JPH05313252A - レンチキュラーレンズシート - Google Patents

レンチキュラーレンズシート

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JPH05313252A
JPH05313252A JP4146485A JP14648592A JPH05313252A JP H05313252 A JPH05313252 A JP H05313252A JP 4146485 A JP4146485 A JP 4146485A JP 14648592 A JP14648592 A JP 14648592A JP H05313252 A JPH05313252 A JP H05313252A
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lenticular lens
lens sheet
light
sheet
shape
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Hiroshi Sekiguchi
博 関口
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 モアレパターンの発生が少なく、映像の妨害
がなくなる。 【構成】 入光面にレンチキュラーレンズ形状を有する
複数のレンチキュラーレンズ素子41を有するレンチキ
ュラーレンズシート40であって、レンチキュラーレン
ズ素子の表面に、その表面の少なくとも2点に入射する
光(AとA’、BとB’)を同一方向に出射する微細凹
凸形状42が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、背面側から映像を投影
して、透過した映像を手前側から観察する、いわゆる透
過型プロジェクションテレビに用いられるレンチキュラ
ーレンズシートに関し、特に、フレネルレンズシートと
組み合わせて透過型スクリーンを構成するときに発生す
るモアレを減少させたレンチキュラーレンズシートに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のレンチキュラーレンズシートを
用いた透過型スクリーンの一般的な構成を説明し、併せ
て、フレネルレンズシートと組み合わせたときにモアレ
パターンが発生する理由について説明する。図10は、
透過型スクリーンの一般的な構成を示す図である。透過
型スクリーン1は、入光側に配置されたフレネルレンズ
シート10と、出光側に配置されたレンチキュラーレン
ズシート20とから構成されている。プロジェクション
テレビでは、赤,緑,青の3色のプロジェクタ2からレ
ンズ3を通して出射された映像が透過型スクリーン1に
投写され、その映像は、フレネルレンズシート10によ
りほぼ平行光とされ、その光はレンチキュラーレンズシ
ート20に入射され視野角度が拡大される。
【0003】図11は、フレネルレンズシートの光学特
性を説明するための図であって、フレネルレンズシート
10の断面およびフレネルレンズシート10に入光する
光の光路を示している。図10に示したように、プロジ
ェクタ2は、フレネルレンズシート10の中心を通り、
フレネルレンズシート10に垂直な線(フレネルレンズ
シートの光軸)付近に配置されるのが一般的であり、フ
レネルレンズシート10に入光する光30は、図11に
示すように、フレネルレンズシート10に対して、斜め
に入光する。このように入光した光30は、フレネルレ
ンズシート10の入光面10a及び出光面10bで屈折
され、フレネルレンズシート10の光軸に平行又はそれ
よりも内向きに曲げられる。このようにフレネルレンズ
シート10は、映像光を観察者側に曲げる働きをする。
【0004】フレネルレンズシート10は、出光面にく
さび形のフレネルレンズ素子11が繰り返し形成されて
いるので、図11に示すように、フレネルレンズシート
10の出光面10b側に、光の通過しない暗線部31が
生じてしまう。この暗線部31は、フレネルレンズ素子
11に一つづつ発生し、また、フレネルレンズ素子11
の同じ位置に発生するので、フレネルレンズシート10
を全体としてみると、フレネルレンズ素子11のピッチ
1 と同じピッチで同心円状に、光の通過しない暗線部
31が存在することになる。
【0005】フレネルレンズシート10を通った光は、
レンチキュラーレンズシート20に入光する。このレン
チキュラーレンズシート20は、拡散剤を混入した透明
熱可塑性樹脂シートの表面に多数のシリンドリカルレン
ズであるレンチキュラーレンズ素子21を平行に設けた
構造であり、左右方向の視野角度の拡大は、主として、
これらのレンチキュラーレンズ素子21の作用により行
い、上下方向の視野拡大は、混入した拡散剤により行っ
ている。
【0006】図12は、レンチキュラーレンズシートを
通過して観察者が見る光のようすを示した図である。前
述したように、フレネルレンズシート10と同じピッチ
の暗線部31がフレネルレンズシート10の出光面10
b側に存在する。ところで、フレネルレンズシート10
のピッチP1 は、以下に述べる理由により、発生するモ
アレパターンを少なくするために、レンチキュラーレン
ズシート20のピッチP2 よりも小さくするのが普通で
ある。
【0007】ここで、モアレパターンが、発生する理由
を以下に述べる。観察者は、観察側のある一点から透過
型スクリーン1を見るわけであるが、観察者に到達する
光は、レンチキュラーレンズシート20のレンチキュラ
ーレンズ素子21の特定の位置32を通過した光であ
る。なぜなら、レンチキュラーレンズシート20は、入
射する光をその入射する位置に応じて、特定の方向33
に曲げるからである。これを何個かのレンチキュラーレ
ンズ素子21について考えた場合には、観察者の方向に
出光する光の入光する位置32がフレネルレンズシート
10の暗線部31であったり、なかったりする。このよ
うに、レンチキュラーレンズシート20は、フレネルレ
ンズシート10で発生する暗線部31をサンプリングし
て、観察者に見せる働きをするために、モアレパターン
が見えてしまう。これが、映像を妨害するモアレパター
ンの発生する理由である。
【0008】従来、このようなモアレパターンの発生を
防止する方法として、 フレネルレンズシートのピッチとレンチキュラーレ
ンズシートのピッチとを所定の比にする方法(USP
2,567,654、特開昭57−191627号、特
開昭59−95525号)、 レンチキュラーレンズシートに混入する光拡散剤の
量を増加する方法、 レンチキュラーレンズシートの出光面(出光レンズ
面)に拡散要素を設ける方法(特開昭60−26393
2号)、等が知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記の方法
では、フレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシ
ートにより発生する1次のモアレと、このモアレと各レ
ンズにより発生する高次のモアレの両方の強度が弱くな
るようなレンズピッチの比は極めて限定されてしまうの
で、スクリーンに要求される解像度に応じてレンチキュ
ラーレンズシートのピッチを決めてしまうと、フレネル
レンズシートのピッチは、製造が困難な程小さくなって
しまう等の制約があるうえ、成形収縮などを考慮する必
要があるので、解析が極めて複雑になるという問題があ
った。
【0010】また、前記,の方法では、フレネルレ
ンズシートの溝の影を十分にぼかすまで拡散させると、
画像の解像度を低下させるという問題があった。
【0011】本発明の目的は、前述の課題を解決し、フ
レネルレンズシートと組み合わせたときに、モアレパタ
ーンの発生が少なく、映像の妨害のないレンチキュラー
レンズシートを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明によるレンチキュラーレンズシートは、入光
面にレンチキュラーレンズ形状を有する複数のレンチキ
ュラーレンズ素子を有するレンチキュラーレンズシート
であって、前記レンチキュラーレンズ素子の表面に、そ
の表面の少なくとも2点に入射する光を同一方向に出射
する微細凹凸形状が形成されていることを特徴とする。
【0013】また、本発明によるレンチキュラーレンズ
シートは、透明熱可塑性樹脂からなるシート材料の中
に、前記透明熱可塑性樹脂と非相溶性でありその透明熱
可塑性樹脂と屈折率差を有する透明な非熱可塑性ビーズ
を混入して、入光面にレンチキュラーレンズ形状を有す
る複数のレンチキュラーレンズ素子の表面に微細凹凸形
状を形成するレンチキュラーレンズシートであって、前
記微細凹凸形状の大多数は、その幅が前記レンチキュラ
ーレンズ素子のピッチの1/10以下であり、その微細
凹凸形状の幅と深さの比率が1/5以下であることを特
徴とすることができる。
【0014】
【作用】本発明によれば、レンチキュラーレンズシート
の各レンチキュラーレンズ素子の表面に微細凹凸形状を
形成してある。この微細凹凸形状は、レンチキュラーレ
ンズ素子の表面の少なくとも2点に入射する光を同一方
向に出射する。したがって、レンチキュラーレンズ素子
の色々な位置からの光が観察者に到達し、暗線部のみな
らず、映像光も到達することになり、暗線部の強さが弱
くなるので、フレネルレンズレンズシートと組み合わせ
た場合にも、モアレパターンの暗さも薄くなって、見え
にくくなり、映像への妨害がなくなる。
【0015】
【実施例】以下、図面等を参照して、実施例につき、本
発明を詳細に説明する。図1は、本発明によるレンチキ
ュラーレンズシートの実施例を示す断面図、図2は、実
施例に係るレンチキュラーレンズシートを通過して観察
者が見る光のようすを示した図である。この実施例のレ
ンチキュラーレンズシート40は、入光側のレンチキュ
ラーレンズ素子41の表面に、微細凹凸形状42が形成
されている。
【0016】このレンチキュラーレンズシート40で
は、図2に示すように、観察者の方向に出光する光は、
レンチキュラーレンズ素子41の特定の位置51に限ら
れず、レンチキュラーレンズ素子41の色々な位置から
の光52が観察者に到達する。そして、観察者には、暗
線部のみならず、映像光も到達することになり、暗線部
の強さが弱くなるので、モアレパターンの暗さも薄くな
って見えにくくなる。
【0017】レンチキュラーレンズシート40のピッチ
4 は、40インチ程度のプロジェクションTVに用い
る場合に、良好なテレビ画像を得るためには、1.0m
m又はそれ以下にする必要がある。これに対して、フレ
ネルレンズシート10のピッチP1 は、モアレパターン
の妨害を少なくするために、0.2mm又はそれ以下に
することが好ましい。フレネルレンズシート10の暗線
部の太さは、そのピッチP1 の3分の1程度であり、最
大でも60μmであり、モアレパターンとして見えやす
い部分の暗線の太さは、5〜60μmと考えられる。
【0018】次に、レンチキュラーレンズシートに形成
した微細凹凸形状について、さらに詳しく説明する。図
3〜図7は、実施例に係るレンチキュラーレンズシート
の細部の形状を説明するための図である。まず、レンチ
キュラーレンズシート40に形成した微細凹凸形状42
は、あまり深い形状にすることは好ましくない。BS
(ブラックストライプ)付きレンチキュラーレンズシー
ト40’では、出光面40bは、入光した光が集光する
集光点付近にしなければならない。また、光を広げるた
めには、入光面40aの形状をある程度深くして、集光
点と入光面(の頂点)の距離が入光側のレンチキュラー
レンズ素子41のピッチP4 付近になるようにしなけれ
ばならない。図3に示すように、入光面40aの形状が
浅い場合には、ピッチP4 に対してレンチキュラーレン
ズ素子41の頂点と集光点の距離Tが大きくなり、出射
した光が広がらない。このため、入射した光を40〜5
0°程度まで広げるためには、T=1.0〜1.5×P
4 程度にする必要があり、また、BSの効果を十分に発
揮させるためには、BSの幅がピッチP4 の0.4程度
必要があるので、出光面40bの幅W=0.6×P4
なる。
【0019】そこで、図4に示すように、T=1.2×
4 、W=0.6×P4 として、入光面40aの頂点付
近の光を拡散する要素があるとすると、図4から明らか
なように、θ=14°となる。この拡散要素によって、
光を14°以上拡散させると、BSに光が入光してしま
い、出光面40bに入光しないものができるので、損失
光となってしまう。これは、レンチキュラーレンズ40
の入光側の全体について、同様なことがいえる。
【0020】したがって、入光面40aに微細凹凸形状
42を形成した場合に、その凹凸による拡散が大きすぎ
ると、損失光が増加するので好ましくない。この拡散角
は、図4に示したように、15°程度になると損失光が
発生するので、拡散の半値角で10°程度以下であるこ
とが好ましい。微細凹凸形状42によって、半値角を1
0°程度にするには、その微細凹凸形状41の幅と深さ
の比率を1/10程度にする必要がある。したがって、
微細凹凸形状42の幅と深さの比率は、略1/10程
度、深いところで1/5以下にすることが好ましい。
【0021】また、微細凹凸形状42の一つ一つの曲率
が大きいと、図5に示すように、入光した光が曲がりす
ぎて、光61のように別のレンチキュラーレンズ素子か
ら出光したり、光62のように全反射して入光側にもど
ってしまったりする。したがって、微細凹凸形状42の
一つの形状は、その幅に対し、高さはせいぜい1/5以
下であることが必要である。
【0022】次に、前述したような太さの暗線部により
生じるモアレパターンをレンチキュラーレンズ40の入
光面40aの微細凹凸形状42により弱くする場合に、
凹凸の一つの形状の幅は5〜100μm程度が望まし
い。その理由は、微細凹凸形状42があまり細かいと光
の回折が起きてしまうし、また、あまり大きいとその大
きな凹凸部が明るいか又は暗く見えてしまうからであ
る。
【0023】モアレパターンの視認性を弱くする原理
は、レンチキュラーレンズシート40の異なった位置に
入光した光が同一方向に出光することである。したがっ
て、視認性を下げるためには、同一方向に出光する異な
った入光位置が多数あったほうがよいことになる。も
し、レンチキュラーレンズ素子41によって曲げられた
角度がある角度だけ変化する間に、同程度の拡散角αを
もつ微細凹凸形状42−1、42−2が2つあれば、2
つの異なった位置に入光した光が同一方向に出光するこ
とになる。この拡散角αが10°程度の場合を示したの
が図6である。図6において、AとA’、BとB’から
の光が同一方向に出光している。もちろん、同一方向に
出光する光の組み合わせは、この2つに限られるわけで
はなく、L〜Mの間のある点と、M〜Nの間のある点か
ら同一方向に出光するわけである。
【0024】ところで、BS付きレンチキュラーレンズ
シート40’では、レンチキュラーレンズ素子41で光
を集光するようにするので、40〜50°の十分な拡散
角を得ようとすると、前述したように、厚みTは、ピッ
チP4 の1.2倍程度となり、レンチキュラーレンズ素
子41の端部で光が曲げられる角度は、図7に示すよう
に、arctan(0.5×P4 /0.8×P4 )=32°と
なる。ここで、微細凹凸形状42の拡散角は10°程度
である。したがって、前述したように、モアレパターン
の視認性を下げるためには、レンチキュラーレンズ素子
41の曲げ角度が10°変化する間に、10°の拡散角
をもつ凹凸が2つ以上なければならない。つまり、BS
付きレンチキュラーレンズシート40’のレンチキュラ
ーレンズ素子41と、10°程度の拡散角の微細凹凸形
状42で考えると、半ピッチで曲げる角度が30°変化
するので、その間に微細凹凸形状42が6つある必要が
あり、全体では12個必要となる。
【0025】BS付きレンチキュラーレンズシート4
0’では、ピッチP4 は通常1mm程度である。したが
って、微細凹凸形状42の幅は0.1mm程度よりも小
さい必要がある。また、微細凹凸形状42の幅は、小さ
いほうが凹凸の数が増えるのでよいが、製造上は、数1
0μm単位の凹凸を形成することが作りやすいので好ま
しい。
【0026】以上述べたことをまとめると、レンチキュ
ラーレンズシート40のレンチキュラーレンズ素子41
の入光面を滑らかな面でなく、微細凹凸形状42がある
ような粗面とし、レンチキュラーレンズ素子41のピッ
チが1mm程度の場合には、その微細凹凸形状42を形
成する一つ一つの凸形状の幅を5〜100μm程度、高
さを1〜10μm程度とすると、フレネルレンズシート
10とレンチキュラーレンズシート40によって発生す
るモアレパターンを見えにくくすることができ、画像妨
害の少ない透過型スクリーンが得られる。
【0027】つぎに、本発明によるレンチキュラーレン
ズシートの製造方法について説明する。この方法は、レ
ンチキュラーレンズシート40のレンチキュラーレンズ
素子41の入光面を、前述したような微細凹凸形状42
を有する粗面にするために、レンチキュラーレンズシー
ト40を作製すると同時に、微細凹凸形状42も形成し
てしまう、簡便かつ生産性のよい方法である。
【0028】まず、レンチキュラーレンズシート40の
材料として、透明熱可塑性樹脂、例えば、アクリル系樹
脂、塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル・ス
チレン共重合系樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリカーボネート樹脂などを用いる。そして、
その透明熱可塑性樹脂の中に、この熱可塑性樹脂と非相
溶性であるような非熱可塑性ビーズを混合する。このよ
うなビーズとしては、前記透明熱可塑性樹脂を架橋させ
て非相溶性かつ非熱可塑性としたビーズや屈折率を調整
したガラスビーズ等が使用できる。
【0029】図8は、本発明によるレンチキュラーレン
ズシートを製造する装置を示す図である。前述した材料
は、押出機71のホッパ72の中に供給され、押出機7
1中で溶融混練して、ダイス73から任意の幅に押し出
し、一対の加熱されたレンチキュラーレンズのロール状
金型74、75の間に通して、加圧するとともに厚さを
揃える。この厚みは、レンチキュラーレンズシート40
の構造、ピッチ、用途などによって異なるが、0.5〜
3mm程度の厚みである。
【0030】ロール状金型74,75によって熱可塑性
樹脂を成形する場合に、その樹脂が冷却固化する前にロ
ール状金型74,75から離れてしまう。このため、成
形形状は、金型形状通りとはならず、浅くなる傾向があ
り、また、シャープなエッジ等は丸みをおびてしまうと
いう成形戻り現象が発生する。このような現象は、熱可
塑性樹脂との接触時間の少ないロール形状金型74側で
顕著に現れる。
【0031】ロール形状金型74は、その表面にレンチ
キュラーレンズシート40の入光側のレンズ形状に対応
した型形状を形成しておくことにより、この実施例のレ
ンチキュラーレンズシート40が成形できる。このとき
に、前述したような成形戻り現象が発生するが、熱可塑
性樹脂の中に非熱可塑性のビーズが混在している場合に
は、そのビーズは成形戻りを起こさないので、成形戻り
現象の発生の仕方が不均一になる。
【0032】これを全体として考えると、凸状のレンチ
キュラーレンズ素子41は、全体が成形戻り現象によっ
て縮むときに、その中に縮まない部分が点在すると、レ
ンチキュラーレンズ素子41の内部については、縮む部
分と縮まない部分の影響が互いに相殺しあって、全体の
形が縮むだけであるが、レンチキュラーレンズ素子41
の表面については、縮む部分はへこむが、縮まない部分
はへこまないので微細な凸状になる。したがって、レン
チキュラーレンズ素子41の表面には、非熱可塑性ビー
ズの粒径より小さい幅の微細な凸形状が形成されること
になる。
【0033】そこで、レンチキュラーレンズ素子41の
表面に、前述したような5〜100μm程度の幅の凸形
状を形成するためには、10〜200μm程度の非熱可
塑性ビーズを用いればよい。また、このようにしてレン
チキュラーレンズ素子41の表面に凸形状を形成するた
めには、ある程度の量の非熱可塑性ビーズが必要であ
り、熱可塑性樹脂100重量部あたり約5〜30重量部
であればよい。
【0034】このときに、非熱可塑性ビーズの屈折率を
熱可塑性樹脂の屈折率と0.01〜0.1程度の差があ
るようにすると、この非熱可塑性ビーズにより光を拡散
することができる。すなわち、非熱可塑性ビーズは、垂
直に光を拡散するための拡散材として用いることがで
き、この非熱可塑性ビーズ以外に拡散剤を入れる必要が
なく好ましい。屈折率の差が0.1より少ないと、十分
な拡散を得るために多量のビーズを必要とするので、好
ましくない。
【0035】次に、製造例をあげて、さらに具体的に説
明する。 (製造例)屈折率1.49のポリメチルメタクリレート
樹脂に、屈折率1.51,粒径10〜100μmの架橋
したポリメチルメタクリレートビーズを20部を混合し
て、図7に示したように押出し成形し、入光面にピッチ
4 =1.0mmのレンチキュラーレンズ素子41のあ
る厚さ1.5mmの入光レンチキュラーレンズシート4
0を作製した。このレンチキュラーレンズシート40
と、ピッチP1 =0.13mmのフレネルレンズシート
11とを組み合わせて、プロジェクションテレビに実装
したところ、モアレパターンのほとんど見えない良好な
画像を得ることができた。
【0036】このレンチキュラーレンズシート40の入
光面40aの表面の微細凹凸形状42を、表面粗さ計で
測定した結果を、図9のグラフに示す。これから明らか
なように、レンチキュラーレンズ素子41の表面は、幅
20〜50μm、高さが2〜5μmであることが分か
る。
【0037】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、本発明によ
れば、レンチキュラーレンズシートの各レンチキュラー
レンズ素子の表面に微細凹凸形状を形成してあり、その
微細凹凸形状によって、レンチキュラーレンズ素子の色
々な位置からの光が、観察者に到達するので、暗線部の
みならず、映像光も到達することになり、暗線部の強さ
が弱くなる。したがって、フレネルレンズレンズシート
と組み合わせた場合に、モアレパターンの暗さも薄くな
って、見えにくくなり、映像への妨害がなくなる。
【0038】また、熱可塑性樹脂と非熱可塑性ビーズを
含んだ材料を押出し成形することにより、表面に微細な
凹凸形状を有するレンチキュラーレンズシートを容易に
作製することができる。このとき、ビーズは拡散材とし
ての機能も同時にはたすので、このレンチキュラーレン
ズシートをフレネルレンズシートと組合わせて用いれ
ば、モアレパターンの妨害のない、良好な透過型スクリ
ーンとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるレンチキュラーレンズシートの実
施例を示す断面図である。
【図2】実施例にかかるレンチキュラーレンズシートの
光学特性を示す図である。
【図3】実施例にかかるレンチキュラーレンズシートの
細部の形状を説明するための図である。
【図4】実施例にかかるレンチキュラーレンズシートの
細部の形状を説明するための図である。
【図5】実施例にかかるレンチキュラーレンズシートの
細部の形状を説明するための図である。
【図6】実施例にかかるレンチキュラーレンズシートの
細部の形状を説明するための図である。
【図7】実施例にかかるレンチキュラーレンズシートの
細部の形状を説明するための図である。
【図8】実施例にかかるレンチキュラーレンズシートを
製造するための装置を示す図である。
【図9】製造例に係るレンチキュラーレンズシートの微
細凹凸形状の測定結果を示す線図である。
【図10】透過型スクリーンの一般的な構成を示す図で
ある。
【図11】フレネルレンズシートの光学特性を示す図で
ある。
【図12】モアレパターンの発生する原因を説明するた
めの図である。
【符号の説明】
1 透過型スクリーン 10 フレネルレンズシート 21 レンチキュラーレンズ素子 2 プロジェクタ 3 レンズ 30 フレネルレンズシートの入射光 32 特定の観察者に向かう光が入光する位置 33 特定の観察者の方向 40 レンチキュラーレンズシート 41 レンチキュラーレンズ素子 42 微細凹凸形状 51 暗線の入光する位置 52 画像光の入光する位置 61 他のレンチキュラーレンズ素子から出光する光 62 反射して入光側に戻る光 71 押出機 72 ホッパ 73 ダイス 74 ロール状金型 75 ロール状金型

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入光面にレンチキュラーレンズ形状を有
    する複数のレンチキュラーレンズ素子を有するレンチキ
    ュラーレンズシートであって、 前記レンチキュラーレンズ素子の表面に、その表面の少
    なくとも2点に入射する光を同一方向に出射する微細凹
    凸形状が形成されていることを特徴とするレンチキュラ
    ーレンズシート。
  2. 【請求項2】 透明熱可塑性樹脂からなるシート材料の
    中に、前記透明熱可塑性樹脂と非相溶性でありその透明
    熱可塑性樹脂と屈折率差を有する透明な非熱可塑性ビー
    ズを混入して、入光面にレンチキュラーレンズ形状を有
    する複数レンチキュラーレンズ素子の表面に微細凹凸形
    状を形成するレンチキュラーレンズシートであって、 前記微細凹凸形状の大多数は、その幅が前記レンチキュ
    ラーレンズ素子のピッチの1/10以下であり、その微
    細凹凸形状の幅と深さの比率が1/5以下であることを
    特徴とするレンチキュラーレンズシート。
JP14648592A 1992-05-12 1992-05-12 レンチキュラーレンズシート Expired - Lifetime JP3212359B2 (ja)

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