JP6128512B2 - 画像表示装置 - Google Patents

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクションシステムに用いる画像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プロジェクションシステム(プロジェクション型画像表示装置)は、一般に、スクリーンを略垂直方向に配置し、そのスクリーンの正面側又は裏面側に、そのスクリーンに対して光軸を例えば斜め下向きに或いは斜め上向きに画像光を照射するようにプロジェクタを配置し、そのプロジェクタからの画像光をそのスクリーンに照射してスクリーンの正面側又は裏面側から画像を視認するようにしたものである(特許文献1)。
近年、プロジェクションシステムは、その大画面化により、必要とされる画面の明るさを確保するためには、当然、光源に明るさが要求される。
【0003】
しかし、一般的に、光源であるUHPランプやLED光源、更にレーザー光源においても、出射光出力をあげるためには、発光部のサイズ(UHPランプではアーク長、LEDでは、チップサイズ、レーザーでは、チップのキャビティの大きさ)を大きくしなければ、耐久性(寿命)や効率の関係上出力光を大きくできない。
さてここで、レーザー光源以外の一般的光源の発光は、あらゆる方向に光を発光するため、発光面積と発光光の立体角の積を意味するエタンデューは、大出力にすればするほど、大きくなってゆく。ところが、レーザー光源の場合、上述の問題が、理想的な場合発生しない。
【0004】
なぜなら、レーザー光源は、ほぼ完全平行光を出力できるため、発光の立体角はゼロとなり、発光面積がいくら大きくなっても、エタンデューは常にほぼゼロだからである。従って、非常に多数のマルチチップで、レーザー光源を構成しても、レーザー以外の光源ではエタンデューが増大するのに、レーザー光源だけは、エタンデューが増大しないからである。
プロジェクションシステムにおいて、エタンデューの大きな光源は、いかにレンズ設計を駆使しても、ランプ光学系や、拡大投射光学系で取り込める光の角度に制限があるため、大画面プロジェクションシステムでは、光の利用効率が悪化してしまう。
【0005】
ところが、レーザー光源だけは、根本的にこの問題を解決することが、可能な光源といえる。従って、超大画面プロジェクションシステムで、光の利用効率を高めた状態で明るい表示を実現できるのは、現在の技術では、レーザー光源のみといっても過言ではない。
更に、レーザー光源のエタンデューの小ささは、光学系を小さく設計できることを意味しているため、大型だけではなく、小さなプロジェクターでもコンパクト設計に威力を発揮できる光源である。
近年、携帯電話サイズの携帯型ナノプロジェクターや、更にレーザーポインターサイズのピコプロジェクター等の開発や、これらをいかした新しい市場を狙った新商品開発が行われつつある。
更に、レーザー光のスペクトル幅の狭さは、非常に色鮮やかな表示が可能であり、色再現領域の非常に広いディスプレイが可能となるため、近年、ディスプレイ光源としてレーザー、例えば半導体レーザーを用いる非常に注目されている(非特許文献1)。
このように、レーザー光源を画像表示装置の光源に用いると優れた長所を有しているが、コヒーレンス性の非常に高い光であるため、致命的な短所が存在する。それがスペックルノイズパターンの表示面での発生である(上記非特許文献1)。
【0006】
これは、時間的、空間的コヒーレンス性の高さによる、拡散フィルムであるスクリーンによるランダムな空間的干渉パターンが、表示画像の品位を著しく低下させるものである。しかもこのスペックルパターンは、スクリーン上だけでなく、空間的に三次元に存在し、観測者が目や頭を動かしたり、移動すると、表示画像と異なる方向や異なる速度で移動するため、非常に目障りなノイズパターンとなってしまう。
そこで、このスペックルノイズパターン(シンチレーションパターン)を取り除く方法が、現在非常に盛んに研究、開発されている。
【0007】
スペックル除去を行う方法として、物理的除去方法があり、そのメカニズムは、スクリーンの拡散で発生する細かい位相変化の干渉で生じる空間的ランダム粒状光ノイズパターンを、スクリーンの拡散で生じる空間的に細かい位相変化と同じ空間的細かさの位相変化を時間的に発生させることにより、目の積分効果によって、均一化するものである。
このメカニズムを最も簡単に実現する方法は、スクリーンの拡散フィルムと同じ拡散フィルムを積層して、一方を固定し他方をメカニカルに動かすものであり(特許文献2)、それにより、同じ細かさの位相変化を時間的に発生できるため、実用レベルのスペックル除去が可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−020485号公報
【特許文献2】特開2010−060745号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】レーザー開発2008年4月P178〜182「赤色半導体レーザとプロジェクター」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、 一方を固定し他方をメカニカルに動かす方式には、例えば、スクリーンに積層した位置で大面積の拡散フィルムを、たわまずに密着させ、解像度を落とさず回転させるというようなことが必要であるが、これは容易ではなく、メカニカルな問題として耐久性や、メインテナンス性、外光対策等の問題があった。
本発明は、このような課題を解決すべく為されたものであり、大面積の拡散フィルムを大面積のスクリーンにたわまずに密着させ解像度を落とさず回転させる必要のない新規な手段でスペックルノイズの除去できるようにすることを一つの目的とし、更に、外光抑制を強くし、表示画像の外光に対するコントラストを良くし、照明が点いた明るいところでも明るく画像表示ができるようにすることを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
参考発明(A)の画像表示装置は、回転、移動又は振動する小型揺動拡散板と小型画像表示デバイスがほぼ結像光学系の共役結像の位置関係になるように設置され、かつ上記小型画像表示デバイスとスクリーンも拡大投射光学系の共役結像の位置関係になるように設置された画像表示装置において、上記スクリーンは、2枚以上の拡散フィルムの間に、直進透過光成分を、可能なかぎりなくすよう透過光の方向を異なる2方向以上に大きく変化させる、全反射型プリズムシート、若しくは屈折型プリズムシート、又は全反射型プリズムシートと屈折型プリズムシートの組み合わせが挟みこまれている構成であることを特徴とする。
【0012】
請求項1の画像表示装置は、参考発明(A)の画像表示装置において、前記スクリーンの2枚以上の前記拡散フィルムが、ほぼ一方向のみに拡散する拡散特性を有し、この全ての拡散フィルムの拡散方向がプリズムシートの光の方向を変化させる方向とほぼ同じ方向となるようにプリズム長手方向とほぼ直交するように揃えさせられ、上記拡散フィルムの出射側に、レンズの長手方向と平行なブラックストライプを有するブラックストライプ付きのレンティキュラーレンズシートが、その各レンズ素子の長手方向が上記拡散フィルムの拡散方向に一致するように設けられたことを特徴とする。
【0013】
請求項2の画像表示装置は、参考発明(A)の画像表示装置において、前記スクリーンを構成する一枚又は複数枚の前記プリズムシートは、用いているプリズムシート枚数の2倍の面数であって、それぞれのシートにおける光の入射側の面と出射側の面から、少なくとも2つ以上の面を選択し、選択した面に、ほぼ光学特性の等しい全反射型プリズム形状若しくは屈折型プリズム形状、又は全反射型と屈折型の混合型プリズム形状を、光の進行方向において、前のプリズムシート形状で変化させた光の方向をほぼ逆にもどし、ほぼ平行光となるように、後のプリズムシート形状を、プリズムの長手方向を前のプリズムシート形状のプリズムの長手方向とほぼ揃えて配置、積層するか、又はこの長手方向をほぼ揃えて配置、積層したプリズムシート形状の組を複数組、互いの組の長手方向を、ほぼ直交させて配置、積層したことを特徴とする。
【0014】
請求項3の画像表示装置は、請求項2に記載の画像表示装置において、
前記スクリーンは、前記拡散フィルムが、ほぼ一方向にのみ拡散するフィルムを、複数枚、それぞれの拡散方向を全てほぼ揃えて用い、この拡散フィルムの間に1枚若しくは複数枚のプリズムシートを挟みこんで用いており
枚、若しくは複数枚のプリズムシートのプリズム形状の長手方向が全てほぼ一致している場合には、全ての拡散フィルムの拡散方向を、この方向とほぼ直交させた構成を有
複数枚のプリズムシートのプリズム形状の長手方向がほぼ直交するものを含んでいる場合には、ほぼ直交している長手方向のどちらか一方に、全ての拡散フィルムの拡散方向をほぼ直交させた構成を有し、
更に、このほぼ揃った拡散方向を、スクリーン出射側に設置された、レンズの長手方向と平行なブラックストライプを有するブラックストライプ付きのレンティキュラーレンズシートのレンズ長手方向とほぼ一致させた
ことを特徴とする。
【0015】
請求項4の画像表示装置は、請求項2又は3に記載の画像表示装置において、前記スクリーンは、それを構成する一枚若しくは複数枚のプリズムシート又は両面プリズムシートが入射側のプリズム形状ピッチより出射側のプリズム形状ピッチが小さいことを特徴とする。
請求項5の画像表示装置は、請求項に記載の画像表示装置において、
前記スクリーンは、それを構成する一枚若しくは複数枚のプリズムシート又は両面プリズムシートが入射側のプリズム形状ピッチより出射側のプリズム形状ピッチが小さいこと、および、
前記スクリーンは、それを構成する一枚または複数枚の前記プリズムシート及び前記両面プリズムシートのプリズム形状が、三角錐アレイ、四角錘(ピラミッド型)アレイ、六角錘アレイ又は多角形を底面形状とし、その他の面が三角形である多面体アレイ、若しくは円錐アレイ形状構造のシートであることを特徴とする。
【0016】
請求項6の画像表示装置は、請求項1,2,3,4又は5に記載の画像表示装置において、前記スクリーンは、それを構成する一枚若しくは複数枚の前記プリズムシート又は両面プリズムシートが、光の方向を2方向以上に変化させている形状である屈折型又は全反射型のプリズム形状面が、多平面、曲面、若しくは曲面、又はこれらを組み合わせた集合体であることを特徴とする。
【0017】
請求項7の画像表示装置は、求項1,2,3,4,5若しくは6に記載の画像表示装置において、
前記スクリーンは、それを構成する一枚または複数枚の前記プリズムシート又は両面プリズムシートを挟み込んでいる2枚以上の拡散フィルムに代えて、プリズムシート自体に、等方拡散用の微粒子若しくは一方向異方性拡散用の微粒子を添加するか、又はプリズムシートの平面部若しくはプリズム形状の表面形状を等方的、若しくは、一方向異方的に粗面化したものを用いた
ことを特徴とする。
【0018】
請求項8の画像表示装置は、求項1,2,3,4,5,6若しくは7に記載の画像表示装置において、
前記スクリーンは、それを構成する一枚又は複数枚の前記プリズムシート又は両面プリズムシートのうち、一枚のプリズム形状自体又は両面プリズムシートの出射面側のプリズム形状自体を金属反射等による鏡面反射構造、金属拡散反射構造、若しくは金属異方性反射構造とするか、又は平面ミラー、平面拡散ミラー、若しくは平面異方性拡散ミラーを、一枚又は複数枚の上記プリズムシートの間、若しくはスクリーン出射側に設置した反射型スクリーンである
ことを特徴とする。
【0019】
請求項9の画像表示装置は、請求項8に記載の画像表示装置において、前記スクリーンは、外光抑制手段としてレンティキュラーレンズシート及びブラックストライプを有し、上記スクリーン表面にレンズ形状を有し、上記レンティキュラーレンズシートの表面に、レンズの集光方向とは垂直方向に拡散するアンチグレア用の異方性拡散機能を実現する表面形状か、若しくはモスアイ構造を有し、又は外光抑制手段としてフライアイレンズ及びピンホール型ブラックマスクを有し、上記スクリーン表面にレンズ形状を有し、ホットバー又はホットスポット回避のために、上記フライアイレンズの表面にアンチグレア用の弱い等方性拡散機能を実現する表面形状を有するか、若しくはモスアイ構造を有することを特徴とする。
請求項10の画像表示装置は、請求項1,2,3,4,5,6,7,8又は9に記載の画像表示装置の前記スクリーンと、レーザー光線をスキャンすることによって画像表示を行う装置とを組み合わせたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
参考発明(A)の画像表示装置によれば、回転、移動又は振動する小型揺動拡散板と小型画像表示デバイスがほぼ結像光学系の共役結像の位置関係になるように設置され、かつ上記小型画像表示デバイスとスクリーンも拡大投射光学系の共役結像の位置関係になるように設置された画像表示装置において、上記スクリーンが、2枚以上の拡散フィルムの間に、直進透過光成分を、可能なかぎりなくすよう透過光の方向を異なる2方向以上に大きく変化させる、全反射型プリズムシート、屈折型プリズムシート、又は全反射型プリズムシートと屈折型プリズムシートの組み合わせ等が挟みこまれている構成であるので、光を二つ(図2のビーム1とビーム2を参照されたし)に分けて例えば±60°光の方向を変え、この二つに分かれたレーザー光線を上記プリズムシートにて大角度、例えば120°で干渉させることができる。
従って、この二つに分かれたレーザー光線は、等位面の0、±π、±2πが一致した場所で位相が一致して強め合い、非常に周期の短いサイン関数となる。つまり、揺動(回転、移動又は振動)する小型化揺動拡散板の拡大投影系により拡大された位相情報から超高精細スペックルパターンが得られる。
【0021】
そのスペックルパターンの波長(ピッチ)は、グリーン(緑)の光(波長が500nm)を例にした場合、280nmとなり、光の波長よりも短かくなる。
このように、レーザー光線のなだらかな位相情報が、光学系内に設置した小型回転拡散板の回転によって、高速に移動すると、上記二本のレーザー光線間に位相差が生じることが分かる。この2つの切り出され交差させられたレーザー光線の位相差が、図2に示すようになだらかな位相波面のπ/2 あるとすると、拡大波面の移動により、片方のレーザー光線の位相がπ/2 増加すると、もう片方はπ/2 減少するため、2本のレーザー光線の位相差は相対的にπ変化できることになり、超高精細スペックルの山と谷が逆転し、目の積分効果により均一化が実現することになる。
【0022】
この時間的に変化し、目の積分効果で消すことができる超高精細スペックルが、スクリーンの出射側の拡散フィルムに入射することとなる。拡大光学系でなだらかになっていたことが問題であったが、参考発明(A)の画像表示装置では、拡大されても、スクリーン上で高精細な時間変化するスペックルに変換されてから、スクリーンの拡散フィルムに入射できるため、拡大倍率が大きくなっても、空間周波数の高いスクリーンの拡散で発生するスペックルに位相変化を与えることができる。
【0023】
請求項1の画像表示装置によれば、前記スクリーンの2枚以上の前記拡散フィルムが、ほぼ一方向のみに拡散する拡散特性を有し、この全ての拡散フィルムの拡散方向が、その拡散方向をプリズムシートの光の方向を変化させる方向とほぼ同じ方向となるようにプリズム長手方向とほぼ直交するように揃えさせられ、更に、この拡散方向が、スクリーン出射側に設置されたブラックストライプ付きレンティキュラーレンズシートのレンズ長手方向と一致させられているので、このスクリーン出射側に設置されたブラックストライプ付きレンティキュラーレンズシートにより外光を抑制することができる。
【0024】
即ち、スクリーン(透過型スクリーン)の出射側に設置されたブラックストライプ付きレンティキュラーレンズシートに入射するレーザー光(プロジェクター光)は、その入射時点においては、ブラックストライプ付レンティキュラーレンズシートの集光拡散しない方向のみに、一方向に拡散しているため、レンティキュラーレンズシートは、焦点位置に、ライン状に、光を集めることができ、ブラックストライプのスリット開口部のみから、集光して拡散させることができ、光のけられを回避できる。
従って、光のロスなく、スクリーン表面にブラックストライプをつけることができるため、外光の反射を有効に抑制し、明るい場所でも、高いコントラストの画像を表示できる。
このレンティキュラーレンズシートの集光拡散は、一方向拡散フィルムの拡散方向と直交方向への拡散機能も兼ね備えている。
【0025】
請求項2の画像表示装置によれば、ほぼ同じ光学特性の全反射型プリズムシートをレンズ形状側を互いに向かい合わせて積層した構成なので、スペックル低減制御と視野角設計とを互いに独立して行うことができる。この点について図7を参照して詳細に説明する。
同図において、Wは動く小型揺動拡散板による移動するスペックル情報を拡大投影結像系により拡大した拡大波面であり、入射した光は、最初に達するプリズムシートにより全反射により向きを変えられる。図中のa1、a2、a3のレーザー光線に着目するとこの光は下側へ60°向きが変えられ、図中のb1、b2、b3の光線に着目するとこの光線は上側へ60°向きが変えられる。
【0026】
その2方向のレーザー光線は、たがいに交差するが、図7に示すように、光の入射側に形状をもつ、出射側の2枚目の全反射型プリズムシートによって、上側60°から進入してくるレーザー光線と、下側60°から進入してくるレーザー光線を、互いにプリズムピッチの半分の間隔で、互い違いに挿入して、かつ光の進行方向も、上側60°と下側60°方向をそれぞれ同じ正面法線方向0°へ変化させて、揃える働きをする。
従って、この画像表示装置は、光の進行方向が、入射側と出射側で変化していない特性を有するが、その点が、参考発明(A)の、又は請求項1に記載の画像表示装置のスクリーン構成と大きく異なる点である。
即ち、請求項2に記載の画像表示装置は、スペックル低減を実現するメカニズムにおいて、光の方向を原理的に大きく変化させる必要がなく、スペックル低減機能と、視野角制御を独立に実現することが可能なのである。
【0027】
次に、請求項2の画像表示装置によるスペックル低減機能の説明を行う。2枚目の例えば全反射型プリズムシートによって、上側60°から進入してくるレーザー光線と、下側60°から進入してくるレーザー光線を、互いにプリズムピッチの半分の間隔で、互い違いに挿入した状態に着目することとする。
さてここで、入射拡大波面が切り出され、互い違いに挿入された波面の位相状態を図7の出射側全反射型プリズムシートの後に、実線でしめす、入射側a1, a2, a3 及び破線で示すb1、b2、b3のエリアの波面が、出射側では、互い違いに挿入されたb1、a1、b2、a2、b3、a3となっていることが、図より明らかである。次にa1とb1の位相差を考える。これは、下側に方向を60°変え、位置的に下側へシフトし上側へ60°方向を変えたエリアa1と、上側へ方向を60°変え、位置的に上側へシフトし下側へ60°方向を変えたエリアb1とが近接して隣り合うため、もともとの切り出される前の拡大波面では、距離的に下側へシフトした距離と上側へシフトした距離の和だけ離れた位置の位相差を、近接した状態で作り出しているため、大きな位相差を出射側にプリズムピッチの間隔で作り出せることになる。
【0028】
更に、切り出し挿入によって作り出される、位相変化部分は、非常に急峻なステップ型の位相変化が実現するため、空間周波数が非常に高い、位相変化成分が発現することとなる。このことが、スクリーンの拡散で発生する空間周波数の高いスペックルに対し、位相変化を与え、時間変化させるのに、大きな効果を発現することになる。図7中の出射側に示した点線の波面wは、上側と下側からシフトしてきた、切り出されていないもとの拡大波面を描いてある。この2つの点線の上下シフト拡大波面を互い違いにプリズムピッチの半分で選択してゆくと、太い実線で示す実際の切り出し挿入波面が得られる。
【0029】
次に、入射側の拡大波面が、光学系内に設置した小型回転拡散板の回転によって、矢印aに示すように移動した場合の変化を、図7の左側の半分で変化前の状態を、右側の半分でその変化の状態を示すことにより表現する。
入射側の拡大波面が、図7に示すように上側へ移動すると、出射側に示した点線の切り出されていない状態の2つの上下シフト波面も、同じ距離だけ同じ上側へシフトすることになる。
【0030】
従って、2枚の向かい合った全反射型プリズムシートによって、切り出されて上下方向へシフトし、互い違いに挿入した波面も、同じ距離移動することになる。ここで注意すべきことは、2枚の向かい合った全反射型プリズムシートは、スクリーンに固定されているため移動しないことである。依って、図7の実線で示した実際の波面の、隣り合うエリア間の位相差の時間変化は、切り出される前の入射拡大波面の、上下シフト距離の和だけ離れた位置の位相差の時間変化が、近接したエリア間で発現する。上下シフト距離の和が、入射拡大波面の周期の半分以上に設定すると、出射側の位相差の時間変化は、プリズムピッチの半分の距離だけ離れた位置でπ以上の位相差変化を時間的に連続的に実現できる。
【0031】
顕著な例として図7に示すエリアb3、a3に着目すると、左側の図と右側の図で、位相関係が逆転しており、プリズムピッチの半分の近接したエリア間で、位相差πの連続的時間変化が実現できることがわかる。実験で用いたプリズムシートのピッチは例えば30μmであるので、15μm離れた位置間で、位相差πの連続的位相時間変化を実現できる。
従って、スクリーンの拡散フィルムの拡散エレメントのサイズが15μm以上であるなら、このスクリーン構成によって、ほぼ完全に、スペックルノイズパターンの白黒反転が実現でき、目の積分効果によって、理想的スペックル低減が可能になるのである。
【0032】
請求項3の画像表示装置によれば、請求項2に記載の画像表示装置がほぼ光学特性の等しいプリズムシートを逆向きに向かい合わせて積層してなり、プリズムシートのペアにより光の方向を変化させることなく波面切り出し挿入により高い空間周波数の時間変化をするスペックルパターンを生成できることから、その画像表示装置に、このプリズムシート4枚構成の2ペアを挟み込む2枚の拡散フィルムの拡散方向を揃えて、外光対策用のブラックストライプ付レンティキュラーレンズシートの長手方向にのみ拡散するように拡散フィルムを設置することができ、従って、光ロスなく、外光対策を施すことができる。
【0033】
請求項4の画像表示装置によれば、プリズムシート又は両面プリズムシートが入射側のプリズム形状ピッチより出射側のプリズム形状ピッチが小さいので、図8に示すように、出射側に点線で示した、切り出されていない上側からシフトしてきた波面と下側からシフトしてきた波面を互い違いに選択して挿入することとなり、ピッチは、出射側のプリズムピッチの半分で決まることが明らかである。
注意すべきことは、入射側のプリズムシートのピッチには依存しないことである。従って、非常に高い空間周波数の時間変化するスペックルパターンを生成するには、出射側のプリズムピッチのみを細かくすれば良いことが分かる。
【0034】
もしここで、入射側のプリズムピッチも非常に細かくし、光の波長の数倍程度まで細かく設計すると、光は回折によって、正しく動作せず、迷光が多くなってくる。従って、スクリーンの拡散フィルム直前で細かい波面挿入を実現したほうが、急峻な位相変化を細かく実現できることとなり、細かい拡散エレメントのからのスペックルパターンに対応できやすくなりスペックル低減効果が高まるのである。
ちなみに、これとは反対に、入射側のプリズムシートのピッチを細かくした場合の構成を図9に示す。この図9からも明らかなように、出射側で波面挿入された結果、隣り合うエリアが、上側からシフトしてきた波面と、下側からシフトしてきた波面となっているピッチは、出射側のプリズムピッチで決定されていることが分かる。従って、時間的位相差が大きく変化する空間周波数は、出射側のプリズムピッチで決定するため、入射側のプリズムピッチをいくら細かくしても、出射側の切り出し挿入波面の大きく位相が変化する空間周波数は高くならない。
【0035】
請求項5の画像表示装置によれば、プリズムシートとして、プリズム形状が全て一方向のみに形成されたものに代えて、プリズム形状が多方向にも合成された、三角錘、四角錘、六角錘等の底面が多角形で、その他の面が三角形である構造を有し、光の方向をある面内でのみ屈折や全反射で変化させるのではなく、スクリーン法線方向から、極角方向と方位角方向の両方の角度に対する変化を与え、レーザーの干渉の角度や、切り出し挿入方向を変化に富んだものを用いるので、スペックル低減効果を高め、光学素子フィルム枚数も削減することができる。
【0036】
請求項6の画像表示装置によれば、参考発明(A)の、及び請求項1に記載の画像表示装置については、スクリーン構成要素である、プリズムシートによる、レーザー光線の干渉角が単一である場合の問題を、入射側に拡散フィルムを設置することにより干渉角をばらつかせて解決し、請求項2,3,4に記載の画像表示装置については、スクリーン構成要素である、プリズムシートのペアによる、波面切り出し挿入における、波面シフト距離の和が単一であることの問題を、入射側に拡散フィルムを設置することにより、シフト距離の和をばらつかせることによって、解決することができる。
このようにレーザー光線の干渉角が単一であったのは、プリズムシートの光の方向を変える、全反射又は屈折する面が、単一の平面でできているためであり、それが問題の原因になっていたのである。
請求項6の画像表示装置においては、この面を単一な平面ではなく、多平面、曲面、曲面の集合体としたので、上記問題を解決することができる。
【0037】
更に、請求項6の画像表示装置によれば、プリズムシートが、光の方向を2方向以上に変化させている形状である屈折型又は全反射型のプリズム形状面が、多平面、曲面、曲面の集合体であるので、プリズムシートと拡散フィルムを別の光学フィルムで構成する必要がなく、光学素子部材数を減らすことができ、製造容易化、低コスト化を図ることができる。
請求項7の画像表示装置によれば、プリズムシートと拡散フィルムの二つの機能をプリズムシート自体に拡散機能を付加することによって、光学素子部材数を減らすことができ、製造容易化、低コスト化を図ることができる。
具体的には、表面形状拡散フィルムは、プリズムシートの平面部、又はプリズム形状自体にプリズム形状を形成するようにしても良い。また、微粒子添加型の拡散フィルムであれば、プリズムシート内部に微粒子を添加するようにすることもでき得る。
【0038】
請求項8の画像表示装置によれば、参考発明(A)及び請求項1〜7までの透過型リアプロジェクション画像表示装置のスペックル低減メカニズムを、反射型フロントスクリーンを用いた画像表示装置に適応させることができ、低スペックルの反射型フロントプロジェクション画像表示装置を提供することができる。
即ち、参考発明(A)及び請求項1〜7に記載のシステムのスクリーンは全て、透過型のリアプロジェクション方式に対応する装置とスクリーン構成である。これはレーザー光線が、全て筐体内部に封じ込まれて、拡散光のみがスクリーンから出てくるため、レーザー光に対する安全性を重視すると、レーザー光源画像表示システムは、リアプロジェクション方式が現在の段階では、主流になると考えられている。
【0039】
しかし、レーザー光線が、人が見ない位置から照射することがほとんど保証されている場合、たとえば、劇場、映画館、等の観客席からしか、人が見ないことが保証されており、人が立っても、投影光が、人に当たらない設計となっている場合、更に、パーソナルユースである、小型プロジェクターに弱いレーザー光源を用いて、小型のスクリーンに投影する場合は、反射型のフロントスクリーンであっても、レーザー光源画像表示システムは、応用が期待されている。この場合もやはり、スペックルノイズの問題は大きな課題となる。
そこで、請求項8に記載の画像表示装置では、参考発明(A)及び請求項1〜7に記載された画像表示装置の透過型リアプロジェクションのスペックル低減メカニズムを、反射型フロントプロジェクションへ適応させるのである。
【0040】
請求項9の画像表示装置によれば、請求項8に記載の画像表示装置のスクリーンに外光抑制手段としてレンティキュラーレンズシート及びブラックストライプを設けたので、反射型フロントプロジェクションに適合させつつ、更に、外光抑制をすることができる。
請求項10の画像表示装置によれば、参考発明(A)及び請求項1〜9に記載の画像表示装置の前記スクリーンと、レーザー光線をスキャンすることによって画像表示を行う装置とを組み合わせたので、ラスタスキャン方式の画像表示装置を提供することができる。
【0041】
即ち、レーザー光源を用いた画像表示システムとして、小型画像表示デバイスの画像を拡大投射する方式以外に、レーザー光線の平行性を活かしたスキャン方式があり、主流となりつつある。これは、レーザー光線を高速に角度を変えて振り、スクリーン上を高速に順次移動させる、この移動に同期させて、時間的に高速に画像情報を順次表示させるものである。
このスキャン方式は、ある瞬間に、スクリーンの一点しか、レーザー光線が照射されていないため、干渉し合える範囲が、レーザー光線が照射されているスクリーンの限定されたエリア内のみからの干渉による、スペックルノイズとなり、一般にスペックルが発生し難い方式となっている。
【0042】
しかし、実用レベルである、UHPランプと比較すると、まだまだスペックルノイズが目立っている。そこで、このレーザービームスキャン方式に、請求項1〜9に記載のシステムのスクリーンを組み合わせることによって、スペックルを大幅に低減しようとするのが請求項10の画像表示装置なのである。
レーザービームをスキャンすることは、レーザービーム内で、完全に位相がそろっている場合には、波面が完全平面波となるが、完全平面波を作る出すことは、現実のシステムでは不可能とされている。また仮に非常に平行性の良い光源があっても、空間を伝播する間に、回折現象によって、ビームの真ん中と端では位相差が発生してゆく。
従って、このなだらかであっても位相差のある波面を有するレーザー光線が、スキャンシステムで、スクリーン上を移動してゆく物理現象は、請求項1〜9に記載の光学系内に設置した、小型回転拡散板の拡大波面が、スクリーン上を移動してゆく物理現象と、非常に類似している。
【0043】
依って、レーザースキャンタイプの画像表示装置に、請求項1〜9に記載の画像表示装置のスクリーンを組み合わせることにより、拡大投影型のレーザータイプの画像表示装置と同様に、レーザースキャンタイプの画像表示装置にも、スペックル低減効果が期待できる。
ちなみに、本願発明者の実験によって、プリズムシートとこれを挟み込んだ2枚の拡散フィルムで構成したスクリーンを試作し、レーザースキャンシステムと組み合わせることにより、スペックル低減効果を確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】参考発明(A)及び本発明の図示した各実施例の画像表示装置の基本構成図である。この基本構成は、レーザースキャンタイプの画像表示装置には適合しない。尚、画像拡大投影タイプであれば、透過型及び反射型のいずれの画像表示装置にも支障なく適合できる。
【図2】参考発明(A)の第1の実施例の画像表示装置(透過型)のスクリーンを示す断面図である。
【図3】上記第1の実施例に存在する若干の問題点を示す断面図である。
【図4】参考発明(A)の第2の実施例(図3に示した若干の問題点を解決した)の画像表示装置(透過型)のスクリーンを示す断面図である。
【図5】本発明の第3の実施例(透過型)の画像表示装置のスクリーンを示す斜視図である。
【図6】図5に示したスクリーンを用いた画像表示装置についての拡散角度(°)とスペックルコントラストとの関係図であり、横軸は入射側拡散板の水平方向における拡散角(°)であり、縦軸はスペックルコントラストであり、前提とする映像拡大率が140倍の場合である。
【図7】本発明の第4の実施例の画像表示装置(透過型)のスクリーンを示す断面図で、左側部分は揺動拡散板の揺動による波面の或る変化の前の状態を、右側部分はその変化の後の状態を示す。
【図8】本発明の第5の実施例の画像表示装置(透過型)のスクリーンを示す断面図で、左側部分は揺動拡散板の揺動による波面の或る変化の前の状態を、右側部分はその変化の後の状態を示す。
【図9】好ましくないスクリーン(透過型)を示す断面図で、左側部分は揺動拡散板の揺動による波面の或る変化の前の状態を、右側部分はその変化の後の状態を示す。
【図10】本発明の第6の実施例の画像表示装置(透過型)のスクリーンを示す斜視図である。
【図11】本発明の第7の実施例の画像表示装置(反射型)のスクリーンを示す断面図である。
【図12】本発明の第8の実施例の画像表示装置(反射型)のスクリーンを示す断面図である。
【図13】本発明の第9の実施例の画像表示装置(反射型)のスクリーンを示す断面図である。
【図14】本発明の第10の実施例の画像表示装置(反射型)のスクリーンを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本発明の画像表示装置は、主として、回転、移動又は振動する小型揺動拡散板と小型画像表示デバイスがほぼ結像光学系の共役結像の位置関係になるように設置され、かつ上記小型画像表示デバイスとスクリーンも拡大投射光学系の共役結像の位置関係になるように設置された画像表示装置に関するものであり、その画像表示装置を構成する上記スクリーンについて種々の提案をするものであり、主として、小型画像表示デバイスの画像を拡大投射する方式の画像表示装置に適合できるものであるが、上記種々の提案が為された上記スクリーンと、レーザー光線をスキャンすることにより画像表示をする装置とを組み合わせることにより、レーザースキャンタイプの画像表示装置を提供することもできる。
【0046】
また、本発明の画像表示装置は、透過型のものは当然に、反射型のものにも適用でき、本発明により、スペックルノイズの低い透過型の画像表示装置のみならず、スペックルノイズの低い反射型の画像表示装置をも提供することができる。
【実施例】
【0047】
以下、本発明の詳細を図示実施例に基づいて説明する。
(基本構成図)
図1は参考発明(A)及び本発明の後述するスクリーンを図示した各実施例(第1〜第10の実施例)の基本構成を示す断面図であり、第1、第2の実施例は参考発明(A)に属し、第3〜第10の実施例は本発明に属する。この基本構成は、後述する第1〜第6の実施例の透過型のスクリーンを用いた画像表示装置に適用できるのみならず、第7〜第10の実施例の反射型のスクリーンを用いた画像表示装置に適用できる。但し、図示しない第11の実施例のレーザースキャンタイプの画像表示装置には適用できない。
【0048】
先ず、図1を参照して参考発明(A)及び本発明の各実施例(第1〜第10の実施例)の基本構成について説明する。
図面において、2はレーザー光源、4はレンズ、6はリフレクタ、8はレンズで、このレーザー光源2から出射されたレーザー光線はレンズ4、8及びリフレクタ6からなる光学系によりビーム径が拡径される。10はホモジェナイザで、フライアイレンズ12、12及びレンズ14、14により構成され、上記光学系からのレーザー光線を受け、その強度分布の均一化を図る。16は小型揺動拡散板で、ホモジェナイザ10により強度分布の均一化されたレーザー光線を受けて拡散する。この小型揺動拡散板16は図示しない機構により回転、移動又は振動せしめられる。
【0049】
18は両側テレセントリック結像系で、レンズ20、20からなり、小型揺動拡散板16から出力されたレーザー光線による像を小型画像表示デバイス22上に結像する。この両側テレセントリック結像系18により、小型揺動拡散板16と小型画像表示デバイス22とが共役結像関係にされ、且つ位相情報も保持される。
従って、小型揺動拡散板16が例えば回転されていると、それにより拡散板16から出力されたレーザー光線による像も回転しながら小型画像表示デバイス22上に結像されるので、小型画像表示デバイス22上で恰も小型揺動拡散板16が例えば回転していると同じような光学状態が実現するのである。
【0050】
24は小型画像表示デバイス22の画像をスクリーン26に拡大投影結像する拡大投影結像系で、図1上では一つのレンズで構成されているかのようではあるが、必ずしもそうとは限らず、複数の光学素子の組み合わせにより構成されている場合が多い。Mは拡大投影結像系24の拡大率、aは小型画像表示デバイス22と拡大投影結像系24との距離、bは拡大投影結像系24とスクリーン26との距離である。
スクリーン26は、後述する第1〜第6の実施例の場合は、透過型のリアプロジェクションタイプのものであり、第7〜第10の実施例の場合は、反射型のフロントプロジェクションタイプのものである。
【0051】
尚、この基本構成は、必ずしも図1に示す構成と完全に一致していなければならないという訳ではなく、回転、移動又は振動する小型揺動拡散板と小型画像表示デバイスがほぼ結像光学系の共役結像の位置関係になるように設置され、かつ上記小型画像表示デバイスとスクリーンも拡大投射光学系の共役結像の位置関係になるように設置された画像表示装置であれば、それでよい。
以下に述べる本発明の各実施例は、図1に示したスクリーン26の構成に特徴があり、以下の説明はそのスクリーン26の構成及び作用効果について行う。
【0052】
(実施例1)
図2は参考発明(A)の第1の実施例(:実施例1)の画像表示装置のスクリーン26aの構成を示し且つ作用を説明する断面図である。
32はスクリーン26aを成す拡散シート34の入射側に配置される全反射プリズムシートであり、例えばアクリル樹脂からなり、入射側は平坦で、出射側に頂角60°の正三角形のプリズム素子が垂直方向に沿って多数配設されている。拡散シート34は入射側に拡散用の凹凸を有し、出射側は平坦である。
Wは、図1に示した拡大投影光学系により拡大されて相当になだらかにされた動く小型揺動拡散板16からの位相情報の波面(等位相面)である。左側の矢印aは波面Wのハーフピッチの動きである。
【0053】
次に、本実施例の作用効果について説明する。図2に示すよう、左側から、図1の拡大投影光学系24で拡大結像した、動く小型揺動拡散板16の動く位相情報が、スクリーン26aに入射してくる。この位相情報の波面(等位相面)Wは、拡大されているため、図2に示すように非常になだらかになっている。この波面が、頂角60°の正三角形の全反射プリズムシート32に、形状の無い面から入射すると、屈折率1.5の60°プリズム斜面で全反射して、もう一方の斜面に対し90°で入射し、最も光のロスなくプリズムを抜けてゆく。 光の方向は60°変化しており、正三角形プリズムシート32であるので、光は2つ(ビーム1とビーム2)に分かれて、±60°光の方向を変えることになる。この状態で、2つに分かれたレーザー光線(ビーム1とビーム2)が、大角度の120°で出射側の拡散フィルム34上で干渉することとなる。
【0054】
その大角度の120°で干渉した状態を図2右上部分に示す。120°で交差するレーザー光線の等位相面の0、±π, ±2πが一致した場所で位相が一致し、強めあうため、光強度は、図に示すように、非常に周期の短いサイン関数となる。つまり超高精細スペックルパターンの発生である。このスペックルのピッチは、図に示す式(ピッチ=λ/2sinθ)より、グリーン(緑)の光線(波長λが500nm)の場合、僅かに280nmとなり、光の波長以下のパターンが発現できることとなる。
さて、この状態で図の左側から入ってきているレーザー光線のなだらかな位相情報が、図1に示した光学系内に設置した小型揺動拡散板16の回転によって高速に移動すると、図に示した2つのプリズム素子32a、32aによって120°で交差し干渉している2本のレーザー光線間に位相差が生じることが分かる。
【0055】
この2つの正三角形プリズム素子32a、32aによって切り出され交差させられたレーザー光線の位相差が、図2左側に示すなだらかな位相波面のπ/2ある拡大波面の移動により、片方のレーザー光線の位相がπ/2 増加すると、もう片方はπ/2減少するため、2本のレーザー光線の位相差は相対的にπ変化できることになり、超高精細(ファイン)スペックルの山と谷が逆転し、目の積分効果により均一化が実現することになる。
この時間的に変化し、目の積分効果で消すことができる超高精細スペックルが、スクリーンの出射側の拡散フィルムに入射することとなる。拡大光学系でなだらかになっていたことが問題であったが、本実施例によれば、拡大されても、スクリーン上で高精細な時間変化するスペックルに変換されてから、スクリーンの拡散フィルムに入射できるため、拡大倍率が大きくなっても、空間周波数の高いスクリーンの拡散で発生するスペックルに位相変化を与えることができることが分かる。
【0056】
ところで、図2に示す実施例には若干の問題がある。図3はその問題を説明する断面図である。
上述の第1の実施例のメカニズムによって、超高精細スペックルが、スクリーンの出射側の拡散フィルムに入射した場合を考える。図3の右側の表面形状拡散フィルムの形状側の入射面に着目しよう。そもそもスペックルとは、スクリーンの各点から出射されるレーザー光線の干渉によって、空間的に位相が合う位置は、輝点となり、位相が合わない空間的位置は急峻に暗くなるノイズパターンであった。さて、図3右側に示すように、今超高精細スペックルパターンである、サイン(sin)関数が、左側の拡大波面Wの移動によって2本のレーザー光線間に位相差が発現して、移動したとする。
【0057】
ここで着目する点は、出射側拡散フィルム34上の、超高精細サイン関数スペックルパターンと同じ周期の点、a点、b点、c点、d点である。この4つの点における位相の時間的変化は、サイン関数が移動しても全て同じであることが、図より明らかである。
つまり、この方式では、超高精細サイン関数スペックルパターンと同じ周期の拡散フィルムの点からの干渉によって発生する空間的スペックルパターンに対して、全体的な位相変化は与えられても、各点間の相対的位相変化を与えることができないことになる。つまり、光強度パターンは全く変化せず、目の時間積分効果によって低減できない空間的スペックルパターンが残ってしまうこととなる。
【0058】
そこで、本願発明者はこの問題を解決する手段を模索した結果、プリズムシートの入射側に、もう一枚拡散フィルムを設置する等、拡散手段を設けることを案出した。
というのは、そもそもこの問題が発現した理由は、2本のみの特定の角度(図2では120°)のみの干渉で超高精細スペックルを発生させていたため、単一周期のサイン関数となってしまったことにある。そこで、大角度で干渉するレーザー光線の交差角度にバラつきを与えてやれば、特定の角度のみの干渉とならない筈である。そして、それはプリズムシートの入射側に、もう一枚拡散フィルムを設置する等、拡散手段を設けることによって実現できるからである。それを実現したのが、次に述べるところの図4に示す本願発明の第2の実施例なのである。
【0059】
(実施例2)
図4は参考発明(A)の第2の実施例(:実施例2)の画像表示装置のスクリーン26bの構成を示し且つ作用を説明する断面図である。
32はスクリーンの拡散シート34の入射側に配置される全反射プリズムシートであり、例えばアクリル樹脂からなり、入射側は平坦で、反射側に頂角60°の正三角形のプリズム素子が垂直方向に沿って多数配設されている。拡散シート34は入射側に拡散用の凹凸を有し、出射側は平坦である。全反射プリズムシート32と拡散シート34とは、第1の実施例におけると同様に存在する。
本実施例(:実施例2)と、第1の実施例との違いは、全反射プリズムシート32の入射側に拡散フィルム36を追加配置したことである。
【0060】
全反射プリズムシート32の入射側に拡散フィルム36を追加配置すると、図4に示すように、入射側に拡散フィルム36があるために、全反射プリズムシート32に入る前にレーザー光線が、角度的にばらついて入射される。
尚、ここで重要なことは、全反射条件を満足する範囲内で拡散させる必要があることである。というのは、全反射条件がやぶれると、全反射プリズム32が屈折型のプリズムとして動作するため、超高精細スペックルパターンの空間周波数が低くなり、スペックル低減効果が低くなるためである。
さて、図4に示すように、全反射型プリズムシート32の全反射条件を満足する範囲で、入射側でレーザー光線の角度にバラつきを与えてやり、出射側の拡散フィルム上で2(θ±θ1) で大角度干渉させてやると、図4の右側に示すようにサイン関数のピッチは、λ/(2sin(θ+θ1))〜λ/(2sin(θ−θ1)) の範囲で変化し、各周波数のサイン関数パターンは、時間的に異なる速度で移動することとなる。
【0061】
そのことが、本システムで作り出される超高精細スペックルパターンの時間的変化をより大きくする効果を持ち、スペックル低減効果を更に引き上げることとなる。
従って、図3に示す、単一周期の拡散フィルム上の各点からの干渉によって発生するスペックルパターンにおける、各点からの相対的位相差を発生できないという問題が回避され、かつ各周波数成分のスペックルパターンが異なる時間的速度で移動する効果により、大きなスペックル低減効果が発現できることが分かる。
【0062】
(実施例3)
図5は本発明の第3の実施例(:実施例3)の画像表示装置のスクリーン26cの構成を示す斜視図である。
本実施例のスクリーン26cは、図4に示した第2の実施例のスクリーン26bの後側に外光抑制のためのブラックストライプ付きレンティキュラーレンズシート38を配置してなるものである。
近年、画像表示装置については、明るい場所においてもスクリーンにコントラストの良い表示画像が得られるようにすることが要求されるようになりつつあり、そのため、外光抑制が必要となりつつある。そこで、外光抑制手段としてブラックストライプ付きレンティキュラーレンズシートを設けたのが本実施例なのである。
【0063】
本実施例の入射側の拡散シート36、出射側の拡散シート34は、共に、一方向のみに拡散する特性を有する拡散シートであり、拡散シート36と出射側の拡散シート34とは、その拡散方向が互いに同じになるように向きを揃えて設置する。また、その両シート36・34間に挿入配置する全反射プリズムシート32を、このシート32の光の方向を2方向に変化させる方向が、上記両シート36、34の拡散方向と一致するような向きに配置する。
そして、レンティキュラーレンズシート38は、レンズ形状面が光入射側を向く向きで、その長手方向(蒲鉾状の各レンズ素子が長く延びる方向)が上記両シート36、34の拡散方向と一致する向きになるように配置されている。そして、レンティキュラーレンズシート38の背面(レンズ形状面と反対側の面)に形成されたブラックストライプ40、40、・・・は、レンティキュラーレンズシート38の各レンズ素子の焦点となる部分を除いた部分に形成されている。42、42、・・・は各隣接ブラックストライプ40・40、40・40、・・・間の開口部である。
【0064】
このような実施例(:実施例3)のスクリーン26cにおいては、一方向、例えば左右方向(横方向)のみに拡散する拡散フィルム36、34と、左右方向(横方向)のみに光の方向を変化させる全反射型プリズムシート32を用いており、スクリーン出射側に設置したブラックストライプ付レンティキュラーレンズシート38に入射する光は、ブラックストライプ付レンティキュラーレンズシートの集光拡散しない方向のみに、一方向に拡散している。
そのため、レンティキュラーレンズシート38は、その入射した光を焦点位置にライン状に、光を集めることができる、ブラックストライプ40、40、・・・のスリット開口部42、42、・・・のみから、集光して拡散させることができ、光のけられを回避できる。
【0065】
従って、光ロスなく、スクリーン表面にブラックストライプをつけることができるため、外光の反射を抑制し、明るい場所でも、高いコントラストの画像を表示できる。
このレンティキュラーレンズシート38の集光拡散は、一方向拡散フィルムの拡散方向と直交方向への拡散機能も兼ね備えているのである。
図6は図5に示した実施例のスクリーン26bと図4に示した実施例のスクリーン26cを用いて図1に示す光学系を形成した画像表示装置の試作品におけるスペックルコントラストを示すもので、横軸に図4に示した実施例において入射側に追加した拡散シート36による拡散の角度2θ1をとり、縦軸にスペックルコントラストを取ったものであり、上の曲線は図4に示した実施例のスクリーン26bの場合(レンティキュラーレンズシート38及びブラックストライプ40による外光対策のない場合)、下の曲線は図5に示した実施例のスクリーン26cの場合(レンティキュラーレンズシート38及びブラックストライプ40による外光対策のある場合)を示す。
【0066】
本測定は、拡大倍率が140倍であり、小型画像表示デバイス22として0.7inchのLCOS (Liquid Crystal on Silicon) を用い、98inch (約100inch) の大画面レーザー光源TVに対応する構成のものについて行ったものである。縦軸のスペックルコントラストは、スペックルノイズの程度を示す評価パラメーターであり、画像のヒストグラム(縦軸が頻度で横軸が階調のグラフ)における、標準偏差を平均値で割った値である。小さい値ほど、スペックルノイズを低減できていることを示す。0はスペックルが完全に消滅している状態である。従来のUHPランプのスペックルコントラストは約0.05程度である。LEDランプは、約0.08程度である。横軸は、入射側の一方向のガウス型拡散フィルム拡散角の半値全角を示してあるが、用いた全反射型プリズムシート32は頂角60°の正三角形型の全反射型プリズムシートで、プリズムピッチは30μmである。
【0067】
従って、解像度は、画素ピッチが約1mmであるため、全くぼけることなく問題が生じないことを確認した。出射側の一方向のガウス型拡散フィルムの拡散角の半値全角は、80°のものを用いた。また、ブラックストライプ40付レンティキュラーレンズートが有る場合と、無い場合のスペックルコントラストを測定したのは、ブラックストライプ40付レンティキュラーレンズート32の効果を確認するためである。
グラフより、入射側拡散フィルムの拡散角が40°でスペックルコントラストは最小値を示している。このことは、予想通りで、頂角60°の全反射プリズムシートの全反射条件は、入射側拡散角が±20°までであり、この角度を超えると、全反射条件が破れ、出射側の拡散フィルム上での、レーザー光線の交差角が急に小さくなり、超高精細スペックルの空間周波数が、急に低くなってゆくため、スペックル低減効果が小さくなることが証明されている。
【0068】
従って、設計の理想状態は、入射側拡散角を、全反射型プリズムの全反射条件ぎりぎりに設計し、左右方向視野角は出射側拡散フィルム拡散角で広げる設計が、最も好ましい。この実験結果より、本システムは拡大倍率140倍にて、スペックルコントラスト0.047を実現できており、UHPランプを光源として用いたのと同等の特性をレーザー光源を用いた画像表示装置でも得ることが可能になり、実用システムとして十分な特性といえる。更に、外光抑制もブラックストライプで実現できている。
尚、上記第1〜第3の実施例においては、プリズムシートとして、全反射プリズムシート32を用いているが、それに代えて屈折型プリズムシートを用いても良い。また、プリズムシートは一枚である必要はなく、複数枚もちいてもよい。その場合、複数枚のプリズムシートを全部全反射プリズムシートにしても良いし、全部屈折型プリズムシートにしても良いし、全反射プリズムシートと屈折プリズムシートの両方を用いるようにしても良い。
また、光の方向の変化は2方向のみに限定する必要もない。例えば左右方向と上下方向の組み合わせも考えられる。
【0069】
(実施例4)
図7は本発明の第4の実施例(:実施例4)の画像表示装置のスクリーン26dの構成を示し、作用効果を説明する断面図であり、左側の部分は揺動拡散板の揺動による波面Wの矢印aに示す変化の前の状態を、右側部分はその変化の後の状態を示す。
44は全反射プリズムシートで、例えばアクリル樹脂からなり、入射側の面は平坦で、その反対側の面に頂角60°の正三角形のプリズム素子が垂直方向に沿って多数配設されている。この全反射プリズムシート44は、第1〜第3の実施例の全反射プリズムシート32と同じ構成を有し、同じように設置される。
46は全反射プリズムシートで、上記全反射プリズムシート44と同様に、例えばアクリル樹脂からなり、出射側の面は平坦で、入射側の面に頂角60°の正三角形のプリズム素子が垂直方向に沿って多数配設されており、正三角形のプリズム素子が形成された入射側の面が全反射プリズムシート44の出射側に正対している。この二つの全反射プリズムシート44と46とは、プリズム素子相互の位相合わせをすることなく設置できる。
【0070】
この第4の実施例は、スペックル低減と視野角の独立制御をすることができるようにするためのものである。即ち、第1〜第3の実施例は、確かにスペックル低減能力は高いが、レーザー光線の大角度干渉を原理として用いているため、大きな角度で光の方向を変える必要があり、広視野角を実現するには、非常に都合が良いが、逆に明るさを重視する狭い視野角の設計が必要になった場合には、スペックル低減効果と視野角の独立制御ができていないため、問題が生じる場合がある。そこで、本願発明者は、スペックル低減と視野角の独立制御を可能とするべく模索、研究を進め、本実施例を案出するに至ったのである。
【0071】
その第4の実施例(:実施例4)の原理を図7を参照して説明すると、次の通りである。本実施例のスクリーン26dは図1の画像表示装置のスクリーン26のところに位置させることは言うまでもないが、本実施例が第1〜第3の実施例と異なるところは、略同じ光学特性の全反射プリズムシートを一対44、46レンズ形状側が向かい合うように配置することにある。
図7における左側から入射する光線は最初の全反射型プリズムシート44によって、拡大波面Wの一部分である図中のa1、a2、a3が切り出されて、下側へ60°全反射によって向きを変えられる。同様に、図中の拡大波面の一部分であるb1、b2、b3のエリアの波面が切り出され、上側へ60°全反射によって光の進行方向が変へられる。この2方向のレーザー光線は、たがいに交差するが、図7に示すように入射側の面に形状を持つ出射側の2枚目の全反射型プリズムシート46によって、上側60°から進入してくるレーザー光線と、下側60°から進入してくるレーザー光線を、互いにプリズムピッチの半分の間隔で、互い違いに挿入して、かつ光の進行方向も、上側60°と下側60°方向をそれぞれ同じ正面法線方向0°へ変化させて、揃える働きをする。図7の左半分の部分のうちの出射側の肉太の矩形状の波形及び右半分の部分のうちの出射側の肉太の矩形状の波形はその互い違い挿入により生じた波面を示している。
【0072】
以上のことから、本実施例は、光の進行方向が入射側と出射側で変化していない特性を有することが第1〜第3の実施例との大きな違いであり、スペックル低減を実現するメカニズムにおいて、光の方向を原理的に大きく変化させる必要がなく、スペックル低減機能と、視野角制御を独立に実現することが可能である。
次に、本実施例のシステムのスペックル低減機能の説明を行う。2枚目の全反射型プリズムシート46によって、上側60°から進入してくるレーザー光線と、下側60°から進入してくるレーザー光線を、互いにプリズムピッチの半分の間隔で、互い違いに挿入した状態に着目することとする。
【0073】
さて、入射拡大波面Wが切り出され互い違いに挿入された波面の位相状態が図7の出射側全反射型プリズムシート46の後に、実線で示されているおり、ここに着目すると、。入射側のa1、a2、a3及びb1、b2、b3のエリアの波面が、出射側では、互い違いに挿入されたb1、a1、b2、a2、b3、a3となっていることが、図より明らかである。
次に、a1 とb1の位相差を考える。これは、下側に方向を60°変え、位置的に下側へシフトし上側へ60°方向を変えたエリアa1と、上側へ方向を60°変え、位置的に上側へシフトし下側へ60°方向を変えたエリアb1とが近接して隣り合うため、もともとの切り出される前の拡大波面Wでは、距離的に下側へシフトした距離と上側へシフトした距離の和だけ離れた位置の位相差を、近接した状態で作り出しているため、大きな位相差を出射側にプリズムピッチの間隔で作り出せることになる。更に、切り出し挿入によって作り出される、位相変化部分は、非常に急峻なステップ型の位相変化が実現するため、空間周波数が非常に高い、位相変化成分が発現することとなる。このことが、スクリーンの拡散で発生する空間周波数の高いスペックルに対し、位相変化を与え、時間変化させるのに、大きな効果を発現することになる。
【0074】
図中の出射側に示した点線の波面wは、上側と下側からシフトしてきた、切り出されていないもとの拡大波面を描いてある。この2つの点線の上下シフト拡大波面を互い違いにプリズムピッチの半分で選択してゆくと、実線で示す実際の切り出し挿入波面が得られる。
次に、入射側の拡大波面が、光学系内に設置した小型揺動拡散板の回転によって、移動した場合の変化の後の状態が図7の右の部分に示されており、そこに着目することとする。
入射側の拡大波面Wが、図7における上側へ移動すると、出射側に示した点線の切り出されていない状態の2つの上下シフト波面も、同じ距離だけ同じ上側へシフトすることになる。
従って、2枚の向かい合った全反射型プリズムシート44、46によって、切り出されて上下方向へシフトし、互い違いに挿入した波面も、同じ距離移動することになる。
【0075】
ここで注意すべきことは、2枚の向かい合った全反射型プリズムシート44、46は、スクリーンに固定されているため移動しないことである。従って、図7の実線で示した実際の波面Wの隣り合うエリア間の位相差の時間変化は、切り出される前の入射拡大波面Wの上下シフト距離の和だけ離れた位置の位相差の時間変化が、近接したエリア間で発現する。上下シフト距離の和が、入射拡大波面の周期の半分以上に設定すると、出射側の位相差の時間変化は、プリズムピッチの半分の距離だけ離れた位置でπ以上の位相差変化を時間的に連続的に実現できる。
顕著な例として図7に示すエリアb3、a3に着目すると、左側の図と右側の図で、位相関係が逆転しており、プリズムピッチの半分の近接したエリア間で、位相差πの連続的時間変化が実現できることがわかる。実験で用いたプリズムシート44、46のピッチは30μmであるので、15μm 離れた位置間で、位相差πの連続的位相時間変化を実現できる。
【0076】
従って、スクリーンの拡散フィルムの拡散エレメントのサイズが15μm以上であるなら、このスクリーン構成によって、ほぼ完全に、スペックルノイズパターンの白黒反転が実現でき、目の積分効果によって、理想的スペックル低減が可能になる。
ただ、この第4の実施例には、若干の問題がある。というのは、図7における上側からシフトしてくる波面のシフト距離と、下側からシフトしてくる波面のシフト距離の和が、入射側の拡大波面の位相ピッチ(周期)と一致した場合、図7の出射側に描いた2つの点線の波面が一致してしまい、2つの点線の波面を互い違いに、プリズムピッチの半分の間隔で選択しても、入射側の拡大波面と変わらない波面しか得られないことが分かる。つまりこのシステムは全く機能しないこととなる。
この原因は、上下へのシフト距離の和がシステム全体で単一であることに起因する。従って、上下シフト距離を複数にするか、ばらつかせれば、上述の問題を回避できる。最も単純な手段は、入射側に拡散フィルムを設置することによって、上下シフト距離の和にばらつきを与えることである。もちろん全反射型プリズムシートの全反射面を多面体、曲面にする方式も考えられる。
【0077】
具体的な構成としては、2枚の拡散フィルムを別途用意し、図7に示す互いに形状側を向かい合わせた全反射型プリズムシート44、46をその2枚の拡散フィルムの間に挟み込み用にすることが挙げられる。また全反射型プリズムシートではなく、光学特性がほぼ等しい屈折型のプリズムシートを、形状の無い平面側を向かい合わせて、プリズム長手方向を一致させて積層しても良い。また、この変形の構成として、光の入射側の面に形状を有する屈折型プリズムシートの光の出射側に、ほぼこのシートと光学特性の等しい光の入射側の面に形状を有する全反射型プリズムシートをプリズム長手方向を一致させて積層させるか、フィルム入射側の面に、屈折型プリズム形状を有し、かつフィルム出射側の面に屈折型プリズム形状を有し、入射側面のプリズム形状の長手方向と出射側面のプリズム形状の長手方向を一致させた両面プリズム形状シートを用いても良い。
【0078】
また、図には示していないが、第4の実施例或いはそのバリエーションに対しても、第3の実施例の外光対策と同様の外光対策を施すことができる。つまり、先ず、2枚のプリズムシートを挟み込む2枚の拡散フィルムの拡散特性を一方向に限定し、拡散方向をそろえる。更に、2枚のプリズムシートの光の方向を変化させる方向も一致させておく。そして、この状態で、スクリーン出射側にこの一方向の拡散方向をブラックストライプ付きのレンティキュラーレンズシートの長手方向と一致させて、ブラックストライプ付きのレンティキュラーレンズシートを設置すれば、光をロスすることなく、ブラックストライプのスリット状開口部に光を集め、かつ一方向の拡散方向と直交方向にも、レンティキュラーレンズによって拡散可能である。
依って、表示画像のコントラストをより高めることができる。
【0079】
(実施例5)
図8は本発明の第5の実施例(:実施例5)の画像表示装置のスクリーン26eの構成を示し、作用効果を説明する断面図であり、左側の部分は揺動拡散板の揺動による波面Wの矢印aに示す変化の前の状態を、右側部分はその変化の後の状態を示す。
本実施例は、入射側に全反射プリズムシート44を有する図7に示した実施例とは、入射側に全反射プリズムシート50を有する点で共通するが、この全反射プリズムシート50と対を成す全反射プリズムシート54のプリズム素子のピッチが全反射プリズムシート50のそれに比較して顕著に小さい点で異なる。
【0080】
図8を参照して第5の実施例の原理を説明する。
本実施例(:実施例5)の基本的な原理は、図7に示した第4の実施例の原理と同じであるが、出射側のプリズムシート54を、そのプリズムピッチが入射側のプリズム50のプリズムピッチより小さくし、細かいプリズムアレイのシート構成にしていることが特徴である。
図8より明らかなように、出射側に点線で示した切り出されていない上側からシフトしてきた波面と下側からシフトしてきた波面を互い違いに選択して挿入するピッチは、出射側のプリズムシート54のプリズムピッチの半分で決まる。ここで、注意すべきことは、入射側のプリズムシートのピッチには依存しないことである。
【0081】
従って、非常に高い空間周波数の時間変化するスペックルパターンを生成するには、出射側のプリズムピッチのみを細かくすれば良いことが分かる。
もしここで入射側のプリズムピッチも非常に細かくし、光の波長の数倍程度まで細かく設計すると、光は回折によって、正しく動作せず、迷光が多くなってくる。
上記の場合とは逆に、図9は入射側のプリズムピッチを出射側のプリズムピッチより小さくした構成を示し、左側の部分は揺動拡散板の揺動による波面Wの矢印aに示す変化の前の状態を、右側部分はその変化の後の状態を示す。この図において、58はプリズムピッチを小さくした入射側の全反射プリズムシート、60はそれよりプリズムピッチが大きい出射側の全反射プリズムシートである。
【0082】
図9からも明らかなように、出射側で波面挿入された結果、隣り合うエリアが、上側からシフトしてきた波面と、下側からシフトしてきた波面となっているピッチは、出射側のプリズムピッチで決定されていることが分かる。
従って、時間的位相差が大きく変化する空間周波数は、出射側のプリズムピッチで決定するため、入射側のプリズムピッチをいくら細かくしても、出射側の切り出し挿入波面の大きく位相が変化する空間周波数は高くならないことが図9より明らかである。
依って、スクリーンの細かい拡散エレメントから発生するスペックル低減には、ほとんど効果を発揮できないことが分かる。
つまり、スペックル低減効果に意味をもつ構成は、入射側プリズムピッチより出射側プリズムピッチを細かくした場合のみである。
【0083】
(実施例6)
図10は本発明の第6の実施例(:実施例6)の画像表示装置のスクリーン26fの構成を示す斜視図である。
本実施例は、波面の切り出しと挿入機能を一方向に限定するのではなく、直交方向においても波面の切り出しと挿入を行い、入射拡大波面の二次元的時間変化を最大限利用してスペックル低減効果を高め、更に、外光抑制のためのブラックストライプ付きレンチキュラーレンズシートをスクリーン出射側に設けるものである。
【0084】
62は全反射プリズムシートで、全反射プリズム形状が出射側に形成されている。その全反射プリズムシート62の出射側に形成された各プリズム素子は、図7に示した全反射プリズムシート44のプリズム素子と同様のものであり、本実施例においては、各プリズム素子はその長手方向が垂直方向になるように向きが設定されており、その各プリズム素子による光の方向を変化させる方向は水平方向(横方向、左右方向)である。
また、全反射プリズムシート62の入射側の面64には、一方向拡散用(横方向拡散用、左右方向拡散用)の細かな凹凸が光の拡散方向が全反射プリズムシート62の上記プリズム素子による光の方向を変化させる方向と一致するように形成されている。
【0085】
66は全反射プリズムシート62の出射側に設けられた全反射プリズムシートであり、この全反射プリズムシート66は、全反射プリズムシート62の各プリズム素子とは向きが同じで、プリズムピッチが顕著に小さいプリズム素子を入射側に有し、出射側にはプリズムピッチが大きく、且つ、入射側のプリズム素子と直交する向きのプリズム素子を有する。
68は全反射プリズムシート66の出射側に設けられた全反射プリズムシートであり、入射側には、全反射プリズムシート66の出射側のプリズム素子とは向きが同じ(水平方向、左右方向)で、プリズムピッチが顕著に小さいプリズム素子が形成されている。また、出射側には、そのプリズム素子の光の方向を変化させる方向と直交する方向(水平方向、左右方向)に拡散する向きの拡散用の細かな凹凸が形成されている。
【0086】
70は全反射プリズムシート68の出射側に配置されたブラックストライプ付きのレンティキュラーレンズシートで、72、72、・・・はそのシート70の背面に形成されたブラックストライプ、74、74、・・・はブラックストライプ72、72、・・・が形成されていない開口部分である。
このブラックストライプ付きのレンティキュラーレンズシート70は外光抑制のためのものであり、レンズ素子の向きは長手方向が水平方向(水平方向、左右方向)と一致するようにされている。このレンティキュラーレンズシート70は図5に示す第3の実施例のレンティキュラーレンズシート38と同じように外光抑制効果を奏する。
【0087】
図10に示す第6の実施例のスクリーン26fを用いる理由を述べると次の通りである。
図5に示した実施例3の、ほぼ一方向のみに拡散する拡散特性を有する2枚以上の前記拡散フィルムの全ての拡散方向をプリズムシートの光の方向を変化させる方向とほぼ同じ方向となるようにプリズム長手方向とほぼ直交するように揃えさせ、更に、この拡散方向が、スクリーン出射側に設置されたブラックストライプ付きレンティキュラーレンズシートのレンズ長手方向と一致させるようにする手段では、実は、スペックル低減のために、入射拡大波面の2次元的時間変化を最大限利用することができない。
というのは、外光抑制のためにスクリーン出射側に、ブラックストライプ付のレンティキュラーラレンズシートを設置した場合、このブラックストライプでの光のロスを発生させてはならないために、プリズムシートで光の方向を変化させることが許されるのは、レンティキュラーレンズの長手方向でありブラックストライプのスリット開口の長手方向に限定され、直交方向にプリズムシートを単純に積層することはできないからである。
【0088】
従って、一方向のみの入射拡大波面の時間変化しか、スペックル低減に利用できないことがわかる。
ところが、図10に示すような、プリズム形状の長手方向を揃える実施例では、ほぼ光学特性の等しいプリズムシートを逆向きに向かい合わせて積層するため、この2枚のプリズムシートのペアによって、光の方向を変化させること無く、波面切り出し挿入によって、高い空間周波数の時間変化するスペックルパターンを生成できるため、この特性を利用して請求項3のプリズム形状長手方向直交システムでは、2枚のプリズムシートのペアを2ペア互いに直交方向にプリズムシートの長手方向を設置しても、プリズムシート4枚構成の2ペアを光が通過した状態であっても、光の方向は変化しないことになる。従って、このプリズムシート4枚構成の2ペアを挟み込む2枚の拡散フィルムの拡散方向を揃えて、外光対策用のブラックストライプ付レンティキュラーレンズシートの長手方向にのみ拡散するように拡散フィルムを設置すれば、光ロスなく、外光対策を施せることとなるのである。
これが第6の実施例の特長なのである。
【0089】
尚、本実施例においては、プリズムシートとして全反射型のものを用いていたが、必ずしもそれに限定されず、屈折型のプリズムシートを用いるようにしても良い。また全反射型と屈折型プリズムシートを組み合わせても良い。また、光学素子の枚数を減らすために、平面同士が積層しているシートは、シート両面に形状を構成することにより、シート枚数を削減できる。
ちなみに、図10に示す第6の実施例では、入射側の1枚目の全反射型プリズムシート62の入射面が入射側の一方向拡散フィルムの表面形状となっており、2枚目の全反射型プリズムシート66は、入射面と出射面に互いにプリズム形状の長手方向が直交するように、全反射型プリズム形状が形成されている両面プリズムシートであり、3枚目の全反射型プリズムシート68の出射側の面には、入射側の一方向拡散フィルムと同じ方向にのみ拡散する表面形状が形成されている。4枚目の光学素子が外光対策用のブラックストライプ付のレンティキュラーレンズシート70である。全体でわずか4枚の光学シートを積層するだけでよく、光学シートの使用枚数を顕著に少なくすることができる。
【0090】
図10に示す構成のスクリーン26fを図1に示す光学系のスクリーン26として設置した画像表示装置を試作してシステム構築をし、拡大倍率180倍にてスペックルコントラストを測定した。尚、全反射型プリズムシート62、66は頂角60°の正三角形プリズムで、プリズムピッチは30μmであり、画像表示デバイスとして0.7inchのLCOSを用いて126inchの大画面レーザー画像表示システムに対応させた。
すると、その測定結果はスペックルコントラストが0.061であった。これは、ほぼ、UHPランプ光源とする画像表示装置並みの特性が達成されており、実用システムとして十分通用する特性といえ、画像表示装置に対する性能、価格等の種々の要求に充分に応えることができる高い実用性を有すると言える。
【0091】
尚、前述の実施例1〜6のスクリーン構成は、全て、プリズムシートと拡散フィルムが別の光学フィルムとなっていたが、光学素子部材をできるだけ減らし、製造容易性と安価なスクリーンを構成するには、拡散フィルムとプリズムの機能を一枚のシートに融合したほうが、得策となる、
従って、表面形状拡散フィルムの形状をプリズムシートの平面部、又はプリズム形状自体に構成する方式、微粒子添加型の拡散フィルムであれば、プリズムシート内部に微粒子を添加する方式が考えられる。
【0092】
(実施例7)
図11は本発明の第7の実施例(:実施例7)の画像表示装置のスクリーン26gの構成を示し、作用効果を説明するための断面図である。本実施例及び後述する第8〜第10の実施例の前述した第1〜第6の実施例との違いは、第1〜第6の実施例が透過型のリアプロジェクション方式の画像表示装置対応であるのに対し、反射型のフロントプロジェクション方式の画像表示装置対応であることにある。
即ち、前述した第1〜第6の実施例のスクリーン26a〜fは全て、透過型のリアプロジェクション方式のものである。
透過型のリアプロジェクション方式の画像表示装置は、レーザー光線が、全て筐体内部に封じ込まれて、拡散光のみがスクリーンから出てくるため、レーザー光に対する安全性を重視すると、レーザー光源を光源とする画像表示装置は、リアプロジェクション方式が現在の段階では、主流になると考えられており、重要性は高い。
【0093】
しかし、レーザー光線が、人が見ない位置から照射することがほとんど保証されている場合、例えば、劇場、映画館、等の観客席からしか、人が見ないことが保証されており、人が立っても、投影光が、人に当たらない設計となっている場合、更に、パーソナルユースである、小型プロジェクターに弱いレーザー光源を用いて、小型のスクリーンに投影する場合は、反射型のフロントスクリーンであっても、レーザー光源画像表示装置として実用化する可能性が充分に高く、高い将来性が期待されている。従って、フロントプロジェクション方式の画像表示装置の重要性も決して無視できない。
そして、フロントプロジェクション方式の画像表示装置においても、やはり、スペックルノイズは大きな問題となる。
【0094】
そこで、リアプロジェクション方式の画像表示装置対応の第1の実施例の原理と同じ原理のフロントプロジェクション方式の画像表示装置対応のスクリーン26gを提供するのが第7の実施例なのである。
80は頂角120°の二等辺三角形(頂角以外の二つの角の角度はそれぞれ30°)のプリズム素子を多数形成した金属反射プリズムシートで、例えばアルミニウムからなる。
左側から、図1の拡大投影光学系24で拡大結像した、小型揺動拡散板16の移動する位相情報が、スクリーン26gに入射してくる。この位相情報の波面(等位相面)Wは、拡大投影光学系24により拡大されているため、図11に示すように非常になだらかになっているのは、第1の実施例の原理説明からもあきらかである。
【0095】
この拡大揺動波面Wが、頂角120°の二等辺三角形のプリズム素子を有する金属反射プリズムシート80の形状のある面に入射すると、30°プリズム斜面で金属反射する。光の方向は120°変化しており、第1の実施例(図2参照)の場合と同様に、光は2つに(ビーム1とビーム2とに)分かれて、±120°光の方向を変えることになる。この状態で、2つに分かれた反射レーザー光線が、大角度の120°で出射側(入射側)の拡散フィルム上で干渉することとなる。
その大角度の120°で干渉した状態を図11左上部分に示す。120°で交差するレーザー光線の等位相面の0、±π, ±2πが一致した場所で位相が一致し、強めあうため、光強度は、図に示すように、非常に周期の短いサイン関数となる。つまり超高精細(ファインピッチ)スペックルパターンの発生である。
【0096】
このファインスペックルのピッチは、図に示す式(ピッチ=λ/2sinθ)より、グリーン(緑)の光線(波長λが500nm)の場合、僅かに280nmとなり、光の波長以下のパターンが発現できることとなる。さて、この状態で図の左側から入ってきているレーザー光線のなだらかな位相情報が、光学系内に設置した小型揺動拡散板16の回転によって高速に移動すると、図に示した2つの反射型プリズム素子80a、80aによって120°で交差し干渉している2本のレーザー光線間に位相差が生じることが分かる。
この2つの反射型プリズム素子80a、80aによって交差させられたレーザー光線の位相差が、図11の右側に示すなだらかな位相波面のπ/2ある拡大波面の移動(矢印aがその移動を示す)により、片方のレーザー光線の位相がπ/2 増加すると、もう片方はπ/2減少するため、2本のレーザー光線の位相差は相対的にπ変化できることになり、超高精細スペックルの山と谷が逆転し、目の積分効果により均一化が実現することになる。
【0097】
この時間的に変化し、目の積分効果で消すことができる超高精細スペックルが、スクリーンの出射側の拡散フィルムに入射することとなる。拡大光学系でなだらかになっていたことが従来問題であったが、拡大されても、スクリーン上で高精細な時間変化するスペックルに変換されてから、スクリーンの拡散フィルムに入射できるため、拡大倍率が大きくなっても、空間周波数の高いスクリーンの拡散で発生するスペックルに位相変化を与えることができること、第1の実施例の説明でも述べたとおりである。
ところで、この実施例7には、第1の実施例が持ち図3を用いて説明したと同じ若干の問題があった。即ち、図3の出射側拡散フィルム34上の、超高精細サイン関数スペックルパターンと同じ周期の点、a点、、b点、c点、d点の4つの点における位相の時間的変化は、サイン関数が移動しても全て同じであり、超高精細サイン関数スペックルパターンと同じ周期の拡散フィルムの点からの干渉によって発生する空間的スペックルパターンに対して、全体的な位相変化は与えられても、各点間の相対的位相変化を与えることができないという問題があった。つまり、光強度パターンは全く変化せず、目の時間積分効果によって低減できない空間的スペックルパターンが残ってしまうこととなる。
上記第2の実施例はその問題を拡散シート36を追加することによって解決していたが、同様に拡散シートを追加することによって第7の実施例のその問題を解決しようとするのが次に説明する第8の実施例である。
【0098】
(実施例8)
図12は本発明の第8の実施例(:実施例8)の画像表示装置のスクリーン26hの構成を示し、作用効果を説明するための断面図である。
本実施例は、金属反射プリズムシート80を有することは第7の実施例と同様であるが、その入射側の表面に拡散シート82を有することに特徴がある。拡散シート82はその入射側の表面84に一方向拡散用の微細な凹凸を有する。
このような実施例によれば、入射側に拡散シート82があるために、金属反射プリズムシート80に入る前にレーザー光線が、角度的にばらついて入射される。
【0099】
図12の左側に示すようにサイン関数のピッチは、λ/(2sin(θ+θ1))〜λ/(2sin(θ−θ1)) の範囲で変化し、各周波数のサイン関数パターンは、時間的に異なる速度で移動することとなる。
そのことが、本システムで作り出される超高精細(ファインピッチ)スペックルパターンの時間的変化をより大きくする効果を持ち、スペックル低減効果を更に引き上げることとなる。
【0100】
(実施例9)
図13は本発明の第9の実施例(:実施例9)の画像表示装置のスクリーン26iの構成を示し、作用効果を説明するための断面図であり、左側の部分は揺動拡散板の揺動による波面Wの矢印aに示す変化の前の状態を、右側部分はその変化の後の状態を示す。
本実施例は、図7に示した第4の実施例の効果をそのまま反射型のスクリーンにおいても享受できるようにしたものであり、入射側に第4の実施例のプリズムシート44と同様のプリズムシート86を配置し、その出射側にプリズムシート86からの光を反射するミラー88を配置したものである。
【0101】
このような実施例によれば、図7に示した第4の実施例の効果をそのまま反射型のスクリーンにおいても享受できる。というのは、拡大波面Wの一部分である図中のa1、a2、a3が切り出されて、下側へ60°全反射によって向きを変えられる。同様に、図中の拡大波面の一部分であるb1、b2、b3のエリアの波面が切り出され、上側へ60°全反射によって光の進行方向が変へられる。この2方向のレーザー光線は、ミラー88によって互いに交差するが、図13に示すように、上側60°から進入してくるレーザー光線と、下側60°から進入してくるレーザー光線を、互いにプリズムピッチの半分の間隔で、互い違いに挿入して、かつ光の進行方向も、上側60°と下側60°方向をそれぞれ同じ正面法線方向0°へ変化させて、揃える働きをするからである。
【0102】
(実施例10)
図14は本発明の第10の実施例(:実施例10)の画像表示装置のスクリーン26jの構成を示す斜視図である。
本実施例のスクリーン26jは、図14に示すようにスクリーンの入射側に(反射プリズムシート及びその表面の拡散シートの前側に)外光抑制のためのブラックストライプ及びレンティキュラーレンズシートを配置してなるものである。
90は金属反射プリズムシートで、図12の金属反射プリズムシート80と同様のものであり、レンティキュラーレンズシート92のレンズ形状の無い、金属反射プリズムへ密着積層した裏面94には、一方向拡散用の微細な凹凸が形成されている。また、ブラックストライプもこの裏面94に形成されている。金属反射プリズムシート90の光の方向を変化させる方向とレンティキュラーレンズシート裏面94に形成された表面形状一方向拡散面の拡散方向とは、互いに同じ方向、例えば水平方向(左右方向)に拡散するように向きが設定されている。
【0103】
98、98、・・・はブラックストライプで、レンティキュラーレンズ92の裏面側に形成されており、その向きは、金属反射プリズムシート90とレンティキュラーレンズ裏面に形成された表面形状一方向拡散面94の拡散方向と一致するように水平方向にされている。100、100、・・・・は各隣接ブラックストライプ98・98、98・98、・・・間に生じるスリット開口部である。
102はレンティキュラーレンズシート92の表面側に形成された蒲鉾状レンズであり、各蒲鉾状のレンズ素子の焦点が上記各開口部100、100、・・・に位置するように配置されている。
このような構成によって、光ロス無く、スペックル低減と拡散機能が実現し、外光抑制も可能となる。
【0104】
ここで注意すべきことは、レンティキュラーレンズ92のレンズ形状が、スクリーン表面側に出ている場合、プロジェクター光のスクリーン表面のレンズ面で一方向(図14では縦方向)のみに強く拡散反射するため、観測者は、正反射方向に縦に伸びた光強度の強いバー状のパターンを観測することになり、これが画質を著しく低下させる。これがホットバーと呼ばれる現象である。
そのホットバー対策として、一般にレンズ表面にアンチグレア用の形状をつけるが、レンズ集光能力が落ちてしまうため、ブラックストライプの開口スリット幅を狭くできず、外光抑制機能を犠牲にして、ホットバーを回避することになる。
【0105】
そこで、本実施例のような反射型スクリーンでは、この外光抑制とホットバー回避のトレードオフを、レンティキュラーレンズのレンズ表面に、レンティキュラーレンズの集光方向と垂直方向にのみ拡散する、アンチグレア用の拡散表面形状を施すことにより解決すると良い。つまり、ホットバーは、レンティキュラーレンズ集光方向に反射拡散するために発生するため、これと直交する方向に反射拡散させることにより、ホットバーをなくす。一方、集光する方向と直交する方向に拡散しても、全くブラックストライプで光がけられ、吸収されることはないため、ブラックストライプのスリット開口幅を広げる必要がない。つまり、外光抑制機能を犠牲にすることなく、ホットバーをなくすことができる。
尚、図14に示した第10の実施例のスクリーン26jは、図12に示した第8の実施例のスクリーン26hに対してレンティキュラーレンズシート92及びブラックストライプ98により外光対策を施したものであったが、それ以外の反射型スクリーン26g、26iに対してもレンティキュラーレンズシート及びブラックストライプによる外光対策を施すことができる。
【0106】
(実施例11)
図示しない本発明の第11の実施例(:実施例11)の画像表示装置について説明する。 本実施例は、本発明に係るスクリーンと、レーザー光線をスキャンすることによって画像表示を行う光学系とを組み合わせたものである。
即ち、レーザー光源を用いた画像表示システムとして、小型画像表示デバイスの画像を拡大投射する方式以外の、主流となりつつある方式が、レーザー光線の平行性を活かした、スキャン方式である。これは、レーザー光線を高速に角度を変えて振り、ラスタスキャン方式のように、スクリーン上を高速に順次移動させ、この移動に同期させて、時間的に高速に画像情報を順次表示させる。
【0107】
そのラスタスキャン方式は、ある瞬間に、スクリーンの一点しか、レーザー光線が照射されていないため、干渉し合える範囲が、レーザー光線が照射されているスクリーンの限定されたエリア内のみからの干渉による、スペックルノイズとなり、一般にスペックルが発生し難い方式となっている。しかし、実用レベルである、UHPランプと比較すると、まだまだスペックルノイズが目立っている。そこで、このレーザービームスキャン方式に、本発明に係るスクリーン、例えば上述したスクリーン26a〜26jのいずれか一つを組み合わせることによって、スペックルを大幅に低減することができる。
レーザービームをスキャンすることは、レーザービーム内で完全に位相がそろっている場合には、波面が完全平面波となるが、完全平面波を作る出すことは、現実のシステムでは不可能とされている。また仮に非常に平行性の良い光源があっても、空間を伝播する間に、回折現象によって、ビームの真ん中と端では位相差が発生してゆく。
【0108】
従って、このなだらかであっても位相差のある波面を有するレーザー光線が、スキャンシステムで、スクリーン上を移動してゆく物理現象は、上述した図1に示す光学系内に設置した、小型揺動拡散板16の拡大波面が、スクリーン上を移動してゆく物理現象と、非常に類似している。
依って、レーザースキャンシステムに、本発明に係るスクリーンを組み合わせると、拡大投影型のレーザー画像表示システム同様に、スペックル低減効果が期待できる。
実験によって、プリズムシートとこれを挟み込んだ2枚の拡散フィルムで構成したスクリーンを試作し、レーザースキャンシステムと組み合わせることにより、スペックル低減効果を確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明は、小型画像表示デバイスの画像をスクリーンに拡大投射するリアプロジェクション方式の画像表示装置及びフロントプロジェクション方式の画像表示装置に産業上の利用可能性を有するのみならず、スキャンシステムのリアプロジェクション方式の画像表示装置及びフロントプロジェクション方式の画像表示装置にも産業上の利用可能性がある。
【符号の説明】
【0110】
2・・・レーザー光源、16・・・小型揺動拡散板、
18・・・両側テレセントリック結像系、22・・・小型画像表示デバイス、
24・・・拡大投影結像系(共役結像関係形成手段)、
26(26a〜26j)・・・スクリーン、32・・・全反射プリズムシート、
34・・・拡散シート、36・・・追加拡散シート、
38・・・レンティキュラーレンズシート、40・・・ブラックストライプ、
42・・・開口部、44、46・・・全反射プリズムシート、
48・・・拡散用の微細な凹凸のある面、50・・・全反射プリズムシート、
54・・・プリズム素子のピッチが小さい全反射プリズムシート、
70・・・レンティキュラーレンズシート、72・・・ブラックストライプ、
74・・・開口部、80・・・金属反射プリズムシート、
82・・・拡散シート、84・・・拡散用の微細な凹凸のある面、
86・・・全反射プリズムシート、88・・・ミラー、
90・・・金属反射プリズムシート、
92・・・裏面に表面形状一方向拡散面を有するレンティキュラーレンズシート、
94・・・拡散用の微細な凹凸のある面、98・・・ブラックストライプ、
100・・・開口部、
102・・・ホットバー回避用一方向拡散表面形状を有する蒲鉾状レンズ。

Claims (10)

  1. 下記(A)に記載の画像表示装置において、
    前記スクリーンの2枚以上の前記拡散フィルムが、ほぼ一方向のみに拡散する拡散特性を有し、この全ての拡散フィルムの拡散方向がプリズムシートの光の方向を変化させる方向とほぼ同じ方向となるようにプリズム長手方向とほぼ直交するように揃えさせられ、
    上記拡散フィルムの出射側に、レンズの長手方向と平行なブラックストライプを有するブラックストライプ付きのレンティキュラーレンズシートが、その各レンズ素子の長手方向が上記拡散フィルムの拡散方向に一致するように設けられた
    ことを特徴とする画像表示装置。

    (A) 回転、移動又は振動する小型揺動拡散板と小型画像表示デバイスがほぼ結像光学系の共役結像の位置関係になるように設置され、かつ上記小型画像表示デバイスとスクリーンも拡大投射光学系の共役結像の位置関係になるように設置された画像表示装置において、
    上記スクリーンは、2枚以上の拡散フィルムの間に、直進透過光成分を、可能なかぎりなくすよう透過光の方向を異なる2方向以上に大きく変化させる、全反射型プリズムシート、若しくは屈折型プリズムシート、又は全反射型プリズムシートと屈折型プリズムシートの組み合わせが挟みこまれている構成である
    ことを特徴とする画像表示装置。
  2. 下記(A)に記載の画像表示装置において、
    前記スクリーンを構成する一枚又は複数枚の前記プリズムシートは、用いているプリズムシート枚数の2倍の面数であって、それぞれのシートにおける光の入射側の面と出射側の面から、少なくとも2つ以上の面を選択し、選択した面に、ほぼ光学特性の等しい全反射型プリズム形状若しくは屈折型プリズム形状、又は全反射型と屈折型の混合型プリズム形状を、光の進行方向において、前のプリズムシート形状で変化させた光の方向をほぼ逆にもどし、ほぼ平行光となるように、後のプリズムシート形状を、プリズムの長手方向を前のプリズムシート形状のプリズムの長手方向とほぼ揃えて配置、積層するか、又はこの長手方向をほぼ揃えて配置、積層したプリズムシート形状の組を複数組、互いの組の長手方向を、ほぼ直交させて配置、積層した
    ことを特徴とする画像表示装置。

    (A) 回転、移動又は振動する小型揺動拡散板と小型画像表示デバイスがほぼ結像光学系の共役結像の位置関係になるように設置され、かつ上記小型画像表示デバイスとスクリーンも拡大投射光学系の共役結像の位置関係になるように設置された画像表示装置において、
    上記スクリーンは、2枚以上の拡散フィルムの間に、直進透過光成分を、可能なかぎりなくすよう透過光の方向を異なる2方向以上に大きく変化させる、全反射型プリズムシート、若しくは屈折型プリズムシート、又は全反射型プリズムシートと屈折型プリズムシートの組み合わせが挟みこまれている構成である
    ことを特徴とする画像表示装置。
  3. 請求項2に記載の画像表示装置において、
    前記スクリーンは、前記拡散フィルムが、ほぼ一方向にのみ拡散するフィルムを、複数枚、それぞれの拡散方向を全てほぼ揃えて用い、この拡散フィルムの間に1枚若しくは複数枚のプリズムシートを挟みこんで用いており
    枚、若しくは複数枚のプリズムシートのプリズム形状の長手方向が全てほぼ一致している場合には、全ての拡散フィルムの拡散方向を、この方向とほぼ直交させた構成を有
    複数枚のプリズムシートのプリズム形状の長手方向がほぼ直交するものを含んでいる場合には、ほぼ直交している長手方向のどちらか一方に、全ての拡散フィルムの拡散方向をほぼ直交させた構成を有し、
    更に、このほぼ揃った拡散方向を、スクリーン出射側に設置された、レンズの長手方向と平行なブラックストライプを有するブラックストライプ付きのレンティキュラーレンズシートのレンズ長手方向とほぼ一致させた
    ことを特徴とする画像表示装置。
  4. 請求項2又は3に記載の画像表示装置において、
    前記スクリーンは、それを構成する一枚若しくは複数枚のプリズムシート又は両面プリズムシートが入射側のプリズム形状ピッチより出射側のプリズム形状ピッチが小さいことを特徴とする画像表示装置。
  5. 請求項に記載の画像表示装置において、
    前記スクリーンは、それを構成する一枚若しくは複数枚のプリズムシート又は両面プリズムシートが入射側のプリズム形状ピッチより出射側のプリズム形状ピッチが小さいこと、および、
    前記スクリーンは、それを構成する一枚または複数枚の前記プリズムシート及び前記両面プリズムシートのプリズム形状が、三角錐アレイ、四角錘(ピラミッド型)アレイ、六角錘アレイ又は多角形を底面形状とし、その他の面が三角形である多面体アレイ、若しくは円錐アレイ形状構造のシートであること
    を特徴とする画像表示装置。
  6. 請求項1,2,3,4又は5に記載の画像表示装置において、
    前記スクリーンは、それを構成する一枚若しくは複数枚の前記プリズムシート又は両面プリズムシートが、光の方向を2方向以上に変化させている形状である屈折型又は全反射型のプリズム形状面が、多平面、曲面、若しくは曲面、又はこれらを組み合わせた集合体である
    ことを特徴とする画像表示装置。
  7. 求項1,2,3,4,5若しくは6に記載の画像表示装置において、
    前記スクリーンは、それを構成する一枚または複数枚の前記プリズムシート又は両面プリズムシートを挟み込んでいる2枚以上の拡散フィルムに代えて、プリズムシート自体に、等方拡散用の微粒子若しくは一方向異方性拡散用の微粒子を添加するか、又はプリズムシートの平面部若しくはプリズム形状の表面形状を等方的、若しくは、一方向異方的に粗面化したものを用いた
    ことを特徴とする画像表示装置
  8. 求項1,2,3,4,5,6若しくは7に記載の画像表示装置において、
    前記スクリーンは、それを構成する一枚又は複数枚の前記プリズムシート又は両面プリズムシートのうち、一枚のプリズム形状自体又は両面プリズムシートの出射面側のプリズム形状自体を金属反射等による鏡面反射構造、金属拡散反射構造、若しくは金属異方性反射構造とするか、又は平面ミラー、平面拡散ミラー、若しくは平面異方性拡散ミラーを、一枚又は複数枚の上記プリズムシートの間、若しくはスクリーン出射側に設置した反射型スクリーンである
    ことを特徴とする画像表示装置
  9. 請求項8に記載の画像表示装置において、
    前記スクリーンは、外光抑制手段としてレンティキュラーレンズシート及びブラックストライプを有し、上記スクリーン表面にレンズ形状を有し、上記レンティキュラーレンズシートの表面に、レンズの集光方向とは垂直方向に拡散するアンチグレア用の異方性拡散機能を実現する表面形状か、若しくはモスアイ構造を有し、又は外光抑制手段としてフライアイレンズ及びピンホール型ブラックマスクを有し、上記スクリーン表面にレンズ形状を有し、ホットバー又はホットスポット回避のために、上記フライアイレンズの表面にアンチグレア用の弱い等方性拡散機能を実現する表面形状を有するか、若しくはモスアイ構造を有する
    ことを特徴とする画像表示装置。
  10. 請求項1,2,3,4,5,6,7,8又は9に記載の画像表示装置において、
    前記スクリーンと、レーザー光線をスキャンすることによって画像表示を行う装置とを組み合わせた
    ことを特徴とする画像表示装置。
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