JP2012065576A - 植栽ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】水道水等の人工水に加えて雨水等の非人工水を有効利用しながら、人工水使用量を可及的に低減することのできる、底面潅水方式にて植栽をおこなう植栽ユニットを提供する。
【解決手段】底版11と側壁12を有し、上方が開放されているトレイ10において、トレイ10の内部は隔壁13によって少なくとも2つの区画10a,10bに仕切られており、少なくとも1つの区画は少なくとも人工水が提供される第1の区画10aであり、他方の少なくとも1つの区画は人工水の提供がなくて非人工水のみが提供される第2の区画10bであって、それぞれの区画からは導水材20が上方に延びており、それぞれの区画に対応する導水材20の上に導水マット30が載置され、少なくとも1つの導水材20を介して人工水および/または非人工水が毛細管現象によって導水マット30へ提供され、導水マット30上で植栽される植栽ユニット100である。
【選択図】図2
【解決手段】底版11と側壁12を有し、上方が開放されているトレイ10において、トレイ10の内部は隔壁13によって少なくとも2つの区画10a,10bに仕切られており、少なくとも1つの区画は少なくとも人工水が提供される第1の区画10aであり、他方の少なくとも1つの区画は人工水の提供がなくて非人工水のみが提供される第2の区画10bであって、それぞれの区画からは導水材20が上方に延びており、それぞれの区画に対応する導水材20の上に導水マット30が載置され、少なくとも1つの導水材20を介して人工水および/または非人工水が毛細管現象によって導水マット30へ提供され、導水マット30上で植栽される植栽ユニット100である。
【選択図】図2
Description
本発明は植栽ユニットに関するものである。
都市部のたとえば夏期の日中におけるヒートアイランド現象を緩和する方策の一つとして、マンションやビル等の屋上緑化、アスファルト舗装路やコンクリート路盤表面の緑化、さらには、成形地盤等の法面緑化などが実用化されている。
上記する各種の緑化においては、たとえばトレイに土壌を敷き詰めてここで植栽をおこない、緑化エリアの面積に応じた基数のトレイを併設して所望範囲の緑化がおこなわれている。
ところで、この植栽において重要なファクターの一つに植物への水やりがある。この水やりの形態は様々であり、人手によってジョウロでおこなう方法や、スプリンクラーでおこなう方法などがよく知られるところである。なお、スプリンクラーによる方法でも、季節や昼夜の時間帯等に応じて人手でそのバルブを直接開制御して散布する方法のほかに、季節や時間帯に応じて散布量や散布のタイミングが自動調整された散水制御方式によるものなどがある。
しかし、ジョウロやスプリンクラーによる水やりでは、植物の上方から提供される水の一部が葉の表面に水滴として残ってしまい、この水滴が日射された際に光が水滴で凝集され、これによって葉が枯れてしまうという問題がある。また、特に水やりの頻度や量が多くなる夏期の炎天下などにおいては、人手による直接的な水やりや人手で調整されるスプリンクラーによる水やりにおいては労力や人件費の問題がある。
これらの問題を一気に解決する水やり方法として、植物の根に水道水を提供する底面潅水方式がある。たとえば各トレイに配設されたドリップチューブに水道水を提供するシステムを構築しておくことにより、葉上の水滴に光が凝集して葉が枯れるといった問題は完全に解消され、また、炎天下における人手による水やり作業も解消もしくは低減することができる。
ここで、このドリップチューブを利用した底面潅水方式の植栽システムと植栽方法が特許文献1に開示されている。この植栽システムは、植栽基板に溝が形成され、この溝の底面に非透水層もしくは難透水層が形成され、この上に給水管すなわちドリップチューブが配設された構成となっており、各植栽基板が一条もしくは交差する複数条の溝条とこの内部に配設されたドリップチューブを有することで植栽エリア全体に効果的に水の提供をおこなうことができるものである。
このように優れた植栽システムであるものの、本発明者等によれば、ドリップチューブを適用することから底面潅水が点滴方式でおこなわれることになり、一般にドリップチューブの側面に形成された排水孔が狭いことから水道水を土壌内に十分に提供するには多量の水道水を必要とし、そのための水道費が嵩んでしまうという問題が指摘されている。ドリップチューブに設けられた排水孔に関してさらに言えば、この排水孔の一部もしくは全部を土壌が閉塞することが往々にしてあり、この場合には排水孔の目詰り箇所が排水に寄与できないことから土壌への水提供に際してさらに多量の水道水が必要になってくる。なお、ドリップチューブが金属配管からなる場合には、排水孔が鉄錆で閉塞されることもあり得る。
さらに、冬期にはこのドリップチューブが凍結して破裂に至ることも否定できず、この場合には破損チューブの取替えが余儀なくされる。
そこで、底面潅水に利用される水を水道水のみに頼ることを止めて、雨水等を有効利用しようとするアプローチがある。
この雨水等を有効利用する技術に関し、緑化技術に関するものではないが、ヒートアイランド現象を緩和するための別途の技術が特許文献2に開示されている。
ここに開示される技術は、保水性ブロック本体の下にサンドクッション層と透水性防砂シート層を配し、その下に貯水ボックスを配しておき、この貯水ボックス内に配設された導水部材による毛細管現象によってここに貯槽された雨水を上方に吸い上げ、上方の保水性ブロックから大気放散することにより、この際の蒸発潜熱で保水性ブロック等を冷却しながら周囲温度を下げるというものである。
この技術は、雨水を貯槽ボックスに一端貯槽した後にこれを上方に吸い上げて蒸散させるものであるが、この技術を単に上記する底面潅水方式の緑化技術に利用しても、雨水を期待できない乾燥時期等においては上記する水道費に代表されるランニングコストが嵩むといった問題を効果的に解消することには繋がらない。
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、雨水を有効に利用しながら、水道水等が必要な際に可及的に少量の水道水等で植栽をおこなうことのできる底面潅水式の植栽ユニットを提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明による植栽ユニットは、底版と側壁を有し、上方が開放されているトレイにおいて、トレイの内部は少なくとも1つの隔壁によって少なくとも2つの区画に仕切られており、少なくとも1つの区画は少なくとも人工水が提供される第1の区画であり、他方の少なくとも1つの区画は人工水の提供がなくて非人工水のみが提供される第2の区画であって、それぞれの区画からは導水材が上方に延びており、それぞれの区画に対応する導水材の上に導水マットが載置され、少なくとも1つの導水材を介して人工水および/または非人工水が毛細管現象によって導水マットへ提供され、導水マット上で植栽されるものである。
本発明の植栽ユニットは、人工水が提供される区画(第1の区画)と人工水が提供されない区画(第2の区画)が隔壁にて仕切られてその上方が開放されたトレイを有し、双方の区画から上方に立ち上がる導水材にて双方もしくはいずれか一方の区画からの水を上方に吸い上げ、それぞれの導水材の上に配された導水マット内で面的に吸い上げられた水を拡散しながら植栽をおこなうものである。
ここで、「人工水」とは、植物に水が提供される過程で人手や装置、機器、貯水槽等の媒介を介した水のことを意味しており、たとえば、水道水や井戸水、河川水やその濾過水、河川水以外の工業用水であって、工場内で使用された水でろ過等の後に集められた再利用可能な水などがその対象である。
一方、「非人工水」とは、植栽ユニットに直接提供される自然水のことを意味しており、たとえば、植栽ユニットに降った雨水や、植栽ユニット上に積もった雪が溶けた雪解け水などがその対象である。
本発明の植栽ユニットは、上記する人工水と非人工水を利用可能な構成としながら、雨水等の非人工水を有効に利用し、たとえば水道水等の人工水の利用を可及的に低減することによって水道費に代表されるランニングコストを大幅に削減することをその主たる目的としたものである。
ある広がりをもった植栽ユニットを構成するトレイにおいて、人工水が提供される区画を一定の領域に制限することにより、雨水の提供がない、もしくは少ない季節や時期においては、この一定の領域にのみ可及的に少量の水道水等の人工水を提供する。
そして、このようにして提供された人工水を、この一定の領域から導水材を介して毛細管現象を利用して上方に吸い上げ、この導水材に接触している導水マットに吸水された水を拡散することにより、導水マット上の植物の根への効果的な水やりが実行できる。
一方、降雨の際には、第1の区画、第2の区画を問わずトレイの全領域に非人工水である雨水が提供されることから、これが植物に直接提供されたり、導水マットを介してトレイに貯槽されたものが導水材を介して吸い上げられて植物の根に提供されることになるため、水道水等の提供は不要となる。
このトレイにおける第1の区画と第2の区画の基数やその配設態様は特に限定されるものでなく、双方が少なくとも1つずつ備えられたものであればよい。したがって、中央に第1の区画があって、その左右に2つの第2の区画があるトレイ形態、この左右の第2の区画のさらに外側にそれぞれ別途の第1の区画があるトレイ形態などを挙げることができる。
ここで、植栽対象の植物は特に限定されるものでないが、例えば、芝草類(コウライ芝、タマリュウなど)、低木類(ツツジ、フツキソウなど)、ツル類(キヅタ、スイカズラなど)、ササ類、草本類(アジュガ、タマリュウなど)、シダ類(イワヒバなど)などを挙げることができる。
また、導水材や導水マットは、吸水性のある材料であればその形成素材は特に限定されるものでないが、たとえば、各種繊維材の織布や不織布、ウレタンマット、紙やダンボール、土壌をベースとした材料などを挙げることができる。
なお、これら導水材と導水マットは予め一体に形成されていてもよい。すなわち、双方が同素材もしくは異種素材の吸水材から成形されて相互に接着剤等で一体とされたものが用意され、この一体物がトレイに配設される形態である。
この形態によれば、導水材と導水マットの相対的なずれを抑止でき、導水マットに対して所定の配設姿勢の導水材の当該姿勢を保持することができ、さらには、これらを容易かつ一度にトレイに設置することができる。
また、トレイは、可及的に軽量でかつ人が踏んでも壊れない程度の剛性のある素材から形成されるのが好ましく、たとえばプラスチック素材のものを挙げることができる。
また、実際の植栽は、導水マット上で直接おこなわれる形態であってもよいし、導水マット上の土層にて植栽がおこなわれる形態であってもよい。
さらに、ここでいう「植栽」とは、導水マットやその上の土層に植物の種子を蒔いて育成することや、既に成長している、もしくは成長しきっている植物を導水マット等に移植してそれが枯れないように管理することなどを含む広範な意味を有するものである。
ここで、トレイの剛性を高めるべく、ぞれぞれの区画には、底版から上方へ立ち上がる2以上の突起が設けてあるのが好ましい。
各区画に多数の突起が設けてあることによってそのせん断剛性、曲げ剛性が高められることに加えて、上方から人がトレイを踏んだ際に各突起に荷重が分散されて底版に伝達されるため、トレイの破損が効果的に回避される。
また、各区画に多数の突起があることで、たとえば帯状の導水材を突起に沿わせて区画内に配設でき、しかもその配設姿勢を保持することができる。
また、導水材は側壁よりも上方に延びていて、導水材における側壁よりも高い領域であって導水マットの下方の領域において、各区画に跨る通気層が設けてあるのが好ましい。
各区画に跨る通気層が導水マット下に設けてあることで、カビの発生や根腐れが効果的に抑止される。
また、トレイの底版に勾配が設けてある、もしくはフラットな底版が勾配のある場所に設置されるようになっていて、第1の区画では、勾配の上流側に人工水提供部が設けてあるのが好ましい。
少なくとも第1の区画においてはその底版に勾配が設けてあることで、もしくはフラットな底版が勾配のある場所に設置されていることで、この区画の上流側に提供された人工水を下流側まで行き渡らせることが保証される。実際に、たとえばビルやマンション等の屋上緑化を目的にこの植栽ユニットが適用される場合を想定するに、構造物の屋上床面には雨水等の水勾配が形成されているのが一般的であることから、フラットな底版を具備する植栽ユニットが勾配のある場所に設置される態様が一般的となり得る。
さらに、上記する人工水提供部が開閉バルブを備えた水分センサを具備する潅水装置からなり、第1の区画では、前記水分センサによるセンシングデータによって開閉バルブの開閉制御が実行されるようになっている植栽ユニットであってもよい。
植栽ユニットが勾配のある場所に設置されていても、上流側に配設された導水材で提供された人工水が吸い上げられ、十分な量の人工水が下流側に提供されない場合もあり得る。そこで、このような場合を想定して、下流側に水分センサを設けておき、閾値となる水量データが格納された制御装置に水分センサからのセンシングデータが送信され、このデータによる水量が閾値未満の場合に、制御装置から開閉バルブへ開制御信号が送信されてバルブが開き、また必要に応じてバルブの開度の調整がおこなわれて、水道水等の提供が実行されるような形態を挙げることができる。また、他の態様として、予め調整した水栓にタイマーと水分センサを具備する検知式制御装置を使用することもできる。この検知式制御装置としては、株式会社タカギ製の水分センサ付簡単水やりタイマーG216や、T&Dコーポレーション製の散水タイマーTR−310AもしくはRTR−310を使用することができ、水分センサを導水マット、導水マットと土層の間、もしくは土層へ差し込むことで、設定した水やり時間に水分センサの水分率が低い場合には一定時間の潅水をおこなうことができ、適切な量の水道水等の提供が保証される。
また、トレイの底版に勾配が設けてある、もしくはフラットな底版が勾配のある場所に設置されるようになっている場合において、トレイの少なくとも第1の区画においては、その内部を勾配の上流側の領域と下流側の領域で仕切る少なくとも1つの堰を備えているのが好ましい。ここで、底版に勾配が設けてある場合において上記する「トレイの少なくとも第1の区画」とは、第1の区画の底版にのみ勾配がある形態、第1の区画と第2の区画のトレイ全体の底版に勾配がある形態の双方を含む意味であり、前者の場合には、第1の区画のみに堰が設けてあればよい。
少なくとも第1の区画の底版が勾配を有する形態においては、提供された人工水が一気に下流側に流れてしまうことも想定される。
そこで、トレイの底版に勾配が設けてある、もしくはフラットな底版が勾配のある場所に設置されるようになっている場合においては、トレイの内部を上流側の領域と下流側の領域で仕切る少なくとも1つの堰が存在することにより、第1の区画に提供された人工水はこの堰で一端堰き止められて上流側の領域における水分提供が保証され、さらに提供された人工水がこの堰を越えて下流側に提供されることで少なくとも第1の区画の全領域に万遍なく人工水が提供でき、結果として第1、第2の区画の全領域に対応する導水マットの全体に万遍なく水分を拡散することができる。
また、第1の区画にドリップチューブが配設され、このドリップチューブを介して第1の区画内に人工水が提供される形態であってもよい。
第1の区画内にドリップチューブを配設し、この通水孔を介して人工水を提供することにより、第1の区画の全領域への人工水の確実な提供が保証される。
提供された人工水は、第1の区画内に配設された導水材を介して吸い上げられ、既述するように導水マットを介してトレイ上方の全領域に拡散され、植物の根に提供されることになる。
以上の説明から理解できるように、本発明の植栽ユニットによれば、底面潅水式の植栽ユニットに関し、水道水等の人工水が提供される区画と提供されない区画にトレイを区切り、双方の区画から導水材を介して水分を上方に吸い上げ、導水材に密着している導水マットに吸い上げられた水を提供するとともに面的にその拡散を図ることにより、雨水を有効に利用しながら、必要に応じて可及的に少量の水道水等の利用で植栽をおこなうことができ、メンテナンス費用の節減と、植物を枯らすことなく長期に亘って生育することの双方を実現することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の植栽ユニットの一実施の形態の斜視図であり、図2aは、図1で示す植栽ユニットから導水マットを取り除いた状態の平面図であり、図2bは図2aのb−b矢視図であり、図2cは図2aのc−c矢視図である。
図1で示す植栽ユニット100は、プラスチック製のトレイ10と、このトレイ10の内部に配設された導水材20と、複数の導水材20,…の上に載置された導水マット30とから大略構成されている。なお、導水マット30が植栽基板となってこの導水マット30上で直接植栽がおこなわれる形態であってもよいし、導水マット30上に不図示の土層(土壌マット)が載置され、この土層が植栽基板となる形態であってもよい。また、防根透水シートを導水マット30と組み合わせて適用してもよい。いずれの形態であっても、植栽基板上の植物の根に底面潅水方式で水の提供をおこなうものである。
トレイ10は、図2aで示すように、平面視矩形の底版11とこれから立ち上がる側壁12、および、底版および側壁にて形成された空間を2つの空間に仕切る隔壁13から大略構成されている。
そして、隔壁13にて2つの空間に隔てられた一方の空間は、図2a,bで示すように、水道水等の人工水が提供される管路41と水量の調整や人工水のON制御およびOFF制御が実行される開閉バルブ42からなる人工水提供部40が側壁12に開設された切り込み12aに配設されて、ここから人工水の提供がおこなわれる第1の区画10aとなっている。また、隔壁13にて隔てられた他方の空間は、この人工水の提供がおこなわれない第2の区画10bとなっている。
この人工水には、水道水のほかにも、井戸水、河川水やその濾過水、河川水以外の工業用水であって、工場内で使用された水でろ過等の後に集められた再利用可能な水などがある。
一方、植栽ユニット100に直接降った雨水や、植栽ユニット100上に積もって解けた雪解け水は上記人工水に対して非人工水と称すことができる。
底版11からは、側壁12と隔壁13のほかに、図2a,cで示すように、複数の円筒状の突起14が設けてあり、複数の突起14が底版11から立設していることにより、トレイ10の曲げ剛性等を向上させることができる。さらに、この植栽ユニット100もしくはトレイ10が上方から踏みつけられた際に各突起14を介して荷重を分散して底版11に伝達することができ(荷重分散作用)、このような踏みつけの際のトレイ10の破損を効果的に回避することができる。
図示する導水マット30上で、もしくはその上方に配設された土層上で植栽される植物としては、芝草類(コウライ芝、タマリュウなど)、低木類(ツツジ、フツキソウなど)、ツル類(キヅタ、スイカズラなど)、ササ類、草本類(アジュガ、タマリュウなど)、シダ類(イワヒバなど)などを挙げることができる。
図3は、植栽ユニット100上に非人工水である雨水が提供された際の水の流れを説明した図であり、図4は、植栽ユニット100の第1の区画10aに人工水を提供した際の水の流れを説明した図である。なお、図示例においては、導水マット30上に土層50が載置され、この植栽基板にて植物60の植栽がおこなわれるものである。
雨水が植栽ユニット100上に直接降った際には(図3中のY1方向)、植栽される植物にこの雨水が直接提供されることのほかに、降雨が導水マット30から導水材20を経て下方の第1、第2の区画10a,10b内に滲み出して溜められる(Y2方向)。そして、溜められた雨水の一部は、必要に応じて導水材20を介して毛細管現象によって上方へ吸い上げられ(X1方向)、導水材20上に載置された導水マット30内に吸水されて面内で広がり(X2方向)、植物の根に提供される。
また、第1、第2の区画10a,10b内に溜められた雨水は、降雨のない一定の乾燥状態が続いて導水材20や導水マット30が所定の乾燥状態となった段階においても、第1、第2の区画10a,10bそれぞれの導水材20を介して毛細管現象によって上方へ吸い上げられ、導水マット30内に吸水されて拡散しながら植物の根に提供される。なお、冬期で積雪のある地域等においては、植物への水分提供自体がほとんど不要となるものの、この積雪が解けた雪解け水が、第1、第2の区画10a,10b内に溜められ、雨水と同様に必要に応じて毛細管現象で上方に提供される。
このように、図示する植栽ユニット100は雨水や雪解け水等、人工手段を介在させずに直接的に植栽ユニット100に提供された非人工水を有効に利用することができるものである。
また、植物が水分補給を必要とする季節であって、しかも上記する雨水等の提供が少ない場合や、第1、第2の区画10a,10bに溜められた雨水が使用され尽くして水分の補給を必要とする場合には、開閉バルブ42を開制御して水道水を第1の区画10aのみに提供することになる。
この場合は、図4で示すように、第1の区画10a内に提供された水道水がこの区画内の導水材20を介して毛細管現象によって上方へ吸い上げられ(X1方向)、導水マット30内に吸水されて拡散しながら植物の根に提供されることになる(X2方向)。
拡散された水道水のうち、余剰水が存在する場合は、第2の区画10bに対応する導水材20を経て下方の第2の区画10b内に滲み出して溜められる(X3方向)。
図示する植栽ユニット100では、水道水等が提供される区画をトレイ10の一定の区画に限定し、植物に水を提供する導水マット30への水分提供をこの一定の区画から導水材20を介して吸い上げた後に吸水させておこなうようにしたことで、使用される水道水の量を可及的に低減することが可能となる。
この効果は、既述する雨水の有効利用が相俟って一層顕著なものとなり、従来の散水システムや底面潅水システムに比して大幅に水道水等に代表されるランニングコストを節減することが可能となる。
さらに、図3,4で示すように、導水材20は側壁12や隔壁13よりも長さtだけ上方に突出しており、その上に導水マット30が載置されている。この構成により、各区画においては導水材20の突出した領域であって導水マット30の下方の領域に空間Kが形成され、これが各区画に跨る通気層となる。
本発明者等によれば、この通気層により、導水マット30や導水材20等におけるカビの発生とこれによる根腐れが効果的に抑止できるとの知見が得られている。
供用時には、ビルの屋上や緑道、造成法面等において所望する緑化面積に応じた基数の植栽ユニット100を併設し、隣接する植栽ユニット100同士を適宜の繋ぎ手段で繋いで面的に広がるユニットを形成して所望する広さの緑化を図ることもできる。ここで、この繋ぎ手段としては、当接する植栽ユニット100、100の側壁12、12同士を蝶番で連結する形態、連結クリップで側壁12、12同士を連結する形態、一方の側壁12に凹溝、他方の側壁12に突起を設けておいてこれらを嵌め合いする形態、双方の側壁12、12の上端に凹溝を設けておいて連結具の両端をこれらに嵌め合いする形態や接着剤もしくは両面テープ等で貼り合わせる形態などを挙げることができる。
図5は、植栽ユニットが上方から踏まれた際の荷重の流れを説明した図である。仮想線で示した導水マット30の上方から人が植栽ユニットを踏みつける等して荷重Pが作用する場合に、トレイを構成する底版11上に複数の円筒状の突起14が存在することで、たとえば突起14の基数分だけ作用荷重Pが分散されて各突起14に分散荷重P’として作用することになる。
この突起14を図示するように底版方向に向かって径が大きくなる切頭円錐形とすることで、底版11への荷重分散効果が一層高められる。なお、図示例以外にも、切頭角錐形のものや上端が上面で閉塞したものなど、突起の形態は多様である。
図6は、植栽ユニットの他の実施の形態を示した図であり、図6aは植栽ユニットから導水マットを取り除いた状態の平面図であり、図6bは図6aのb−b矢視図である。なお、図示例は、底版が勾配を具備するものであるが、植栽ユニットが勾配のある場所に設置される場合には、フラットな底版を具備するトレイが一般に適用される。
図示する植栽ユニットを構成するトレイ10Aは、2列の縦方向の隔壁13,13と、1列の横方向の隔壁13とでその全体が6つの区画に仕切られた構造を呈しており、中央の2つの区画が水道水が提供される第1の区画であり、その両側の左右2つずつの区画が水道水が提供されない第2の区画となっている。
また、図6bで示すように、トレイ10Aの第1の区画を構成する底版11Aは上面が所定の勾配を有する勾配面11aとなっており、勾配の上流側が第1の区画10a1、下流側が別途の第1の区画10a2となっている。なお、図6bで示す形態のトレイ以外にも、既述するようにフラットな底版を具備する形態のトレイや、図示例のように底版が勾配を具備するものであって、かつ上流側〜下流側の全ての突起14の高さが等しい形態のトレイなどであってもよい。
一方、2つの第1の区画10a1,10a2の左右には、第2の区画10b1,10b2がそれぞれ設けてある。
第1の区画10a1、10a2を隔てる隔壁13の一部には、切り込みが成されて堰15が形成されており、図6bで示すように、水道水が上流側の第1の区画10a1に提供されて勾配面11aを流れてきた際に(Z方向)、この堰15の高さ分だけ第1の区画10a1に水道水が貯留され、これをオーバーフローした水道水が下流側の第1の区画10a2に提供されるようになっている(Z方向)。
本発明者等によれば、このように底版に勾配を設け(あるいは、勾配のある場所にフラットな底版を設置し)、かつその上流側と下流側で区画を仕切る構造であって、さらに水道水を提供する箇所が上流側の1箇所の場合においては、隔壁の一部に図示するような堰15を設けておくことで、提供された水道水が下流側に一気に流れ込んで上流側の区画に十分な水分提供がなされなくなるといった問題が効果的に解消され、上流および下流の第1の区画10a1,10a2への水道水の可及的に均一な提供を保証できるとの知見が得られている。
なお、第2の区画を構成する底版には勾配があってもなくてもよいが、図示例では勾配を具備しない底版11が設けてある。
また、人工水提供部40Aは自動制御式の開閉バルブからなり、下流側の第1の区画10a2には水分センサ70が設けてあり、たとえば下流側の第1の区画10a2の下流端に提供された(到達した)水道水の水量のセンシングが、人工水提供部40Aの開閉バルブを開制御すると同時におこなわれるようになっている。
人工水提供部40Aには水量の閾値データが入力されていて、常時送信されてくるセンシングデータがこの閾値を下回った際にバルブの開度を大きくする等の水量調整がおこなわれるようになっている。所定量の水道水の提供が終了して開閉バルブが閉制御されると同時に水分センサ70による水量センシングも自動的に終了する。
第1の区画10a1,10a2に提供された水道水は、それらの内部に配された導水材20によって毛細管現象によって上方に吸い上げられ、図4で示す水の流れのごとく、不図示の導水マットを介して面的に拡散されて植物の根に提供される。また、余剰分の水道水がある場合は、第2の区画10b1、10b2に配設された導水材20を介してこれらの区画へ貯留される。
また、降雨の場合は、図3で示すと同様に各区画に対応する導水マット上の植物に雨水が提供されるとともに、降雨量に応じて各区画に雨水が貯留される。
なお、図示を省略するが、ドリップチューブを上流側の第1の区画10a1のみに、もしくは上流および下流双方の第1の区画10a1,10a2に配設して水道水の提供をおこなう形態であってもよい。
[実験とその結果]
本発明者等は、以下で示す種々の実験をおこない、本発明の植栽ユニットを構成する各種特徴構成の有効性の検証をおこなった。
本発明者等は、以下で示す種々の実験をおこない、本発明の植栽ユニットを構成する各種特徴構成の有効性の検証をおこなった。
以下、実験1では潅水方式の有効性を検証し、実験2では水道水の供給量の検証をおこない、実験3では水道水の供給速度と潅水状況の検証をおこない、実験4では堰の保有による潅水状況の均一化の有無の検証をおこない、実験5では根腐れもしくはカビ発生の有無の検証をおこない、実験6では突起の板厚や突起間隔の検証をおこなった。
[実験1]
本実験では、上記で説明した第1の区画に水道水を提供し、これを導水材を介して毛細管現象にて上方に持ち上げ、導水マットで吸水して拡散させることで植物の根から水分提供をおこなう植栽ユニットを使用した底面潅水方式による植栽方法(実施例1)と、スプリンクラーによる上面潅水方式(比較例1)、植物の上方にドリップチューブを配してここから潅水するドリップチューブによる上面潅水方式(比較例2)、およびドリップチューブによる底面潅水方式(比較例3)のそれぞれの場合における潅水状況における種々の評価項目と配管施工の難易について検証した。検証結果を以下の表1に示す。
本実験では、上記で説明した第1の区画に水道水を提供し、これを導水材を介して毛細管現象にて上方に持ち上げ、導水マットで吸水して拡散させることで植物の根から水分提供をおこなう植栽ユニットを使用した底面潅水方式による植栽方法(実施例1)と、スプリンクラーによる上面潅水方式(比較例1)、植物の上方にドリップチューブを配してここから潅水するドリップチューブによる上面潅水方式(比較例2)、およびドリップチューブによる底面潅水方式(比較例3)のそれぞれの場合における潅水状況における種々の評価項目と配管施工の難易について検証した。検証結果を以下の表1に示す。
表1において、潅水の均一性は目視による結果であり、全体的に湿潤のものは○、60%程度湿潤のものは△、40%程度湿潤のものは×としている。また、水分量の管理はマットの四隅中央に万遍なく湿潤のものは○、60%程度湿潤のものは△、40%程度湿潤のものは×としている。また、水の蒸発抑制はマット水分率の低減量を測定したものであり、20g以下/時間のものは○、40g/時間のものは×としている。さらに、保全性は保全時間が10分程度のものは○、20分程度のものは△、30分以上のものは×としている。
表1より、潅水の均一性、水分量管理、水の蒸発抑制の点で実施例1による方法は有効であり、保全性に関しても決して長時間を要するものではなく、また、配管施工も簡単であり、他の比較例1〜3に比して十分に優位な潅水方法であることが実証されている。
[実験2]
本実験では、実施例1と同様の植栽ユニットを使用して人工水提供部に100ml/分の工業用水を供給するもの(実施例2)、ドリップチューブによって100ml/分の工業用水を供給する点滴底面潅水方式のもの(比較例4)、および実施例2のように第1、第2の区画の仕切りのないトレイを使用して底面潅水方式で工業用水を提供するもの(比較例5)のそれぞれの場合における植物の状態や潅水状況等について検証した。検証結果を以下の表2に示す。
本実験では、実施例1と同様の植栽ユニットを使用して人工水提供部に100ml/分の工業用水を供給するもの(実施例2)、ドリップチューブによって100ml/分の工業用水を供給する点滴底面潅水方式のもの(比較例4)、および実施例2のように第1、第2の区画の仕切りのないトレイを使用して底面潅水方式で工業用水を提供するもの(比較例5)のそれぞれの場合における植物の状態や潅水状況等について検証した。検証結果を以下の表2に示す。
植物の状態は芝上面から目視で確認し、枯れた部分を面積百分率で算出した。また、比較例4,5および実施例2ともに、面積0.5m2の芝を使用して植栽栽培期間を3ヶ月間設けた。
表2より、比較例4では植物の状態において20%程度も枯れたのに対して、実施例2では枯れた部分は殆ど無く、また、水が供給される第1の区画において閉塞される箇所も無く、水供給量は比較例5の半分に低減できることが実証された。
[実験3]
本実験では、実施例1と同様の植栽ユニットを使用して底面潅水方式にて工業用水を使用し、第1の区画に300mL/分の工業用水を供給するもの(実施例3)、同様の条件で4000mL/分の工業用水を供給するもの(比較例6)において、植栽された植物(芝)が水勢で浮いたり動いたりするかしないかの検証と、潅水の逆流の有無を検証した。検証結果を以下の表3に示す。
本実験では、実施例1と同様の植栽ユニットを使用して底面潅水方式にて工業用水を使用し、第1の区画に300mL/分の工業用水を供給するもの(実施例3)、同様の条件で4000mL/分の工業用水を供給するもの(比較例6)において、植栽された植物(芝)が水勢で浮いたり動いたりするかしないかの検証と、潅水の逆流の有無を検証した。検証結果を以下の表3に示す。
表3より、第1の区画へ提供される人工水の流速が速過ぎることは植栽される植物を浮かせたり動かしてしまうこと、および、提供された人工水の逆流を生じさせることから望ましくないことが実証されている。
[実験4]
本実験では、人工水が提供される第1の区画において、勾配のある場所にトレイが設置される場合の堰の有効性について検証した。ここで、堰のないトレイ(50cm×50cm×1.5cm高さ)を傾斜:1/50に設置し、潅水をおこなったもの(比較例7)と、堰を3段設けたトレイ(50cm×50cm×1.5cm高さで、堰の高さを1.0cm)を傾斜:1/50に設置し、潅水をおこなったもの(実施例4)でトレイ内の貯水状況を検証した。検証結果を以下の表4に示す。
本実験では、人工水が提供される第1の区画において、勾配のある場所にトレイが設置される場合の堰の有効性について検証した。ここで、堰のないトレイ(50cm×50cm×1.5cm高さ)を傾斜:1/50に設置し、潅水をおこなったもの(比較例7)と、堰を3段設けたトレイ(50cm×50cm×1.5cm高さで、堰の高さを1.0cm)を傾斜:1/50に設置し、潅水をおこなったもの(実施例4)でトレイ内の貯水状況を検証した。検証結果を以下の表4に示す。
表4より、傾斜する場所にトレイの底版が設置され、トレイの上流側から下流側へ人工水を提供する形態の貯水ユニットにおいては、上流側と下流側の間に1以上の堰を設けることが、トレイ内への貯水の均一化の観点から好ましいことが実証された。
[実験5]
本実験では、導水マットの下方に通気層もしくはこれに相当する防根透水層を有することによって植物の根腐れもしくはカビ発生が抑制できるか否かを検証した。ここで、マットに活着した芝(TM9)を防根不透水シート上に載置し、マットの水分率を40から80%に保持できるようにしたもの(比較例8)と、マットに活着した芝(TM9)を防根透水層(排水層の高さが3mm)上に載置し、マットの水分率を40から80%に保持できるようにしたもの(実施例5)でカビ発生の有無を6ヶ月間目視観察した。検証結果を以下の表5に示す。
本実験では、導水マットの下方に通気層もしくはこれに相当する防根透水層を有することによって植物の根腐れもしくはカビ発生が抑制できるか否かを検証した。ここで、マットに活着した芝(TM9)を防根不透水シート上に載置し、マットの水分率を40から80%に保持できるようにしたもの(比較例8)と、マットに活着した芝(TM9)を防根透水層(排水層の高さが3mm)上に載置し、マットの水分率を40から80%に保持できるようにしたもの(実施例5)でカビ発生の有無を6ヶ月間目視観察した。検証結果を以下の表5に示す。
表5より、マット(導水マット)下には、通気層やこれに準じる透水層が設けられているのが、カビ発生抑止の観点から好ましいことが実証された。
[実験6]
本実験では、たとえばメンテナンスの際に人が植栽ユニット上に載ることを想定し、突起1個当たりに作用する耐荷重を設定して、この耐荷重に耐え得る突起の板厚の検証をおこなった。ここで、突起の形状は図5で示す切頭円錐形であり、突起上面の直径が11mm、下面の直径が13mmであり、高さは15mmでポリ塩化ビニル製のものであり、一つは板厚が0.5mmで真空成形によって板厚が0.3mmに成形されたもの(比較例9)、他の一つは板厚が0.8mmで真空成形によって板厚が0.6mmに成形されたもの(比較例10)、さらに他の一つは板厚が1.0mmで真空成形によって板厚が0.8mmに成形されたもの(実施例6)を試作した。
本実験では、たとえばメンテナンスの際に人が植栽ユニット上に載ることを想定し、突起1個当たりに作用する耐荷重を設定して、この耐荷重に耐え得る突起の板厚の検証をおこなった。ここで、突起の形状は図5で示す切頭円錐形であり、突起上面の直径が11mm、下面の直径が13mmであり、高さは15mmでポリ塩化ビニル製のものであり、一つは板厚が0.5mmで真空成形によって板厚が0.3mmに成形されたもの(比較例9)、他の一つは板厚が0.8mmで真空成形によって板厚が0.6mmに成形されたもの(比較例10)、さらに他の一つは板厚が1.0mmで真空成形によって板厚が0.8mmに成形されたもの(実施例6)を試作した。
実際には、人が植栽ユニット上に載ることの他に、60kg程度の一輪車を植栽ユニット上に載せるケースが多く、その車輪幅は2.5cm程度である。検証結果を以下の表6に示す。
表6より、車輪幅は2.5cm程度であることから、板厚1.0mmの実施例6の突起を使用して突起間隔を2.5cm未満に設定して底版上に設けておくことにより、2つの突起で60kgの一輪車を載置できることが実証された。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
10,10A…トレイ、10a,10a1,10a2…第1の区画、10b、10b1,10b2…第2の区画、11,11A…底版、11a…勾配面、12…側壁、13…隔壁、14…突起、15…堰、20…導水材、30…導水マット、40,40A…人工水提供部、50…土層、60…植物、70…水分センサ、100…植栽ユニット
Claims (9)
- 底版と側壁を有し、上方が開放されているトレイにおいて、トレイの内部は少なくとも1つの隔壁によって少なくとも2つの区画に仕切られており、
少なくとも1つの区画は少なくとも人工水が提供される第1の区画であり、他方の少なくとも1つの区画は人工水の提供がなくて非人工水のみが提供される第2の区画であって、
それぞれの区画からは導水材が上方に延びており、それぞれの区画に対応する導水材の上に導水マットが載置され、少なくとも1つの導水材を介して人工水および/または非人工水が毛細管現象によって導水マットへ提供され、導水マット上で植栽される植栽ユニット。 - ぞれぞれの区画には、底版から上方へ立ち上がる2以上の突起が設けてある請求項1に記載の植栽ユニット。
- 前記導水材は前記側壁よりも上方に延びており、導水材における側壁よりも高い領域であって導水マットの下方の領域において、各区画に跨る通気層が設けてある請求項1または2に記載の植栽ユニット。
- 前記導水材と前記導水マットが一体に形成されている請求項1〜3のいずれかに記載の植栽ユニット。
- 前記底版に勾配が設けてある、もしくはフラットな底版が勾配のある場所に設置されるようになっていて、前記第1の区画では、勾配の上流側に人工水提供部が設けてある請求項1〜4のいずれかに記載の植栽ユニット。
- 前記人工水提供部が開閉バルブを備えた水分センサを具備する潅水装置からなり、
前記第1の区画では、前記水分センサによるセンシングデータによって前記開閉バルブの開閉制御が実行されるようになっている請求項5に記載の植栽ユニット。 - 請求項5または6に記載の植栽ユニットにおいて、
前記トレイの少なくとも第1の区画には、その内部を前記勾配の上流側の領域と下流側の領域で仕切る少なくとも1つの堰が設けてある植栽ユニット。 - 前記第1の区画にドリップチューブが配設され、このドリップチューブを介して第1の区画内に人工水が提供される請求項1〜7のいずれかに記載の植栽ユニット。
- 前記導水マット上で直接植栽がおこなわれる請求項1〜8のいずれかに記載の植栽ユニット。
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