JP2012072693A - ブローバイガス還流構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】PCV方式でブローバイガスを新気と交換する場合に、クランク室からのブローバイガスと新気がチェーンケースとカム室との間で混在し、クランク室の換気効率が低下することを回避する。
【解決手段】ヘッドカバー8内に新気21が通る新気通路17とブローバイガス22が通るブローバイガス通路28を形成するためのバッフルプレート16を配置し、そのバッフルプレート16とヘッドカバー8の間でブローバイガス室25を形成し、さらに、バッフルプレート16にカム室15とチェーンケース14との間を隔てる仕切壁16iを設け、その仕切壁16iに隣接し、ブローバイガス室25側に突出する溝形状16hを設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関のヘッドカバーの構造に関するものであり、より詳しくは、ブローバイガスを吸気側に返し、新気をクランク室内に導入する還流通路が施されたヘッドカバーの構造に関するものである。
内燃機関(以後「エンジン」ともいう)の特に4サイクルエンジンでは、クランク室内に未燃焼のガスであるブローバイガスが漏洩することが知られている。ブローバイガスは、燃料成分と共に、未燃焼のHC(HydroCarbon)や煤を含有するため、放置しておくと、クランク室内の潤滑油を劣化させるという問題がある。したがって、このブローバイガスは何らかの方法で処理しなければならない。
ブローバイガスの処理方法にはいくつかの基本的な方法が提案されているが、近年では、インテークマニホールドの負圧を利用して、クランク室からブローバイガスを吸出すると共に、エアクリーナー直後から得た新気をクランク室内に導入するPCV(Positive Crankroom Ventilation)方式が多用される。
この方法は、元々4サイクルエンジンではピストンが下降するとともに、上昇するクランク室内の圧力を逃がすクランクケースブリーザーの際に、ブローバイガスを放出する方式より、より積極的にブローバイガスを吸出し、さらに新気と入れ替え、クランク室内の雰囲気を入れ替えるという技術的発想に基づく。
したがって、PCV方式では、エンジン内部でブローバイガスと新気を効率よく交換することが求められる。ブローバイガスの滞留をなくし、エンジン内の潤滑剤等の劣化を防止するためである。
しかし、エンジンは多くの部品で構成されているうえに、内部は多くの駆動部分で構成されており、ブローバイガスと新気を気密に区別できる通路を形成するのは困難である。すなわち、エンジンに新気を導入する通路を設けても、クランク室に到達するまでに、ブローバイガスに混じって排出され、効率的な換気が行われなかった。
この課題に対してもさまざまな提案がされている。例えば、図4を用いて、特許文献1に開示されている改善方法を示す。エンジン100はヘッドカバー105と、シリンダヘッド103、シリンダブロック102、オイルパン106から構成される場合を例示している。クランク室107はシリンダブロック102とオイルパン107の間に形成される。また、シリンダブロック102とシリンダヘッド103には、チェーンケース104が形成される。クランク軸からの回転をカムシャフトを駆動するギアに伝えるためである。
シリンダヘッド103には、チェーンケース104に隣接してカムとカムシャフトが配置されるカム室103aが形成される。ヘッドカバー105は、チェーンケース104とカム室103aを覆う。クランク室107内で発生しブローバイガス滞留領域112に滞留していたブローバイガス111はチェーンケース104を通じてヘッドカバー105に設けられたPCVバルブ118に到達し、PCVバルブ118を介して、吸気系108に吸引される。一方、エアクリーナ109直後から得られた新気114はPCVバルブ118と独立に設けられた新気吸入口121からヘッドカバー105に導入され、カム室103a、シリンダブロック102を経由してクランク室107に到達する。なお、新気は、カム室103a、シリンダブロック102では符号115で表した。
この時、カム室103aとチェーンケース104の間は、気密に分離するのは困難であり、ブローバイガスと新気が混在し、クランク室107内の換気が効率的に行われないという問題があった。特許文献1はこの課題に対して、オイルセパレータケース131を配置させ、その入口131aをカム室103aより下に設けることで、新気とブローバイガスが入り混じることを回避している。
特開2010−090802号
特許文献1では、オイルセパレータケース131が、ブローバイガス中のオイル切りの役目を果たし、また、オイルセパレータケース131の入口131aがカム室103aより下方にあるため、新気とブローバイガスが混在することが回避されるという点で効果がある。しかし、オイルセパレータケース131という付属部品を別に用意する必要があり、取り付ける工程が必要であることを考慮すると、製造コストや製造工程の観点で効率的ではなかったという課題が存在した。本発明はこのような課題に鑑みて想到されたものである。
上記の課題を解決するために本発明は、ヘッドカバー内に新気が通る新気通路とブローバイガスが通るブローバイガス通路を形成するためのバッフルプレートを配置し、そのバッフルプレートとヘッドカバーの間でブローバイガス室を形成し、さらに、バッフルプレートにカム室とチェーンケースとの間を隔てる仕切壁を設け、その仕切壁に隣接し、前記ブローバイガス室側に突出する溝形状を設けた。
より具体的には、本発明のブローバイガス還流構造は、
エンジンのヘッドカバーからPCVバルブを介してブローバイガスを吸気路に戻すブローバイガス管と、前記ブローバイガス管と独立に設けられ、新気を前記ヘッドカバーに導入させる新気管を有するPCV方式のブローバイガス還流構造であって、
前記ヘッドカバー内で前記新気が通る第1の新気通路を形成するバッフルプレートと、
チェーンケース上部を前記バッフルプレートの一部で塞ぎ、前記バッフルプレートの一部と前記ヘッドカバー上面とで形成され、前記PCVバルブと連通するブローバイガス室と、
前記新気通路から前記バッフルプレートの下方に配置されたカム室を経て、シリンダブロック内を貫通しクランク室へ通じる第2の新気通路と、
前記クランク室から前記チェーンケース内を通り、前記ブローバイガス室へ通じるブローバイガス通路と、
前記バッフルプレートに設けられ、前記カム室と前記チェーンケースとを仕切る仕切壁と、
前記仕切壁に隣接し、前記ブローバイガス室側に突出する溝形状を設けたことを特徴とする。
本発明のブローバイガス還流構造は、カム室とチェーンケースの間に仕切壁を設け、さらにその仕切壁に隣接し、ブローバイガス室側に突出する溝形状を設けたので、カム室からチェーンケースに向かう新気が溝形状の空気溜りによって流速が減少し、チェーンケース内には漏洩せず、新気とブローバイガスが混在し、クランク室の換気の効率が低下するという問題を回避することができる。すなわち、クランク室内の換気が効率的に行えるという効果を奏する。
また、この溝形状は、ブローバイガス室側では、立壁となっており、チェーンケース内を上昇してきたブローバイガスは、ブローバイガス室内に入ってから、流速が落ちることなくPCVバルブから排出される。ブローバイガス室内では流速低下がないうえに、流方向が変化するため、ブローバイガス室内でオイル切れが行われ、オイル含有の低いブローバイガスを吸気路に返すことができるという効果を奏する。
また、これらの効果はバッフルプレートをヘッドカバー内に載置固定するだけで得る事ができ、専用のチェーンケースといった新たな部品や、その他の新たな構成部品を必要としないので、部品点数や取付工程の点から見ても低コスト化に寄与する。
本発明の内燃機関のブローバイガス還流構造を示す概念図である。 シリンダヘッドに配設されたバッフルプレートを示す斜視図である。 バッフルプレートを詳細に説明する斜視図および断面図である。 従来例のブローバイガス還流構造を示す概念図である。
以下、本発明のブローバイガス還流構造について説明する。なお、以下の説明は本発明の1形態を例示するだけであり、下記の構成に限定されるものではない。本発明の主旨を逸脱しない範囲で、各構成要素は変更されてもよい。
図1は、本発明のブローバイガス還流構造1に係る部分を示す図である。本発明のブローバイガス還流構造1は、エンジン2からPCVバルブ3を介してブローバイガスを吸気路4(若しくはインテークマニホールド)に戻すブローバイガス管5と、ブローバイガス管5と独立してエアクリーナ6の直後から新気を導入する新気管7の2系統のガス経路を有するPCV方式で構成される。
エンジン2は、ヘッドカバー8、シリンダヘッド9、シリンダブロック10、オイルパン11で形成されている場合を示すが、ロアブロックが追加される構成など、これ以外の構成であってもよい。オイルパン11はエンジン2各部に供給するオイルを貯留しておく場所である。シリンダブロック10は図示しないシリンダが形成され、ピストンが上下運動を行う。シリンダブロック10とオイルパン11の間に形成された空間がクランク室12である。クランク室12にはピストンの上下運動を回転運動に変換するクランク軸(図示せず)が配置されている。
また、シリンダブロック10内にはエンジン2上部まで運ばれ、カムなどの駆動部分に供給されたオイルが最下方のオイルパン11に戻るためのオイル落とし穴13が形成されている。
シリンダブロック10の上方にはシリンダヘッド9が配置されている。シリンダヘッド9には、点火プラグ孔と、シリンダへの吸気・排気経路(図示せず)とそれらの経路を開閉する吸気・排気弁(図示せず)とそれらの弁を駆動するカム、さらにそのカムを駆動するカムシャフトなどが配置される。
シリンダヘッド9とシリンダブロック10には、隣接してチェーンケース14が形成される。クランク軸の回転をカムシャフトに伝えるためである。シリンダヘッド9では、チェーンケース14に隣接してカム室15が形成される。
ヘッドカバー8は、シリンダヘッド9を覆うように締結固定される。したがって、ヘッドカバー8はカム室15とチェーンケース14の両方を覆う。ヘッドカバー8には、PCVバルブ3の取付孔3aと、新気管7の接続口7aが形成されている。これらは、それぞれ、吸気路4およびエアクリーナ6の下流に連通される。
本発明のブローバイガス還流構造1では、ヘッドカバー8内にバッフルプレート16を配置する。バッフルプレート16は、ヘッドカバー8内で、新気が通過する新気通路と、ブローバイガスが通過するブローバイガス通路を区分けするための仕切底板である。ヘッドカバー8内の新気通路およびブローバイガス通路は、明確に分離しなければならない。ブローバイガスを新気と効率的に交換できなくなるからである。
ヘッドカバー8内では、ヘッドカバー8の内面から延設された立壁と、バッフルプレート16で囲まれた部分を第1の新気通路17およびブローバイガス通路とする。図2には、シリンダヘッド9の概念図の斜視図を示す。図1、図2および図3(a)を参照して、バッフルプレート16を詳細に説明する。なお、ヘッドカバー8側では、チェーンケース14の近傍にPCVバルブ3を接続する取付孔3aが設けられており、PCVバルブ3とは独立に新気管7の接続口7aが設けられている。
シリンダヘッド9を上方から見ると、チェーンケース14の最上部に配置される2つのカム軸歯車18a、18bと駆動ギアの回転中心に固定されたカムシャフト19a、19bと、カムシャフト19a、19bに固定されたカム20(例示として1箇所だけ示した。)がある。カム20が配置された部分がカム室15となる。バッフルプレート16は、これらを覆うように形成された略平板状のプレートである。下面は、回転するカム20と干渉しないだけの隙間を有し、隙間を形成するために、傾斜面や凹みを有していても良い。また、点火プラグ孔を確保するために、中央部に貫通孔16aが形成されていてもよい。
上面には、ヘッドカバー8内側に形成された立壁を受ける溝16bが形成されており、立壁とヘッドカバー8内面とバッフルプレート16上面で閉じた通路を形成する。これは第1の新気通路17である。また、バッフルプレート16のカム室15上部には、第1の新気通路17からカム室15へ通じる貫通孔16cが形成されており、ヘッドカバー8内に入った新気21がカム室15に流入できる構造になっている。なお、図2では、立壁を受ける溝16bに対して、ヘッドカバー8からの立壁は後述する立壁8a以外、記載を省略した。
また、PCV方式の場合は、エンジン回転数が高い場合、カム室15からヘッドカバー8へブローバイガスが流れる。したがって、バッフルプレート16のヘッドカバー8側若しくはカム室15側には、オイルセパレータ部を設けるようにしてもよい。より具体的な例としては、バッフルプレート16のヘッドカバー8側にオリフェス状に立壁を設ける等である。
バッフルプレート16はチェーンケース14上部ではカム室15より1段高い平板部分16dを有し、チェーンケース14の上部を覆うように形成される。チェーンケース14の最上部には大径のカム軸歯車18a、18bが配置されているからである。バッフルプレート16はチェーンケース14の上部をくまなく覆っているのではなく、一部がチェーンケース14に解放され、ブローバイガスの流入口16eとなっている。
すなわち、バッフルプレート16の高い平板部分16dとヘッドカバー8からの立壁8aとヘッドカバー8の内面によって空間が形成されており、チェーンケース14から流入したブローバイガス22はこの空間を通ってPCVバルブ3から吸気路4に送られる。したがって、この空間はブローバイガス通路である。しかし、この空間を本発明では特にブローバイガス室25とよぶ。ブローバイガス室25は、第1の新気通路17と隣接するが、ヘッドカバー8から延設された立壁8aと、バッフルプレート16によってほぼ気密に仕切られている。新気が漏洩しないためである。
上述の通り、ブローバイガス室25には、チェーンケース14への開口16eとPCVバルブ3への取付孔3aが形成されている。これら、チェーンケース14への開口16eとPCVバルブ3への取付孔3aは、ブローバイガス室25で対角状に形成されるのが好ましい。下方のチェーンケース14から流入したブローバイガス22をブローバイガス室25内で直角方向に曲げ、さらにブローバイガス室25の反対の立壁に当ててPCVバルブ3へ流れを変えることで、オイル切れをよくするためである。
図2では、チェーンケース14から流入したブローバイガス22aがバッフルプレート16で形成された立壁16fおよびヘッドカバー8から延設された立壁8aに当たり、さらにPCVバルブ取付孔3aに方向を変えた(22b)ことを示している。このように流速のあるブローバイガスに対して流れ抵抗を与える事で、オイル切れがよくなる。この意味でブローバイガス室25内には、オリフェス状に立壁を形成してもよい。
バッフルプレート16の高い平板部分16dの立ち上がり部16gはちょうどチェーンケース14とカム室15の境界にあたる。そして、この立ち上がり部分16gには、バッフルプレート16下面から見たときに溝形状16hが形成されている。図3(b)に、この溝形状16hの断面図を示す。溝形状16hをバッフルプレート16の上面から見ると、高い平板部分16dより高く形成された突起部(立壁16f)と見える。そして、この溝形状16hからチェーンケース14側に新気21aが漏洩しないように仕切壁16iを形成する。
仕切壁16iは、カム室15とチェーンケース14の間に形成された壁であるが、カム室15とチェーンケース14は駆動部分が多く、気密に区画するのは困難である。したがって、カム室15とチェーンケース14の間には、仕切壁16iの縁周辺に組立時の寸法的な余裕を考慮して隙間があり、気圧的には導通している。
しかし、新気21aが充満するカム室15からチェーンケース14に向かって、上方には天井となるバッフルプレート16が存在し、その天井より高い凹みの溝形状16hがカム室15から見て天井側に形成され、その後仕切壁16iが形成されるという順番に構造が形成されることで、カム室15からチェーンケース14への新気21aの漏れはほとんどなくなる。この詳細は後述する。
カム室15の下方にはシリンダブロック10が配置されている。カム室15やチェーンケース14には図示していないオイル供給手段が配置されており、エンジン2の最下部にあるオイルパン11に貯留されたオイルが供給される。
したがって、カム室15の下方に配置されたシリンダブロック10には、オイル落とし穴13が形成されており、カム室15内に供給されたオイルがシリンダブロック10中のオイル落とし穴13を通って、オイルパン11まで落ちる通路が確保されている。本発明のブローバイガス還流構造1では、新気の通路として、カム室15からシリンダブロック10中のオイル落とし穴13を利用して、オイルパン11に至る通路を第2の新気通路27として利用する。もちろん、新気をオイルパン11まで導く他の通路を設けても良い。
オイルパン11は上方に開口した器形状であり、上方に結合されたシリンダブロック10の下方開口部分とでクランク室12を形成している。クランク室12には、クランク軸から回転力を得るチェーンケース14入口が開口している。本発明では、クランク室12に滞留したブローバイガス22は、チェーンケース14を通って、ブローバイガス室25に送られる。したがって、チェーンケース14は、ブローバイガス通路となる。つまり、ブローバイガスが通る通路として、本発明では、ヘッドカバー8内のブローバイガス通路を「ブローバイガス室(25)」とよび、チェーンケース14内をブローバイガスが通過する場合はチェーンケース14を「ブローバイガス通路(28)」と呼ぶ。
以上の構成を有する本発明のブローバイガス還流構造1の動作を説明する。ブローバイガスは、アイドリング時などのようにエンジン回転数の低い場合に多く発生するので、以下の場合は、エンジン回転数が低い場合について主に説明を行う。
エアクリーナ6の直後付近から得られた新気21は、新気管7を通じてヘッドカバー8に送られる。ヘッドカバー8内では、新気管7の接続口7aから入った新気21が、バッフルプレート16とヘッドカバー8とヘッドカバー8内面から下方向に延設された壁によって形成された第1の新気通路17を流れる。バッフルプレート16には、カム室15に向かって貫通孔16cが形成されているので、新気21はカム室15にも流れる。
カム室15に流れた新気21aは、カム室15からオイル落とし穴13で兼用する第2の新気通路27を流れ、クランク室12に至る。一方、カム室15からチェーンケース14に向かう新気21aは、仕切壁16iの直前にある天井の溝形状16hによって流速が急激に減少する。これはカム室15内の断面積が溝形状16hによって仕切壁16iの直前で一気に拡大し、溝形状16hに空気溜りを形成するからである。
すなわち、カム室15から見て、仕切壁16iとその直前の溝形状16hによって、あたかもエアカーテンが存在するように、ほとんどの新気はチェーンケース14に漏洩せず、第2の新気通路27にてクランク室12に進む。
クランク室12内では、ブローバイガス22がたまっているが、クランク室12の上側(シリンダブロック)から流れてくる新気21aに押し出され、なおかつ吸気路(インテークマニホールド)4の負圧に吸引されることで、チェーンケース14側に流れ、チェーンケース14内を上昇する。
チェーンケース14の上部ではバッフルプレート16の高い平板部分16dが天井となっているが、開口部分16eを通じてブローバイガス室25に流れ込む。ブローバイガス室25では、仕切壁16iに隣接する溝形状16hの凹みが逆転して形成される立壁16fがあるために、ブローバイガス室25の断面積は大きく変化しない。
したがってブローバイガス22は、PCVバルブ3から吸引される負圧によって作られる流速で壁に当たってからPCVバルブ3の方向に向きを変える。この際の流速によってブローバイガス22中のオイルはオイル切れされ、ブローバイガス管5を通って吸気路(インテークマニホールド)4に到達する。以上のようにして、クランク室12内のブローバイガス22は新気21と入れ替えられる。
なお、溝形状16hについては、ブローバイガス室25側への立壁16fと、カム室15側の溝形状16hの効果が変わらない限り、その高さ(深さ)は自由に設定することができる。より具体的にいうと、立壁16fは、バッフルプレート16の高い平板部分16dと同じ高さにまでなってもよい(図3(c)参照)。ブローバイガス室25の断面積は変わらないし、カム室15側にもブローバイガス室25側に突出する溝形状16hが形成されているからである。
なお、エンジン回転数が高くなり、吸気路4に正圧が加わった際には、ブローバイガスは、新気管7を通じてエアクリーナ6の下流に返される。この点は、通常のPCV方式のクランクケースブリーザーの動作と同じである。
以上のように本発明のブローバイガス還流構造1は、バッフルプレート16をヘッドカバー8内に載置固定するだけでよく、特別な部品などを要しない。また、バッフルプレート16の取付は、シリンダヘッド9上にバッフルプレート16を載置し、ヘッドカバー8を載せて固定するだけでよいので、組立工程の点からも極めて容易である。
本発明のブローバイガス還流構造1によれば、従来のエンジンにバッフルプレート16を追加するだけで、新たなオイルセパレータボックス等を別途作製する必要なく、新気を効率的に交換できるブローバイガス還流構造を形成することができるので、低コストに寄与する。
本発明は、内燃機関のブローバイガス還流構造について有用である。
1 ブローバイガス還流構造
2 エンジン
3 PCVバルブ
3a 取付孔
4 吸気路(インテークマニホールド)
5 ブローバイガス管
6 エアクリーナ
7 新気管
7a 接続口
8 ヘッドカバー
8a 立壁
9 シリンダヘッド
10 シリンダブロック
11 オイルパン
12 クランク室
13 オイル落とし穴
14 チェーンケース
16 バッフルプレート
16a (点火プラグ用)貫通孔
16b (立壁を受ける)溝
16c (新気が通過する)貫通孔
16d 高い平板部分
16e ブローバイガスの流入口
16f 立壁
16g 立ち上がり部
16h 溝形状
16i 仕切壁
17 第1の新気通路
18a、18b カム軸歯車
19a、19b カムシャフト
20 カム
21、21a 新気
22、22a、22b ブローバイガス
25 ブローバイガス室
28 ブローバイガス通路

Claims (1)

  1. エンジンのヘッドカバーからPCVバルブを介してブローバイガスを吸気路に戻すブローバイガス管と、前記ブローバイガス管と独立に設けられ、新気を前記ヘッドカバーに導入させる新気管を有するPCV方式のブローバイガス還流構造であって、
    前記ヘッドカバー内で前記新気が通る第1の新気通路を形成するバッフルプレートと、
    チェーンケース上部を前記バッフルプレートの一部で塞ぎ、前記バッフルプレートの一部と前記ヘッドカバー上面とで形成され、前記PCVバルブと連通するブローバイガス室と、
    前記新気通路から前記バッフルプレートの下方に配置されたカム室を経て、シリンダブロック内を貫通しクランク室へ通じる第2の新気通路と、
    前記クランク室から前記チェーンケース内を通り、前記ブローバイガス室へ通じるブローバイガス通路と、
    前記バッフルプレートに設けられ、前記カム室と前記チェーンケースとを仕切る仕切壁と、
    前記仕切壁に隣接し、前記ブローバイガス室側に突出する溝形状を設けたことを特徴とするブローバイガス還流構造。
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