JP2004076059A - 電解コンデンサ陰極用アルミニウム合金箔及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】Si:0.15〜0.25%(重量%、以下同じ)、Fe:0.35〜0.70%、Cu:0.10〜0.50%、Mn:0.2〜2.0%を含有し、残部Al及び不可避不純物からなり、且つFe/Si:1.5〜3.0であることを特徴とする電解コンデンサ陰極用アルミニウム合金箔とする。
【効果】高容量、高強度の電解コンデンサ陰極用箔が得られる。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電解コンデンサとして使用した場合に高い静電容量と高い機械的強度を持つアルミニウム合金箔に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術としては、特公昭44−25016のように低純度Al箔にCuを添加させたAl合金や、特開昭51−97518のようにFe量を低く規制した合金が提案されているが、静電容量、強度は十分なものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
Fe、Mn量共に多くし、Al−Fe−Mn系化合物を適度に分散させることで従来材以上の静電容量、強度が得られる合金、製造方法を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明の電解コンデンサ陰極用アルミニウム合金箔のうち、請求項1記載の発明は、Si:0.15〜0.25%(重量%、以下同じ)、Fe:0.35〜0.70%、Cu:0.10〜0.50%、Mn:0.2〜2.0%を含有し、残部Al及び不可避不純物からなり、且つ、Fe/Si:1.5〜3.0であることを特徴とする。
【0005】
請求項2記載の電解コンデンサ陰極用アルミニウム合金箔の発明は、請求項1記載の発明において、さらに、Mg:0.001〜2.0%、Zn:0.001〜0.5%の1種又は2種を含有することを特徴とする。
【0006】
請求項3記載の電解コンデンサ陰極用アルミニウム合金箔の製造方法の発明は、請求項1又は2記載の合金を熱間圧延後、中間焼鈍まで圧延率80〜95%の冷間圧延を行い、300〜500℃の中間焼鈍を行い、最終冷間圧延を行うことを特徴とする。
【0007】
以下に本発明で限定する事項について説明する。
Si:0.15〜0.25%
SiはAl−Fe−Mn系化合物の過剰析出を抑制する作用があるが、0.15%未満ではその作用が十分発揮されず好ましくない。0.25%を越えると純度低下による過溶解が生じ好ましくない。
【0008】
Fe:0.35〜0.70%
Feは強度向上及び低純度化に最も影響の大きい元素である。0.35%未満では強度向上への寄与が不十分、且つコストメリットがなく好ましくない。0.70%を越えると純度低下による過溶解を生じ好ましくない。
【0009】
Cu:0.10〜0.50%
Cuはマトリックス中に固溶し易く、マトリックスの腐食電位を高め、化学溶解を促進し、拡面率に寄与するために添加する。0.10%未満では後述するAl−Fe−Mn系化合物とマトリックスとの電位差が大きくなり局部溶解が起こり好ましくない。0.50%を越えると化学溶解が進行し過ぎ、過溶解を引き起こす。
【0010】
Mn:0.2〜2.0%
MnはAl−Fe−Mn系化合物を形成し、マトリックスとの電位差を作り、ピットの起点となる作用があるので添加する。0.2%未満ではAl−Fe−Mn系化合物の分散析出が少なく、満足なエッチング形態が得られない。2.0%を越える場合は析出分散した化合物の粒度が大きくなりすぎ、粗大且つ不均一なエッチング形態となる。
【0011】
Fe/Si:1.5〜3.0
Fe/Si:1.5〜3.0が好ましいのはAl−Fe−Mn系化合物が適度に分散し均一なエッチング形態になるためである。1.5未満ではFeに対するSiの割合が高く、析出を抑制するのでAl−Fe−Mn系化合物の析出が不十分で、適度な起点が得られないので好ましくない。3.0を越えると析出を抑制する作用が小さくなるのでAl−Fe−Mn系化合物の析出が多く、局部溶解を生じさせる為好ましくない。好ましくは2.0〜2.5である。
【0012】
Mg:0.001〜2.0%、Zn:0.001〜0.5%
機械的強度向上のために添加する。共に0.001%未満では効果が薄い。Mgは2.0%を越えると局部溶解を引き起こすので好ましくない。Znは0.5%を越えるとMg同様、局部溶解を引き起こすので好ましくない。
【0013】
中間焼鈍までの冷間圧延率80〜95%
後の中間焼鈍でAl−Fe−Mn系化合物の析出を引き起こす駆動力であり、80%未満では十分な析出が得られない。95%を越えると最終箔厚までの冷延率が不十分となり、強度が確保できない。
【0014】
中間焼鈍300〜500℃
Al−Fe−Mn系化合物を析出させるためであり、300℃未満では効果が薄い。500℃を越えると析出したFeが再固溶し、十分な析出状態が確保できなくなる。なお、処理はバッチ式でも連続焼鈍炉でもよいが、連続焼鈍炉で行った方が強度が高くなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施形態を説明する。
本発明では、常法により溶解、鋳造、熱間圧延を行い、中間焼鈍まで圧延率80〜95%の冷間圧延を行い、300〜500℃の中間焼鈍を行い、最終冷間圧延を行うのが好ましい。
上記工程を終えて得られたアルミニウム箔には、表面の粗面化処理、所定の化成処理が行われる。
なお、粗面化処理、化成処理条件については本発明は特に限定されるものではなく、例えば常法により行うことができる。
【0016】
【実施例】
表1に示す組成の合金を溶解鋳造し、熱間圧延で板厚7mmに仕上げた。続いて冷間圧延を表1の板厚まで行った。そして連続焼鈍炉で表1の温度で中間焼鈍を行った。ついで最終板厚0.04mmまで冷延した。次に液温80℃の0.5M硫酸と1.0M塩酸の混酸中で60秒浸漬させた後、85℃のアジピン酸アンモニウム溶液中で3V化成後、静電容量を測定した。静電容量は従来例1を100としたときの相対比較で行った。また、強度の指標として最終冷延後の引張り強さを測定し、従来例1を100としたときの相対比較で表わした。
【0017】
【表1】
【0018】
表1から明らかなように本発明材は比較材、従来材より静電容量、引張強さ共に優れることがわかる。比較例1は中間焼鈍までの冷延率が低い、比較例2は中間焼鈍温度が低いため、Al−Fe−Mn系化合物の分散析出が少なく、静電容量が低い。比較例3はZnが多すぎ、比較例4はCuが多すぎ、比較例5はMnが多すぎ、比較例6はFe/Siが高すぎて静電容量が低い。比較例7は中間焼鈍までの冷延率が高すぎて最終冷延率が低いので引張強さが低い。従来例1はFe/Siが低すぎて実施例より静電容量が低い。従来例2はFeが少ないので引張強さが低い。
【0019】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の合金、製造方法によれば高容量、高強度の電解コンデンサ陰極用アルミニウム箔が得られる。
Claims (3)
- Si:0.15〜0.25%(重量%、以下同じ)、Fe:0.35〜0.70%、Cu:0.10〜0.50%、Mn:0.2〜2.0%を含有し、残部Al及び不可避不純物からなり、且つ、Fe/Si:1.5〜3.0であることを特徴とする電解コンデンサ陰極用アルミニウム合金箔。
- さらに、Mg:0.001〜2.0%、Zn:0.001〜0.5%の1種又は2種を含有することを特徴とする請求項1記載の電解コンデンサ陰極用アルミニウム合金箔。
- 請求項1又は2記載の合金を熱間圧延後、中間焼鈍まで圧延率80〜95%の冷間圧延を行い、300〜500℃の中間焼鈍を行い、最終冷間圧延を行うことを特徴とする電解コンデンサ陰極用アルミニウム合金箔の製造方法。
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