JP2012075774A - 無煙ロースター - Google Patents

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Abstract

【課題】内部を冷却用の液体が流通する焼き網を有する無煙ロースターにおいて、本体に対して簡素な構造で焼き網を装着又は分離させることが可能であると共に、焼き網自体及び焼き網と配管等との接続箇所からの液体漏れを防止することが可能な無煙ロースターを提供する。
【解決手段】無煙ロースター1は、本体2上部に形成された開口部2aを塞ぐように着脱自在に支持され自己の内部に冷却用の液体が流通する内部流路が形成された焼き網4と、焼き網4内の液体を負圧により吸引する吸引ポンプ6と、液体を貯留するリザーブタンク7とを備えている。吸引ポンプ6が焼き網4内の液体を吸引する際に発生する負圧によりリザーブタンク7から焼き網4に向けて液体が吸い上げられる。このとき、リザーブタンク7から焼き網4内の内部流路を経由して吸引ポンプ6に至るまでの液体の圧力が負圧となっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、肉や魚等の食材の加熱調理を行う無煙ロースターに関するものである。
従来、肉や魚、野菜等の食材を火力で加熱して焼き上げるロースターとしては、食材を焼いた際に発生する煙や油脂分を、ロースター本体の上方で吸引して屋外へ排出する構造のものと、食材を焼いた際に発生する煙や油脂分を、焼き網の近傍からロースター本体内へ吸引し、ロースター本体の下部に接続したダクトにより屋外へ排出する構造のものとがある。後者のロースターは、屋内に煙や油脂分が排出されないことから無煙ロースターと呼ばれている。
このような従来の無煙ロースターを店舗等に設置する際には、ダクト設置による初期の設備投資や、ダクト清掃によるランニングコストが必要となる他、焼き網への食材の焦げ付きによって、焼き網を頻繁に入れ替えなくてはならない、焼き網の洗浄に手間がかかるなどの課題があった。このような課題を解決した無煙ロースターとして、加熱調理時の食材の焦げ付きを防止することによって、煙自体の発生を抑制し得る無煙ロースターが実用化されている(特許文献1参照)。
加熱調理時に煙が発生する原因は、食材そのものが焼けるのではなく、食材から出る肉汁やあく、油分が焼き網に付着して燃焼するためである。特許文献1に開示されている無煙ロースターにおいては、焼き網の温度を一定の温度範囲に保つことによって、肉汁等の焦げ付きを防止して、煙の発生を抑制することが可能となっている。
図7に特許文献1に開示されている無煙ロースターの平面図を示す。また、図8に図7における要部Bを拡大した平面図を示す。無煙ロースター50は、焼き網60、本体70、温度制御機80及び着脱部材90を備えている。焼き網60は、フレーム61及び循環管62を備えている。循環管62は、フレーム61の一側に等間隔で繰り返して屈折形成され、一端に流入ソケット62aを、他端に排出ソケット62bをそれぞれ有している。温度制御機80によって70〜80℃の温度範囲に制御された液体が、流入ソケット62aから流入して、排出ソケット62bから排出されることにより、焼き網60の温度が一定の温度範囲に保たれる。
温度制御機80は、排出ソケット62bから排出された液体を冷却する熱交換器81と、熱交換器81により冷却された液体を貯留するタンク82と、タンク82内の液体を流入ソケット62aへ送るポンプ83と、熱交換器81に冷気を送風する冷却用送風機84と、熱交換器81に流入する液体の温度を検出する温度センサー85とを備えている。冷却用送風機84は、温度センサー85の温度検出結果に基づいて作動が制御される。ポンプ83には、流入ソケット62aに接続される流入用ホース86aが取り付けられている。熱交換器81には、排出ソケット62bに接続される排出用ホース86bが取り付けられている。
着脱部材90は、本体70に対し焼き網60を装着又は分離するための部材である。着脱部材90は、ノブ91と、回転板92と、二重リンク93と、連結具94と、第1及び第2移動管95a及び95bとを備えている。第1及び第2移動管95a及び95bは、それぞれ流入用及び排出用ホース86a及び86bの一端に接続されており、ノブ91の操作によって流入及び排出ソケット62a及び62bに対してそれぞれ装着又は分離される。例えば、図8において、ノブ91を時計回り(右回り)に回転させると、二重リンク93が後退(左方へ移動)して、第1及び第2移動管95a及び95bが流入及び排出ソケット62a及び62bから分離される。
特許第3573714号
特許文献1に開示されている無煙ロースター50においては、ポンプ83によって焼き網60の内部に正圧(大気圧以上の圧力)で液体が供給される。したがって、繰り返し使用により焼き網60に損耗・損傷が発生した場合には、焼き網60から液体が漏れ出す虞がある。
また、焼き網60の内部が正圧となっているため、焼き網60と温度制御機80との接続箇所からの液体漏れを防止するためには、上述した着脱部材90のように機械的に接続気密性を高めることが可能な複雑なソケット機構が必要となる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、内部を冷却用の液体が流通する焼き網を有する無煙ロースターにおいて、本体に対して簡素な構造で焼き網を装着又は分離させることが可能であると共に、焼き網自体及び焼き網と配管等との接続箇所からの液体漏れを防止することが可能な無煙ロースターを提供することを目的とする。
以下、上記課題を解決するのに適した各手段につき、必要に応じて作用効果等を付記しつつ説明する。
(1)本発明の無煙ロースターは、上部に開口部が形成された本体と、前記開口部の下方に配置された加熱装置と、前記開口部を塞ぐように着脱自在に支持され自己の内部に冷却用の液体が流通する内部流路が形成された焼き網と、前記焼き網内の前記液体を負圧により吸引する吸引手段と、前記液体を貯留するリザーブタンクと、を備え、前記焼き網には、前記内部流路に連通する供給口及び排出口が形成されており、前記吸引手段が前記焼き網内の前記液体を該排出口から吸引する際に発生する前記負圧により前記リザーブタンクから該焼き網の該供給口に向けて該液体が吸い上げられることを特徴とする。
このような構成によると、吸引手段が焼き網内の液体を吸引する際に発生する負圧によりリザーブタンクから焼き網に向けて液体が吸い上げられる。したがって、リザーブタンクから焼き網内の内部流路を経由して吸引手段に至るまでの液体の圧力が負圧(大気圧より低い圧力)となっている。この負圧によって、例えば、繰り返し使用により焼き網に損耗・損傷が発生した場合であっても、焼き網から液体が漏れ出す虞がない。
また、この負圧によって、焼き網の供給口及び排出口と、これらに接続される液体供給及び排出用の配管等との接続箇所の気密性が確保される。したがって、焼き網の内部に正圧で液体を供給している従来の無煙ロースター50において必要とされていた着脱部材90のような複雑なソケット機構が不要となり、焼き網の接続構造が簡素となる。
なお、本発明の無煙ロースターは、調理用の装置であることから、冷却用の液体としては、人体に無害な水又は食用油等を使用することができる。液体の温度が75℃以下であれば冷却用の液体として水を使用することができる。液体の温度が75℃を超える場合には、沸騰による水蒸気の発生による温度ムラを防止するために食用油を使用するのが好ましい。
(2)本発明の無煙ロースターにおいて、好ましくは、前記本体と一体又は別体に設けられ前記焼き網を下方から支持する受け部材を備え、前記焼き網の前記供給口及び前記排出口は、いずれも該焼き網の下面に形成されていると共に、前記受け部材の上面には、該焼き網の該供給口に接続される供給接続口と、該焼き網の該排出口に接続される排出接続口とが形成されていることを特徴とする。
このような構成によると、受け部材上に載置された焼き網の重量によって、供給口と供給接続口との接触圧、及び排出口と排出接続口との接触圧を高めることができる。したがって、吸引手段の作動に先立って、これらの接続箇所の気密性を高めることができる。
(3)前記(2)で述べた本発明の無煙ロースターにおいて、好ましくは、前記焼き網は、該焼き網の前記供給口と前記受け部材の前記供給接続口との間、及び該焼き網の前記排出口と該受け部材の前記排出接続口との間に装着された耐熱パッキンを介して該受け部材に支持されており、前記焼き網内の前記負圧により該焼き網が前記受け部材に向かって押し付けられて、前記耐熱パッキンが該焼き網と該受け部材との間に挟圧されることを特徴とする。
前記(1)で述べたとおり、負圧によって、焼き網の供給口及び排出口と、これらに接続される液体供給及び排出用の配管等との接続箇所の気密性が確保される。したがって、このような構成によると、焼き網の供給口と受け部材の供給接続口との間、及び焼き網の排出口と受け部材の排出接続口との間に耐熱パッキンを装着することによって、耐熱パッキンが焼き網と受け部材との間に挟圧されて、これらの接続箇所の気密性がより確実なものとなる。
(4)前記(2)又は(3)で述べた本発明の無煙ロースターにおいて、好ましくは、前記焼き網は、該焼き網の下面に係合部を備え、前記受け部材は、該受け部材の上面に該係合部と係合する被係合部を備えていることを特徴とする。
焼き網は、本体の開口部を塞ぐように、受け部材上に着脱自在に載置される。ここで、焼き網の下面に係合部が形成されていると共に、受け部材の上面にこの係合部と係合する被係合部が形成されていることによって、焼き網を受け部材上の正確な位置に迅速に載置することが可能となる。これにより、焼き網の供給口と受け部材の供給接続口との接続、及び焼き網の排出口と受け部材の排出接続口との接続を確実に行うことが可能となる。
(5)本発明の無煙ロースターにおいて、好ましくは、前記リザーブタンクから前記焼き網に向けて前記液体が吸い上げられる流路に前記内部流路の圧力を調整するための圧力調整バルブを備えることを特徴とする。
前記(1)で述べたように、リザーブタンクから焼き網内の内部流路を経由して吸引手段に至るまでの液体の圧力が負圧となっている。ここで、リザーブタンクから焼き網の向かう流路に取り付けられた圧力調整バルブを絞ることによって、内部流路の負圧をマイナス方向にさらに大きくすることが可能である。これにより、焼き網自体及び焼き網と配管等との接続箇所からの液体漏れを防止する効果がさらに高くなる。
(6)本発明の無煙ロースターにおいて、好ましくは、前記焼き網の前記内部流路は、前記供給口に連通する供給側幹流路と、前記排出口に連通する排出側幹流路と、該供給側幹流路及び該排出側幹流路を繋ぐ複数本の枝流路とを備えていることを特徴とする。
このような構成によると、複数本の枝流路によって、焼き網の内部流路が並列流路とされている。このため、各枝流路の各一端の圧力はそれぞれ同一の圧力となり、各枝流路の各他端の圧力はそれぞれ同一の圧力となっている。したがって、各枝流路が同一寸法の場合には、各枝流路の圧力勾配はそれぞれ等しく、各枝流路を流れる液体の流量はそれぞれ等しくなる。よって、複数本の枝流路を並列流路とすることは、従来の無煙ロースター50の循環管62のように直列流路とする場合よりも、焼き網の温度を平面的に均一化する効果が高い。
また、一般に、管内を流れる液体の圧力損失は流速の二乗に比例する。ここで、焼き網を所定の温度に冷却するために必要な液体の流量をQとして、n本の枝流路を並列に並べて並列流路を形成する場合と、n本の枝流路を直列に繋げて直列流路を形成する場合との圧力損失を比較する。並列流路の合計流量と直列流路の流量とがいずれも流量Qで等しいとき、直列流路内の流速を並列流路内の流速のn倍とする必要がある。したがって、直列流路の圧力損失は、並列流路の圧力損失よりもn倍大きくなる。
このように、並列流路は、直列流路よりも圧力損失を低減することができる。よって、焼き網の内部流路が並列流路とされていることは、吸引ポンプ等の吸引手段にかかる負荷の低減に寄与し、また、焼き網内を流通する液体の流量をより多くすることが可能となるため、焼き網を所定の温度に冷却する冷却効果を高めることができる。
(7)本発明の無煙ロースターにおいて、好ましくは、前記吸引手段は、吸込口及び吐出口を備える吸引ポンプであることを特徴とする。
吸引手段としては、負圧により液体を吸引する装置であれば、いかなる装置を用いることも可能である。例えば、吸引手段として、吸引ポンプ、真空タンクによる吸引、及びサイフォンによる吸引などを用いることができる。この中で、吸引ポンプは、液体の吸込口と吐出口とを有していることから、焼き網からの液体の吸引と、リザーブタンクへの液体の圧送とを一台の装置により行うことが可能となり省スペース化が図れる。
(8)本発明の無煙ロースターにおいて、好ましくは、前記焼き網内から吸引された前記液体が前記リザーブタンクに向けて送られる流路に該液体を冷却する放熱器を備えることを特徴とする。
加熱装置によって焼き網内で熱せられて液温が上昇した液体は、焼き網内から吸引された後、リザーブタンクに向けて送られる流路において放熱して液温が低下する。ここで、この流路に液体を冷却する放熱器を備えることによって、冷却用の液体を効率良く冷却することが可能となる。なお、放熱器としては、例えば、自動車のラジエーターと同様に、多数のフィンを有する熱交換器と、熱交換器に冷気を送風する送風機とを備える放熱器を好適に用いることができる。
また、放熱器は、吸引手段からリザーブタンクに向かう流路に配置することが好ましいが、焼き網から吸引手段に向かう流路に配置、吸引手段と一体に配置、又はリザーブタンクと一体に配置することもできる。
(9)前記(8)で述べた本発明の無煙ロースターにおいて、好ましくは、前記リザーブタンク内の液温を検出する液温センサーと、前記放熱器の作動を制御する制御回路とを備え、前記液温センサーの検出結果に基づいて前記制御回路により前記放熱器の作動を制御して、前記リザーブタンク内の液温を所定範囲に保つことを特徴とする。
このような構成によると、リザーブタンク内の液温を検出する液温センサーの検出結果に基づいて制御回路により放熱器の作動を制御することによって、焼き網内から吸引されリザーブタンクに向けて送られる液体の温度を制御することが可能となる。これにより、リザーブタンク内の液温を所定範囲に保つことが可能となり、焼き網の温度を所定範囲に保つことが可能となる。例えば、前記(8)で述べたように、放熱器が送風機を備えている場合には、制御回路により送風機のオン/オフの制御、又は送風機の回転数の制御を行うことができる。
本発明によれば、内部を冷却用の液体が流通する焼き網を有する無煙ロースターにおいて、本体に対して簡素な構造で焼き網を装着又は分離させることが可能であると共に、焼き網自体及び焼き網と配管等との接続箇所からの液体漏れを防止することが可能な無煙ロースターを提供することができる。
第1実施形態における無煙ロースターの斜視図である。 第1実施形態における無煙ロースターの焼き網を取り外した状態を説明する斜視図である。 第1実施形態における無煙ロースターの液体循環経路を説明する斜視図である。 図1におけるA−A線で切断した断面図である。 第1実施形態における無煙ロースターの焼き網の裏面構造を説明する斜視図であって、焼き網を回転して持ち上げた状態を示している。 第2実施形態における無煙ロースターの焼き網の裏面構造を説明する斜視図であって、焼き網を回転して持ち上げた状態を示している。 従来の無煙ロースターの平面図である。 図7における要部Bを拡大した正面図である。
以下、本発明の無煙ロースターの実施形態について図面を参照しつつ詳しく説明する。
<第1実施形態>
図1に本実施形態における無煙ロースターの斜視図、図2に本実施形態における無煙ロースターの焼き網を取り外した状態を説明する斜視図、図3に本実施形態における無煙ロースターの液体循環経路を説明する斜視図、図4に図1におけるA−A線で切断した断面図、図5に本実施形態における無煙ロースターの焼き網の裏面構造を説明する斜視図を示す。
図1及び2に示すように、無煙ロースター1は、本体2と、加熱装置3と、焼き網4と、受け部材5と、吸引ポンプ6(吸引手段)と、リザーバタンク7と、放熱器8と、排出管9と、供給管10と、戻り管11とを備えている。加熱装置3、焼き網4及び受け部材5は、本体2に取り付けられている。また、吸引ポンプ6、リザーバタンク7及び放熱器8は、本体2の外部に本体2と離れて配置されている。
本体2は、鋼製であり、上壁、下壁及び側壁を有する直方体状の箱形を呈している。本体2の側壁の上端には、水平方向に張り出した張り出し部が形成されており、この張り出し部を、テーブル(図示せず)の天板中央の開口の口縁に引っ掛けることによって、テーブルに対して本体2が固定される。本体2の上壁には、矩形の開口部2aが形成されている。また、本体2の下部には、本体2の下壁に対して水平方向から着脱可能なトレイ2bが取り付けられており、本体2内に落下した食材、肉汁、あく、油分等をトレイ2bで受け止めて、本体2の外部に排出することが可能となっている。
加熱装置3は、ガス式であり、矩形の板状を呈している。加熱装置3の一面には、ガスの小さい吹き出し穴が面全体にわたって形成されている。加熱装置3は、加熱装置3の長辺と本体2の開口部2aの長辺とが平行になるように配置され、開口部2aの長辺の下方に2個取り付けられている。各加熱装置3、3は、それぞれのガスの吹出し穴が形成されている面を斜め上方に向けて、対向して配置されている。本体2の上壁には、各加熱装置3、3の点火、消化及び火力調節を行うための火力調節ノブ3aが配置されている。
焼き網4は、ステンレス製であり、矩形の環状のフレーム4aと、複数本の円管状の流通管4bとよりなる。各流通管4bは、フレーム4aの短辺と平行に等間隔で配置されており、各流通管4bの各両端は、フレーム4aの両長辺に固定されている。したがって、焼き網4は、梯子状の平面形状を呈している。図4に示すように、各流通管4bは、それぞれ同一の形状よりなり、中央部で僅かに折り曲げられたV字状を呈している。流通管4bは、V字状の頂点が下方を向くように配置されており、食材の肉汁や油分等が流通管4bの表面を伝ってV字状の頂点に集まり滴り落ちる構造となっている。
フレーム4aの一方の短辺の上面には、焼き網4を持ち上げるための取っ手4cが取り付けられている。また、図4及び5に示すように、フレーム4aの各長辺の下面には、2本の凸条4d、4d(係合部)が形成されている。各凸条4d、4dは、下方に突出した弧状の断面形状を呈している。一方の凸条4dの一端側の下面には、凸条4dの内部に通じる供給口4eが形成されている。また、他方の凸条4dの他端側の下面には、凸条4dの内部に通じる排出口4fが形成されている。
図3に示すように、焼き網4の内部には、冷却用の液体(水、食用油など)が流通する梯子状の内部流路40が形成されており、供給口4eから流入した液体が内部流路40を経由して排出口4fに排出される。内部流路40は、フレーム4aの一方の長辺内に形成され供給口4eに連通する供給側幹流路41と、フレーム4aの他方の長辺内に形成され排出口4fに連通する排出側幹流路42と、各流通管4bの内部に形成され供給側幹流路41及び排出側幹流路42を繋ぐ複数本の枝流路43とよりなる。すなわち、各枝流路43によって並列流路が形成されている。
ここで、供給口4eと排出口4fとを互いにフレーム4aの対角位置に配置することによって、供給口4eから流入した液体が各枝流路43を経由して排出口4fに排出されるまでの各流路長を極力等しくしている。これにより、各枝流路43の圧力勾配をそれぞれ等しくすることができる。
受け部材5は、焼き網4を下方から支持する断面矩形の棒部材である。図2に示すように、受け部材5は、本体2の開口部2aの口縁の長辺の下方に2個取り付けられている。各受け部材5、5の上面には、焼き網4の各凸条4d、4dと嵌り合う弧状の断面形状を呈する凹条5a、5a(被係合部)が形成されている。焼き網4を受け部材5上に載置する際に、焼き網4の各凸条4d、4dと各受け部材5、5の各凹条5a、5aとが係合することによって、焼き網4を受け部材5上の正確な位置に載置することができる。
一方の凹条5aの一端側には、焼き網4の供給口4eに対応した位置に上下に貫通した貫通孔が形成されており、この貫通孔の上端が、供給口4eに接続される供給接続口5bとなっている。また、他方の凹条5aの他端側には、焼き網4の排出口4fに対応した位置に上下に貫通した貫通孔が形成されており、この貫通孔の上端が、排出口4fに接続される排出接続口5cとなっている。
図4及び5に示すように、各凹条5a、5aの上面には、供給接続口5b及び排出接続口5cをそれぞれ囲むように、矩形の平面形状を呈するゴム製の耐熱パッキン16、16が装着されている。焼き網4内の負圧により焼き網4が受け部材5に向かって押し付けられて、各耐熱パッキン16、16は、焼き網4の供給口4eと受け部材5の供給接続口5bとの間、及び焼き網4の排出口4fと受け部材5の排出接続口5cとの間に挟圧される。
吸引ポンプ6は、負圧によって液体を吸い込む吸込口6aと、吸い込んだ液体が吐き出される吐出口6bとを有する電動式のポンプである。図3に示すように、吸引ポンプ6の吸込口6aと受け部材5の排出接続口5cとが排出管9によって連通している。また、吸引ポンプ6の吐出口6bには、戻り管11が接続されており、戻り管11を経由して、吸引ポンプ6からリザーブタンク7の内部に向けて液体が圧送される。
リザーブタンク7は、冷却用の液体を貯留するための矩形の有底筒状の箱体である。リザーブタンク7の上部が大気に開放されているため、リザーブタンク7内の液体は、静水圧の状態で貯留されている。図3に示すように、リザーブタンク7の内部と受け部材5の供給接続口5bとが供給管10によって連通している。供給管10の中間部には、圧力調整バルブ10aが取り付けられている。
放熱器8は、戻り管11の熱を放熱して戻り管11内の液体を冷却する装置である。放熱器8は、上下方向に多段に並んだフィン8aと、フィン8aに向けて冷気を送風する可変流量ファン8bとを備えている。等間隔で繰り返して屈折形成された戻り管11が複数枚のフィン8aを縫うように配置されており、戻り管11の熱が各フィン8aから外気に向かって放熱される。
以上で述べた構成を有する無煙ロースター1において、吸引ポンプ6を作動すれば、吸引ポンプ6が焼き網4内の液体を負圧により吸引する。そして、この焼き網4内の負圧が伝播して、リザーブタンク7から焼き網4に向けて液体が吸い上げられる。したがって、リザーブタンク7から焼き網4内の内部流路40を経由して吸引ポンプ6に至るまでの液体の圧力が負圧となっている。ここで、供給管10の圧力調整バルブ10aを絞ることによって、内部流路40の負圧をマイナス方向に大きくすることが可能となっている。
吸引ポンプ6からリザーブタンク7に向けて圧送された液体は、圧送の途中で放熱器8によって冷却される。このように焼き網4内を冷却用の液体が流通することによって、食材の加熱調理を行う際の焼き網4の温度が、食材の肉汁等の焦げ付きを防止し得る一定の温度範囲に保たれる。
ここで、食材の肉汁等の焦げ付きを防止するためには、焼き網4内を流通する液体の温度が70〜80℃の温度範囲に保たれていることが好ましい。これを実現するために、本実施形態の無煙ロースター1には、液体の温度自動制御手段が備わっている。
液体の温度自動制御手段は、リザーブタンク7内に配置された液温センサー12と、リザーブタンク7内に配置された液位センサー13と、制御回路14と、表示板15とを備えている。液温センサー12及び液位センサー13の検出結果は、制御回路14に接続された表示板15に表示される。
液温センサー12の検出結果に基づいて、制御回路14により放熱器8の可変流量ファン8bの風量を制御することによって、戻り管11を経由してリザーブタンク7に送られる液体の温度を制御することが可能となる。これにより、リザーブタンク7内の液温を70〜80℃の温度範囲に保つことが可能となり、焼き網の温度を所定範囲に保つことが可能となる。
例えば、温度自動制御手段による液体の温度制御を、以下のように行う。なお、リザーブタンク7内の液温を70〜80℃に保つために、70〜80℃にの中間値である75℃を制御回路14に入力する管理基準温度Tとする。
まず、火力調節ノブ3aを操作して加熱装置3の火力を最大にすると共に、吸引ポンプ6を作動して、焼き網4内の液体を流通させる。液体は、焼き網4内で加熱されて、やがてリザーブタンク7内の液温センサー12の検出結果(検出温度T)が70℃に達する。この状態において、焼き網4の表面温度は、少なくとも70℃以上に達していることから、食材の生焼け防止、及び良好な加熱殺菌効果を得ることができる。したがって、無煙ロースター1の使用者は、液温センサー12の検出温度Tが70℃に達したことを表示板15で確認した後に加熱調理を開始することが好ましい。
引き続き加熱調理を行うと、焼き網4内を流通する液体の温度がさらに上昇する。そして、リザーブタンク7内の液温センサー12の検出温度Tが管理基準温度Tである75℃に達したときに、制御回路14による可変流量ファン8bの風量制御を開始する。加熱装置3の火力の強弱に応じて、液体の温度上昇の程度が異なることから、液体の温度上昇の程度に応じて可変流量ファン8bの風量Fを制御する。
検出温度Tと、温度上昇率ΔT(単位時間当たりの温度上昇)とに基づいて可変流量ファン8bの風量Fの制御を行う。温度上昇率ΔTと風量Fとの関係として、各温度上昇率ΔT、ΔT、ΔT、…(ΔT<ΔT<ΔT)に対応した可変流量ファン8bの各風量F、F、F、…(F<F<F)を設定して制御回路14に記憶させておく。ここで、温度上昇率ΔTの実測値がこの設定値の上限を超えるときには、可変流量ファン8bの風量Fを最大の風量とし、温度上昇率ΔTの実測値がマイナスのときには、可変流量ファン8bを停止するものとする。
検出温度T≧75℃のときに、上述した温度上昇率ΔTと風量Fとの関係に基づいて可変流量ファン8bの風量Fを制御することによって、リザーブタンク7内の液温を管理基準温度Tである75℃まで速やかに低下させる。また、検出温度T<75℃のときには、可変流量ファン8bを停止することによって、リザーブタンク7内の液温を管理基準温度Tである75℃まで速やかに上昇させる。こうして、リザーブタンク7内の液温を70〜80℃に保つことができる。
このような本実施形態の構成によると、リザーブタンク7から焼き網4内の内部流路40を経由して吸引ポンプ6に至るまでの液体の圧力が負圧となっている。この負圧によって、例えば、繰り返し使用により焼き網4に損耗・損傷が発生した場合であっても、焼き網4から液体が漏れ出す虞がない。
また、この負圧によって、焼き網4の供給口4eと受け部材5の供給接続口5bとの接触圧、及び焼き網4の排出口4fと受け部材5の排出接続口5cとの接触圧が高まり、これらの接続箇所の気密性が確保される。したがって、焼き網60の内部に正圧で液体を供給している従来の無煙ロースター50において必要とされていた複雑なソケット機構が不要となり、焼き網4の接続構造が簡素となる。
また、本実施形態の構成によると、焼き網4の供給口4e及び排出口4fは、いずれも焼き網4の下面に形成されていると共に、受け部材5の供給接続口5b及び排出接続口5cは、いずれも受け部材5の上面に形成されている。このため、受け部材5上に載置された焼き網4の重量によって、供給口4eと供給接続口5bとの接触圧、及び排出口4fと排出接続口5cとの接触圧を高めることができる。したがって、吸引ポンプ6の作動に先立って、これらの接続箇所の気密性を高めることができる。
そして、本実施形態の構成によると、焼き網4の供給口4eと受け部材5の供給接続口5bとの間、及び焼き網4の排出口4fと受け部材5の排出接続口5cとの間に耐熱パッキン16、16が装着されている。焼き網4内の負圧により焼き網4が受け部材5に向かって押し付けられて、各耐熱パッキン16、16は、焼き網4の供給口4eと受け部材5の供給接続口5bとの間、及び焼き網4の排出口4fと受け部材5の排出接続口5cとの間に挟圧される。したがって、これらの接続箇所の気密性がより確実なものとなる。
また、本実施形態の構成によると、焼き網4の下面に2本の凸条4d、4d(係合部)が形成されていると共に、各受け部材5、5の上面に、各凸条4d、4dと嵌り合う凹条5a、5a(被係合部)が形成されている。したがって、焼き網4を受け部材5上に載置する際に、焼き網4を受け部材5上の正確な位置に迅速に載置することが可能となる。これにより、焼き網4の供給口4eと受け部材5の供給接続口5bとの接続、及び焼き網4の排出口4fと受け部材5の排出接続口5cとの接続を確実に行うことが可能となる。
また、本実施形態の構成によると、リザーブタンク7から焼き網4に向けて液体を吸い上げる供給口4eに内部流路40の圧力を調整するための圧力調整バルブ10aが取り付けられている。したがって、圧力調整バルブ10aを絞ることによって、内部流路40の負圧をマイナス方向にさらに大きくすることが可能である。これにより、焼き網4自体からの液体漏れ、焼き網4の供給口4eと受け部材5の供給接続口5bとの接続箇所からの液体漏れ、及び焼き網4の排出口4fと受け部材5の排出接続口5cとの接続箇所からの液体漏れを防止する効果がさらに高くなる。
また、本実施形態の構成によると、焼き網4の内部流路40は、供給側幹流路41と、排出側幹流路42と、供給側幹流路41及び排出側幹流路42を繋ぐ複数本の枝流路43とよりなる。すなわち、内部流路40は、複数本の枝流路43によって、並列流路とされている。このため、各枝流路43の各一端の圧力はそれぞれ同一の圧力となり、各枝流路43の各他端の圧力はそれぞれ同一の圧力となっている。したがって、各枝流路43の圧力勾配はそれぞれ等しく、各枝流路43を流れる液体の流量はそれぞれ等しくなる。よって、複数本の枝流路43を並列流路とすることは、従来の無煙ロースター50の循環管62のように直列流路とする場合よりも、焼き網4の温度を平面的に均一化する効果が高い。
また、並列流路は、直列流路よりも圧力損失を低減することができる。よって、焼き網4の内部流路が並列流路とされていることは、吸引ポンプ6にかかる負荷の低減に寄与し、また、焼き網4内を流通する液体の流量をより多くすることが可能となるため、焼き網4を所定の温度に冷却する冷却効果を高めることができる。
また、本実施形態の構成によると、焼き網4内の液体を負圧により吸引する吸引手段として、吸込口6a及び吐出口6bを備える吸引ポンプ6を用いている。したがって、吸込口6aに排出管9を接続すると共に、吐出口6bに戻り管11を接続することにより、焼き網4からの液体の吸引と、リザーブタンク7への液体の圧送とを一台の装置により行うことが可能となり省スペース化が図れる。
また、本実施形態の構成によると、戻り管11の熱を放熱するための多数のフィン8aと、各フィン8aに向けて冷気を送風する可変流量ファン8bとを有する放熱器8を備えている。これにより、戻り管11内の冷却用の液体を効率良く冷却することが可能となっている。
さらに、本実施形態の構成によると、リザーブタンク7内に配置された液温センサー12の検出結果に基づいて、制御回路14により放熱器8の可変流量ファン8bの風量が制御される。これにより、リザーブタンク7に送られる液体の温度を制御することが可能であり、リザーブタンク7内の液体の温度を、食材の肉汁等の焦げ付きを防止することが可能な70〜80℃の温度範囲に保つことができる。
<第2実施形態>
図6に本実施形態における無煙ロースターの焼き網の裏面構造を説明する斜視図を示す。本実施形態は、第1実施形態における無煙ロースター1に備わる焼き網4、受け部材5及び耐熱パッキン16の構造を変更して、焼き網24、受け部材25及び耐熱パッキン26とした実施形態である。その他の構成部品は、第1実施形態と同一であるため説明を省略する。
本実施形態の焼き網24は、第1実施形態の焼き網4において形成されている2本の凸条4d、4d(係合部)の代わりに、2個の第一凸部24d、24d(係合部)と2個の第二凸部24g、24g(係合部)とを備えている。焼き網24のフレーム24a、流通管24b、取っ手24c及び内部流路の構造は、第1実施形態の焼き網4と同一であるため説明を省略する。
フレーム24aの一方の長辺の下面には、一端側に第一凸部24d(係合部)、他端側に第二凸部24g(係合部)が形成されている。また、フレーム24aの他方の長辺の下面には、他端側に第一凸部24d(係合部)、一端側に第二凸部24g(係合部)が形成されている。各第一凸部24d、24d及び各第二凸部24g、24gは、下方に突出した先細りの円錐台状の形状を呈している。
一方の第一凸部24dの下面には、第一凸部24dの内部に通じる供給口24eが形成されている。また、他方の第一凸部24dの下面には、第一凸部24dの内部に通じる排出口24fが形成されている。したがって、供給口24eと排出口24fとが互いにフレーム24aの対角位置に配置されている。
受け部材25は、焼き網24を下方から支持する断面矩形の棒部材であり、第1実施形態の受け部材5、5と同一の位置に2個取り付けられている。各受け部材25、25の上面には、焼き網24の各第一凸部24d、24d及び各第二凸部24g、24gと嵌り合う円錐台状の形状を呈する第一凹部25a、25a(被係合部)及び第二凹部25d、25d(被係合部)が形成されている。焼き網24を受け部材25上に載置する際に、焼き網24の各第一凸部24d、24d及び各第二凸部24g、24gと、各受け部材25、25の各第一凹部25a、25a及び各第二凹部25d、25dとが係合することによって、焼き網24を受け部材25上の正確な位置に載置することができる。
一方の第一凹部25aの中央には、焼き網24の供給口24eに対応した位置に上下に貫通した貫通孔が形成されており、この貫通孔の上端が、供給口24eに接続される供給接続口25bとなっている。また、他方の第一凹部25aの中央には、焼き網24の排出口24fに対応した位置に上下に貫通した貫通孔が形成されており、この貫通孔の上端が、排出口24fに接続される排出接続口25cとなっている。
図6に示すように、各第一凹部25a、25aの上面には、第1実施形態と同様に、供給接続口25b及び排出接続口25cをそれぞれ囲むように、円形の平面形状を呈するゴム製の耐熱パッキン26、26が装着されている。
本実施形態における作用効果は、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
<その他の実施形態>
本発明の無煙ロースターは、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができることは言うまでもない。
例えば、第1及び第2実施形態においては、焼き網の内部流路を複数本の枝流路が並列に並べられた並列流路としているが、焼き網の内部流路を複数本の枝流路が直列に繋げられた直列流路としてもよい。
また、第1及び第2実施形態においては、焼き網の供給口及び排出口を各1箇所ずつ設けているが、供給口及び排出口は各1箇所ずつに限定されず、供給口及び排出口を各2箇所以上の複数箇所に設けてもよい。また、供給口と排出口の箇所数がそれぞれ異なっていてもよい。
また、第1及び第2実施形態においては、焼き網の供給口と受け部材の供給接続口との接続、及び焼き網の排出口と受け部材の排出接続口との接続が上下方向で行われている。しかし、これらの接続を、従来の無煙ロースター50のように、水平方向で接続される構成とすることもできる。この場合、本発明の無鉛ロースターにおいても、従来の無煙ロースター50のようなソケット機構が必要となる。しかし、本発明の無鉛ロースターにおいては、冷却用の液体が負圧状態で流通していることから接続箇所からの液体漏れが発生しにくく、従来の無煙ロースター50よりもソケット機構を簡素化することができる。
また、第1実施形態においては、本体2と別体に成形された受け部材5を、本体2の開口部2aの口縁に本体2と一体に取り付けているが、受け部材5の配置及び成形はこれに限定されない。例えば、受け部材5が本体2と離間した位置に配置されていてもよい。また、受け部材5を本体2と一体に成形してもよい。
また、第1実施形態においては、無鉛ロースター1の加熱装置3がガス式とされているが、加熱装置はガス式に限定されず、電気式又は炭火にすることもできる。
また、第1実施形態においては、凸条4d(係合部)及び凹条5a(被係合部)の断面形状を弧状としているが、係合部及び被係合部の断面形状は、弧状に限定されず、三角形や台形などの多角形とすることもできる。
また、第2実施形態においては、第一凸部24d(係合部)、第二凸部24g(係合部)第一凹部25a(被係合部)及び第二凹部25d(被係合部)の形状を円錐台状としているが、係合部及び被係合部の形状は、円錐台状に限定されず、四角錐台状や球状とすることもできる。
また、第1及び第2実施形態においては、上述の係合部の形状を下方に突出した凸状、上述の被係合部の形状を下方に凹設された凹状としているが、係合部の形状を凹条、被係合部の形状を凸状とすることもできる。
また、第1及び第2実施形態おいて示した焼き網の形状は一例に過ぎず、焼き網の形状は、冷却用の液体が流通する内部流路を有し、かつこの内部流路に通じる液体の供給口及び排出口が形成されている構造であれば、様々な形状とすることができる。例えば、焼き網の平面形状は、矩形に限らず円形とすることもできる。また、焼き網の各流通管の形状は、円管状に限らず矩形管状とすることもできる。また、流通管と一体に取り付けられた加熱調理用の鉄板を有する焼き網とすることもできる。
1 … 無煙ロースター 2 … 本体
2a … 開口部 3 … 加熱装置
4 … 焼き網 4d … 凸条(係合部)
4e … 供給口 4f … 排出口
5 … 受け部材 5a … 凹条(被係合部)
5b … 供給接続口 5c … 排出接続口
6 … 吸引ポンプ(吸引手段) 6a … 吸込口
6b … 吐出口 7 … リザーブタンク
8 … 放熱器 10a … 圧力調整バルブ
12 … 液温センサー 14 … 制御回路
16 … 耐熱パッキン 24 … 焼き網
24d … 第一凸部(係合部) 24e … 供給口
24f … 排出口 24g … 第二凸部(係合部)
25 … 受け部材 25a … 第一凹部(被係合部)
25b … 供給接続口 25c … 排出接続口
25d … 第二凹部(被係合部) 26 … 耐熱パッキン
40 … 内部流路 41 … 供給側幹流路
42 … 排出側幹流路 43 … 枝流路
(1)本発明の無煙ロースターは、上部に開口部が形成された本体と、前記開口部の下方に配置された加熱装置と、前記開口部を塞ぐように着脱自在に支持され自己の内部に冷却用の液体が流通する内部流路が形成された焼き網と、前記本体と一体又は別体に設けられ前記焼き網を下方から支持する受け部材と、前記焼き網内の前記液体を負圧により吸引する吸引手段と、前記液体を貯留するリザーブタンクと、を備え、前記焼き網の下面には、前記内部流路に連通する供給口及び排出口が形成されていると共に、前記受け部材の上面には、該焼き網の該供給口に接続される供給接続口と、該焼き網の該排出口に接続される排出接続口とが形成されており、前記吸引手段が焼き網内の前記液体を該排出口から吸引する際に発生する前記負圧により前記リザーブタンクから該焼き網の該供給口に向けて該液体が吸い上げられることを特徴とする。
また、受け部材上に載置された焼き網の重量によって、供給口と供給接続口との接触圧、及び排出口と排出接続口との接触圧を高めることができるため、吸引手段の作動に先立って、これらの接続箇所の気密性を高めることができる。そして、吸引手段の作動後の負圧によって、焼き網の供給口及び排出口と、これらに接続される液体供給及び排出用の配管等との接続箇所の気密性が確保される。したがって、焼き網の内部に正圧で液体を供給している従来の無煙ロースター50において必要とされていた着脱部材90のような複雑なソケット機構が不要となり、焼き網の接続構造が簡素となる。
)前記()で述べた本発明の無煙ロースターにおいて、好ましくは、前記焼き網は、該焼き網の前記供給口と前記受け部材の前記供給接続口との間、及び該焼き網の前記排出口と該受け部材の前記排出接続口との間に装着された耐熱パッキンを介して該受け部材に支持されており、前記焼き網内の前記負圧により該焼き網が前記受け部材に向かって押し付けられて、前記耐熱パッキンが該焼き網と該受け部材との間に挟圧されることを特徴とする。
)前記()で述べた本発明の無煙ロースターにおいて、好ましくは、前記焼き網は、該焼き網の下面に係合部を備え、前記受け部材は、該受け部材の上面に該係合部と係合する被係合部を備えていることを特徴とする。
)本発明の無煙ロースターにおいて、好ましくは、前記リザーブタンクから前記焼き網に向けて前記液体が吸い上げられる流路に前記内部流路の圧力を調整するための圧力調整バルブを備えていることを特徴とする。
)本発明の無煙ロースターにおいて、好ましくは、前記焼き網の前記内部流路は、前記供給口に連通する供給側幹流路と、前記排出口に連通する排出側幹流路と、該供給側幹流路及び該排出側幹流路を繋ぐ複数本の枝流路とを備えていることを特徴とする。
)本発明の無煙ロースターにおいて、好ましくは、前記吸引手段は、吸込口及び吐出口を備える吸引ポンプであることを特徴とする。
)本発明の無煙ロースターにおいて、好ましくは、前記焼き網内から吸引された前記液体が前記リザーブタンクに向けて送られる流路に該液体を冷却する放熱器を備えていることを特徴とする。
)前記()で述べた本発明の無煙ロースターにおいて、好ましくは、前記リザーブタンク内の液温を検出する液温センサーと、前記放熱器の作動を制御する制御回路とを備え、前記液温センサーの検出結果に基づいて前記制御回路により前記放熱器の作動を制御して、前記リザーブタンク内の液温を所定範囲に保つことを特徴とする。
このような構成によると、リザーブタンク内の液温を検出する液温センサーの検出結果に基づいて制御回路により放熱器の作動を制御することによって、焼き網内から吸引されリザーブタンクに向けて送られる液体の温度を制御することが可能となる。これにより、リザーブタンク内の液温を所定範囲に保つことが可能となり、焼き網の温度を所定範囲に保つことが可能となる。例えば、前記()で述べたように、放熱器が送風機を備えている場合には、制御回路により送風機のオン/オフの制御、又は送風機の回転数の制御を行うことができる。

Claims (9)

  1. 上部に開口部が形成された本体と、
    前記開口部の下方に配置された加熱装置と、
    前記開口部を塞ぐように着脱自在に支持され自己の内部に冷却用の液体が流通する内部流路が形成された焼き網と、
    前記焼き網内の前記液体を負圧により吸引する吸引手段と、
    前記液体を貯留するリザーブタンクと、を備え、
    前記焼き網には、前記内部流路に連通する供給口及び排出口が形成されており、前記吸引手段が前記焼き網内の前記液体を該排出口から吸引する際に発生する前記負圧により前記リザーブタンクから該焼き網の該供給口に向けて該液体が吸い上げられることを特徴とする無煙ロースター。
  2. 前記本体と一体又は別体に設けられ前記焼き網を下方から支持する受け部材を備え、
    前記焼き網の前記供給口及び前記排出口は、いずれも該焼き網の下面に形成されていると共に、前記受け部材の上面には、該焼き網の該供給口に接続される供給接続口と、該焼き網の該排出口に接続される排出接続口とが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の無煙ロースター。
  3. 前記焼き網は、該焼き網の前記供給口と前記受け部材の前記供給接続口との間、及び該焼き網の前記排出口と該受け部材の前記排出接続口との間に装着された耐熱パッキンを介して該受け部材に支持されており、
    前記焼き網内の前記負圧により該焼き網が前記受け部材に向かって押し付けられて、前記耐熱パッキンが該焼き網と該受け部材との間に挟圧されることを特徴とする請求項2に記載の無煙ロースター。
  4. 前記焼き網は、該焼き網の下面に係合部を備え、前記受け部材は、該受け部材の上面に該係合部と係合する被係合部を備えていることを特徴とする請求項2又は3に記載の無煙ロースター。
  5. 前記リザーブタンクから前記焼き網に向けて前記液体が吸い上げられる流路に前記内部流路の圧力を調整するための圧力調整バルブを備えることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一つに記載の無煙ロースター。
  6. 前記焼き網の前記内部流路は、前記供給口に連通する供給側幹流路と、前記排出口に連通する排出側幹流路と、該供給側幹流路及び該排出側幹流路を繋ぐ複数本の枝流路とを備えていることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一つに記載の無煙ロースター。
  7. 前記吸引手段は、吸込口及び吐出口を備える吸引ポンプであることを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか一つに記載の無煙ロースター。
  8. 前記焼き網内から吸引された前記液体が前記リザーブタンクに向けて送られる流路に該液体を冷却する放熱器を備えることを特徴とする請求項1〜7のうちのいずれか一つに記載の無煙ロースター。
  9. 前記リザーブタンク内の液温を検出する液温センサーと、前記放熱器の作動を制御する制御回路とを備え、
    前記液温センサーの検出結果に基づいて前記制御回路により前記放熱器の作動を制御して、前記リザーブタンク内の液温を所定範囲に保つことを特徴とする請求項8に記載の無煙ロースター。
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