JP2012071658A - 車体側部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】ピッチング現象が生じた際のロッカの破損を防止できるようにするにあたって、車体重量が増大し難く、製作コストが高くなるおそれも少ない車体側部構造を提供する。
【解決手段】ドア開口部4の下辺部19の車体後方側におけるロッカ上面30が、下辺部19の車体前方側におけるロッカ上面30よりもロッカ下面31から離間し、かつ、ロッカ後端側におけるロッカ上面30よりもロッカ下面31から離間するように、ロッカ16が側面視で山形に形成され、屋根構造体に結合されない車体後部構造体2に備えたピラー部材5の下端側が、ロッカ上面30がロッカ下面31から最も離間している中間ロッカ部分A又は中間ロッカ部分Aよりも車体後方側の後部ロッカ部分Bに結合されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、屋根構造体に結合されない車体後部構造体が、ドア開口部の車体後方側側辺部に沿わせて上下方向に延設されたピラー部材を備え、前記ピラー部材の下端側が、前記ドア開口部の下辺部に沿わせて車体前後方向に延設された中空状のロッカに結合されている車体側部構造に関する。
上記車体側部構造は、屋根構造体に結合されない車体後部構造体がピラー部材を備え、このピラー部材がドア開口部の車体後方側側辺部に沿わせて上下方向に延設され、ピラー部材の下端側が、ドア開口部の下辺部に沿わせて車体前後方向に延設された中空状のロッカに結合されているので、車体前方側が衝突する前衝突時に、車体前部が沈み込み、かつ、車体後部構造体が浮き上がるピッチング現象が生じ易い。
ピッチング現象が生じると、ロッカのピラー部材との結合部に下向きの圧縮力が作用して、ロッカを破損するおそれがあるので、ロッカの上下方向の曲げ剛性を高める必要がある。
従来のロッカの曲げ剛性を高める技術としては、中空状のロッカの内部に補強板を接合する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−203893号公報
このため、中空状のロッカの内部に補強板を接合して上下方向の曲げ剛性を高めると、車体重量が増大し易いと共に、製作コストが高くなるおそれがある。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、ピッチング現象が生じた際のロッカの破損を防止できるようにするにあたって、車体重量が増大し難く、製作コストが高くなるおそれも少ない車体側部構造を提供することを目的とする。
本発明の第1特徴構成は、屋根構造体に結合されない車体後部構造体が、ドア開口部の車体後方側側辺部に沿わせて上下方向に延設されたピラー部材を備え、前記ピラー部材の下端側が、前記ドア開口部の下辺部に沿わせて車体前後方向に延設された中空状のロッカに結合されている車体側部構造であって、前記下辺部の車体後方側におけるロッカ上面が、前記下辺部の車体前方側におけるロッカ上面よりもロッカ下面から離間し、かつ、ロッカ後端側におけるロッカ上面よりもロッカ下面から離間するように、前記ロッカが側面視で山形に形成され、前記ピラー部材の下端側が、前記ロッカのうちの、前記ロッカ上面が前記ロッカ下面から最も離間している中間ロッカ部分又は前記中間ロッカ部分よりも車体後方側の後部ロッカ部分に結合されている点にある。
本構成の車体側部構造は、ドア開口部の下辺部の車体後方側におけるロッカ上面が、下辺部の車体前方側におけるロッカ上面よりもロッカ下面から離間し、かつ、ロッカ後端側におけるロッカ上面よりもロッカ下面から離間するように、ロッカが側面視で山形に形成され、ピラー部材の下端側が、ロッカのうちの、ロッカ上面がロッカ下面から最も離間している中間ロッカ部分又は中間ロッカ部分よりも車体後方側の後部ロッカ部分に結合されている。
このため、ロッカの内部に補強板を接合することなく、ロッカ上面がロッカ下面から最も離間している中間ロッカ部分ほど上下方向の曲げ剛性が高いロッカを設けることができる。
そして、ピラー部材の下端側が、上下方向の曲げ剛性が高い中間ロッカ部分又はその中間ロッカ部分よりも車体後方側の後部ロッカ部分に結合されているので、ロッカのピラー部材との結合部に下向きの圧縮力が作用してもロッカを破損するおそれが少ない。
また、図2に例示するように、ピッチング現象が生じると、ロッカ16のピラー部材5との結合部に下向きの圧縮力F1が作用すると同時に、車体前後方向の圧縮力F2がロッカ16に作用するが、ロッカ16が側面視で山形に形成されているので、車体前後方向の圧縮力F2によって、中間ロッカ部分Aにおけるロッカ上面30に上向き分力F3が生じ、この上向き分力F3でピラー部材5との結合部に作用する下向きの圧縮力F1を相殺するように積極的に軽減して、ロッカの破損を効果的に防止することができる。
したがって、本構成の車体側部構造であれば、ピッチング現象が生じた際のロッカの破損を防止できるようにするにあたって、車体重量が増大し難く、製作コストが高くなるおそれも少ない。
車両の側面図である。 車体後部構造体及び床構造体を示す斜視図である。 図2におけるIII−III線矢視断面図である。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明による車体側部構造の車体(オープンボデー)を有する車両(オープンカー)を示す。
車両は、前輪1aを有する車体前部構造体1と後輪2aを有する車体後部構造体2とを床構造体3で結合してあり、車体前部構造体1と車体後部構造体2とを結合する屋根構造体を備えていない。
車体前部構造体1と車体後部構造体2との間の車体横側に沿う部分がドア開口部4として形成され、車体前部構造体1に揺動開閉自在に支持されたサイドドア4aが開閉自在に設けられている。
車体後部構造体2及び床構造体3は略左右対称に設けられており、図2,図3においては、車体の左側部分を示している。
車体後部構造体2は、図2,図3に示すように、板金製のピラー部材5と後部補強フレーム6とが、車体側部の板金製のサイドインナーパネル7に溶接で結合されている。
尚、図2,図3は、図1に示すサイドアウターパネル8を外した状態の車体後部構造体2と床構造体3とを示している。
ピラー部材5は、ドア開口部4の車体後方側側辺部9に沿って湾曲している前板部分10と、前板部分10の車体外方側端部に沿って車体後方向側に向けて延出した側板部分11と、側板部分11の車体後方側端部に沿ってサイドインナーパネル7の側に向けて延出した後板部分12と、前板部分10及び側板部分11及び後板部分12の車体内方側端部に沿って延出したフランジ板部分13とを設けて、側板部分11が車体横側方に突出する形状に形成され、フランジ板部分13をサイドインナーパネル7の外面側に溶接で結合して、ドア開口部4の車体後方側側辺部9に沿わせて上下方向に延設されている。
ピラー部材5は、下端側前部に前方延出部分5Aを有する側面視で逆L字状に形成されている。
後部補強フレーム6は、車体横側方に突出する断面形状がコの字状に形成して車体後部を左右両側に亘って囲むように延設され、長手方向の両端部が左右のピラー部材5に溶接で結合されている。
床構造体3は、図2,図3に示すように、トンネル部14aを形成してある床パネル14に、断面形状がコの字状に形成された板金製のサイドメンバー15と中空状のロッカ16とが車体前後方向に沿って溶接で結合されている。
ロッカ16は、ロッカインナープレート17とロッカアウタープレート18とをサイドインナーパネル7を挟んで溶接で結合して設けられ、ドア開口部4の下辺部19に沿って車体前後方向に延設して、ピラー部材5の下端側を溶接で結合してある。
ロッカインナープレート17は、図3に示すように、車体上下方向に沿う姿勢で車体前後方向に長いインナー側板部分20と、インナー側板部分20の上端に沿って車体外方側に向けて延出されたインナー上板部分21と、インナー上板部分21の車体外方側側端に沿って上向きに延設されたインナー上部フランジ板部分22と、インナー側板部分20の下端に沿って車体外方側に向けて延出されたインナー下板部分23と、インナー下板部分23の車体外方側側端に沿って下向きに延設されたインナー下部フランジ板部分24とを備えて、車体内方側に突出する断面形状がコの字状に形成されている。
ロッカアウタープレート18は、図3に示すように、車体上下方向に沿う姿勢で車体前後方向に長いアウター側板部分25と、アウター側板部分25の上端に沿って車体内方側に向けて延出されたアウター上板部分26と、アウター上板部分26の車体内方側側端に沿って上向きに延設されたアウター上部フランジ板部分27と、アウター側板部分25の下端に沿って車体内方側に向けて延出されたアウター下板部分28と、アウター下板部分28の車体内方側端部に沿って下向きに延設されたアウター下部フランジ板部分29とを備えて、車体外方側に突出する断面形状がコの字状に形成されている。
そして、インナー上部フランジ板部分22とアウター上部フランジ板部分27、及び、インナー下部フランジ板部分24とアウター下部フランジ板部分29の夫々を、サイドインナーパネル7を挟んで互いに溶接で結合して、車体前後方向に長い中空状に形成してある。
したがって、ロッカ上面30がインナー上板部分21とアウター上板部分26とで形成され、ロッカ下面31がインナー下板部分23とアウター下板部分28とで形成されている。
ロッカ16は、ドア開口部4の下辺部19の車体後方側におけるロッカ上面30が、下辺部19の車体前方側におけるロッカ上面30よりもロッカ下面31から離間し、かつ、ロッカ後端側におけるロッカ上面30よりもロッカ下面31から離間するように、ロッカ16が側面視で湾曲形状の山形(頂部が湾曲した山形)に形成されている。
すなわち、インナー側板部分20とアウター側板部分25とにおいて、下端部分32a,32bを全長に亘って互いに平行な直線状に形成すると共に、上端部分33a,33bの下端部分32a,32bからの高さH1,H2が、図3で示す中間ロッカ部分Aで最も高くなる湾曲形状に上端部分33a,33bを形成して、インナー上板部分21とアウター上板部分26とを中間ロッカ部分Aで最も上向きに突出する湾曲形状で延設してある。
そして、ピラー部材5の下端側が、ロッカ16のうちの、ロッカ上面30がロッカ下面31から最も離間している中間ロッカ部分Aよりも車体後方側の後部ロッカ部分Bにおけるロッカアウタープレート18に溶接で結合されている。
具体的には、ピラー部材5の下端側の前方延出部分5Aから下端側の後方延出部分5Bに亘って、前方延出部分5Aの前端が中間ロッカ部分Aの少し後方側に位置する状態で、ピラー部材5の下端側がロッカ16に溶接で接合されている。
前方延出部分5Aは、フランジ板部分13の前端部がアウター上部フランジ板部分27に結合され、前板部分10の前端部がアウター上板部分26に結合され、側板部分11の前端部がアウター側板部分25に結合されている。
尚、図示しないが、ピラー部材5の下端側が、ロッカ16のうちの、ロッカ上面30がロッカ下面31から最も離間している中間ロッカ部分Aとその中間ロッカ部分Aよりも車体後方側の後部ロッカ部分Bとに亘って溶接で結合されていてもよい。
〔その他の実施形態〕
1.本発明による車体側部構造は、ロッカ上面を側面視で逆V字状に屈曲した三角山形 (頂部が屈曲した山形)に形成してロッカが側面視で山形に形成されていてもよい。
2.本発明による車体側部構造は、ロッカ上面を側面視で前後中間部に前後向き部分を有する台形(頂部が平坦な山形)に形成してロッカが側面視で山形に形成されていてもよい。
2 車体後部構造体
4 ドア開口部
5 ピラー部材
9 車体後方側側辺部
16 ロッカ
19 下辺部
30 ロッカ上面
31 ロッカ下面
A 中間ロッカ部分
B 後部ロッカ部分

Claims (1)

  1. 屋根構造体に結合されない車体後部構造体が、ドア開口部の車体後方側側辺部に沿わせて上下方向に延設されたピラー部材を備え、
    前記ピラー部材の下端側が、前記ドア開口部の下辺部に沿わせて車体前後方向に延設された中空状のロッカに結合されている車体側部構造であって、
    前記下辺部の車体後方側におけるロッカ上面が、前記下辺部の車体前方側におけるロッカ上面よりもロッカ下面から離間し、かつ、ロッカ後端側におけるロッカ上面よりもロッカ下面から離間するように、前記ロッカが側面視で山形に形成され、
    前記ピラー部材の下端側が、前記ロッカのうちの、前記ロッカ上面が前記ロッカ下面から最も離間している中間ロッカ部分又は前記中間ロッカ部分よりも車体後方側の後部ロッカ部分に結合されている車体側部構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008296600A (ja) * 2007-05-29 2008-12-11 Toyota Auto Body Co Ltd 自動車のロッカー補強構造
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