このようなロッカリインフォースを構成するロッカインナリインフォースには、連結部材のアウトリガーを介してリアサイドフレームに繋がっている。リアサイドフレームの後端から車両前方への荷重が入力され、この荷重がロッカインナリインフォースに伝わると、荷重はロッカインナリインフォースを車幅方向内側へ引っ張る。上述したロッカインナリインフォースのフランジ部とロッカアウタリインフォースのフランジ部とは車幅方向に対向した状態でスポット溶接されているため、上記のようにロッカインナリインフォースに伝わった荷重は、ロッカインナリインフォースのフランジ部をロッカアウタリインフォースのフランジ部から引き剥がすように作用する。
本発明は上記事実を考慮して、ロッカインナリインフォースを車幅方向にロッカアウタリインフォースから離間させるような荷重に対してロッカインナリインフォースとロッカアウタリインフォースとの結合強度を高くできる車両後部構造を得ることが目的である。
請求項1に記載の本発明に係る車両後部構造は、車両のロッカリインフォースを構成し、インナ側縦壁部の車両上下方向両端の各々からインナ側横壁部が車幅方向外側へ向けて延出され、更に、上側の前記インナ側横壁部の車幅方向外側の端部からインナ上側フランジ部が車両上側へ延出されると共に、下側の前記インナ側横壁部の車幅方向外側の端部からインナ下側フランジ部が車両下側へ延出されたロッカインナリインフォースと、車両のロッカリインフォースを構成し、前記ロッカインナリインフォースの車幅方向外側に設けられて、アウタ側縦壁部の車両上下方向両端の各々からアウタ側横壁部が車幅方向外側へ向けて延出され、更に、上側の前記アウタ側横壁部の車幅方向外側の端部から車両上側へ延出されたアウタ上側フランジ部が車幅方向に前記インナ上側フランジ部と対向した状態で結合されると共に、下側の前記アウタ側横壁部の車幅方向外側の端部から車両下側へ延出されたアウタ下側フランジ部が車幅方向に前記インナ下側フランジ部と対向した状態で結合されたロッカアウタリインフォースと、前記ロッカインナリインフォースの後端側における車幅方向内側で前記ロッカインナリインフォースに結合されると共に、前記ロッカインナリインフォースとの結合部分から更に車両後方へ延びる後延部材と、少なくとも前記ロッカインナリインフォースの後端部及び前記ロッカアウタリインフォースの後端部における前記後延部材と前記ロッカインナリインフォースとの結合部分の側方に設けられて、前記ロッカインナリインフォースの前記インナ側横壁部に対して車両上下方向に対向した状態で前記インナ側横壁部に結合されると共に、前記ロッカアウタリインフォースの前記アウタ側横壁部に対して車両上下方向に対向した状態で前記アウタ側横壁部に結合された結合部材と、を備えている。
請求項1に記載の本発明に係る車両後部構造では、ロッカインナリインフォースの車幅方向外側にロッカアウタリインフォースが設けられる。ロッカインナリインフォースのインナ上側フランジ部とロッカアウタリインフォースのアウタ上側フランジ部とは車幅方向に対向した状態で結合され、ロッカインナリインフォースのインナ下側フランジ部とロッカアウタリインフォースのアウタ下側フランジ部とは車幅方向に対向した状態で結合される。このようにして車両前後方向に見て閉じ断面形状のロッカリインフォースが構成される。
上記のロッカインナリインフォースおける車幅方向内側に後延部材が設けられ、後延部材がロッカインナリインフォースに結合される。また、少なくとも、ロッカインナリインフォースの後端部及びロッカアウタリインフォースの後端部における後延部材とロッカインナリインフォースとの結合部分の側方には結合部材が設けられる。結合部材はロッカインナリインフォースのインナ側横壁部及びロッカアウタリインフォースのアウタ側横壁部に結合される。すなわち、インナ側横壁部とアウタ側縦壁部とが結合部材を介して繋げられる。
ところで、上記の後延部材はロッカインナリインフォースとの結合部分から更に車両後方へ延びている。この後延部材の後端から荷重が入力されることによって後延部材がロッカインナリインフォースとの結合部分を車幅方向内側へ引っ張ると、ロッカインナリインフォースはロッカアウタリインフォースに対して車幅方向内側へ変位しようとする。
このため、後延部材からロッカインナリインフォースに伝わった荷重はインナ上側フランジ部とアウタ上側フランジ部との結合部分及びインナ下側フランジ部とアウタ下側フランジ部との結合部分においてロッカアウタリインフォースからロッカインナリインフォースを引き剥がす(剥離させる)ように作用する。ここで、上記の結合部材は、ロッカインナリインフォースのインナ側横壁部に対して車両上下方向に対向した状態でインナ側横壁部に結合されており、ロッカアウタリインフォースのアウタ側横壁部に対して車両上下方向に対向した状態でアウタ側横壁部に結合されている。
このため、インナ側横壁部と結合部材との結合部分及びアウタ側横壁部と結合部材との結合部分では上記の荷重がせん断方向に作用し、インナ側横壁部やアウタ側横壁部と結合部材とを引き剥がすように作用しない(又は、引き剥がすように作用し難い)。これによって、上記のような荷重に対するロッカインナリインフォースとロッカアウタリインフォースとの結合の強度を向上できる。
請求項2に記載の本発明に係る車両後部構造は、請求項1に記載の本発明において、前記後延部材を、前端側が前記ロッカインナリインフォースに結合されて、後端側がリヤバンパリインフォースに結合されたリヤサイドメンバとしている。
請求項2に記載の本発明に係る車両後部構造では、ロッカインナリインフォースに結合された後延部材がリヤサイドメンバとされている。このリヤサイドメンバは後端側がリヤバンパリインフォースに結合される。このため、例えば、後方から他の車両が衝突した場合等、車両後方からの荷重がリヤバンパリインフォースに入力されると、この荷重がリヤバンパリインフォースからリヤサイドメンバに伝わる。このような荷重がリヤサイドメンバに伝わると、リヤサイドメンバはロッカインナリインフォースとの結合部分を車幅方向内側へ引っ張る。このため、このような荷重が入力された場合には、ロッカインナリインフォースはロッカアウタリインフォースに対して車幅方向内側へ変位しようとする。
しかしながら、上述したように、このような荷重が作用しても、インナ側横壁部と結合部材との結合部分及びアウタ側横壁部と結合部材との結合部分では上記の荷重がせん断方向に作用し、引き剥がすように作用しない(又は、引き剥がすように作用し難い)。このため、上記のような荷重に対するロッカインナリインフォースとロッカアウタリインフォースとの結合の強度を向上できる。
請求項3に記載の本発明に係る車両後部構造は、請求項2に記載の本発明において、少なくとも前記リヤサイドメンバと前記ロッカインナリインフォースとの結合部分の前端から前記ロッカインナリインフォースの後端までの範囲に前記結合部材の設置範囲を設定している。
請求項3に記載の本発明に係る車両後部構造では、少なくともリヤサイドメンバとロッカインナリインフォースとの結合部分の前端からロッカインナリインフォースの後端までの範囲に結合部材が設けられる(すなわち、結合部材はこの範囲内に設けられていれば、リヤサイドメンバとロッカインナリインフォースとの結合部分の前端よりも前方へ延びていてもよいし、ロッカインナリインフォースの後端よりも後方へ延びていてもよい)。
このため、ロッカインナリインフォースにおいてリヤバンパリインフォースからリヤサイドメンバに伝わった後方からの荷重が入力される部分及びその後方では、結合部材がロッカインナリインフォースのインナ側横壁部とロッカアウタリインフォースのアウタ側横壁部とを結合している。これにより、上記のような荷重に対するロッカインナリインフォースとロッカアウタリインフォースとの結合の強度を向上できる。
請求項4に記載の本発明に係る車両後部構造は、請求項1から請求項3の何れか1項に記載の本発明において、前記結合部材における前記ロッカインナリインフォースの前記インナ側横壁部との結合部分及び前記ロッカアウタリインフォースの前記アウタ側横壁部との結合部分の少なくとも何れか一方を、前記ロッカインナリインフォースと前記ロッカアウタリインフォースとを結合することで形成される前記ロッカリインフォースの閉じ断面の内側に設けている。
請求項4に記載の本発明に係る車両後部構造では、結合部材においてロッカインナリインフォースのインナ側横壁部に結合される部分、及び、結合部材においてロッカアウタリインフォースのアウタ側横壁部に結合される部分の少なくとも何れか一方が、ロッカインナリインフォースとロッカアウタリインフォースとを結合することで形成されるロッカリインフォースの閉じ断面の内側からインナ側横壁部やアウタ側横壁部に結合される。
このようにロッカリインフォースの閉じ断面の内側から結合部材がインナ側横壁部やアウタ側横壁部に結合される構造では、ロッカリインフォースの外側から結合部材をインナ側横壁部やアウタ側横壁部に結合する構造に比べてロッカリインフォースの閉じ断面を崩すような外力に対して高い剛性を有する。このため、このような外力が作用した場合に、ロッカリインフォースの閉じ断面形状を維持させることができる。
請求項5に記載の本発明に係る車両後部構造は、請求項1から請求項4の何れか1項に記載の本発明において、前記ロッカインナリインフォースにおける前記インナ側縦壁部の上端から延出された前記インナ側横壁部と前記ロッカアウタリインフォースにおける前記アウタ側縦壁部の上端から延出された前記アウタ側横壁部とを結合する上側結合部と、前記ロッカインナリインフォースにおける前記インナ側縦壁部の下端から延出された前記インナ側横壁部と前記ロッカアウタリインフォースにおける前記アウタ側縦壁部の下端から延出された前記アウタ側横壁部とを結合する下側結合部と、前記上側結合部及び前記下側結合部における車両後方側の端部を連結する連結部と、を含めて前記結合部材を構成している。
請求項5に記載の本発明に係る車両後部構造によれば、結合部材は上側結合部と下側結合部とを備えており、更に、この上側結合部と下側結合部とが連結部によって繋げられている。
ロッカインナリインフォースのインナ側縦壁部の上端から延出されたインナ側横壁部とロッカアウタリインフォースのアウタ側縦壁部の上端から延出されたアウタ側横壁部とは上記の上側結合部にそれぞれ結合される。これに対して、ロッカインナリインフォースのインナ側縦壁部の下端から延出されたインナ側横壁部とロッカアウタリインフォースのアウタ側縦壁部の下端から延出されたアウタ側横壁部とは上記の下側結合部にそれぞれ結合される。
このように、上下両方のインナ側横壁部が、それぞれ対応するアウタ側横壁部に結合部材を介して結合され、しかも結合部材を構成する上側結合部と下側結合部とが連結部によって繋がっているので、上記のような荷重に対して高い結合強度を得ることができる。
上側結合部と下側結合部とが連結部によって繋げられているので、上側結合部と下側結合部とを個別にロッカリインフォースの内側に配置しなくてもよく、特に、上側結合部をインナ側横壁部やアウタ側横壁部に結合する際に、上側結合部を特に支えておかなくてもよいので、結合作業における作業性もよい。
請求項6に記載の本発明に係る車両後部構造は、請求項5に記載の本発明において、前記上側結合部及び前記下側結合部を含めて構成されて、前記ロッカリインフォースにおける閉じ断面の内周面に少なくとも前記上側結合部及び前記下側結合部が当接する筒状部と、前記筒状部の一端を閉止する底壁部と、を含めて前記結合部材を構成している。
請求項6に記載の本発明に係る車両後部構造によれば、結合部材は筒状部を備えている。この筒状部は上側結合部及び下側結合部を含めて構成されており、上側結合部及び下側結合部においてはロッカインナリインフォースのインナ側横壁部やロッカアウタリインフォースのアウタ側横壁部に当接した状態で結合されている。
一方、筒状部の一端は底壁部によって閉止される。このため、筒状部はその断面形状を変形させる(崩す)ような荷重に対して高い強度を有する。したがって、このような筒状部がロッカリインフォースの内周部に接し、又は、結合されることで、ロッカリインフォースの断面形状を変形(崩す)ような荷重に対する強度を高くでき、ロッカリインフォースの捩じり剛性を向上できる。
なお、筒状部において上側結合部及び下側結合部以外の部分は、ロッカリインフォースの閉じ断面の内周面に当接する構成であってもよいし、当接しない構成であってもよい。
請求項7に記載の本発明に係る車両後部構造は、請求項1から請求項6の何れか1項に記載の本発明において、前記ロッカインナリインフォースの前記インナ側横壁部及び前記ロッカアウタリインフォースの前記アウタ側横壁部に前記結合部材が結合された状態で前記ロッカリインフォースの車両後方側の端部よりも車両後方側から突出した突出部を含めて前記結合部材を構成している。
請求項7に記載の本発明に係る車両後部構造によれば、結合部材を構成する突出部は、ロッカインナリインフォースのインナ側横壁部とロッカアウタリインフォースのアウタ側横壁部とに結合部材が結合された状態でロッカリインフォースの車両後方側の端部よりも更に車両後方側から突出する。このため、結合部材の突出部はロッカリインフォースの車両後方側の端部よりも車両のリヤタイヤに接近した状態になる。したがって、後方からの荷重が車両に入力された場合に、リヤタイヤからの荷重を上記のような閉じ断面構造のロッカリインフォースによって受けることが可能になる。これにより、車両後方からの荷重による車体の変形を抑制できる。
以上、説明したように、請求項1に記載の本発明に係る車両後部構造では、ロッカインナリインフォースとロッカアウタリインフォースとを車幅方向に引き剥がすような外力に対する結合強度を向上できる。
請求項2に記載の本発明に係る車両後部構造では、リヤバンパリインフォースに入力された車両後方からの荷重がリヤサイドメンバを介してロッカインナリインフォースに伝わった場合のこのような荷重に対するロッカインナリインフォースとロッカアウタリインフォースとの結合強度を向上できる。
請求項3に記載の本発明に係る車両後部構造では、リヤバンパリインフォースからリヤサイドメンバに伝わった後方からの荷重に対するロッカインナリインフォースとロッカアウタリインフォースとの結合の強度を更に向上できる。
請求項4に記載の本発明に係る車両後部構造では、ロッカリインフォースの閉じ断面の形状を崩すような外力が作用した場合に、ロッカリインフォースの閉じ断面形状を維持させることができる。
請求項5に記載の本発明に係る車両後部構造では、上下両方のインナ側横壁部が、それぞれ対応するアウタ側横壁部に結合部材を介して結合され、しかも結合部材を構成する上側結合部と下側結合部とが連結部によって繋がっているので、ロッカインナリインフォースとロッカアウタリインフォースとの結合強度を更に向上できる。
請求項6に記載の本発明に係る車両後部構造では、ロッカリインフォースの断面崩れを防止又は抑制でき、ロッカリインフォースの捩じり剛性を向上できる。
請求項7に記載の本発明に係る車両後部構造では、車両後方からの荷重による車体の変形を抑制できる。
次に、本発明の各実施の形態について図1から図7の各図に基づいて説明する。なお、説明している実施の形態よりも前出の実施の形態と実質的に同一の部位に関しては、前出の実施の形態を説明するに際して用いた符号と同一の符号を付与してその詳細な説明を省略する。
<第1の実施の形態の構成>
図1及び図2には第1の実施の形態に係る車両後部構造を適用した車両10の要部の構成が概略的な斜視図によって示されている。
図1に示されるように、車両10はロッカリインフォース12を備えている。ロッカリインフォース12は車体側部の下側で車両前後方向に延びるように設けられる。このロッカリインフォース12はロッカアウタリインフォース14を備えている。ロッカアウタリインフォース14は、例えば、高張力鋼(ハイテン材)を圧延することにより板状に形成された金属平板をプレス成形することによって形成されている。
このロッカアウタリインフォース14はアウタ側縦壁部16を備えている。アウタ側縦壁部16は長手方向が車両前後方向に沿い、厚さ方向が車幅方向に沿った平板状に形成されている。また、アウタ側縦壁部16は幅方向寸法(車両上下方向に沿った寸法)が長手方向(車両前後方向)に沿って略一定の定幅部18を備えている。この定幅部18の後端からは拡幅部20が連続して形成されている。この拡幅部20では、拡幅部20(すなわち、アウタ側縦壁部16)の幅方向上端部が車両後方へ向かうにつれて幅方向下端部から漸次離間するように幅方向寸法が増加している。
この拡幅部20の後端部(定幅部18とは反対側の端部)からは連続して定幅部22が形成されている。この定幅部22では幅方向寸法(車両上下方向に沿った寸法)が長手方向(車両前後方向)に沿って略一定で、拡幅部20における後端部の幅方向寸法と略同一とされている。
このアウタ側縦壁部16の幅方向上端部からは連続してアウタ側横壁部としてのアウタ上側横壁部24が形成されている。アウタ上側横壁部24は、アウタ側縦壁部16の幅方向上端部から車幅方向内方に対して車両上方へ傾斜した向きに延出されている。このアウタ上側横壁部24は平板部26を備えている。平板部26はアウタ側縦壁部16を構成する定幅部18の幅方向上端部から延出されている。この平板部26の後端部からは湾曲部28が連続している。湾曲部28はアウタ側縦壁部16を構成する拡幅部20の幅方向上端部から延出されている。
上述したように、アウタ側縦壁部16の拡幅部20は幅方向上端部が車両後方へ向かうにつれて車両上方へ変位するように湾曲している。このため、拡幅部20は幅方向上端部から延出された湾曲部28は、拡幅部20の幅方向上端部の湾曲に倣って湾曲している。この湾曲部28の後端部からは連続して平板部30が形成されている。平板部26はアウタ側縦壁部16を構成する定幅部22の幅方向上端部から延出されている。
このアウタ上側横壁部24の車幅方向内側の端部(アウタ側縦壁部16とは反対側の端部)からは車両上方へ向けてアウタ上側フランジ部32が延出されている。このアウタ上側フランジ部32は厚さ方向が車幅方向に沿った平板状とされている。
一方、アウタ側縦壁部16の幅方向下端部からは連続してアウタ側横壁部としてのアウタ下側横壁部34が形成されている。アウタ下側横壁部34は、アウタ側縦壁部16の幅方向下端部から車幅方向内方に対して車両下方へ傾斜した向きに延出されている。このアウタ下側横壁部34の車幅方向内側の端部(アウタ側縦壁部16とは反対側の端部)からは車両下方へ向けてアウタ下側フランジ部36が延出されている。このアウタ下側フランジ部36は厚さ方向が車幅方向に沿った平板状とされている。
以上の構成のロッカアウタリインフォース14の車幅方向内側にはロッカアウタリインフォース14と共にロッカリインフォース12を構成するロッカインナリインフォース44が設けられている。このロッカインナリインフォース44もロッカアウタリインフォース14と同様に、例えば、高張力鋼(ハイテン材)を圧延することにより板状に形成された金属平板をプレス成形することによって形成されている。このロッカインナリインフォース44はインナ側縦壁部46を備えている。
インナ側縦壁部46は長手方向が車両前後方向に沿い、厚さ方向が車幅方向に沿った平板状に形成されており、車幅方向に沿ってロッカアウタリインフォース14のアウタ側縦壁部16と対向している。インナ側縦壁部46は、上述したアウタ側縦壁部16の定幅部18及び定幅部22に対応して幅方向寸法(車両上下方向に沿った寸法)が長手方向(車両前後方向)に沿って略一定の定幅部48及び定幅部52(図2参照)を備えており、更に、この定幅部48と定幅部52との間には上述したアウタ側縦壁部16の拡幅部20と同様に幅方向上端部が湾曲した拡幅部が形成されている。
このインナ側縦壁部46の幅方向上端部からは連続してインナ側横壁部としてのインナ上側横壁部54が形成されている。インナ上側横壁部54は、インナ側縦壁部46の幅方向上端部から車幅方向外方に対して車両上方へ傾斜した向きに延出されている。このインナ上側横壁部54はロッカアウタリインフォース14のアウタ側縦壁部16を構成する平板部26及び平板部30に対応して平板部56及び平板部60(図2参照)を備えており、この平板部56と平板部60との間にはアウタ側縦壁部16を構成する湾曲部28と同様に湾曲した湾曲部が形成されている。
このインナ上側横壁部54の車幅方向外側の端部(インナ側縦壁部46とは反対側の端部)からは車両上方へ向けてインナ上側フランジ部62が延出されている。このインナ上側フランジ部62は厚さ方向が車幅方向に沿った平板状とされている。インナ上側フランジ部62は、ロッカアウタリインフォース14のアウタ上側フランジ部32に対して車幅方向に対向した状態でインナ上側フランジ部62におけるアウタ上側フランジ部32側の面がアウタ上側フランジ部32におけるインナ上側フランジ部62側の面に接しており、スポット溶接によって車両前後方向に所定間隔毎にアウタ上側フランジ部32に接合(結合)されている。
一方、インナ側縦壁部46の幅方向下端部からは連続してインナ側横壁部としてのインナ下側横壁部64が形成されている。インナ下側横壁部64は、インナ側縦壁部46の幅方向下端部から車幅方向外方に対して車両下方へ傾斜した向きに延出されている。このインナ下側横壁部64の車幅方向内側の端部(インナ側縦壁部46とは反対側の端部)からは車両下方へ向けてインナ下側フランジ部66が延出されている。このインナ下側フランジ部66は厚さ方向が車幅方向に沿った平板状とされている。
インナ下側フランジ部66は、ロッカアウタリインフォース14のアウタ下側フランジ部36に対して車幅方向に対向した状態でインナ下側フランジ部66におけるアウタ下側フランジ部36側の面がアウタ下側フランジ部36におけるインナ下側フランジ部66側の面に接しており、スポット溶接によって車両前後方向に所定間隔毎にアウタ下側フランジ部36に接合(結合)されている。
このように、アウタ下側フランジ部36とインナ下側フランジ部66とがスポット溶接によって接合(結合)されて、上記のようにアウタ上側フランジ部32とインナ上側フランジ部62とがスポット溶接によって接合(結合)されることによって、ロッカアウタリインフォース14とロッカインナリインフォース44とが一体的に接合(結合)され、ロッカリインフォース12は、車両前後方向に見て、多角形(六角形)の閉じ断面形状となっている。
一方、ロッカインナリインフォース44の車幅方向内側には、後延部材としてのリヤサイドメンバ72の前端が位置している。リヤサイドメンバ72は全体的に長手方向が車両前後方向に沿っており、図5に示されるように、その長手方向中間部はリヤタイヤ74の車幅方向内側を通過し、更に、長手方向後端部は車両10のリヤバンパに設けられたリヤバンパリインフォース76に溶接等により接合(結合)されている。
このリヤサイドメンバ72はリヤサイドメンバロア78を備えている。リヤサイドメンバ72の長手方向前端部近傍においてリヤサイドメンバロア78は下側横壁部80を備えている。下側横壁部80は、幅方向が車幅方向に沿い、厚さ方向が車両上下方向に沿った平板状に形成されている。この下側横壁部80の車幅方向外側の端部からは接合片82が連続して形成されている。
接合片82は幅方向が車両上下方向に沿い、厚さ方向が車幅方向に沿った平板状に形成されており、下側横壁部80の車幅方向外側の端部から車両下方へ向けて延出されている。接合片82は車幅方向にロッカインナリインフォース44のインナ側縦壁部46と対向しており、接合片82はスポット溶接等によりインナ側縦壁部46に一体的に接合(結合)されている。
これに対して、下側横壁部80の車幅方向内側の端部からは車両上方へ向けて下側縦壁部84が延出されている。この下側縦壁部84の上端部からは連続して接合片86が形成されている。接合片86は幅方向が車幅方向に沿い、厚さ方向が車両上下方向に沿った平板状に形成されており、下側縦壁部84の上端部から車幅方向内方へ向けて延出されている。
一方、リヤサイドメンバ72はリヤサイドメンバアッパ92を備えている。リヤサイドメンバアッパ92は上側横壁部94を備えている。上側横壁部94は、幅方向が車幅方向に沿い、厚さ方向が車両上下方向に沿った平板状に形成されており、リヤサイドメンバロア78の接合片86の上側で下側横壁部80や接合片86と対向している。上側横壁部94の車幅方向内側の端部近傍は接合片86と対向した状態でスポット溶接等により接合片86に一体的に接合(結合)されており、これにより、リヤサイドメンバロア78とリヤサイドメンバアッパ92とが一体的に結合されている。
上側横壁部94の車幅方向外側の端部からは連続して接合片96が形成されている。接合片96は、幅方向が車幅方向外側への向きに対して車両上方へ傾斜した向きとされ、その厚さ方向下面はロッカインナリインフォース44の平板部60(インナ上側横壁部54)上で平板部60と対向している。接合片96はロッカインナリインフォース44の平板部60にスポット溶接等により一体的に接合(結合)されている。
このように、リヤサイドメンバアッパ92の接合片96がロッカインナリインフォース44のインナ上側横壁部54に接合(結合)されて、上記のようにリヤサイドメンバロア78の接合片82がロッカインナリインフォース44のインナ側縦壁部46に接合(結合)されていることによって、リヤサイドメンバ72の前端側がロッカリインフォース12の後端側に一体的に接合(結合)されており、しかも、リヤサイドメンバ72の前端側はロッカリインフォース12を構成するロッカインナリインフォース44のインナ側縦壁部46とにより、図4に示されるような矩形状の閉じ断面形状を形成している。
一方、図2及び図3に示されるように、ロッカリインフォース12の後端側には結合部材102が設けられている。結合部材102は上側結合部としての上壁部104を備えている。この上壁部104は幅方向中間部を境に車幅方向外側の部分がアウタ側接合部106とされ、この境から車幅方向内側の部分がインナ側接合部108とされている。
図4に示されるように、アウタ側接合部106は、幅方向がロッカリインフォース12のロッカアウタリインフォース14を構成する平板部30の幅方向に沿い、厚さ方向が平板部30の厚さ方向に沿った平板状とされている。アウタ側接合部106は平板部30の下側(すなわち、ロッカリインフォース12の閉じ断面の内側)から平板部30に対向している。
アウタ側接合部106は、リヤサイドメンバ72とロッカインナリインフォース44とのスポット溶接部分(結合部分)の前端(すなわち、リヤサイドメンバアッパ92の接合片96とリヤサイドメンバアッパ92の接合片96とロッカインナリインフォース44の平板部60とのスポット溶接部分及びリヤサイドメンバロア78の接合片82とインナ側縦壁部46とのスポット溶接部分のうち、前方に位置する方)に対して前後方向に同じ位置、又は、このスポット溶接部分よりも前側までロッカリインフォース12の内側に入り込んでおり、平板部30にスポット溶接によって一体的に接合(結合)されている。
これに対して、インナ側接合部108は、幅方向がロッカリインフォース12のロッカインナリインフォース44を構成する平板部60の幅方向に沿い、厚さ方向が平板部60の厚さ方向に沿った平板状とされている。インナ側接合部108は平板部60の下側(すなわち、ロッカリインフォース12の閉じ断面の内側)から平板部60に対向している。
インナ側接合部108は、上述したリヤサイドメンバ72とロッカインナリインフォース44とのスポット溶接部分(結合部分)の前端に対して前後方向に同じ位置、又は、このスポット溶接部分よりも前側までロッカリインフォース12の内側に入り込んでおり、平板部60にスポット溶接によって一体的に接合(結合)されている。
また、図3に示されるように、結合部材102は下側結合部としての下壁部114を備えている。この下壁部114は幅方向中間部を境に車幅方向外側の部分がアウタ側接合部116とされ、この境から車幅方向内側の部分がインナ側接合部118とされている。アウタ側接合部116は、幅方向がロッカリインフォース12のロッカアウタリインフォース14を構成するアウタ下側横壁部34の幅方向に沿い、厚さ方向がアウタ下側横壁部34の厚さ方向に沿った平板状とされている。
図4に示されるように、アウタ側接合部116はアウタ下側横壁部34の下側(すなわち、ロッカリインフォース12の閉じ断面の内側)からアウタ下側横壁部34に対向している。アウタ側接合部116は、リヤサイドメンバ72とロッカインナリインフォース44とのスポット溶接部分(結合部分)の前端に対して前後方向に同じ位置、又は、このスポット溶接部分よりも前側までロッカリインフォース12の内側に入り込んでおり、アウタ下側横壁部34にスポット溶接によって一体的に接合(結合)されている。
これに対して、インナ側接合部118は、幅方向がロッカリインフォース12のロッカインナリインフォース44を構成するインナ下側横壁部64の幅方向に沿い、厚さ方向がインナ下側横壁部64の厚さ方向に沿った平板状とされている。インナ側接合部118はインナ下側横壁部64の下側(すなわち、ロッカリインフォース12の閉じ断面の内側)からインナ下側横壁部64に対向している。
インナ側接合部118は、上述したリヤサイドメンバ72とロッカインナリインフォース44とのスポット溶接部分(結合部分)の前端に対して前後方向に同じ位置、又は、このスポット溶接部分よりも前側までロッカリインフォース12の内側に入り込んでおり、インナ下側横壁部64にスポット溶接によって一体的に接合(結合)されている。
なお、結合部材102の上壁部104及び下壁部114とロッカリインフォース12との接合部分とのスポット溶接位置は、上述したリヤサイドメンバ72とロッカインナリインフォース44とのスポット溶接部分(結合部分)の前端に対して前後方向に同じ位置、又は、このスポット溶接部分よりも前側と、ロッカリインフォース12の後端部近傍とを含む複数位置が好ましい。
以上の上壁部104の後端部と下壁部114の後端部とは連結部120によって一体的に繋がっている。この連結部120は厚さ方向が車両前後方向に沿った平板状に形成されており、車両前後方向に見た外周形状は六角形状(すなわち、車両後方からロッカリインフォース12の閉じ断面の内周形状と同じ形状)とされている。
上壁部104は連結部120の外周形状の上側の2辺から車両前方へ延出され、下壁部114は連結部120の外周形状の下側の2辺から車両前方へ延出されている。また、本実施の形態において、連結部120はロッカリインフォース12の閉じ断面の内側に設けられるか、又は、連結部120における車両後方側の面がロッカリインフォース12の後端部と面一となっている。
<第1の実施の形態の作用、効果>
以上の構成の本実施の形態では、図5に示されるように、車両10の後方からの荷重F1がリヤバンパリインフォース76に入力されると、この荷重F1はリヤサイドメンバ72の後端部からリヤサイドメンバ72に伝わる。荷重F1がリヤサイドメンバ72に伝わることによってリヤサイドメンバ72が変形すると、リヤサイドメンバ72はその前端側で接合されているロッカリインフォース12を車幅方向内側へ引っ張る。ロッカリインフォース12においてリヤサイドメンバ72と接合されているのはロッカインナリインフォース44である。
このため、リヤサイドメンバ72からの車幅方向内側への引っ張りは、ロッカインナリインフォース44及びロッカアウタリインフォース14におけるアウタ上側フランジ部32とインナ上側フランジ部62とのスポット溶接部位やアウタ下側フランジ部36とインナ下側フランジ部66とのスポット溶接部位を引き剥がすように作用する。
ここで、ロッカリインフォース12のロッカアウタリインフォース14は、平板部30と結合部材102の上壁部104を構成するアウタ側接合部106にスポット溶接によって一体的に接合(結合)されており、ロッカリインフォース12のロッカインナリインフォース44は、平板部60と結合部材102の上壁部104を構成するインナ側接合部108にスポット溶接によって一体的に接合(結合)されている。このように、ロッカアウタリインフォース14の平板部30と、ロッカインナリインフォース44の平板部60とは結合部材102の上壁部104を介して一体的に結合されている。
さらに、ロッカアウタリインフォース14のアウタ下側横壁部34は結合部材102の下壁部114を構成するアウタ側接合部116にスポット溶接によって一体的に接合(結合)されており、ロッカインナリインフォース44のインナ下側横壁部64は結合部材102の下壁部114を構成するインナ側接合部118にスポット溶接によって一体的に接合(結合)されている。このように、ロッカアウタリインフォース14のアウタ下側横壁部34と、ロッカインナリインフォース44のインナ下側横壁部64とは結合部材102の下壁部114を介して一体的に結合されている。
以上のロッカリインフォース12の後端部近傍と、結合部材102のアウタ側接合部106、インナ側接合部108、アウタ側接合部116、インナ側接合部118との接合箇所に対してリヤサイドメンバ72によるロッカインナリインフォース44の引っ張りは、これらの接合箇所に対して主にせん断方向に作用し、これらの接合箇所で接合部分を引き剥がすように作用することがないか、引き剥がすように作用する成分が少ない。このため、上記のような引っ張りに対するロッカアウタリインフォース14とロッカインナリインフォース44との結合強度を向上でき、ロッカリインフォース12における閉じ断面形状を維持できる。これにより、車両10の後方からの荷重による車体変形の発生を抑制できる。
また、本実施の形態では、上壁部104と下壁部114とが連結部120によって繋がっている。このため、結合部材102をロッカリインフォース12の後端から嵌挿すれば、ロッカリインフォース12に対して上壁部104及び下壁部114の双方が溶接可能な状態にすることができる。
特に、結合部材102の上壁部104はロッカアウタリインフォース14の平板部30及びロッカインナリインフォース44の平板部60の下側に設けられる。このため、上壁部104を下壁部114から独立させた構成にすると、ロッカアウタリインフォース14の平板部30及びロッカインナリインフォース44の平板部60に上壁部104を溶接する際に、ロッカアウタリインフォース14の平板部30及びロッカインナリインフォース44の平板部60の下側で上壁部104を支持するための構成が必要になる。これに対して、本実施の形態では、上壁部104が連結部120を介して下壁部114に一体的に繋がっているため、下壁部114を特に支持する構成を別に設けなくてもよい。
また、上壁部104と下壁部114とを別体とした構成に比べ、上壁部104と下壁部114とを連結部120にて一体的に繋げた本実施の形態の構成では、上壁部104と下壁部114との間で相対変位が生じ難い。このため、このような上壁部104や下壁部114に接合されたロッカリインフォース12の断面形状が崩れ難くなる。
<第1の実施の形態の変形例>
なお、本実施の形態において結合部材102は上側結合部としての上壁部104と下側結合部としての下壁部114の両方を備えている。しかしながら、図6及び図7に示されるように上壁部104だけで結合部材102を構成してもよいし、詳細な図示は省略するが下壁部114だけで結合部材102を構成してもよい。
また、本実施の形態は、結合部材102の上壁部104及び下壁部114の双方がロッカリインフォース12の閉じ断面の内側に設けられて、ロッカリインフォース12の内側からアウタ上側横壁部24(平板部30)、インナ上側横壁部54(平板部60)、アウタ下側横壁部34、インナ下側横壁部64に接合される構成であった。しかしながら、例えば、図8に示される結合部材122のように、ロッカリインフォース12の閉じ断面の外側からアウタ上側横壁部24(平板部30)、インナ上側横壁部54(平板部60)、アウタ下側横壁部34、インナ下側横壁部64に接合される構成であってもよい。
この図8に示される結合部材122は、上壁部104のアウタ側接合部106とインナ側接合部108との間にスリット124が形成されている。スリット124は上壁部104の厚さ方向(ロッカリインフォース12の上下方向)に貫通していると共に、上壁部104における連結部120とは反対側の端部にて開口している。このスリット124は連結部120とは反対側の開口端からアウタ上側フランジ部32及びインナ上側フランジ部62が入り込んでアウタ上側フランジ部32及びインナ上側フランジ部62が上下にスリット124を通過する。
スリット124よりも連結部120側では上壁部104のアウタ側接合部106とインナ側接合部108とが連続して繋がっている。
一方、図9に示されるように、結合部材122の下壁部114におけるアウタ側接合部116とインナ側接合部118との間にはスリット126が形成されている。スリット126は下壁部114の厚さ方向(ロッカリインフォース12の上下方向)に貫通していると共に、下壁部114における連結部120とは反対側の端部にて開口している。このスリット126は連結部120とは反対側の開口端からアウタ下側フランジ部36及びインナ下側フランジ部66が入り込んでアウタ下側フランジ部36及びインナ下側フランジ部66が上下にスリット126を通過する。
スリット126よりも連結部120側では下壁部114のアウタ側接合部116とインナ側接合部118とが連続して繋がっている。
以上の構成の結合部材122は、結合部材102とは異なり、上壁部104がアウタ上側横壁部24の平板部30及びインナ上側横壁部54の平板部60の外側(上側)から平板部30、60に直接又はリヤサイドメンバ72の接合片96等を介して間接的に接合されている。また、結合部材122の下壁部114はアウタ下側横壁部34及びインナ下側横壁部64の外側(下側)からアウタ下側横壁部34及びインナ下側横壁部64に接合されている。
このような構成であっても、上述した結合部材102を設けた構成と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態は、結合部材102がアウタ上側横壁部24(平板部30)、インナ上側横壁部54(平板部60)、アウタ下側横壁部34、インナ下側横壁部64の全てに接合されていた。しかしながら、本発明の観点からすれば、結合部材は、アウタ上側横壁部24(平板部30)及びインナ上側横壁部54(平板部60)の少なくとも一方と、アウタ下側横壁部34及びインナ下側横壁部64の少なくとも一方とに接合されていればよく、また、その接合の態様も、ロッカリインフォース12の閉じ断面の内側及び外側の何れであってもよい。
したがって、例えば、図10に示される結合部材128の上壁部104は、アウタ側接合部106のみを備えており、インナ側接合部108を備えていない。また、結合部材128の下壁部114はインナ側接合部118のみを備えており、アウタ側接合部116を備えていない。この上壁部104と下壁部114とは矩形状の連結部130により繋がっている。
この結合部材128は、例えば、図11に示されるように、上壁部104(アウタ側接合部106)がロッカリインフォース12の閉じ断面の内側からアウタ上側横壁部24の平板部30に接合され、下壁部114(インナ側接合部118)がロッカリインフォース12の閉じ断面の外側からインナ下側横壁部64に接合される。
このような図11に示されるような態様のほかに、上壁部104(アウタ側接合部106)がロッカリインフォース12の閉じ断面の外側からアウタ上側横壁部24の平板部30に接合され、下壁部114(インナ側接合部116)がロッカリインフォース12の閉じ断面の内側からインナ下側横壁部64に接合される構成としてもよいし、上壁部104(アウタ側接合部106)及び下壁部114(インナ側接合部116)の双方がロッカリインフォース12の閉じ断面の内側又は外側からアウタ上側横壁部24の平板部30やインナ下側横壁部64に接合される構成としてもよい。
また、図10に示される結合部材128は、上壁部104をアウタ側接合部106のみで構成して、下壁部114をインナ側接合部118のみで構成した。しかしながら、結合部材の上壁部104をインナ側接合部108のみで構成して、下壁部114をアウタ側接合部116のみで構成してもよい。
<第2の実施の形態の構成>
次に、第2の実施の形態について説明する。
図12及び図13に示されるように、本実施の形態は、結合部材102に代わり結合部材132を備えている。結合部材132は筒状部134を備えている。筒状部134は、結合部材132においては底壁部としての連結部120の外周方向に連続した内周形状及び外周形状が連結部120と同じ形状の筒状に形成されており、連結部120の外周部から車両前方へ延出されている。筒状部134の外周形状はロッカリインフォース12の閉じ断面における内周形状と略同一形状(厳密には、ロッカリインフォース12の閉じ断面における内周形状よりも僅かに小さな相似形状)とされており、ロッカリインフォース12の後端からロッカリインフォース12の内側に嵌挿される。
ロッカリインフォース12の内側に嵌挿された筒状部134の外周面は、ロッカリインフォース12の内側からロッカアウタリインフォース14のアウタ側縦壁部16、平板部30(アウタ上側横壁部24)、アウタ下側横壁部34、及びロッカインナリインフォース44のインナ側縦壁部46、平板部60(インナ上側横壁部54)、インナ下側横壁部64に接し、スポット溶接によってロッカアウタリインフォース14の平板部30(アウタ上側横壁部24)、アウタ下側横壁部34、及びロッカインナリインフォース44の平板部60(インナ上側横壁部54)、インナ下側横壁部64に接合(結合)されている。
換言すれば、筒状部134は、前記第1の実施の形態における連結部120の上壁部104の車幅方向一端と下壁部114の車幅方向一端とを連結部120の外周部から延出された平板部によって一体的に連結し、上壁部104の車幅方向他端と下壁部114の車幅方向他端とを連結部120の外周部から延出された平板部によって一体的に連結した構成とみなすことができる。すなわち、筒状部134は上壁部104と下壁部114とを備える構成である。
なお、本実施の形態では、ロッカリインフォース12の内側に嵌挿された筒状部134の外周面は、ロッカアウタリインフォース14のアウタ側縦壁部16及びロッカインナリインフォース44のインナ側縦壁部46の双方に接した構成となっている。しかしながら、筒状部134の外周面が、アウタ側縦壁部16及びインナ側縦壁部46の少なくとも一方に対して隙間を有するように設けられてもよい。
このように、筒状部134の外周面が、アウタ側縦壁部16及びインナ側縦壁部46の少なくとも一方に対して隙間を有する構成であると、筒状部134をロッカリインフォース12の内側に嵌挿しやすくなる。また、このような構成とすることで筒状部134を成形するに際して特別に厳しい寸法精度が要求されることがなく、筒状部132、ひいては、結合部材132の製造が容易である。
但し、ロッカリインフォース12の内側に嵌挿された筒状部134の外周面がアウタ側縦壁部16やインナ側縦壁部46に接する構成にすることで、ロッカリインフォース12の断面を崩すような外力に対する剛性を向上させることができる。
このような筒状部134を備える結合部材132は、図13及び図14に示されるように、筒状部134における車両前後方向中間部よりも前側(図13における二点鎖線Lよりも矢印A方向側)がロッカリインフォース12の後端部に挿し込まれており、筒状部134における車両前後方向中間部よりも後ろ側(図13における二点鎖線Lよりも矢印B方向側)は突出部136とされてロッカリインフォース12の後端部よりも車両後方へ突出している。このため、図14に示されるように、ロッカリインフォース12の後端部からリヤタイヤ74までの距離がD1であるのに対し、結合部材132の連結部120からリヤタイヤ74までの距離はD1よりも短いD2になり、連結部120がリヤタイヤ74に接近している。
<第2の実施の形態の作用、効果>
以上の構成の本実施の形態は、上述したように、結合部材132の筒状部134は前記第1の実施の形態における結合部材102の上壁部104と下壁部114とを備える構成である。このため、前記第1の実施の形態において結合部材102を備えることで奏する作用と同等の作用を本実施の形態においても奏し、その結果、前記第1の実施の形態と同様の効果を本実施の形態においても得ることができる。
さらに、本実施の形態では、筒状部134が上壁部104と下壁部114とを含む筒形状で、その外周面がロッカリインフォース12の内側からロッカアウタリインフォース14のアウタ側縦壁部16、平板部30(アウタ上側横壁部24)、アウタ下側横壁部34、及びロッカインナリインフォース44のインナ側縦壁部46、平板部60(インナ上側横壁部54)、インナ下側横壁部64に接している。このため、本実施の形態では、ロッカリインフォース12の断面崩れを更に効果的に防止又は抑制できる。
また、本実施の形態では、上記のように結合部材132の突出部136がロッカリインフォース12の後端よりも車両後方へ突出していることによって連結部120がロッカリインフォース12の後端よりもリヤタイヤ74に接近している。このため、車両10の後方からの荷重によってリヤタイヤ74が前方へ移動した場合に、リヤタイヤ74は車両の他の部位よりも先に結合部材132の連結部120に当接して、車両前方への荷重を結合部材132に伝える。結合部材132は筒状部134にてロッカリインフォース12に接合されているため、結合部材132に伝わった荷重の少なくとも一部はロッカリインフォース12という高い剛性を有する構造部品によって受けることになる。これにより、車両10の後方からの荷重によってリヤタイヤ74が前方へ移動した場合にも、車体の変形の発生を抑制できる。
なお、上記の各実施の形態では、アウタ側縦壁部16には拡幅部20が設定されていると共に、インナ側縦壁部46にも同様の拡幅部が設定され、これにより、ロッカリインフォース12はその長手方向中間部から上下方向寸法が増加した(膨らんだ)形状となっている。しかしながら、ロッカリインフォース12の形状がこのような形状に限定されるものではなく、例えば、ロッカリインフォース12の上下方向寸法や幅方向寸法がその長手方向に均一であってもよい。
また、本実施の形態では、リヤサイドメンバ72を構成するリヤサイドメンバロア78の接合片82が、ロッカインナリインフォース44を構成するインナ側縦壁部46の定幅部52に接合された構成であった。しかしながら、リヤサイドメンバロア78とロッカインナリインフォース44との接合部位がこのような構成に限定されるものではない。例えば、リヤサイドメンバロア78の下側縦壁部84を更に下方へ延ばして接合片82をロッカインナリインフォース44のインナ下側横壁部64に接合する構成としてもよい。
さらに、上記の各実施の形態では、後延部材をリヤサイドメンバ72とした構成であった。しかしながら、後延部材はロッカインナリインフォース44の後端側における車幅方向内側でロッカインナリインフォース44に結合されて、更に、この結合部分から更に後方へ延びて、後方からの荷重をロッカインナリインフォース44へ伝える構成であれば、その具体的な名称や態様に限定されるものではない。