JP2012062576A - 電解コンデンサ電極用アルミニウム材、電解コンデンサ用アルミニウム材の製造方法、アルミニウム電解コンデンサ用陽極材及びアルミニウム電解コンデンサ - Google Patents

電解コンデンサ電極用アルミニウム材、電解コンデンサ用アルミニウム材の製造方法、アルミニウム電解コンデンサ用陽極材及びアルミニウム電解コンデンサ Download PDF

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Abstract

【課題】漏れ電流を増大させることなく、エッチング特性に優れ高静電容量を実現できるとともに、耐折強度にも優れた電解コンデンサ電極用アルミニウム材等を提供する。
【解決手段】総厚の5%以上40%以下を占める所定組成の芯層の少なくとも片面に外層が積層されてなる。材料表面から見た結晶方位成分のうち、ずれ角が10度以下の結晶方位成分を有する結晶組織の面積占有率が、0.02≦[SCube+SGoss]/[SBrass+SC+SS]≦0.35 (ただし、SCubeは立方体方位{100}<001>、SGossはGoss方位{110}<001>、SBrassはBrass方位{110}<112>、SCはC方位{112}<111>、SSはS方位{123}<634> なる各結晶方位成分を示す)であり、前記外層は、アルミニウムの純度が99.6質量%以上で、かつ材料表面から見た立方体方位{100}<001>からのずれ角が10度以下の結晶組織の面積占有率SCubeが80%以上である。
【選択図】 なし

Description

この発明は、静電容量が高く耐折強度に優れた電解コンデンサ電極用アルミニウム材、電解コンデンサ用アルミニウム材の製造方法、アルミニウム電解コンデンサ用陽極材及びアルミニウム電解コンデンサに関する。
なお、この明細書において、「アルミニウム」の語はアルミニウム及びその合金の両者を含む意味で用い、またアルミニウム材には少なくともアルミニウム箔、アルミニウム板及びこれらの成形体が含まれる。
アルミニウム電解コンデンサ用電極材として一般に用いられるアルミニウム箔には、その実効面積を拡大して単位面積当りの静電容量を増大するため、通常、電気化学的あるいは化学的エッチング処理が施される。しかし、近年、製品のダウンサイジングに伴う部品の小型化要求から高静電容量化のニーズがますます高まっている。
しかし、箔を単にエッチング処理するのみでは十分な静電容量が得られない。このため、一般的には箔圧延後の最終焼鈍工程において、500℃を超える高温加熱処理を施し、{100}<001>方位(以下、立方体方位と記す)の占有率を向上させる例(非特許文献1)や微量元素としてCuを添加する例(非特許文献2)が提案されている。立方体方位の向上は同時に圧延方向の伸びの極端な低下をもたらし耐折強度が低下する傾向にある。
また、高容量のニーズの高まりとともに、エッチング層はますます厚くなる傾向にある。しかしながら、エッチピットの長さを長くしようとすると一本一本のエッチピットの長さを制御することが難しくなる。このことからも耐折強度の確保が難しくなっている。
そこで、エッチング特性に優れ高静電容量を実現できるとともに、耐折強度にも優れた電解コンデンサ電極用アルミニウム材が要求されている。
この要求に対し、箔を多層構造とし、耐折強度を確保する方法が提案されている。例えば特許文献1においては、芯層を外層よりも多くのFeを含有するアルミニウムによって構成し、エッチング時に表面から成長するエッチピットの成長を、芯層に含まれるAl-Fe系の金属間化合物によって停止させ、芯層を確実に残すことで強度を確保する方法が、また特許文献2においては、芯層を外層よりも純度の低いアルミニウム合金を用いることによって上記と同様の効果を得ようとする方法が記載されている。
一方、特許文献3においては、芯層に非(100)方位が40%以上のアルミニウム層とすることでエッチピットの成長を止めて、芯部の厚さを確保する方法が記載されている。
また、特許文献4において、Scを芯材に含有させて強度を確保する方法が、特許文献5においては、ScおよびZrを芯層に含有させ強度を確保する方法が提案されている。
特開昭51−113154号公報 特開昭62−47110号公報 特開平4−120235号公報 特開2000−91164号公報 特開2000−345271号公報
山口謙四郎:軽金属,35(1985),P365 川島浪夫,中村雄造,西坂基:軽金属,No.21(1956),P54
しかし、特許文献1、特許文献2に記載の方法は、芯材に存在する粗大な金属間化合物が化成皮膜の欠陥となり、漏れ電流を著しく増大させるという問題点があった。
また、特許文献3の方法は、エッチピットの成長はある程度抑止できるものの、完全に成長を止められず、芯残し部が不均一になること、芯層の材料強度が外層とほぼ同等であるため、積層材として十分な耐折強度を確保することができないという問題点があった。
また、特許文献4、特許文献5に記載の方法では、芯層の強度を向上させる効果は認められるものの、芯層材と外層材の境界が不純物拡散によって不鮮明となってしまうため、エッチピットの成長を止め、芯層の強度低下を抑止するには、必ずしも十分なものではなかった。
この発明は、このような技術的背景に鑑みてなされたものであって、漏れ電流を増大させることなく、エッチング特性に優れ高静電容量を実現できるとともに、耐折強度にも優れた電解コンデンサ電極用アルミニウム材を提供し、さらにはこのアルミニウム材の製造方法やアルミニウム電解コンデンサ用陽極材及びアルミニウム電解コンデンサを提供することを目的とする。
前記目的は以下の手段によって達成される。
(1)総厚の5%以上40%以下を占める芯層の少なくとも片面に外層が積層されてなるとともに、前記芯層は、アルミニウムの純度が99.3質量%以上であって、Si;0.0005質量%以上0.03質量%以下、Fe;0.0005質量%以上0.03質量%以下、Cu;0.0005質量%以上0.015質量%以下、Mn;0.00003質量%以上0.001質量%以下、Mg;0.00003質量%以上0.005質量%以下、Zn;0.00003質量%以上0.005質量%以下、Ti;0.00003質量%以上0.001質量%以下、Cr;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Ni;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Ga;0.00003質量%以上0.008質量%以下、B;0.00003質量%以上0.002質量%以下、V;0.00003質量%以上0.05質量%以下、Sc;0.005質量%以上0.1質量%以下、Zr;0.005質量%以上0.2質量%以下を含有し、かつ材料表面から見た結晶方位成分のうち、ずれ角が10度以下の結晶方位成分を有する結晶組織の面積占有率が、0.02≦[SCube+SGoss]/[SBrass+SC+SS]≦0.35 (ただし、SCubeは立方体方位{100}<001>、SGossはGoss方位{110}<001>、SBrassはBrass方位{110}<112>、SCはC方位{112}<111>、SSはS方位{123}<634> なる各結晶方位成分を示す)であり、前記外層は、アルミニウムの純度が99.6質量%以上で、かつ材料表面から見た立方体方位{100}<001>からのずれ角が10度以下の結晶方位成分を有する結晶組織の面積占有率SCubeが80%以上であることを特徴とする電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
(2)前記外層は、Si;0.0005質量%以上0.03質量%以下、Fe;0.0005質量%以上0.03質量%以下、Cu;0.0005質量%以上0.015質量%以下、Mn;0.00003質量%以上0.001質量%以下、Mg;0.00003質量%以上0.005質量%以下、Zn;0.00003質量%以上0.005質量%以下、Ti;0.00003質量%以上0.001質量%以下、Cr;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Ni;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Ga;0.00003質量%以上0.005質量%以下、B;0.00003質量%以上0.002質量%以下、V;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Sc;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Zr;0.00003質量%以上0.003質量%以下を含有する前項1に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
(3)前記芯層は、Y;0.00003質量%以上0.03質量%以下、La;0.00003質量%以上0.03質量%以下、Ce;0.00003質量%以上0.03質量%以下の少なくとも1種をさらに含有する前項1に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
(4)前記外層は、Pb;0.00003質量%以上0.0003質量%以下、Sn;0.0003質量%以上0.003質量%以下、Bi;0.00001質量%以上0.00015質量%以下、Sb;0.0002質量%以上0.002質量%以下を少なくとも一種含有する前項2に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
(5)芯層のScとZr,Vの濃度の和Ccore(Sc+Zr+V)とエッチングに供される外層のScとZr,Vの濃度の和Cskin(Sc+Zr+V)とが、5≦Ccore(Sc+Zr+V)/Cskin(Sc+Zr+V)≦500なる関係を有する前項1〜4のいずれかに記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
(6)芯層の厚さ方向における平均結晶粒界の間隔が20μm以下である前項1〜5のいずれかに記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
(7)芯層の硬さHvcoreと外層の硬さHvskinの比(Hvskin/Hvcore)が0.2以上0.8以下である前項1〜6のいずれかに記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
(8)アルミニウムの純度が99.3質量%以上であって、Si;0.0005質量%以上0.03質量%以下、Fe;0.0005質量%以上0.03質量%以下、Cu;0.0005質量%以上0.015質量%以下、Mn;0.00003質量%以上0.001質量%以下、Mg;0.00003質量%以上0.005質量%以下、Zn;0.00003質量%以上0.005質量%以下、Ti;0.00003質量%以上0.001質量%以下、Cr;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Ni;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Ga;0.00003質量%以上0.008質量%以下、B;0.00003質量%以上0.002質量%以下、V;0.00003質量%以上0.05質量%以下、Sc;0.005質量%以上0.1質量%以下、Zr;0.005質量%以上0.2質量%以下を有する芯層の少なくとも片面に、Si;0.0005質量%以上0.03質量%以下、Fe;0.0005質量%以上0.03質量%以下、Cu;0.0005質量%以上0.015質量%以下、Mn;0.00003質量%以上0.001質量%以下、Mg;0.00003質量%以上0.005質量%以下、Zn;0.00003質量%以上0.005質量%以下、Ti;0.00003質量%以上0.001質量%以下、Cr;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Ni;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Ga;0.00003質量%以上0.005質量%以下、B;0.00003質量%以上0.002質量%以下、V;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Sc;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Zr;0.00003質量%以上0.003質量%以下を有する外層を積層した後、熱間圧延及び冷間圧延を実施し、ついで最終焼鈍を実施するに際し、前記熱間圧延から最終焼鈍までに、200℃以上300℃以下、30分以上6時間以下の条件で少なくとも1回の中間焼鈍を実施するとともに、前記最終焼鈍を430℃以上500℃未満、30分以上6時間以下の条件にて実施することを特徴とする電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
(9)前記芯層は、Y;0.00003質量%以上0.03質量%以下、La;0.00003質量%以上0.03質量%以下、Ce;0.00003質量%以上0.03質量%以下の少なくとも1種をさらに含有する前項8に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
(10)前記外層は、Pb;0.00003質量%以上0.0003質量%以下、Sn;0.0003質量%以上0.003質量%以下、Bi;0.00001質量%以上0.00015質量%以下、Sb;0.0002質量%以上0.002質量%以下なる元素を少なくとも一種含有する前項8に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
(11)中間焼鈍と最終焼鈍の間に、圧下率8%以上30%以下の冷間圧延または中間焼鈍温度を超えない温間圧延による付加的歪付与を実施する前項1〜10のいずれかに記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
(12)中間焼鈍と最終焼鈍の間に、加工率5%以上15%以下の冷間での引張変形または中間焼鈍温度を超えない温度での引張変形による付加的歪付与を実施する前項1〜10に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
(13)前項1〜7のいずれかに記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材にエッチングが施されることにより、表面積がエッチング前の投影面積の10倍以上となされていることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用陽極材。
(14)エッチピット形成部に、平均膜厚0.1μm以上の誘電体皮膜が形成されている前項13に記載のアルミニウム電解コンデンサ用陽極材。
(15)前項1〜7の電解コンデンサ電極用アルミニウム材にエッチング処理を施すに際し、少なくとも30%以上のエッチピットを、アルミニウム材の表面にあらかじめ付与された起点によって生じさせることを特徴とする電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
(16)総厚の5%以上40%以下を占める芯層の少なくとも片面に外層が積層されてなるとともに、前記芯層は、アルミニウムの純度が99.3質量%以上であって、Si;0.0005質量%以上0.05質量%以下、Fe;0.0005質量%以上0.05質量%以下、Cu;0.0005質量%以上0.015質量%以下、Mn;0.00003質量%以上0.001質量%以下、Mg;0.00003質量%以上0.005質量%以下、Zn;0.00003質量%以上0.005質量%以下、Ti;0.00003質量%以上0.001質量%以下、Cr;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Ni;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Ga;0.00003質量%以上0.008質量%以下、B;0.00003質量%以上0.002質量%以下、V;0.00003質量%以上0.05質量%以下、Sc;0.005質量%以上0.1質量%以下、Zr;0.005質量%以上0.2質量%以下を含有し、前記外層は、アルミニウムの純度が99.6質量%以上で、Si;0.0005質量%以上0.05質量%以下、Fe;0.0005質量%以上0.05質量%以下、Cu;0.0005質量%以上0.015質量%以下、Mn;0.00003質量%以上0.001質量%以下、Mg;0.00003質量%以上0.005質量%以下、Zn;0.00003質量%以上0.005質量%以下、Ti;0.00003質量%以上0.001質量%以下、Cr;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Ni;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Ga;0.00003質量%以上0.005質量%以下、B;0.00003質量%以上0.002質量%以下、V;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Sc;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Zr;0.00003質量%以上0.003質量%以下を含有し、かつ交流エッチング処理により、表面積がエッチング前の投影面積の50倍以上となされていることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用陽極材。
(17)エッチピット形成部に、平均膜厚0.5μm以下の誘電体皮膜が形成されている前項16に記載のアルミニウム電解コンデンサ用陽極材。
(18)電極材として、前項13、14、16、17のいずれかに記載の陽極材が用いられていることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ。
前項(1)に記載された発明によれば、エッチングされる外層に立方体方位占有率の高いアルミニウム層を有し、芯層は、化成時の皮膜特性に優れて漏れ電流が小さく、かつエッチピットの成長を抑止できる高強度な合金層となるから、この芯層により耐折強度を確保しながら、外層を充分にエッチングさせることができ、全体として静電容量が高く、しかも耐折強度に優れて、コイル等に巻き取ったときにも材料切れを生じることのない電解コンデンサ電極用アルミニウム材となし得る。
前項(2)に記載された発明によれば、外層の組成を限定することにより、さらに外層のエッチング特性を向上でき、より高い静電容量を実現できる。
前項(3)に記載された発明によれば、所定範囲のY、La、Ceの少なくとも1種をさらに含有するから、さらに耐折強度を増大できる。
前項(4)に記載された発明によれば、外層が所定量のPb、Sn、Bi、Sbを少なくとも一種を含有するから、さらに外層のエッチング特性を向上できる。
前項(5)に記載された発明によれば、芯層のScとZr,Vの濃度の和Ccore(Sc+Zr+V)とエッチングに供される外層のScとZr,Vの濃度の和Cskin(Sc+Zr+V)とが、5≦Ccore(Sc+Zr+V)/Cskin(Sc+Zr+V)≦500なる関係を有するから、トンネル型エッチピットが芯層に進行するのを確実に阻止でき、優れた耐折強度を実現できる。
前項(6)に記載された発明によれば、芯層の厚さ方向における平均結晶粒界の間隔が20μm以下であるから、エッチピットの芯層への進行をさらに阻止することができる。
前項(7)に記載された発明によれば、芯層の硬さHvcoreと外層の硬さHvskinの比(Hvskin/Hvcore)が0.2以上0.8以下であるから、芯層と外層との転位密度に差を生じた状態となり、これによりエッチピットの進行阻止効果を向上できる。
前項(8)に記載された発明によれば、静電容量が高く、耐折強度に優れてコイル等に巻き取ったときに材料切れを生じることのない電解コンデンサ電極用アルミニウム材を製造することができる。
前項(9)に記載された発明によれば、所定範囲のY、La、Ceの少なくとも1種をさらに含有するから、耐折強度にさらに優れた電解コンデンサ電極用アルミニウム材を製造することができる。
前項(10)に記載された発明によれば、外層が所定量のPb、Sn、Bi、Sbを少なくとも一種含有するから、エッチング特性にさらに優れた電解コンデンサ電極用アルミニウム材を製造することができる。
前項(11)に記載された発明によれば、中間焼鈍と最終焼鈍の間に、圧下率8%以上30%以下の冷間圧延または中間焼鈍温度を超えない温間圧延による付加的歪付与を実施するから、芯層と外層の組織状態が制御され、前項(1)に記載された芯層と外層の組織状態をより安定的に得ることができる。
前項(12)に記載された発明によれば、加工率5%以上15%以下の冷間での引張変形または中間焼鈍温度を超えない温度での引張変形による付加的歪付与を実施するから、前項(1)に記載された芯層と外層の組織状態をより安定的に得ることができる。
前項(13)に記載された発明によれば、エッチングにより表面積がエッチング前の投影面積の10倍以上となされているから、高い静電容量を有するアルミニウム電解コンデンサ用陽極材となしうる。
前項(14)に記載された発明によれば、平均膜厚0.1μm以上の誘電体皮膜が形成されているから、コンデンサとして必要な耐圧を有するアルミニウム電解コンデンサ用陽極材となしうる。
前項(15)に記載された発明によれば、少なくとも30%以上のエッチピットを、アルミニウム材の表面にあらかじめ付与された起点によって生じさせるから、エッチピットを均一に分散させて発生させることが可能となり、外層によりピットの深さを十分に確保できることと相俟って、極めて高い静電容量を有する電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造が可能となる。
前項(16)に記載された発明によれば、強度、エッチング特性共に優れた、特に低圧用の電解コンデンサ電極用アルミニウム材となし得る。
前項(17)に記載された発明によれば、エッチピット形成部に、平均膜厚0.5μm以下の誘電体皮膜が形成されているから、さらに高い静電容量を実現できる。
前項(18)に記載された発明によれば、高静電容量のアルミニウム電解コンデンサとなし得る。
実施例で行った結晶方位占有率のEBSP測定エリアと位置関係を示す図である。
この実施形態に係る電解コンデンサ電極用アルミニウム材は、芯層の結晶粒組織と内在する歪により強度や伸びを確保している。
一般に、電解コンデンサ用電極材に用いられる高純度アルミニウム材は、エッチング処理後の乾燥工程や化成処理工程において、300℃〜500℃の高温の雰囲気に晒される。この際、材料が硬質箔であっても、軟化あるいは再結晶が起こる。また、軟質箔の場合、Al純度が高いため結晶粒径が大きくなり、板厚方向に占める結晶粒の数が減少して、伸びや耐折強度が低下する。
このときアルミニウム純度が99.3質量%以上であって、Si;0.0005質量%以上0.03質量%以下、Fe;0.0005質量%以上0.03質量%以下、Cu;0.0005質量%以上0.015質量%以下、Mn;0.00003質量%以上0.001質量%以下、Mg;0.00003質量%以上0.005質量%以下、Zn;0.00003質量%以上0.005質量%以下、Ti;0.00003質量%以上0.001質量%以下、Cr;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Ni;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Ga;0.00003質量%以上0.008質量%以下、B;0.00003質量%以上0.002質量%以下、V;0.00003質量%以上0.05質量%以下、Sc;0.005質量%以上0.1質量%以下、Zr;0.005質量%以上0.2質量%以下なる組成を含有するアルミニウム合金は再結晶温度が高く、軟化しにくい。
そこで、この組成のアルミニウム材を芯層として用い、この芯層にエッチング特性に優れた外層を積層することにより、全体としてもエッチング特性、強度、伸びに優れたアルミニウム材料とすることができる。
ただし、芯層の厚さはアルミニウム材の総厚の5%以上40%以下とする必要がある。芯層の厚さがアルミニウム材の総厚の5%未満では、芯層の厚さが不足するためアルミニウム材の全体強度が低下する。芯層の厚さがアルミニウム材の総厚の40%を超えると、外層が薄くなりすぎてエッチピットの長さが短くなり、充分に拡面率による高静電容量が得られない。好ましい芯層の厚さは、アルミニウム材の総厚の10%以上35%以下である。
前記外層は、前記芯層の両面に積層されていても良いし、いずれか片面にのみ積層されていてもよい。
前記外層には、エッチング特性の優れたアルミニウム純度99.6%以上、好ましくは99.9%以上の高純度アルミニウムを用いる。前記芯層の存在により材料強度が確保されるため、エッチングにより外層の拡面率を増大させることが可能となり、高静電容量化が可能となる。
また、トンネル型エッチピットの形成により拡面処理をする場合は、アルミニウム材の拡面率を確保するために、前記外層は、表面において立方体方位の占有率の高い結晶組織であることが好ましい。外層表面の結晶組織が立方体方位から大きくずれると、エッチング時に外層表面の溶解量が増し、エッチピットの長さが短くなるため、局部的な静電容量低下をもたらすからである。
このような局部的な過溶解現象を抑止するためには、立方体方位からのずれ角(Tolerance)が10度以下の結晶組織の面積占有率SCubeが80%以上であることが必要であり、特に90%以上である時に顕著な効果が得られる。
また、前記外層は、Si;0.0005質量%以上0.03質量%以下、Fe;0.0005質量%以上0.03質量%以下、Cu;0.0005質量%以上0.015質量%以下、Mn;0.00003質量%以上0.001質量%以下、Mg;0.00003質量%以上0.005質量%以下、Zn;0.00003質量%以上0.005質量%以下、Ti;0.00003質量%以上0.001質量%以下、Cr;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Ni;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Ga;0.00003質量%以上0.005質量%以下、B;0.00003質量%以上0.002質量%以下、V;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Sc;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Zr;0.00003質量%以上0.003質量%以下を含有する組成であることが、エッチング特性をさらに向上できる点で望ましい。
また、芯層中に、Y、La、Ceの少なくとも1種をZr、Scと共存させることでアルミニウムの再結晶が著しく抑制されるため、芯層の強度向上に有効である。このため、望ましくは、芯層はY;0.00003質量%以上0.03質量%以下、最適範囲は、0.003以上0.025質量%以下、La;0.00003質量%以上0.03質量%以下、最適範囲は、0.002質量%以上0.02質量%以下、Ce;0.00003質量%以上0.03質量%以下、最適範囲は、0.003質量%以上0.03質量%以下、の少なくとも1種を含有するのが良い。
また、係る芯層は、強度を確保しても、前述したトンネル型エッチピットの成長により芯層が減肉あるいは消滅してしまうとその効果が全く得られなくなる。
我々は、鋭意研究の結果、芯層における材料表面から見た結晶方位成分のうち、ある特定の結晶方位を制御し、前述の組成と組み合わせることで、エッチピットの成長を確実に止められることを見いだした。
すなわち、芯層における
Cube…立方体方位{100}<001>
Goss…Goss方位{110}<001>
Brass…Brass方位{110}<112>
C…C方位{112}<111>
S…S方位{123}<634>)
の各方位成分を有する結晶組織の芯層全体に占める面積占有率が
0.02≦[SCube+SGoss]/[SBrass+SC+SS]≦0.35
なる関係を有し、かつ、前述したように、外層が、材料表面から見た立方体方位を有する結晶組織の面積占有率SCubeが80%以上を占めていることが有効であることを見いだした。この場合、各方位成分からのずれ角(Tolerance)はそれぞれ10度以内で許容される。
[SCube+SGoss]/[SBrass+SC+SS]が0.35を越えるとトンネル型エッチピットの成長を有効に停止させることができない。また、0.02未満では、エッチング時に外層と芯層との界面において電気化学的な溶解によるエッチング層の剥離が生じやすくなる。芯層の[SCube+SGoss]/[SBrass+SC+SS]の最適値は、0.05以上0.25以下である。
また、トンネル型エッチングを施す場合に外層の立方体方位の面積占有率SCubeが80%未満になると表面溶解が生じやすくなり、トンネル型エッチピットの長さが短くなるため、拡面率が低下するだけでなく、芯層との結晶方位学的な関係が変化するため、トンネル型エッチピットの成長を有効に停止させることができなくなる。外層における立方体方位を有する結晶組織の面積占有率SCubeの最適値は、90%以上である。
また、外層には、初期エッチピット発生を均一にし、表面溶解の不均一領域をなくすとともに、エッチピット長さを均一にする目的で、Pb;0.00003質量%以上0.0003質量%以下、Sn;0.0003質量%以上0.003質量%以下、Bi;0.00001質量%以上0.00015質量%以下、Sb;0.0002質量%以上0.002質量%以下の1種以上を含有することが望ましい。最適な含有範囲は、Pb;0.00005質量%以上0.00015質量%以下、Sn;0.0005質量%以上0.0020質量%以下、Bi;0.00002質量%以上0.00005質量%以下、Sb;0.0005質量%以上0.00015質量%以下である。
なお、外層に含有されるPb、Sn、Bi、Sb等は、製造工程中における熱履歴により芯層に拡散する可能性があるが、トンネル型エッチピットの進行抑止効果を妨げない範囲で、これらの元素を芯層に含有することは許容される。
また、芯層へのトンネル型エッチピットの進行を確実に停止させ、かつ芯層の強度を確保する方法として、芯層と外層のSc、Zr、Vの濃度比をコントロールすることが有効であり、望ましい。この場合、芯層のSc、Zr、Vの濃度の和をCcore(Sc+Zr+V)とし、外層のSc、Zr、Vの濃度の和をCskin(Sc+Zr+V)とした場合、
5≦Ccore(Sc+Zr+V)/Cskin(Sc+Zr+V)≦500
なる関係を有する場合にこの効果が期待できる。Ccore(Sc+Zr+V)/Cskin(Sc+Zr+V)が5未満では、前記効果に乏しく、500を越えると芯層と外層の界面での化成特性が劣化する恐れがある。最適範囲は、50≦Ccore(Sc+Zr+V)/Cskin(Sc+Zr+V)≦380である。
更に、上記に加え、芯層の厚さ方向における平均結晶粒界の間隔を小さくし、厚さ方向の結晶粒界を多くすることでトンネル型エッチピットの進行を停止させる効果が向上する。この場合、厚さ方向の結晶粒径(粒界面間隔)は20μm以下であることが望ましく、10μm以下が最適である。
また、芯層と外層の転位密度に差を設けることで、エッチピットの進行を停止させる効果が更に期待できる。この場合、芯層の硬さHvcoreと外層の硬さHvskinの比(Hvskin/Hvcore)が0.2以上0.8以下とすることが望ましい。Hvskin/Hvcoreが0.8を越えると芯層と外層の硬さの差が小さくなりすぎ、エッチピットの進行を十分に抑止できなくなる。また、0.2未満では芯層の延性が低下し、耐折強度はかえって低下する。Hvskin/Hvcoreの最適値は0.4以上0.6以下である。
上述した組織の多層構造材を得る方法として、常法にて溶解鋳造〜面削し、熱間圧延された芯層対応組成を有するアルミニウム材を芯材とし、その両面に常法にて作製した外層対応組成を有するアルミニウム鋳塊を面削して重ね合わせた三層の材料を熱間圧延し、引き続き冷間圧延する過程で少なくとも1回中間焼鈍を施し、さらに付加的圧延と最終焼鈍を実施する工程を例示できる。この場合、中間焼鈍は200℃以上300℃以下、30分以上6時間以下(2回以上の中間焼鈍の場合はそれぞれが6時間以下)、とし、最終焼鈍を430℃以上500℃未満、30分以上6時間以下にて施すことが望ましい。更に望ましいのは、中間焼鈍を220℃以上260℃以下、1時間以上4時間以下とし、最終焼鈍を450℃以上480℃以下、1時間以上4時間以下とした場合である。
このような製造工程を経ることにより、芯層と外層の結晶方位を前述した範囲に制御しうるとともに、芯層のSc、Zr、Vの外層への拡散をできるだけ抑止し、芯層としての強度を十分に確保するとともに、トンネル型エッチピットの芯層への成長ないし進行を有効に停止しうる。
また、前述した最終焼鈍後の芯層と外層の結晶組織をより確実に制御する観点から、中間焼鈍と最終焼鈍の間に付加的歪付与を行っても良い。付加的歪付与は、圧下率8%以上30%以下の冷間圧延または中間焼鈍温度を超えない温間圧延にて実施することが推奨される。圧下率8%未満では付加的歪付与の効果がなく、30%を超える場合は、前記組織が得られない恐れがある。圧下率の最適値は12%以上25%以下である。
また、この付加的な加工歪付与を、圧延に代えて引張変形にて行う場合は、加工率5%以上15%以下の冷間または中間焼鈍温度を超えない温度での引張変形にて実施することが望ましい。加工率5%未満では付加的歪付与の効果がなく、15%を超える場合は、前記組織が得られない恐れがある。加工率の最適値は6%以上10%以下である。
本実施形態に係るアルミニウム材は、トンネル型エッチングを施される中高圧用途、スポンジエッチングされる低圧用途のいずれに適用した場合においても高強度・高耐折強度の特性は発揮されるが、450V以上の化成電圧にて化成される高圧用において特にその効果が大きい。この場合、トンネル型エッチングのピット分布を制御すると、高化成電圧で形成される平均厚さ0.1μm以上の厚い化成皮膜の生成過程で生じる無効エッチピットを減ずることが可能となる。
このようなエッチピット分布の制御は、アルミニウム材の表面にあらかじめエッチピットの起点(エッチピット核)を付与しておくことにより行いうる。エッチピット核を付与する方法としては、エッチピット核となる領域以外を樹脂等の印刷によりマスクする方法、エッチピット核となる金属あるいは金属イオン、金属化合物を網点状に印刷する方法、付着させた金属元素を熱処理により拡散させる方法等が例示できる。
例えば、金属化合物等をアルミニウム材表面に印刷する方法は、作業が簡単であることから望ましい。前記印刷法において、インクは金属化合物を均一に含有させるとともにアルミニウム材に付着させることができれば良く、インクのベースとなる溶剤の水性、油性の別、粘性付与剤等の種類、その他添加剤の有無を問わず使用できる。また、前記金属化合物はインクに溶解した状態であっても、溶解することなく分散した状態であっても良い。印刷方法も、インクジェット印刷、電子製版、オフセット印刷、グラビア印刷、活版印刷、孔版印刷等の方法が適用可能であり、インクの付着量、印刷パターン等に応じて適宜選定する。
なお、従来では、このような方法によりエッチピット核を均一に付与したとしても、表面の状態によりそれぞれのエッチピットの長さが不均一になり、芯層がかえって不均一になる傾向があった。本実施形態の材料によれば、トンネル型エッチピットの成長は芯層で強制的に停止させられるため、表面に付与するエッチピットの起点制御は、起点分布にのみ注力すれば良く、エッチピットの三次元的な形態(エッチピットの間隔、径、長さ等)の制御効率が著しく高められる。
即ち、本実施形態のアルミニウム材に対して、エッチピットの起点分布を制御することにより、エッチピットが均一な間隔で分布し、かつピット径も大きく長さも長く揃った状態となり、大きな拡面率による高静電容量が得られることになる。
このような効果を発揮するためには、全てのエッチピットが予め付与された起点に形成される必要はなく、少なくとも30%以上のエッチピットが予め付与された起点に形成されていればよい。また、静電容量の増大を図るためには、エッチング後の表面積はエッチング前の投影面積の10倍以上となされていることが好ましい。
なお、スポンジエッチングされる低圧用途の場合には、芯層、外層の組織に関する要件は必ずしも必要ではない。また、静電容量の増大を図るためには、エッチング後の表面積はエッチング前の投影面積の50倍以上となされている必要があり、エッチピット形成部に被覆される誘電体皮膜の厚さは平均で0.5μm以下とするのがよい。0.5μmを超える平均厚さでは、化成皮膜により微細なスポンジエッチング層が埋められ、電解質の含侵の妨げとなったり、化成皮膜の成長の際に消費されるアルミニウムの量が多すぎてスポンジエッチング層が分断され、無効ピット(Deth Pit)となってしまう恐れがある。
次に、この発明の具体的実施例について説明する。
[実施例1〜31(表4、表5)][比較例2〜4(表5)]
半連続鋳造法にて作製した表1〜3に示す各種組成(残部はAl)からなる厚さ200mm×幅750mm×長さ1200mmのアルミニウム鋳塊を590℃×20時間の条件にて均質化処理後、片面12.5mmの面削を施し、厚さ175mmとした。
次いで、芯層に用いるアルミニウム材については、開始温度550℃にて熱間圧延を実施し、厚さ50mmの熱間圧延板を作製し、長さが1250mmになるように切断した。
さらに、表4及び表5の「組成/構成」の項目に示す組合せで、芯層用アルミニウム材の両面に外層用アルミニウム材を重ね合わせたのち(総厚で400mm)、開始温度550℃にて熱間圧延を開始し、厚さ10mmの熱間圧延板を得た。引き続き冷間圧延を施したのち、表4及び5に示す条件にて中間焼鈍、付加的圧延、最終焼鈍を実施して、厚さ0.12mmの電解コンデンサ電極用アルミニウム箔とした。
なお、得られたアルミニウム箔において、芯層の厚さは0.015mmであり、総厚の12.5%であった。
[実施例32〜35(表5)]
半連続鋳造法にて作製した表1に示す丸数字3の組成からなる厚さ160mm×幅750mm×長さ1200mmのアルミニウム鋳塊を、590℃×20時間の条件にて均質化処理後、片面10.0mmの面削を施し、厚さ140mmとした。
一方、芯層に用いる表1の丸数字7の組成からなるアルミニウム材については、半連続鋳造法にて作製した厚さ160mm×幅750mm×長さ1200mmのアルミニウム鋳塊を590℃×20時間の条件にて均質化処理後、片面20.0mmの面削を施し、厚さ120mmとした。
そして、表5の「組成/構成」の項目に示す組合せで、芯層用アルミニウム材の両面に外層用アルミニウム鋳塊を重ね合わせたのち(総厚で400mm)、開始温度550℃にて熱間圧延を開始し、厚さ10mmの熱間圧延板を得た。引き続き冷間圧延を施したのち、表5に示す条件にて中間焼鈍、引張歪付与、最終焼鈍を実施して、厚さ0.15mmの電解コンデンサ電極用アルミニウム箔とした。
なお、得られたアルミニウム箔において、芯層の厚さは0.045mmであり、総厚の30%であった。
[比較例1(表5)]
半連続鋳造法にて作製した表1の丸数字1に示す組成からなる厚さ420mm×幅750mm×長さ1200mmのアルミニウム鋳塊を、590℃×20時間の条件にて均質化処理した後、片面10.0mmの面削を施し、厚さ400mmとした。
次いで、開始温度550℃にて熱間圧延を開始し、厚さ10mmの熱間圧延板を得た。
引き続き冷間圧延を施したのち、表5に示す条件にて最終焼鈍を実施して、厚さ0.12mmの電解コンデンサ電極用アルミニウム箔とした。
[実施例36(表6)]
半連続鋳造法にて作製した表1に示す丸数字1の組成からなる厚さ160mm×幅750mm×長さ1200mmのアルミニウム鋳塊を590℃×20時間の条件にて均質化処理後、片面10.0mmの面削を施し、厚さ140mmとした。
一方、芯層に用いる表1の丸数字7の組成からなるアルミニウム材については、半連続鋳造法にて作製した厚さ160mm×幅750mm×長さ1200mmのアルミニウム鋳塊を590℃×20時間の条件にて均質化処理後、片面20.0mmの面削を施し、厚さ120mmとした。
そして、表6の「組成/構成」の項目に示す組合せで、芯層用アルミニウム材の両面に外層用アルミニウム鋳塊を重ね合わせたのち(総厚で400mm)、開始温度550℃にて熱間圧延を開始し、厚さ10mmの熱間圧延板を得た。引き続き冷間圧延を施したのち、表6に示す条件にて最終焼鈍を実施して、厚さ0.15mmの電解コンデンサ電極用アルミニウム箔とした。
なお、得られたアルミニウム箔において、芯層の厚さは0.045mmであり、総厚の30%であった。
[比較例5(表6)]
半連続鋳造法にて作製した表1の丸数字1に示す組成からなる厚さ420mm×幅750mm×長さ1200mmのアルミニウム鋳塊を、590℃×20時間の条件にて均質化処理した後、片面10.0mmの面削を施し、厚さ400mmとした。
次いで、開始温度550℃にて熱間圧延を開始し、厚さ10mmの熱間圧延板を得た。
引き続き冷間圧延を施したのち、表6に示す条件にて最終焼鈍を実施して、厚さ0.15mmの電解コンデンサ電極用アルミニウム箔とした。

上記で得られた実施例1〜35、比較例1〜4の各アルミニウム箔について、下記の方法により、芯層、外層の各結晶方位占有率Score =[SCube+SGoss]/[SBrass+SC+SS]、Sskin =SCube、芯層と外層のSc、Zr、Vの濃度比、芯層の結晶粒界間隔、芯層と外層の硬さ比、静電容量(直流エッチング評価)、耐折強度、漏れ電流を調べた。
また、実施例36、比較例5については、静電容量(交流エッチング評価)、耐折強度、漏れ電流を調べた。
<結晶方位計測条件>
芯層、外層の各結晶方位占有率Score =[SCube+SGoss]/[SBrass+SC+SS]、Sskin =SCubeの計測は、ショットキー電界放出型走査電子顕微鏡とEBSP(Electron Backscattering Pattern)法を組み合わせて実施した。
まず、図1に示すように、サンプルを圧延面(ND方向)と圧延方向(RD方向)に共に垂直な縦断面(TD方向)が試料表面となるように切り出し、この表面を研磨して観察用試料1とした。図1において、2は芯層、3は外層である。
この観察用試料1について、測定範囲100μm×150μm、測定間隔1.0μmにてEBSP解析を実施した。解析データは、圧延面(ND方向)と圧延方向(RD方向)から見た方位成分にベクトル変換し、SCube、SGoss、SBrass、SC、SSの各々の方位成分に対して、方位差10度以内はその方位成分に含まれるものとして、測定面積に対する各方位成分の占有率を計算した。
なお、芯層の結晶方位占有率Score =[SCube+SGoss]/[SBrass+SC+SS]と、外層の結晶方位占有率Sskin =SCubeはそれぞれ別々に計算した。
<芯層/外層の元素濃度比評価方法>
芯層については、液温が50℃の5%NaOHを用い、所定の時間浸漬することで芯層のみとしたサンプルを用い、ICP発光分光分析により、Sc、Zr、Vの各濃度を測定し、それぞれの濃度の和Ccore(Sc+Zr+V)を求めた。
外層については、片面をマニキュアにてマスクした上で液温が50℃の5%NaOHを用い、所定の時間浸漬することで外層のみとしたサンプルを用い、芯層と同様にしてSc、Zr、Vの濃度の和Cskin(Sc+Zr+V)を求め、Ccore(Sc+Zr+V)/Cskin(Sc+Zr+V)を計算により求めた。なお、各層については、断面観察により各層厚さの約80%の領域となるように浸漬時間を決定し、ICP発光分光分析に供した。
<芯層の結晶粒界間隔>
結晶方位占有率測定用サンプルと同様の方法で、TD方向が試料表面となるように切り出し、研磨した観察用試料について、バーカー氏液(3±1%ホウフッ化水素酸水溶液)を用い、液温27〜30℃、印加電圧30Vで45秒間陽極酸化処理を施し、偏光顕微鏡により組織観察を実施した。結晶粒界間隔は、圧延面に直角な任意の直線を引き、芯層の任意の結晶粒に対し結晶粒界と交わる交点間の距離を測定して求めた。サンプリング数は20点としてその平均値を結晶粒界間隔とした。
<芯層/外層の硬さ比評価方法>
結晶方位占有率測定用サンプルと同様の方法で、TD方向が試料表面となるように切り出し、研磨した観察用試料について、マイクロビッカース硬度計を用いてJIS Z 2244に準じた方法で、芯層の硬さHvcoreと外層の硬さHvskinを別々に計測し、その比Hvskin/Hvcoreを計算により求めた。
<直流エッチング評価方法、漏れ電流>
1.0mol/LのHClと3.5mol/LのH2S04の混合液を用い、液温80℃で30secの浸漬処理を施した後、電流密度0.2A/cm2で120secの一次電解処理を施した。更に同組成の液にて、90℃で900secのケミカルエッチングを施し、水洗、乾燥してエッチングを完了した。次いで、10%硼酸浴500Vで化成処理を行い、続いて、室温にて8%ホウ酸アンモニウム溶液中でLCRメータを用いて周波数120Hzにて静電容量を測定した。
なお、漏れ電流については、化成処理終了後の電流値を測定して、漏れ電流とした。
エッチングにより、実施例1〜35の各アルミニウム箔の表面積は、エッチング前の投影面積の25〜35倍となっていた。また、表面に形成された誘電体皮膜の平均膜厚は、0.6〜0.9μmであった。
<交流エッチング評価>
エッチング液として1.0mol/LのHClと0.02mol/LのH2S04の混合液を用い、液温55℃、正弦波交流30Hz、電流密度AC0.3A/cm2(片面)、時間300secの条件でエッチング処理を行った。
さらに、リン酸アンモニウム水溶液(1.5g/L)中にて、電流密度5mA/cm2、20V×10minの条件で化成処理し、500℃×5min大気中にて加熱処理を実施し、その後、同じ条件で5minの再化成を施して誘電体酸化皮膜を形成した。
続いて、室温にて8%ホウ酸アンモニウム溶液中でLCRメータを用いて周波数120Hzにて静電容量を測定した。
なお、漏れ電流については、化成処理終了後の電流値を測定して、漏れ電流とした。
交流エッチングにより、実施例36のアルミニウム箔の表面に形成された誘電体皮膜の平均膜厚は、0.03μmであった。
<耐折強度>
JIS P 8115に規定されたM.I.T形試験器を用い、折り曲げ面の曲率半径は1mmφ、荷重は2.5Nとした。また、折り曲げ角度を90度とし、90度曲げて1回目、元に戻して2回目、反対側に90度曲げて3回目、さらに元に戻して4回目とカウントした。折り曲げの繰り返し速度は、6回/秒とした。

以上により得られた結果を、表4〜表6に示す。なお、表4及び表5の実施例1〜35、比較例1〜4の静電容量、耐折強度、漏れ電流については、比較例4の静電容量、耐折強度、漏れ電流をそれぞれ100として、表6の実施例36、比較例5の静電容量、耐折強度、漏れ電流については、比較例5の静電容量、耐折強度、漏れ電流をそれぞれ100として、相対的に評価した。
上記各表から理解されるように、本発明の要件を満たす各実施例は、比較例よりも静電容量が大きく、耐折強度にも優れており、かつ漏れ電流が少ないことがわかる。
Figure 2012062576
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1 観察用試料1(アルミニウム材)
2 芯層
3 外層

Claims (18)

  1. 総厚の5%以上40%以下を占める芯層の少なくとも片面に外層が積層されてなるとともに、
    前記芯層は、アルミニウムの純度が99.3質量%以上であって、Si;0.0005質量%以上0.03質量%以下、Fe;0.0005質量%以上0.03質量%以下、Cu;0.0005質量%以上0.015質量%以下、Mn;0.00003質量%以上0.001質量%以下、Mg;0.00003質量%以上0.005質量%以下、Zn;0.00003質量%以上0.005質量%以下、Ti;0.00003質量%以上0.001質量%以下、Cr;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Ni;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Ga;0.00003質量%以上0.008質量%以下、B;0.00003質量%以上0.002質量%以下、V;0.00003質量%以上0.05質量%以下、Sc;0.005質量%以上0.1質量%以下、Zr;0.005質量%以上0.2質量%以下を含有し、かつ材料表面から見た結晶方位成分のうち、ずれ角が10度以下の結晶方位成分を有する結晶組織の面積占有率が、
    0.02≦[SCube+SGoss]/[SBrass+SC+SS]≦0.35
    (ただし、SCubeは立方体方位{100}<001>、SGossはGoss方位{110}<001>、SBrassはBrass方位{110}<112>、SCはC方位{112}<111>、SSはS方位{123}<634> なる各結晶方位成分を示す)であり、
    前記外層は、アルミニウムの純度が99.6質量%以上で、かつ材料表面から見た立方体方位{100}<001>からのずれ角が10度以下の結晶方位成分を有する結晶組織の面積占有率SCubeが80%以上であることを特徴とする電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
  2. 前記外層は、Si;0.0005質量%以上0.03質量%以下、Fe;0.0005質量%以上0.03質量%以下、Cu;0.0005質量%以上0.015質量%以下、Mn;0.00003質量%以上0.001質量%以下、Mg;0.00003質量%以上0.005質量%以下、Zn;0.00003質量%以上0.005質量%以下、Ti;0.00003質量%以上0.001質量%以下、Cr;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Ni;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Ga;0.00003質量%以上0.005質量%以下、B;0.00003質量%以上0.002質量%以下、V;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Sc;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Zr;0.00003質量%以上0.003質量%以下を含有する請求項1に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
  3. 前記芯層は、Y;0.00003質量%以上0.03質量%以下、La;0.00003質量%以上0.03質量%以下、Ce;0.00003質量%以上0.03質量%以下の少なくとも1種をさらに含有する請求項1に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
  4. 前記外層は、Pb;0.00003質量%以上0.0003質量%以下、Sn;0.0003質量%以上0.003質量%以下、Bi;0.00001質量%以上0.00015質量%以下、Sb;0.0002質量%以上0.002質量%以下を少なくとも一種含有する請求項2に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
  5. 芯層のScとZr,Vの濃度の和Ccore(Sc+Zr+V)とエッチングに供される外層のScとZr,Vの濃度の和Cskin(Sc+Zr+V)とが、
    5≦Ccore(Sc+Zr+V)/Cskin(Sc+Zr+V)≦500
    なる関係を有する請求項1〜4のいずれかに記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
  6. 芯層の厚さ方向における平均結晶粒界の間隔が20μm以下である請求項1〜5のいずれかに記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
  7. 芯層の硬さHvcoreと外層の硬さHvskinの比(Hvskin/Hvcore)が0.2以上0.8以下である請求項1〜6のいずれかに記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
  8. アルミニウムの純度が99.3質量%以上であって、Si;0.0005質量%以上0.03質量%以下、Fe;0.0005質量%以上0.03質量%以下、Cu;0.0005質量%以上0.015質量%以下、Mn;0.00003質量%以上0.001質量%以下、Mg;0.00003質量%以上0.005質量%以下、Zn;0.00003質量%以上0.005質量%以下、Ti;0.00003質量%以上0.001質量%以下、Cr;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Ni;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Ga;0.00003質量%以上0.008質量%以下、B;0.00003質量%以上0.002質量%以下、V;0.00003質量%以上0.05質量%以下、Sc;0.005質量%以上0.1質量%以下、Zr;0.005質量%以上0.2質量%以下を有する芯層の少なくとも片面に、
    Si;0.0005質量%以上0.03質量%以下、Fe;0.0005質量%以上0.03質量%以下、Cu;0.0005質量%以上0.015質量%以下、Mn;0.00003質量%以上0.001質量%以下、Mg;0.00003質量%以上0.005質量%以下、Zn;0.00003質量%以上0.005質量%以下、Ti;0.00003質量%以上0.001質量%以下、Cr;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Ni;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Ga;0.00003質量%以上0.005質量%以下、B;0.00003質量%以上0.002質量%以下、V;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Sc;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Zr;0.00003質量%以上0.003質量%以下を有する外層を積層した後、熱間圧延及び冷間圧延を実施し、ついで最終焼鈍を実施するに際し、
    前記熱間圧延から最終焼鈍までに、200℃以上300℃以下、30分以上6時間以下の条件で少なくとも1回の中間焼鈍を実施するとともに、前記最終焼鈍を430℃以上500℃未満、30分以上6時間以下の条件にて実施することを特徴とする電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
  9. 前記芯層は、Y;0.00003質量%以上0.03質量%以下、La;0.00003質量%以上0.03質量%以下、Ce;0.00003質量%以上0.03質量%以下の少なくとも1種をさらに含有する請求項8に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
  10. 前記外層は、Pb;0.00003質量%以上0.0003質量%以下、Sn;0.0003質量%以上0.003質量%以下、Bi;0.00001質量%以上0.00015質量%以下、Sb;0.0002質量%以上0.002質量%以下なる元素を少なくとも一種含有する請求項8に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
  11. 中間焼鈍と最終焼鈍の間に、圧下率8%以上30%以下の冷間圧延または中間焼鈍温度を超えない温間圧延による付加的歪付与を実施する請求項1〜10のいずれかに記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
  12. 中間焼鈍と最終焼鈍の間に、加工率5%以上15%以下の冷間での引張変形または中間焼鈍温度を超えない温度での引張変形による付加的歪付与を実施する請求項1〜10に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
  13. 請求項1〜7のいずれかに記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材にエッチングが施されることにより、表面積がエッチング前の投影面積の10倍以上となされていることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用陽極材。
  14. エッチピット形成部に、平均膜厚0.1μm以上の誘電体皮膜が形成されている請求項13に記載のアルミニウム電解コンデンサ用陽極材。
  15. 請求項1〜7の電解コンデンサ電極用アルミニウム材にエッチング処理を施すに際し、少なくとも30%以上のエッチピットを、アルミニウム材の表面にあらかじめ付与された起点によって生じさせることを特徴とする電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
  16. 総厚の5%以上40%以下を占める芯層の少なくとも片面に外層が積層されてなるとともに、
    前記芯層は、アルミニウムの純度が99.3質量%以上であって、Si;0.0005質量%以上0.05質量%以下、Fe;0.0005質量%以上0.05質量%以下、Cu;0.0005質量%以上0.015質量%以下、Mn;0.00003質量%以上0.001質量%以下、Mg;0.00003質量%以上0.005質量%以下、Zn;0.00003質量%以上0.005質量%以下、Ti;0.00003質量%以上0.001質量%以下、Cr;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Ni;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Ga;0.00003質量%以上0.008質量%以下、B;0.00003質量%以上0.002質量%以下、V;0.00003質量%以上0.05質量%以下、Sc;0.005質量%以上0.1質量%以下、Zr;0.005質量%以上0.2質量%以下を含有し、
    前記外層は、アルミニウムの純度が99.6質量%以上で、Si;0.0005質量%以上0.05質量%以下、Fe;0.0005質量%以上0.05質量%以下、Cu;0.0005質量%以上0.015質量%以下、Mn;0.00003質量%以上0.001質量%以下、Mg;0.00003質量%以上0.005質量%以下、Zn;0.00003質量%以上0.005質量%以下、Ti;0.00003質量%以上0.001質量%以下、Cr;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Ni;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Ga;0.00003質量%以上0.005質量%以下、B;0.00003質量%以上0.002質量%以下、V;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Sc;0.00003質量%以上0.003質量%以下、Zr;0.00003質量%以上0.003質量%以下を含有することを特徴とする交流エッチング用のアルミニウム電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
  17. 請求項16に記載の交流エッチング用のアルミニウム電解コンデンサ電極用アルミニウム材に交流エッチングが施されるとともに、エッチピット形成部に、平均膜厚0.5μm以下の誘電体皮膜が形成されていることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用陽極材。
  18. 電極材として、請求項13、14、17のいずれかに記載の陽極材が用いられていることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ。
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