JP2012066735A - 移植機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブレーキ操作具によるブレーキ操作が行われた場合に変速レバーを中立位置に揺動させて油圧式無段階変速装置をニュートラル状態とする連係機構を設けた移植機であって、走行機体を坂道等で確実に停止せしめ、作業機等の各部を駆動させ、メンテナンスを円滑に行うことが可能な移植機を提供することを課題としている。
【解決手段】ブレーキ操作具21による上記ブレーキ操作が行われた場合に変速レバー18を中立位置に揺動させて油圧式無段階変速装置29をニュートラル状態とする連係機構を設けた移植機において、ブレーキ操作具21がブレーキ操作されて変速レバー18が中立位置に揺動されている連動状態から、ブレーキ操作時に変速レバー18の前進走行側への変速操作のみを許容する許容状態への切換を行う切換機構を設け、上記許容状態から連動状態への復帰に伴って、変速レバー18を中立位置に揺動させるように前記切換機構を構成した。
【選択図】図9

Description

ブレーキ操作によって油圧式無段階変速装置をニュートラル状態とする連係機構を備えた移植機に関する。
油圧式無段階変速装置から走行伝動系及び作業機伝動系へ動力を断続する主クラッチと、走行機体を制動させる制動機構とを備え、主クラッチの断続と制動機構の入切をまとめて操作する単一のクラッチ・ブレーキ兼用ペダルを設け、該クラッチ・ブレーキ兼用ペダルを踏込み操作することにより制動機構を入作動させるとともに、主クラッチを切断作動させ、坂道等において、走行機体を確実に停止せしめる特許文献1に記載の移植機が公知になっている。
これに対して、油圧式無段階変速装置の変速操作を行う変速レバーと、制動機構を介したブレーキ操作を行うブレーキ操作具とを備え、該ブレーキ操作具による上記ブレーキ操作が行われた場合に変速レバーを中立位置に揺動させて油圧式無段階変速装置をニュートラル状態とする連係機構を設け、坂道等において、走行機体を確実に停止せしめるにあたって、主クラッチを不要とした特許文献2に示す移植機が公知になっている。
特開2004−329103号公報 特開2002−225594号公報
しかし、特許文献2の移植機では、ブレーキ操作具によるブレーキ操作が行われると、変速レバーがニュートラル位置で固定されるため、作業機等の各部を駆動させて点検作業を行う際には上記ブレーキ操作を行うことができない。このため、作業機等を駆動させる点検を行うことが可能な場所が、走行機体が動かない平坦な場所に限定される。
本発明は、変速レバー及びブレーキ操作具を備え、走行機体を制動させるようにブレーキ操作具によるブレーキ操作が行われた場合に変速レバーを中立位置に揺動させて油圧式無段階変速装置をニュートラル状態とする連係機構を設けた移植機であって、走行機体を坂道等で確実に停止せしめ、作業機等の各部を駆動させ、メンテナンスを円滑に行うことが可能な移植機を提供することを課題としている。
上記課題を解決するため本発明は、第1に、走行伝動系A及び作業機伝動系Bへ動力を変速伝動する油圧式無段階変速装置29の変速操作を行う変速レバー18と、走行機体3を制動させる制動機構を介したブレーキ操作を行うブレーキ操作具21とを備え、該ブレーキ操作具21による上記ブレーキ操作が行われた場合に変速レバー18を中立位置に揺動させて油圧式無段階変速装置29をニュートラル状態とする連係機構を設けた移植機において、ブレーキ操作具21がブレーキ操作されて変速レバー18が中立位置に揺動されている連動状態から、ブレーキ操作時に変速レバー18の前進走行側への変速操作のみを許容する許容状態への切換を行う切換機構を設け、上記許容状態から連動状態への復帰に伴って、変速レバー18を中立位置に揺動させるように前記切換機構を構成したことを特徴としている。
第2に、変速レバー18側に接当させる接当部材88と、該接当部材88を変速レバー18側に接当させた状態でロックするロック部材82とを前記切換機構に設け、接当部材88と変速レバー18側とが接当されてロックされることにより、変速レバー18が上記中立位置に揺動されて許容状態から連動状態への切換が行われることを特徴としている。
第3に、許容状態時のみ、変速レバー18の複数の揺動位置で保持する保持部材109を設けたことを特徴としている。
上記構成によれば、ブレーキ操作具によるブレーキ操作に、変速レバーによる油圧式無段階装置のニュートラル操作を連動させる連係機構を設けた場合においても、切換機構によって、上記ブレーキ操作中における主変速レバーの前進走行側への変速操作が許容されるため、ブレーキ操作によって走行機体を坂道等で停止させて、変速レバーを前進走行側に変速させ、作業機等の各部を駆動させ、メンテナンスを円滑に行うことが可能になるとともに、切換機構によって、連係機構を許容状態から連動状態に切換えた際には、これに伴って変速レバーが中立位置に揺動されるため、ブレーキ操作を解除させた際に、走行機体が不測に発進することを防止できる。
また、変速レバー側に接当させる接当部材と、該接当部材を変速レバー側に接当させた状態でロックするロック部材とを前記切換機構に設け、接当部材と変速レバー側とが接当されてロックされることにより、変速レバーが上記中立位置に揺動されて許容状態から連動状態への切換が行われれば、接当部材とロック部材の簡易な構成によって、切換機構を構成できる。
さらに、許容状態時のみ、主変速レバーの複数の揺動位置で保持する保持部材を設ければ、走行機体を停止させた状態で作業者が主変速レバーから手を離して点検を行う際に、油圧式無段階変速装置の変速比を略一定に保持できるため、より効率的な点検作業を行うことができる。
本発明の移植機を適用した乗用田植機の全体側面図である。 本発明の移植機を適用した乗用田植機の全体平面図である。 本乗用田植機の動力伝動系統図である。 ミッションケース回りの変速機構及びブレーキ機構の配置を示す右側面図である。 ミッションケース回りの変速機構及びブレーキ機構の配置を示す左側面図である。 ブレーキ操作具と主変速レバーとの連係を示す要部側面図である。 主変速操作部の分解斜視図である。 切換機構によるロック状態を示す要部左側面図である。 切換機構による許容状態を示す要部左側面図である。 保持機構を備えた主変速操作部のロック状態を示す要部左側面図である。 保持機構を備えた主変速操作部の許容状態を示す要部左側面図である。
以下、図示する例に基づき本発明の実施形態について説明する。
図1及び図2は、本発明の移植機を適用した乗用田植機の全体側面図及び全体平面図である。本乗用田植機は、左右一対の前輪1及び後輪2よって支持される走行機体3と、走行機体3の後方に昇降リンク4を介して昇降自在に連結された植付作業機6と、植付作業機6と後輪2との間に配置された左右方向の整地作業機7と、走行機体3の側方に配置されて植付作業機6に載置する予備苗をストックする予備苗台8とから構成されている。
前記走行機体3を支持する機体フレーム9は、前方側にはボンネット11に囲繞されたエンジン12が搭載されており、該エンジン12の後方側は、作業者が乗込んで操向操作を行う操縦部13が設けられている。
上記操縦部13は、作業者が着座する座席14と、前輪1を操向操作するステアリングハンドル16と、該ステアリングハンドル16の下側のフロアステップ17と、主変速機構による変速を操作する主変速レバー(変速レバー)18と、走行変速を操作する副変速レバー19と、ブレーキ機構(制動機構)による走行機体のブレーキ作動を操作するブレーキペダル(ブレーキ操作具)21とが配置されている。該主変速機構及びブレーキ機構については後述する。
前記植付作業機6は、予備苗台8等にストックされた苗が載置される苗載台22と、該苗載台22に載置された苗の圃場への植付作業を行う植付部23と、該植付作業機6を駆動させる動力が伝動される植付駆動軸24とを備え、前記整地作業機7は、角柱状の整地ロータ26と、該整地作業機を駆動させる動力が伝動される整地駆動軸27とを備えて構成されている。したがって、本乗用田植機は、植付作業時の機体旋回等により荒れた圃場を、前記整地作業機7によって整地し、該植付作業機6を用いて整地後の圃場に苗を植付けるように構成されている。
次に、図3に基づいて、本乗用田植機の動力伝動構成について説明する。図3は、本乗用田植機の動力伝動系統図である。エンジン12から出力された動力は、伝動ベルトを介して油圧式無段階変速装置であるHST29に入力され、該HST29により無段階変速された動力は、入力軸S1によって、ミッションケース31内へ伝動され、植付作業機6側へ伝動する作業機伝動系Bと、前輪1及び後輪2側へ伝動する走行伝動系Aとに分岐してそれぞれに動力を伝動する構成となっている。
前記入力軸S1から作業機伝動系Bに伝動される動力は、ワンウェイクラッチにより駆動方向を限定しつつギヤ変速する株間変速装置32を介してPTO軸に伝動され、植付作業機6側の植付駆動軸24へと伝動される。
前記入力軸S1から走行伝動系Aに伝動された動力は、ギヤ式の副変速機構33を介してギヤ変速されて伝動軸S2に伝動される。伝動軸S2の動力は、左右一対の前輪1側に動力伝動する前輪駆動軸34と、後部伝動ケース36側に伝動する伝動軸S3とに再度分岐されて伝動される。
前記伝動軸S3は、ベベルギヤ37を介して機体停止ブレーキ38が介装されて伝動軸S2の動力が伝動されており、後部伝動ケース36側へと動力伝動する。該伝動軸S3の動力は、伝動ギヤ39を介して整地作業機7の整地駆動軸27に伝動されるとともに、ベベルギヤ41を介して左右にサイドクラッチ42,42を備えた後輪駆動軸43へと伝動される。
なお、エンジン12からの動力は、前記昇降リンク4を昇降作動させる油圧シリンダ等を駆動する油圧ポンプ側44へも伝動されている。
次に、図4及び図5に基づいて、主変速機構及びブレーキ機構の構成について説明する。図4及び図5は、ミッションケース回りの主変速機構及びブレーキ機構の配置を示す右側面図及び左側面図である。図より、主変速機構及びブレーキ機構が取付けられた前記ミッションケース31は、前記機体フレーム9の前端側に取付けられている。
具体的には、前記ミッションケース31の後端側は、前方側が開放されたコの字型に形成された後部取付部材46を介して機体フレーム9の前端側にボルト固定されるとともに、該ミッションケースの前端側は、上側が開放されたコの字型に形成された前部取付部材47を介して前部プレート48がボルト固定されている。
該前部プレート48の上面側には、エンジンが載置・固定されるエンジンマウント49が設けられている。さらに、該エンジンマウント49に搭載されたエンジンの動力は、エンジンマウント49上に配置されるエンジンプーリ等を介してミッションケース31の左側面側に配置されたHST29へと伝動される。
上記記載のミッションケース31側には、前側中央部に配置されるステアリングシャフト51と、該ステアリングシャフト51の左側に設けられる主変速レバー18と、該ステアリングシャフト51の右側に設けられる副変速レバー19と、副変速レバー19の下方側に配置されるブレーキペダル21とが取付けられている。
前記主変速レバー18は、前進位置、中立位置(ニュートラル位置)、後進位置に連続的に前後揺動操作可能に構成され、該主変速レバー18の前後揺動操作により主変速機構を介して走行機体の変速操作が行われるように構成されている。
具体的に該主変速機構は、該主変速レバー18と、前後揺動操作される該主変速レバーの揺動軸が挿通されて主変速レバー18と連結されて一体的に揺動する主変速操作部52と、上記主変速レバー18の基端部側に連結される連結ロッド53とから構成されている。当該構成により、主変速レバー18の前後揺動操作にともなって連結ロッド53が上下揺動操作され、該連結ロッド53の上下揺動により前記HST29の変速操作が行われる。
前記副変速レバー19は、前後揺動操作によって、走行位置、植付位置、中立位置に切換えることができ、該副変速レバー19の前後揺動操作により操作される連結ロッド54を介して、ミッションケース31内の副変速機構33のギヤ変速が行われるように構成されている。
前記ブレーキペダル21は、通常位置からの踏込み操作により、ブレーキ機構を介してミッションケース31内の機体停止ブレーキ38を操作することにより、走行機体3をブレーキ作動させることができるように構成されている。
具体的に該ブレーキ機構は、踏板21aと、フック部21bと、連結支点20回りに回動するアーム部21cとからなるブレーキペダル21と、一端側がアーム部21cに連結されるロッド56と、一端が該ロッド56の他端側に連結されて他端がブレーキシャフト57の端部に固設されて該ブレーキシャフト57を軸に揺動される第1アーム材58と、該ブレーキシャフト57の中途部に固設されて該ブレーキシャフト57を軸に揺動する第2アーム材59(図6参照)と、該第2アーム材59に上端側と連結されるブレーキ操作ロッド61と、該ブレーキ操作ロッド61の下端側に回動自在に取付けられたブレーキシフタアーム62とから構成されている。
当該構成により、前記ブレーキペダル21の踏板21aを踏込み操作した場合、連結支点20回りにアーム部21cが踏込み回動し、これによりロッド56が前方側へ引張られる。これにより、第1アーム材58がブレーキシャフト57を軸に前方側へ揺動する。該第1アーム材58の前方揺動に伴うブレーキシャフト57の軸回転により、第2アーム材59もブレーキシャフト57を軸に上方側へ揺動する(図6参照)。これにより、第2アーム材59に連結されたブレーキ操作ロッド61が上方側へ揺動され、これによるブレーキシフタアーム62の変位がミッションケース31内の機体停止ブレーキ38へと伝えられ、該機体停止ブレーキ38が操作される。
また、前記ロッドの後端側には後方側へ向かって付勢する復帰バネ63が設けられており、該復帰バネ63の付勢力(弾性力)によりブレーキペダル21が踏込み操作される前の通常位置に維持されるように構成されている。
さらに、該アーム部21cの基端側には、前方側に突出して前端側がL字に屈曲されたロックバー64が設けられており、ブレーキペダル21を前記フック部21bがロックバー64と係合する位置まで踏込み操作することによって、踏込み操作をやめてもブレーキペダル21の踏込み位置が保持されるため、駐車ブレーキとなる。
なお、前記主変速レバー18とブレーキペダル21とには、上述の主変速機構とブレーキ機構の他に、ブレーキペダル21によるブレーキ操作と連動して、自動的に主変速レバー18を中立位置に揺動させて、該中立位置を保持する連動状態とする連係機構と、該連動状態から、ブレーキ作動を維持した状態で主変速レバー18の前進側の揺動操作のみを許容する許容状態への切換えを行うことのできる切換機構とが設けられている。詳述は後述する。
次に、図6に基づいて、連係機構の構成について説明する。図6は、ブレーキ操作具と主変速レバーとの連係を示す要部側面図である。図6の実線は、主変速レバー18が前進側に操作されるとともに、ブレーキペダル21が操作されていない状態を示しており、仮想線は、ブレーキペダル21が踏込み操作されて連係機構により主変速レバー18が中立位置へ揺動された連動状態を示している。
前記連係機構は、前記ブレーキ機構を構成するブレーキシャフト57の他端側(第1アーム材58が取付けられる側と反対側の端部)に一端が固設され、該ブレーキシャフト57を軸に揺動する第3アーム材66と、一端が該第3アーム材66に連結されて他端が主変速操作部52の下側まで延設されるロッド67と、該ロッド67に一端が連結されて他端が主変速操作部52側に連結される左右方向に延びる連係回動軸68に固設される第4アーム材69と、一端側が該連係回動軸68に固設されて連係回動軸68を軸に揺動する第5アーム材71とを備え、該第5アーム材71の他端側を連結支点として、前後にそれぞれ傾けてV字状に配置した第1揺動部70と第2揺動部72とを揺動自在に連結している。さらに、前後の第1揺動部70と第2揺動部72とにはそれぞれ第1連係ロッド73と第2連係ロッド74の下端側が連結され、該第1連係ロッド73と第2連係ロッド74の上端側は、前記主変速操作部52を構成する主変速操作部材76に設けた融通連結部77にそれぞれ連結されている。
該融通連結部77は、上記主変速操作部材76に挿通される主変速レバー18の揺動軸を中心に前後それぞれに上下方向に長い円弧状に穿設された融通孔78a,78bと、前後の融通孔78a,78bにそれぞれ挿通されて前記第1連係ロッド73及び第2連係ロッド74の上端側と連結される作用ピン79a,79bとから構成されている。これにより、主変速レバー18は、各融通孔78a,78bの中を作用ピン79a,79bが移動可能な範囲内で前後揺動が許容される構成となっている。
次に、図7乃至9に基づいて、前記切換機構の構成について説明する。図7は、主変速操作部の分解斜視図であり、図8は、切換機構によるロック状態を示す要部左側面図であり、図9は、切換機構による許容状態を示す要部左側面図である。切換機構は、副変速レバー19の前後揺動操作によって、主変速レバー18と主変速操作部52とをロックして一体回動するロック状態と、主変速レバー18と主変速操作部52とのロックを解除して主変速レバー18のみ前進側へ揺動することを許容するロック解除状態(許容状態)とに切換えることができる。以下、主変速操作部と副変速レバーとの連動構成について説明する。
まず、図7より主変速操作部の構成について説明する。該主変速操作部52は、主変速レバー18の基端部側に連結されるレバー連結部81と、上述の主変速操作部材76と、主変速レバー18と主変速操作部材76とのロック及びロック解除を行うロック部材82とから構成されている。
前記レバー連結部81は、主変速レバー18の揺動軸83が設けられ、前記HST29側へ連結する連結ロッド53が連結される連結孔84が穿設された平板A86と、主変速レバーの基端側と連結される平板B87と、主変速操作部材76及びロック部材82と直交する方向に取付けられたロックピン88とから構成されている。
前記主変速操作部材76は、上述の連係機構を構成する前記揺動軸83が挿通される中心孔89と、該中心孔89を挟んで2つの円弧状をなす融通孔78a,78bとが穿設されている。また、上辺側には一方側が深く切欠かれた台形状の切欠き部91が凹設されており、該切欠き部内91に前記ロックピン88が配置される。また、前記中心孔89等から下側に向かって扇状に延設されたプレートの下端側に前後方向に多数の溝が設けられたノッチ部92が形成されている。
また、上記ノッチ部92の下方側には、ノッチ付勢部材93が設けられている。該ノッチ付勢部材93は、回動軸部94と、前記ノッチ部92の溝と係合する係合部97と、該係合部をノッチ部92側に付勢するばね板部98とから構成されている。
前記ロック部材82は、方形状のプレートの上辺側を後方に向かって階段状に2段切欠いた形状に形成されるとともに、前記揺動軸83を回動自在な態様で外装する揺動筒95が突設されており、該揺動筒95(揺動軸83)を軸に回動自在に主変速レバー18側に取付けられている。
また、ロック部材82は、該ロック部材82の前端上側に穿設された取付孔99と、主変速操作部材76の前方側に向かって延設された部分であって前記ロック部材側の取付孔99よりも下側となる位置に穿設された取付孔101との間に第1引張ばね102が配置されて主変速操作部76材側に連結されるとともに、該ロック部材82の後端下側は、他端側が後述する副変速レバー19側へ連結されるインナーワイヤー103が連結されている。
上記構成により、前記レバー連結部81に取付けられた上記ロックピン88は、主変速操作部材76の前記切欠き部89のうち、後方側の浅く切欠かれた側である接当面91aと、ロック部材の階段状の切欠きのうち、1段目(上側)の切欠かれた面である接当面82aとによって挟持される(図7及び図8参照)ように配置される。
図8及び図9において、前記ロック部材と副変速レバーとの連動について説明する。ロック部材82に一端側が連結されたインナーワイヤー103の他端側は、第2引張ばね104を介して副変速レバー19の後側に取付けられており、該インナーワイヤー103は、第2引張ばね104の付勢力(引張力)によってロック部材82の後端下側を下方側に引張る構成となっている。
前記インナーワイヤー103を外装するアウターワイヤー106のロック部材82側は、ロック部材82に近接する主変速操作部材76に固定した取付部107に取付けられている。これにより、主変速操作部材76とロック部材82とが一体回動する状態にあっては、アウターワイヤー106の端部からロック部材82のインナーワイヤー103の連結位置までの距離が変化しない構成となっている。また、該アウターワイヤー106の副変速レバー19側は、機体側に固定された取付部108に取付けられている。
すなわち、第2引張ばね104の付勢力が第1引張ばねの付勢力102に勝っている場合は、第1引張ばねの付勢力に抗してロック部材82がインナーワイヤー103に引かれることにより、ロック部材82が左側面視時計回り方向に回動し、該ロック部材82の接当面82aを該ロックピン88を介した状態で接当面91a側へ押付けられる。これにより、主変速レバー18と主変速操作部材76とが連結(ロック)されて一体回動する状態となる。
次に、図6乃至9に基づき、上記により構成された連係機構及び切換機構の作用について説明する。
図8は、主変速レバーが中立位置に操作され、副変速レバーが植付位置に操作され、ブレーキペダルが踏込み操作されていない状態を示している。
図に示すように、副変速レバー19が植付位置に操作されている場合は、前記構成により、インナーワイヤー103が主変速操作部76のロック部材82を下方側へ引張ることにより、ロック部材82の接当面82aがロックピン88と接当して主変速操作部材76の接当面91a側に回動して、ロックピン88を主変速操作部材76側に押圧する。これにより、主変速レバー18と主変速操作部材76とが連結されて、主変速レバー18の揺動操作にともなって、主変速操作部材76が一体回動するロック状態となる。
当該ロック状態においては、主変速レバー18が前進側へ揺動操作された場合(図6の実線部)、該主変速レバー18の前後揺動操作にともなって一体回動する主変速操作部52は、前記主変速操作部材76に設けた融通孔78a,78bを挿通した前記作用ピン79a,79bが該融通孔78a,78bの内部を移動可能な範囲内で(前記各作用ピンが融通孔の上下端に当接するまで)回動作動が許容されるため、主変速レバー18のすべての操作域(前進位置、中立位置、後進位置)に操作可能な状態となる。
なお、ロック状態は、主変速レバー18と主変速操作部材76とが連結されて一体回動するため、主変速操作部材76の下端に設けたノッチ部92にノッチ付勢部材93の係合部97が付勢されることによって、主変速レバー18の操作位置が保持される。このため、主変速レバー18が勝手に動くことが防止される。なお、該ノッチ付勢部材93の付勢力を上回る力で主変速レバー18を動かせば容易に前後揺動操作を行うことができる。
図6に示されるように、連係機構は、上記の切換機構のロック状態において、ブレーキペダル21を踏込み操作することにより、主変速レバー18が中立位置へ揺動されてHST29をニュートラル状態とする連動状態にするものである。
具体的には、ブレーキペダル21の踏込み操作を行った場合(図6の仮想線部分)、前記ブレーキ機構のブレーキ操作ロッド61が上方揺動されてブレーキ作動されるとともに、前記第3アーム材66がブレーキシャフト57を軸に後方側へ揺動される。これによってロッド67が後方側へ引張られ、ロッド67の他端側に連結された第4アーム69材が連係回動軸68を軸に後方回動する。これにより、連係回動軸68を軸として前記第5アーム材71が下方側へ揺動される。該第5アーム材71の下方側への回動により、前記第1揺動部70及び第2揺動部72が下方揺動され、それぞれに連結された第1連係ロッド73及び第2連係ロッド74も下方側へ引張られる。
これにより、ブレーキペダル21の踏込み操作に連動して前記各融通孔78a,78bに挿通された作用ピン79a,79bが下方側へ操作されることにともなって、前側あるいは後側に揺動された主変速操作部材76が中立位置側へ操作される。具体的には、主変速レバー18の前方側(前進側)への操作によって主変速操作部材76が後方回動されている場合(図6の実線の場合)には、後方側の融通孔78bの下端側への作用ピン79bの当接によって、主変速操作部材76を前方側へ回動させ、これにより主変速レバー18を中立位置へ揺動させる。同様に、主変速レバー18の後方側(後進側)への操作によって主変速操作部材76が前方回動されている場合には、前方側の融通孔78aの下端側への作用ピン79aの当接によって、主変速操作部材76を後方側へ回動させ、これにより主変速レバーを中立位置へ揺動させる。
したがって、ブレーキペダル21の踏込み操作された場合には、ブレーキが作動して走行機体3が停止するとともに、主変速レバー18が前進側あるいは後進側のどちら側に操作されている状態であっても、主変速レバー18は中立位置に揺動される連動状態となる。
また、該連動状態においては、各作用ピン79a,79bが下方側に操作されて、それぞれ主変速操作部材76の融通孔78a,78bの下端側に当接した状態で保持されるため(図9の実線部)、主変速レバー18は連動状態である限り中立位置に保持されて、前進側及び後進側への操作が規制される。
図9より、切換機構は、副変速レバー19を中立位置へ操作して前記連動状態から許容状態へ(ロック解除状態)へ切換えることによって、連動状態により中立位置に揺動されて前後揺動操作が規制された主変速レバー18の、前進側への揺動が許容される(図9の仮想線部)。
具体的には、走行位置又は植付位置に位置する副変速レバー19を中立位置へ操作することによって、インナーワイヤー103が緩んで副変速レバー19側の第2引張ばね104の付勢力が弱くなり(生じなくなり)、第1引張ばね102の付勢力を下回る。これにより、ロック部材82に設けた第1引張ばね102の付勢力によって、ロック部材82の接当面82aは揺動筒95(揺動軸83)を軸として前方側に回動し、該接当面82aとロックピン88との接当が解除されるため、主変速レバー18と主変速操作部材76との連結が解除されるロック解除状態となる。
したがって、切換機構によってロック解除状態に切換えられることによって、主変速レバー18と主変速操作部材76との連結が解除される。このため、ブレーキの踏込み操作により主変速操作部材76の揺動が規制されている状態であっても、ロックピン88が配置される該主変速操作部材76の上辺側の切欠き部89の範囲内において主変速レバー18を単独で揺動操作できる許容状態となる。つまり、ブレーキ作動した状態のまま、前進側に主変速レバー18を操作することが許容される。
また、上記の許容状態において、副変速レバー19を中立位置から植付位置又は走行位置に変速操作し、許容状態から連動状態へと復帰させた場合は、副変速レバー19の前方揺動により第2引張ばね104が引張られて再び第1引張ばねの付勢力を上回る付勢力が生じるため、ロック部材82がインナーワイヤー103に引張られて、第1引張ばね102の付勢力に抗する側へ回動する。これにより、ロック部材82の接当面82aがロックピン88と接当して、該ロックピン88を主変速操作部材76の接当面91aに押圧する。
したがって、切換機構は、連動状態から許容状態に切換えて、主変速レバー18が前進側へ操作されている場合であっても、該許容状態から連動状態へ復帰させる際に、主変速レバー18が自動的に中立位置へ揺動される。
これにより、連動状態から許容状態に切換えることによって、走行機体3にブレーキをかけた状態での植付作業機6等を駆動させてメンテナンスを行い、該メンテナンスを終えて連動状態に復帰させた後に、ブレーキペダル21によるブレーキ操作を解除する際は、必ず主変速レバー18が中立位置に位置した状態となるため、誤操作等による機体の不測の発進等が防止されるという効果がある。
次に、図10及び図11に基づいて、切換機構に許容状態によって前方揺動可能になった主変速レバーの操作位置を保持する保持機構を設けた例について上述の例と異なる点を説明する。
図10は、保持機構を備えた主変速操作部のロック状態を示す要部左側面図であり、図11は、保持機構を備えた主変速操作部の許容状態を示す要部左側面図である。保持機構は、主変速操作部材76に取付けられるデテントアーム109と、該デテントアーム109を付勢する第3引張ばね111とから構成されている。
前記デテントアーム109は、円弧形状のプレートであって、円弧の曲線の内側に波状の複数の凹凸からなる保持部112が形成されており、該保持部112がロックピン88側に向けた状態で前記ロック部材82の上方側に配置される構成となっている。また、該デテントアーム109の一端側は、主変速操作部材76の接当面91a側の近傍の支点110を軸に回動自在にピン固定されている。
前記第3引張ばね111は、デテントアーム109の他端側と、主変速操作部材76に設けたロック部材82を付勢する第1引張ばねが取付けられる取付孔101の上方側に穿設した取付孔114との間に設けられており、該第3引張ばねの付勢力によって、デテントアーム109を下方側へ付勢している。
当該構成により、前記ロック状態によってロックピン88が接当面91aと接当面82aとにより挟持されて主変速レバー18と主変速操作部材76とが連結されている場合は、該デテントアーム109は、ロック部材82の上面側に当接して上方側へと押上げられた状態となる(図10参照)。
一方、前記切換機構により、前記ロック状態からロック解除状態に切換えられて、主変速レバー18と主変速操作部材76との連結が解除され、主変速レバー18の前進側への揺動操作のみが許容される状態となった場合は、ロック部材82の上面前端側が第1引張ばね102の付勢力によって揺動軸83を軸に下方側に回動されるため、これにともなってデテントアーム109も第3引張ばねの付勢力によって支点110を軸に下方側へ回動する(図11参照)。
これにより、該保持部112の凹部が、ロックピン88に当接して上方から押える側に付勢され、主変速レバー18の操作位置が保持される。このとき、操作位置が保持された主変速レバー18を揺動操作する場合には、デテントアーム109を下方に付勢する付勢力に抗す力を加えて主変速レバー18を揺動操作することにより、デテントアーム109を上方に押し退けてロックピン88を他の凹部に保持させることができる。
したがって、ロック状態により、主変速レバー18が主変速操作部材76と一体回動する場合には、該主変速操作部材76の下端側に設けたノッチ部92及びノッチ付勢部材93によって主変速レバー18の操作位置が多段階で保持される一方で、切換機構により、連動状態から許容状態に切換られて主変速レバー18と主変速操作部材76との連結が解除された場合には、前記デテントアーム109の保持部112がロックピン88側に付勢されることによって、主変速レバー18の操作位置が多段階で保持される。
3 走行機体
18 主変速レバー(変速レバー)
21 ブレーキペダル(ブレーキ操作具)
29 HST(油圧式無段階変速機)
82 ロック部材
88 ロックピン(接当部材)
109 デテントアーム(保持部材)
A 走行伝動系
B 作業機伝動系

Claims (3)

  1. 走行伝動系(A)及び作業機伝動系(B)へ動力を変速伝動する油圧式無段階変速装置(29)の変速操作を行う変速レバー(18)と、走行機体(3)を制動させる制動機構を介したブレーキ操作を行うブレーキ操作具(21)とを備え、該ブレーキ操作具(21)による上記ブレーキ操作が行われた場合に変速レバー(18)を中立位置に揺動させて油圧式無段階変速装置(29)をニュートラル状態とする連係機構を設けた移植機において、ブレーキ操作具(21)がブレーキ操作されて変速レバー(18)が中立位置に揺動されている連動状態から、ブレーキ操作時に変速レバー(18)の前進走行側への変速操作のみを許容する許容状態への切換を行う切換機構を設け、上記許容状態から連動状態への復帰に伴って、変速レバー(18)を中立位置に揺動させるように前記切換機構を構成した移植機。
  2. 変速レバー(18)側に接当させる接当部材(88)と、該接当部材(88)を変速レバー(18)側に接当させた状態でロックするロック部材(82)とを前記切換機構に設け、接当部材(88)と変速レバー(18)側とが接当されてロックされることにより、変速レバー(18)が上記中立位置に揺動されて許容状態から連動状態への切換が行われる請求項1に記載の移植機。
  3. 許容状態時のみ、変速レバー(18)の複数の揺動位置で保持する保持部材(109)を設けた請求項1又は2の何れかに記載の移植機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015003696A (ja) * 2013-06-24 2015-01-08 三菱農機株式会社 作業用走行車
CN104608629A (zh) * 2015-03-05 2015-05-13 中南林业科技大学 一种双工位挡位互换的方法及装置
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