JP2012066570A - 複合シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の複合シートは、基材と該基材の少なくとも一方の面側に備えられる発泡層を含む複合シートであって、該発泡層は球状気泡を有し、該球状気泡の平均孔径が30μm未満であり、該発泡層の密度が0.1g/cm3〜0.9g/cm3である。
【選択図】図1
Description
基材と該基材の少なくとも一方の面側に備えられる発泡層を含む複合シートであって、
該発泡層は球状気泡を有し、該球状気泡の平均孔径が30μm未満であり、
該発泡層の密度が0.1g/cm3〜0.9g/cm3である。
本発明の複合シートは、基材と該基材の少なくとも一方の面側に備えられる発泡層を含む。すなわち、本発明の複合シート100は、図1に示すように、基材1と該基材の片方の面側に備えられる発泡層2を含んでいても良いし、図2に示すように、基材1と該基材の両方の面側に備えられる発泡層2a、2bを含んでいても良い。また、本発明の複合シートは、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な他の層を含んでいても良い。なお、本発明の複合シートは、シート状であれば、その厚み、長辺および短辺の長さは、任意の適切な値を採り得る。
基材は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な基材を採用し得る。このような基材としては、例えば、繊維織布、繊維不織布、繊維積層布、繊維編布、樹脂シート、金属箔膜シート、無機繊維などが挙げられる。基材の厚みは、材料や目的に応じて、任意の適切な厚みを採用し得る。
発泡層の材料としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な発泡体を採用し得る。発泡層の材料としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル系樹脂の発泡体、ポリウレタン系樹脂の発泡体、それらの複合樹脂系発泡体などが挙げられる。
本発明の複合シートは、任意の適切な方法により製造し得る。代表的には、本発明の複合シートは、基材の片方の面側または両方の面側に、W/O型エマルションを賦形および重合することによって発泡層を形成させることによって、好ましく製造し得る。
本発明の複合シートを得るために用い得るW/O型エマルションは、連続油相成分と該連続油相成分と不混和性の水相成分を含むW/O型エマルションである。本発明の複合シートを得るために用い得るW/O型エマルションは、より具体的に説明すると、連続油相成分中に水相成分が分散したものである。
水相成分としては、実質的に連続油相成分と不混和性のあらゆる水性流体を採用し得る。取り扱いやすさや低コストの観点から、好ましくは、イオン交換水などの水である。
連続油相成分は、好ましくは、エチレン性不飽和モノマーを含む。より好ましくは、親水性ポリウレタン系重合体とエチレン性不飽和モノマーを含む。連続油相成分が親水性ポリウレタン系重合体とエチレン性不飽和モノマーを含む場合、連続油相成分中の親水性ポリウレタン系重合体およびエチレン性不飽和モノマーの含有割合は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な含有割合を採り得る。
親水性ポリウレタン系重合体は、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール由来のポリオキシエチレンポリオキシプロピレン単位を含み、該ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン単位中の5重量%〜25重量%がポリオキシエチレンである。
エチレン性不飽和モノマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーであれば、任意の適切なモノマーを採用し得る。エチレン性不飽和モノマーは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
連続油相成分には、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なその他の成分が含まれ得る。このようなその他の成分としては、代表的には、好ましくは、重合開始剤、架橋剤、触媒、酸化防止剤、有機溶媒などが挙げられる。このようなその他の成分は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
本発明の複合シートを得るために用い得るW/O型エマルションを製造する方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。本発明の複合シートを得るために用い得るW/O型エマルションを製造する方法としては、例えば、連続油相成分と水相成分を連続的に乳化機に供給することでW/O型エマルションを形成する「連続法」や、連続油相成分に対して適当な量の水相成分を乳化機に仕込み、攪拌しながら連続的に水相成分を供給することでW/O型エマルションを形成する「バッチ法」などが挙げられる。W/O型エマルションを連続的に重合する連続重合法は生産効率が高く、重合時間の短縮効果と重合装置の短縮化とを最も有効に利用できるので好ましい方法である。
本発明の複合シートは、基材の片方の面側または両方の面側に、W/O型エマルションを賦形および重合することによって発泡層を形成させることによって、好ましく製造し得る。
W/O型エマルションを調製する工程(I)と、
得られたW/O型エマルションを賦形する工程(II)と、
賦形されたW/O型エマルションを重合する工程(III)と、
得られた含水重合体を脱水する工程(IV)と、
を含む形成方法によって形成することができる。ここで、得られたW/O型エマルションを賦形する工程(II)と賦形されたW/O型エマルションを重合する工程(III)とは少なくとも一部を同時に行っても良い。
GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により重量平均分子量を求めた。
装置:東ソー(株)製「HLC−8020」
カラム:東ソー(株)製「TSKgel GMHHR−H(20)」
溶媒:テトラヒドロフラン
標準物質:ポリスチレン
作製した複合シートの発泡層を100mm×100mmの大きさに5枚切りだして試験片とし、重量を体積で除して見掛け密度を求めた。得られた見掛け密度の平均値を発泡層の密度とした。
作製した複合シートをミクロトームカッターで厚み方向に切断したものを測定用試料とした。測定用試料の切断面を走査型電子顕微鏡(日立製、S−4800)で800〜2000倍にて撮影した。撮影した画像を用いて、任意範囲の球状気泡の孔径や、任意範囲の球状気泡間を貫通する貫通孔の孔径や、任意範囲の表面開口部の孔径を測定し、その測定値から球状気泡の平均孔径や貫通孔の平均孔径や表面開口部の平均孔径を算出した。
作製した発泡体の引張強度を、JIS−K−7113に準拠して、引張速度=50mm/分で測定した。
冷却管、温度計、および攪拌装置を備えた反応容器に、エチレン性不飽和モノマーとしてアクリル酸2−エチルヘキシル(東亜合成(株)製、以下「2EHA」と略す)からなるモノマー溶液173.2重量部と、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールとしてアデカ(登録商標)プルロニックL−62(分子量2500、ADEKA(株)製、ポリエーテルポリオール)100重量部と、ウレタン反応触媒としてジブチル錫ジラウレート(キシダ化学(株)製、以下「DBTL」と略す)0.014重量部とを投入し、攪拌しながら、水素化キシリレンジイソシアネート(武田薬品(株)製、タケネート600、以下「HXDI」と略す)12.4重量部を滴下し、65℃で4時間反応させた。なお、ポリイソシアネート成分とポリオール成分の使用量は、NCO/OH(当量比)=1.6であった。その後、メタノール(キシダ化学(株)製、特級)1.5重量部を滴下し、65℃で2時間反応させ、親水性ポリウレタン系重合体/エチレン性不飽和モノマー混合シロップを得た。得られた親水性ポリウレタン系重合体の重量平均分子量は1.5万であった。得られた親水性ポリウレタン系重合体/エチレン性不飽和モノマー混合シロップ100重量部に対して2EHAを48重量部、極性モノマーとしてアクリル酸(東亜合成社製、以下、「AA」と略す)12重量部を加え、親水性ポリウレタン系重合体/エチレン性不飽和モノマー混合シロップ1とした。
エチレン性不飽和モノマーとして2EHAが90重量部、極性モノマーとしてAAが10重量部からなる混合モノマー溶液100重量部に対し、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(チバ・ジャパン社製、商品名「IRGACURE−651」)0.05重量部、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバ・ジャパン社製、商品名「IRGACURE−184」)0.05重量部を加えた溶液を4つ口フラスコに投入し、窒素雰囲気下および常温雰囲気下、内浴温度を80℃になるようにマントルヒータで調整し、紫外線に曝露して部分的に光重合させることによって、混合シロップ2を得た。部分重合により生成したポリマーの重量平均分子量は107万であった。また、混合シロップ2のポリマー濃度は25重量%であった。
製造例1で得られた親水性ポリウレタン系重合体/エチレン性不飽和モノマー混合シロップ1の100重量部に、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(新中村化学工業社製、商品名「NKエステルA−HD−N」)30重量部、ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキサイド(BASF社製、商品名「ルシリンTPO」)0.5重量部、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバ・ジャパン社製、商品名「イルガノックス1010」)1.0重量部を均一混合し、連続油相成分(以下、「油相」と称する)とした。一方、上記油相100重量部に対して水相成分(以下、「水相」と称する)としてイオン交換水300重量部を常温下、上記油相を仕込んだ乳化機である攪拌混合機内に連続的に滴下供給し、安定なW/O型エマルションを調製した。なお、水相と油相の重量比は75/25であった。
調製から室温下で30分間静置保存したW/O型エマルションを、離型処理された厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、「PETフィルム」と称する)上に、光照射後の発泡層の厚さが150μmとなるように塗布し、連続的にシート状に成形した。さらにその上に、延伸したポリエステル長繊維をタテヨコに整列させて積層させた厚さ70μmのポリエステル繊維積層布(新日石プラスト社製、商品名「ミライフ(登録商標)TY1010E」)を積層した。さらに、別途、調製から室温下で30分間静置保存したW/O型エマルションを、離型処理された厚さ38μmのPETフィルム上に、光照射後の発泡層の厚さが150μmとなるように塗布したものを用意し、塗布面を上記ポリエステル繊維積層布に被せた。このシートにブラックライト(15W/cm)を用いて光照度5mW/cm2(ピーク感度最大波350nmのトプコンUVR−T1で測定)の紫外線を照射し、厚さ310μmの高含水架橋重合体を得た。次に上面フィルムを剥離し、上記高含水架橋重合体を130℃にて10分間に亘って加熱することによって、厚さ約310μmの複合シート(1)を得た。
結果を表1に示した。
また、作製した複合シートの断面SEM写真の写真図を図3に示し、作製した複合シートを斜めから撮影した表面/断面SEM写真の写真図を図4に示し、作製した複合シートの発泡層の断面SEM写真の写真図を図5、図6に示した。
実施例1において、水相としてイオン交換水152重量部を常温下、連続的に滴下供給した以外は、実施例1と同様に行い、安定なW/O型エマルションを調製した。水相と油相の重量比は60/40であった。
得られたW/O型エマルションについて、実施例1と同様の操作を行い、厚さ約310μmの複合シート(2)を得た。
結果を表1に示した。
実施例1において、水相としてイオン交換水567重量部を常温下、連続的に滴下供給した以外は、実施例1と同様に行い、安定なW/O型エマルションを調製した。水相と油相の重量比は85/15であった。
得られたW/O型エマルションについて、実施例1と同様の操作を行い、厚さ約310μmの複合シート(3)を得た。
結果を表1に示した。
実施例1において、親水性ポリウレタン系重合体/エチレン性不飽和モノマー混合シロップ1の100重量部に対し、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート30重量部の代わりに、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート10重量部、反応性オリゴマーとして、ポリテトラメチレングリコール(以下、「PTMG」と略す)とイソホロンジイソシアネート(以下、「IPDI」と略す)から合成されるポリウレタンの両末端がHEAで処理された、両末端にエチレン性不飽和基を有するウレタンアクリレート(以下、「UA」と略す)(分子量3720)56重量部を用いた以外は、実施例1と同様に行い、厚さ約310μmの複合シート(4)を得た。
結果を表1に示した。
実施例1において、製造例1で得られた親水性ポリウレタン系重合体/エチレン性不飽和モノマー混合シロップ1の代わりに、製造例2で得られた混合シロップ2を用いた以外は、実施例1と同様に行い、厚さ約310μmの複合シート(5)を得た。
結果を表1に示した。
また、作製した複合シート(5)の発泡層の断面SEM写真の写真図を図7に示した。
1 基材
2 発泡層
2a 発泡層
2b 発泡層
Claims (8)
- 基材と該基材の少なくとも一方の面側に備えられる発泡層を含む複合シートであって、
該発泡層は球状気泡を有し、該球状気泡の平均孔径が30μm未満であり、
該発泡層の密度が0.1g/cm3〜0.9g/cm3である、
複合シート。 - 前記発泡層が、隣接する球状気泡間に貫通孔を有する連続気泡構造を有する、請求項1に記載の複合シート。
- 前記貫通孔の平均孔径が5μm以下である、請求項2に記載の複合シート。
- 前記発泡層が表面開口部を有し、該表面開口部の平均孔径が5μm以下である、請求項2または3に記載の複合シート。
- 前記発泡層の密度が0.1g/cm3〜0.5g/cm3である、請求項2から4までのいずれかに記載の複合シート。
- 前記基材が、繊維織布、繊維不織布、繊維積層布、繊維編布、樹脂シート、金属箔膜シート、無機繊維から選ばれる少なくとも1種である、請求項1から5までのいずれかに記載の複合シート。
- 基材と該基材の両面側に備えられる発泡層を含む、請求項1から6までのいずれかに記載の複合シート。
- 総厚みが0.5mm以下である、請求項1から7までのいずれかに記載の複合シート。
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