JP2012062758A - 空燃比制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 排気エミッションを良好に抑制することができる、内燃機関の空燃比制御装置を提供すること。
【解決手段】 本発明の空燃比制御装置は、ヒステリシス判定手段と空燃比補正値調整手段とを備えている。前記ヒステリシス判定手段は、前記下流側空燃比センサの出力がヒステリシス領域内であるか否かを判定する。前記空燃比補正値調整手段は、前記下流側空燃比センサの出力が前記ヒステリシス領域内である場合に、機関負荷が所定値を超えるときは前記空燃比補正値を減量する一方、前記機関負荷が前記所定値を超えないときは前記空燃比補正値を増量する。
【選択図】 図3
【解決手段】 本発明の空燃比制御装置は、ヒステリシス判定手段と空燃比補正値調整手段とを備えている。前記ヒステリシス判定手段は、前記下流側空燃比センサの出力がヒステリシス領域内であるか否かを判定する。前記空燃比補正値調整手段は、前記下流側空燃比センサの出力が前記ヒステリシス領域内である場合に、機関負荷が所定値を超えるときは前記空燃比補正値を減量する一方、前記機関負荷が前記所定値を超えないときは前記空燃比補正値を増量する。
【選択図】 図3
Description
本発明は、空燃比制御装置、すなわち、内燃機関の空燃比を制御する装置に関する。
この種の装置として、排気通路に設けられた上流側空燃比センサ及び下流側空燃比センサの出力に基づいて取得された空燃比補正値によって、内燃機関の空燃比を制御するものが、従来広く知られている(例えば、特開平5−118212号公報等参照。)。
かかる装置における前記下流側空燃比センサとしては、理論空燃比前後でステップ状の応答を示す、いわゆる酸素センサ(O2センサ)が広く用いられている。一方、前記上流側空燃比センサとしては、出力が空燃比に対して比例的に変化する、いわゆるA/Fセンサ(リニアO2センサ)が、広く用いられている(特開平6−317204号公報、特開2003−314334号公報、特開2004−183585号公報、特開2005−273524号公報、等参照。)。
前記下流側空燃比センサは、理論空燃比前後の所定の領域において、リーン領域からリッチ領域に変化する場合と、その逆の場合とで、空燃比が同一であっても出力が異なるという、いわゆるヒステリシス応答を示すことが知られている(例えば、特開2003−042002号公報、特開2009−133679号公報、等参照。)。
空燃比がこのようなヒステリシス領域内にある場合、前記下流側空燃比センサの出力は、排気の空燃比状態と一対一に対応する関係にはない。よって、このような場合、かえってエミッションを悪化させる方向に空燃比補正を行ってしまう可能性がある。
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明の目的は、排気エミッションをより良好に抑制することができる、内燃機関の空燃比制御装置を提供することにある。
本発明の空燃比制御装置は、排気通路に設けられた上流側空燃比センサ及び下流側空燃比センサの出力に基づいて取得された空燃比補正値によって、内燃機関の空燃比を制御するように構成されている。ここで、前記上流側空燃比センサは、気筒からの排気を浄化するための排気浄化触媒よりも、排気流動方向における上流側に設けられている。また、前記下流側空燃比センサは、前記排気浄化触媒よりも、前記排気流動方向における下流側に設けられている。
本発明の特徴は、前記空燃比制御装置が、ヒステリシス判定手段と空燃比補正値調整手段とを備えたことにある。ここで、前記ヒステリシス判定手段は、前記下流側空燃比センサの出力がヒステリシス領域内であるか否かを判定するようになっている。また、前記空燃比補正値調整手段は、前記下流側空燃比センサの出力が前記ヒステリシス領域内である場合に、機関負荷が所定値を超えるときは前記空燃比補正値を減量する一方、前記機関負荷が前記所定値を超えないときは前記空燃比補正値を増量するようになっている。
上述のような構成を備えた本発明の空燃比制御装置においては、前記下流側空燃比センサの出力が前記ヒステリシス領域内であることが判定された場合、上述の通り、かかる出力は、排気の空燃比状態と一対一に対応してはいない。
このため、高負荷時(前記機関負荷が前記所定値を超えるとき)は、前記空燃比補正量が大きな値とされると、エミッションの悪化の懸念がある。そこで、高負荷時は、前記空燃比補正値が減量(補正)される。これにより、エミッションの悪化が可及的に抑制される。一方、低負荷時(前記機関負荷が前記所定値を超えないとき)は、前記空燃比補正値が増量(補正)される。これにより、空燃比状態を前記ヒステリシス領域内から可及的すみやかに脱出させることができる。
このように、本発明によれば、空燃比状態が前記ヒステリシス領域内にある場合に、不用意な空燃比補正によるエミッションの悪化を可及的に抑制することができるとともに、空燃比状態を前記ヒステリシス領域内から可及的すみやかに脱出させることができる。したがって、本発明によれば、排気エミッションを良好に抑制することができる、内燃機関の空燃比制御装置を提供することが可能になる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施形態に関する記載は、法令で要求されている明細書の記載要件(記述要件・実施可能要件)を満たすために、本発明の具体化の単なる一例を、可能な範囲で具体的に記述しているものにすぎない。
よって、後述するように、本発明が、以下に説明する実施形態の具体的構成に何ら限定されるものではないことは、全く当然である。本実施形態に対して施され得る各種の変更(modification)は、当該実施形態の説明中に挿入されると、一貫した実施形態の説明の理解が妨げられるので、末尾にまとめて記載されている。
<システムの構成>
図1は、本発明の適用対象であるピストン往復動型の火花点火式複数気筒(4気筒)4サイクルエンジン1(以下、単に「エンジン1」と称する。)と、本発明の一実施形態であるエンジン制御装置2と、を含むシステムS(車両)の概略構成を示す図である。なお、図1には、エンジン1の特定の気筒における、気筒配列方向と直交する面による断面図が示されている(他の気筒における構成も同様であるものとする。)。
図1は、本発明の適用対象であるピストン往復動型の火花点火式複数気筒(4気筒)4サイクルエンジン1(以下、単に「エンジン1」と称する。)と、本発明の一実施形態であるエンジン制御装置2と、を含むシステムS(車両)の概略構成を示す図である。なお、図1には、エンジン1の特定の気筒における、気筒配列方向と直交する面による断面図が示されている(他の気筒における構成も同様であるものとする。)。
<<エンジン>>
エンジン1は、シリンダブロック11と、シリンダヘッド12と、から構成されている。シリンダブロック11の一端部(図中上端部)には、シリンダヘッド12が接合されている。シリンダブロック11とシリンダヘッド12とは、図示しないボルト等によって互いに固定されている。また、エンジン1には、吸気通路13及び排気通路14が接続されている。
エンジン1は、シリンダブロック11と、シリンダヘッド12と、から構成されている。シリンダブロック11の一端部(図中上端部)には、シリンダヘッド12が接合されている。シリンダブロック11とシリンダヘッド12とは、図示しないボルト等によって互いに固定されている。また、エンジン1には、吸気通路13及び排気通路14が接続されている。
シリンダブロック11には、略円柱形状の貫通孔であるシリンダ111が形成されている。上述の通り、シリンダブロック11には、複数(4つ)のシリンダ111が、気筒配列方向に沿って一列に配置されている。各シリンダ111の内側には、ピストン112が、シリンダ111の中心軸(以下、「シリンダ中心軸」と称する。)に沿って往復移動可能に収容されている。
シリンダブロック11内には、クランクシャフト113が、気筒配列方向と平行に配置されつつ、回転可能に支持されている。このクランクシャフト113は、ピストン112のシリンダ中心軸に沿った往復移動に基づいて回転駆動されるように、コンロッド114を介して、ピストン112と連結されている。
シリンダヘッド12における、シリンダブロック11側の端部(図中下端部)には、複数の凹部が、各シリンダ111の一端部(図中上端部)に対応する位置に設けられている。すなわち、シリンダヘッド12がシリンダブロック11に接合及び固定された状態における、ピストン112の頂面よりもシリンダヘッド12側(図中上側)のシリンダ111の内側の空間と、上述の凹部の内側の空間と、によって、燃焼室CCが形成されている。
シリンダヘッド12には、吸気ポート121及び排気ポート122が、燃焼室CCに連通するように形成されている。吸気ポート121は、インテークマニホールドやサージタンク等を含む吸気通路13が接続されている。すなわち、吸気ポート121及び吸気通路13によって、吸気管が構成されている。同様に、排気ポート122には、エキゾーストマニホールドを含む排気通路14が接続されている。
シリンダヘッド12には、吸気バルブ123と、排気バルブ124と、吸気バルブ制御装置125と、排気カムシャフト126と、点火プラグ127と、イグナイタ128と、インジェクタ129と、が装着されている。
吸気バルブ123は、吸気ポート121を開閉する(吸気ポート121と燃焼室CCとの連通状態を制御する)ためのバルブである。排気バルブ124は、排気ポート122を開閉する(排気ポート122と燃焼室CCとの連通状態を制御する)ためのバルブである。
吸気バルブ制御装置125は、吸気カム及び吸気カムシャフト(ともに不図示)、並びに両者の相対回転角度(位相角度)を油圧により調整・制御するための機構を備えていて、吸気バルブ123の開弁期間(開弁クランク角幅)を一定にしつつ開弁時期(吸気バルブ開弁時期)VTを変更し得るように構成されている。かかる吸気バルブ制御装置125の具体的な構成については周知なので、本明細書においてはその説明を省略する。排気カムシャフト126は、排気バルブ124を駆動するように構成されている。
点火プラグ127は、その先端部の火花発生電極が燃焼室CC内に露出するように設けられている。イグナイタ128は、点火プラグ127に与える高電圧を発生するイグニッションコイルを備えている。インジェクタ129は、燃焼室CC内に供給するための燃料を、吸気ポート121内にて噴射するように、構成及び配置されている。
<<吸排気通路>>
吸気通路13における、エアフィルタ131と吸気ポート121との間の位置には、吸気通路13の開口断面積を可変とするためのスロットルバルブ132が介装されている。このスロットルバルブ132は、DCモータからなるスロットルバルブアクチュエータ133によって回転駆動されるように構成されている。
吸気通路13における、エアフィルタ131と吸気ポート121との間の位置には、吸気通路13の開口断面積を可変とするためのスロットルバルブ132が介装されている。このスロットルバルブ132は、DCモータからなるスロットルバルブアクチュエータ133によって回転駆動されるように構成されている。
排気通路14には、上流側触媒コンバータ141及び下流側触媒コンバータ142が介装されている。上流側触媒コンバータ141及び下流側触媒コンバータ142は、酸素吸蔵機能を有する三元触媒を内部に備えていて、排気ガス中のHC、CO、及びNOxを浄化可能に構成されている。
<<制御装置>>
エンジン制御装置2は、本発明のヒステリシス判定手段及び空燃比補正値調整手段を構成する、電子制御ユニット200(以下、「ECU200」と称する。)を備えている。
エンジン制御装置2は、本発明のヒステリシス判定手段及び空燃比補正値調整手段を構成する、電子制御ユニット200(以下、「ECU200」と称する。)を備えている。
ECU200は、いわゆるマイクロコンピュータであって、CPU201と、ROM202と、RAM203と、バックアップRAM204と、インターフェース205と、双方向バス206と、を備えている。CPU201、ROM202、RAM203、バックアップRAM204、及びインターフェース205は、双方向バス206によって互いに接続されている。
ROM202には、CPU201が実行するルーチン(プログラム)、及びこのルーチンの実行時に参照されるテーブル(ルックアップテーブル、マップ)、等が、予め格納されている。RAM203は、CPU201がルーチンを実行する際に、必要に応じてデータを一時的に格納し得るように構成されている。
バックアップRAM204は、電源が投入された状態でCPU201がルーチンを実行する際にデータが格納されるとともに、この格納されたデータが電源遮断後も保持され得るように構成されている。具体的には、バックアップRAM204は、取得(検出又は推定)されたエンジン運転パラメータの一部や、上述のテーブルの補正(学習)結果等を格納するようになっている。
インターフェース205は、後述する各種センサと電気的に接続されていて、これらのセンサからの信号をCPU201に伝達し得るように構成されている。また、インターフェース205は、吸気バルブ制御装置125、イグナイタ128、インジェクタ129、スロットルバルブアクチュエータ133、等の動作部と電気的に接続されていて、これらの動作部を動作させるための動作信号をCPU201からこれらの動作部に伝達し得るように構成されている。
すなわち、エンジン制御装置2は、インターフェース205を介して後述する各種センサからの信号を受け取るとともに、当該信号に応じたCPU201の演算結果に基づいて、上述の動作信号を各動作部に向けて送出するように構成されている。
<<各種センサ>>
システムSには、冷却水温センサ211、筒内圧センサ212、カムポジションセンサ213、クランクポジションセンサ214、エアフローメータ215、上流側空燃比センサ216a、下流側空燃比センサ216b、スロットルポジションセンサ217、及びアクセル開度センサ218、等が備えられている。
システムSには、冷却水温センサ211、筒内圧センサ212、カムポジションセンサ213、クランクポジションセンサ214、エアフローメータ215、上流側空燃比センサ216a、下流側空燃比センサ216b、スロットルポジションセンサ217、及びアクセル開度センサ218、等が備えられている。
冷却水温センサ211及び筒内圧センサ212は、シリンダブロック11に装着されている。冷却水温センサ211は、シリンダブロック11内の冷却水温Twに対応する信号を出力するように構成されている。筒内圧センサ212は、燃焼室CC内の圧力(筒内圧Pc)に対応する信号を出力するように構成されている。
カムポジションセンサ213は、シリンダヘッド12に装着されている。このカムポジションセンサ213は、吸気バルブ123を往復移動させるための上述の不図示の吸気カムシャフト(吸気バルブ制御装置125に含まれている)の回転角度に応じたパルスを有する波形の信号(G2信号)を出力するように構成されている。
クランクポジションセンサ214は、シリンダブロック11に装着されている。このクランクポジションセンサ214は、クランクシャフト113の回転角度に応じたパルスを有する波形の信号を出力するように構成されている。
すなわち、クランクポジションセンサ214は、エンジン回転数Neに対応する信号を出力するようになっている。また、カムポジションセンサ213及びクランクポジションセンサ214は、これらからの信号に基づいて、各気筒の圧縮上死点を基準としたクランク角θがCPU201によって求められるようになっている。
エアフローメータ215は、吸気通路13に装着されている。このエアフローメータ215は、吸気通路13内を流れる吸入空気の単位時間あたりの質量流量である吸入空気流量Gaに対応する信号を出力するように構成されている。
上流側空燃比センサ216a及び下流側空燃比センサ216bは、排気通路14に介装されている。上流側空燃比センサ216aは、上流側触媒コンバータ141よりも排気ガスの流動方向における上流側に配置されている。下流側空燃比センサ216bは、上流側触媒コンバータ141と下流側触媒コンバータ142との間の位置に配置されている。上流側空燃比センサ216a及び下流側空燃比センサ216bは、酸素濃度センサであって、通過する排気ガスの酸素濃度(空燃比)に対応する信号をそれぞれ出力するように構成されている。
具体的には、上流側空燃比センサ216aは、限界電流式の酸素濃度センサ(いわゆるA/Fセンサ)であって、図2Aに示されているように広範囲にわたる空燃比に対してほぼリニアな出力を生じるようになっている。
一方、下流側空燃比センサ216bは、起電力式(濃淡電池式)の酸素濃度センサ(いわゆるO2センサ)であって、図2Bに示されているように理論空燃比近傍において急変する出力を生じるようになっている。さらに、この下流側空燃比センサ216bは、理論空燃比付近において、排気の空燃比がリッチ側からリーン側に向かう場合(図中破線で示されている矢印参照)の方がその逆の場合(図中実線で示されている矢印参照)よりも出力電圧が高くなるような、ヒステリシス応答を生じるようになっている。
スロットルポジションセンサ217は、スロットルバルブ132に対応する位置に配置されている。このスロットルポジションセンサ217は、スロットルバルブ132の実際の回転位相(すなわちスロットルバルブ開度TA)に対応する信号を出力するように構成されている。
アクセル開度センサ218は、運転者によるアクセルペダル220の操作量(アクセル操作量PA)に対応する信号を出力するように構成されている。
<実施形態の構成による動作>
図3は、図1に示されているCPU201によって実行される処理の一具体例を示すフローチャートである。以下、本実施形態の構成による動作の概要について、その作用・効果とともに、図面を適宜参照しつつ説明する。なお、図3のフローチャートにおいて、「ステップ」は「S」と略記されている。
図3は、図1に示されているCPU201によって実行される処理の一具体例を示すフローチャートである。以下、本実施形態の構成による動作の概要について、その作用・効果とともに、図面を適宜参照しつつ説明する。なお、図3のフローチャートにおいて、「ステップ」は「S」と略記されている。
図2Bに示されているように、下流側空燃比センサ216bは、ヒステリシス応答を生じる。よって、CPU201は、現在の下流側空燃比センサ216bの出力Voxsがヒステリシス領域内であるか否かを判定する(ステップ310)。
ここで、「ヒステリシス領域」は、排気の空燃比がリッチ側からリーン側に向かう場合とその逆の場合とにおける、同一空燃比間の出力電圧の差が大きい領域である(図2Bにおける一点鎖線で示されている領域参照)。かかる「ヒステリシス領域」の範囲を規定する出力電圧値Voxs_h1[V]及びVoxs_h2[V]の具体的な値は、下流側空燃比センサ216bの出力特性(ヒステリシス曲線の形状)に応じて適宜設定される。
現在の下流側空燃比センサ216bの出力Voxsがヒステリシス領域内ではない場合(ステップ310=No)、ステップ320以降の処理がスキップされる。よって、ここでは、現在の下流側空燃比センサ216bの出力Voxsがヒステリシス領域内である(ステップ310=Yes)ものとして、以下説明する。
現在の下流側空燃比センサ216bの出力Voxsがヒステリシス領域内である場合(ステップ310=Yes)、かかる出力は、排気の空燃比状態と一対一に対応してはいない。そこで、処理がステップ320に進行し、機関負荷KLが所定値KL0を超えるか否かが判定される。なお、機関負荷KLは、周知の通り、例えば、上述のエンジン回転数Neと吸入空気流量Gaとからマップ等を用いて取得される筒内吸入空気量Mcに基づいて取得され得る。
機関負荷KLが所定値KL0を超える場合(ステップ320=Yes)、処理がステップ330に進行し、係数ξが1より小さな高負荷時の値ξHに設定される。一方、機関負荷KLが所定値KL0を超えない場合(ステップ320=No)、処理がステップ340に進行し、係数ξが1より大きな低負荷時の値ξLに設定される。
ステップ330又は340における処理の後、処理がステップ350に進行する。ステップ350においては、予め(すなわちステップ310の実行の前に)取得されていた空燃比フィードバック補正値ΔFiが、上述の係数ξによって補正される(なお、空燃比フィードバック補正値ΔFiの取得については、周知であって(上述の各公報参照)、本発明の本質的部分ではないため、その詳細な説明は省略する。)。
すなわち、ヒステリシス領域内における高負荷運転時は、予め求められた空燃比フィードバック補正値ΔFiが減量される。これにより、不用意な空燃比補正によるエミッションの悪化を可及的に抑制することができる。一方、ヒステリシス領域内における低負荷運転時は、予め求められた空燃比フィードバック補正値ΔFiが増量される。これにより、空燃比状態をヒステリシス領域内から可及的すみやかに脱出させることができる。
なお、上述のように、現在の下流側空燃比センサ216bの出力Voxsがヒステリシス領域内ではない場合(ステップ310=No)、ステップ330〜350における処理はスキップされる。すなわち、この場合、上述の係数ξによる空燃比フィードバック補正値ΔFiの調整は行われず、ステップ310の実行以前に取得されていた空燃比フィードバック補正値ΔFiが、そのまま空燃比フィードバック制御に用いられる。
<変形例の例示列挙>
なお、上述の実施形態は、上述した通り、出願人が取り敢えず本願の出願時点において最良であると考えた本発明の代表的な実施形態を単に例示したものにすぎない。よって、本発明はもとより上述の実施形態に何ら限定されるものではない。したがって、本発明の本質的部分を変更しない範囲内において、上述の実施形態に対して種々の変形が施され得ることは、当然である。
なお、上述の実施形態は、上述した通り、出願人が取り敢えず本願の出願時点において最良であると考えた本発明の代表的な実施形態を単に例示したものにすぎない。よって、本発明はもとより上述の実施形態に何ら限定されるものではない。したがって、本発明の本質的部分を変更しない範囲内において、上述の実施形態に対して種々の変形が施され得ることは、当然である。
以下、代表的な変形例について、幾つか例示する。もっとも、言うまでもなく、変形例とて、以下に列挙されたものに限定されるものではない。また、複数の変形例が、技術的に矛盾しない範囲内において、適宜、複合的に適用され得る。
本発明(特に、本発明の課題を解決するための手段を構成する各構成要素における、作用的・機能的に表現されているもの)は、上述の実施形態や、下記変形例の記載に基づいて限定解釈されてはならない。このような限定解釈は、(先願主義の下で出願を急ぐ)出願人の利益を不当に害する反面、模倣者を不当に利するものであって、許されない。
(A)本発明は、上述の実施形態にて開示された具体的な装置構成に限定されない。例えば、本発明は、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、メタノールエンジン、バイオエタノールエンジン、その他任意のタイプの内燃機関に適用可能である。気筒数、気筒配列方式(直列、V型、水平対向)、燃料供給方式も、特に限定はない。
インジェクタ129とともに、あるいはこれに代えて、燃焼室CC内に燃料を直接噴射するための筒内噴射弁が設けられていてもよい(例えば特開2007−278137号公報等参照)。かかる構成に対しても、本発明は好適に適用される。
(B)本発明は、上記の実施形態にて開示された具体的な処理に限定されない。例えば、係数ξは、機関負荷KLの関数であってもよい(ξ=ξ(KL))。また、係数ξは、空燃比フィードバック補正値ΔFiに対して乗算されるのではなく、加減算されるものであってもよい。
機関負荷(負荷率)KLの取得も、クランクポジションセンサ214及びエアフローメータ215の出力(吸入空気流量Ga、エンジン回転数Ne、筒内吸入空気量Mc)に基づくものに限定されない。例えば、スロットル弁開度TAや、アクセル開度センサによるアクセル操作量Accpに基づいて、機関負荷KLが取得され得る。
上述の動作例において、現在の下流側空燃比センサ216bの出力Voxsがヒステリシス領域内ではない場合(ステップ310=No)、かかる出力は、排気の空燃比状態と一対一に対応している。すなわち、かかる出力は、排気の空燃比状態を良好に反映しているといえる。そこで、この場合、空燃比フィードバック補正値ΔFiを増量する処理が行われてもよい。
(C)その他、特段に言及されていない変形例についても、本発明の本質的部分を変更しない範囲内において、本発明の範囲内に含まれることは当然である。
また、本発明の課題を解決するための手段を構成する各要素における、作用・機能的に表現されている要素は、上述の実施形態や変形例にて開示されている具体的構造の他、当該作用・機能を実現可能ないかなる構造をも含む。さらに、本明細書にて引用した各公報の内容(明細書及び図面を含む)は、本明細書の一部を構成するものとして援用され得る。
S …システム CC …燃焼室
1 …エンジン 111…シリンダ 129…インジェクタ
13 …吸気通路 14 …排気通路
2 …エンジン制御装置 200…電子制御ユニット 201…CPU
216a…上流側空燃比センサ 216b…下流側空燃比センサ
1 …エンジン 111…シリンダ 129…インジェクタ
13 …吸気通路 14 …排気通路
2 …エンジン制御装置 200…電子制御ユニット 201…CPU
216a…上流側空燃比センサ 216b…下流側空燃比センサ
Claims (1)
- 気筒からの排気を浄化するための排気浄化触媒よりも排気流動方向における上流側の排気通路に設けられた上流側空燃比センサ及び前記排気浄化触媒よりも前記排気流動方向における下流側の前記排気通路に設けられた下流側空燃比センサの出力に基づいて取得された、空燃比補正値によって、内燃機関の空燃比を制御する、空燃比制御装置であって、
前記下流側空燃比センサの出力がヒステリシス領域内であるか否かを判定する、ヒステリシス判定手段と、
前記下流側空燃比センサの出力が前記ヒステリシス領域内である場合に、機関負荷が所定値を超えるときは前記空燃比補正値を減量する一方、前記機関負荷が前記所定値を超えないときは前記空燃比補正値を増量する、空燃比補正値調整手段と、
を備えたことを特徴とする、空燃比制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010204999A JP2012062758A (ja) | 2010-09-14 | 2010-09-14 | 空燃比制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012062758A true JP2012062758A (ja) | 2012-03-29 |
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ID=46058731
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010204999A Pending JP2012062758A (ja) | 2010-09-14 | 2010-09-14 | 空燃比制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2012062758A (ja) |
-
2010
- 2010-09-14 JP JP2010204999A patent/JP2012062758A/ja active Pending
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