以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
本発明の第一実施形態である吐水口キャップ(吐水装置)について図1を参照しながら説明する。図1は、吐水装置としての水栓装置FCを示す斜視図である。水栓装置FCは、洗面器や手洗器やシンク等に取り付けられるものであって、水を溜めたり水を受けたりするためのボウル部に向かって吐水するためのものである。水栓装置FCは、ボウル部の周辺に取り付けられて、水の給水元である水道管と接続される。
水栓装置FCは、立位部B1とスパウト部B2と、吐水ハンドルHLと、吐水口キャップBCとを備えている。立位部B1は、取付面に固定される部分であって、その取付面から垂直若しくは手前側に傾斜した状態で取り付けられて固定される部分である。
立位部B1に繋がるスパウト部B2は、その先端の吐水口から吐水する部分である。スパウト部B2は、立位部B1の上端近傍に略水平方向に沿って突出するように設けられている。
立位部B1の上端には吐水ハンドルHLが設けられている。吐水ハンドルHLを上下に操作することで吐水と止水とを切り替えることができると共に、吐水量も調整可能である。吐水ハンドルHLを左右に操作することで、吐水の温度を変更することも可能である。
続いて、スパウト部B2の吐水口に取り付けられる吐水口キャップBCについて、図2を参照しながら説明する。図2は、図1に示す吐水口キャップBCの中心線CLにおける断面を示す断面斜視図である。図2において、図1に示した中心線CLが沿う方向をy軸方向とし、y軸に直交し紙面に沿った横方向をx軸方向としている。
図2に示されるように、吐水口キャップBCは、第一筒部10(本体部)と、第二筒部20と、減圧部30(減圧板、混入率調整部)と、上絞径部40と、パッキン50と、バネ60と、下絞径部70と、整流部80とを備えている。
第一筒部10は、略円筒形状の部材であって、その円筒形状の内部に、第二筒部20と、減圧部30と、上絞径部40と、パッキン50と、バネ60とを収める本体部として機能している。第一筒部10の図中上端側(y軸方向における負方向の末端側)には、取付ネジ部103が設けられている。取付ネジ部103は、吐水口キャップBCをスパウト部B2の吐水口に取り付けるための雌ネジである。取付ネジ部103の下方(y軸方向における正方向)には、パッキン50が第一筒部10の内壁に沿うように円環状に設けられている。パッキン50は、吐水口キャップBCをスパウト部B2の吐水口に取り付けた場合の漏水防止用の密接部材である。
第一筒部10の取付ネジ部103を、スパウト部B2の吐水口の雄ネジと螺合させて取り付けると、水栓装置FCから供給される水Waは流入口101から供給される。流入口101から本体部としての第一筒部10に入った水Waは、その内部流路(詳細は後述するが、第二筒部20、減圧部30、上絞径部40、下絞径部70、整流部80を通る流路)を通って気泡混入水又は整流水(実質的に気泡が混入されていない水)となって、吐出口102から外部(ボウル部)へと吐出される水Wbとなる。
上絞径部40は、パッキン50の下流側(吐出口102側、y軸方向における正方向)に配置されている。上絞径部40は、帽子の鍔状に外周を構成する円環状の鍔部401と、鍔部401に囲繞され中央を含む領域に形成される環状凸部402とを備えている。
環状凸部402は、鍔部401から上流側(流入口101側、y軸方向における負方向)に突出するように形成されている。環状凸部402の中央を含む領域には、流入穴403が形成されている。流入孔403の内側には減圧部30の減圧板301と当接する突起が形成されており、この当接によって上絞径部40は固定されている。流入口101から入った水は、上絞径部40に当たることで水の圧力変動が減衰され、流入穴403から下流側に流出される。流入穴403から下流側に流出した水は、上絞径部40と減圧部30との間に形成される溜水部404に流入する。
減圧部30は、上絞径部40の下流側に配置されている。減圧部30は、減圧板301と、混入率調整部302とを備えている。
減圧板301は円形板状の部材である。減圧板301には、オリフィスとして機能する複数の噴射孔304が円環状を成すように形成されている。複数の噴射孔304が形成されているのは、溜水部404に相当する位置である。従って、複数の噴射孔304は、上絞径部40の鍔部401によって塞がれないように設けられている。
減圧板301の中央を含む領域には、凹部303が設けられている。凹部303は、減圧板301の上流側の面に形成されている。従って、上絞径部40の流入穴403から下流側に流出した水は、この凹部303によって集約されセンタリングされ、外周方向に広がって、複数の噴射孔304から下流側へと噴射される。
減圧板301の下流側には、混入率調整部302が設けられている。混入率調整部302は、上下動(y軸方向に沿った進退運動)を行うことが可能なように構成されており、その上下動に伴って、後述する空気孔204(開口部)を閉じたり開いたりするように作用する。この作用に着目すれば、混入率調整部302は、内部流路に導入する空気の量を調整し、気泡混入水への気泡の混入率を調整するものとして機能する。
上絞径部40及び減圧部30と、第一筒部10との間には、第二筒部20が設けられている。第二筒部20は、上流側の第一ガイド部201と、下流側の第二ガイド部205とを備えている。
第一ガイド部201の上端(流入口101側の端部、y軸方向における負方向の端部)には、外側突起202が第一筒部10側に向けて突出するように設けられている。外側突起202は、第一筒部10の内側に設けられた係合突起104と係合することで、第一筒部10に対して第二筒部20が所定の位置に位置決めされ保持されるように形成されている。
第一ガイド部201の内側には、混入率調整部302の外周が当接するように配置されている。より具体的には、混入率調整部302の受圧部306が、第一ガイド部201の内側に当接している。混入率調整部302は、受圧部306が第一ガイド部201の内側の壁面に沿って上下方向(y軸に沿った方向)に動くことで、全体として上下方向に動くように構成されている。
第一ガイド部201の下端(吐出口102側の端部、y軸方向における正方向の端部)には、内側突起203が内部流路側に向けて突出するように設けられている。内側突起203は、混入率調整部302の遮蔽壁307の外側面が当接するように配置されている。遮蔽壁307は、内側突起203に当接しながら上下方向(y軸に沿った方向)に動くように構成されている。
第一ガイド部201と第二ガイド部205との間には、内部流路内に空気を導入する空気孔204(開口部)が設けられている。空気孔204は、第一ガイド部201と第二ガイド部205との間において、第二筒部20の全周に渡って散在するように設けられている。空気孔204は、第一ガイド部201の内側突起203の直下に形成されているので、上述した遮蔽壁307の動きによって、閉じたり開かれたりするように構成されている。
第一筒部10と第二筒部20との間には空間が設けられており、空気流路802として形成されている。第一筒部10の下流側端と第二筒部20の下流側端との間は開放されており、空気導入口803として形成されている。空気導入口803から導入された空気は空気流路802を通って空気孔204から内部流路へと導入されている。
第二ガイド部205の内側には、下絞径部70が配置されている。下絞径部70は、縮径テーパー部701と、拡径テーパー部702とを備えた円筒状の部材である。縮径テーパー部701は、拡径テーパー部702よりも上流側に設けられており、上流側から下流側に向けて内部流路を狭めるように形成されている。拡径テーパー部702は、縮径テーパー部701よりも下流側に設けられており、上流側から下流側に向けて内部流路を広げるように形成されている。
縮径テーパー部701の内側側面である傾斜面704は、減圧板301の複数の噴射孔304に対応した位置に形成されている。従って、減圧板301の複数の噴射孔304から噴射された水は、傾斜面704に当たって内側に方向付けられる。
流入口101から水が供給され、減圧板301の複数の噴射孔304から水が噴射されると、下流側から水が溜まって、下絞径部70に相当する位置に気液界面が形成される。この気液界面に、傾斜面704で方向付けられた水流が空気を巻き込みながら突入するので、気泡混入水が生成される。減圧板301の作用によって、減圧板301から下絞径部70の間は負圧になるので、空気孔204から空気が引き込まれ、複数の噴射孔304から噴射される水と共に気液界面に突入する。気液界面への水流の突入によって、気液界面は乱されて、より気泡が混入されやすい状況にもなる。従って、減圧板301から下絞径部70にかけての領域は、気泡混入部703として形成されるものである。
気泡混入部703によって生成された気泡混入水は、第二ガイド部205の下流側に設けられた整流部80の整流格子801によって整流され、吐出口102から外部へと吐出される。
減圧部30と下絞径部70との間には、付勢手段としてのバネ60が配置されている。バネ60は、下絞径部70の縮径テーパー部701の外側を巻回するように配置されると共に、減圧部30の混入率調整部302の内側を巻回するように配置されている。
従って、流入口101から水が供給され、上絞径部40の流入穴403を通って混入率調整部302の受圧部306に水が当たると、混入率調整部302は上流側から下流側に押し下げられる力を受ける。バネ60はこの力に対抗するように配置されているので、遮蔽壁307の動きは、流入口101から所定の流量の水が供給されるまでは動かずに(若しくは動いても空気孔204を遮らない程度に動き)、流入口101から所定の流量を超えた水が供給されると動いて空気孔204を遮蔽するように調整することができる。
また、混入率調整部302の受圧部306は、減圧板301に当接するように構成されている。上述したように、流入口101から水が供給され、上絞径部40の流入穴403を通って混入率調整部302の受圧部306に水が当たると、混入率調整部302は上流側から下流側に押し下げられる力を受ける。従って、受圧部306の動きは、流入口101から所定の流量の水が供給されるまでは動かずに、流入口101から所定の流量を超えた水が供給されると動いて、減圧板301と受圧部306の間にバイパス流路が形成される。
このように受圧部306が動いた状態を図3に拡大して示す。図3は、図2のA部分近傍の拡大図である。図3に示すように、流入口101から所定の流量を超えた水が供給されると動いて、減圧板301と受圧部306の間にバイパス流路308が形成される。流入口101から供給された水は、噴射孔304を通る流路に加えて、バイパス流路308も通るようになるので、噴射孔304から噴射される水の速度が減衰される。また、流入口101から所定の流量を超えた水が供給されると、遮蔽壁307が動いて空気孔204を狭めるので、噴射孔304から噴射される水の速度調整を合わせて、気泡混入部703における気泡の混入率を調整することができる。
上述した吐水口キャップBCを用いて、流入口101に供給される水Waの流量を上げていった場合の気泡混入率と、混入率調整部302が移動しない吐水口キャップを用いた場合の気泡混入率とを比較した図を図4に示す。図4において実施例1とは、吐水口キャップBCを用いたものである。図4において比較例1とは、吐水口キャップBCの混入率調整部302を動かないように固定したものを用いたものである。尚、本実施形態における気泡混入率とは、気泡混入水中の水の体積に対する気泡混入水中の気泡の体積の総和の比率を示すものである。具体的には、気泡混入水を水と気泡(空気)とに分離し、それぞれの体積を測定して算出するものである。
比較例1においては、供給する水の流量を増やしていくと、その増分に比例して気泡の混入率も増加していっている。一方、実施例1においては、所定の流量(約4.2L/min)までは混入率調整部302が移動しないように構成されているので、供給する水の流量を増やしていくと、その増分に比例して気泡の混入率も増加していっている。しかしながら、所定の流量(約4.2L/min)を超えると混入率調整部302が下流側に移動し始めるので徐々に気泡の混入率が抑制される。流量が約5L/min付近で遮蔽壁307によって空気孔204が閉塞されるので気泡の混入率は顕著に抑制される。
上述したように本実施形態の吐水口キャップBC(吐水装置)は、気泡混入水を吐出することが可能な吐水装置であって、水を吐出するための吐出口102と、吐出口102から吐出する水を給水元から流入させるための流入口101と、流入口101から吐出口102に至る内部流路と、が形成された本体部としての第一筒部10を備える。吐水口キャップBCは更に、内部流路を遮るように設けられ、流入口101から流入した水を内部流路の下流側に向けて噴射する複数の噴射孔304が形成された減圧板301と、内部流路内に空気を導入する空気孔204が形成され、この空気孔204から導入された空気を複数の噴射孔304から噴射された水に混入して気泡混入水と成し吐出口102に供給する気泡混入部703と、気泡混入部703において気泡混入水に混入される気泡の混入率を調整する混入率調整部302と、を備える。
気泡混入部703は、複数の噴射孔304から噴射される水によって負圧を発生させ、この負圧の作用によって空気孔204から空気を引き込むように構成されている。混入率調整部302は、流入口101から流入する水が所定流量を超えると、空気孔204の開口面積を減少させると共に、減圧板301よりも下流側に水が至る経路を複数の噴射孔304を通る主流路以外にバイパス流路308として形成する。このように空気孔204を減少させ、バイパス流路308を形成することで、複数の噴射孔304から噴射される水の流速増加を抑制し、混入率の増加を抑制する複合調整動作を実行するように構成されている。
本実施形態に係る吐水口キャップBCでは、気泡混入部703において、複数の噴射孔304から噴射された水に空気孔204から導入された空気を混入して気泡混入水と成して吐出口102から吐出するので、エジェクタ効果を利用して簡便に気泡混入水を生成することができる。
更に、混入率調整部302を備えているので、低流量段階では気泡の混入率の高い気泡混入水を供給することができる。従って、低流量段階でも量感のある吐水が可能となって、気泡が混入していない吐水に比較して少ない水量で食器洗いや手洗いをすることができ、節水に寄与できると共に水跳ねを抑制することもできる。
混入率調整部302は、流入口から流入する水量に応じて、気泡の混入率を維持したり気泡の混入率を低減させたりすることもできる。従って、低流量段階で気泡の混入率を極限まで上げるような設定にしても、そこからの流量の増加に伴って気泡の混入率の増加が抑制され、所定流量を超えた領域においての最適な混入率にすることができる。そのため、使用者がその感覚に従って高流量となるように操作した結果、使用者が意図した水量を大きく超えたと感じるような総量(実際の水量及び気泡量に相当する)の気泡混入水が吐出されることを回避することができる(図4参照)。
更に本実施形態では、吐水への気泡の混入率を確実に制御するために、混入率調整部302が複合調整動作を実行するように構成している。具体的には、混入率調整部302が、流入口101から流入する水が所定流量を超えると、空気孔204の開口面積を減少させると共に、減圧板301よりも下流側に水が至る経路を複数の噴射孔304を通る主流路に加えてバイパス流路308も通るように形成している。このように構成することで、空気の供給量を制限することに加えて、複数の噴射孔304から噴射される水の流速増加を抑制することができ、相乗効果によって混入率の増加を抑制することができる。
上述したように本実施形態によれば、使用者が吐水水量をより微細に調整したり、空気の導入量を手動で調整したりすることなく、低流量段階においても高流量段階においても最適な気泡の混入率とした吐水を享受することができる。従って、使用者が従来の吐水装置と同じ感覚で流量調整をしても、低流量段階では気泡混入率を高めた気泡混入水を吐出することが可能であり、高流量段階では使用者が意図した水量を大きく超えたと感じるような総量の気泡混入水が吐出しないようにすることが可能となる。
また本実施形態に係る吐水口キャップBCでは、混入率調整部302は、減圧板301よりも内部流路における上流側の水圧と減圧板301よりも内部流路における下流側の水圧との圧力差によって、流入口101から吐出口102に向かう主方向(y軸方向)に沿って進退自在に可動するように構成され、圧力差が閾値圧力を越えると、複合調整動作を実行するように構成されている。
このように、減圧板301を挟んで上流側の水圧と下流側の水圧との圧力差が閾値圧力を超えた場合に複合調整動作を行うように構成しているので、流入口101から流入する水量を直接的に測定する手段を設けずに、水圧によって混入率調整部302を作動させるような簡易な構成(バネ60と水圧とのバランス)によって複合調整動作を行うことができる。従って、小型且つ簡易な構成によって、低流量段階では気泡混入率を高めた気泡混入水を吐出することが可能であり、高流量段階では使用者が意図した水量を大きく超えたと感じるような総量の気泡混入水が吐出しないようにすることが可能となる。
また本実施形態では、減圧板301よりも内部流路における上流側に圧力損失を高めるために上絞径部40を設けているので、吐出口102から吐出される水の流速増加を上絞径部40によって確実に低減することができる。
また本実施形態では、バイパス流路308を通る水が複数の噴射孔304を通る水に干渉するように構成されている(図3参照)。このように、バイパス流路308を通る水を複数の噴射孔304を通る水に干渉させることで、複数の噴射孔304を通る水の流速を低減させることができる。従って、バイパス流路308を通る水を有効に活用することができ、バイパス流路308を少なく形成したとしても、確実に複数の噴射孔304を通る水の流速を低減することができる。
上述した吐水口キャップBCでは、バイパス流路308を通った水が、複数の噴射孔304から噴射された水に対して、真横から入り込むように合流しているけれども、バイパス流路308を通った水が、複数の噴射孔304から噴射された水に沿うように合流することも好ましいものである。このようにバイパス流路308を工夫した変形例を図5に示す。
図5に示す吐水口キャップBCaは、吐水口キャップBCの減圧板301及び混入率調整部302を、減圧板301a及び混入率調整部302aに置換したものである。混入率調整部302aの受圧部306aには、減圧板301aに向けた突起部306aaが形成されている。減圧板301aには、突起部306aaが入り込む凹部301aaが形成されている。図6に、凹部301aa及び突起部306aaが形成されたB部分の拡大図を示す。
図6に示すように、凹部301aa及び突起部306aaによって形成されるバイパス流路308aは、入り組んだ形状となる。減圧板301aと混入率調整部302aとが当接した状態では、突起部306aaが凹部301aaの内部に完全に入り込む。従って、減圧板301aと混入率調整部302aとの間に微小な隙間が形成されたとしても、バイパス流路308aを通る水は、突起部306aa及び凹部301aaに方向付けられて、噴射孔304から噴射される水と沿った状態で下流側へ流れる。従って、流入口101から供給される水の量が少ない場合であって、瞬間的な流量変動などで減圧板301aと混入率調整部302aとの間に微小な隙間が形成されたとしても、バイパス流路308aを通る水が噴射孔304から噴射される水を減速させないように構成することができる。
上述した吐水口キャップBC及び吐水口キャップBCaでは、混入率調整部302,302aがy軸方向に沿って進退した場合に、バイパス流路308,308aの流路断面積の変化率と、空気孔204の開口面積の変化率とは同じものとなる。更なる性能の向上を図るためには、混入率調整部302,302aがy軸方向に沿って進退した場合に、空気孔204の開口面積の変化率に対してバイパス流路308,308aの流路断面積の変化率を抑制することが好ましい。この好ましい態様の変形例を図7に示す。
図7に示す吐水口キャップBCbは、吐水口キャップBCの減圧板301及び混入率調整部302を、減圧板301b及び混入率調整部302bに置換したものである。混入率調整部302bの受圧部306bには、減圧板301bに向けた突起部306baが形成されている。減圧板301bには、突起部306baが入り込む凹部301baが形成されている。図8に、凹部301ba及び突起部306baが形成されたC部分の拡大図を示す。
図8に示すように、突起部306baは、混入率調整部302bが移動する主方向であるy軸方向に対して、内側に傾いて形成されている。突起部306baが入り込む凹部301baの内壁であって、突起部306baに対向する内壁は、突起部306baの側壁に沿って傾いている。従って、凹部301ba及び突起部306baによって形成されるバイパス流路308bは、入り組んだ形状となる。減圧板301bと混入率調整部302bとが当接した状態では、突起部306baが凹部301baの内部に完全に入り込む。従って、減圧板301bと混入率調整部302bとの間に微小な隙間が形成されたとしても、バイパス流路308bを通る水は、突起部306ba及び凹部301baに方向付けられて、噴射孔304から噴射される水と沿った状態で下流側へ流れる。従って、流入口101から供給される水の量が少ない場合であって、瞬間的な流量変動などで減圧板301bと混入率調整部302bとの間に微小な隙間が形成されたとしても、バイパス流路308bを通る水が噴射孔304から噴射される水を減速させないように構成することができる。
更に、バイパス流路308b途上の最小流路断面積を形成する部分である突起部306ba及び凹部301baが対向する部分は、主方向であるy軸方向に交わる斜方向に延びる斜壁面と、その斜壁面に対向して形成される対向壁面とによって形成される。本実施形態の場合は、凹部301baの内壁も、突起部306baの側壁も共に斜壁面となるように構成されているけれども、一方の壁が斜めに形成されていれば他方が必ずしも斜めに形成されている必要はない。このように構成すると、突起部306baと凹部301baとが斜壁面と対向壁面として、主方向であるy軸方向に沿って進退することで、バイパス流路308bの最小流路断面積を増加又は減少させるものである。
このように、主方向であるy軸方向に交わる斜方向に延びる斜壁面としての突起部306baの側壁と、その突起部306baの側壁に対向する対向壁面として凹部301baの内壁を形成し、突起部306baの側壁と凹部301baの内壁とが主方向であるy軸方向に沿って進退することで最小流路断面積を増減させているので、主方向における混入率調整部302bの移動量(ストローク量)に対して、最小流路断面積の増減量を少なくすることができる。このように、斜壁面と対向壁面を形成するという簡単な構成で、バイパス流路308bの最小流路断面積を必要以上に増やすことなく、空気の導入量の調整幅を確保することができる。
換言すれば、混入率調整部302bは、複合調整動作において、開口部である空気孔204の開口面積の変化率よりも、バイパス流路308b途上の最小流路断面積の変化率が小さくなるように調整するように構成されるものである。
上述したように、本実施形態では、減圧板301bを挟んで上流側の水圧と下流側の水圧との圧力差が閾値圧力を超えた場合に複合調整動作を行うように構成している。一方で、バイパス流路308bに流れる水量の割合を増やそうと、バイパス流路308bの最小流路断面積を増加させすぎてしまうと、混入率調整部302bの駆動力源である混入率調整部302b周りの圧力差が必要以上に減少してしまう恐れがある。一方で、空気の導入量の調整幅は十分に確保することが、適切な気泡の混入率の吐水を形成するために必要となる。そこで、複合調整動作において、開口部である空気孔204の開口面積の変化率よりも、バイパス流路308b途上の最小流路断面積の変化率が小さくなるように調整することで、混入率調整部302bが主方向であるy軸方向に沿って進退した場合に、バイパス流路308bの最小流路断面積の変化を抑制しつつ、空気孔204を通る空気量を確保するものとしている。このように構成することで、バイパス流路308bの最小流路断面積を必要以上に増やすことなく、空気の導入量の調整幅を確保することができる。
このように、バイパス流路308bの最小流路断面積を必要以上に増やすことなく、空気の導入量の調整幅を確保することができる別の態様として、第二実施形態に係る吐水口キャップBCcを図9〜図12を参照しながら説明する。図9は、本発明の第二実施形態に係る吐水口キャップBCcを示す断面図である。図10は、吐水口キャップBCcを示す断面図である。図11は、図10の拡大断面図である。図12は、図11の状態から更に混入率調整部が移動した状態を示す図である。
図9に示されるように、吐水口キャップBCcは、第一筒部10(本体部)と、第二筒部20と、減圧部30c(減圧板、混入率調整部)と、上絞径部40c(圧損手段)と、パッキン50と、バネ60と、下絞径部70と、整流部80とを備えている。
第一筒部10は、略円筒形状の部材であって、その円筒形状の内部に、第二筒部20と、減圧部30cと、上絞径部40cと、パッキン50と、バネ60とを収める本体部として機能している。第一筒部10の図中上端側(y軸方向における負方向の末端側)には、取付ネジ部103が設けられている。取付ネジ部103は、吐水口キャップBCcをスパウト部B2の吐水口に取り付けるための雌ネジである。取付ネジ部103の下方(y軸方向における正方向)には、パッキン50が第一筒部10の内壁に沿うように円環状に設けられている。パッキン50は、吐水口キャップBCcをスパウト部B2の吐水口に取り付けた場合の漏水防止用の密接部材である。
第一筒部10の取付ネジ部103を、スパウト部B2の吐水口の雄ネジと螺合させて取り付けると、水栓装置FCから供給される水Waは流入口101から供給される。流入口101から本体部としての第一筒部10に入った水Waは、その内部流路(詳細は後述するが、第二筒部20、減圧部30c、上絞径部40c、下絞径部70、整流部80を通る流路)を通って気泡混入水又は整流水(実質的に気泡が混入されていない水)となって、吐出口102から外部(ボウル部)へと吐出される水Wbとなる。
上絞径部40cは、パッキン50の下流側(吐出口102側、y軸方向における正方向)に配置されている。上絞径部40cは、中央に流入穴403cが形成された円環部402cと、円環部402cの最も外側において減圧部30c側に円筒状に延出する外壁部405cと、外壁部405cよりも内側において減圧部30c側に円筒状に延出する内壁部406cとを備えている。外壁部405cと内壁部406cとの間において、円環部402cにはバイパス孔401cが形成されている。
上絞径部40cの外壁部405cは、第二筒部20に内接するように配置され、第二筒部20の第一ガイド部201に沿って摺動するように構成されている。上絞径部40cは、外壁部405cが第二筒部20の内側突起203に当接するまで下降することができる。このように、上絞径部40cが下降することで、減圧板301cとの間の空間を狭めることができる。従って、減圧板301cに形成されている噴射孔304に至る主流路の圧力損失のみを高め、噴射孔304を通る水量の増加を抑制することができる。
流入口101から入った水は、上絞径部40cに当たることで水の圧力変動が減衰され、流入穴403cから下流側に流出される。流入穴403cから下流側に流出した水は、上絞径部40cと減圧部30cとの間に形成される溜水部404cに流入する。流入口101から入った水の一部は、上述したバイパス孔401cを通って減圧部30c側に流れる。
減圧部30cは、上絞径部40cの下流側に配置されている。減圧部30cは、減圧板301cと、混入率調整部302cとを備えている。
減圧板301cは円形板状の部材である。減圧板301cには、オリフィスとして機能する複数の噴射孔304が円環状を成すように形成されている。複数の噴射孔304が形成されているのは、溜水部404cに相当する位置である。
減圧板301cの中央を含む領域には、凹部303が設けられている。凹部303は、減圧板301cの上流側の面に形成されている。従って、上絞径部40cの流入穴403cから下流側に流出した水は、この凹部303によって集約されセンタリングされ、外周方向に広がって、複数の噴射孔304から下流側へと噴射される。
減圧板301cの下流側には、混入率調整部302cが設けられている。混入率調整部302cは、上下動(y軸方向に沿った進退運動)を行うことが可能なように構成されており、その上下動に伴って、後述する空気孔204(開口部)を閉じたり開いたりするように作用する。この作用に着目すれば、混入率調整部302cは、内部流路に導入する空気の量を調整し、気泡混入水への気泡の混入率を調整するものとして機能する。上述したように本実施形態では、上絞径部40cが下降することで減圧板301cとの間の空間を狭め、噴射孔304を通る水量の増加を抑制するものとしているので、混入率調整部302cと合わせて本発明に係る混入率調整部としての機能を果たしている。このように構成することで、噴射孔304を通した圧力の抜けを抑制することができ、第一実施形態に比較して混入率調整部302cのストローク量をより多く確保することができる。
上絞径部40c及び減圧部30cと、第一筒部10との間には、第二筒部20が設けられている。第二筒部20は、上流側の第一ガイド部201と、下流側の第二ガイド部205とを備えている。
第一ガイド部201の上端(流入口101側の端部、y軸方向における負方向の端部)には、外側突起202が第一筒部10側に向けて突出するように設けられている。外側突起202は、第一筒部10の内側に設けられた係合突起104と係合することで、第一筒部10に対して第二筒部20が所定の位置に位置決めされ保持されるように形成されている。
第一ガイド部201の下端(吐出口102側の端部、y軸方向における正方向の端部)には、内側突起203が内部流路側に向けて突出するように設けられている。内側突起203は、混入率調整部302cの遮蔽壁307cの外側面が当接するように配置されている。遮蔽壁307cは、内側突起203に当接しながら上下方向(y軸に沿った方向)に動くように構成されている。
第一ガイド部201と第二ガイド部205との間には、内部流路内に空気を導入する空気孔204(開口部)が設けられている。空気孔204は、第一ガイド部201と第二ガイド部205との間において、第二筒部20の全周に渡って散在するように設けられている。空気孔204は、第一ガイド部201の内側突起203の直下に形成されているので、上述した遮蔽壁307cの動きによって、閉じたり開かれたりするように構成されている。
第一筒部10と第二筒部20との間には空間が設けられており、空気流路802として形成されている。第一筒部10の下流側端と第二筒部20の下流側端との間は開放されており、空気導入口803として形成されている。空気導入口803から導入された空気は空気流路802を通って空気孔204から内部流路へと導入されている。
第二ガイド部205の内側には、下絞径部70が配置されている。下絞径部70は、縮径テーパー部701と、拡径テーパー部702とを備えた円筒状の部材である。縮径テーパー部701は、拡径テーパー部702よりも上流側に設けられており、上流側から下流側に向けて内部流路を狭めるように形成されている。拡径テーパー部702は、縮径テーパー部701よりも下流側に設けられており、上流側から下流側に向けて内部流路を広げるように形成されている。
縮径テーパー部701の内側側面である傾斜面704は、減圧板301cの複数の噴射孔304に対応した位置に形成されている。従って、減圧板301cの複数の噴射孔304から噴射された水は、傾斜面704に当たって内側に方向付けられる。
流入口101から水が供給され、減圧板301cの複数の噴射孔304から水が噴射されると、下流側から水が溜まって、下絞径部70に相当する位置に気液界面が形成される。この気液界面に、傾斜面704で方向付けられた水流が空気を巻き込みながら突入するので、気泡混入水が生成される。減圧板301cの作用によって、減圧板301cから下絞径部70の間は負圧になるので、空気孔204から空気が引き込まれ、複数の噴射孔304から噴射される水と共に気液界面に突入する。気液界面への水流の突入によって、気液界面は乱されて、より気泡が混入されやすい状況にもなる。従って、減圧板301cから下絞径部70にかけての領域は、気泡混入部703として形成されるものである。
気泡混入部703によって生成された気泡混入水は、第二ガイド部205の下流側に設けられた整流部80の整流格子801によって整流され、吐出口102から外部へと吐出される。
減圧部30cと下絞径部70との間には、付勢手段としてのバネ60が配置されている。バネ60は、下絞径部70の縮径テーパー部701の外側を巻回するように配置されると共に、減圧部30cの混入率調整部302cの内側を巻回するように配置されている。
従って、流入口101から水が供給され、上絞径部40cの流入穴403cを通って混入率調整部302cの受圧部306cに水が当たると、混入率調整部302cは上流側から下流側に押し下げられる力を受ける。バネ60はこの力に対抗するように配置されているので、遮蔽壁307cの動きは、流入口101から所定の流量の水が供給されるまでは動かずに(若しくは動いても空気孔204を遮らない程度に動き)、流入口101から所定の流量を超えた水が供給されると動いて空気孔204を遮蔽するように調整することができる。
混入率調整部302cの受圧部306cには、減圧板301cに向けた第一突起部306ca(第一部分)と、第一突起部306caに繋がって減圧板301cに向かう第二突起部306cb(第二部分)とが形成されている。減圧板301cには、第一突起部306ca及び第二突起部306cbが入り込む凹部301caが形成されている。
第一突起部306caは、混入率調整部302cが移動する主方向であるy軸方向に対して、内側に傾いて形成されている。第二突起部306cbは、混入率調整部302cが移動する主方向であるy軸方向に沿うように直立して形成されている。第一突起部306ca及び第二突起部306cbが入り込む凹部301caの内壁であって、第一突起部306ca及び第二突起部306cbに対向する内壁は、混入率調整部302cが移動する主方向であるy軸方向に沿うように直立して形成されている。従って、凹部301caと第一突起部306ca及び第二突起部306cbによって形成されるバイパス流路308cは、入り組んだ形状となる。減圧板301cと混入率調整部302cとが当接した状態では、第一突起部306ca及び第二突起部306cbが凹部301caの内部に完全に入り込む。従って、減圧板301cと混入率調整部302cとの間に微小な隙間が形成されたとしても、バイパス流路308cを通る水は、第一突起部306ca及び第二突起部306cbと凹部301caとに方向付けられて、噴射孔304から噴射される水と沿った状態で下流側へ流れる。従って、流入口101から供給される水の量が少ない場合であって、瞬間的な流量変動などで減圧板301cと混入率調整部302cとの間に微小な隙間が形成されたとしても、バイパス流路308cを通る水が噴射孔304から噴射される水を減速させないように構成することができる。
更に、バイパス流路308c途上の最小流路断面積を形成する部分である第一突起部306ca及び凹部301caが対向する部分は、主方向であるy軸方向に交わる斜方向に延びる斜壁面と、その斜壁面に対向して形成される対向壁面とによって形成される。本実施形態の場合は、凹部301caの内壁は直立させ、第一突起部306caの側壁は斜壁面となるように構成されている。このように構成すると、第一突起部306caと凹部301caとが斜壁面と対向壁面として、主方向であるy軸方向に沿って進退することで、バイパス流路308cの最小流路断面積を増加又は減少させるものである。
混入率調整部302cがやや下降した状態を図10に示す。図10に示すように、混入率調整部302cが下降すると、第一突起部306ca及び第二突起部306cbと凹部301caとの間にバイパス流路308cが形成される。この状態を図11に拡大して示す。図11に示すように、凹部301caの外側壁下端が第一突起部306caと対向している間は、バイパス流路308cの最小流路断面積はその部分で形成され、混入率調整部302cの下降に伴って一定の変化率で拡大する。続いて、凹部301caの外側壁下端が第二突起部306cbと対向する位置まで移動すると、バイパス流路308の最小流路断面積はその部分で形成され、混入率調整部302cが下降しても一定の断面積を維持する。
混入率調整部302cが更に下降すると、図12に示す状態となる。図12に示す状態では、遮蔽壁307cによって空気孔204が略完全に閉塞され、空気孔204から空気が通らない状態となる。また、バイパス孔401cからバイパス流路308cを通った水は、噴射孔304を通って噴射される水と干渉するように供給され続ける。
このように吐水口キャップBCcでは、バイパス流路308c途上の最小流路断面積を形成する部分は、流路断面積の変化率が一定となるように流路断面積を変化させる第一部分としての第一突起部306caが形成された部分と、流路断面積が変形しないように構成された第二部分としての第二突起部306cbが形成された部分とのいずれかによって構成されるものである。第一部分は、主方向であるy軸方向に交わる斜方向に伸びる斜壁面を有する第一突起部306caと、その斜壁面に対向して形成される対向壁面を有する凹部301caとによって形成され、斜壁面と対向壁面とが主方向に沿って進退することで、流路断面積が増加又は減少するように構成される。また、第二部分は、主方向であるy軸に沿って伸びる一対の並行壁面である第二突起部306cbと凹部301caとによって形成され、一対の並行壁面が主方向に沿って移動することで、流路断面積が一定に保たれるように構成される。このような構成によって、第一部分における最も広い流路断面積が、第二部分における流路断面積と同一となり、連続的に変化するように構成される。
このように、最小流路断面積を構成する部分を、定率変化域に対応させた第一部分と、無変化域に対応させた第二部分とのいずれかで構成することで、流入口101から流入する水の流量の大きな変動に対応するものとしている。従って、斜壁面と対向壁面を有する第一部分と、一対の並行壁面を有する第二部分とを形成するという簡易な構成で、流入口101から流入する水量が極めて大きく変動したとしても、混入率調整部302cの駆動を確保することができる。
吐水口キャップBCcでは、このような構成を採用することで、混入率調整部302cは、複合調整動作において、空気孔204の開口面積は変化率が一定となるように変化させる一方で、バイパス流路308c途上の最小流路断面積は、流路断面積の変化率が一定となる定率変化域と流路断面積が変化しない無変化域とが連続するように変化させ、バイパス流路308cを通る水量が閾値水量を超えないように調整している。
吐水口キャップBCcでは、減圧板301cを挟んで上流側の水圧と下流側の水圧との圧力差が閾値圧力を超えた場合に複合調整動作を行うように構成している。一方で、一方で、バイパス流路308cに流れる水量の割合を増やそうと、バイパス流路308cの最小流路断面積を増加させすぎてしまうと、混入率調整部302cの駆動力源である混入率調整部302c周りの圧力差が必要以上に減少してしまう恐れがある。そこで上述したように、バイパス流路308c途上の最小流路断面積を、定率変化域と無変化域とが連続するように変化させている。このように構成することで、流入口101から流入する水量が極めて大きく変動したとしても、無変化域でその変動の一部を吸収することができ、混入率調整部302cの駆動を確保することができる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。