JP2012073653A - 透過型スクリーン及び投写型表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フレネルレンズスクリーン7から出射された画像光の波面を分割して、その波面の位相を変調する波面分割位相変調部材21を光拡散部材10の手前に配置する。あるいは、光拡散部材10により拡散された画像光の空間周波数を変調する空間周波数変調部材22を光拡散部材10の出光面側(観測者側)に配置する。
【選択図】図1
Description
従来の投写型表示装置は、図25に示すように、ライトバルブ3を照明する照明光学系2と、画像信号に応じて光量を調整して画像光を生成するライトバルブ3と、ライトバルブ3により生成された画像光を照射して、画像を透過型スクリーン6に投影する投写光学系4とから構成されたプロジェクタ1を備えている。
背面投写型の投写型表示装置に用いられる透過型スクリーン6は、図25に示すように、プロジェクタ1から照射された画像光を観測者側に折り曲げるフレネル光学部材であるフレネルレンズスクリーン7と、その画像光に発散角度を与えて広げる光拡散部材10とから構成されている。
また、フレネルレンズスクリーン7は、厚み方向が非常に薄いフレネルレンズ9を保持するためのフレネルレンズ基盤8を備えている。
フレネルレンズ基盤8は、PMMA、MS、PCなどの樹脂やガラスで作られることが多く、フレネルレンズ9は、フレネルレンズ基盤8に直接形成されることが多い。
図25では、フレネルレンズ9がフレネルレンズスクリーン7の出光面側に形成される出光面側フレネルレンズの例を示しているが、図26に示すように、フレネルレンズ9がフレネルレンズスクリーン7の入光面側に形成される入光面側フレネルレンズの例もある。
図25の例では、反射鏡5が実装されているが、図26に示すように、反射鏡5が実装されていないものもある。
この明暗の斑点は、一般にスペックル、もしくは、シンチレーションと呼ばれ、画像劣化の問題となる。
スペックル妨害低減用マイクロレンチキュラーレンズを配置することにより、プロジェクタ1から照射された画像光に発散角度θvが与えられ、発散角度θvが与えられた画像光は、フレネルレンズスクリーン7とレンズ要素11の距離を伝搬する間に、その伝搬距離t0に比例して広がり、ブラックストライプ層より光源側にある光拡散シート12を照明する。
このように、プロジェクタ1から照射された画像光は、スペックル妨害低減用マイクロレンチキュラーレンズによって、フレネルレンズスクリーン7とレンズ要素11の距離を伝搬する間に広げられるが、伝搬距離t0が短い場合、スペックル妨害低減用マイクロレンチキュラーレンズが与える発散角度θvを大きくする必要がある。
レンズ要素11の厚みは、せいぜい数100ミクロンであり、伝搬距離t0のほとんどをフレネルレンズスクリーン7のフレネルレンズ基盤8が担っているので、仮に、伝搬距離t0が3ミリから、10分の1の300ミクロンになるとすると、10倍の発散角度θvが必要になる。
一般にプロジェクタのスクリーンは、「明るくて、視野角が広い」ものが望まれるが、エネルギー保存則より両者はトレードオフの関係にあり、この配分を無視して画像光を広げることができない。
このゆらぎ構造の特徴的な長さ(規則的にゆらいでいる場合、例えば、ゆらぎの周期)が問題になる。
図1はこの発明の実施の形態1による投写型表示装置を示す構成図であり、図において、プロジェクタ1は画像光を照射する発光体であり、プロジェクタ1は画像信号に応じて光量を調整して画像光を生成するライトバルブ3と、そのライトバルブ3を照明する照明光学系2と、そのライトバルブ3により生成された画像光を照射して、画像を透過型スクリーン6に投影する投写光学系4とから構成されている。
透過型スクリーン6はフレネルレンズスクリーン7と光拡散部材10から構成されている。
透過型スクリーン6のフレネルレンズスクリーン7はプロジェクタ1から照射された画像光を入射して、その画像光を所定の方向に出射するフレネル光学部材である。
フレネルレンズスクリーン7はフレネルレンズ基盤8とフレネルレンズ9から構成されており、厚み方向が非常に薄いフレネルレンズ9がフレネルレンズ基盤8に保持されている。
光拡散部材10は波面分割位相変調部材21により波面の位相が変調された画像光を拡散する部材であり、光拡散部材10は少なくともレンズ要素11と光拡散シート12から構成され、一般にレンチキュラースクリーンと呼ばれる。
最初に、スペックル、もしくは、シンチレーションと呼ばれる現象が透過型スクリーン6で見られる原因について説明する。
物体の表面が光の波長のスケールに対して粗い凹凸を持つ場合、物体の表面で散乱、透過、反射したコヒーレント照明光の像が現れる。
これは異なる散乱点から発生した多数の振幅分布(強度分布ではない)の重畳からなされるものであり、光源の持つコヒーレンスによる干渉で説明することができる。
Ej(r,t)=Re[Ejkexpi(kr−ωt+δjk)] (1)
ただし、kは波数、rは位置、ωは角周波数、tは時間、δは位相である。
例えば、下記の式(2)に示すように、2つの単色波がある点で重なり合う状態では、単色波の強度の時間平均<E2>は、下記の式(3)で表される。
E=E1+E2 (2)
<E2>=<E1 2>+<E2 2>+2<E1E2> (3)
なお、単色波の強度の時間平均<E2>には、下記の式(4)に示すような干渉項、即ち、2<E1E2>が付加されていることから、各々の偏光や位相差によって強度が変化することになる。
2<E1E2>=ΣE1kE2kcos(δ2k−δ1k) (4)
ただし、Σはk=1〜3まで足し和させる加算記号である。
天体からの光とレーザ光源の違いについて説明すると、天体からの光のスペクトルは連続でインコヒーレントであり、レーザ光源のスペクトルは単色でコヒーレントである。
図2に示すように、間隔dのスリットと、有限の大きさDのインコヒーレントな単色光源があり、その単色光源の上端を仮想的に第一の光源31、単色光源の下端を仮想的に第二の光源32として、第一の光源31と第二の光源32から光が出る場合を考える。
第一の光源31からの光は、異なる光路を通るため実線の干渉縞を作り、第二の光源32からの光も同様に破線の干渉縞を作る。
それぞれの干渉縞の原点は、単色光源の位置の差Dが小さければ、干渉縞の原点のずれも小さくなる。
スリット間隔dが小さい場合、干渉縞の周期が逆に大きくなるので、干渉縞の原点のずれが周期に比べて小さい。このため、強度が足し合わされた結果、一点鎖線の縞のように強め合うことになる。
反対にスリット間隔dが大きい場合、干渉縞の周期が逆に小さくなるので、干渉縞の原点のずれが周期に比べて大きい。このため、強度が足し合わされた結果、山と谷が打ち消し合って均一化されることになる。
Dd/z≦λ (5)
また、この干渉性を保つ長さdは、下記の式(6)で表される。
d≦λz/D〜λF (6)
ただし、FはFナンバーであり、光束の広がりの逆数F〜z/Dを表している。したがって、光束の広がりが狭いほど(Fナンバーが大きいほど)、干渉性を保つ長さdが大きくなる。
図3は光学的不変量を説明する説明図である。
図3では、大きさy1の物体がレンズ41によって大きさy2の像を形成する例を示している。
このとき、像の大きさと見込み角θの関係は証明を省略するが、下記の式(7)の関係式で表される。
y1θ1=y2θ2 (7)
この関係式は、像の大きさと見込み角θの積が光学系の中で不変であることを示しており、「Helmholz−Lagrange」の不変量と呼ばれ、厳密には近軸理論で成立する。
例えば、像の大きさをy2<y3<y4すると、見込み角θは順にθ2>θ3>θ4となることが分る。
つまり、光束の広がりは、光学系の横倍率βに反比例して小さくなることが分る。
β=y2/y1 (8)
プロジェクタ光学系の倍率は、一般に50〜100倍といった高倍率なものが多いため、光束の広がりはそれに反比例して小さくなる。
図4は光学系の模式図とスクリーンの関係を示す説明図である。
図4では、照明光学系(図示せず)からの照明光をプロジェクタ1のライトバルブ3で画像を作り、この画像を投写光学系4である仮想投写レンズ42で、仮想コンデンサレンズ43を介して光拡散部材10まで投影する。
このとき、背面投写型表示装置のスクリーンの大きさが大きい場合には(例えば、1メートル四方の大きさ)、仮想コンデンサレンズ43として、フレネル光学素子であるフレネルレンズスクリーン7が用いられる。
画像は、投写光学系の横倍率β=y2/y1で拡大されるので、光束の広がり(見込み角θ2)は1/β倍になり、干渉性を保つ長さdは、下記の式(9)で表される。
d≦λFβ (9)
例えば、投写光学系の倍率β=100倍、照明光学系のFナンバーF=3.5、波長λ=530nmとすると、干渉性を保つ長さdは、d<186ミクロンとなる。
距離dは、倍率βやFナンバーに比例するため、Fナンバーと横倍率βが大きいほど(光束の広がりが狭いほど)、大きくなる。
表面の凹凸やビーズの特徴的な長さは、可視光の波長(約、380−780nm)より大きく、せいぜい1〜50ミクロン、実際には、5〜20ミクロン程度が主流である。
照明される面(被照面)の表面等のゆらぎの特徴的な長さが、干渉性を保つ長さdと比べて十分小さい場合、空間的なコヒーレンスから、画像光が部分的にコヒーレントな照明光となるため、明暗の斑点であるスペックルノイズが発生することになる。
証明は省略するが、上記の単色光の議論は、振幅でなく、強度の重ね合わせであることから、準単色光等の帯域幅を有する光源に適応することも可能である。
以上から、インコヒーレント光源であっても、有限の大きさを持つ光源の空間的なコヒーレンスから、部分的にコヒーレントな照明になり、振幅でなく、強度の重ね合わせでスペックル現象を説明することができる。
レーザ光源は、狭い帯域幅を有する準単色光源のため、仮にレーザ光源の持つ高いコヒーレンスを何らかの手段で低減したとしても、上記の議論からスペックルが観測される。
図5は光学系の模式図とスクリーンの関係を示す説明図である。
図5では、フレネル光学素子と等価な仮想コンデンサレンズ43と光拡散部材10の間に、波面分割位相変調部材21を挿入するようにしている。
図5では、説明の簡単化のため、波面分割位相変調部材21を小さいレンズで表しているが、凸レンズ形状、凹レンズ形状、正弦波状のような曲面から構成されているものでもよいし、格子状、鋸刃状のような平面から構成されているものでもよい。
これは、光拡散部材10の手前で波面を空間的に細かく分割し、かつ、波面に傾き、もしくは、光路長差を与えることを目的とするからである。
ここで重要なのは、波面分割位相変調部材21の単位長さが、投写画素より小さい必要があるが、上記の議論より、ゆらぎ構造の特徴長さと同等、できれば、それ以下にするのが望ましい。
図6では、光拡散シート12として、屈折率が異なる様々な粒子径の光拡散ビーズ52が光拡散シート媒質51に配置されている例を示している。
ここでは、説明の簡単化のため、広がりが小さい平面波が光拡散シート12に入射する場合を考える。
干渉性を保つ長さdが、光拡散ビーズ52の粒子径と比べて十分大きい場合(例えば、干渉性を保つ長さdが200ミクロンで、光拡散ビーズ52の粒子径が20ミクロン)、光拡散シート12を透過した画像光の波面には、明暗の斑点であるスペックルが観察されることになる。
ここでは、説明の簡単化のため、波面分割位相変調部材21が周期pの格子構造である場合を考える。
なお、周期pは波長λより十分大きく、光拡散ビーズ52の粒子径より小さいか、同等の大きさとする。
この場合、波面分割位相変調部材21を透過した画像光は、格子構造で光路長差が発生するが、上述したように、画像光が広がることはないので、干渉性を保つ長さdが小さくなる効果はないが、画像光の波面が空間的に分割されているため、分割後の各々の波面の光路長に差が生じて、明暗の斑点のパターンが変わることになる。
画像光の波面は、波面分割位相変調部材21の長さで空間的に分割され、かつ、波面に傾斜と位相差が与えられる。
この場合、上述の議論から明らかなように、干渉性を保つ長さdが小さくなる効果を有する。
また、画像光の波面が長さpの波面に分割されているので、明暗の斑点パターンが変わることになる。
即ち、波面に傾斜もしくは位相差を与えるだけでなく、空間的に細かく分割することで、様々な波面の重ね合わせによる平均化によって、波面の山と谷が打ち消し合って均一化される。
透過型スクリーン6は、少なくともフレネルレンズスクリーン7と光拡散部材10から構成されるが、フレネルレンズスクリーン7は、プロジェクタ1の特性に応じて選択され、光拡散部材10は、視野角やスクリーンの輝度などの光学特性に応じて選択されるため、別々に設計・製作されて、各々独立に選択されることが多い。つまり、フレネルレンズスクリーン7と光拡散部材10は切り離して考えてよい。
この場合、入光面側全反射・屈折混合式フレネルレンズ61(画像光を屈折させる屈折面及び屈折面で屈折された画像光を反射させる反射面を有する全反射プリズムと、画像光を屈折させる屈折面を有する屈折プリズムとが1つのピッチに形成されているフレネルレンズ)、入光面側全反射式フレネルレンズ62(画像光を屈折させる屈折面と、その屈折面で屈折された画像光を反射させる反射面を有するフレネルレンズ)、または、入光面側部分全反射式フレネルレンズ63(手前のフレネルプリズムに遮断されて、画像光が直接照射されない非入射面が、フレネルレンズ基盤8と略並行に形成されているフレネルレンズ)のいずれかになる。
また、図11に示すように、光拡散部材10の入光面側に波面分割位相変調部材21が配置されていてもよい。
図1の透過型スクリーン6の場合、例えば、薄い透明基板の上に形成された波面分割位相変調部材21をフレネルレンズ基盤8に貼り合せることで実現することができる。図1の透過型スクリーン6は境界面が空気であり、媒質との屈折率差で光が大きく傾斜する特徴を有している。
例えば、波面分割位相変調部材21をフレネルレンズ基盤8に形成する(図12を参照)。
一方、フレネルレンズ9は、レンズ形状が刻まれている金型71に光硬化樹脂72を流し込み(図12を参照)、フレネルレンズ基板8を押しつけて光硬化させる(図13を参照)。
その後、金型71から離型することにより、フレネルレンズスクリーン7の入光面側にフレネルレンズ9を形成する(図14を参照)。
図13の透過型スクリーン6の場合、フレネルレンズ9と波面分割位相変調部材21の屈折率差は、お互いが媒質であるため、相手が空気の場合と比べて小さいことが予想される。即ち、画像光の波面に大きな傾斜や、位相差を与え難いことになる。
しかしながら、図10の透過型スクリーン6のように、波面分割位相変調部材21がフレネルレンズ基盤8の手前に配置されている場合、波面分割位相変調部材21も伝搬距離t0を担うことができるため、画像光の発散角度θvを大きくする必要がなくなる利点がある。
上記実施の形態1では、画像光の波面を分割して、その波面の位相を変調する波面分割位相変調部材21を光拡散部材10の手前に配置するものについて示したが、図15に示すように、光拡散部材10の出光面側(観測者側)に空間周波数変調部材22を配置して、その空間周波数変調部材22が光拡散部材10により拡散された画像光の空間周波数を変調するようにしてもよい。
なお、空間周波数変調部材22の面形状も、波面分割位相変調部材21の面形状と同様に、例えば、凸レンズ形状、凹レンズ形状、正弦波状のような曲面から構成されるものや、格子状、鋸刃状のような平面から構成されるものである。
例えば、入光面側全反射・屈折混合式フレネルレンズ61、入光面側全反射式フレネルレンズ62、または、入光面側部分全反射式フレネルレンズ63のいずれかを採用する。
また、図15の例では、空間周波数変調部材22として、図16に示すような鋸刃状プリズム22aを採用する。
空間周波数変調部材22として鋸刃状プリズム22aを採用すると、鋸刃状プリズム22aの頂角や屈折率にも依存するが、例えば、斜めに入射してきた第一の光束81は鋸刃状プリズム22aの境界面で屈折し、観測者の方向に曲げられる。
一部の光束(第二の光束82)は、鋸刃状プリズム22aの境界面で内部に全反射し、向かいの境界面から屈折して斜め方向に大きく曲げられる。
その後、第四の光束84は、向かいの境界面から屈折して斜め方向に大きく曲げられるが、第三の光束83は、隣の鋸刃状プリズム22aを伝わって大きく曲げられ、元来た方向(観測者と反対側)に戻る。
第三の光束83が光拡散部材10に再入射して、光拡散部材10で散乱されることにより、例えば、第五の光束85のように観測者の方向に曲げられるとする。
第三の光束83は、鋸刃状プリズム22aを少なくとも一つ渡っているため、鋸刃状プリズム22aの一つ分だけ像がぼやけることになる。つまり、鋸刃状プリズム22aの単位長さqを適当に小さくすると(少なくとも、投影される画素よりも十分細かくする)、鋸刃状プリズム22aが低周波透過フィルターとして作用し、空間周波数の高周波を低減する効果を有する。
レンズ要素11(光吸収部91、単位レンズ92)を通過して、光拡散シート12に入射した画像光は、空間周波数変調部材22によって、一部は元来た方向に戻り、一部は観測者の方向に出射される。
このとき、観測者の方向に出射する画像光は、長さqの空間周波数変調部材22を数個伝搬する。
なお、画像光が光拡散シート12を伝搬する間に像がぼやける弊害を未然に防ぐため、光拡散シート12の厚みは、長さqの数倍程度にしておく必要がある。
具体的には、投写画素の大きさが1mm、レンズ要素11の周期が50〜100ミクロン、光拡散シート12の厚みが20〜40ミクロン、空間周波数変調部材22の長さqが5〜20ミクロン程度である。いずれも、波長λ(0.3〜0.7ミクロン)より十分長い。
この実施の形態2のように、光拡散部材10の観測者側に空間周波数変調部材22を配置することで、空間周波数で高周波の細かい明暗の斑点を平均化することが可能になる。
例えば、画像光が空間周波数変調部材22である鋸刃状プリズム22aを3個ほど伝搬するように設計しておくと、それ以上(4個以上)には像がぼやけないことから、画素のような低周波には影響をほとんど与えることなく、スペックルノイズのみを選択的に平均化することが可能になる。
上記実施の形態1,2では、波面分割位相変調部材21又は空間周波数変調部材22を実装している透過型スクリーン6について説明したが、透過型スクリーン6が単体だけで使用されることは稀であり、プロジェクタ1と組み合わせて利用される。
リアプロジェクタに代表される従来の背面投写型表示装置は、図25に示すように、投写光学系3の光軸と透過型スクリーン6の中心が略一致しており、投写型表示装置の奥行きを薄くしたり、小型化したりするために、反射鏡5を用いて、画像光を折り曲げるようにしている。
また、更なる薄型化を達成するため、図26に示すように、プロジェクタ1が透過型スクリーン6に対して、斜め急角度に画像光を投影する投写型表示装置もある。
中身の照明光学系2が小型になれば、投写型表示装置の全体も薄く、もしくは、小型化し易くなるのは言うまでもない。つまり、前述の透過型スクリーン6には斜め急角度に投影する方法が適している。
なお、図27や図28のように、光路の途中に反射鏡5を配置し、反射鏡5が画像光を折り曲げて薄型化や小型化を図るようにしてもよいことは言うまでもない。なお、透過型スクリーン6の上下は、図の例に限るものではない。
図19はプロジェクタ1の投写光学系3の光軸と、透過型スクリーン6のフレネルレンズスクリーン7との関係を模式的に示す説明図である。
フレネルレンズスクリーン7のフレネルレンズ9のうち、出光面にプリズムを持つ出光面側フレネルレンズ9aは回転中心が画面の中心にあり、この回転中心が投写光学系10の光軸と略一致する。
一方、入光面側にプリズムを持つ入光面側フレネルレンズ9bは回転中心が画面の外にあり、この回転中心が投写光学系10の光軸と略一致する。
つまり、入光面側フレネルレンズ9bの光軸からの広がり角がθであり、この広がり角θがフレネルレンズスクリーン7への入射角θに相当し、出光面側フレネルレンズ9aの光軸からの広がり角と比べて大きい。即ち、図20に示すように、同じ大きさの画面を作る光束Aと光束Bに対して、光軸を含む光束Bは入射角θが小さく、光軸を外した光束Aは入射角θが大きいことがわかる。
極端な斜め投写光をスクリーンの法線方向に偏向するには、画像光の進行方向を大きく変える必要がある。これを画像光の屈折現象のみを利用して行おうとすると、フレネル反射によるエネルギー損失と、光の分散現象による色分離が問題となる。
(1)プリズムに入光した光束を対面にて全反射を利用して出光面方向に偏向する入光面側全反射式フレネルレンズ62
(2)全反射式フレネルレンズ62の谷を出光面に並行とした入光面側部分全反射式フレネルレンズ63
(3)全反射式フレネルレンズ62とプリズムに入光した光束を屈折のみ出光面方向に偏向する屈折式フレネルレンズが、ひとつのプリズム内に混合された入光面側全反射・屈折混合式フレネルレンズ61
なお、これらフレネルレンズ61〜63は、プロジェクタ1の設計に合わせて適宜選択すればよく、一つのスクリーン内に3種類を混在させなくてもよいことは言うまでもない。
また、この組み合わせとして、図23に示すように、入光面側にシリンドリカルレンズが縦横に構成されている縦横シリンドリカルレンズ93の非集光部に相当する位置にストライプ状に光吸収部91が形成されているものや、図24に示すように、谷部に光吸収部91がストライプ状に形成されている台形状の単位レンズ92を縦横直交するように前後に並べたものでもよい。ただし、縦横の順は、これに限るものではないことは言うまでもない。
また、見た目のぎらつきを押さえるためのアンチグレア層(図示せず)や、静電気によるほこりの付着を防止するための帯電防止層(図示せず)や、表面を保護するためのハードコート層(図示せず)を設けてもよい。
また、上記の透過型スクリーン6を用いた投写型表示装置は、少なくとも画像を構成するライトバルブ3、これを照明する照明光学系2及び画像を投影する投写光学系4から構成されるプロジェクタ1と、上記の透過型スクリーン6と光拡散部材10から構成されていることを特徴としているが、これに加えて、例えば、筐体、保持機構、空調、スピーカー、テレビ台、リモコン受光部、電気回路、幾何学補正回路、色補正回路などの構成要素に持っていてもよい。
Claims (2)
- 発光体から照射された画像光を入射して、上記画像光を所定の方向に出射するフレネル光学部材と、画像光を拡散する光拡散部材とを順に備えた透過型スクリーンにおいて、
上記光拡散部材は、少なくとも表面に凹凸形状を有する光拡散層が形成されている光拡散シート、または、シート媒質と異なる屈折率を有する粒径の光拡散ビーズが配置されている光拡散シートの少なくとも一方から構成され、
上記フレネル光学部材の入射面には、発光体から照射された画像光を屈折させる屈折面及び上記屈折面で屈折された画像光を反射させる反射面を有する全反射プリズムが鋸刃状に複数配置され、
上記フレネル光学部材の出光面側には、曲面あるいは平面が連接されて構成される形状を周期的に有した構造を備え、
上記曲面又は平面が連接されて構成される形状の単位周期が、画像光を形成する光の波長より長く、画像光を形成する投写画素より小さく、上記光拡散部材を構成する凹凸形状、もしくは、上記光拡散ビーズの粒径の特徴的な長さと同等以下であることを特徴とする透過型スクリーン。 - 請求項1記載の透過型スクリーンを備えた投写型表示装置。
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