JP2014180387A - シャワー装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 低水圧低水量であっても高い量感を感じることができるシャワー装置を提供すること。
【解決手段】 気泡混入水を吐出するシャワー装置であって、水を供給する給水部と、前記給水部の下流側に設けられ、前記給水部よりも流路断面積を減少させ、通過する水の流速を高めて噴射水流として下流側に噴射する絞り部と、前記絞り部の下流側に設けられ、空気を導入する空気導入口を有するとともに、前記空気導入口から導入された空気を前記噴射水流に混入させて気泡混入水を生成する空気混入部と、前記空気混入部の下流側に設けられ、前記気泡混入水を吐出するための複数の散水孔が前記絞り部から噴射される前記噴射水流の噴射方向に沿って配列された吐水部と、前記散水孔は、出口部の流路断面積よりも入口部の流路断面積が大きくなるよう形成されており、前記散水孔の内部には、前記気泡混入水の通過によって旋回流が形成されるのを防止する旋回流防止リブが設けられていることを特徴とする。
【選択図】 図4
【解決手段】 気泡混入水を吐出するシャワー装置であって、水を供給する給水部と、前記給水部の下流側に設けられ、前記給水部よりも流路断面積を減少させ、通過する水の流速を高めて噴射水流として下流側に噴射する絞り部と、前記絞り部の下流側に設けられ、空気を導入する空気導入口を有するとともに、前記空気導入口から導入された空気を前記噴射水流に混入させて気泡混入水を生成する空気混入部と、前記空気混入部の下流側に設けられ、前記気泡混入水を吐出するための複数の散水孔が前記絞り部から噴射される前記噴射水流の噴射方向に沿って配列された吐水部と、前記散水孔は、出口部の流路断面積よりも入口部の流路断面積が大きくなるよう形成されており、前記散水孔の内部には、前記気泡混入水の通過によって旋回流が形成されるのを防止する旋回流防止リブが設けられていることを特徴とする。
【選択図】 図4
Description
本発明は、気泡混入水を吐出するシャワー装置に関する。
少ない水量であっても高い量感(水滴の径が大きい)を確保するために、水に空気を混入させた気泡混入水を吐出するシャワー装置が知られている。例えば、特許文献1に記載されているシャワー装置は、絞り部から噴射される噴射水流の噴射方向を下流側へ延伸させた噴射水仮想直線が、空気混入部及び散水部を構成する内壁面と衝突することがないよう構成されている。この構成により、絞り部より噴射された噴射水流は、内壁と衝突することなく散水部から吐出されるため、シャワー装置内の圧力損失を小さくすることができ、低水圧の現場であっても、空気混入量を多くできるものである。
しかしながら、特許文献1に記載されているようなシャワー装置の場合、絞り部より噴射された噴射水流が減速することなく散水部に到達する(散水部の圧力が低い)ため、散水孔から気泡混入水が吐出され難いという課題がある。上述した課題を解決するために、本発明者らは、散水孔における出口部の流路断面積よりも入口部の流路断面積が大きくなるよう形成して散水孔内の通水抵抗を小さくすることで、気泡混入水が散水孔に流入しやすくなるよう工夫した。
しかしながら、散水孔における出口部の流路断面積よりも入口部の流路断面積が大きくなるよう形成することで、散水孔内を通過する気泡混入水が旋回流となってしまい、その旋回流による水流の乱れによって吐出後の気泡混入水が細かくせん断され、人体に着水する際の水滴が小さくなってしまうという新たな課題が発生した。
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、絞り部から噴射される噴射水流を内壁面と大きく衝突させることなく吐出させる圧力損失の小さい方式のシャワー装置において、散水孔における出口部の流路断面積よりも入口部の流路断面積が大きくなるよう形成して気泡混入水が散水孔に流入しやすくした場合であっても、旋回流による水流の乱れによって吐出後の気泡混入水が細かくせん断されることを防止できるシャワー装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明に係るシャワー装置は、気泡混入水を吐出するシャワー装置であって、水を供給する給水部と、前記給水部の下流側に設けられ、前記給水部よりも流路断面積を減少させ、通過する水の流速を高めて噴射水流として下流側に噴射する絞り部と、前記絞り部の下流側に設けられ、空気を導入する空気導入口を有するとともに、前記空気導入口から導入された空気を前記噴射水流に混入させて気泡混入水を生成する空気混入部と、前記空気混入部の下流側に設けられ、前記気泡混入水を吐出するための複数の散水孔が前記絞り部から噴射される前記噴射水流の噴射方向に沿って配列された吐水部と、前記散水孔は、出口部の流路断面積よりも入口部の流路断面積が大きくなるよう形成されており、前記散水孔の内部には、前記気泡混入水の通過によって旋回流が形成されるのを防止する旋回流防止リブが設けられている。
本発明によれば、気泡混入水を吐出するための複数の散水孔が絞り部から噴射される噴射水流の噴射方向に沿って配列されているため、絞り部から噴射される噴射水流を空気混入部や散水部を構成する内壁面と大きく衝突させることなく散水孔に到達させることができるため、シャワー装置内の圧力損失を極めて小さくすることができ、低水圧の現場であっても、空気混入量を多くすることができる。
また、散水孔は出口部の流路断面積よりも入口部の流路断面積が大きくなるよう形成されているため、絞り部より噴射された噴射水流が減速することなく(圧力が低い状態で)散水部に到達する方式のシャワー装置においても、気泡混入水を散水孔に流入しやすくすることができる。
また、散水孔の内部には、気泡混入水の通過によって旋回流が形成されるのを防止する旋回流防止リブが設けられているため、旋回流防止リブによって散水孔内部での旋回流の発生を防止でき、吐出後の気泡混入水が細かくせん断されることを防止できる。これにより、人体着水時の水滴を極めて大きくすることができ、より高い量感を確保することが実現できる。
また本発明に係るシャワー装置では、前記旋回流防止リブは、前記出口部には干渉しないよう設けられていることが好ましい。
本発明によれば、旋回流防止リブが出口部に干渉しないよう設けられているため、旋回流防止リブによる水流の乱れを出口部で整えた後に気泡混入水を吐出することができる。これにより、水流の乱れによって吐出後の気泡混入水が細かくせん断されることをより防止できるため、人体着水時の水滴をより大きくすることができ、更に高い量感を確保することが実現できる。
また本発明に係るシャワー装置では、前記旋回流防止リブは、前記入口部から前記出口部に向かうに従って当該旋回流防止リブの突出量が徐々に小さくなるよう構成されていることが好ましい。
本発明によれば、旋回流防止リブが入口部から出口部に向かうに従って当該旋回流防止リブの突出量が徐々に小さくなるよう構成されているため、旋回流防止リブによって散水孔内部での旋回流の発生を確実に防止しながら、旋回流防止リブによる水流の乱れを出口部に向けて円滑に整えることができる。これにより、水流の乱れによって吐出後の気泡混入水が細かくせん断されることをより確実に防止できるため、人体着水時の水滴をより大きくすることができ、更に高い量感を確保することが実現できる。
また本発明に係るシャワー装置では、前記複数の散水孔のうち前記絞り部に近い側を前列側散水孔群とし、前記絞り部から遠い側を後列側散水孔群とした際に、前記旋回流防止リブの突出量は、前記後列側散水孔群よりも前記前列側散水孔群の方が小さく形成されていることが好ましい。
本発明者らの検討の結果、散水孔全体において同様の旋回流が発生するのではなく、後列側散水孔群に旋回流が生じ易いとの知見を見出した。これは、後列側散水孔群の下流側に存在する壁面に噴射水流が衝突して戻ってきた水流が後列側散水孔群に流入するためであると考えられる。一方、前列側散水孔群は、後列側散水孔群に比べて旋回流が生じ難いため、後列側散水孔群と同じ突出量の旋回流防止リブを設けてしまうと、旋回流防止リブによって不必要な水流の乱れが発生させてしまうことになる。本発明によれば、旋回流防止リブの突出量が後列側散水孔群よりも前列側散水孔群の方が小さく形成されているため、旋回流防止リブによる不必要な水流の乱れを防止することができる。
本発明によれば、絞り部から噴射される噴射水流を内壁面と大きく衝突させることなく吐出させる圧力損失の小さい方式のシャワー装置において、散水孔における出口部の流路断面積よりも入口部の流路断面積が大きくなるよう形成して気泡混入水が散水孔に流入しやすくした場合であっても、旋回流による水流の乱れによって吐出後の気泡混入水が細かくせん断されることを防止できるシャワー装置を提供することができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
本発明の第一実施形態であるシャワー装置について図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の第一実施形態に係るシャワー装置F1を示す図であって、図1の(A)は平面図を示し、図1の(B)は側面図を示し、図1の(C)は下面図を示している。図1の(A)に示されるように、シャワー装置F1は主に略直方体を成す本体2によって構成されており、シャワー装置F1(本体2)の上面2aには開口231が形成されている。図1の(B)に示されるように、シャワー装置F1の上面2aと対向する下面2bには複数の散水突起242が設けられている。各散水突起242には散水孔243が形成されている。図1の(C)に示されるように、本体2の下面2bには複数の散水突起242が設けられている。本実施形態の場合、散水突起242は7行×5列に35個形成されている。
続いて、図1の(B)のA−A断面図である図2を参照しながらシャワー装置F1について説明を加える。図2に示されるように、シャワー装置F1は、給水部21と、絞り部22と、空気混入部23と、散水部24とを備えている。
給水部21は、水を供給するための部分であって、給水口21dから導入した水を絞り部22へと供給する部分である。給水口21dには図示しない給水手段(給水ホース等)が接続可能であって、その給水手段から供給される水が給水部21から絞り部22へと供給される。給水部21は、水の進行方向に沿うように本体2の一部分としての側壁21e及び側壁21fを有しており、側壁21eと側壁21fとは互いに平行になるように配置されている。
絞り部22は、給水部21の下流側に設けられており、給水部21よりも流路断面積を減少させ、通過する水を下流側に噴射するための部分である。絞り部22は、水の進行方向に沿うように本体2の一部分としての側壁22e及び側壁22fを有しており、側壁22eと側壁22fとは互いに平行になるように配置されている。絞り部22には、複数の絞り流路221が設けられている。絞り流路221は、側壁22eから側壁22fに向う方向に沿って一つの段において一列を形成するように並設されている。
空気混入部23は、絞り部22の下流側に設けられており、絞り部22を通って噴射される水に空気を混入させて気泡混入水と成すための開口231が形成されている部分である。空気混入部23は、水の進行方向に沿うように本体2の一部分としての側壁23e及び側壁23fを有しており、側壁23eと側壁23fとは互いに平行になるように配置されている。
散水部24は、空気混入部23の下流側に設けられており、気泡混入水を吐出するための複数の散水孔243が形成されている部分である。散水孔243は、本体2に取り付けられる散水部材241に形成されている。散水部材241には、散水突起242が設けられており、本体2に形成されている孔(図に明示せず)を散水突起242が貫通して外部に露出している。
図2に示すように、給水部21を構成する側壁21eと、絞り部22を構成する側壁22eと、空気混入部23を構成する側壁23eと、散水部24を構成する側壁24eとは同一面上に位置するように配置されている。同様に、給水部21を構成する側壁21fと、絞り部22を構成する側壁22fと、空気混入部23を構成する側壁23fと、散水部24を構成する側壁24fとは同一面上に位置するように配置されている。
続いて、図1の(A)のB−B断面側から見た断面斜視図である図3を参照しながらシャワー装置F1について説明を加える。図3に示されるように、給水部21は、側壁21eと側壁21fとを繋ぐ側壁21b及び側壁21cを有している。側壁21b及び側壁21cは、水が進行する方向に直交する方向に沿った長さが、側壁21e及び側壁21fよりも長くなるように形成されている。従って、給水部21は流路断面が扁平形状となるように形成されている。給水部21と絞り部22との境界部分には、前壁面21aが設けられていて、側壁21e,21f,21b,21cは前壁面21aに繋がっている。前壁面21aは、側壁21bから側壁21cに延びる部分と、側壁21cから側壁21bに延びる部分とで構成されている。
前壁面21aを下流側に越えた領域には絞り部22が設けられている。絞り部22は、側壁22eと側壁22fとを繋ぐ側壁22b及び側壁22cを有している。側壁22b及び側壁22cは、水が進行する方向に直交する方向に沿った長さが、側壁22e及び側壁22fよりも長くなるように形成されている。従って、絞り部22の側壁22b,22c,22e,22fで囲まれた流路断面は扁平形状となるように形成されている。絞り部22と空気混入部23との境界部分には仕切壁22aが設けられていて、側壁22e,22f,22b,22cは仕切壁22aに繋がっている。仕切壁22aには、複数の貫通孔が穿たれており、それによって複数の絞り流路221が形成されている。このとき、絞り流路221は、仕切壁22aを挟む流路断面において均一に配置されている。
仕切壁22aを下流側に越えた領域には空気混入部23が設けられている。空気混入部23は、側壁23eと側壁23fとを繋ぐ側壁23b、側壁23eと側壁23fとを繋ぐ側壁であって側壁23bと対向し相対的に側壁23bから遠い位置に配置されている側壁23c、側壁23eと側壁23fとを繋ぐ側壁であって側壁23bと対向し相対的に側壁23bに近い位置に配置されている側壁23dを有している。側壁23cは散水部24側に、側壁23dは絞り部22側に、それぞれ配置されており側壁23cと側壁23dとを繋ぐ段差部23gが形成されている。側壁23b,23c,23dは、水が進行する方向に直交する方向に沿った長さが、側壁23e及び側壁23fよりも長くなるように形成されている。従って、空気混入部23は流路断面が扁平形状となるように形成されている。
側壁23cよりも下流側の領域には散水部24が設けられている。散水部24は、側壁24eと側壁24fとを繋ぐ側壁であって、空気混入部23の側壁23bと同一面を形成する側壁24bを有している。更に散水部24は、側壁24eと側壁24fとを繋ぐ側壁であって、空気混入部23の側壁23cよりも一段後退した面を形成する側壁24cを有している。側壁24b,24c,24e,24dは、給水口21dと対向するように位置し流路の末端として機能する奥側の側壁24aに繋がっている。更に散水部24は、側壁24bと対向する本体2の部分に、側壁24cと当接するように配置される散水部材241を有している。散水部材241は、本体2に設けられた凹部に嵌め込まれており、側壁24bに対向する面は空気混入部23の側壁23cと同一面を形成するように構成されている。散水部材241は上述したように散水突起242を有しており、散水突起242の先端部分が本体2から突出するように本体2に対して取り付けられている。各散水突起242には散水孔243が形成されており、散水孔243は、絞り部に近い側の前列側散水孔群243aと、中間散水孔群243bと、絞り部から遠い側の後列側散水孔群243cからなり、243bの内部には旋回流防止リブLbが、243cの内部には旋回防止リブLcが設けられている。旋回流防止リブLb,Lcの詳細は後述する。
続いて、シャワー装置F1内部の水の流れについて図4を参照しながら説明する。図4は、図1の(A)のB−B断面を簡略化して示す図であって、シャワー装置F1に水を供給した際の内部の水の状態を示す図である。
図4に示すように、給水部21に給水手段(図示しない)から水が所定圧力以上で供給されると、絞り部22に形成された絞り流路221を通って下流側に噴射される。絞り流路221から下流側の空気混入部23及び散水部24に噴射された水は、空気混入部23の側壁23b,23c,23d,23e,23f及び散水部24の側壁24b,24c,24d,24eと干渉しないように、最も遠くに位置する散水孔243までその噴射水仮想直線BW1が延びている。噴射水仮想直線BW1は、絞り部22から噴射される水の噴射方向を延伸させた仮想的な直線である。
このように絞り部22から水が噴射されると、散水部24及び空気混入部23の少なくとも一部に一時的に水が溜まり、その溜まった水と空気との界面である気液界面BW3が形成される。従って、噴射水仮想直線BW1に沿って噴射された水が気液界面BW3から溜まった水に対して突入し、空気混入部23に存在する空気を巻き込んで気泡混入水BWが生成される。気泡混入水BWは各水流BW2に分かれて各散水孔243から外部に吐出される。空気混入部23には開口231が形成されているので、噴射水仮想直線BW1に沿って噴射された水が気液界面BW3から溜まった水に対して突入し、空気混入部23に存在する空気を巻き込んでも、空気が常に供給される状態を維持することができる。
このように本発明の第一実施形態は、水を供給するための給水部21と、給水部21の下流側に設けられ、給水部21よりも流路断面積を減少させ、通過する水を下流側に噴射するための絞り部22と、絞り部22の下流側に設けられ、絞り部22を通って噴射される水に空気を混入させて気泡混入水BWと成すための開口231が形成されている空気混入部23と、空気混入部23の下流側に設けられ、気泡混入水BWを吐出するための複数の散水孔243が形成されている散水部24と、を備え、絞り部22から噴射される水の噴射方向を延伸させた噴射水仮想直線BW1が、空気混入部23及び散水部24を構成する内壁(側壁23b,23c,23d,23e,23f、側壁24b,24c,24e,24f、散水部材241)と干渉することなく散水孔243が形成された位置まで到達し、絞り部22から噴射される水が空気混入部23及び散水部24を構成する内壁(側壁23b,23c,23d,23e,23f、側壁24b,24c,24e,24f、散水部材241)によってはその進行方向が変えられずに散水孔243の入口に到達することで、空気を混入させた気泡混入水BWを吐出するシャワー装置F1を提供するものである。
本実施形態においては、給水部21から供給される水が絞り部22を通って空気混入部23及び散水部24に向けて噴射され、空気混入部23及び散水部24に一時的に貯留された水が散水部23の複数の散水孔243から外部へと吐出される。絞り部22を通って噴射される水は、空気混入部23に形成されている開口231から取り込まれた空気を伴って、空気混入部23及び散水部24に一時的に貯留された水と空気との気液界面BW3に突入することで気泡混入水BWとなり、散水部24の複数の散水孔243から散水される。
本実施形態の場合、絞り部22から噴射される水の噴射方向を延伸させた噴射水仮想直線BW1が、空気混入部23及び散水部24を構成する内壁と干渉することなく散水孔243が形成された位置まで到達するように構成されているので、絞り部22から噴射される水は空気混入部23及び散水部24を構成する内壁によってはその流れが乱されることなく散水孔243が形成された位置まで到達する。すなわち、絞り部22から噴射される水は散水孔が形成された散水面に沿って噴射されており、気泡混入水はその流れが撹拌されることなく散水孔から順次吐出されていく。
絞り部22を通って噴射された水が気液界面BW3に突入して気泡混入水BWとなる段階では、気泡混入水BW中の気泡は略均一な径となるように構成できるので、気泡混入水BWはその略均一な気泡径のまま散水孔243が形成された位置まで到達することができる。図5に、略均一な気泡径のままの気泡混入水BWが生成されている様子を示す。
このように略均一な気泡径の気泡を含む気泡混入水BWが散水孔243に供給されると、散水孔243内及び散水孔243から吐出された直後において気泡流又はスラグ流を形成することができる。このように略均一な気泡径の気泡を含み気泡流又はスラグ流として形成される気泡混入水BWが散水孔243から吐出されると、環状流のようにミスト化することなく、吐出方向と略直交する方向にせん断されて略均一に粒化される。図6及び図7に、略均一な気泡径のままの気泡混入水BWが散水孔243から吐出された状態の一例を示す。図6に示す例は、比較的小さな気泡の気泡混入水BWを散水孔243から吐出した例を示す図であって、散水孔243内及び散水孔243から吐出された直後において気泡流が形成されている例である。図7に示す例は、散水孔243の孔径と略同等の比較的大きな気泡の気泡混入水BWを散水孔243から吐出した例を示す図であって、散水孔243内及び散水孔243から吐出された直後においてスラグ流が形成されている例である。
図6及び図7に示すように、本実施形態に係るシャワー装置F1によれば、比較的大きく均一な粒径に粒化された水滴が連続して使用者に着水し、使用者は大粒の雨を浴びているような量感のある浴び心地のシャワーを享受することができる。
また本実施形態に係るシャワー装置F1では、絞り部22は、複数の絞り流路221が並設されることで構成されている。このように複数の絞り流路221を並設することで絞り部22を構成しているので、複数の絞り流路221から噴射される水が並行して気液界面BW3に突入し、空気混入部23及び散水部24に一時的に貯留された水を気泡混入水BWと成している。従って、隣接する絞り流路221から噴射された水によって気泡が生成される場合、その突入する水によって形成される水流同士が影響を及ぼし、互いが生成する気泡を引きちぎり、生成される気泡の気泡径を小さくする効果を発揮する。このように略均一であって比較的小径の気泡を含む気泡混入水を散水孔に送り込むことで、上述したような作用効果を発揮させることができ、使用者は大粒の雨を浴びているような量感のある、より良い浴び心地のシャワーを享受することができる。
また本実施形態に係るシャワー装置F1では、空気混入部23及び散水部24それぞれの、複数の絞り流路221それぞれから噴射される水の噴射方向に直交する断面の形状が、複数の絞り流路221が並設されている方向が長手方向となるような扁平形状に形成されている。このように、空気混入部23及び散水部24それぞれの断面形状が、複数の絞り流路221が並設されている方向(横方向)が長手方向となるような扁平形状に形成されているので、複数の絞り流路221が並設されている方向(横方向)に直交する方向(縦方向)は狭くなるように形成され、複数の絞り流路221が並設されている方向(横方向)は広くなるように形成されている。
従って、複数の絞り流路221が並設されている方向(横方向)に直交する方向(縦方向)において気泡混入水BWが拡散し難くなっており、結果として気泡混入水BW内の気泡もその方向には拡散し難いように構成されている。そのため、空気混入部23及び散水部24それぞれの断面形状を複数の絞り流路221が並設されている方向(横方向)において広げることで、複数の水流同士が影響を及ぼしあって気泡の引きちぎり効果を奏させるように構成する一方で、その並設方向と直交する方向(縦方向)においては生成した気泡同士の衝突を低減させることができ、より均一な気泡径を維持した気泡混入水BWを散水孔243に到達させることができる。
また本実施形態に係るシャワー装置F1では、空気混入部23及び散水部24それぞれの、絞り部22から噴射される水の噴射方向を挟んで対向する側壁(側壁23eと側壁23f、側壁24eと側壁24f)が、互いに平行になるように配置されている。このように、絞り流路221から噴射される水が通る流路である空気混入部23及び散水部24それぞれの側壁(側壁23eと側壁23f、側壁24eと側壁24f)が互いに平行になるように配置することで、絞り流路221から噴射される水が通る流路を真っ直ぐに構成することができる。従って、絞り流路221から噴射される水が気液界面BW3に突入することによって生じる水流の乱れを抑制し、均一な気泡径を含む気泡混入水BWを散水孔243に供給することができる。
また本実施形態に係るシャワー装置F1では、空気混入部23を、側壁23eと側壁23fとを繋ぐ側壁23b、側壁23eと側壁23fとを繋ぐ側壁であって側壁23bと対向し相対的に側壁23bから遠い位置に配置されている側壁23c、側壁23eと側壁23fとを繋ぐ側壁であって側壁23bと対向し相対的に側壁23bに近い位置に配置されている側壁23dを有するように構成している。また、側壁23cは散水部24側に、側壁23dは絞り部22側に、それぞれ配置されており側壁23cと側壁23dとを繋ぐ段差部23gが形成されている。
従って、空気混入部23において、絞り部22から噴射される水の噴射方向に直交する断面積を水の進行方向において急激に拡大する急拡大部を、側壁23b,23c,23d及び段差部23gによって構成している。このように急拡大部を構成することで、気液界面BW3の位置を段差部23gよりも散水孔243側であって、最も絞り部22側の最前列散水孔である散水孔243よりも絞り部22側に位置するように制御することができ、位置制御手段として機能させることができる。
このように段差部23gを形成することで、絞り部22から噴射された水が散水部24に一時的に貯留される水によって形成される気液界面BW3は、散水部24側から絞り部22側に向かってくるものの急拡大部における段差部23gによってその進行が堰き止められることになり、気液界面BW3の位置を散水部24と絞り部22との間に確実に位置させるように制御することが可能となる。
更に本実施形態では、急拡大部として機能する側壁23b,23c,23d及び段差部23gは、散水部24において散水孔243が形成されている側に断面積を拡大するように構成されている。このように、散水孔243が形成されている側に断面積を拡大することで急拡大部を形成しているので、絞り部22から噴射された水が気液界面BW3に突入した後に急拡大部の拡大側である側壁23cに沿って散水孔243方向に向かうように流れが発生する。従って、散水部23において散水孔243が形成されている側に確実に水を向かわせることができ、各散水孔243から確実に吐水することができる。
このように位置制御手段としての急拡大部として、側壁23b,23c,23d及び段差部23gを構成することで、気液界面BW3の位置を最前列散水孔(最も絞り部22側の散水孔243)よりも絞り部22側に位置させているので、気液界面BW3から最前列散水孔に至るまでの間の水の抵抗によって絞り部22を通って噴射される水を十分に減速させることができる。従って、気液界面BW3から最前列散水孔に至るまでの間の水の抵抗を利用するという簡易な構成でありながら、気液界面BW3に突入した水が最前列散水孔に到達するまでに当該最前列散水孔から吐出可能なように減速させることができ、全ての散水孔243から安定的に満遍なく水を吐出することができる。
このように気液界面BW3の位置を制御するという観点から本実施形態に係るシャワー装置F1では、絞り部22において複数の絞り流路221が平行に配置されるように構成している。このように構成することで、複数の絞り流路221から噴射される水は互いに平行な状態で気液界面BW3に突入する。従って、噴射される水によって加わる力を気液界面BW3全体にムラ無く伝えるように構成することが可能となり、安定して気液界面BW3を最前列散水孔よりも絞り部22側に位置させることができるので、全ての散水孔243からより安定的に満遍なく水を吐出することができる。
散水孔243には更に、気泡混入水の通過によって散水孔243内に発生する旋回流を抑制するための旋回流抑制手段として機能する旋回流防止リブLb,Lcが設けられている。散水孔243と旋回流防止リブLb,Lcの形状を、散水孔243の拡大斜視図である図8と散水孔243の断面図である図9を参照しながら説明する。
図8に示されるように、散水孔243は出口部の流路断面積よりも入口部の流路断面積が大きくなるよう形成されている。
旋回流防止リブLb,Lcは、図9の(I)のI−I断面図、(J)のJ−J断面図、(K)のK−K断面図に示されるように、前記入口部から前記出口部に向かうに従って当該旋回流防止リブの突出量が徐々に小さくなり、散水孔243の出口部には干渉しないように構成されている。
複数の散水孔のうち絞り部に近い側を前列側散水孔群243aとし、絞り部から遠い側を後列側散水孔群243cとし、その中間の散水孔を中間散水孔群243bとした際に、後列側散水孔群243cの旋回防止リブLcの突出量は、図8に示すように、中間散水孔群243bの旋回防止リブLbよりも小さく形成されている。
本実施形態に係るシャワー装置F1では、散水孔243は出口部の流路断面積よりも入口部の流路断面積が大きくなるよう形成されている。これにより、絞り部22より噴射された噴射水流が減速することなく(圧力が低い状態で)散水部24に到達する方式のシャワー装置においても、気泡混入水を散水孔243に流入しやすくすることができる。
更に本実施形態に係るシャワー装置F1では、旋回流防止リブLb,Lcが散水孔243の出口部に干渉しないよう設けられている。旋回流防止リブLb,Lcによって散水孔243の内部での旋回流の発生を防止でき、旋回流防止リブLb,Lcによる水流の乱れを散水孔出口部で整えた後に気泡混入水を吐出することができるため、吐出後の気泡混入水が細かくせん断されることを防止できる。これにより、人体着水時の水滴を極めて大きくすることができ、より高い量感を確保することが実現できる。
更に本実施形態に係るシャワー装置F1では、旋回流防止リブLb,Lcを散水孔243の入口部から出口部に向かうに従って当該旋回流防止リブLb,Lcの突出量が徐々に小さくなるよう構成することで、旋回流防止リブLb,Lcによって散水孔243の内部での旋回流の発生を確実に防止しながら、旋回流防止リブLb,Lcによる水流の乱れを出口部に向けて円滑に整えることができる。これにより、水流の乱れによって吐出後の気泡混入水が細かくせん断されることをより確実に防止できるため、人体着水時の水滴をより大きくすることができ、更に高い量感を確保することが実現できる。
更に本実施形態に係るシャワー装置F1では、前列側散水孔群243bの旋回流防止リブLbの突出量が、後列側散水孔群243cの旋回流防止リブLcよりも小さく形成されているため、旋回流防止リブLcによる不必要な水流の乱れを防止することができる。これは、本発明者らの検討の結果、散水孔全体において同様の旋回流が発生するのではなく、後列側散水孔群243cに旋回流が生じ易いという知見に基づいている。
F1:シャワー装置
2:本体
2a:上面
2b:下面
21:給水部
21a:前壁面
21b:側壁
21c:側壁
21d:給水口
21e:側壁
21f:側壁
22:絞り部
22a:仕切壁
22b:側壁
22c:側壁
22e:側壁
22f:側壁
23:空気混入部
23b:側壁
23c:側壁
23d:側壁
23e:側壁
23f:側壁
23g:段差部
24:散水部
24a:側壁
24b:側壁
24c:側壁
24e:側壁
24f:側壁
221:絞り流路
231:開口
241:散水部材
242:散水突起
243:散水孔
243a:前列側散水孔群
243b:中間散水孔群
243c:後列側散水孔群
Lb:中間散水孔群旋回流防止リブ
Lc:後列側散水孔群旋回流防止リブ
BW:気泡混入水
BW1:噴射水仮想直線
BW2:水流
BW3:気液界面
2:本体
2a:上面
2b:下面
21:給水部
21a:前壁面
21b:側壁
21c:側壁
21d:給水口
21e:側壁
21f:側壁
22:絞り部
22a:仕切壁
22b:側壁
22c:側壁
22e:側壁
22f:側壁
23:空気混入部
23b:側壁
23c:側壁
23d:側壁
23e:側壁
23f:側壁
23g:段差部
24:散水部
24a:側壁
24b:側壁
24c:側壁
24e:側壁
24f:側壁
221:絞り流路
231:開口
241:散水部材
242:散水突起
243:散水孔
243a:前列側散水孔群
243b:中間散水孔群
243c:後列側散水孔群
Lb:中間散水孔群旋回流防止リブ
Lc:後列側散水孔群旋回流防止リブ
BW:気泡混入水
BW1:噴射水仮想直線
BW2:水流
BW3:気液界面
Claims (4)
- 気泡混入水を吐出するシャワー装置であって、
水を供給する給水部と、
前記給水部の下流側に設けられ、前記給水部よりも流路断面積を減少させ、通過する水の流速を高めて噴射水流として下流側に噴射する絞り部と、
前記絞り部の下流側に設けられ、空気を導入する空気導入口を有するとともに、前記空気導入口から導入された空気を前記噴射水流に混入させて気泡混入水を生成する空気混入部と、
前記空気混入部の下流側に設けられ、前記気泡混入水を吐出するための複数の散水孔が前記絞り部から噴射される前記噴射水流の噴射方向に沿って配列された吐水部と、
前記散水孔は、出口部の流路断面積よりも入口部の流路断面積が大きくなるよう形成されており、
前記散水孔の内部には、前記気泡混入水の通過によって旋回流が形成されるのを防止する旋回流防止リブが設けられていることを特徴とするシャワー装置。 - 前記旋回流防止リブは、前記出口部には干渉しないよう設けられていることを特徴とするシャワー装置。
- 前記旋回流防止リブは、前記入口部から前記出口部に向かうに従って当該旋回流防止リブの突出量が徐々に小さくなるよう構成されていることを特徴とする請求項2記載のシャワー装置。
- 前記複数の散水孔のうち前記絞り部に近い側を前列側散水孔群とし、前記絞り部から遠い側を後列側散水孔群とした際に、前記旋回流防止リブの突出量は、前記後列側散水孔群よりも前記前列側散水孔群の方が小さく形成されていることを特徴とする請求項2記載のシャワー装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013056172A JP2014180387A (ja) | 2013-03-19 | 2013-03-19 | シャワー装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2013056172A JP2014180387A (ja) | 2013-03-19 | 2013-03-19 | シャワー装置 |
Publications (1)
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---|---|
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Family Applications (1)
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JP2013056172A Pending JP2014180387A (ja) | 2013-03-19 | 2013-03-19 | シャワー装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2014180387A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102015216794A1 (de) | 2014-09-04 | 2016-03-10 | Yazaki Corporation | Projektionsanzeigeeinrichtung |
JP2016097341A (ja) * | 2014-11-20 | 2016-05-30 | Toto株式会社 | 吐水装置 |
CN109264810A (zh) * | 2018-10-10 | 2019-01-25 | 中国石油集团渤海石油装备制造有限公司 | 一种自旋流水气同轴喷头及其使用方法 |
-
2013
- 2013-03-19 JP JP2013056172A patent/JP2014180387A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102015216794A1 (de) | 2014-09-04 | 2016-03-10 | Yazaki Corporation | Projektionsanzeigeeinrichtung |
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CN109264810A (zh) * | 2018-10-10 | 2019-01-25 | 中国石油集团渤海石油装备制造有限公司 | 一种自旋流水气同轴喷头及其使用方法 |
CN109264810B (zh) * | 2018-10-10 | 2021-03-23 | 中国石油集团渤海石油装备制造有限公司 | 一种自旋流水气同轴喷头及其使用方法 |
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