JP2012062673A - 木製まくらぎの補修方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】新たな釘孔を形成する必要がなく、簡便作業により、木製まくらぎの耐候性や耐久性を向上させることの可能な木製まくらぎの補修方法を提供する。
【解決手段】鉄道レール用木製まくらぎ1の腐食部分2に、少なくとも変成シリコーン樹脂と硬化触媒とを含み、200〜1000Pa・sの粘度を有する変成シリコーン樹脂組成物を充填して硬化させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、鉄道レール用の木製まくらぎの補修方法に関する。
鉄道レール用のまくらぎには木製、コンクリート製、熱可塑性樹脂製等がある。有道床区間にはコンクリート製まくらぎが一般に使用されるが、橋梁部や分岐部などには木製まくらぎが使用されている。木製まくらぎは防腐剤を含浸させているものの経年での腐食が避けられない。そこで、近年、熱可塑性樹脂製まくらぎへの切り替えが進められている。しかし、木製まくらぎの交換工事に手間がかかり、費用も高コストとなることから、実際には相当数の木製まくらぎが敷設されており、各鉄道会社は定期的に検査を実施し、必要に応じて交換作業や、補修作業を行っている。
レールはタイプレ一トを介してまくらぎに載置され、レール締め付け用ボルト・ナット、板ばね、及び止め釘(もしくは螺釘)によってまくらぎに固定されている。レールは列車の通過時に発生する振動、荷重(輪重による鉛直荷重やレール横圧力、レール軸力)等により釘が緩みまくらぎへの固定が不完全となるため、補修が必要となる。例えば、螺釘の場合にはまくらぎに設けられた螺釘取付孔に形成された、ねじ山が摩耗したり、ネジ釘自体が破損したり、列車の通過に伴い繰り返して印加される列車の荷重により緩み、固定力が不完全になる場合がある。止め釘の場合には、止め釘が打ち込まれた孔が、列車の通過に伴い繰り返して印加される列車の荷重により拡大し、止め釘が抜け上がり固定力の低下につながる場合がある。
さらに、釘が緩んだ釘孔には雨水が溜まりやすく、その釘孔は長期間にわたり湿潤状態のままであることが多い。そのため、木製まくらぎの釘孔は腐食が進行し易い状態にある。木製まくらぎにおける腐食の様子を図2に示す。図2は、レールの固定構造の一例を示す模式縦断面図である。この例は橋桁の例を示している。木製まくらぎ11は、橋桁17にフックボルト15により固定されている。木製まくらぎ11の上にはタイプレート12を介してレール16が載置されている。レール16は、レール16の左右に配置されたスプリングクリップ14,14および止め釘13,13により木製まくらぎ11に固定され、タイプレート12は止め釘13,13により木製まくらぎ11により固定されている。スプリングクリップ14,14はボルトナットにより固定されている。18は腐食した釘孔を示す。また、19は橋上ガードレールを示す。
ここで、列車の通過に伴い繰り返して印加される列車の荷重により釘孔が拡大すると、その拡大した釘孔に雨水が浸入する。緩んだ釘は、釘孔と摩擦しながら運動するため、内壁面が変性し、さらに雨水が浸入し易くなり、木製まくらぎの変性・変質、すなわち腐食が進行する。
従来、木まくらぎの釘孔の補修は、タイプレートを除去して行われている。例えば、止め釘または螺釘を引き抜き、タイプレートを除去した後、元の釘孔を拡径することにより、新生面を露出させた新たな釘孔を形成し、その新たな釘孔に接着剤を注入した後、釘を挿入し、接着剤が硬化した後に釘を螺回しながら引き抜いて硬化した接着剤の内周面に雌ネジ部を形成して、釘孔を補修する方法が知られている(特許文献1)。しかし、従来の補修方法では、タイプレートを除去して行う必要上、レールそのものを持ち上げたり、移動させる必要があり、大がかりな設備を必要とし、多大の労力と費用を要するという問題がある。
そこで、タイプレートを除去する必要のない補修方法が提案されている。例えば、タイプレートを木製まくらぎに固定したままの状態でネジ釘を抜き取った後、穿孔ドリルによりタイプレートを貫通して穿孔し、形成した新たな釘孔に主剤及び硬化剤よりなる樹脂入りカプセルを挿入し、攪拌ドリルで該カプセルを破砕しつつ主剤および硬化剤の2液を混合したあと型ボルトを挿入し、樹脂硬化後に型ボルトを抜き取ることで、木製まくらぎ内に新しいねじ山を形成する方法が提案されている(特許文献2)。
特公平4−2724号公報 特開2000−8302号公報
特許文献2の方法では、レールの持ち上げや移動は行う必要はないが、タイプレートを貫通する穿孔を形成するための工具や、樹脂入りカプセル挿入前の孔内を清掃するための掃除機や、樹脂入りカプセルを破砕する工具が必要となり、やはり作業に多大の労力と費用を要するという問題がある。また補修作業は列車の通過時間の合間または夜間の限られた時間内で行う必要があり、より短時間で作業を終了させる必要があるが、補修作業が煩雑で時間を要するという問題もある。また、特許文献2の方法では、樹脂に二液性のウレタン系樹脂を用いているが、ウレタン系樹脂は、穿孔に雨水が溜まると加水分解して強度が低下したり、応力緩和能が低いため列車の振動や荷重等により穿孔から剥離しやすい等の問題があり、補修した木製まくらぎの耐候性や耐久性を確保するのが困難であるという問題もある。また、特許文献2の方法は、釘孔の補修方法に関するものであり、木製まくらぎの場合、経年使用により、釘孔以外の部分でも腐食が進行するが、釘孔以外の腐食部分の補修については何ら記載されていない。木製まくらぎの長期使用のためには、釘孔以外の腐食部分の補修方法も必要とされているという問題もある。
そこで、本発明は上記の問題点を解決し、新たな釘孔を形成する必要がなく、簡単作業により、木製まくらぎの耐候性や耐久性を向上させることの可能な木製まくらぎの補修方法を提供することを目的とした。
上記課題を解決するため、本発明の木製まくらぎの補修方法は、鉄道レール用木製まくらぎの腐食部分に、少なくとも変成シリコーン樹脂と硬化触媒とを含み、200〜1000Pa・sの粘度を有する変成シリコーン樹脂組成物を充填して硬化させることを特徴とする。
本発明においては、変成シリコーン樹脂組成物の硬化後のショアA硬度が40以上であることが好ましい。
また、本発明においては、変成シリコーン樹脂組成物の硬化物を引張試験機を用いて初期幅の20%伸長させた時の応力Sと、さらに12時間経過後の応力S12から、以下の式を用いて算出した応力緩和率(%)が30%以上であることが好ましい。
応力緩和率(%)=[1−(S12/S)] ×100
本発明によれば、新たな釘孔を形成する必要がなく、腐食部分に変成シリコーン樹脂組成物を充填するという簡単作業により、木製まくらぎの補修を行うことができる。補修した木製まくらぎは、優れた耐候性と耐久性を有している。
本発明の補修方法の一例を示す模式図である。 従来のレール固定構造の一例を示す模式縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の木製まくらぎの補修方法は、鉄道レール用木製まくらぎの腐食部分に、少なくとも変成シリコーン樹脂と硬化触媒とを含み、200〜1000Pa・sの粘度を有する変成シリコーン樹脂組成物を充填して硬化させることを特徴とするものである。
本発明の補修方法は、木製まくらぎの腐食部分を対象とする。本発明において、木製まくらぎの腐食部分とは、木製まくらぎの変性、変質した部分をいい、凹部、空洞部、孔、溝等を含む。
本発明に用いる変成シリコーン樹脂組成物は、粘度が200〜1000Pa・sであれば特に限定されない。ここで、粘度は注入直前の値であり、注入直前とは、注入前3時間から注入時までの時間をいう。本発明に用いる変成シリコーン樹脂組成物は、腐食部の隅々まで充填することが可能である。さらに、変成シリコーン樹脂は、応力緩和能に優れているため、列車からの振動およびその荷重等の負荷が加わった場合でも、補修部分で界面剥離を起こすことがないので、優れた耐久性を有する。さらに、温度変化、雨水、日射等の外部環境の変化に対しても接着性が低下せず、優れた耐候性を有する。また、変成シリコーン樹脂は湿気硬化性であり、空気中の水分、あるいは木製まくらぎの腐食部分に残留する雨水等により速やかに硬化するので、簡単に硬化させることができる。
変成シリコーン樹脂組成物の粘度は、回転粘度計を用い、室温(20±5℃)で測定した値であり、200〜1000Pa・s、好ましくは200〜900Pa・s、より好ましくは200〜800Pa・s、さらに好ましくは200〜600Pa・sである。粘度が200Pa・sより小さいと、垂れ易く充填性が不十分となり、900Pa・sより大きいと流動性が低下して充填性が不十分となるからである。
また、変成シリコーン樹脂組成物は、その硬化物のショアA硬度が40以上であることが好ましい。好ましくは、40〜80である。40より小さいと、補修した釘孔に新たに止め釘を打つ場合、止め釘が打ち込めなかったり、あるいは十分に固定できないからである。ここで、ショアA硬度は、JIS K6253のデュロメータ硬さ試験に準じて測定した値を用いる。
また、変成シリコーン樹脂組成物は、以下に定義される応力緩和率が30%以上であることが好ましい。好ましくは、30〜80%である。ここで、応力緩和率は、一定荷重を負荷した状態での応力緩和能、すなわち応力の低下の程度を示す数値であり、その値が大きいほど応力緩和能が大きく、応力低下の程度が大きい。
応力緩和率は、以下の方法を用いて測定する。まず、JIS A 1439で規定される耐久性試験用の試験体を作製する。試験体を引張試験機に試験体をセットし、所定の引張速度で試験体を所定幅まで伸長させ、その時の応力(初期応力)および12時間経過後の応力を測定する。初期応力をSとし、12時間経過後の応力をS12とすると、以下の式により応力緩和率(%)を算出する。
応力緩和率(%)=[1−(S12/S)] ×100
本発明に用いる変成シリコーン樹脂組成物に含まれる変成シリコーン樹脂は、分子末端に加水分解性シリル基を有する重合体である。一液形および二液形のいずれも用いることができる。一液形は、変成シリコーン樹脂に硬化触媒及びその他の添加剤を加え、密閉して保管され、使用時には空気中の水分と反応して硬化する。一方、二液形は、変成シリコーン樹脂を含む基剤と硬化触媒とからなり、別梱包の基剤と硬化触媒とを使用時に混合して、空気中の水分と反応させて硬化させる。
(一液形変成シリコーン樹脂)
一液形変成シリコーン樹脂の主鎖には、ポリオキシアルキレン重合体又はビニル系重合体を用いる。ポリオキシアルキレン重合体には、−CHCHO−、−CHCH(CH)O−、−CHCH(C)O−、−CH(CH)CHO−、−CH(C)CHO−、−CHCHCHO−、及び−CHCHCHCHO−から選択された1種以上の繰り返し単位からなるものを用いることができる。好ましくは、−CHCH(CH)O−である。また、ビニル系重合体には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、及びこれら重合体のいずれか2種以上を成分として含む共重合体等を挙げることができる。好ましくは、ポリ(メタ)アクリレートである。
主鎖にポリオキシアルキレン重合体を用いた場合、変成シリコーン樹脂の分子量は、500〜30000、好ましくは5000〜20000である。ここで、変成シリコーン樹脂の分子量は、原料である水酸基末端ポリオキシアルキレン重合体の水酸基価換算分子量に基づいて算出した値である。
また、主鎖にビニル系重合体を用いた場合、変成シリコーン樹脂の数平均分子量は3000〜50000、好ましくは5000〜40000である。
また、変成シリコーン樹脂の加水分解性ケイ素基は分子鎖末端に対する加水分解性ケイ素基の導入率が50%以上であれば十分である。ここで、分子鎖末端に対する加水分解性ケイ素基の導入率は、末端基が水酸基である場合、加水分解性ケイ素基導入後の未反応の水酸基を水酸基価分析法を用いて算出することができる。また、末端基の種類に限定されない方法として、IR法やNMR法を用いて加水分解性ケイ素基導入後の末端基を定量することにより算出する方法を用いることもできる。
また、変成シリコーン樹脂の加水分解性ケイ素基は、アルキルジアルコキシシリル基やトリアルコキシシリル基を用いることができる。アルキルジアルコキシシリル基は、アルキル基が炭素数1から6のアルキル基が好ましく、アルコキシ基が炭素数1から6のアルコキシ基、すなわち、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基又はn−ヘキシルオキシ基が好ましく、より好ましくはメチルジメトキシシリル基又はメチルジエトキシシリル基、さらに好ましくはメチルジメトキシシリル基である。また、トリアルコキシシリル基は、アルコキシ基が炭素数1から6のアルコキシ基、すなわち、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基が好ましく、より好ましくはトリメトキシシリル基である。
ポリオキシアルキレン重合体に加水分解性ケイ素基を導入する方法としては、2官能の開始剤の存在下、環状エーテルを開環重合させてポリオキシアルキレンジオールを製造し、このジオールの水酸基に加水分解性ケイ素基を導入する方法等の公知の方法を用いることができる。また、ビニル系重合体に加水分解性ケイ素基を導入する方法としては、ビニル系モノマーと、加水分解性ケイ素基含有モノマーとを共重合する方法を用いることができる。加水分解性ケイ素基の導入率を変化させる方法としては、ポリオキシアルキレン重合体の場合、ジオールの水酸基に対する加水分解性ケイ素基のモル数を変化させることに行うことができる。また、ビニル系重合体の場合、共重合させる加水分解性ケイ素基含有モノマーの配合比を変化させることにより加水分解性ケイ素基の導入率を変化させることができる。
一液形変成シリコーン樹脂としては、具体的には、MSポリマーS203、MSポリマーS303、サイリルSAT350、サイリルSAT400(以上はカネカ社製)、エクセスターS2410、エクセスターS2420、エクセスターS3630(以上は旭硝子社製)等を挙げることができる。
(二液形変成シリコーン樹脂)
二液形変成シリコーン樹脂には、変成シリコーン樹脂を含む基剤と、硬化触媒を含む硬化剤とからなるものを用いることができる。基剤には上記の一液形変成シリコーン樹脂を用いることができる。
また、以下に説明するように、二液形変成シリコーン樹脂として本発明者が提案した接着剤セット(特開2009−084386号公報)を用いることもできる。この接着剤セットは、分子末端に以下の一般式で(I)で表されるアルキルジアルコキシシリル基を有する第1の重合体を含むA液と、分子末端に以下の一般式(II)で表されるトリアルコキシシリル基を有する第2の重合体を含むB液とからなり、第1の重合体100重量部に対し、第2の重合体を0.07重量部以上の割合でA液とB液とを混合したものである。
−SiR(OR (I)
(ここで、Rは炭素数1〜6のアルキル基、Rは置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
−Si(OR (II)
(ここで、Rは炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
第1の重合体のアルキルジアルコキシシリル基としては、好ましくはメチルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、より好ましくはメチルジメトキシシリル基である。
また、第1の重合体の主鎖には、上記の1液形変成シリコーン樹脂の場合と同様に、ポリオキシアルキレンやビニル系重合体を用いることができる。また、第1の重合体の数平均分子量は、1000〜30000が好ましい。
第1の重合体の具体例としては、MSポリマーS203、MSポリマーS303、サイリルSAT350、サイリルSAT400(以上はカネカ社製)、エクセスターS2410、エクセスターS2420、エクセスターS3630(以上は旭硝子社製)等を挙げることができる。
第2の重合体のトリアルコキシシリル基としては、好ましくはトリメトキシシリル基である。
また、第2の重合体の主鎖には、ポリオキシアルキレンを用いることができる。ポリオキシアルキレンには、−CHCHO−、−CHCH(CH)O−、−CHCH(C)O−、−CH(CH)CHO−、−CH(C)CHO−、−CHCHCHO−、及び−CHCHCHCHO−から選択された1種以上の繰り返し単位からなるものを用いることができる。好ましくは、−CHCH(CH)O−である。
第2の重合体としては、トリアルコキシシリル基がトリメトキシシリル基、ポリオキシアルキレンの構成単位がオキシプロピレン基である樹脂を用いるのが好ましい。これは、他の樹脂との相溶性、速硬化性及び透明性が優れているからである。また数平均分子量は500〜30000、好ましくは5000〜20000である。第2の重合体の具体例としては、エクセスターAX2551、エクセスターAX2851(以上は旭硝子社製)等を挙げることができる。
なお、二液形変成シリコーン樹脂を用いた場合の変成シリコーン樹脂組成物の粘度とは、二液を混合後、注入直前の粘度をいう。
(硬化触媒)
本発明に用いる変成シリコーン樹脂組成物には、硬化反応を促進させるために硬化触媒を用いる。具体例としては、アルキルチタン酸塩、有機ケイ素チタン酸塩、ビスマストリス−2−エチルヘキサノエート等の金属塩、リン酸、p−トルエンスルホン酸、フタル酸等の酸性化合物、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン等の脂肪族モノアミン、エチレンジアミン、ヘキサンジアミン等の脂肪族ジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等の脂肪族ポリアミン類、ピペリジン、ピペラジン等の複素環式アミン類、メタフェニレンジアミン等の芳香族アミン類、エタノールアミン類、トリエチルアミン、エポキシ樹脂の硬化剤として用いられる各種変性アミン等のアミン化合物を挙げることができる。また、ジオクチル酸錫、ジナフテン酸錫、ジステアリン酸錫等の2価の錫と上記アミン類の混合物を挙げることもできる。
また、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート及び以下のカルボン酸型有機錫化合物並びにこれらのカルボン酸型有機錫化合物と上記のアミン類との混合物を挙げることもできる。
(n−CSn(OCOCH=CHCOOCH
(n−CSn(OCOCH=CHCOO−(n−C))
(n−C17Sn(OCOCH=CHCOOCH
(n−C17Sn(OCOCH=CHCOO−(n−C))
(n−C17Sn(OCOCH=CHCOO−(iso−C17))
また、以下の含硫黄型有機錫化合物を挙げることもできる。
(n−CSn(SCHCOO)
(n−C17Sn(SCHCOO)
(n−C17Sn(SCHCHCOO)
(n−C17Sn(SCHCOOCHCHOCOCHS)
(n−CSn(SCHCOO−(iso−C17))
(n−C17Sn(SCHCOO−(iso−C17))
(n−C17Sn(SCHCOO−(n−C17))
(n−CSnS
また、以下の有機錫オキシドを挙げることもできる。
(n−CSnO
(n−C17SnO
また、上記の有機錫オキシドとエチルシリケート、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジオクチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジオクチル等のエステル化合物との反応生成物を挙げることもできる。
また、以下のキレート錫化合物およびこれらのキレート錫化合物とアルコキシシランとの反応生成物(但し、acacはアセチルアセトナト配位子を表す。)を挙げることもできる。
(n−CSn(acac)
(n−C17Sn(acac)
(n−C(C17O)Sn(acac)
また、以下の−SnOSn−結合含有有機錫化合物を挙げることもできる。
(n−C(CHCOO)SnOSn(OCOCH)(n−C
(n−C(CHO)SnOSn(OCH)(n−C
硬化触媒は、変成シリコーン樹脂100重量部に対し、0.01〜10重量部使用する。0.01重量部より少ないと効果が十分でなく、10重量部より多いとい硬化物に耐久性が低下するので好ましくないからである。
本発明に用いる変成シリコーン樹脂組成物には、規定された該樹脂組成物の粘度範囲内であれば、必要に応じて、充填剤、脱水剤、可塑剤、接着性付与剤、エポキシ樹脂とその硬化剤等の添加剤を添加することができる。特に、接着性付与剤を添加することが好ましい。
(充填剤)
充填剤としては、公知の充填剤を使用することができる。具体例としては、表面を脂肪酸または樹脂酸系有機物で表面処理した炭酸カルシウム、さらにこれを微粉末化した平均粒径1μm以下の膠質炭酸カルシウム、沈降法により製造した平均粒径1〜3μmの軽質炭酸カルシウム、平均粒径1〜20μmの重質炭酸カルシウム等の炭酸カルシウム、フュームドシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸、およびカーボンブラック、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、酸化亜鉛、活性亜鉛華、シラスバルーン、木粉、パルプ、木綿チップ、マイカ、くるみ穀粉、もみ穀粉、グラファイト、アルミニウム微粉末、フリント粉末等の粉体状充填剤。ガラス繊維、ガラスフィラメント、炭素繊維、ケブラー繊維、ポリエチレンファイバー等の繊維状充填剤等を挙げることができる。これらの充填剤は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。好ましいものは、脂肪酸で表面処理した炭酸カルシウムである。
充填剤の使用量は変成シリコーン樹脂に対して1〜1000重量%であり、好ましくは10〜300重量%である。
(可塑剤)
本発明に用いる変成シリコーン樹脂組成物には、硬度調整のために可塑剤を使用することもできる。可塑剤としては公知の可塑剤を使用することができる。具体例としては、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸アルキルエステル類;アジピン酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、セバシン酸ジブチル、オレイン酸ブチル等の脂肪族カルボン酸アルキルエステル類;ペンタエリスリトールエステル等;リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル類;エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジル等のエポキシ可塑剤;ポリプロピレングリコール;ポリエチレングリコール;塩素化パラフィン;等を挙げることができる。これらの可塑剤を単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。好ましいものは、フタル酸アルキルエステルである。可塑剤の使用量は、変成シリコーン樹脂100重量部に対して10〜300重量%、好ましくは15〜150重量%である。
(脱水剤)
また、本発明に用いる変成シリコーン樹脂組成物には、硬化物の物性や硬化性及び貯蔵安定性を調節する目的で加水分解性ケイ素化合物を任意に添加できる。具体例としては、テトラメチルシリケート、ビニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシランなどやこれらのメトキシ基がエトキシ基に置換された化合物などを挙げることができるが、これらに限定されない。添加量は変成シリコーン樹脂100重量部に対し、0.5〜5重量部である。0.5重量よりも少ないと貯蔵安定性が悪くなる。また5重量部より多くしても一層の効果は得られないからである。好ましいものは、ビニルトリメトキシシランである。
(エポキシ樹脂)
必要に応じ、変成シリコーン樹脂100重量部に対し、エポキシ樹脂を1〜100重量部、より好ましくは10〜50重量部、エポキシ樹脂の硬化剤をエポキシ樹脂100重量部当たり1〜200重量部、より好ましくは10〜100重量部、配合することもできる。
エポキシ樹脂を添加することにより、接着性をさらに向上させることができる。エポキシ樹脂としては、従来公知のものを広く使用でき、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールAのグリシジルエーテル等の難燃型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ジグリシジル−p−オキシ安息香酸、フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等のフタル酸ジグリシジルエステル系エポキシ樹脂、m−アミノフェノール系エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン系エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、各種脂環式エポキシ樹脂、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジル−o−トルイジン、トリグリシジルイソシアヌレート、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリン等の多価アルコールのグリシジルエーテル、ヒダントイン型エポキシ樹脂、石油樹脂等の不飽和重合体のエポキシ化物等を挙げることができる。これらのエポキシ樹脂の中でも、分子中にエポキシ基を少なくとも2個含有するものが、硬化に際し反応性が高く、また硬化物が3次元的網目を作り易い等の点から好ましい。更に好ましいエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂及びフタル酸ジグリシジルエステル系エポキシ樹脂を例示できる。
エポキシ樹脂の硬化剤としては、従来公知のエポキシ樹脂用硬化剤を広く使用でき、例えばトリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、m−キシリレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等のアミン類、第3級アミン塩類、ポリアミド樹脂類、ケチミン類、アルジミン類、エナミン類等の潜伏性硬化剤、イミダゾール類、ジシアンジアミド類、三弗化硼素錯化合物類、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ドデシニル無水コハク酸、無水ピロメリット酸、無水クロレン酸等の無水カルボン酸類、アルコール類、フェノール類、カルボン酸類等を挙げることができる。
(接着性付与剤)
接着性付与剤として、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤を配合することもできる。好ましくは、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランである。使用量は、変成シリコーン樹脂100重量部に対して、1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
(補修方法)
本発明において、木製まくらぎの腐食部分は、定期検査により発見することができる。定期検査では、目視検査により、あるいは検査道具としてテストハンマーを用い、テストハンマーで釘を叩くことにより釘の緩みを発見したり、テストハンマーで木製まくらぎを叩いた時の音の違いで腐食部分を発見する。
図1は、本発明の補修方法の一例を示す模式図である。木製まくらぎ1の腐食部分2に手持ち式のガンタイプの塗布装置3、例えばカートリッジガンを用いて、変成シリコーン樹脂組成物を塗布ノズルから吐き出して、直接腐食部分に注入する例を示している。なお、腐食部分が空洞の場合には、上面を剥がし、露出させた空洞に注入する。
また、釘が緩んでいる場合には、釘を抜き取り、変成シリコーン樹脂組成物を釘孔に注入して硬化させる。その後、硬化した変成シリコーン樹脂組成物に釘を打ち込んで釘を固定する。あるいは、釘を抜き取ることなく、釘孔の周囲の腐食部分をドライバー等で削り出し、拡げた釘孔に変成シリコーン樹脂組成物を注入することもできる。釘が錆びていても、変成シリコーン樹脂は優れた接着性と応力緩和能を有しているので、釘と硬化した変成シリコーン樹脂との界面剥離が起こることがない。
なお、腐食部分に雨水が溜まっている場合には、溜まっている雨水をウエス等を用いて吸収するだけでよく、腐食部分を乾燥させる必要はない。変成シリコーン樹脂は、湿気硬化性であるので、残留する雨水により硬化が抑制されることはないからである。また、変成シリコーン樹脂の硬化物は耐水性を有し、残留する雨水により接着性が低下することもないからである。
以下、実施例を用いて本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例における「部」は、特に断らない限り「重量部」を表す。
(補修用樹脂組成物の製造)
実施例1.
表1に示す組成で、変成シリコーン樹脂として、サイリルSAT400 100部と可塑剤としてフタル酸ジオクチル(DOP)75部、充填剤として加熱乾燥により水分を除去した重質炭酸カルシウム180部さらに紫外線吸収剤として2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール 2部を加え、遊星式攪拌器(クラボウ社製)を使用して攪拌・混合した。得られた混合物を室温まで温度を下げてから、脱水剤としてビニルトリメトキシシラン3部、接着付与剤として(N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン10部、硬化触媒としてジブチルスズビスアセチルアセトナート2部を加えて攪拌・混合して組成物Aを得た。なお、特に断らない限り、実施例の変成シリコーン樹脂組成物には一液形を用いた。
実施例2から5および比較例1から5の組成についても表1に示した。
Figure 2012062673
得られた樹脂組成物について、以下の測定を行った。
(粘度測定)
温度23℃で、BS型回転粘度計を用い、ローターNo.7、10rpmの条件で測定した。
(硬度測定)
得られた樹脂組成物を、23℃50%RHにて7日間養生後、デュロメータ硬度計を用いて測定した。
(応力緩和率測定)
JIS A 1439で規定される耐久性試験用の試験体(長さ:50mm、幅12mm)を作製した。次いで試験体を、23℃・14日間および30℃・14日間養生した。引張試験機(東洋精機製作所製)に試験体をセットし、引張速度5mm/minで試験体の幅が14.4mmになるまで、すなわち、初期幅の20%伸長させ、その時の応力Sを測定した。次いで12時間後の応力S12を測定した。以下の式を用いて応力緩和率(%)を算出した。
応力緩和率(%)=[1−(S12/S)] ×100
次に、腐食部分を有する木製まくらぎを用いて、以下の評価を行った。なお、特に断らない限り、以下の評価において、製造した樹脂組成物をカートリッジガンを用いて腐食部分に注入した。
(充填性評価)
凹部形状の腐食部分を有する木製まくらぎを用い、製造した樹脂組成物を腐食部分に注入した。1ヶ月後に注入部分を電動のこぎりでカットし、隅々まで充填されているかどうかを目視で観察した。以下の評価基準を用いた。
○:充填されている部分が腐食部分全体の80%以上
△:充填されている部分が腐食部分全体の50%以上80%未満
×:充填されている部分が腐食部分全体の50%未満
(垂れ性評価)
貫通孔からなる腐食部分を有する木製まくらぎを用い、製造した樹脂組成物を腐食部分に注入した。その際、樹脂組成物が垂れてまくらぎから流出するかどうかを調べた。以下の評価基準を用いた。
○:樹脂組成物が流出せず、注入した樹脂組成物の表面に凹みもない。
×:樹脂組成物が流出し、注入した樹脂組成物の表面に凹みがある。
(止め釘引き抜き性評価)
止め釘を引き抜くことなく、止め釘周辺の腐食部分に樹脂組成物を注入した。1ヶ月経過後、止め釘が固定されているかどうかを調べた。以下の評価基準を用いた。
○:バールを用いて止め釘を引きぬくことができない。
×:バールを用いて止め釘を引きぬくことができる。
(止め釘打ち込み性評価)
止め釘を引き抜き、釘孔に樹脂組成物を注入した。1ヶ月経過後、釘孔に止め釘を打ち込むことができるかどうかを調べた。以下の評価基準を用いた。
○:打つ込むことができ、しっかり固定されている。
△:ドリル等で仮孔を形成すれば打ち込むことができ、しっかり固定されている。
×:亀裂等ができ打ち込むことができない、あるいは打ち込めてもぐらぐらしている。
(実地評価)
橋梁の木製まくらぎを対象として以下の耐候性および耐久性について実地評価を行った。樹脂組成物を腐食部分に注入する前に、腐食部分に堆積している木くずを取り除き、湿潤状態になっている箇所については、ウエス等にて拭き取り作業を行った。
(耐候性評価)
樹脂組成物を腐食部分に注入し、1年経過後の表面状態を観察した。以下の評価基準を用いた。
○:硬化した樹脂組成物の表面に目視でわかるひび割れがない。
×:硬化した樹脂組成物の表面に目視でわかるひび割れが有る。
(耐久性評価)
樹脂組成物を腐食部分に注入し、1年経過後の表面状態を観察した。以下の評価基準を用いた。
○:硬化した樹脂組成物が腐食部分から剥離していない。
×:硬化した樹脂組成物が腐食部分から剥離している。
表2に評価結果を示す。
Figure 2012062673
(結果)
実施例1〜5では耐久性評価の際、腐食部周辺をさわったところ、腐食部周辺に起こりがちな木部の腐食、腐敗、もろさが解消されており、延命化にも非常に効果的であることが確認できた。
比較例1は粘度が100Pa・sと低く、注入するとそのまま流出してしまった。また、比較例2では、充填作業中に樹脂組成物がカートリッジガンのノズルを伝って表面に押し出されてしまい、腐食部分のすみずみまで充填するのは困難であった。またA硬度が15と低く、止め釘をバールで撤去できた。また止め釘を打ち込んでも立たず、仮孔を形成してもドリルに樹脂組成物の硬化物が巻き込まれるだけで加工できなかった。また、比較例3では、充填性が不良であった。また、樹脂にポリウレタン樹脂を用いた比較例4は、耐候性と耐久性が不良であった。比較例4では、表面にひび割れがみられ、また部分的に硬化物の剥離がみられた。また、樹脂にエポキシ樹脂を用いた比較例5は、耐久性が不良であり、硬化物の剥離がみられた。また、試験体が破断したため、応力緩和率の測定はできなかった。これは、応力緩和率が低いためと考えられる。
1 木製まくらぎ
2 腐食部分
3 塗布装置
11 木製まくらぎ
12 タイプレート
13 止め釘
14 スプリングクリップ
15 フックボルト
16 レール
17 橋桁
18 腐食した釘孔
19 橋上ガードレール

Claims (3)

  1. 鉄道レール用木製まくらぎの腐食部分に、少なくとも変成シリコーン樹脂と硬化触媒とを含み、200〜1000Pa・sの粘度を有する変成シリコーン樹脂組成物を充填して硬化させる、木製まくらぎの補修方法。
  2. 上記変成シリコーン樹脂組成物の硬化後のショアA硬度が40以上である請求項1記載の木製まくらぎの補修方法。
  3. 上記変成シリコーン樹脂組成物の硬化物を引張試験機を用いて初期幅の20%伸長させた時の応力Sと、さらに12時間経過後の応力S12から、以下の式を用いて算出した応力緩和率(%)が30%以上である請求項1または2に記載の木製まくらぎの補修方法。
    応力緩和率(%)=[1−(S12/S)] ×100
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