、例えば、酸性水溶液洗浄、イオン交換樹脂、又は超純水を用いた再沈殿で処理する方法が挙げられる。これらの洗浄方法を組み合わせて精製してもよい。例えば、酸性水溶液として酢酸水溶液を用いて洗浄処理した後に、イオン交換樹脂処理又は超純水を用いる再沈殿処理をする。
本発明の環状化合物は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大するので、アルカリ可溶性基を含有することが好ましい。
アルカリ可溶性基としては水酸基、スルホン酸基、フェノール基、カルボキシル基、ヘキサフルオロイソプロパノール基〔−C(CF3)2OH〕等が挙げられる。好ましくはフェノール基、カルボキシル基、ヘキサフルオロイソプロパノール基であり、さらに好ましくはフェノール基、カルボキシル基である。
本発明の環状化合物は、極端紫外光や電子線等のリソグラフィーによる超微細加工の際に用いるフォトレジスト基材として用いることができる。
本発明のフォトレジスト組成物は、上記のフォトレジスト基材と溶剤を含有する。
本発明のフォトレジスト組成物は本発明のフォトレジスト基材を含む。本発明のフォトレジスト基材の含有量は、溶剤を除く全組成物中で好ましくは50〜99.9重量%であり、より好ましくは75〜95重量%である。
本発明のフォトレジスト基材として用いる場合において、本発明のフォトレジスト基材は、1種類の化合物でもよく、2種以上の混合物でもよい。
本発明のフォトレジスト組成物は本発明のフォトレジスト基材を含む。本発明のフォトレジスト基材の含有量は、溶剤を除く全組成物中で好ましくは50〜99.9重量%であり、より好ましくは75〜95重量%である。
本発明のフォトレジスト基材として用いる場合において、本発明のフォトレジスト基材は、1種類の化合物でもよく、2種以上の混合物でもよい。
本発明のフォトレジスト組成物に使用される溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;乳酸メチル、乳酸エチル(EL)等の乳酸エステル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル(PE)等の脂肪族カルボン酸エステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類等を挙げることができるが、特に限定はされない。これらの溶剤は、単独で又は2種以上を使用することができる。
組成物中の溶剤以外の成分、即ちフォトレジスト固形分の量は所望のフォトレジスト層の膜厚を形成するために適する量とするのが好ましい。具体的にはフォトレジスト組成物の全重量の0.1〜50重量%が一般的であるが、用いる基材や溶剤の種類、あるいは、所望のフォトレジスト層の膜厚等に合わせて規定できる。溶剤は全組成物中好ましくは50〜99.9重量%配合する。
本発明のフォトレジスト組成物は、基材の分子が、EUV及び/又は電子線に対して活性なクロモフォアを含み単独でフォトレジストとしての能力を示す場合には特に添加剤は必要としないが、フォトレジストとしての性能(感度)を増強する必要がある場合は、必要に応じて、クロモフォアとして光酸発生剤(PAG)等を含むことが一般的である。
光酸発生剤としては、特に限定されず、化学増幅型レジスト用の酸発生剤として提案されているものを使用することができる。
このような酸発生剤としては、ヨードニウム塩やスルホニウム塩等のオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキル又はビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類等のジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤等多種のものが知られている。
このような酸発生剤としては、ヨードニウム塩やスルホニウム塩等のオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキル又はビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類等のジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤等多種のものが知られている。
これらの光酸発生剤の中で、特に好ましくは活性光線又は放射線の作用により有機スルホン酸を発生する化合物が好ましい。
PAGの配合量は、溶剤を除く全組成物中0〜40重量%、好ましくは5〜30重量%、さらに好ましくは5〜20重量%である。
本発明においては、放射線照射により酸発生剤から生じた酸のレジスト膜中における拡散を制御して、未露光領域での好ましくない化学反応を阻止する作用等を有する酸拡散制御剤(クエンチャー)をフォトレジスト組成物に配合してもよい。この様な酸拡散制御剤を使用することにより、フォトレジスト組成物の貯蔵安定性が向上する。また解像度が向上するとともに、電子線照射前の引き置き時間、電子線照射後の引き置き時間の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に極めて優れたものとなる。
このような酸拡散制御剤としては、例えば、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジアルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デカニルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のトリアルキルアミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン等のアルキルアルコールアミン;1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等の環状アミン等の窒素原子含有塩基性化合物、塩基性スルホニウム化合物、塩基性ヨードニウム化合物等の電子線放射分解性塩基性化合物が挙げられる。酸拡散制御剤は、単独で又は2種以上を使用することができる。
クエンチャーの配合量は、溶剤を除く全組成物中0〜40重量%、好ましくは0.01〜15重量%である。
本発明においては、さらに所望により混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解制御剤、増感剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤、染料、顔料等を適宜、添加含有させることができる。
本発明においては、さらに所望により混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解制御剤、増感剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤、染料、顔料等を適宜、添加含有させることができる。
レジストパターンを形成するには、まず、シリコンウェハー、ガリウムヒ素ウェハー、アルミニウムで被覆されたウェハー等の基板上に本発明のフォトレジスト組成物を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布手段によって塗布することによりレジスト膜を形成する。
必要に応じて、基板上に表面処理剤を予め塗布してもよい。表面処理剤としては、例えばヘキサメチレンジシラザン等のシランカップリング剤(重合性基を有する加水分解重合性シランカップリング剤等)、アンカーコート剤又は下地剤(ポリビニルアセタール、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等)、これらの下地剤と無機微粒子とを混合したコーティング剤が挙げられる。
必要に応じて、大気中に浮遊するアミン等が侵入するのを防ぐために、レジスト膜に保護膜を形成してもよい。保護膜を形成することにより、放射線によりレジスト膜中に発生した酸が、大気中に不純物として浮遊しているアミン等の酸と反応する化合物と反応して失活し、レジスト像が劣化し感度が低下することを防止できる。保護膜用の材料としては水溶性かつ酸性のポリマーが好ましい。例えば、ポリアクリル酸、ポリビニルスルホン酸等が挙げられる。
高精度の微細パターンを得るため、また露光中のアウトガスを低減するため、放射線照射前(露光前)に加熱するのが好ましい。その加熱温度は、フォトレジスト組成物の配合組成等により変わるが、20〜250℃が好ましく、より好ましくは40〜150℃である。
次いで、KrFエキシマレーザー、極端紫外線、電子線又はX線等の放射線により、レジスト膜を所望のパターンに露光する。露光条件等は、フォトレジスト組成物の配合組成等に応じて適宜選定される。本発明においては、高精度の微細パターンを安定して形成するために、放射線照射後(露光後)に加熱するのが好ましい。露光後加熱温度(PEB)は、フォトレジスト組成物の配合組成等により変わるが、20〜250℃が好ましく、より好ましくは40〜150℃である。
次いで、露光されたレジスト膜をアルカリ現像液で現像することにより、所定のレジストパターンを形成できる。前記アルカリ現像液としては、例えば、モノ−、ジ−あるいはトリアルキルアミン類、モノ−、ジ−あるいはトリアルカノールアミン類、複素環式アミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、コリン等のアルカリ性化合物の1種以上を溶解した、好ましくは1〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%のアルカリ性水溶液を使用する。アルカリ現像液には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類や前記界面活性剤を適量添加することもできる。
酸解離性溶解抑止基を有する環状化合物をフォトレジスト基材として用いる場合は、KrFエキシマレーザー、極端紫外線、電子線又はX線等の放射線により、レジスト膜を所望のパターンに露光することにより、酸解離性溶解抑止基が脱離ないし構造が変化することにより、アルカリ現像液に溶解するようになる。一方、パターンの露光されていない部分はアルカリ現像液に溶解しないことが好ましい。
尚、場合によっては上記アルカリ現像後、ポストベーク処理を行ってもよいし、基板とのレジスト膜の間には有機系又は無機系の反射防止膜を設けてもよい。
レジストパターンを形成した後、エッチングすることによりパターン配線基板が得られる。エッチングは、プラズマガスを使用するドライエッチング、アルカリ溶液、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液等を用いるウェットエッチング等公知の方法で行うことができる。レジストパターンを形成した後、銅めっき、はんだめっき、ニッケルめっき、金めっき等のめっき処理を行うこともできる。
エッチング後の残留レジストパターンは、有機溶剤やアルカリ現像液より強アルカリ性の水溶液で剥離することができる。上記有機溶剤としては、PGMEA、PGME、EL、アセトン、テトラヒドロフラン等が挙げられ、強アルカリ水溶液としては、例えば、1〜20重量%の水酸化ナトリウム水溶液、及び1〜20重量%の水酸化カリウム水溶液が挙げられる。剥離方法としては、例えば、浸漬方法、スプレイ方式等が挙げられる。またレジストパターンが形成された配線基板は、多層配線基板でもよく、小径スルーホールを有していてもよい。
本発明のフォトレジスト組成物を用いてレジストパターンを形成した後、金属を真空蒸着し、その後レジストパターンを溶液で溶離する方法、即ちリフトオフ法により配線基板を形成することもできる。
本発明のフォトレジスト組成物を用いて微細加工方法により、半導体装置を作製できる。この半導体装置は、テレビ受像機、携帯電話、コンピュータ等の電気製品(電子機器)、ディスプレイ、コンピュータ制御する自動車等の様々な装置に備えることができる。
本発明の化合物は公知の成形方法によって各種成形品(シリコンウェハ等の基板に形成した薄膜、フィルム、薄板、ファイバー等)を製造することができる。
成形方法としては、射出成型法、射出圧縮成型法、押出成型法、ブロー成型法、加圧成型法、トランスファー成型法、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、キャスト法、蒸着法、熱CVD法、プラズマCVD法、プラズマ重合法等が挙げられ、これら成形方法を所望の製品の形態、性能に応じて適宜選択できる。
また、本発明の化合物を用いて上記の方法により薄膜を得て、得られた薄膜を熱、紫外線、深紫外線、真空紫外線、極端紫外線、電子線、プラズマ、X線等により硬化(環化付加反応)させてもよい。
スピンコーティング法等により本発明の化合物を薄膜に形成する場合、本発明の化合物を有機溶媒に溶解させて塗料として用いることができる。
有機溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ジクロロエタン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、テトラクロロベンゼン、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アニソール、アセトフェノン、ベンゾニトリル、ニトロベンゼン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン等が挙げられる。
塗料中における本発明の化合物の濃度は、塗料の粘度や薄膜形成方法等を考慮して適宜調製すればよい。
薄膜の厚さは特に限定されないが、一般に10nm〜10μm程度のものが好適に使用される。薄膜の膜厚は、エリプソメータ、反射光学式膜厚計等による光学的膜厚測定、触針式膜厚測定器やAFM等による機械的膜厚測定が可能である。
薄膜の厚さは特に限定されないが、一般に10nm〜10μm程度のものが好適に使用される。薄膜の膜厚は、エリプソメータ、反射光学式膜厚計等による光学的膜厚測定、触針式膜厚測定器やAFM等による機械的膜厚測定が可能である。
本発明の薄膜は、フォトレジスト薄膜としての用途の他、光学レンズ、光ファイバー、光導波路、フォトニック結晶等の種々の光情報処理装置向け光学薄膜、半導体用層間絶縁膜、半導体用保護膜等のULSI装置向け薄膜、液晶ディスプレー、液晶プロジェクター、プラズマディスプレー、ELディスプレー、LEDディスプレー等の画像表示装置向け薄膜、CMOSイメージセンサ、CCDイメージセンサ等に使用される薄膜として有用である。さらにこれら薄膜は、CPU、DRAM、フラッシュメモリ等の半導体装置、情報処理用小型電子回路装置、高周波通信用電子回路装置等の電子回路装置、画像表示装置、光情報処理用装置、光通信用装置等の部材、表面保護膜、耐熱膜において利用することもできる。
実施例1
(1)窒素気流下、容量200ミリリットルの丸底フラスコに、3−エトキシフェノール24.0g(173.71ミリモル)、テレフタルアルデヒド酸26.1g(173.71ミリモル)、及び脱水ジクロロメタン500ミリリットルを加えて氷水浴に浸漬させ、5℃以下に冷却した。この混合物に対して、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル付加体52.8ミリリットル(416.904ミリモル)を内温が15℃を越えないように滴下した後、室温まで昇温して8時間撹拌した。反応溶液を氷水浴で冷却し、ゆっくり水を滴下してクエンチし、析出した固体をろ別した。ろ別した析出物を中性になるまで水洗した後、NMPに溶解させ、酢酸エチルで再沈し、析出した固体をろ別することにより、下記式の環状化合物(1)(42.56g)を得た。
尚、環状化合物(1)の構造は1H−NMR測定により確認した。1H−NMRの測定結果を図2に示す。
(1)窒素気流下、容量200ミリリットルの丸底フラスコに、3−エトキシフェノール24.0g(173.71ミリモル)、テレフタルアルデヒド酸26.1g(173.71ミリモル)、及び脱水ジクロロメタン500ミリリットルを加えて氷水浴に浸漬させ、5℃以下に冷却した。この混合物に対して、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル付加体52.8ミリリットル(416.904ミリモル)を内温が15℃を越えないように滴下した後、室温まで昇温して8時間撹拌した。反応溶液を氷水浴で冷却し、ゆっくり水を滴下してクエンチし、析出した固体をろ別した。ろ別した析出物を中性になるまで水洗した後、NMPに溶解させ、酢酸エチルで再沈し、析出した固体をろ別することにより、下記式の環状化合物(1)(42.56g)を得た。
尚、環状化合物(1)の構造は1H−NMR測定により確認した。1H−NMRの測定結果を図2に示す。
(2)200ミリリットルの2口フラスコに、上記(1)で調製した環状化合物(1)(5g、4.6ミリモル)を加えて窒素雰囲気下とした後、無水N−メチル−2−ピロリドン(50ミリリットル)をさらに加え室温で攪拌し、トリエチルアミン(3.2ミリリットル、23.0ミリモル)、2−ブロモ酢酸2−エチルアダマンチル(6.9g、23.0ミリモル)、及び1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(1・04ミリリットル,6.9ミリモル)を滴下した。室温で10時間攪拌した後、イオン交換水200ミリリットル及び酢酸エチル100ミリリットルを加えて有機層を抽出した。得られた有機層を濃縮した後、残渣を酢酸エチル、ヘキサンを用いて再沈殿を行なった。沈殿物をろ別して下記式の環状化合物(2)(7.9g、収率88%)を得た。
尚、環状化合物(2)の構造は液体クロマトグラフィー測定及び1H−NMR測定により確認した。1H−NMRの測定結果を図3に示す。
尚、環状化合物(2)の構造は液体クロマトグラフィー測定及び1H−NMR測定により確認した。1H−NMRの測定結果を図3に示す。
実施例2
(1)実施例1(1)の3−エトキシフェノールを3−イソプロポキシフェノールに変えた以外は、同様の方法により下記式の環状化合物(3)を得た。3−イソプロポキシフェノールは、Synlett,997−1001(2003)に従い合成したものを用いた(収率73.2%)。環状化合物(3)の構造は1H−NMR測定により確認した。1H−NMRの測定結果を図4に示す。
(1)実施例1(1)の3−エトキシフェノールを3−イソプロポキシフェノールに変えた以外は、同様の方法により下記式の環状化合物(3)を得た。3−イソプロポキシフェノールは、Synlett,997−1001(2003)に従い合成したものを用いた(収率73.2%)。環状化合物(3)の構造は1H−NMR測定により確認した。1H−NMRの測定結果を図4に示す。
(2)次に、実施例1(2)の環状化合物(1)の代わりに上記環状化合物(3)を用いた以外は同様の方法で下記式の環状化合物(4)を得た。環状化合物(4)の構造は1H−NMR測定により確認した。1H−NMRの測定結果を図5に示す。
実施例3
窒素ガスにて置換した三口フラスコ(1リットル)に、実施例1(1)において合成した環状化合物(1)(10.0g、10ミリモル)及び無水N−メチル−2−ピロリドン(100ミリリットル)を加えた。0℃まで冷却し、トリエチルアミン(10.4g、103ミリモル)を加え10分攪拌し、アダマンチルオキシメチレンクロリド(10.9g、54ミリモル)を加えた。室温まで昇温し21時間攪拌した後、飽和塩化アンモニウム溶液を加えることで反応を停止させた。続いて、酢酸エチルにて反応溶液を抽出し、純水及び飽和食塩水にて洗浄した。得られた溶液を濃縮し、酢酸エチル及びヘキサンの混合溶媒にて再沈殿させ下記式の環状化合物(5)(10.5g、収率49%)を得た。尚、環状化合物(5)の構造は1H−NMR測定により確認した。1H−NMRの測定結果を図6に示す。
窒素ガスにて置換した三口フラスコ(1リットル)に、実施例1(1)において合成した環状化合物(1)(10.0g、10ミリモル)及び無水N−メチル−2−ピロリドン(100ミリリットル)を加えた。0℃まで冷却し、トリエチルアミン(10.4g、103ミリモル)を加え10分攪拌し、アダマンチルオキシメチレンクロリド(10.9g、54ミリモル)を加えた。室温まで昇温し21時間攪拌した後、飽和塩化アンモニウム溶液を加えることで反応を停止させた。続いて、酢酸エチルにて反応溶液を抽出し、純水及び飽和食塩水にて洗浄した。得られた溶液を濃縮し、酢酸エチル及びヘキサンの混合溶媒にて再沈殿させ下記式の環状化合物(5)(10.5g、収率49%)を得た。尚、環状化合物(5)の構造は1H−NMR測定により確認した。1H−NMRの測定結果を図6に示す。
比較例1
実施例1(1)の3−エトキシフェノールを3−メトキシフェノールに変えた以外は同様の方法で環状化合物を得、この環状化合物に実施例1(2)と同様に2−ブロモ酢酸2−エチルアダマンチルを反応させることにより下記式の化合物(6)を得た。
実施例1(1)の3−エトキシフェノールを3−メトキシフェノールに変えた以外は同様の方法で環状化合物を得、この環状化合物に実施例1(2)と同様に2−ブロモ酢酸2−エチルアダマンチルを反応させることにより下記式の化合物(6)を得た。
比較例2
実施例1(1)の3−エトキシフェノールを3−nブトキシフェノールに変えた以外は同様の方法で環状化合物を得、この環状化合物に実施例1(2)と同様に2−ブロモ酢酸2−エチルアダマンチルを反応させることにより下記式の化合物(7)を得た。
実施例1(1)の3−エトキシフェノールを3−nブトキシフェノールに変えた以外は同様の方法で環状化合物を得、この環状化合物に実施例1(2)と同様に2−ブロモ酢酸2−エチルアダマンチルを反応させることにより下記式の化合物(7)を得た。
比較例3
実施例1(1)の3−エトキシフェノールを3−nブトキシフェノールに変えた以外は同様の方法で環状化合物を得、この環状化合物に実施例3と同様にアダマンチルオキシメチレンクロリドを反応させることにより下記式の化合物(8)を得た。
実施例1(1)の3−エトキシフェノールを3−nブトキシフェノールに変えた以外は同様の方法で環状化合物を得、この環状化合物に実施例3と同様にアダマンチルオキシメチレンクロリドを反応させることにより下記式の化合物(8)を得た。
実施例4
実施例1(1)において、3−エトキシフェノールを3−イソブチロキシフェノールに代えた以外は、同様の方法により下記式の環状化合物(10)を得た。3−イソブチロキシフェノールは、Synlett,997−1001(2003)を参考に合成したものを用いた(収率63%)。環状化合物(10)の構造は1H−NMR測定により確認した。1H−NMRの測定結果を図7に示す。
実施例1(1)において、3−エトキシフェノールを3−イソブチロキシフェノールに代えた以外は、同様の方法により下記式の環状化合物(10)を得た。3−イソブチロキシフェノールは、Synlett,997−1001(2003)を参考に合成したものを用いた(収率63%)。環状化合物(10)の構造は1H−NMR測定により確認した。1H−NMRの測定結果を図7に示す。
実施例5
実施例1(2)において、環状化合物(1)の代わりに環状化合物(10)を用いた以外は同様の方法で下記式の環状化合物(11)を得た。環状化合物(11)の構造は1H−NMR測定により確認した。1H−NMRの測定結果を図8に示す。
実施例6
実施例3において、環状化合物(1)の代わりに環状化合物(10)を用いた以外は同様の方法により、環状化合物(12)を得た。環状化合物(12)の構造は1H−NMRで確認した。1H−NMRの測定結果を図9に示す。
実施例3において、環状化合物(1)の代わりに環状化合物(10)を用いた以外は同様の方法により、環状化合物(12)を得た。環状化合物(12)の構造は1H−NMRで確認した。1H−NMRの測定結果を図9に示す。
実施例7
実施例1(1)において、3−エトキシフェノールを3−n−プロポキシフェノールに代えた以外は、同様の方法により下記式の環状化合物(13)を得た。3−n−プロポキシフェノールは、Synlett,997−1001(2003)を参考に合成したものを用いた(収率75%)。環状化合物(13)の構造は1H−NMR測定により確認した。1H−NMRの測定結果を図10に示す。
実施例1(1)において、3−エトキシフェノールを3−n−プロポキシフェノールに代えた以外は、同様の方法により下記式の環状化合物(13)を得た。3−n−プロポキシフェノールは、Synlett,997−1001(2003)を参考に合成したものを用いた(収率75%)。環状化合物(13)の構造は1H−NMR測定により確認した。1H−NMRの測定結果を図10に示す。
実施例8
実施例1(2)において、環状化合物(1)の代わりに環状化合物(13)を用いた以外は同様の方法で下記式の環状化合物(14)を得た。環状化合物(14)の構造は1H−NMR測定により確認した。1H−NMRの測定結果を図11に示す。
実施例1(2)において、環状化合物(1)の代わりに環状化合物(13)を用いた以外は同様の方法で下記式の環状化合物(14)を得た。環状化合物(14)の構造は1H−NMR測定により確認した。1H−NMRの測定結果を図11に示す。
実施例9
実施例3において、環状化合物(1)の代わりに化合物(13)を用いた以外は同様の方法により、環状化合物(15)を得た。環状化合物(15)の構造は1H−NMRで確認した。1H−NMRの測定結果を図12に示す。
実施例3において、環状化合物(1)の代わりに化合物(13)を用いた以外は同様の方法により、環状化合物(15)を得た。環状化合物(15)の構造は1H−NMRで確認した。1H−NMRの測定結果を図12に示す。
実施例10
実施例1(1)において、3−エトキシフェノールを3−シクロペントキシフェノールに代えた以外は、同様の方法により下記式の環状化合物(16)を得た。3−シクロペントキシフェノールは、Synlett,997−1001(2003)を参考に合成したものを用いた(収率72%)。環状化合物(16)の構造は1H−NMR測定により確認した。1H−NMRの測定結果を図13に示す。
実施例1(1)において、3−エトキシフェノールを3−シクロペントキシフェノールに代えた以外は、同様の方法により下記式の環状化合物(16)を得た。3−シクロペントキシフェノールは、Synlett,997−1001(2003)を参考に合成したものを用いた(収率72%)。環状化合物(16)の構造は1H−NMR測定により確認した。1H−NMRの測定結果を図13に示す。
実施例11
実施例1(2)において、環状化合物(1)の代わりに環状化合物(16)を用いた以外は同様の方法で下記式の環状化合物(17)を得た。環状化合物(17)の構造は1H−NMR測定により確認した。1H−NMRの測定結果を図14に示す。
実施例1(2)において、環状化合物(1)の代わりに環状化合物(16)を用いた以外は同様の方法で下記式の環状化合物(17)を得た。環状化合物(17)の構造は1H−NMR測定により確認した。1H−NMRの測定結果を図14に示す。
評価例1(エステル系化合物)
(1)電子線露光評価
基材、PAG(光酸発生材)、クエンチャー、溶剤からなるフォトレジスト溶液を作製し、電子線を使用してシリコンウェハにパターンを形成した。
(1)電子線露光評価
基材、PAG(光酸発生材)、クエンチャー、溶剤からなるフォトレジスト溶液を作製し、電子線を使用してシリコンウェハにパターンを形成した。
基材として、実施例1,2,5,8,11で得た環状化合物(2),(4),(11),(14),(17)、比較例1,2で得た環状化合物(6),(7)、PAGとしてトリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、クエンチャーとしてトリオクチルアミンをそれぞれ表1の重量比で使用した。これらの固体成分の濃度が2重量%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解させ、フォトレジスト溶液とした。
これらのフォトレジスト溶液を、それぞれ、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理を施したシリコンウェハ上にスピンコートし、表1の温度でプリベーク(露光前ベーク)することにより薄膜を形成した。次いで、この薄膜を有する基板に対して電子線描画装置(加速電圧50kV)を用いて描画し、表1の温度で露光後ベークした後、濃度が2.38重量%のテトラブチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間現像処理し、純水にて60秒洗浄、その後、窒素気流により乾燥した。40nm1:1ラインアンドスペースパターンにあたる部分を走査型電子顕微鏡により観察しその際のパターン形状と感度(必要な電子線ドーズ量)の結果を表2に示す。
これらのフォトレジスト溶液を、それぞれ、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理を施したシリコンウェハ上にスピンコートし、表1の温度でプリベーク(露光前ベーク)することにより薄膜を形成した。次いで、この薄膜を有する基板に対して電子線描画装置(加速電圧50kV)を用いて描画し、表1の温度で露光後ベークした後、濃度が2.38重量%のテトラブチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間現像処理し、純水にて60秒洗浄、その後、窒素気流により乾燥した。40nm1:1ラインアンドスペースパターンにあたる部分を走査型電子顕微鏡により観察しその際のパターン形状と感度(必要な電子線ドーズ量)の結果を表2に示す。
パターン形状は、目視により、40nm1:1ラインアンドスペースパターン部分のライン形状がまっすぐなものは○、剥がれ、倒れによりラインがゆがみがあるものは×とした。
感度は、40nm1:1ラインアンドスペースパターン部分のドーズ量が50μC/cm2以下を○、50μC/cm2超を×とした。
感度は、40nm1:1ラインアンドスペースパターン部分のドーズ量が50μC/cm2以下を○、50μC/cm2超を×とした。
上記で調製したフォトレジスト液を同様の手順でシリコンウェハ上に塗布した後、ホールパターンを形成し、ホットプレートで加熱、ホール直径が10%小さくなった温度を耐熱温度とした。結果を表2に示す。耐熱性は、120℃以上を○、120℃未満を×とした。
(2)疎水性評価
液体クロマトグラフィー(LC)を下記条件で測定、保持時間を用いて疎水性を相対評価し、保持時間(分)の長いものほど疎水性が高いとした。結果を表2に示す。疎水性は、保持時間が15.0分よりも長いものを○、それ未満を×とした。
液体クロマトグラフィー(LC)を下記条件で測定、保持時間を用いて疎水性を相対評価し、保持時間(分)の長いものほど疎水性が高いとした。結果を表2に示す。疎水性は、保持時間が15.0分よりも長いものを○、それ未満を×とした。
・移動相: 以下のA液及びB液
A液:0.1%酢酸アンモニウム水溶液/アセトニトリルの6/4混合溶液
B液:THF(テトラヒドロフラン)
・グラジエント
A液/B液=7/3(20分)→0/10(10分保持)
・流速: 1ml/分
・カラム: TOSOH ODS−100Z
・検出波長: UV280nm
A液:0.1%酢酸アンモニウム水溶液/アセトニトリルの6/4混合溶液
B液:THF(テトラヒドロフラン)
・グラジエント
A液/B液=7/3(20分)→0/10(10分保持)
・流速: 1ml/分
・カラム: TOSOH ODS−100Z
・検出波長: UV280nm
表2から、式(I)においてR1を特定の基にする(大きさを調整する)ことにより、パターン形状、感度、耐熱性のバランスの優れたレジスト基材を得ることが可能となるのが分かる。
評価例2(アセタール系化合物)
(1)電子線露光評価
実施例3,6,9で得たアセタール系保護基を導入した環状化合物(5)、(12)、(15)、比較例3で得た環状化合物(8)に対して評価例1と同様のレジスト液を調製し電子線露光評価を実施した。レジスト液組成を表3に示し、結果を表4に示す。解像性の評価は、評価例1と同様であるが、調製したフォトレジスト溶液を、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理を施したシリコンウェハ上にスピンコートし、100℃で90秒加熱することにより薄膜を形成させた。次いで、この薄膜を有する基板に対して電子線描画装置(加速電圧50kV)を用いて描画し、100℃で60秒ベークした後、濃度が2.38重量%のテトラブチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間現像処理し、純水にて60秒洗浄、その後、窒素気流により乾燥し、走査型電子顕微鏡により観察を行なった。
上記で調製したフォトレジスト液を同様の手順でシリコンウェハ上に塗布した後、ホールパターンを形成し、ホットプレートで加熱し、ホール直径が10%小さくなった温度を耐熱温度とした。結果を表4に示す。
(1)電子線露光評価
実施例3,6,9で得たアセタール系保護基を導入した環状化合物(5)、(12)、(15)、比較例3で得た環状化合物(8)に対して評価例1と同様のレジスト液を調製し電子線露光評価を実施した。レジスト液組成を表3に示し、結果を表4に示す。解像性の評価は、評価例1と同様であるが、調製したフォトレジスト溶液を、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理を施したシリコンウェハ上にスピンコートし、100℃で90秒加熱することにより薄膜を形成させた。次いで、この薄膜を有する基板に対して電子線描画装置(加速電圧50kV)を用いて描画し、100℃で60秒ベークした後、濃度が2.38重量%のテトラブチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間現像処理し、純水にて60秒洗浄、その後、窒素気流により乾燥し、走査型電子顕微鏡により観察を行なった。
上記で調製したフォトレジスト液を同様の手順でシリコンウェハ上に塗布した後、ホールパターンを形成し、ホットプレートで加熱し、ホール直径が10%小さくなった温度を耐熱温度とした。結果を表4に示す。
(2)疎水性評価
疎水性は、評価例1と同様に保持時間(分)の長いものを疎水が高いと評価した。結果を表4に示す。但し測定条件は次のとおりである。
・移動相: 以下のA液及びB液
A液:0.1%酢酸アンモニウム水溶液/アセトニトリルの6/4混合溶液
B液:THF(テトラヒドロフラン)
・グラジエント
A液/B液=9/1―(30分)→5/95
・流速: 1ml/分
・カラム: TOSOH ODS−100Z
・検出波長: UV280nm
疎水性は、評価例1と同様に保持時間(分)の長いものを疎水が高いと評価した。結果を表4に示す。但し測定条件は次のとおりである。
・移動相: 以下のA液及びB液
A液:0.1%酢酸アンモニウム水溶液/アセトニトリルの6/4混合溶液
B液:THF(テトラヒドロフラン)
・グラジエント
A液/B液=9/1―(30分)→5/95
・流速: 1ml/分
・カラム: TOSOH ODS−100Z
・検出波長: UV280nm
表4から、アセタール系保護基を導入した式(I)の化合物においてもR1を特定の基にする(大きさを調整する)ことにより、解像性、感度、耐熱性のバランスに優れたレジスト基材を得ることが可能となるのが分かる。
本発明の環状化合物は、フォトレジスト基材又は組成物、特に極端紫外光用及び/又は電子線用フォトレジスト基材又は組成物に好適に使用できる。また、本発明の環状化合物は、溶解度調整のための添加剤としても使用できる。本発明のフォトレジスト基材及びその組成物は、半導体装置等の電気・電子分野や光学分野等において好適に用いられる。
Claims (15)
- 下記式(I)で表される環状化合物。
A1は単結合、アリーレン基、アルキレン基、エーテル結合、又は、アリーレン基、アルキレン基及びエーテル結合から選択される2つ以上を組み合わせた基である。
R3は水素、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の分岐脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基、アルコキシアルキル基、置換もしくは無置換のシリル基、又はこれらの基と二価の基(置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、置換もしくは無置換のシリレン基、エステル結合基(−COO−)、炭酸エステル結合基(−CO3−)もしくはエーテル結合基(−O−)、又はこれらの基が2以上結合してなる基)が結合した基である。
xは1〜5の整数、yは0〜3の整数である。
複数のR3、Ar及びA1はそれぞれ同じでも異なってもよい。)
同一の芳香環上に存在する2つのR1のうち、一方のR1は、水素、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の分岐脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基、アルコキシアルキル基、置換もしくは無置換のシリル基、又はこれらの基と二価の基(置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、置換もしくは無置換のシリレン基、エステル結合基(−COO−)、炭酸エステル結合基(−CO3−)もしくはエーテル結合基(−O−)、又はこれらの基が2以上結合してなる基)が結合した基を示す。
他方が、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の分岐脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基、アルコキシアルキル基、置換もしくは無置換のシリル基、又はこれらの基と二価の基(置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、置換もしくは無置換のシリレン基、エステル結合基(−COO−)、炭酸エステル結合基(−CO3−)もしくはエーテル結合基(−O−)、又はこれらの基が2以上結合してなる基)が結合した基であり、
式(I)にある4つの他方のR1の少なくとも1つは、鎖状若しくは分岐状構造でありかつO−R1が2.2オングストローム以上5.5オングストローム以下の大きさを有する基、又は環状構造でありかつO−R1が3.5オングストローム以上7.5オングストローム以下の大きさを有する基である。
R2はそれぞれ水素、水酸基、OR3で表される基、OR4(R4は溶解性調整基である)で表される基、炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の分岐脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族基又は酸素原子を含む基である。] - 前記同一の芳香環上に存在する2つのR1のうち、一方のR1が水素であり、
前記他方の鎖状若しくは分岐状構造でありかつO−R1が2.2オングストローム以上5.5オングストローム以下の大きさを有する基、又は環状構造でありかつO−R1が3.5オングストローム以上7.5オングストローム以下の大きさを有する基であるR1が、炭素数2以上10以下の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素数3以上10以下の分岐脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族基又は酸素原子を含む基である請求項1記載の環状化合物。 - 前記R2が水素である請求項1又は2記載の環状化合物。
- 前記OR3が酸解離性溶解抑止基である請求項1〜3のいずれかに記載の環状化合物。
- 前記酸解離性溶解抑止基が、三級脂肪族構造、芳香族構造、単環状脂肪族構造又は複環状脂肪族構造を有する分子量が15以上2000以下の置換基である請求項4記載の環状化合物。
- 前記OR3が、下記式(III)〜(VI)のいずれかである請求項1〜3のいずれかに記載の環状化合物。
αは、置換もしくは無置換の炭素数1〜10の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜10の分岐脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、又は置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基である。
βは、三級脂肪族基、置換もしくは無置換の芳香族基、置換もしくは無置換の単環状脂肪族基又は置換もしくは無置換の複環状脂肪族基が酸素原子と結合した基、又は三級脂肪族基、置換もしくは無置換の芳香族基、置換もしくは無置換の単環状脂肪族基又は置換もしくは無置換の複環状脂肪族基から選択される基と炭素数1〜10の直鎖状脂肪族炭化水素基を組み合わせた基が酸素原子と結合した基である。
γは、三級脂肪族基、置換もしくは無置換の芳香族基、置換もしくは無置換の単環状脂肪族基又は置換もしくは無置換の複環状脂肪族基が酸素原子と結合した基、又は三級脂肪族基、置換もしくは無置換の芳香族基、置換もしくは無置換の単環状脂肪族基又は置換もしくは無置換の複環状脂肪族基から選択される基と炭素数1〜10の直鎖状脂肪族炭化水素基を組み合わせた基が酸素原子と結合した基である。
δは、置換もしくは無置換の炭素数1〜10の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜10の分岐脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、又は置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基である。) - 前記OR3が、下記式に示される基のいずれかである請求項1〜3のいずれかに記載の環状化合物。
- 前記R4の溶解性調整基が、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の分岐脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基、アルコキシアルキル基、置換もしくは無置換のシリル基、又はこれらの基と二価の基(置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、置換もしくは無置換のシリレン基、エステル結合基(−COO−)、炭酸エステル結合基(−CO3−)もしくはエーテル結合基(−O−)、又はこれらの基が2以上結合してなる基)が結合した基である請求項1〜7のいずれか記載の環状化合物。
- 請求項1〜8のいずれか記載の環状化合物を含有するフォトレジスト基材。
- 請求項9記載のフォトレジスト基材及び溶剤を含有するフォトレジスト組成物。
- さらに光酸発生剤を含有する請求項10記載のフォトレジスト組成物。
- さらに塩基性有機化合物をクエンチャーとして含有する請求項10又は11記載のフォトレジスト組成物。
- 請求項10〜12のいずれか記載のフォトレジスト組成物を用いた微細加工方法。
- 請求項13記載の微細加工方法により作製した半導体装置。
- 請求項14に記載の半導体装置を備えた装置。
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