JP2012063577A - 光学フィルムの製造方法、光学フィルム、偏光板及び画像表示装置 - Google Patents

光学フィルムの製造方法、光学フィルム、偏光板及び画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】硬度及び耐ケン化性に優れ、干渉縞がなく、外観が良好で、生産性に優れた光学フィルムの製造方法等を提供すること。
【解決手段】(i)光透過性樹脂基材を準備する工程、(ii)粒子表面に反応性基を有する平均1次粒径1〜100nmの反応性シリカ微粒子、反応性基を有する第一のバインダー成分及び第一の溶剤を含み、粘度が3〜100mPa・sである第一の組成物及び前記反応性シリカ微粒子を含まず、反応性基を有する第二のバインダー成分及び第二の溶剤を含み、粘度が10〜100mPa・sである第二の組成物、を準備する工程、(iii)前記光透過性樹脂基材の一面側に、当該光透過性樹脂基材側から、前記第一の組成物及び前記第二の組成物を隣接して同時塗布し、塗膜とする工程、(iv)前記塗膜を硬化させハードコート層を形成する工程、を含むことを特徴とする、光学フィルムの製造方法。
【選択図】図5

Description

本発明は、画像表示装置等の表面を保護する目的等で使用される光学フィルムの製造方法、光学フィルム、当該光学フィルムを備える偏光板及び画像表示装置に関する。
液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置、プロジェクションディスプレイ、冷陰極管(CRT)表示装置、反射スクリーン等の画像表示装置における画像表示面は、取り扱い時に傷がつかないように、硬度(耐擦傷性)を付与することが要求される。
これに対して、基材にハードコート(以下、単に「HC」ということがある。)層を設けたHCフィルムや光学フィルムを画像表示装置の画像表示面に用いることにより、画像表示装置の画像表示面の硬度を向上させることが一般になされている。
バインダー成分のみが硬化したHC層は硬度が不十分となることが多く、バインダー成分に加えて、シリカ微粒子等の粒子表面に反応性基を持つ反応性無機微粒子を含む組成物を硬化させてHC層を形成することにより、HCフィルムや光学フィルムの硬度を向上させることが一般になされている(例えば、特許文献1)。
また、HCフィルムや光学フィルムを偏光素子の一面側に貼り合わせ、偏光板を作製する際に、当該HCフィルムや光学フィルムをアルカリ溶液に浸漬し、当該HCフィルムや光学フィルムの基材側の表面を親水化する処理(以下、「ケン化処理」という。)が行われている。
しかし、HC表面に含まれるシリカ微粒子は、ケン化処理によってHC層から脱落したり、アルカリ溶液中に流出ないし溶解しやすい性質がある。HC層からシリカ微粒子が脱落するとシリカ微粒子の含有量が減少するため所望の硬度が得られなくなるという問題がある。また、アルカリ溶液中にシリカ微粒子が流出ないし溶解するとアルカリ溶液を汚染するという問題もある。
これに対し、HC層を2層積層し、下層側のHC層にのみシリカ微粒子を含有させ、上層(表面)側のHC層にはシリカ微粒子を含有させずにバインダー成分を硬化させる方法が考えられる。
しかし、HC層を2層積層する場合において、下層側のHC層となる組成物を基材に塗布し、その塗膜に光照射して十分に硬化させ下層側のHC層を形成し、その上にさらに上層側のHC層となる組成物を塗布し、その塗膜に光照射して十分に硬化させ上層側のHC層形成するという方法(以下、単に「逐次塗工方法」という。)では、上下層の間に明瞭な層界面が生じ、その層界面によって干渉縞が発生して、光学フィルムやHCフィルムの外観を損ねるという問題があった。
上下の各層を逐次、完全硬化させて形成する上記逐次塗工方法に対して、下層に対する光照射量を抑えて半硬化(ハーフキュアー)させ、次いで、当該半硬化した下層の上に上層となる組成物を塗布し、半硬化した下層と共に上層の塗膜を完全硬化(フルキュアー)させる方法(以下、単に「ハーフキュアー法」という。)も考えられる。
しかし、このハーフキュアー法でも上下層間の界面を完全になくすことはできず、層界面が生じ、その層界面によって干渉縞が発生するため、光学フィルムやHCフィルムの外観を損ねてしまっていた。
また、このハーフキュアー法では塗布と光照射工程が複数回に及ぶため、工程が複雑となり、生産性が高くなく、製造コストが上昇してしまう問題がある。
これに対して、特許文献2では、干渉縞の発生を防止することができる光学フィルムとその製造方法の提供を意図して、同時重層塗布(以下、「同時塗布」ともいう。)を行っている。
しかし、この特許文献2には、耐ケン化性に関する着目がない。また、この特許文献2では、基材/ハードコート層/高屈折率傾斜ハードコート層/低屈折率層の層構成であり、高屈折率傾斜ハードコート層において、主に高屈折率微粒子の拡散や沈降によって、下層のハードコート層側に近いほど低屈折率で、上層の低屈折率層側に近いほど高屈折率というように屈折率を傾斜させている。すなわち、高屈折率傾斜ハードコート層において、上層の低屈折率層側に近いほど高屈折率微粒子の存在量が多く、下層のハードコート層側に近いほど高屈折率微粒子の存在量が少ない形態である。そのため、特許文献2には、同時塗布法によるHC層において、下層側に近いほどシリカ微粒子が多く分布し、上層側に近いほどシリカ微粒子の分布が少ない形態やそのための方法は記載がない。
このようなことから、硬度及び耐ケン化性に優れ、干渉縞がなく、外観が良好で、生産性に優れた光学フィルム及び当該光学フィルムの製造方法が要求されている。
特開2008−165041号公報 特開2009−265658号公報
本発明は上記問題点を解消するためになされたものであり、硬度及び耐ケン化性に優れ、干渉縞がなく、外観が良好で、生産性に優れた光学フィルムの製造方法、そのような光学フィルム、当該光学フィルムを備える偏光板及び画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、同時塗布法において、単純に下部側の組成物にシリカ微粒子を含有させて、上部側の組成物にシリカ微粒子を含有させずにバインダー成分を含有させても、十分な耐ケン化性が得られず、さらに、HC層に凹凸のスジ(以下、「塗工スジ」という。)が発生し、外観が損なわれることを見出した。
そこで、さらに本発明者らが鋭意検討した結果、下部側の組成物にシリカ微粒子を含有させて、上部側の組成物にシリカ微粒子を含有させずにバインダー成分を含有させて行う同時塗布法においては、上部側と下部側の組成物の粘度が、シリカ微粒子の分布の制御及び塗工スジの発生に影響していることを見出し、上部側と下部側の組成物の粘度を特定の範囲とすることにより、硬度及び耐ケン化性に優れ、干渉縞及び塗工スジがなく、外観が良好で、高い生産性の光学フィルムが得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係る光学フィルムの製造方法は、(i)光透過性樹脂基材を準備する工程、(ii)それぞれ、同種及び異種の反応性基間で光硬化性又は熱硬化性を有する反応性基であって、粒子表面に反応性基を有する平均1次粒径1〜100nmの反応性シリカ微粒子、反応性基を有する第一のバインダー成分及び第一の溶剤を含み、粘度が3〜100mPa・sである第一のハードコート層用硬化性樹脂組成物及び前記反応性シリカ微粒子を含まず、反応性基を有する第二のバインダー成分及び第二の溶剤を含み、粘度が10〜100mPa・sである第二のハードコート層用硬化性樹脂組成物、を準備する工程、(iii)前記光透過性樹脂基材の一面側に、当該光透過性樹脂基材側から、前記第一のハードコート層用硬化性樹脂組成物及び前記第二のハードコート層用硬化性樹脂組成物を隣接して同時塗布し、塗膜とする工程、(iv)前記(iii)工程で得られた塗膜を光照射及び/又は加熱により硬化させハードコート層を形成する工程、を含むことを特徴とする。
第一のハードコート層用硬化性樹脂組成物(以下、単に「第一の組成物」ともいう。)及び第二のハードコート層用硬化性樹脂組成物(以下、単に「第二の組成物」ともいう。)において、それぞれ、粘度を上記特定範囲とすることにより、同時に塗布した際に2つの組成物全体が混合するのが抑制されながらも、2つの組成物の接触部分は適度に混合する。そして、このように接触部分で適度に混合しながらも2つの組成物の組成を保ちながら硬化させるため、HC層内に界面が生じず干渉縞の発生を抑えて光学フィルムの外観を良好なものとすることができる。また、第一の組成物と第二の組成物の粘度が適度であり2つの組成物全体が混合しないため、硬化膜において塗工スジが生じず、外観が良好となる。
さらに、硬化してHC層の下部側を形成する第一の組成物にのみ反応性シリカ微粒子が含まれ、硬化してHC層の上部側を形成する第二の組成物には当該反応性シリカ微粒子が含まれない。そして、同時塗布によっても2つの組成物全体が混合しないため、このような2つの組成物を用いて同時塗布により形成したHC層を備える光学フィルムをケン化処理をしても、HC層の上部側にはシリカ微粒子が少ないため、シリカ微粒子の流出や脱落が抑制される。したがって、当該光学フィルムは耐ケン化性に優れる。
なお、HC層の上部側、下部側とは、互いに対する相対的な位置関係を意味し、HC層における上部側半分や下部側半分のような絶対的な位置を意味するものではない。
本発明において、ハードコート層内の層界面とは、光学フィルムの膜厚方向の断面のTEM(透過型電子顕微鏡)を用いた観察において、視認できる界面を意味する。
本発明に係る光学フィルムの製造方法では、前記第一のハードコート層用硬化性樹脂組成物及び/又は前記第二のハードコート層用硬化性樹脂組成物が、さらに、増粘剤を含むことが、HC層内におけるシリカ微粒子の分布を制御しやすいため好ましい。
本発明に係る光学フィルムの製造方法では、前記第一のハードコート層用硬化性樹脂組成物の粘度と前記第二のハードコート層用硬化性樹脂組成物の粘度の差の絶対値が30以下であることが、HC層内におけるシリカ微粒子の分布を制御しやすいため好ましい。
本発明に係る光学フィルムの製造方法では、前記第二のハードコート層用硬化性樹脂組成物が、さらに、平均1次粒径50〜300nmの易滑剤を含むことが、光学フィルムに耐ブロッキング性を付与できるため好ましい。
本発明に係る光学フィルムの製造方法では、前記(iv)工程の後に、さらに(v)前記ハードコート層の光透過性樹脂基材とは反対側の面に、直接又は高屈折率層を介して低屈折率層を形成する工程、を含むことが、光学フィルムに反射防止性能を付与できるため好ましい。
本発明に係る光学フィルムの製造方法では、前記(iii)工程の前に、さらに(vi)前記光透過性樹脂基材のハードコート層を設ける面に、帯電防止層を形成する工程、を含むことが、光学フィルムに帯電防止性能を付与できるため好ましい。
本発明に係る光学フィルムの一態様は、上記光学フィルムの製造方法により得られることを特徴とする。
本発明に係る光学フィルムの別の一態様は、光透過性樹脂基材の一面側に、少なくともハードコート層が設けられている光学フィルムであって、当該ハードコート層は、平均1次粒径1〜100nmのシリカ微粒子を含み、当該ハードコート層において、当該ハードコート層の膜厚方向では、当該シリカ微粒子の存在量が、当該光透過性樹脂基材とは反対側の界面に近いほど少ないことを特徴とする。
本発明に係る光学フィルムの上記別の一態様では、前記ハードコート層において、前記光透過性樹脂基材から当該ハードコート層の膜厚の80%までの領域に、前記シリカ微粒子の全量の90%以上が存在することも可能である。
本発明に係る光学フィルムの上記別の一態様では、前記ハードコート層に、平均1次粒径50〜300nmの易滑剤が含まれており、当該ハードコート層の光透過性樹脂基材とは反対側の界面には、JIS B0601(1994)に準拠した算術平均粗さRaが3〜50nmであり、凸部間の平均間隔Smが100nm〜7μmである凹凸を形成することも可能である。
本発明に係る光学フィルムの上記別の一態様では、前記ハードコート層の光透過性樹脂基材とは反対側の面に、さらに低屈折率層又は当該ハードコート層側から高屈折率層及び低屈折率層が設けられていても良い。
本発明に係る光学フィルムの上記別の一態様では、前記光透過性樹脂基材と前記ハードコート層の間に、さらに帯電防止層が設けられていても良い。
本発明に係る光学フィルムでは、JIS K5600−5−4(1999)に規定する鉛筆硬度試験(4.9N荷重)の硬度を、3H以上とすることも可能である。
本発明に係る偏光板は、偏光素子の一面側に、上記光学フィルムを、当該光学フィルムの光透過性樹脂基材側を当該偏光素子に向けて配置してなることを特徴とする。
本発明に係る画像表示装置は、上記光学フィルムを備えることを特徴とする。
本発明に係る光学フィルムは、HC層において、塗工スジや干渉縞の発生が抑えられ、外観が良好である。また、HC層において、当該HC層の膜厚方向では、シリカ微粒子の存在量が、光透過性樹脂基材とは反対側の界面に近いほど、シリカ微粒子の流出や脱落が抑制されるため、当該光学フィルムは耐ケン化性に優れる。さらに、光学フィルムのケン化処理時にシリカ微粒子の流出や脱落を防ぐために保護フィルムを設ける工程、コストが不要となる。
本発明に係る光学フィルムの製造方法によれば、上述した特定の粘度を有する2つの組成物を用いて同時塗布により、HC層を形成するため、硬度と耐ケン化性にも優れ、干渉縞や塗工スジがなく、外観が良好な光学フィルムを容易に高い生産性で得ることができる。
図1は、本発明に係る光学フィルムの製造方法における(iii)工程の同時塗布の一例を示した模式図である。 図2は、本発明に係る光学フィルムの層構成の一例を示した模式図である。 図3は、本発明に係る光学フィルムの層構成の他の一例を示した模式図である。 図4は、本発明に係る光学フィルムの層構成の他の一例を示した模式図である。 図5は、本発明に係る光学フィルムのハードコート層におけるシリカ微粒子の分布の様子の一例を模式的に示した断面図である。 図6は、本発明に係る偏光板の構成の一例を示した模式図である。
フィルムとシートのJIS K6900での定義では、シートとは薄く一般にその厚さが長さと幅の割りには小さい平らな製品をいい、フィルムとは長さ及び幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製品で、通例、ロールの形で供給されるものをいう。したがって、シートの中でも厚さの特に薄いものがフィルムであるといえるが、シートとフィルムの境界は定かではなく、明確に区別しにくいので、本発明では、厚みの厚いもの及び薄いものの両方の意味を含めて、「フィルム」と定義する。
本発明において、「ハードコート層」とは、JIS K5600−5−4(1999)に規定する鉛筆硬度試験(4.9N荷重)で、「H」以上の硬度を示すものをいう。
本発明において、(メタ)アクリレートは、アクリレート及び/又はメタクリレートを表す。
微粒子の平均1次粒径とは、溶液中の当該微粒子を動的光散乱方法で測定し、粒径分布を累積分布で表したときの50%粒子径(d50 メジアン径)を意味する。当該平均1次粒径は、日機装(株)製のMicrotrac粒度分析計を用いて測定することができる。
また、本発明の光には、可視領域及び非可視領域の波長の電磁波だけでなく、電子線のような粒子線及び電磁波と粒子線を総称する放射線又は電離放射線が含まれる。
本発明において、特に記載がない限り膜厚とは乾燥時の膜厚(乾燥膜厚)を意味する。
本発明において、分子量とは、分子量分布を有する場合には、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算値である重量平均分子量を意味し、分子量分布を有しない場合には、化合物そのものの分子量を意味する。
本発明において、球状とは、真球に加え、略球状や回転楕円体、多面体等をも含めた球体に近似できる形状も包含する概念である。
本発明において、屈折率は、分光光度計((株)島津製作所製のUV−3100PC)を用いて、波長380〜780nmの絶対反射率を測定し、得られた反射率曲線から、シミュレーションを用いて求めた屈折率の値を意味する。
本発明において、表面抵抗値は、表面抵抗率測定器(三菱化学(株)製の商品名Hiresta IP MCP−HT260)を用いて測定した値である。
本発明において、乾燥膜厚は(株)ミツトヨ製の商品名IDF−130を用いて測定した値である。
以下、まず本発明に係る光学フィルムの製造方法について説明し、次いで光学フィルム、偏光板及び画像表示装置について説明する。
(光学フィルムの製造方法)
本発明に係る光学フィルムの製造方法は、(i)光透過性樹脂基材を準備する工程、(ii)それぞれ、同種及び異種の反応性基間で光硬化性又は熱硬化性を有する反応性基であって、粒子表面に反応性基を有する平均1次粒径1〜100nmの反応性シリカ微粒子、反応性基を有する第一のバインダー成分及び第一の溶剤を含み、粘度が3〜100mPa・sである第一のハードコート層用硬化性樹脂組成物及び前記反応性シリカ微粒子を含まず、反応性基を有する第二のバインダー成分及び第二の溶剤を含み、粘度が10〜100mPa・sである第二のハードコート層用硬化性樹脂組成物、を準備する工程、(iii)前記光透過性樹脂基材の一面側に、当該光透過性樹脂基材側から、前記第一のハードコート層用硬化性樹脂組成物及び前記第二のハードコート層用硬化性樹脂組成物を隣接して同時塗布し、塗膜とする工程、(iv)前記(iii)工程で得られた塗膜を光照射及び/又は加熱により硬化させハードコート層を形成する工程、を含むことを特徴とする。
第一の組成物及び第二の組成物の粘度をそれぞれ、上記特定範囲とすることにより、同時に塗布した際に2つの組成物全体が混合するのが抑制されながらも、2つの組成物の接触部分は適度に混合する。そして、このように接触部分で適度に混合しながらも2つの組成物の組成を保ちながら硬化させるため、HC層内に界面が生じず干渉縞の発生を抑えて光学フィルムの外観を良好なものとすることができる。また、第一の組成物と第二の組成物の粘度が適度であり2つの組成物全体が混合しないため、硬化膜において塗工スジが生じず、外観が良好となる。
さらに、硬化してHC層の下部側を形成する第一の組成物にのみ反応性シリカ微粒子が含まれ、硬化してHC層の上部側を形成する第二の組成物には当該反応性シリカ微粒子が含まれない。そして、同時塗布によっても2つの組成物全体が混合しないため、このような2つの組成物を用いて同時塗布により形成したHC層を備える光学フィルムをケン化処理をしても、HC層の上部側にはシリカ微粒子が少ないため、シリカ微粒子の流出や脱落が抑制される。したがって、当該光学フィルムは耐ケン化性に優れる。
この他、第一の組成物、第二の組成物に含まれる成分を適宜選択することによって、HC層の上部側と下部側とで、それぞれ異なる機能を発現させることも可能である。
以下、本発明に係る光学フィルムの製造方法の(i)〜(iv)の各工程を順に説明する。
((i)工程)
(i)工程では光透過性樹脂基材を準備する。
(光透過性樹脂基材)
本発明に用いられる光透過性樹脂基材は、光透過性の高いプラスチックフィルムであり、従来公知のハードコートフィルム、光学フィルムの光透過性樹脂基材や透明樹脂基材を適宜選択して用いることができる。
光透過性樹脂基材の平均光透過率は70%以上、さらには85%以上であることが好ましい。なお、光透過率の測定は、紫外可視分光光度計(例えば、(株)島津製作所製の商品名UV−3100PC)を用い、室温、大気中で測定した値を用いる。
本発明においては、光透過性樹脂基材の厚さは適宜選択して用いることができる。通常、光透過性基材の厚さは、10〜300μmであるが、光学フィルムの表面を割れにくく、かつ、硬度を付与する点から、40〜200μmとすることが好ましい。
光透過性樹脂基材の材料として好ましいものとしては、トリアセチルセルロース(TAC)、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、アクリレート系ポリマー又はポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルを主体とするものが挙げられる。ここで、「主体とする」とは、基材構成成分の中で最も含有割合が高い成分を示すものである。
本発明に用いられる光透過性樹脂基材として、最も光透過性に優れる観点から、TACを用いることが好ましい。
TACは、可視光域380〜780nmにおいて、平均光透過率を50%以上とすることが可能な光透過性樹脂基材である。
TACは、光学的等方性を有するため、LCD用途の場合においても好ましく用いることができる。
本発明においては、光透過性樹脂基材に表面処理(例えば、ケン化処理、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、火炎処理)を施してもよく、プライマー層(接着剤層)を形成してもよい。本発明における光透過性樹脂基材は、これらの表面処理及びプライマー層も含めたものをいう。
((ii)工程)
(ii)工程では、特定の粘度の第一の組成物と第二の組成物を準備する。
上記(i)工程と(ii)工程は、どちらを先に行っても良く、同時に行っても良い。
以下、第一の組成物と第二の組成物について説明する。
(第一のハードコート層用硬化性樹脂組成物)
第一の組成物は、粒子表面に反応性基を有する平均1次粒径1〜100nmの反応性シリカ微粒子、反応性基を有する第一のバインダー成分及び第一の溶剤を含み、粘度が3〜100mPa・sである。
第一の組成物の粘度は、3〜100mPa・sであるが、同時塗布により形成した塗膜が硬化する際に、第一の組成物に含まれる反応性シリカ微粒子の拡散、浮上等の移動を制御する観点から、好ましくは、3〜50mPa・s、さらに好ましくは5〜30mPa・sである。
本発明に係る光学フィルムの製造方法において、第一の組成物の粘度と後述する第二の組成物の粘度の差の絶対値は30以下であることが好ましい。この絶対値が30以下であることにより、同時塗布により形成した塗膜が硬化する際に、第一の組成物に含まれる反応性シリカ微粒子の拡散、浮上等の移動を制御して、塗膜の硬化したHC層内におけるシリカ微粒子の分布を制御しやすい。当該絶対値は、30以下が好ましく、さらに、1〜15が好ましい。
第一の組成物の粘度と後述する第二の組成物の粘度は、それぞれ、3〜100mPa・s、10〜100mPa・sであるが、第一の組成物の粘度が5〜30mPa・s、かつ、第二の組成物の粘度が20〜30mPa・sであることがより好ましい。
さらに、第一の組成物の粘度よりも第二の組成物の粘度が大きいことが、第一の組成物と第二の組成物の混合の程度を制御しやすく生産性に優れるため好ましい。
(反応性シリカ微粒子)
反応性シリカ微粒子は、粒子表面に反応性基を有するシリカ微粒子である。
反応性基は、同種又は異種の反応性基間で光照射又は加熱による重合ないし架橋等の光硬化性又は熱硬化性を有する基である。反応性シリカ微粒子の反応性基と後述する第一のバインダーの反応性基が重合ないし架橋等の反応をして、HC層に硬度を付与する。
反応性基が光硬化性基である場合、当該光硬化性基は好ましくは光硬化性不飽和基であり、特に好ましくは電離放射線硬化性不飽和基である。その具体例としては、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合及びエポキシ基等である。
反応性基が熱硬化性基である場合、当該熱硬化性基は、例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、グリシジル基、イソシアネート基及びアルコキシル基等が挙げられる。
反応性シリカ微粒子、第一のバインダー成分、後述する第二の組成物に含まれる第二のバインダー成分が有する反応性基は、互いに硬化反応が可能であればそれぞれ、同じであっても良いし、異なっていても良い。また、反応性シリカ微粒子、第一のバインダー成分及び第二のバインダー成分が有する反応性基は、光硬化性基単独であっても良いし、熱硬化性基単独であっても良いし、光硬化性基と熱硬化性基の両方であっても良い。
反応性シリカ微粒子は、平均1次粒径が1〜100nmであるが、好ましくは、10〜80nmであることが好ましく、12〜50nmであることがより好ましい。平均1次粒径が1nm未満では、HC層に十分な硬度を付与できない。平均1次粒径が100nmを超えると、HC層のヘイズの上昇を招く。
反応性シリカ微粒子は、1種単独で用いても良いし、異なる平均1次粒径のものを組み合わせて用いても良い。2種類以上組み合わせて用いる場合は、それぞれの平均1次粒径が1〜100nmであれば良い。
反応性シリカ微粒子の粒子形状は特に限定されず、要求される硬度、透明性等の性能に応じて、従来公知の形状から適宜選択すれば良い。粒子の形状としては、例えば、球状、針状、当該球状の粒子が連結した鎖状等が挙げられる。特開2010−120182号公報に記載の、シリカ微粒子が無機の化学結合により3〜20個結合してなる異形シリカ微粒子(鎖状粒子)はHC層に優れた硬度を付与できるため好ましい。
第一の組成物における反応性シリカ微粒子の含有量は、硬度やヘイズ等の観点から適宜調節すれば良い。例えば、第一の組成物の全固形分に対して、反応性シリカ微粒子の含有割合は、15〜70質量%が好ましく、35〜65質量%がより好ましく、50〜65質量%がさらに好ましい。上記含有割合が、15質量%以上であれば、HC層に優れた硬度を付与しやすい。上記含有割合が、70質量%以下であれば、シリカ微粒子と第一のバインダー成分の密着性が保たれ、HC層の硬度を十分に高められる。
反応性シリカ微粒子は、従来公知の方法で調製すれば良く、例えば、特許文献1に記載の表面吸着イオン除去と続く表面処理による、調製方法を用いれば良い。
(第一のバインダー成分)
第一のバインダー成分は、反応性基を有し、硬化してHC層のマトリクスとなる成分である。
本発明においては、第一の組成物は後述する第二の組成物と全体が混合しないが、当該2つの組成物が接触している部分では適度に混合する。そのため、第一のバインダー成分は、その反応性基により、後述する第二の組成物に含まれる第二のバインダー成分とも重合ないし架橋等の反応をすることができ、HC層において主に第一の組成物が硬化した下部側と主に第二の組成物硬化した上部側との密着性を高める働きも有する。
第一のバインダー成分としては、反応性基間で光照射又は加熱による重合ないし架橋等の光硬化性又は熱硬化性を有する反応性基を有する従来公知のモノマー、オリゴマー又はポリマー等のバインダー成分を用いることができる。第一のバインダー成分は、反応性基を有するモノマー、
反応性基として光硬化性基を有するバインダー成分としては、例えば、特開2004−300210号公報に記載の単官能(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート及び多官能(メタ)アクリレート及びこれらのEO変性品等の誘導体、これらのラジカル重合性モノマーが重合したオリゴマー並びにエチレン性不飽和結合を有するポリマー等が挙げられる。また、特許文献1に記載の第1の光硬化性樹脂、第2の光硬化性樹脂、特許文献2に記載のアクリレート系の官能基を有するもの等を用いることができる。
熱硬化性バインダー成分としては、例えば、エポキシ基を有する化合物及び特開2006−106503号公報に記載のバインダー性エポキシ化合物が挙げられる。また、特許文献1に記載の熱硬化性樹脂を用いることができる。
また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、光及び熱に感応することなく乾燥又は冷却により固化する非反応性バインダー成分を併用しても良い。
非反応性バインダー成分としては、例えば、特開2004−300210号公報に記載のポリアクリル酸、ポリイミド及びポリビニルアルコール等が挙げられる。
第一のバインダー成分は1種単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
第一の組成物における第一のバインダー成分の含有量は、第一のバインダー成分の分子量、反応性基数、要求される塗布性等に応じて適宜調節すれば良い。第一のバインダー成分は、第一の組成物の全固形分から上記反応性シリカ微粒子を除いた残りに対して、20〜95質量%含まれることが、硬化してHC層のマトリクスを形成する観点から好ましい。
(第一の溶剤)
第一の溶剤は、第一の組成物の粘度を調整し、第一の組成物に塗工性を付与する働きを有する。
第一の溶剤は、従来公知のハードコートフィルムや光学フィルムの形成に用いられているものであれば特に限定されずに用いることができる。
第一の溶剤としては、例えば、特開2005−316428号公報に記載のアルコール類、ケトン類、エステル類、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類が挙げられる。
干渉縞の発生を防止するためには、光透過性樹脂基材に対して浸透性のある溶剤(以下、単に「浸透性溶剤」という。)を使用するのが好ましい。
なお、本発明において浸透性とは、光透過性樹脂基材に対して浸透する性質の他、光透過性樹脂基材を膨潤又は湿潤させる概念を含む意味である。
浸透性溶剤の具体例としては、イソプロピルアルコール、メタノール及びエタノール等のアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル及び酢酸ブチル等のエステル類、ハロゲン化炭化水素、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素並びにフェノール類が挙げられる。
光透過性基材がTACの場合に使用する溶剤及び光透過性基材がPETの場合に使用する溶剤は、特開2005−316428号公報記載の溶剤が挙げられる。
特に、光透過性基材がTACの場合に使用する溶剤は、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル及びメチルエチルケトンが好ましい。
光透過性基材がPETの場合に使用する溶剤は、フェノール、クロロベンゼン、ニトロベンゼン、クロロフェノール及びヘキサフルオロイソプロパノールが好ましい。
また、上記ケトン類の溶剤は、浸透性の他に、第一の組成物を光透過性基材表面に容易に均一に塗布することができ、かつ、塗布後において溶剤の蒸発速度が適度で乾燥むらを起こし難いという効果を有する。このため、均一な厚さの大面積塗膜を容易に得ることができる。
第一の溶剤は、上記溶剤を1種単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
第一の溶剤の量は、第一の組成物の粘度が3〜100mPa・sとなるようにすれば良い。
第一の溶剤として、浸透性溶剤及び非浸透性溶剤を組み合わせて用いる場合、第一の溶剤の全質量に対して、浸透性溶剤の割合を50質量%以上とすることが好ましく、80質量%以上とすることがより好ましい。
(第一の組成物のその他の成分)
第一の組成物には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、第一のバインダー成分等の反応性基を有する成分の硬化促進、第一の組成物の粘度調整、HC層への硬度、帯電防止性の付与等を目的として、光重合開始剤、硬化剤、増粘剤、帯電防止剤及びレベリング剤等のその他の成分が含まれていても良い。
(光重合開始剤)
光重合開始剤は、上記反応性基が光硬化性基の場合に当該光硬化性基を有する成分の硬化を促進する働きを有する。
光重合開始剤としては、例えば、特開2007−272132号公報に記載のアセトフェノン類及びベンゾフェノン類等の光開始剤を用いることができる。
なかでも、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製の商品名イルガキュア184)及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製の商品名イルガキュア907)は、少量でも光重合反応を開始し促進するので、本発明において好ましく用いられる。
光重合開始剤は、1種単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
光重合開始剤を用いる場合、その含有量は、第一の組成物の全固形分に対して0.1〜20質量%となるように用いることが好ましい。
(硬化剤)
硬化剤は、上記反応性基が熱硬化性基の場合に、当該熱硬化性基を有する成分の硬化を促進する働きを有する。
このような硬化剤としては、従来公知の熱硬化性バインダーと併用される硬化剤を用いて良く、例えば、特開2006−284752号公報に記載の、無水フタル酸、無水トリメリット酸等の多価カルボン酸無水物又はコハク酸、トリメリット酸等の多価カルボン酸を用いることができる。
硬化剤は、1種単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
硬化剤を用いる場合、その含有量は、熱硬化性基を有するバインダー成分100質量部に対して1〜100質量部が好ましく、5〜50質量部がより好ましい。
(増粘剤)
第一の組成物には粘度の調整を目的として、有機化合物及び/又は無機化合物の増粘剤が含まれていても良い。
有機化合物の増粘剤としては、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アクリル樹脂、脂肪酸アマイドワックス、酸化ポリエチレン、高分子ポリエステルのアミン塩、直鎖ポリアミノアミドと高分子酸ポリエステルの塩、ポリカルポン酸のアミド溶液、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、コロイダル系エステル、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂及びポリイミド樹脂等並びにこれらを粉砕したものが挙げられる。
無機化合物の増粘剤としては、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ガラス、けいそう土、酸化チタン、酸化ジルコニウム、二酸化珪素、タルク、雲母、長石、カオリナイト(カオリンクレー)、パイロフィライト(ろう石クレー)、セリサイト(絹雲母)、ベントナイト、スメクタイト・バーミキュライト類(モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト及びサポナイト等)、有機ベントナイト並びに有機スメクタイト等が挙げられる。
増粘剤は市販品を用いても良い。有機化合物の増粘剤の市販品としては、例えば、日本曹達(株)製のセルニーHPC−H、HPC−M、HPC−L、HPC−SL及びHPC−SSL、三菱レイヨン(株)製のダイヤナールBRシリーズ、楠本化成(株)製のディスパロン#6900−20X、ディスパロン#4200、デイスパロンKS−873N及びディスパロン#1850、ビック・ケミー・ジャパン社製のBYK−405及びBYK−410、ローム・アンド・ハース社製のプライマルRW−12W、伊藤製油(株)製のA−S−AT−20S、A−S−AT−350F、A−S−AD−10A及びA−S−AD−160等が挙げられる。
無機化合物の増粘剤の市販品としては、例えば、白石工業(株)のクラウンクレー、バーゲスクレー#60、バーゲスクレーKF及びオプチホワイト、土屋カオリン工業(株)製のカオリンJP−100、NNカオリンクレー、STカオリンクレー及びハードシル、エンジェルハード(株)製のASP−072、サテントンプラス、トランスリンク37及びハイドラスデラミNCD、丸尾カルシウム(株)製のSYカオリン、OSクレー、HAクレー及びMCハードクレー、コープケミカル社製のルーセンタイトSWN、ルーセンタイトSAN、ルーセンタイトSTN、ルーセンタイトSEN及びルーセンタイトSPN、クニミネ工業社製のスメクトン、ホージュン(株)製のベンゲル、ベンゲルFW、エスベン、エスベン74、オルガナイト及びオルガナイトT、ウイルバー・エリス社製の穂高印、オルベン、250M、ベントン34及びベントン38、日本シリカ工業(株)製のラポナイト、ラポナイトRD及びラポナイトRDS等が挙げられる。
透明性の観点から好ましい増粘剤は上記有機化合物系の増粘剤で、これらの中でもヒドロキシプロピルセルロース、アクリル樹脂が好ましい。
増粘剤は、1種単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明に係る光学フィルムの製造方法では、第一の組成物及び/又は第二の組成物が増粘剤を含むことが好ましい。増粘剤を用いる場合、その含有量は、第一の組成物の全固形分に対して0.1〜10質量%となるようにすることが好ましい。
第一の組成物と第二の組成物に増粘剤が含まれる場合、第一の組成物及び第二の組成物の増粘剤は、同じであっても良いし、異なっていても良い。
(帯電防止剤)
帯電防止剤は、HC層に帯電防止性を付与するための成分である。
帯電防止剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。
帯電防止剤としては、例えば、特開2009−265658号公報に記載の陰イオン性帯電防止剤、陽イオン性帯電防止剤、両性帯電防止剤、非イオン性帯電防止剤、電解質及びイオン性液体等が挙げられる。
帯電防止剤は、1種単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
帯電防止剤の含有量は、特に限定されず適宜調節して用いれば良い。例えば、HC層の表面抵抗率は、1.0×1013Ω/□以下であることが好ましく、1.0×10Ω/□以下であることがより好ましいため、HC層の表面抵抗率がこの範囲になるように用いれば良い。
(レベリング剤)
レベリング剤は、HC層の形成時にその表面に対して、防汚性、塗工性又は平滑性を付与する働きを有する。
レベリング剤としては、従来公知の反射防止フィルムや光学フィルムに用いられているフッ素系、シリコーン系及びアクリル系等のレベリング剤を用いることができる。例えば、DIC(株)製の商品名メガファックシリーズ(MCF350−5)等の電離放射線硬化性基を有しないレベリング剤、信越化学工業(株)製の商品名X−22−163A等の電離放射線硬化性基を有するレベリング剤のいずれも使用することができる。
フッ素系、シリコーン系のレベリング剤は、防汚性も有する。
レベリング剤は、1種単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
レベリング剤を用いる場合、その含有量は、第一のバインダー成分の質量に対して5.0質量%以下となるようにすることが好ましく、0.1〜3.0質量%とすることがより好ましい。
(第二のハードコート層用硬化性樹脂組成物)
第二の組成物は、上記反応性シリカ微粒子を含まず、第二のバインダー成分及び第二の溶剤を含み、粘度が10〜100mPa・sである。
第二の組成物が、上記反応性シリカ微粒子を含まず、第一の組成物の粘度と第二の組成物の粘度が上記特定範囲であることにより、同時塗布により形成したHC層の上部側に反応性シリカ微粒子の反応後のシリカ微粒子が少ないため、光学フィルムは耐ケン化性に優れる。
第二の組成物の粘度は、10〜100mPa・sであるが、同時塗布により形成した塗膜が硬化する際に、上記第一の組成物に含まれる反応性シリカ微粒子の拡散、浮上等の移動を制御する観点から、好ましくは、15〜50mPa・s、さらに好ましくは、20〜30mPa・sである。
(第二のバインダー成分)
第二のバインダー成分は、反応性基を有し、硬化してHC層のマトリクスとなる成分である。
第二のバインダー成分は、上記第一のバインダー成分で説明したものを用いることができる。
第二のバインダー成分は、1種単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
第二のバインダー成分と上記第一のバインダー成分は、種類、分子量、反応性基数等が同じであっても良いし、異なっていても良い。
第二の組成物における第二のバインダー成分の含有量は、第二のバインダー成分の分子量、反応性基基数、要求される塗布性等に応じて適宜調節すれば良い。第二のバインダー成分は、後述する高屈折率微粒子を含まない場合は、第二の組成物の全固形分に対して、20〜95質量%含まれることが好ましく、後述する高屈折率微粒子を含む場合は、第二の組成物の全固形分から高屈折率微粒子を除いた残りに対して、20〜95質量%含まれることが、硬化してHC層のマトリクスを形成する観点から好ましい。
(第二の溶剤)
第二の溶剤は、第二の組成物の粘度を調整する働きを有する。
第二の溶剤は、上記第一の溶剤で説明したものを用いることができる。
第二の溶剤は、1種単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
第二の溶剤と上記第一の溶剤は、同じであっても良いし、異なっていても良い。
第二の溶剤の量は、第二の組成物の粘度が10〜100mPa・sとなるようにすれば良い。
(第二の組成物のその他の成分)
第二の組成物には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、第二のバインダー成分等の反応性基を有する成分の硬化促進、第二の組成物の粘度調整、HC層への硬度、帯電防止性、防汚性、耐ブロッキング性の付与等を目的として、光重合開始剤、増粘剤、易滑剤、帯電防止剤、防汚剤及びレベリング剤等のその他の成分が含まれていても良い。
光重合開始剤、増粘剤、帯電防止剤及びレベリング剤は、第一の組成物で説明したものを用いることができる。
(防汚剤)
防汚剤は、光学フィルムの最表面の汚れを防止し、さらにHC層に耐擦傷性を付与することもできる。
防汚剤としては、従来公知のフッ素系化合物又はケイ素系化合物等の防汚剤(防汚染剤)を用いて良い。
防汚剤としては、例えば、特開2007−264279号公報に記載の防汚染剤が挙げられる。
市販品の防汚剤を用いることも好ましい。このような市販品の防汚剤(非反応性)としては、DIC(株)製のメガファックシリーズ、例えば、商品名MCF350−5、F445、F455、F178、F470、F475、F479、F477、TF1025、F478及びF178K等、東芝シリコーン(株)製のTSFシリーズ等、信越化学工業(株)製のX22シリーズ及びKFシリーズ等並びにチッソ(株)製のサイラプレーンシリーズ等が挙げられる。
市販品の防汚剤(反応性)としては、新中村化学工業(株)製の商品名SUA1900L10及び商品名SUA1900L6、ダイセルユーシービー(株)製の商品名Ebecryl350、商品名Ebecryl1360及び商品名KRM7039、日本合成化学工業(株)製のUT3971、DIC(株)製の商品名ディフェンサTF3001、商品名ディフェンサTF3000及び商品名ディフェンサTF3028、共栄社化学(株)製の商品名ライトプロコートAFC3000、信越化学工業(株)製の商品名KNS5300、GE東芝シリコーン(株)製の商品名UVHC1105及びUVHC8550並びに日本ペイント(株)製の商品名ACS−1122等が挙げられる。
(易滑剤)
易滑剤は、HC層表面に微小な凹凸を形成し、光学フィルムに耐ブロッキング性を付与する働きを有する。なお、ブロッキングとは、光学フィルムを積層したときや、光学フィルムを巻き取ってロール状にしたとき等に光学フィルムの一方の表面と他方の表面とが貼り付く現象をいう。ブロッキングが起こるとロールから光学フィルムを滑らかに繰り出すことができなくなり、後の工程において、光学フィルムにシワが発生したり、光学フィルムが蛇行したりする要因となる。その他、ブロッキングした箇所にムラができて透明性等の光学的均一性を損なう要因ともなる。
本発明に係る光学フィルムの製造方法では、前記第二のハードコート層用硬化性樹脂組成物が、さらに、平均1次粒径50〜300nmの易滑剤を含むことが、光学フィルムに耐ブロッキング性を付与できるため好ましい。
易滑剤としては、従来公知の無機微粒子又は有機微粒子等の易滑剤を用いることができる。
易滑剤の平均1次粒径は50〜300nmであることが好ましい。平均1次粒径が50nm以上であることにより、HC層表面に微小な凹凸を形成しやすく、光学フィルムに耐ブロッキング性を付与しやすい。平均1次粒径が300nm以下であることにより、光学フィルムの透明性を損なわず、ヘイズの上昇も抑えることができる。
易滑剤を用いる場合、易滑剤の含有量は、第二の組成物の全固形分に対して、0.1〜3.0質量%となるように用いることが十分な耐ブロッキング性を得る観点から好ましい。
易滑剤の具体例としては、シリカ微粒子(触媒化成工業(株)製の商品名MIBKSIR)等が挙げられる。
(高屈折率微粒子)
HC層の屈折率を高める、又は調整するために高屈折率微粒子を用いても良い。
後述するように、HC層上に低屈折率層を直接又は高屈折率層を介して設ける場合、第二の組成物に高屈折率微粒子を含有させることにより、HC層においては、HC層の膜厚方向では、HC層の光透過性樹脂基材とは反対側の界面に近いほど高屈折率微粒子の存在量を多く(光透過性樹脂基材側の界面に近いほど高屈折率微粒子の存在量を少なく)することができる。これによって、HC層の上部側の屈折率を選択的に高める又は調整することができ、これらの層との屈折率差を調整することができる。そのため、光学フィルムの反射防止性能を高めることができる。
本発明の高屈折率微粒子は、屈折率が1.50〜2.80の微粒子をいう。
このような高屈折率微粒子としては、例えば、特許文献1、特開2007−272132号公報に記載の、酸化チタン、酸化ジルコニウム、アンチモンスズ酸化物、酸化アンチモン等の高屈折率微粒子又は中乃至高屈折率微粒子等を用いることができる。
高屈折率微粒子の平均1次粒径は、HC層の透明性を確保する観点から、1〜100nmであることが好ましい。
上記高屈折率微粒子は、1種単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
((iii)工程)
(iii)工程では、上記光透過性基材の一面側に、当該光透過性基材側から、上記第一の組成物及び第二の組成物を隣接して同時塗布し、塗膜とする。
同時塗布の方法は特に限定されず、従来公知のダイコーティングやスライドコーティング等の同時塗布方法を用いることができる。本発明においては、ダイコーティングが好ましい。
図1は、本発明に係る光学フィルムの製造方法における(iii)工程の同時塗布の一例を示した模式図である。
光透過性樹脂基材10の一面側に、2スロットエクストルージョン型ダイコーターのダイコーターヘッド20のスリット31及び32より、それぞれ、第一の組成物40、第二の組成物50を吐出し、塗膜とする。エクストルージョン型ダイコーターの2つのスリット31及び32のうち、光透過性樹脂基材10の進行方向に対して、上流側に位置するスリット31より、硬化してHC層の下部側を形成する第一の組成物40を、下流側に位置するスリット32より、硬化してHC層の上部側を形成する第二の組成物50を吐出させて塗布を行う。
図1では、第一の組成物40と第二の組成物50を同時塗布する様子を示したが、これら2つの組成物40、50に加えて、後述する高屈折率層用組成物や低屈折率層用組成物を同時塗布しても良い。
高屈折率層や低屈折率層等のその他の層を形成する組成物を上記2つの組成物40、50と一緒に同時塗布することで、生産工程を簡略化できる利点がある。
同時塗布によりHC層上となる位置にその他の層を設ける場合には、光透過性樹脂基材の進行方向に対して下流側にその他の層を形成するための組成物を吐出するスロットをさらに設けて、同時塗布を行えば良い。
例えば、図示しないが3スロットダイコーターを用いて、光透過性樹脂基材上に第一の組成物40、その上に第二の組成物50、さらにその上に低屈折率層用組成物を同時塗布し、光照射又は加熱により硬化させることにより、光透過性樹脂基材/HC層/低屈折率層という層構成の光学フィルムを得ることも可能である。
本発明に係る光学フィルムの製造方法においては、ダイコーターヘッド20と光透過性樹脂基材10の距離であるコーターギャップ60と光透過性樹脂基材10上に同時塗布した際の第一の組成物40と第二の組成物50の塗膜の合計の厚さ70が、コーターギャップ60<厚さ70の2倍の関係にあることが好ましい。このような関係を保ちながら同時塗布することで、光透過性樹脂基材10とダイコーターヘッド20の間に形成される塗布ビードが安定化する。特にこの塗布ビードは、塗布により形成する層が薄膜化するほど不安定になりやすく、塗布面にむらやスジを生じさせ、外観を悪化させる原因となるが、上記コーターギャップ60と厚さ70の関係を保つことで、塗布ビードを安定化させることができる。なお、塗布ビードとは、塗布装置と基材との間に生成する液だまりを意味する。
((iv)工程)
(iv)工程では、前記(iii)工程で得られた塗膜を光照射及び/又は加熱により硬化させハードコート層を形成する。
光照射には、主に、紫外線、可視光、電子線又は電離放射線等が使用される。紫外線硬化の場合には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク又はメタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等を使用する。光照射量は、紫外線波長365nmでの積算露光量として、50〜300mJ/cmであれば良い。
加熱する場合は、通常40℃〜120℃の温度にて処理する。また、室温(25℃)で24時間以上放置することにより反応を行っても良い。
また、(iv)工程においては、光照射又は加熱の前に必要に応じて適宜乾燥を行っても良い。
乾燥方法としては、例えば、減圧乾燥又は加熱乾燥、さらにはこれらの乾燥を組み合わせる方法等が挙げられる。また、常圧で乾燥させる場合は、30〜110℃で乾燥させることが好ましい。例えば、第一の溶剤又は第二の溶剤としてメチルイソブチルケトンを用いる場合は、通常室温〜80℃、好ましくは40℃〜70℃の範囲内の温度で、20秒〜3分、好ましくは30秒〜1分程度の時間で乾燥が行われる。
(iv)工程において形成されるHC層の膜厚は、要求される硬度、耐ケン化性等に応じて適宜調節すれば良い。HC層の膜厚は、例えば、1〜20μmとすることができる。
本発明に係る光学フィルムの製造方法では、前記(iv)工程の後に、さらに(v)前記ハードコート層の光透過性樹脂基材とは反対側の面に、直接又は高屈折率層を介して低屈折率層を形成する工程、を含むことが、光学フィルムに反射防止性能を付与できるため好ましい。
図2は、本発明に係る光学フィルムの層構成の一例を示した模式図である。
図2の光学フィルム1では、光透過性樹脂基材10の一面側に、光透過性樹脂基材10側からハードコート層80及び低屈折率層90が設けられている。
このとき、各層の屈折率の大小関係は、ハードコート層80>低屈折率層90である。
図3は、本発明に係る光学フィルムの層構成の他の一例を示した模式図である。
図3の光学フィルム1では、光透過性樹脂基材10の一面側に、光透過性樹脂基材10側からハードコート層80、高屈折率層100及び低屈折率層90が設けられている。
このとき、各層の屈折率の大小関係は、高屈折率層100>ハードコート層80>低屈折率層90である。
図2や図3のように、通常、光学フィルムの一面側の最表面となる位置に最も屈折率の低い低屈折率層90が位置し、低屈折率層90の光透過性樹脂基材10側に低屈折率層90よりも屈折率の高いハードコート層80や高屈折率層100が位置することで、光学フィルムに反射防止性能を付与することができる。通常は、上述したように低屈折率層90が光学フィルムの一面側の最表面となるが、図示しないが、低屈折率層90の光透過性樹脂基材10とは反対側の面に、さらに反射防止性能を損なわない範囲で、極薄い防汚層やHC層を設けても良い。また、上記低屈折率層90や高屈折率層100を設けずに、ハードコート層80の光透過性樹脂基材10とは反対側の面に、防汚層等の層を設けても良い。
以下、低屈折率層及び高屈折率層並びにこれらの層を形成するための組成物を説明する。
(低屈折率層)
低屈折率層は、当該低屈折率層の光透過性樹脂基材側に隣接する層との屈折率差により、反射防止性能を発現する層であり、必要に応じて設けられる層である。
低屈折率層の屈折率は、上述したHC層80や高屈折率層100との大小関係を満たせば、従来公知の反射防止フィルムや光学フィルムの屈折率とすることができる。低屈折率層の屈折率は、通常、1.30〜1.50であり、好ましくは1.30〜1.45である。
さらに、低屈折率層は下記式(1)を満たすことが低反射率化の点で好ましい。
(m/4)λ×0.7<n<(m/4)λ×1.3・・・式(1)
式(1)中、mは正の奇数であり、nは低屈折率層の屈折率であり、そして、dは低屈折率層の厚さ(nm)である。また、λは光の波長であり、380〜780nmの範囲の値である。
なお、上記式(1)を満たすとは、上記波長の範囲において数式(1)を満たすm(正の奇数。通常1である。)が存在することを意味する。
(低屈折率層用組成物)
低屈折率層用組成物は、光照射等により硬化して上記低屈折率層を形成する。
低屈折率層用組成物には、上記第一の組成物で挙げた第一のバインダー成分を用いることができる。
その他、屈折率層の屈折率を低下させるために、従来公知の材料を用いることができる。例えば、特許文献1、特開2007−272132号公報に記載の、中空シリカ微粒子(空隙を有する微粒子)、フッ化マグネシウム及びフッ化ナトリウム等の低屈折率微粒子、フッ素系樹脂、シリコーン含有フッ化ビニリデン共重合体等を用いることができる。
低屈折率微粒子を用いる場合は、光学フィルムの外観や反射率を損なわないように、低屈折率微粒子の平均1次粒径を低屈折率層の厚さの30〜80%とすることが好ましい。
上記屈折率を低下させるための材料は、1種単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
(高屈折率層)
高屈折率層は、低屈折率層を設ける場合に、反射防止性能を高めるために必要に応じて設けられる層である。高屈折率層は、低屈折率層の光透過性樹脂基材側に隣接して設けられ、低屈折率層との屈折率差を高める働きを有する。
高屈折率層の屈折率は、上述したHC層80や低屈折率層90との大小関係を満たせば、従来公知の反射防止フィルムや光学フィルムの屈折率とすることができる。高屈折率層の屈折率は、通常、1.50〜2.80である。
高屈折率層の厚さは、適宜設定すれば良く、例えば、10〜300nmであることが好ましい。
(高屈折率層用組成物)
高屈折率層用組成物は、光照射等により硬化して上記高屈折率層を形成する。
高屈折率層用組成物には、上記第一の組成物で挙げた第一のバインダー成分を用いることができる。
高屈折率層の屈折率を高める、又は調整するために、第二の組成物で説明した高屈折率微粒子を用いることができる。
高屈折率微粒子を用いる場合は、光学フィルムの透明性の観点から、高屈折率微粒子の平均1次粒径は、1〜100nmであることが好ましい。
高屈折率微粒子は、1種単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
上記低屈折率層及び高屈折率層を設ける方法は特に限定されず、従来公知の塗布方法により低屈折率層用組成物や高屈折率層用組成物を塗布し、その塗膜を上記HC層と同様に光照射や加熱により硬化させて形成すれば良い。
塗布方法としては、例えば、特許文献1に記載のスライドコート法、バーコート法、ロールコーター法等を用いることができる。
上記低屈折率層や高屈折率層は、上記HC層と別個に、すなわち、第一の組成物と第二の組成物の同時塗布とは別に低屈折率層用組成物や高屈折率層用組成物を塗布して形成しても良い。また、上記低屈折率層や高屈折率層は、第一の組成物、第二の組成物とともに低屈折率層用組成物や高屈折率層用組成物を同時塗布して形成しても良い。
本発明に係る光学フィルムの製造方法では、前記(iii)工程の前に、さらに(vi)前記光透過性樹脂基材のハードコート層を設ける面に、帯電防止層を形成する工程、を含むことが、光学フィルムに帯電防止性能を付与できるため好ましい。
図4は、本発明に係る光学フィルムの層構成の他の一例を示した模式図である。
図4の光学フィルム1では、光透過性樹脂基材10の一面側に、光透過性樹脂基材10側から帯電防止層110、ハードコート層80及び低屈折率層90が設けられている。
以下、帯電防止層及び帯電防止層を形成するための組成物を説明する。
(帯電防止層)
帯電防止層は、光学フィルムに帯電防止性能を付与する働きを有する層であり、必要に応じて設けられる層である。
帯電防止層の厚さは、従来公知の帯電防止層の厚さとすれば良く、例えば、30nm〜1μmであれば良い。
(帯電防止層用組成物)
帯電防止層用組成物は、帯電防止剤とバインダー成分を含み光照射や加熱により硬化して上記帯電防止層を形成する。
帯電防止層用組成物には、上記第一の組成物で挙げた第一のバインダー成分を用いることができる。
帯電防止剤としては、上記第一の組成物で挙げたものを用いることができる。
帯電防止剤は、1種単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
帯電防止剤の含有量は、特に限定されず適宜調節して用いれば良い。例えば、帯電防止層の表面抵抗率は、1.0×1013Ω/□以下であることが好ましく、1.0×10Ω/□以下であることがより好ましいため、帯電防止層の表面抵抗率がこの範囲になるように用いれば良い。
帯電防止層を設ける方法は、特に限定されず、上記HC層の光透過性基材側となる位置に設けられれば良く、上記低屈折率層や高屈折率層と同様に帯電防止層用組成物を塗布し、塗膜を光照射や加熱により硬化させて形成すれば良い。
(光学フィルム)
本発明に係る光学フィルムは、上記製造方法により得られることを特徴とする、光学フィルムである。
上述した製造方法により得られる光学フィルムは、第一の組成物と第二の組成物の粘度が適度であり2つの組成物全体が混合していないため、HC層において塗工スジがなく、外観が良好である。
上述した製造方法では、硬化してHC層の下部側を形成する第一の組成物にのみ反応性シリカ微粒子が含まれ、硬化してHC層の上部側を形成する第二の組成物には当該反応性シリカ微粒子が含まれない。そして、同時塗布によっても2つの組成物全体が混合していないため、光学フィルムをケン化処理しても、HC層の上部側にはシリカ微粒子が少ないため、シリカ微粒子の流出や脱落が抑制される。また、下部側のシリカ微粒子の存在量が多い部分が下地としても機能する。したがって、当該光学フィルムは耐ケン化性と硬度に優れる。
さらに、反応性シリカ微粒子は、同時塗布時に第二の組成物よりも下部側となる第一の組成物に含まれるため、第一の組成物と第二の組成物の塗膜が硬化してなるHC層内では下部側に多く存在し、HC層の表面(光透過性基材とは反対側の面)に近いほど存在量が少なくなる。第一の組成物と第二の組成物は、当該2つの組成物が接触する部分において適度に混合するため、反応性シリカ微粒子も上部側に少量移行する。逐次塗工法やハーフキュアー法で下層側にのみシリカ微粒子を含有させた場合には、シリカ微粒子の含まれる下層側とシリカ微粒子の含まれない上層側の界面が明瞭に生じてしまう。これに対して、上記製造方法により得られる光学フィルムでは、HC層の表面に近いほどシリカ微粒子の存在量が少ないが、硬化前に前記2つの組成物が接触する部分において適度に混合しており、HC層の上部側にもシリカ微粒子が移行するため、HC層内に界面が生じず、干渉縞の発生が抑制され、外観が良好である。
また、本発明に係る光学フィルムは、光透過性樹脂基材の一面側に、少なくともハードコート層が設けられている光学フィルムであって、当該ハードコート層は、平均1次粒径1〜100nmのシリカ微粒子を含み、当該ハードコート層において、当該ハードコート層の膜厚方向では、当該シリカ微粒子の存在量が、当該光透過性樹脂基材とは反対側の界面に近いほど少ないことを特徴とする。
図5は、本発明に係る光学フィルムのハードコート層におけるシリカ微粒子の分布の様子の一例を模式的に示した断面図である。
光学フィルム1のハードコート層80には、シリカ微粒子120が含まれ、ハードコート層において、その膜厚方向では、シリカ微粒子120の存在量が、光透過性樹脂基材10とは反対側の界面に近いほど少ない。
このように、HC層の光透過性樹脂基材とは反対側の界面に近いほどシリカ微粒子が少ないと、光学フィルムをケン化処理したときでも当該界面からのシリカ微粒子の脱落や流出が抑制される。そのため、光学フィルムの耐ケン化性をさらに高めることができる。
上記本発明に係る光学フィルムの製造方法により得られる光学フィルムでは、第一の組成物に含まれる反応性シリカ微粒子は、HC層形成時に、通常、その粒子表面の反応性基を反応に供した後であるため、シリカ微粒子となる。
なお、図5では、シリカ微粒子120を拡大誇張して図示している。
本発明に係る光学フィルムでは、前記ハードコート層において、前記光透過性樹脂基材から当該ハードコート層の膜厚の80%までの領域に、前記シリカ微粒子の全量の90%以上が存在することも可能である。
図5に示したように、ハードコート層80において、光透過性樹脂基材10からハードコート層80の膜厚の80%までの領域に、シリカ微粒子120の全量の90%以上が存在することによって、耐ケン化性がさらに高まる。
本発明に係る光学フィルムでは、前記ハードコート層に、平均1次粒径50〜300nmの易滑剤が含まれており、当該ハードコート層の光透過性樹脂基材とは反対側の界面には、JIS B0601(1994)に準拠した算術平均粗さRaが3〜50nmであり、凸部間の平均間隔Smが100nm〜7μmである凹凸を形成することも可能である。
上記製造方法において、第二の組成物に平均1次粒径50〜300nmの易滑剤が含まれる場合、硬化膜であるHC層の表面(HC層の光透過性樹脂基材とは反対側の界面)には、上記Raが3〜50nm、上記Smが100nm〜7μmの凹凸が形成される。この微小な凹凸によって光学フィルムに耐ブロッキング性が付与される。
なお、上記Ra及びSmは、(株)小坂研究所製の表面粗さ測定機、商品名SE−3400を用いて、以下の条件で求めた。
表面粗さ検出部の触針((株)小坂研究所製の商品名SE2555N(2μ標準))
・先端曲率半径2μm、頂角90度、材質ダイヤモンド
表面粗さ測定器の測定条件
・基準長さ(粗さ曲線のカットオフ値λc):0.8mm、
・評価長さ(基準長さ(カットオフ値λc)×5):4.0mm
・触針の送り速さ:0.1mm/s
本発明に係る光学フィルムでは、前記ハードコート層の光透過性樹脂基材とは反対側の面に、さらに低屈折率層又は当該ハードコート層側から高屈折率層及び低屈折率層が設けられていても良い。
図2や図3のような層構成とすることにより、光学フィルムの反射防止性能を高めることができる。
低屈折率層及び高屈折率層については、上記製造方法で説明したのでここでの説明は省略する。
本発明に係る光学フィルムでは、前記光透過性樹脂基材と前記ハードコート層の間に、さらに帯電防止層が設けられていても良い。
図4のような層構成とすることにより、光学フィルムの帯電防止性を高めることができる。
帯電防止層については、上記製造方法で説明したのでここでの説明は省略する。
本発明に係る光学フィルムでは、JIS K5600−5−4(1999)に規定する鉛筆硬度試験(4.9N荷重)の硬度を、3H以上とすることも可能である。これは、HC層において下部側(下地)にシリカ微粒子が多く含まれ、下部側の硬度が高いためと推測される。
(偏光板)
本発明に係る偏光板は、偏光素子の一面側に、上記光学フィルムを、当該光学フィルムの光透過性樹脂基材側を当該偏光素子に向けて配置してなることを特徴とする。
図6は、本発明に係る偏光板の構成の一例を示した模式図である。
偏光板2は、偏光素子130の一面側に、光学フィルム1の光透過性樹脂基材10側を偏光素子130に向けて貼り合わせて(ラミネート処理して)なる。
偏光素子としては、特に限定されず、例えば、ヨウ素等により染色し、延伸したポリビニルアルコールフィルム、ポリビニルホルマールフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体系ケン化フィルム等を使用することができる。
上記偏光素子と光学フィルムとのラミネート処理においては、光透過性樹脂基材(光学フィルム)をアルカリ溶液によりケン化処理することが好ましい。ケン化処理によって、接着性が良好になり帯電防止効果も得ることができる。このようにケン化処理する場合の光透過性樹脂基材は、TACであることが好ましい。
(画像表示装置)
本発明に係る画像表示装置は、上記光学フィルムを備えることを特徴とする。
上記画像表示装置としては、従来公知の画像表示装置を用いることができる。例えば、LCD、PDP、EL表示装置、プロジェクションディスプレイ、CRT表示装置等である。
本発明に係る画像表示装置は、上記光学フィルムを備えれば良く、画像表示面に光学フィルムの光透過性基材側を向けて配置して備えても良いし、例えば、LCDでは、上記光学フィルムを備える偏光板を液晶パネルに備えていても良い。
以下、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。これらの記載により本発明を制限するものではない。
反応性シリカ微粒子(1)として、日産化学工業(株)製のコロイダルシリカのMIBK分散液、商品名MIBK−SDL(平均1次粒径44nm、固形分40%、表面処理剤;3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)を用いた。
反応性シリカ微粒子(2)として、日産化学工業(株)製のコロイダルシリカのMIBK分散液、商品名MIBK−SDZL(平均1次粒径80nm、固形分40%、表面処理剤;3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)を用いた。
反応性シリカ微粒子(3)として、日揮触媒化成(株)製のコロイダルシリカのMIBK分散液、商品名DP1039SIV(平均1次粒径20nm、平均連結数3.5個、平均2次粒径55nm、平均1次粒径44nm、固形分40%、表面処理剤;3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)を用いた。
低屈折率微粒子として、中空シリカ微粒子(平均1次粒径50nm、固形分20%、空隙率40%)を用いた。
バインダー成分(1)として、新中村化学工業(株)製の多官能ウレタンアクリレート、商品名U−4HA(分子量600、官能基数4)を用いた。
バインダー成分(2)として、日本化薬(株)製の商品名KAYARAD−DPHA(ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物)を用いた。
バインダー成分(3)として、日本化薬(株)製の商品名KAYARAD−PET30(ペンタエリスリトールトリアクリレート)を用いた。
バインダー成分(4)として、荒川化学工業(株)製の商品名BS371(重量平均分子量40000、反応性官能基数30以上のポリマーアクリレート)を用いた。
バインダー成分(5)として、共栄社化学工業(株)製の商品名LINC−3A(フッ素モノマー)を用いた。
溶剤(1)として、TAC基材に浸透性を有するメチルエチルケトンを用いた。
溶剤(2)として、メチルイソブチルケトンを用いた。
増粘剤として、日本曹達(株)製の商品名セルニー HPC−M(ヒドロキシプロピルセルロース)を用いた。
防汚剤として、ソルベイソレクシス(株)製のの商品名5101X(両末端4官能メタクリレート変性パーフルオロポリエーテル化合物)を用いた。
易滑剤として、CIKナノテック(株)製の商品名SIRMEK−E03(平均1次粒径147nm、シリカ粒子、MEK分散液、固形分15%)を用いた。
光重合開始剤(1)として、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製の商品名イルガキュアー184を用いた。
光重合開始剤(2)として、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製の商品名イルガキュアー127を用いた。
光透過性基材として、コニカミノルタ(株)製のTAC基材(厚さ40μm、トリアセチルセルロース樹脂フィルム、商品名:KC4UY)を用いた。
以下の略語はそれぞれ、次のものを表す。
MIBK:メチルイソブチルケトン
MEK:メチルエチルケトン
DPPA:ジペンタエリスリトールペンタアクリレート
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
IPA:イソプロパノール
PETA:ペンタエリスリトールトリアクリレート
TAC:トリアセチルセルロース
(組成物の調製)
それぞれ、下記に示す組成の成分を配合して組成物を調製した。
(第一の組成物1、粘度7.8mPa・s)
反応性シリカ微粒子(1)MIBK−SDL:43.9質量部
バインダー成分(1)U−4HA:26.4質量部
溶剤(1)MEK:28.6質量部
光重合開始剤(1)イルガキュアー184:1.1質量部
(第一の組成物2、粘度6.5mPa・s)
反応性シリカ微粒子(1)MIBK−SDZL:43.9質量部
バインダー成分(2)KAYARAD−DPHA:26.4質量部
溶剤(1)MEK:28.6質量部
光重合開始剤(1)イルガキュアー184:1.1質量部
(第一の組成物3、粘度9.5mPa・s)
反応性シリカ微粒子(3)DP1039SIV:43.9質量部
バインダー成分(2)KAYARAD−DPHA:13.2質量部
バインダー成分(4)BS371:13.2質量部
溶剤(1)MEK:28.6質量部
光重合開始剤(1)イルガキュアー184:1.1質量部
(第二の組成物1、粘度30.5mPa・s)
バインダー成分(2)KAYARAD−DPHA:28.8質量部
バインダー成分(4)BS371:28.8質量部
溶剤(2)MIBK:40.0質量部
光重合開始剤(1)イルガキュアー184:2.4質量部
(第二の組成物2、粘度14.7mPa・s)
バインダー成分(1)U−4HA:57.6質量部
溶剤(2)MIBK:40.0質量部
光重合開始剤(1)イルガキュアー184:2.4質量部
(低屈折率層用組成物)
中空シリカ微粒子:15.0質量部
バインダー成分(3)PET−30:1.0質量部
バインダー成分(5)LINC−3A:1.0質量部
溶剤(2)MIBK:83.0質量部
光重合開始剤(2)イルガキュアー127:0.1質量部
(実施例1)
TAC基材上に、2スロットダイコーターを用いて、上記第一の組成物1が上記第二の組成物1よりもTAC基材(下部)側に位置するように当該第一の組成物1及び第二の組成物1を、塗布速度20m/minにて隣接して同時塗布を行い、塗膜を形成した。その塗膜を温度70度の熱オーブン中で30秒間乾燥し、溶剤を除去した。次いでその塗膜に紫外線照射装置を用いて、照射量100mJ/cmで紫外線照射を行い、塗膜を硬化させて乾燥膜厚11μmのハードコート層を形成し、光学フィルムを得た。
(実施例2)
実施例1において、第一の組成物1に代えて第一の組成物2、第二の組成物1に代えて第二の組成物2を用いた以外は実施例1と同様にして、光学フィルムを得た。
(実施例3)
実施例1において、第一の組成物1に代えて第一の組成物3を用いた以外は実施例1と同様にして、光学フィルムを得た。
(実施例4)
実施例3において、第一の組成物3に増粘剤(セルニー HPC−M)を1.0質量部加えて粘度を28.5mPa・sに調整した以外は実施例3と同様にして、光学フィルムを得た。
(実施例5)
実施例3において、第二の組成物1に防汚剤(5101X)を0.2質量部、易滑剤(SIRMEK−E03)を7.1質量部加えた以外は実施例3と同様にして光学フィルムを得た。
(実施例6)
実施例3において、ハードコート層を形成した後に、そのHC層上に、上記低屈折率層用組成物をスロットダイを用いて塗布し、塗膜を形成した。次いで、その塗膜にハードコート層と同様に乾燥、紫外線照射を行い、乾燥膜厚100nmの低屈折率層を形成し、TAC基材上にHC層及び低屈折率層を有する光学フィルムを得た。
(比較例1)
実施例1において、第一の組成物1にMEKを加えて第一の組成物1の粘度を0.9mPa・sに、MIBKを第二の組成物1に加えて第二の組成物1の粘度を1.3mPa・sに調整して用いた以外は実施例1と同様にして、光学フィルムを得た。
(比較例2)
実施例1において、第一の組成物1に増粘剤(セルニー HPC−M)を10.0質量部加え、かつ、第一の組成物1のMEKの量を減らし、第一の組成物1の粘度を110.7mPa・sに調整したもの及び第二の組成物1に増粘剤(セルニー HPC−M)を5.0質量部加え、かつ、第二の組成物1のMIBKの量を減らして第二の組成物2の粘度を120.0mPa・sに調整したものを用いた以外は実施例1と同様にして、光学フィルムを得た。
(比較例3)
実施例1において、第一の組成物1にMEKを加えて第一の組成物1の粘度を0.9mPa・sに調整して用いた以外は実施例1と同様にして、光学フィルムを得た。
(比較例4)
実施例1において、第一の組成物1に増粘剤(セルニー HPC−M)を10.0質量部加え、かつ、第一の組成物1のMEKの量を減らし、第一の組成物1の粘度を110.7mPa・sに調整して用いた以外は実施例1と同様にして、光学フィルムを得た。
(比較例5)
実施例1において、第二の組成物1にMIBKを加えて第二の組成物1の粘度を1.3mPa・sに調整して用いた以外は実施例1と同様にして、光学フィルムを得た。
(比較例6)
実施例1において、第一の組成物1の溶剤(1)MEKの量を減らして第一の組成物1の粘度を12.8mPa・sに調整し、第二の組成物1に溶剤(2)MIBKを加えて第二の組成物1の粘度を4.3mPa・sに調整して用いた以外は実施例1と同様にして、光学フィルムを得た。
(比較例7)
実施例1において、第二の組成物1に増粘剤(セルニー HPC−M)を5.0質量部加え、かつ、第二の組成物1のMIBKの量を減らして第二の組成物2の粘度を120.0mPa・sに調整したものを用いた以外は実施例1と同様にして、光学フィルムを得た。
(比較例8)
TAC基材上に、スロットダイコーターを用いて、第一の組成物1を塗布し、その塗膜を温度70度の熱オーブン中で30秒間乾燥し、溶剤を除去した。次いでその塗膜に紫外線照射装置を用いて、照射量50mJ/cmになるように照射して硬化させ、膜厚7μmのHC層を形成した。次いで、当該HC層上に、第二の組成物1をスロットダイコーターを用いて塗布し、その塗膜を温度70度の熱オーブン中で30秒間乾燥し、溶剤を除去した。次いでその塗膜に紫外線照射装置を用いて、照射量100mJ/cmになるように照射して、上下層の合計膜厚が11μmのHC層を形成して、光学フィルムを得た。
(比較例9)
TAC基材上に、スロットダイコーターを用いて、第一の組成物1を塗布し、その塗膜を温度70度の熱オーブン中で30秒間乾燥し、溶剤を除去した。次いでその塗膜に紫外線照射装置を用いて、照射量100mJ/cmになるように照射して、膜厚11μmのHC層を形成し、光学フィルムを得た。
上記実施例及び比較例の第一の組成物及び第二の組成物の種類、粘度、塗布方式及び用いたその他の組成物についてまとめたものを表1に示す。
Figure 2012063577
(光学フィルムの評価)
上記実施例及び比較例の光学フィルムについて、それぞれ以下に示すように鉛筆硬度、密着性、干渉縞の有無、塗工スジの有無、生産性、耐ケン化性の評価を行った。また、HC層の断面のTEM写真からシリカ微粒子の分布を評価した。その結果を表2に示す。表2において、膜厚の割合とは、HC層全体の膜厚に対する、シリカ微粒子の90%が存在するHC層のTAC基材側からの膜厚の割合である。
(鉛筆硬度の評価)
作製した光学フィルムを温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間調湿した後、JIS S6006が規定する試験用鉛筆(硬度3H)を用いて、JIS K5600−5−4(1999)に規定する鉛筆硬度試験(4.9N荷重)を行い、下記基準で測定した。
○:3H合格(5本線中、傷がない又は傷が1本)
×:3H不合格(5本線中、傷が2本以上)
(密着性の評価)
光学フィルムのHC層側表面に1mm角で合計100目の碁盤目状のマス目を入れ、ニチバン(株)製の工業用24mmセロテープ(登録商標)を用いて5回連続剥離試験を行い、残っているマス目の数量を計測し、下記基準に基づいて密着度を測定することにより密着性を評価した。
密着率(%)=(剥がれなかったマス目の数/合計のマス目数100)×100
○:密着率90%以上
×:密着率90%未満
(外観の評価:干渉縞の有無)
フナテック(株)製の干渉縞検査ランプ(Naランプ)を用いて目視にて検査し、下記基準で評価した。
○:干渉縞がほとんど見られなかったもの
×:干渉縞がはっきり見えたもの
(外観の評価:塗工スジの有無)
光学フィルムの外観の面状(塗工スジの有無)について目視により評価を行った。
○:塗工スジが見えなかったもの
△:塗工スジがぼんやり見えたもの
×:塗工スジがはっきり見えたもの
(生産性(塗工適性))
上記各実施例及び比較例において、塗工速度のみを変えたときのTAC基材への第一の組成物及び第二の組成物の塗工適性を下記基準で評価した。
○:塗工速度10m/min以上でも塗工スジを生じずに塗工が可能なもの
△:塗工スジを生じずに塗工可能な塗工速度が1m/min以下のもの
×:どのような速度でも塗工スジが生じてしまうもの
(耐ケン化性の評価)
作製した光学フィルムを、温度55℃のケン化処理液(2規定の水酸化ナトリウム水溶液)に2分間浸漬させた。その後、十分に水洗した後、70℃で5分間乾燥させた。#0000番のスチールウールを用いて、摩擦荷重9.8×10−2MPa(1000gf/cm)にて、10往復摩擦し、その後の硬化膜の傷、剥がれの有無を目視し下記の基準にて評価した。
○:傷と硬化膜の剥がれなし
×:傷又は硬化膜の剥がれがあった
Figure 2012063577
(結果のまとめ)
表2より、実施例1〜6の光学フィルムは良好な評価結果を得た。
また、実施例5の光学フィルムでは、第二の組成物に防汚剤を加えたため、指紋が付きにくく、指紋が付いても容易に拭き取ることができた。さらに実施例5の光学フィルムでは、第二の組成物に易滑剤を加えたため、光学フィルムを重ねても光学フィルム同士の貼り付き(ブロッキング)が生じなかった。なお、実施例5の光学フィルムのJIS B0601(1994)に準拠した算術平均粗さRaは7.5nm、凸部間の平均間隔Smは3.8μmであった。
HC層上に低屈折率層を形成した実施例6では、低屈折率層を設けなかった光学フィルムよりも反射率が低く、良好な反射防止性を示した。
しかし、比較例1〜7の光学フィルムは実施例よりも密着性が低く、外観も塗工スジが生じてしまった。また、生産性にも劣る結果となった。
逐次塗工法を用いた比較例8では、上下のHC層間に層界面が存在して、干渉縞が発生し、外観が悪い結果となった。また、密着性も劣った。比較例8では、シリカ微粒子は下層側のHC層に均一に存在しており、シリカ微粒子の90%が存在する膜厚の割合は、下層側の膜厚の90%であった。
単層塗工を行った比較例9では、シリカ粒子がHC層表面に存在するため、耐ケン化性に劣る結果となった。
1 光学フィルム
2 偏光板
10 光透過性樹脂基材
20 ダイコーターヘッド
31、32 スリット
40 第一のハードコート層用硬化性樹脂組成物
50 第二のハードコート層用硬化性樹脂組成物
60 コーターギャップ
70 第一のハードコート層用硬化性樹脂組成物と第二のハードコート層用硬化性樹脂組成物の塗膜の合計の厚さ
80 ハードコート層
90 低屈折率層
100 高屈折率層
110 帯電防止層
120 シリカ微粒子
130 偏光素子

Claims (15)

  1. (i)光透過性樹脂基材を準備する工程、
    (ii)それぞれ、同種及び異種の反応性基間で光硬化性又は熱硬化性を有する反応性基であって、粒子表面に反応性基を有する平均1次粒径1〜100nmの反応性シリカ微粒子、反応性基を有する第一のバインダー成分及び第一の溶剤を含み、粘度が3〜100mPa・sである第一のハードコート層用硬化性樹脂組成物及び前記反応性シリカ微粒子を含まず、反応性基を有する第二のバインダー成分及び第二の溶剤を含み、粘度が10〜100mPa・sである第二のハードコート層用硬化性樹脂組成物、を準備する工程、
    (iii)前記光透過性樹脂基材の一面側に、当該光透過性樹脂基材側から、前記第一のハードコート層用硬化性樹脂組成物及び前記第二のハードコート層用硬化性樹脂組成物を隣接して同時塗布し、塗膜とする工程、
    (iv)前記(iii)工程で得られた塗膜を光照射及び/又は加熱により硬化させハードコート層を形成する工程、を含むことを特徴とする、光学フィルムの製造方法。
  2. 前記第一のハードコート層用硬化性樹脂組成物及び/又は前記第二のハードコート層用硬化性樹脂組成物が、さらに、増粘剤を含むことを特徴とする、請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
  3. 前記第一のハードコート層用硬化性樹脂組成物の粘度と前記第二のハードコート層用硬化性樹脂組成物の粘度の差の絶対値が30以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の光学フィルムの製造方法。
  4. 前記第二のハードコート層用硬化性樹脂組成物が、さらに、平均1次粒径50〜300nmの易滑剤を含むことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光学フィルムの製造方法。
  5. 前記(iv)工程の後に、さらに(v)前記ハードコート層の光透過性樹脂基材とは反対側の面に、直接又は高屈折率層を介して低屈折率層を形成する工程、を含むことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光学フィルムの製造方法。
  6. 前記(iii)工程の前に、さらに(vi)前記光透過性樹脂基材のハードコート層を設ける面に、帯電防止層を形成する工程、を含むことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光学フィルムの製造方法。
  7. 前記請求項1乃至6のいずれか一項に記載の製造方法により得られることを特徴とする、光学フィルム。
  8. 光透過性樹脂基材の一面側に、少なくともハードコート層が設けられている光学フィルムであって、
    当該ハードコート層は、平均1次粒径1〜100nmのシリカ微粒子を含み、当該ハードコート層において、当該ハードコート層の膜厚方向では、当該シリカ微粒子の存在量が、当該光透過性樹脂基材とは反対側の界面に近いほど少ないことを特徴とする、光学フィルム。
  9. 前記ハードコート層において、前記光透過性樹脂基材から当該ハードコート層の膜厚の80%までの領域に、前記シリカ微粒子の全量の90%以上が存在することを特徴とする、請求項9に記載の光学フィルム。
  10. 前記ハードコート層に、平均1次粒径50〜300nmの易滑剤が含まれており、当該ハードコート層の光透過性樹脂基材とは反対側の界面には、JIS B0601(1994)に準拠した算術平均粗さRaが3〜50nmであり、凸部間の平均間隔Smが100nm〜7μmである凹凸が形成されていることを特徴とする、請求項8又は9に記載の光学フィルム。
  11. 前記ハードコート層の光透過性樹脂基材とは反対側の面に、さらに低屈折率層又は当該ハードコート層側から高屈折率層及び低屈折率層が設けられていることを特徴とする、請求項8乃至10のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  12. 前記光透過性樹脂基材と前記ハードコート層の間に、さらに帯電防止層が設けられていることを特徴とする、請求項8乃至11のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  13. JIS K5600−5−4(1999)に規定する鉛筆硬度試験(4.9N荷重)の硬度が、3H以上であることを特徴とする、請求項7乃至12のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  14. 偏光素子の一面側に、前記請求項7乃至13のいずれか一項に記載の光学フィルムを、当該光学フィルムの光透過性樹脂基材側を当該偏光素子に向けて配置してなることを特徴とする、偏光板。
  15. 前記請求項7乃至13のいずれか一項に記載の光学フィルムを備えることを特徴とする、画像表示装置。
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