JP4883000B2 - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、排気通路に配置した排気ガスセンサの出力信号に基づいて空燃比フィードバック制御を行う内燃機関の空燃比制御装置に関する。
車両に搭載される内燃機関(以下、エンジンともいう)においては、排気通路に排気浄化触媒が配置されている。排気浄化触媒として代表的なものに三元触媒がある。
三元触媒は、同触媒に流入する排気ガスの空燃比が略理論空燃比のとき、排気ガス中の未燃成分(炭化水素:HC、一酸化炭素:CO)を酸化し、同時に窒素酸化物(NOx)を還元する機能により排気ガスを浄化する。具体的には、三元触媒は、酸素を吸蔵(貯蔵)する酸素吸蔵機能を有しており、流入する排気ガスの空燃比がリッチである場合には吸蔵している酸素にて未燃HC、CO等の未燃成分を酸化する(酸素を放出する)。一方、三元触媒に流入する排気ガスの空燃比がリーンである場合には排気ガス中の酸素及びNOxを還元することで得られる酸素を内部に吸蔵する。このようにして、三元触媒は、エンジンの燃焼室から排出される排気ガス中の未燃HC、COやNOxを効果的に浄化することができる。
このような三元触媒の浄化特性は、エンジンの燃焼状態を示す空燃比(A/F)に依存し、その空燃比が理論空燃比近傍であるときに三元触媒は最も有効に機能する。これは、空燃比がリーンであり排気ガス中の酸素量が多いと、酸化作用が活発となるが還元作用が不活発となり、一方、空燃比がリッチであり排気ガス中の酸素量が少ないと、逆に還元作用が活発となるが酸化作用が不活発になってしまい、上記したHC、CO、NOxの有害3成分の全てを良好に浄化させることができないためである。
このような点から、車両に搭載されるエンジンにおいては、A/Fセンサ(空燃比に対してリニアな特性を示すセンサ)を排気通路に配置し、そのA/Fセンサの出力値に基づいて、空燃比(実空燃比)が理論空燃比に一致するように空燃比フィードバック制御を行っている。
空燃比フィードバック制御には、例えばPI(比例・積分)制御が用いられる。PI制御では、A/Fセンサの出力値(実空燃比)と目標空燃比との偏差に基づいて比例項及び積分項を算出し、その算出した比例項及び積分項とを合計してフィードバック補正量を算出している。
具体的には、演算式[フィードバック補正量=偏差×GnP+偏差時間積分値×GnI]に基づいてフィードバック補正量を算出して燃料噴射量に反映している。この演算式において、GnPは比例ゲイン、GnIは積分ゲインである。
なお、内燃機関の空燃比制御において排気ガスセンサの応答性に関する技術として、下記の特許文献2及び3に記載の技術がある。
特許文献2に記載の技術では、エンジン始動直後で酸素センサの素子温度が低いときには、リッチ/リーンの判定閾値を補正することで、低温状態であっても空燃比制御性の悪化を抑制している。また、特許文献3に記載の技術では、酸素センサの経年変化によりセンサ出力の応答性が低下したときに、空燃比フィードバック制御のゲイン補正を行うことで、経年劣化(センサ応答劣化)による遅れを制御ゲインにより吸収している。
特開2006−220085号公報 実開平6−1747号公報 特開2000−27688号公報
ところで、空燃比フィードバック制御は、エンジンの冷却水温が空燃比フィードバック制御開始温度に達したことを条件に開始されるが、冷却水温が空燃比フィードバック制御開始温度からエンジン暖機温度に達するまでの間の低温時において、A/Fセンサの応答性が悪くなり、空燃比フィードバック制御が不安定となる。
例えば、図7(a)に示すように、冷却水温が暖機温度以上(暖機後)であれば、燃料噴射量の変化(増量または減量:図6(a)参照)、排気ガス空燃比に影響を与える外乱に対するA/Fセンサ出力の応答性が良いので、排気ガスの空燃比が理論空燃比(例えばA/F=14.5)に早期に収束する。
これに対し、冷却水温が暖機温度よりも低い温度(例えば空燃比フィードバック制御開始温度に近い温度)である場合、図7(b)に示すように、燃料噴射量の変化(増量または減量:図6(b)参照)、排気ガス空燃比に影響を与える外乱に対するA/Fセンサ出力の応答性が悪くなるため、暖機温度以上と同じゲインでは、空燃比フィードバック制御系が不安定となり、排気ガスの空燃比が理論空燃比に対して大きく変動(ハンチング)する。こうした状況になると、排気エミッションが悪化する。また、エンジンの出力トルクが変動するのでドライバビリティが悪くなる。
本発明はそのような実情を考慮してなされたもので、排気通路に配置した排気ガスセンサ(A/Fセンサ)の出力信号に基づいて空燃比フィードバック制御を行う内燃機関において、機関低水温時における空燃比フィードバック制御系の安定性を確保することが可能な空燃比制御の実現を目的とする。
−課題の解決原理−
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決原理は、空燃比フィードバック制御を行う内燃機関において、冷却水温によって変化する排気ガスセンサ(A/Fセンサ)の応答性に応じて、空燃比フィードバック制御ゲインを可変に設定する点にある。このようなゲイン設定により、機関低水温時における制御系の安定性を確保することができる。
−解決手段−
具体的に、本発明は、内燃機関の排気通路に配置された排気ガスセンサと、空燃比フィードバック制御実行条件が成立した場合に、前記排気ガスセンサの出力に基づいて排気ガスの空燃比が目標空燃比に一致するように燃料噴射量を制御する空燃比フィードバック制御手段とを備えた内燃機関の空燃比制御装置を前提としている。そして、このような空燃比制御装置において、前記内燃機関の冷却水温を検出する水温センサと、前記水温センサにて検出される冷却水温に応じて前記空燃比フィードバック制御のゲインを可変に設定するゲイン設定手段と、前記水温センサの故障を検出する故障検出手段とを備えていることを特徴としている。さらに、空燃比フィードバック制御手段は、排気ガスセンサの出力に基づいて比例及び積分動作による空燃比フィードバック制御を実行する。また、ゲイン設定手段は、機関回転数、機関負荷率及び冷却水温をパラメータとする比例ゲイン算出用マップを参照して空燃比フィードバック制御の比例ゲインを設定するとともに、機関回転数、機関負荷率及び冷却水温をパラメータとする積分ゲイン算出用マップを参照して空燃比フィードバック制御の積分ゲインを設定し、かつ、水温センサにて検出される冷却水温が低い場合は高い場合と比較して、比例ゲインを大きい側に設定し、積分ゲインを小さい側に設定する。比例ゲイン算出用マップおよび積分ゲイン算出用マップは、機関回転数、機関負荷率及び冷却水温をパラメータとする3次元マップであり、3次元マップは、複数枚の2次元マップによって構成され、2次元マップは、機関回転数及び機関負荷率をパラメータとしている。そして、水温センサが故障しているときには、複数枚の2次元マップのうち、機関暖機後の冷却水温で適合したマップを用いる。
本発明によれば、空燃比フィードバック制御(PI制御)のゲイン(比例ゲイン及び積分ゲイン)を、内燃機関の冷却水温に応じて可変に設定するので、機関低水温時には、その低水温時のA/Fセンサ出力の応答性低下に応じた適切な空燃比フィードバック制御ゲインを設定することができる。これによって、冷却水温が低温(機関暖機温度よりも低い水温)であっても、図7(b)に示すような排気空燃比のハンチングを抑制することができ、空燃比フィードバック制御の収束性が良好となり、制御系の安定性を確保することができる。その結果として、排気ミッションの向上とドライバビリティの向上とを図ることができる。さらに、水温センサの故障を検出する故障検出手段を備え、水温センサが故障しているときには、機関暖機後の冷却水温に基づいて適合したゲイン(比例ゲイン及び積分ゲイン)を故障時(フェイル時)専用ゲインとして用いることにより、水温センサがフェールした場合であっても、通常の空燃比フィードバック制御を実行することができ、暖機後の制御系の安定性を確保することができる。
た、本発明において、排気ガスセンサは、A/Fセンサであってもよい。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、本発明を適用するエンジン(内燃機関)について説明する。
−エンジン−
図1は本発明を適用するエンジン1の一例を示す概略構成を示す図である。なお、図1にはエンジン1の1気筒の構成のみを示している。
この例のエンジン1は、例えば4気筒ガソリンエンジンであって、燃焼室1aを形成するピストン1b及び出力軸であるクランクシャフト15を備えている。ピストン1bはコネクティングロッド16を介してクランクシャフト15に連結されており、ピストン1bの往復運動がコネクティングロッド16によってクランクシャフト15の回転へと変換される。
クランクシャフト15には、外周面に複数の突起(歯)17aを有するシグナルロータ17が取り付けられている。シグナルロータ17の側方近傍にはクランクポジションセンサ(エンジン回転数センサ)24が配置されている。クランクポジションセンサ24は、例えば電磁ピックアップであって、クランクシャフト15が回転する際にシグナルロータ17の突起17aに対応するパルス状の信号(出力パルス)を発生する。また、エンジン1のシリンダブロック1cには、エンジン1の冷却水の温度(冷却水温THW)を検出する水温センサ21が配置されている。
エンジン1の燃焼室1aには点火プラグ3が配置されている。点火プラグ3の点火タイミングはイグナイタ4によって調整される。イグナイタ4はECU(Electronic Control Unit)100によって制御される。
エンジン1の燃焼室1aには吸気通路11と排気通路12とが接続されている。吸気通路11と燃焼室1aとの間に吸気バルブ13が設けられており、この吸気バルブ13を開閉駆動することにより、吸気通路11と燃焼室1aとが連通または遮断される。また、排気通路12と燃焼室1aとの間に排気バルブ14が設けられており、この排気バルブ14を開閉駆動することにより、排気通路12と燃焼室1aとが連通または遮断される。これら吸気バルブ13及び排気バルブ14の開閉駆動は、クランクシャフト15の回転が伝達される吸気カムシャフト及び排気カムシャフトの各回転によって行われる。
吸気通路11には、エアクリーナ7、吸入空気量を検出する熱線式のエアフロメータ22、吸気温センサ23(エアフロメータ22に内蔵)、及び、エンジン1の吸入空気量を調整する電子制御式のスロットルバルブ5が配置されている。スロットルバルブ5はスロットルモータ6によって駆動される。スロットルバルブ5の開度はスロットル開度センサ25によって検出される。
スロットルバルブ5のスロットル開度はECU100によって駆動制御される。具体的にはエンジン回転数、及び、アクセルペダル踏み込み量(アクセル開度)などのエンジン1の運転状態に応じた最適な吸入空気量(目標吸気量)が得られるようにスロットルバルブ5のスロットル開度を制御している。より詳細には、スロットル開度センサ25を用いてスロットルバルブ5の実際のスロットル開度を検出し、その実スロットル開度が、上記目標吸気量が得られるスロットル開度(目標スロットル開度)に一致するようにスロットルバルブ5のスロットルモータ6をフィードバック制御している。
エンジン1の排気通路12には三元触媒8が配置されている。三元触媒8は酸素貯蔵能力を有し、排気ガスの空燃比がリーンであるときに過剰分の酸素を吸着し、排気ガスの空燃比がリッチであるときに不足分の酸素を放出することにより、燃焼室1aから排出される排気ガス中に含まれる一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、及び、窒素酸化物(NOx)を浄化する。
三元触媒8の上流側の排気通路12にA/Fセンサ27が配置されている。A/Fセンサ27は、燃焼室1aから排出された排気ガスの空燃比に対してリニアな特性を示すセンサである。
そして、吸気通路11には燃料噴射用のインジェクタ2が配置されている。インジェクタ2には、燃料タンクから燃料ポンプによって所定圧力の燃料が供給され、吸気通路11に燃料が噴射される。この噴射燃料は吸入空気と混合されて混合気となってエンジン1の燃焼室1aに導入される。燃焼室1aに導入された混合気(燃料+空気)は点火プラグ3にて点火されて燃焼・爆発する。この混合気の燃焼室1a内での燃焼・爆発によりピストン1bが往復運動してクランクシャフト15が回転する。
以上のエンジン1の運転状態はECU100によって制御される。例えば、インジェクタ2から吸気通路11への燃料噴射量(インジェクタ2の開弁時間である燃料噴射時間)は、ECU100において、後述する空燃比フィードバック制御によって制御される。
−ECU−
ECU100は、図2に示すように、CPU101、ROM102、RAM103及びバックアップRAM104などを備えている。
ROM102は、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPU101は、ROM102に記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて各種の演算処理を実行する。また、RAM103は、CPU101での演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAM104は、例えばエンジン1の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
以上のCPU101、ROM102、RAM103及びバックアップRAM104は、バス107を介して互いに接続されるとともに、入力インターフェース105及び出力インターフェース106に接続されている。
入力インターフェース105には、水温センサ21、エアフロメータ22、吸気温センサ23、クランクポジションセンサ24、スロットル開度センサ25、アクセルペダルの踏み込み量に応じた検出信号を出力するアクセル開度センサ26、及び、A/Fセンサ27などが接続されており、その各センサの出力信号つまり冷却水温THW、吸入空気量、吸気温度、エンジン回転数NE、スロットル開度、アクセル開度、及び、空燃比に関する信号がECU100に入力される。一方、出力インターフェース106には、インジェクタ2、点火プラグ3のイグナイタ4、及び、スロットルバルブ5のスロットルモータ6などが接続されている。
以上のインジェクタ2、エアフロメータ22、A/Fセンサ27、及び、ECU100などによって空燃比制御装置が実現されている。
そして、ECU100は、上記した各種センサの検出信号に基づいて、下記の空燃比フィードバック制御を含むエンジン1の各種制御を実行する。
−空燃比フィードバック制御―
まず、三元触媒8の浄化特性は、エンジン1の燃焼状態を示す空燃比(A/F)に依存し、その空燃比が理論空燃比近傍であるときに三元触媒8は最も有効に機能し、排気ガス中のHC、CO、NOxの有害3成分を良好に浄化させることができる。このような三元触媒8の浄化性能を維持するために、この例では空燃比フィードバック制御を実行している。
この例の空燃比フィードバック制御にはPI(比例・積分)制御を用いている。具体的には、下記の演算式(1)に基づいてフィードバック補正量を算出して燃料噴射量(インジェクタ2の開弁時間である燃料噴射時間)に反映して、排気ガスの空燃比が目標空燃比(理論空燃比)に一致するようにフィードバック制御する。
フィードバック補正量=偏差×GnP+偏差時間積分値×GnI ・・(1)
ここで、偏差=[目標空燃比−実空燃比(A/Fセンサ27の出力値)]、GnP:比例ゲイン、GnI:積分ゲインである。
なお、上記フィードバック補正量の演算式(1)において、比例項(偏差×GnP)は応答性に影響を与える成分であり、積分項(偏差時間積分値×GnI)は定常偏差に影響を与える成分である。
また、この例では、後述するように、比例ゲインGnP及び積分ゲインGnIをエンジン1の冷却水温THWに応じて可変に設定する。ただし、水温センサ21が故障(フェイル)している場合は、フェイル時専用の比例ゲイン及び積分ゲインを設定する。
−空燃比フィードバックゲイン設定処理−
ところで、空燃比フィードバック制御では、上述したように、エンジン1の冷却水温THWが空燃比フィードバック制御開始温度に達したことを条件に開始されるが、冷却水温THWが空燃比フィードバック制御開始温度からエンジン暖機温度に達するまでの間(低温時)において、A/Fセンサ27の応答性が悪くなる。例えば、冷却水温THWがエンジン暖機温度よりも低い温度(例えば空燃比フィードバック制御開始温度に近い温度)である場合、燃料噴射量の変化(増量・減量)、排気ガス空燃比に影響を与える外乱に対するA/Fセンサ27の応答性が悪くなるため制御系が不安定となり、図7(b)に示すように、排気空燃比が理論空燃比に対して大きく変動(ハンチング)する。こうした状況になると、排気エミッションが悪化し、また、ドライバビリティが低下する。
このような点を考慮し、この例では、冷却水温THWによって変化するA/Fセンサ27の応答性に応じて、空燃比フィードバック制御ゲイン(比例ゲインGnP及び積分ゲインGnI)を可変に設定することで、空燃比フィードバック制御系の安定性を確保する点に特徴がある。
その空燃比フィードバックゲイン設定処理の具体的な例を、図3に示すフローチャートを参照して説明する。図3に示す制御ルーチンはECU100において所定時間毎に繰り返して実行される。
空燃比フィードバックゲイン設定処理の説明に先立ち、この例に用いるマップについて図4及び図5を参照して説明する。
図4に示すマップは、エンジン回転数NE、エンジン1の負荷率KL及び冷却水温THWをパラメータとして、上記したフィードバック補正量の演算式(1)の比例ゲインGnPを算出するのに用いる3次元マップであって、複数枚(この例では4枚)の2次元マップPmap1,Pmap2,Pmap3,Pmap4によって構成されている。この比例ゲイン算出用マップはECU100のROM102内に記憶されている。
比例ゲイン算出用マップを構成している各2次元マップPmap1〜Pmap4は、それぞれ、エンジン回転数NE及び負荷率KLをパラメータとして、予め設定した複数種(4種)の冷却水温(例えばTHW1,THW2,THW3,THW4 THW1<THW2<HTHW3<THW4 THW4:エンジン暖機後の冷却水温)において空燃比フィードバック制御系の安定性(収束性)が良好となる比例ゲインGnPを、下記の積分ゲインGnIとの関係を考慮して実験等によって求めた値をマップ化したものである。これら2次元マップPmap1〜Pmap4において、エンジン回転数NE及び負荷率KLが同じ条件であれば、冷却水温THWが低いほど、比例ゲインGnPが大きな値となるように設定されている。
なお、負荷率KLは、エンジン1への最大吸入空気量に対する現在の運転状態における吸入空気量の割合であって、例えば、エアフロメータ22の出力信号から得られる吸入空気量とクランクポジションセンサ24の出力信号から得られるエンジン回転数NEとに基づいて算出される。
図5に示すマップは、エンジン回転数NE、エンジン1の負荷率KL及び冷却水温THWをパラメータとして、上記したフィードバック補正量の演算式(1)の積分ゲインGnIを算出するのに用いる3次元マップであって、複数枚(この例では4枚)の2次元マップImap1,Imap2,Imap3,Imap4によって構成されている。この積分ゲイン算出用マップもECU100のROM102内に記憶されている。
積分ゲイン算出用マップを構成している各2次元マップImap1〜Imap4は、それぞれ、エンジン回転数NE及び負荷率KLをパラメータとし、予め設定した複数種(4種)の冷却水温(比例ゲインGnPを適合する場合と同じ水温:THW1、THW2,THW3、THW4)において空燃比フィードバック制御系の安定性(収束性)が良好となる積分ゲインGnIを、上記の比例ゲインGnPとの関係を考慮して実験等によって求めた値をマップ化したものである。これら2次元マップImap1〜Imap4において、エンジン回転数NE及び負荷率KLが同じ条件であれば、冷却水温THWが低いほど、積分ゲインGnIが小さな値となるように設定されている。
そして、以上の図4及び図5のゲイン算出用マップを用いて比例ゲインGnP、積分ゲインGnIを読み込むことで、冷却水温THWが低温(エンジン1の暖機温度よりも低い温度エンジン暖機後の水温)である場合、その低水温時のA/Fセンサ27の応答性低下に応じた空燃比フィードバック制御ゲイン(比例ゲインGnP、積分ゲインGnI)を設定することができ、空燃比フィードバック制御系の安定性を確保することができる。
なお、この例においては、上記した比例ゲイン算出用マップ(3次元マップ)を構成する複数枚の2次元マップPmap1〜Pmap4のうち、エンジン暖機後の冷却水温で適合したマップPmap4を、後述する水温センサ21のフェイル時専用マップとして用いる。また、積分ゲインについても同様に、上記した積分ゲイン算出用マップ(3次元マップ)を構成する複数枚の2次元マップImap1〜Imap4のうち、エンジン暖機後の冷却水温で適合したマップImap4を水温センサ21のフェイル時専用マップとして用いる。
次に、図3に示す制御ルーチンを各ステップごとに説明する。
ステップST201において、空燃比フィードバック制御実行条件が成立しているか否かを判定し、その判定結果が肯定判定である場合はステップST202に進む。
具体的には、例えば、水温センサ21にて検出される冷却水温THWが空燃比フィードバック制御開始水温以上であること、及び、A/Fセンサ27の素子温度が所定の活性化温度以上であることなどの条件が成立した場合に、空燃比フィードバック制御実行条件が成立していると判定してステップST202に進む。ステップST201の判定結果が否定判定である場合はリターンする。なお、A/Fセンサ27の素子温度は、例えば、センサ素子の素子インピーダンス(交流インピーダンス)と素子温度との間に相関関係があることを利用し、素子インピーダンスを検出し、その検出した素子インピーダンスに基づいて素子温度を間接的に検出する。
ステップST202では、エンジン1の冷却水温を検出する水温センサ21が正常であるか否かを判定し、その判定結果が肯定判定である場合はステップST203に進む。ステップST202の判定結果が否定判定である場合(水温センサ21がフェイルしている場合)はステップST205に進む。
水温センサ21のフェイルは、例えば、センサの2端子間の断線検出、センサの2端子間のショート検出、あるいは、センサ出力が変化しないスタック検出を実施し、それら断線・ショートまたはスタックのいずれか1つが検出された場合は水温センサフェイルと判定する。
ステップST203においては、水温センサ21の出力信号に基づいてエンジン1の冷却水温THWを算出する。
ステップST204では、クランクポジションセンサ24及びエアフロメータ22の各出力信号から読み込んだエンジン回転数NE及び負荷率KLと、ステップST203で算出した冷却水温THWを用いて、図4及び図5に示すマップを参照して、比例ゲインGnP及び積分ゲインGnIを読み込む。
そして、ECU100は、上記ステップSTST204において読み込んだ比例ゲインGnP及び積分ゲインGnIを用いて、上記演算式(1):[フィードバック補正量=偏差×GnP+偏差時間積分値×GnI]にてフィードバック補正量を算出して燃料噴射量(インジェクタ2の開弁時間である燃料噴射時間)に反映する。
なお、ステップST203で算出した冷却水温THWが、図4の2次元マップPmap1〜Pmap4及び図5の2次元マップImap1〜Imap4を適合した冷却水温と異なる場合、その算出した冷却水温THWに対し、高い側の2次元マップと低い側の2次元マップとを用い、その隣接する2枚の2次元マップに基づいて補間演算により、比例ゲインGnP及び積分ゲインGnIを算出してフィードバック補正量を求めて燃料噴射量(燃料噴射時間)に反映する。
一方、ステップST202の判定結果が否定判定である場合つまり水温センサ21がフェイルしている場合は、上記したフェイル時専用マップ(Pmap4、Imap4)を用いて、エンジン回転数NE及び負荷率KLに基づいて比例ゲインGnP及び積分ゲインGnIを読み込み(ステップST5)、それら比例ゲインGnP及び積分ゲインGnIを用いて、上記演算式(1):[フィードバック補正量=偏差×GnP+偏差時間積分値×GnI]にてフィードバック補正量を算出して燃料噴射量(燃料噴射時間)に反映する。
以上説明したように、この例によれば、空燃比フィードバック制御(PI制御)の比例ゲインGnP及び積分ゲインGnIを、エンジン1の冷却水温THWに応じて可変とし、冷却水温THWが低いときには、その低水温時のA/Fセンサ27の応答性低下に応じてPI制御の比例ゲインGnPを大きく設定し、積分ゲインGnIを小さく設定しているので、低水温時であっても適切な空燃比フィードバック制御ゲインを設定することが可能になる。これによって冷却水温THWが低温(エンジン1の暖機温度よりも低い水温)であっても、図7(b)に示すような排気空燃比のハンチングを抑制することができ、空燃比フィードバック制御の収束性が良好となり、制御系の安定性を確保することができる。その結果として、排気ミッションの向上とドライバビリティの向上とを図ることができる。
また、この例では、水温センサ21がフェイルしたときには、フェイル時専用マップ(暖機後の冷却水温で適合したマップ)を参照して、空燃比フィードバック制御の比例ゲインGnP及び積分ゲインGnIを設定しているので、水温センサ21のフェール時であっても、通常の空燃比フィードバック制御を実行することができ、エンジン暖機後の制御系の安定性を確保することができる。
−他の実施形態−
以上の例では、排気通路に三元触媒が配置されたエンジンの空燃比制御に本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限られることなく、排気ガス中の空燃比が理論空燃比近傍にある条件下において、排気ガス中の各種有害成分を高い転化効率で無害成分に転化する機能を有する他のタイプの触媒が排気通路に配置されたエンジンの空燃比制御にも適用可能である。
以上の例では、4気筒ガソリンエンジンの空燃比制御に本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限られることなく、例えば筒6気筒ガソリンエンジンなど、他の任意の気筒数の多気筒ガソリンエンジンの空燃比制御にも適用できる。
また、本発明はV型多気筒ガソリンエンジンや縦置き式多気筒ガソリンエンジンの空燃比制御にも適用できる。さらに、本発明は、ポート噴射型ガソリンエンジンに限られることなく、筒内直噴型ガソリンエンジンの空燃比制御にも適用可能である。
なお、本発明は、三元触媒8の上流側の排気通路12に配置したA/Fセンサ27に加えて、三元触媒8の下流側の排気通路12にO2センサを配置したエンジンの空燃比制御にも適用可能である。
本発明を適用するエンジンの一例を示す概略構成図である。 ECU等の制御系の構成を示すブロック図である。 ECUが実行する空燃比フィードバックゲイン設定処理の制御ルーチンを示すフローチャートである。 比例ゲイン算出用マップの一例を示す図である。 積分ゲイン算出用マップの一例を示す図である。 燃料噴射量変化に対するA/Fセンサ出力の応答性の変化を示す図である。 空燃比フィードバック制御の周波数応答特性を示すボード線図である。
符号の説明
1 エンジン
2 インジェクタ
8 三元触媒
11 吸気通路
12 排気通路
21 水温センサ
22 エアフロメータ
24 クランクポジションセンサ(エンジン回転数センサ)
27 A/Fセンサ(排気ガスセンサ)
100 ECU

Claims (2)

  1. 内燃機関の排気通路に配置された排気ガスセンサと、空燃比フィードバック制御実行条件が成立した場合に、前記排気ガスセンサの出力に基づいて排気ガスの空燃比が目標空燃比に一致するように燃料噴射量を制御する空燃比フィードバック制御手段とを備えた内燃機関の空燃比制御装置において、
    前記内燃機関の冷却水温を検出する水温センサと、前記水温センサにて検出される冷却水温に応じて前記空燃比フィードバック制御のゲインを可変に設定するゲイン設定手段と、前記水温センサの故障を検出する故障検出手段とを備え、
    前記空燃比フィードバック制御手段は、前記排気ガスセンサの出力に基づいて比例及び積分動作による空燃比フィードバック制御を実行し、
    前記ゲイン設定手段は、機関回転数、機関負荷率及び冷却水温をパラメータとする比例ゲイン算出用マップを参照して前記空燃比フィードバック制御の比例ゲインを設定するとともに、前記機関回転数、前記機関負荷率及び前記冷却水温をパラメータとする積分ゲイン算出用マップを参照して前記空燃比フィードバック制御の積分ゲインを設定し、かつ、前記水温センサにて検出される冷却水温が低い場合は高い場合と比較して、前記比例ゲインを大きい側に設定し、前記積分ゲインを小さい側に設定し、
    前記比例ゲイン算出用マップおよび前記積分ゲイン算出用マップは、前記機関回転数、前記機関負荷率及び前記冷却水温をパラメータとする3次元マップであり、
    前記3次元マップは、複数枚の2次元マップによって構成され、
    前記2次元マップは、前記機関回転数及び前記機関負荷率をパラメータとし、
    前記水温センサが故障しているときには、前記複数枚の2次元マップのうち、機関暖機後の冷却水温で適合したマップを用いることを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置において、
    前記排気ガスセンサは、A/Fセンサであることを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
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