JP5146422B2 - 内燃機関制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関制御装置に関する。
この種の装置として、筒内情報を検出する筒内情報検出手段(具体例としては筒内圧センサ)が気筒毎に設けられた多気筒内燃機関の、気筒毎の制御量(点火時期、燃料噴射量、燃料噴射時期、等。)を、前記筒内情報検出手段の検出値に基づいて制御するものが知られている(例えば、特開2006−144642号公報、特開2007−40207号公報、特開2007−255237号公報、特開2008−231995号公報、特開2008−297922号公報、等参照。)。
この種の装置において、いずれかの気筒にて前記筒内情報検出手段に故障や劣化等の異常が発生した場合、当該気筒(異常発生気筒)に対応する前記筒内情報が得られなくなる。よって、この場合、当該異常発生気筒に対する良好な制御が行えなくなる可能性がある。
そこで、特開2007−40207号公報に開示された装置は、前記異常発生気筒以外の気筒における前記筒内情報検出手段の検出値を用いて、フェールセーフ制御する(当該異常発生気筒の制御量を制御する)ようになっている。
具体的には、この装置は、異常発生前の各気筒に対応する前記筒内情報検出手段のそれぞれの検出値間の偏差を学習し、この学習結果と、前記異常発生気筒以外の気筒(好ましくは前記異常発生気筒の直前の点火順序の気筒)における前記筒内情報検出手段の検出値と、を用いて、当該異常発生気筒の制御量を制御する。
特開2007−40207号公報に開示された従来の装置においては、上述のように、各気筒に対応する前記筒内情報検出手段のそれぞれの検出値間の偏差、すなわち、各気筒に対応する前記筒内情報検出手段のそれぞれの特性が考慮されている。しかしながら、各気筒に対応する前記筒内情報検出手段のそれぞれの特性は、各気筒の燃焼特性と対応するものであるとはいえない。
本発明は、このような課題に対処するためになされたものである。すなわち、本発明の目的は、気筒毎の燃焼特性を考慮することで、より適切なフェールセーフ制御を行うことにある。
本発明の対象となる内燃機関制御装置は、気筒内の状態(筒内圧等)に対応する出力を生じる筒内情報出力部が気筒毎に設けられた多気筒内燃機関の、各気筒における燃焼状態を制御するための制御量(即ち、点火時期)を、前記筒内情報出力部の出力に基づいて制御するようになっている
すなわち、本発明の内燃機関制御装置は、すべての前記筒内情報出力部が正常である通常の場合、第一気筒に対応して設けられた第一筒内情報出力部の出力に基づいて当該第一気筒における前記制御量を制御し、前記第一気筒とは異なる第二気筒に対応して設けられた第二筒内情報出力部の出力に基づいて当該第二気筒における前記制御量を制御するようになっている。
本発明の特徴は、複数の前記筒内情報出力部のうちのいずれか一つに異常が発生した場合に、異常が発生した当該筒内情報出力部に対応する気筒である異常発生気筒における前記制御量(即ち、点火時期)を、適切に制御(決定)するために、以下の構成を備えたことにある。
すなわち、本発明の内燃機関制御装置は、学習手段と、異常発生気筒制御量決定手段と、を備えている。前記学習手段は、(異常発生前の)複数の前記筒内情報出力部からの出力に基づいて、当該制御量(即ち、点火時期)の気筒間偏差を学習するようになっている。前記異常発生気筒制御量決定手段は、前記異常発生気筒における前記制御量(即ち、点火時期)を、前記学習手段による学習結果に基づいて決定するようになっている。
前記異常発生気筒制御量決定手段は、前記異常発生気筒と、当該異常発生気筒とは異なる正常気筒との、前記制御量の相対関係に基づいて、前記異常発生気筒における前記制御量を決定するようになっていてる。この場合、具体的には、例えば、前記異常発生気筒制御量決定手段は、前記異常発生気筒と、前記正常気筒のうちの当該異常発生気筒と前記制御量が最も近い気筒である参照気筒との、前記制御量の相対関係に基づいて、前記異常発生気筒における前記制御量を決定するようになっている。より具体的に述べると、前記異常発生気筒制御量決定手段は、前記異常が発生する前の時点にて前記異常発生気筒の点火時期との偏差が最も小さい近い気筒であった参照気筒における直近の点火時期と、「前記異常発生気筒と前記参照気筒との前記点火時期の相対関係」である「前記異常が発生する前の時点における前記異常発生気筒の点火時期と前記参照気筒の点火時期との前記学習された偏差」と、に基づいて、前記異常発生気筒における前記点火時期を決定する。
かかる構成を備えた本発明の内燃機関制御装置においては、(異常発生前の)複数の前記筒内情報出力部からの出力に基づいて、点火時期の気筒間偏差が学習される。この学習結果は、各気筒における燃焼特性を反映したものとなる。そして、複数の前記筒内情報出力部のうちのいずれか一つに異常が発生した場合に、前記学習結果に基づいて、前記異常発生気筒における点火時期が決定される。
このように、本発明においては、各気筒に対応する前記筒内情報検出手段のそれぞれの特性とは異なる、各気筒における燃焼特性の学習の結果に基づいて、前記異常発生気筒における点火時期が決定される。したがって、本発明によれば、気筒毎の燃焼特性を考慮した、より適切なフェールセーフ制御が行われる。
ピストン往復動型の火花点火式直列多気筒(4気筒)4サイクル内燃機関と、本発明の一実施形態である内燃機関制御装置と、を含むシステム(車両)の概略構成を示す図である。 図1に示されている本実施形態の内燃機関制御装置の動作の具体例を示すタイムチャートである。 図1に示されている本実施形態の内燃機関制御装置の動作の具体例を示すフローチャートである。 本発明を筒内吸入空気量検出に適用した場合の具体例を示す概念図である。 本発明を燃料噴射量検出に適用した場合の具体例を示す概念図である。 本発明をEGR率制御に適用した場合の具体例を示す概念図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施形態に関する記載は、法令で要求されている明細書の記載要件(記述要件・実施可能要件)を満たすために、本発明の具体化の単なる一例を、可能な範囲で具体的に記述しているものにすぎない。
よって、後述するように、本発明が、以下に説明する実施形態の具体的構成に何ら限定されるものではないことは、全く当然である。本実施形態に対して施され得る各種の変更(modification)は、当該実施形態の説明中に挿入されると、一貫した実施形態の説明の理解が妨げられるので、末尾にまとめて記載されている。
<構成>
図1は、ピストン往復動型の火花点火式直列多気筒(4気筒)4サイクル内燃機関1(以下、単に「内燃機関1」と称する。)と、本発明の一実施形態である内燃機関制御装置2と、を含むシステムS(車両)の概略構成を示す図である。以下、図1を参照しつつ、システムSの構成について説明する。
<<内燃機関>>
内燃機関1には、複数(4つ)の気筒10が、直列に配列形成されている。気筒10内には、ピストン11が、図中上下方向に往復移動可能に収容されている。ピストン11は、下方に設けられたクランクシャフト12と、コンロッド13を介して連結されている。そして、気筒10内の空間における、ピストン11の頂面よりも上側の部分によって、燃焼室CCが形成されている。
内燃機関1には、気筒10毎に、筒内インジェクタ14が設けられている。すなわち、気筒10の数と同数の筒内インジェクタ14が、内燃機関1に設けられている。筒内インジェクタ14は、燃焼室CC内に燃料を直接的に噴射するように、構成及び配置されている。
また、内燃機関1には、気筒10毎に、点火プラグ15が設けられている。すなわち、気筒10の数と同数の点火プラグ15が、内燃機関1に設けられている。点火プラグ15は、その先端部の火花発生電極が燃焼室CC内に露出するように配置されていて、通電により火花を発生することで燃焼室CC内の燃料混合気を点火するように構成されている。
各気筒10の吸気ポートは、吸気バルブ16によって開閉されるようになっている。これらの吸気ポートは、吸気マニホールドを介して、吸気通路17と接続されている。吸気通路17の途中には、サージタンク17aが形成されている。サージタンク17aよりも吸気通流方向における上流側には、スロットルバルブ17bが介装されている。
各気筒10の排気ポートは、排気バルブ18によって開閉されるようになっている。これらの排気ポートは、排気マニホールドを介して、排気通路19と接続されている。
排気通路19の途中には、排気ガス中の有害成分を除去するための上流側触媒コンバータ19a及び下流側触媒コンバータ19bが介装されている。上流側触媒コンバータ19a及び下流側触媒コンバータ19bは、酸素吸蔵機能を有する、いわゆる三元触媒を内部に備えていて、排気ガス中のHC、CO、及びNOxを浄化可能に構成されている。
<<内燃機関制御装置>>
内燃機関制御装置2は、本発明の学習手段及び異常発生気筒制御量決定手段を構成する、電子制御ユニット20(以下、「ECU20」と称する。)を備えている。
ECU20は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM、及びインターフェースを含む、いわゆるマイクロコンピュータであって、筒内インジェクタ14、点火プラグ15、スロットルバルブ17b等の動作部、及び、筒内圧センサ21、クランクポジションセンサ22、ノックセンサ23、エアフローメータ24等のセンサと電気的に接続されている。すなわち、内燃機関制御装置2は、これらのセンサからの信号を受け取り、当該信号に応じたCPUの演算結果に基づいて、動作信号を上述の動作部に向けて送出するように構成されている。
筒内圧センサ21は、気筒10毎に設けられている。すなわち、気筒10の数と同数の筒内圧センサ21が、内燃機関1に設けられている。本発明の筒内情報出力部としての筒内圧センサ21は、燃焼室CC内の圧力(筒内圧Pc)に対応する信号を出力するように構成されている。
クランクポジションセンサ22は、クランクシャフト12の回転角度(CA)に対応するパルスを有する波形の信号を出力するように構成されている。ノックセンサ23は、内燃機関1の振動の大きさ(KNK)に対応する信号を出力するように構成されている。エアフローメータ24は、吸気通路17に装着されていて、吸気通路17内を流れる吸入空気の単位時間あたりの質量流量である吸入空気流量Ga(負荷率KLAFM)に対応する信号を出力するように構成されている。
<実施形態の構成による動作の具体例>
次に、本実施形態の内燃機関制御装置2の動作の具体例である、点火時期制御の概要について説明する。この内燃機関制御装置2は、内燃機関1の燃焼室CCにおける燃料混合気の点火時期を、大きなトルクが得られるとともにノッキングが発生しない最適なタイミング(MBT:MBTはMinimum advance for Best Torqueの略)に制御する。
すなわち、内燃機関制御装置2は、燃焼室CCにおける燃料混合気の燃焼割合(MFB:MFBはMass Fraction Burnedの略)を筒内圧センサ21の出力に基づいて算出し、この燃焼割合に基づいて点火時期をフィードバック制御する。具体的には、内燃機関制御装置2は、ATDC8°[CA]における燃焼割合MFBが目標値50%となるように、点火時期をフィードバック制御する。
よって、すべての筒内圧センサ21が正常である場合、点火順序に即して説明すると、#1気筒に対応して設けられた筒内圧センサ21の出力に基づいて#1気筒の点火時期がMBTに制御され、#3気筒に対応して設けられた筒内圧センサ21の出力に基づいて#3気筒の点火時期がMBTに制御され、#2気筒に対応して設けられた筒内圧センサ21の出力に基づいて#2気筒の点火時期がMBTに制御され、#4気筒に対応して設けられた筒内圧センサ21の出力に基づいて#4気筒の点火時期がMBTに制御される。
なお、筒内圧センサ21の出力に基づく燃焼割合MFBの算出、及び、算出された燃焼割合MFBに基づく点火時期のフィードバック制御については、それ自体は本発明の本質的部分ではないし、公知でもあるため(例えば特開2006−144642号公報や特開2007−40207号公報等参照)、その詳細な説明は本明細書においては省略されている。
ここで、ある1つの筒内圧センサ21(例えば#2気筒に対応するもの)に異常が発生したと仮定すると、かかる異常発生気筒における燃焼割合MFBのモニタリングができなくなる。そこで、本実施形態の内燃機関制御装置2は、異常発生気筒(この例では#2気筒)における点火時期を、他の正常気筒(筒内圧センサ21に異常が発生していない気筒10)のMBT点火時期を用いることで、良好に制御(決定)する。
具体的には、本実施形態の内燃機関制御装置2は、まず、筒内圧センサ21の異常が発生する前の、各気筒10におけるMBT点火時期(具体的には気筒間偏差)を学習する。このときの学習条件は、(1)すべての筒内圧センサ21が正常、(2)定常運転状態が所定時間継続、(3)筒内圧センサ21の出力に基づくMBT点火時期フィードバック制御の実施中、である。
図2Aは、図1に示されている本実施形態の内燃機関制御装置2の動作の具体例を示すタイムチャートである。図2Aに示されているように、内燃機関制御装置2は、システムS及び内燃機関1の定常運転状態(スロットルバルブ開度TAの変化量ΔTA<α:このとき車両速度はほぼ一定となる)が所定時間以上経過した場合に、その間の点火時期の平均値(図中SAlearn:BDTC°[CA])として気筒10毎に算出し、記憶する。
ここで、MBT点火時期は、各気筒10の燃焼速度によって決まる。この燃焼速度は、燃焼室CC内の燃料混合気の混合状態等によって変化するものであるので、複数の気筒10の間で若干の偏差が生じる。そこで、内燃機関制御装置2は、各気筒10のMBT点火時期の間の偏差を学習(算出及び記憶)する。MBT点火時期の気筒間偏差の学習値は、学習実施のたびに更新される。
その後、ある1つの筒内圧センサ21(例えば#2気筒に対応するもの)に異常が発生したことが、内燃機関制御装置2によって判定されたと仮定する。なお、かかる判定は、特開2000−265887号公報や特開2001−20805号公報に開示されているように周知であるので、その詳細な説明は本明細書においては省略されている。
MBT点火時期の気筒間偏差の学習結果は、ある特定の運転条件下でのものである。もっとも、MBT点火時期の気筒間偏差は、運転条件によってそれほど大きく変化するものではないと考えられる。このため、ある特定の運転条件下で学習されたMBT点火時期の気筒間偏差を、他の運転条件における正常気筒のMBT点火時期に適用することで、当該他の運転条件における異常発生気筒(この例では#2気筒)の点火時期を決定しても、本来(#2気筒に対応する筒内圧センサ21が正常である場合に)設定されるべきMBT点火時期との間での誤差は小さいものと考えられる。
そこで、内燃機関制御装置2は、異常発生気筒(この例では#2気筒)と最も偏差の小さい気筒10(例えば#1気筒)を参照気筒として選択し、この参照気筒における直近のMBT点火時期と、異常発生気筒と参照気筒との間のMBT点火時期の偏差の学習値と、に基づいて、今回の異常発生気筒における点火時期を決定する。
上述のように、MBT点火時期の偏差は、各気筒10の燃焼速度によって決まるものであって、点火順序とは直接関連性がない。よって、上述の例のように、参照気筒が異常発生気筒の直前あるいは直後に点火されるものであるとは限らない。この点、本実施形態においては、実際のMBT点火時期の気筒間偏差の学習値に基づいて、参照気筒が選択される。
また、本実施形態においては、筒内圧センサ21の出力の気筒間偏差ではなく、筒内圧センサ21の出力を用いて算出された燃焼割合MFBに基づくフィードバック制御の結果であるMBT点火時期の、気筒間偏差の学習結果を用いて、異常発生気筒における点火時期が決定される(MBT点火時期が推定される)。すなわち、本実施形態においては、各気筒10に対応する筒内圧センサ21のそれぞれの出力特性とは異なる、各気筒10における燃焼特性の学習の結果に基づいて、異常発生気筒に対するフェールセーフ制御が行われる。
なお、さらに他の1つの筒内圧センサ21(例えば#3気筒に対応するもの)に異常が発生した場合も、上述と同様に、フェールセーフ制御が行われる。この場合、参照気筒としては、正常気筒(#1及び#4)のうちの、当該異常発生気筒(この例では#3)と最も偏差の小さいもの(例えば#4気筒)が選択される。また、複数の異常発生気筒(例えば#1及び#3気筒)における参照気筒が同一(例えば#2気筒)である場合も生じ得る。
以上の具体例の動作をまとめたものが、図2Bのフローチャートである。すなわち、図2Bは、図1に示されている本実施形態の内燃機関制御装置の動作の具体例を示すフローチャートである。なお、図2Bにおいては、「ステップ」は“S”と略称されているものとする。
ECU20に備えられたCPUは、図2Bに示されているルーチンを、所定タイミングにて起動する。このルーチンが起動されると、まず、ステップ210にて、筒内圧センサ21の異常発生の有無が判定される。
センサ異常発生前は(ステップ210=No)、処理がステップ220に進行し、筒内圧センサ21の出力に基づく通常の点火時期MBTフィードバック制御が行われる。その後、上述の学習条件が成立したか否かが判定される(ステップ230)。学習条件成立時は(ステップ230=Yes)、上述のように学習が実施され(ステップ240)、学習結果が更新され(ステップ250)、本ルーチンが一旦終了する。
センサ異常が発生すると(ステップ210=Yes)、処理がステップ260以降に進行する。ステップ260においては、異常発生気筒が特定される。次に、ステップ270にて、当該異常発生気筒における点火時期を決定するための参照気筒が選択される。続いて、ステップ280にて、当該異常発生気筒における点火時期が上述のようにして決定される。その後、処理がステップ290に進行し、各気筒の点火時期が制御され、本ルーチンが一旦終了する。
以上の通り、本実施形態によれば、複数の筒内圧センサ21のうちの1つに異常が発生した場合であっても、異常発生気筒の点火時期が、MBT点火時期相当に良好に設定される。したがって、本実施形態によれば、気筒10毎の燃焼特性を考慮した、より適切なフェールセーフ制御が行われる。
<変形例の例示列挙>
なお、上述の実施形態は、上述した通り、出願人が取り敢えず本願の出願時点において最良であると考えた本発明の代表的な実施形態を単に例示したものにすぎない。よって、本発明はもとより上述の実施形態に何ら限定されるものではない。
したがって、本発明の本質的部分を変更しない範囲内において、上述の実施形態に対して種々の変形が施され得ることは、当然である。
以下、代表的な変形例について、幾つか例示する。もっとも、言うまでもなく、変形例とて、以下に列挙されたものに限定されるものではない。また、複数の変形例が、技術的に矛盾しない範囲内において、適宜、複合的に適用され得る。
本発明(特に、本発明の課題を解決するための手段を構成する各構成要素における、作用的・機能的に表現されているもの)は、上述の実施形態や、下記変形例の記載に基づいて限定解釈されてはならない。このような限定解釈は、(先願主義の下で出願を急ぐ)出願人の利益を不当に害する反面、模倣者を不当に利するものであって、許されない。
(A)本発明は、上述の実施形態にて開示された具体的な装置構成に限定されない。例えば、本発明は、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、メタノールエンジン、バイオエタノールエンジン、その他任意のタイプの内燃機関に適用可能である。気筒数、気筒配列方式(直列、V型、水平対向)も、特に限定はない。
内燃機関1には、筒内インジェクタ14とともに、あるいはこれに代えて、吸気ポート内に燃料を噴射するためのポートインジェクタが設けられていてもよい。かかる構成に対しても、本発明は好適に適用される。また、気筒10の数の整数倍(例えば2倍)の数の点火プラグ15が、内燃機関1に設けられ得る。すなわち、気筒10毎に、複数(例えば2つ)の点火プラグ15が設けられ得る。
(B)本発明は、上記の実施形態にて開示された具体的な動作に限定されない。
例えば、学習は、少なくとも1つの筒内圧センサ21が正常である間は、正常気筒において継続して行われ得る。また、少なくとも一つの筒内圧センサ21が正常である(正常気筒が少なくとも1つある)間は、フェールセーフ制御が行われ得る。
MBT点火時期の気筒間偏差の学習値は、他のパラメータ(吸気量や機関回転数等)とともに、マップ状に記憶されてもよい。この場合、同一条件(吸気量や機関回転数等)における学習値は、学習実施のたびに更新される。そして、内燃機関制御装置2は、現在の運転条件における異常発生気筒と最も偏差の小さい特定の気筒10を参照気筒として選択し、この参照気筒における直近のMBT点火時期と、異常発生気筒と参照気筒との間のMBT点火時期の偏差と、に基づいて、今回の異常発生気筒における点火時期を決定する。
(C)本発明は、点火時期制御以外にも適用され得る。具体的には、例えば、本発明は、筒内圧センサ21を用いた、筒内吸入空気量検出、燃料噴射量検出、EGR率制御(EGRは排気再循環(Exhaust Gas Recirculation)の略)、等にも適用可能である。
図3は、本発明を筒内吸入空気量検出に適用した場合の具体例を示す概念図である。
筒内圧センサ21の出力に基づいて気筒10毎の筒内吸入空気量を検出する技術が従来提案されている(例えば特開2008−297922号公報等参照)。検出された筒内吸入空気量は、空燃比制御(燃料噴射量制御)に用いられる。
ここで、特定の気筒10(#2気筒)にて筒内圧センサ21に異常が発生した場合を仮定する。この場合、図3に示されているように、かかる異常発生気筒における筒内吸入空気量が不明となる。そこで、筒内圧センサ21に異常が発生する前に、各気筒10における筒内吸入空気量を予め学習しておき、この学習結果に基づいて異常発生気筒における筒内吸入空気量を推定することで、いずれか1つの筒内圧センサ21に異常が発生した場合であっても、良好な空燃比制御の実施が可能となる。
具体的には、内燃機関制御装置2は、すべての筒内圧センサ21が正常であるときに、気筒10毎の空気吸入特性(筒内吸入空気量の相対比率)を学習する。この学習は、筒内吸入空気量推定に用いられる、圧縮行程時の内部エネルギ(PV)に基づいて、運転条件(機関回転数、空気充填率、等)の領域毎に行われる。なお、図1に示されているシステムSにEGRシステムが設けられている場合は、EGR率も上記の運転条件に含まれる(すなわち、学習領域が機関回転数、空気充填率、及びEGR率の三次元マップ状となる。)。
そして、特定の気筒10(#2気筒)にて筒内圧センサ21に異常が発生した場合、これと最も空気吸入特性の近い特定の正常気筒(例えば#1気筒)の筒内圧センサ21の出力によって算出された筒内吸入空気量(圧縮行程時の内部エネルギ)と、今回の運転条件における学習結果と、に基づいて、異常発生気筒における筒内吸入空気量が推定され得る。
図4は、本発明を燃料噴射量検出に適用した場合の具体例を示す概念図である。
周知の通り、筒内圧センサ21の出力によって、熱発生量を算出することが可能である。よって、各気筒10における燃焼による熱発生量を算出することで、各気筒10における燃料噴射量を検出することが可能となる。検出された燃料噴射量は、空燃比制御(燃料噴射量制御)に用いられる。
ここで、特定の気筒10(#2気筒)にて筒内圧センサ21に異常が発生した場合を仮定する。この場合、図4に示されているように、かかる異常発生気筒における燃料噴射量が不明となる。そこで、筒内圧センサ21に異常が発生する前に、各気筒10における燃料噴射量を予め学習しておき、この学習結果に基づいて異常発生気筒における燃料噴射量を推定することで、いずれか1つの筒内圧センサ21に異常が発生した場合であっても、良好な空燃比制御の実施が可能となる。
なお、各気筒10における燃料噴射量特性の偏差は、筒内インジェクタ14の個体差や、当該筒内インジェクタ14のノズルの状態(堆積物の付着状態)に起因するものである。よって、上述の筒内吸入空気量検出の例とは異なり、運転条件領域毎の学習は不要である。
よって、内燃機関制御装置2は、すべての筒内圧センサ21が正常であるときに、定常運転時(例えばスロットルバルブ開度変化量ΔTA<α)における、単位空気量あたりの発生熱量の、各気筒10の間の比を学習する。このとき、単位空気量あたりの発生熱量を算出するための筒内吸入空気量は、エアフローメータ24の出力に基づく値であってもよいし、上述の筒内吸入空気量検出による値であってもよい。
図5は、本発明をEGR率制御に適用した場合の具体例を示す概念図である。なお、この場合、図1に示されているシステムSには、サージタンク17aと排気通路19とを接続するEGR通路と、このEGR通路に介装された開閉弁であるEGR制御バルブと、が設けられる。
筒内圧センサ21の出力に基づいて気筒10毎のEGR率を算出する技術は周知あるいは公知である(例えば、特開平5−157009号公報、特開2008−231995号公報、等参照。)。この技術は、筒内圧センサ21の出力から、燃焼速度、又は、内部エネルギー変化量を算出し、この算出値に基づいて筒内のEGR率を推定するものである。
このとき、ある1つの気筒10に対応する筒内圧センサ21に異常が発生すると、かかる異常発生気筒におけるEGR率が不明となる。もっとも、各気筒10へのEGRガスの入り方の主な要因は、EGR通路や吸気系の配管構造である。このため、各気筒10へのEGRガスの入り方には、製造誤差等が含まれ得る。
そこで、各気筒10におけるEGRガス導入特性を学習し、この学習結果に基づいて、異常発生気筒におけるEGR率を推定することで、いずれか1つの筒内圧センサ21に異常が発生した場合であっても、良好なEGR制御の実施が可能となる。
具体的には、内燃機関制御装置2は、ある運転条件にて、筒内圧センサ21によって推定されるEGR率の変動が一定範囲内であると判定された場合に、各気筒10のEGR率の平均を算出するとともに、その気筒間偏差を算出し、算出した気筒間偏差を学習値として運転条件(機関回転数、空気充填率、等)とともに記憶する。
なお、気筒間偏差の学習値の更新は、所定のタイミングで行われる。例えば、算出毎に、学習値の更新が随時行われ得る。あるいは、一定のインターバル(時間又は走行距離)毎に、学習値の更新が許可され得る。
ここで、特定の気筒10(#2気筒)にて筒内圧センサ21に異常が発生した場合を仮定する。この場合、図5に示されているように、異常発生気筒(#2気筒)におけるEGR率は、当該異常発生気筒に対応する筒内圧センサ21の出力によっては算出されない。
そこで、この場合、異常発生気筒(#2気筒)と最もEGRガス導入特性の近い特定の正常気筒(例えば#1気筒)の筒内圧センサ21の出力によって算出されたEGR率と、今回の運転条件におけるEGR率の気筒間偏差の学習値と、に基づいて、異常発生気筒におけるEGR率が推定され得る。
なお、EGRガスの導入特性の経時的変化により、長期的には、異常発生気筒における筒内圧センサ21の異常を放置したままでのEGR率の推定値が適切な値ではなくなることがあり得る。この場合、当該異常発生気筒にて、ノッキングや失火等が発生する。よって、この場合、EGRを禁止するとともに、警告灯等により異常を報知することでユーザーに点検及び整備を促す必要がある。
(D)その他、特段に言及されていない変形例についても、本発明の本質的部分を変更しない範囲内において、本発明の範囲内に含まれることは当然である。
また、本発明の課題を解決するための手段を構成する各要素における、作用・機能的に表現されている要素は、上述の実施形態や変形例にて開示されている具体的構造の他、当該作用・機能を実現可能ないかなる構造をも含む。
さらに、本明細書にて引用した各公報の内容(明細書及び図面を含む)は、本明細書の一部を構成するものとして援用され得る。
S …システム
1 …内燃機関 CC…燃焼室
10…気筒 14…筒内インジェクタ 15…点火プラグ
2 …内燃機関制御装置 20…電子制御ユニット 21…筒内圧センサ
特開2006−144642号公報 特開2007−40207号公報 特開2007−255237号公報 特開2008−231995号公報 特開2008−297922号公報

Claims (1)

  1. 気筒内の状態に対応する出力を生じる筒内情報出力部が気筒毎に設けられた多気筒内燃機関の、各気筒における燃焼状態を制御するための点火時期を、前記筒内情報出力部の出力に基づいて制御する、内燃機関制御装置であって、
    複数の前記筒内情報出力部からの出力に基づいて、各気筒における前記点火時期の気筒間偏差を学習する、学習手段と、
    複数の前記筒内情報出力部のうちのいずれか一つに異常が発生した場合に、異常が発生した当該筒内情報出力部に対応する気筒である異常発生気筒における前記点火時期を、前記学習手段による学習結果に基づいて決定する、異常発生気筒制御量決定手段と、
    を備えた内燃機関制御装置において、
    前記異常発生気筒制御量決定手段は、
    前記異常が発生する前の時点にて前記異常発生気筒の点火時期との偏差が最も小さい近い気筒であった参照気筒における直近の点火時期と、前記異常発生気筒と前記参照気筒との前記点火時期の相対関係である前記異常が発生する前の時点における前記異常発生気筒の点火時期と前記参照気筒の点火時期との前記学習された偏差と、に基づいて、前記異常発生気筒における前記点火時期を決定することを特徴とする、内燃機関制御装置。
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