JP4098922B2 - アルミニウムクラッド材および電解コンデンサ電極用アルミニウム箔 - Google Patents
アルミニウムクラッド材および電解コンデンサ電極用アルミニウム箔 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、アルミニウムクラッド材および電解コンデンサ電極用アルミニウム箔に関する。
【0002】
なお、この明細書において、「アルミニウム」の語はアルミニウムおよびその合金の両者を含む意味で用いられる。
【0003】
【従来の技術】
アルミニウム電解コンデンサ電極材として用いられるアルミニウム箔には、その実行面積を拡大して単位面積当たりの静電容量を増大するため、電気化学的あるいは化学的エッチング処理が施される。特に、製品のダウンサイジングに伴う部品の小型化要求から、高静電容量化へのニーズがますます高まっている。
【0004】
しかし、箔のエッチング密度を上げたり、エッチング層を厚くするといった方法では耐折強度が著しく低下してエッチングライン中での箔の破断の問題が生じる。また、誘電体皮膜を付与するための化成処理を行うと箔の折り曲げ強度は著しく低下し、化成ライン中あるいは電解コンデンサとして巻き取る際に破断を生じる。また一方で、近年、静電容量の向上を目的としたエッチング特性の改善や立方体方位占有率の確保のために材料中のFe、Siを低減させる、即ち高純度化する傾向にあり、箔強度はさらに低下するため、耐折強度の確保は重要な課題となっている。
【0005】
この課題に対し、従来より、箔を芯層の両面に外層を設けた三層構造とし、エッチングされる外層のエッチングピットの芯層への成長を阻止して芯層の厚さを確保して耐折強度を確保する方法が種々提案されている。
【0006】
例えば、特開昭51−113154号公報においては、芯層を外層よりもFe含有量の多いアルミニウム材料で構成し、エッチングピットの成長を芯層に含まれるAl−Fe系の金属間化合物によって阻止することが開示されている。また、特開昭62−47110号公報においては、芯層を外層よりも純度の低いアルミニウム材料で構成することによりエッチングピットの成長を阻止することが開示されている。さらに、本出願人は特開平4−120235号公報において、芯層を(100)面以外の結晶面占有率が40%以上のアルミニウム層とすることによりエッチングピットの芯層への成長を阻止することを提案している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の方法では、十分な耐折強度が得られなかったり、粗大な金属間化合物により化成時に十分な化成皮膜が形成されないといった問題点があり、要望される高静電容量化と耐折強度の向上に十分応えるには至っていない。
【0008】
この発明は、このような技術背景に鑑み、エッチング特性に優れて高静電容量を実現できるとともに、耐折強度にも優れた電解コンデンサ電極用アルミニウム箔、および箔の材料となるアルミニウムクラッド材の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明の各アルミニウムクラッド材は、前記目的を達成するために、所定量のScおよびZrを所定比率で含有する強化層を有し、さらにはエッチング層となる外層およびインサート層がクラッドされたものである。
【0010】
即ち、請求項1のアルミニウムクラッド材は、少なくとも一層に、Al:99.60wt%以上を含むとともに、ScおよびZrを、Sc:10ppm以上1000ppm未満、Zr:10ppm以上2000ppm未満で、かつ−400ppm<2Sc−Zr<950ppmを満足する比率で含み、残部が不純物からなる強化層がクラッドされてなることを特徴とする。
【0011】
請求項2のアルミニウムクラッド材は、少なくとも一層に、Al:99.60wt%以上を含むとともに、ScおよびZrを、Sc:10ppm以上1000ppm未満、Zr:10ppm以上2000ppm未満で、かつ−400ppm<2Sc−Zr<950ppmを満足する比率で含み、残部が不純物からなる強化層がクラッドされ、さらに前記強化層の少なくとも片面に、外層がクラッドされてなるアルミニウムクラッド材であって、前記外層は、Al:99.80wt%以上を含むとともに、Fe:5〜60ppm、Si:5〜80ppmおよびCu:5〜150ppmを含み、残部が不純物からなるアルミニウム合金により構成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項3のアルミニウムクラッド材は、少なくとも一層に、Al:99.60wt%以上を含むとともに、ScおよびZrを、Sc:10ppm以上1000ppm未満、Zr:10ppm以上2000ppm未満で、かつ−400ppm<2Sc−Zr<950ppmを満足する比率で含み、残部が不純物からなる強化層がクラッドされ、さらに前記強化層の少なくとも片面に、インサート層を介して外層がクラッドされたアルミニウムクラッド材であって、前記外層は、Al:99.80wt%以上を含むとともに、Fe:5〜60ppm、Si:5〜80ppmおよびCu:5〜150ppmを含み、残部が不純物からなるアルミニウム合金により構成され、前記インサート層は、Al:99.80wt%以上を含むとともに、Fe、Si、Cuのうちの一種以上の元素が前記外層におけるよりも低濃度で含有し、残部が不純物からなるアルミニウム合金により構成されていることを特徴とする。
【0013】
この発明の電解コンデンサ電極用アルミニウム箔は、前述の強化層を有するアルミニウムクラッド材を箔圧延したものである。
【0014】
即ち、請求項4〜6の電解コンデンサ電極用アルミニウム箔は、Al:99.60wt%以上を含むとともに、ScおよびZrを、Sc:10ppm以上1000ppm未満、Zr:10ppm以上2000ppm未満で、かつ−400ppm<2Sc−Zr<950ppmを満足する比率で含み、残部が不純物からなる強化層の少なくとも片面に、アルミニウムからなるエッチング層がクラッドされてなることを基本的特徴とする。前記エッチング層は、アルミニウム純度99.80wt%以上の高純度アルミニウム、またはAl:99.80wt%以上を含むとともに、Fe:5〜60ppm、Si:5〜80ppmおよびCu:5〜150ppmを含み、残部が不純物からなるアルミニウム合金により構成されていることが好ましい。
【0015】
また、請求項7の電解コンデンサ電極用アルミニウム箔は、Al:99.60wt%以上を含むとともに、ScおよびZrを、Sc:10ppm以上1000ppm未満、Zr:10ppm以上2000ppm未満で、かつ−400ppm<2Sc−Zr<950ppmを満足する比率で含み、残部が不純物からなる強化層の少なくとも片面に、インサート層を介してエッチング層がクラッドされたアルミニウム箔であって、前記エッチング層は、Al:99.80wt%以上を含むとともに、Fe:5〜60ppm、Si:5〜80ppmおよびCu:5〜150ppmを含み、残部がAl不純物からなるアルミニウム合金で構成され、前記インサート層は、Al:99.80wt%以上を含むとともに、Fe、Si、Cuのうちの一種以上の元素が前記エッチング層におけるよりも低濃度で含有し、残部が不純物からなるアルミニウム合金により構成されていることを特徴とする。
【0016】
さらに、前記各電解コンデンサ電極用アルミニウム箔において、エッチング層は、表面から深さ0.1μmの表層部において、Pb:5〜1000ppmまたはSn:25〜5000ppmの少なくとも1種を含有すること、あるいはエッチング層は、箔表面において、立方体方位{001}〈100〉からのずれ角が10°以下の結晶粒が80%以上を占めることが好ましい。
【0017】
この発明の全てアルミニウムクラッド材および電解コンデンサ電極用アルミニウム箔において、強化層は高純度のアルミニウムマトリックスに極微量のScおよびZrを所定比率で添加して微細なAl−Sc−Zr系金属間化合物を析出させることにより強度および伸びを確保している。Al−Sc−Zr系金属間化合物は、Sc、Zrの単体、あるいはAl3 Sc、Al3 Zrよりも再結晶を遅延させる効果が大きく、ScおよびZrをそれぞれ単独で添加した合金に比べて相乗的に強度を向上させることができる。また、再結晶後も結晶粒が微細であり伸びも良い。
【0018】
一般に、電極用高純度アルミニウム箔は、エッチング後の乾燥工程や化成処理工程において300℃以上の高温雰囲気に曝される。このとき、硬質箔であっても軟化や再結晶が起こり強度が低下する。また、軟質箔の場合は、Al純度が高いために結晶粒径が大きくなり、板厚方向の結晶粒の数が減少して伸びや耐折強度が低下する。このような現象に対し、Al中に極微量のScおよびZrを所定比率で添加することで最終焼鈍後の再結晶を遅延させ、且つ微細粒に再結晶させて、再結晶後も強度や伸びを維持することができる。そして、ScおよびZrが添加された強化層をエッチング層にクラッドさせることにより、エッチング特性を損なうことなく、強度や伸びに優れたアルミニウム箔とすることができる。
【0019】
前記強化層の化学組成において、Al純度は、不純物量を規制して過溶解によるエッチング特性の低下を防ぐために、99.60wt%以上とする必要がある。
【0020】
また、ScおよびZrの添加意義と含有量の限定理由は、次のとおりである。
【0021】
Scは、上述したように最終焼鈍後の再結晶、換言すれば軟化を遅延させ、かつ再結晶後も結晶粒を微細化し、合金の強度と伸びの向上に寄与する。前記効果を得るために、Sc含有量は10ppm以上必要であり、一方1000ppm以上ではAl含有量の99.60wt%以上を確保して高純度アルミニウムの特性を維持することが困難となるし、コスト的にも不利である。Sc含有量は10ppm以上500ppm未満が好ましく、特に50ppm以上500ppm未満が好ましい。
【0022】
Zrは、Scと同様に再結晶の遅延と結晶粒の微細化により、合金の強度と伸びの向上に寄与する。前記効果を得るために、Zr含有量は10ppm以上必要であり、一方2000ppm以上ではAl含有量の99.60wt%以上を確保して高純度アルミニウムの特性を維持することが困難となる。Zr含有量は10ppm以上500ppm未満が好ましく、特に50ppm以上500ppm未満が好ましい。
【0023】
ScおよびZrの各含有量を上記範囲に規定した上で、さらにこれらの元素を−400ppm<2Sc−Zr<950ppmを満足する比率とする。ScおよびZrを前記比率で添加することにより、Al−Sc−Zr系金属間化合物を効率良く形成して析出させ、これらの相乗効果を助長することができる。前記比率を外れると、Sc、Zrが単独、またはAl3 ScやAl3 Zrとして存在する量が多くなって、Al−Sc−Zr系析出物によるSc、Zrの相乗効果を十分に得ることができない。
【0024】
請求項1のアルミニウムクラッド材は、少なくとも一層に前記強化層を有するるものであって、他の層の組成は限定しない。
【0025】
また、請求項2のアルミニウムクラッド材は、少なくとも一層に前記強化層を有し、該強化層の少なくとも片面に外層をクラッドしたものであって、外層は、Al:99.80wt%以上を含むとともに、Fe:5〜60ppm、Si:5〜80ppmおよびCu:5〜150ppmを含み、残部がAl不純物からなるアルミニウム合金で構成される。外層は、圧延して箔に加工した際にエッチング層となる層であるから、不純物量を規制して過溶解によるエッチング特性の低下を防ぐために、Al純度を99.80wt%以上とする必要がある。Fe、SiおよびCuは、再結晶時の結晶粒の異常粒成長(粗大化)を抑止する目的で添加される。また、これに加え、Cuはエッチング性を向上させる効果がある。各元素の含有量は、それぞれ下限値未満では前記効果に乏しく、上限値を超えるとエッチング性を阻害し、過溶解になる。Fe含有量の好ましい下限値は8ppm、好ましい上限値は20ppmである。Si含有量の好ましい下限値は8ppm、好ましい上限値は25ppmである。Cu含有量の好ましい下限値は8ppm、好ましい上限値は80ppmである。
【0026】
請求項3のアルミニウムクラッド材は、少なくとも一層に前記強化層を有し、該強化層の少なくとも片面に、インサート層を介して前記組成の外層をクラッドしたものである。インサート層は、Al:99.80wt%以上を含むとともに、Fe、Si、Cuのうちの一種以上の元素が前記外層におけるよりも低濃度で含有し、残部が不純物からなるアルミニウム合金により構成され、前記添加元素が外層よりも低濃度で含有させることにより、エッチングの際にエッチピットが芯材となる強化層を浸食するような厚さ方向への成長を確実に阻止し、芯材の厚さを確保して耐折強度の低下を抑制して強度維持を図る。
【0027】
この発明の各電解コンデンサ電極用アルミウム箔は、前記強化層からなる芯材にエッチング層をクラッドした積層構造の箔である。これらのアルミニウム箔は、前記組成の強化層の片面あるいは両面にエッチング層となる種々のアルミニウム層をクラッドしたアルミニウムクラッド材を所要厚さに箔圧延して製造される。前記強化層の存在により箔強度が確保されるため、エッチング層の拡面率を増大させることが可能となり、高静電容量化が可能となる。
【0028】
具体的には、請求項4〜6の電解コンデンサ電極用アルミウム箔は、図1(A)に示すように、芯材となる強化層(11)の片面または両面にエッチング層(12)をクラッドした2層または3層構造の箔である。なお、図1(A)には、強化層(11)の両面にエッチング層(12)(12)をクラッドした3層構造の箔(1)を図示している。
【0029】
請求項5のアルミニウム箔は、前記エッチング層(12)としてエッチング特性の優れた99.80%以上、好ましくは99.90%以上の高純度アルミニウムを用いたものである。
【0030】
また、請求項6のアルミニウム箔は、エッチング層(12)として、Al:99.80wt%以上を含むとともに、Fe:5〜60ppm、Si:5〜80ppmおよびCu:5〜150ppmを含み、残部がAlおよび不純物からなるアルミニウム合金、即ち前記アルミニウムクラッド材における外層と同一組成であり、これらの元素の添加によりエッチング特性を改善して拡面率の向上を図る。
【0031】
請求項7の電解コンデンサ電極用アルミニウム箔は、前記組成の強化層の少なくとも片面に、インサート層を介してエッチング層がクラッドされたアルミニウム箔であって、前記エッチング層は、Al:99.80wt%以上を含むとともに、Fe:5〜60ppm、Si:5〜80ppmおよびCu:5〜150ppmを含み、残部がAl不純物からなるアルミニウム合金、即ち前記アルミニウムクラッド材における外層と同一組成構成され、前記インサート層は、Al:99.80wt%以上を含むとともに、Fe、Si、Cuのうちの一種以上の元素が前記エッチングにおけるよりも低濃度で含有し、残部が不純物からなるアルミニウム合金、即ち前記アルミニウムクラッド材におけるインサート層により構成されている。即ち、図1(B)に示すように、強化層(11)の片面または両面にインサート層(13)を介してエッチング層(12)がクラッドされた3層または5層構造の箔である。なお、図1(B)には、強化層(11)の両面にインサート層(13)を介してエッチング層(12)(12)をクラッドした5層構造の箔(2)を図示している。添加元素がエッチング層(12)よりも低濃度に含有されるインサート層(13)は、エッチングの際にエッチピットが強化層(11)への成長を確実に阻止し、芯材の厚さを確保して耐折強度の低下を抑制して強度維持を図る。
【0032】
また、上述のいずれのアルミニウム箔においても、エッチング層(12)の表面から深さ0.1μmの表層部において、PbまたはSnの少なくとも1種を含有させるものであり、これらの元素の含有によりエッチング初期にエッチピットを高密度かつ均一に分布させて発生させて拡面率を向上させる効果がある。前記効果はPb含有量が5ppm未満またはSn含有量が25ppm未満ではその効果が乏しく、一方Pb含有量が1000ppmを超えまたはSn含有量が5000ppmを超えると、表面溶解が起こり高静電容量箔を得ることができない。また、このようなPb−Sn濃化層は表面から深さ0.1μmの表層部において形成されていれば前記効果が得られる。Pb含有量の好ましい下限値は10ppm、好ましい上限値は500ppmである。Sn含有量の好ましい下限値は50ppm、好ましい上限値は2500ppmである。なお、エッチング層(12)の表層部にPb−Sn濃化層を形成する方法は、特に限定されないが、これらの元素または合金を蒸着し、あるいはさらに加熱拡散処理する方法を例示できる。
【0033】
また、上述のいずれのアルミニウム箔においても、箔の強度を確保する上で、前記エッチング層(12)は箔表面において立方体方位占有率の高い結晶組織であることが好ましい。エッチング面の立方体方位の方位差が大きいと、エッチング時に箔表面の溶解量が増し、箔厚が部分的に薄くなり、局部的な強度低下を招来するからである。さらに、箔強度を維持できることで、拡面率の増大が可能となり、高静電容量化が可能となる。このような過溶解現象は結晶粒単位で起こるため、立方体方位からのずれの大きい結晶粒はできるだけ少ないことが望ましい。具体的には、箔表面において、立方体方位{001}〈100〉からのずれ角が10°以下の結晶粒が80%以上を占めることが必要であり、特に95%以上占める時に顕著な効果が得られる。このような結晶組織は、例えば箔圧延後の熱処理によって得られ、具体的には200〜280℃×1〜48時間の熱処理を例示できる。
【0034】
なお、この発明の電解コンデンサ電極用アルミニウム箔は、箔の厚さや強化層(芯材)とエッチング層との厚さの比率を限定するものではない。芯材比率を高く設定すると耐折強度は向上するが、その反面エッチング層が相対的に薄くなって拡面率が上がらず高静電容量が得られない。逆に、エッチング層比率を高く設定すると、拡面率は向上するが耐折強度が低下する。耐折強度の向上が認められ且つ高静電容量を確保できる範囲として、片面クラッドの場合で芯材比率が10〜60%、両面クラッドの場合で5〜40%を推奨できる。また、インサート層をクラッドする場合も芯材比率は上記範囲を維持すること好ましい。
【0035】
また、請求項4〜7の電解コンデンサ電極用アルミニウム箔は、高圧用箔、低圧用箔、陰極箔のいずれにも好適に使用でき、請求項8および9は高圧用箔として好適に使用できる。
【0036】
【実施例】
次に、本発明のアルミニウムクラッド材および電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の具体的実施例について詳述する。
【0037】
(実施例1)
まず、表1に示す強化層(芯材)となる合金No.b〜fの5種類の組成のアルミニウム鋳塊に対し、面削、熱間圧延、冷間圧延を順次施してそれぞれ厚さ5mmの平板を作製した。一方、外層(エッチング層)となる合金No.aのアルミニウム鋳塊についても、同様に2.5mm、5mm、10mm、22.5mmの平板を作製した。そして、表2に示す組み合わせと芯材比率で、芯材(b〜f材)の両面にエッチング層(a材)を重ね、熱間圧延、冷間圧延、箔圧延を経て、それぞれ厚さ0.13mmの3層構造のアルミニウム箔を製作した。さらに、これらのアルミニウム箔に250℃×2時間の熱処理を施した後、厚さ0.1mmに冷間圧延し、さらに真空中で500℃×4時間の最終焼鈍を施して供試材とした。
【0038】
次に、製作した各供試材を前処理をすることなく、次の条件でエッチングを施した。
【0039】
エッチング箔について、耐折強度を測定し、エッチング層のみからなる比較例1の耐折強度を100%として相対的に評価した。また、化成処理後、静電容量を測定し、比較例1を100%として相対的に評価した。これらの結果を表2に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
(実施例2)
まず、表3に示す外層(エッチング層)となる合金No.gおよび強化層(芯材)となる合金No.kの組成のアルミニウム鋳塊に対し、面削、熱間圧延、冷間圧延を順次施してそれぞれ厚さ5mmの平板を作製した。一方、インサート層となる合金No.h〜jのアルミニウム鋳塊についても、同様に1mmの平板を作製した。そして、表4に示す組み合わせで、芯材(k材)の両面にインサート層(h〜j材)を重ね、さらにその両側をエッチング層(g材)で挟んで5層構造として幅端部を数カ所溶接して積層状態に固定した。この積層物を熱間圧延および冷間圧延してそれぞれ厚さ0.13mmのアルミニウム箔を製作した。さらに、これらのアルミニウム箔に250℃×2時間の熱処理を施した後、厚さ0.1mmに冷間圧延し、さらに真空中で500℃×4時間の最終焼鈍を施して供試材とした。
【0043】
次に、製作した各供試材を前処理をすることなく、次の条件でエッチングを施した。
【0044】
エッチング箔について、耐折強度を測定し、エッチング層のみからなる比較例11の耐折強度を100%として相対的に評価した。また、化成処理後、静電容量を測定し、比較例11を100%として相対的に評価した。これらの結果を表4に示す。
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
(実施例3)
まず、表5に示す外層(エッチング層)となる合金No.mおよび強化層(芯材)となる合金No.oのアルミニウム鋳塊に対し、面削、熱間圧延、冷間圧延を順次施してそれぞれ厚さ5mmの平板を作製した。一方、インサート層となる合金No.nのアルミニウム鋳塊についても、同様に1mmの平板を作製した。そして、実験例2と同様に、芯材(o材)の両面にインサート層(n材)を重ね、さらにその両側をエッチング層(m材)で挟んで5層構造として幅端部を数カ所溶接して積層状態に固定した。この積層物を熱間圧延および冷間圧延してそれぞれ厚さ0.13mmのアルミニウム箔を製作した。さらに、これらのアルミニウム箔に、熱処理条件A:150℃×2時間、熱処理条件B:250℃×2時間または熱処理条件C:350℃×2時間のいずれかの条件で中間焼鈍し、さら厚さ0.1mmに冷間圧延した。そして、さらに発明例33,34については、箔表面にPbまたはSnを蒸着した後、全ての箔を真空中で500℃×4時間の最終焼鈍を施して供試材とした。
【0048】
次に、製作した各供試材を前処理をすることなく、次の条件でエッチングを施した。
【0049】
エッチング箔について、耐折強度を測定し、エッチング層のみからなる比較例31の耐折強度を100%として相対的に評価した。また、化成処理後、静電容量を測定し、比較例31を100%として相対的に評価した。これらの結果を表6に示す。
【0050】
一方、供試材について(100)占有率を調べた。調査方法は、過塩素酸:エタノール=1:4なる電解研磨液により、高温により供試材表面に生成した酸化膜を除去したのち、EBSP装置で各結晶粒の結晶方位を測定し、立方体方位{001}〈100〉からの面方位のずれ角が10°以下の結晶粒数を計数し、計測粒の総数中の百分率で求めた。また、発明例33,34の箔については、水酸化ナトリウム溶液にて表層部を深さ0.1μmまで溶解し、その溶解液についてPb含有量およびSn含有量を分析した。これらの結果を表6に併せて示す。
【0051】
【表5】
【0052】
【表6】
【0053】
表2、4,6の結果より、本発明のアルミニウム箔は優れた静電容量と耐折強度とを兼ね備えるものであることを確認した。
【0054】
【発明の効果】
以上の説明したように、この発明の各アルミニウムクラッド材は、少なくとも一層に、Al:99.60wt%以上を含むとともに、ScおよびZrを、Sc:10ppm以上1000ppm未満、Zr:10ppm以上2000ppm未満で、かつ−400ppm<2Sc−Zr<950ppmを満足する比率で含み、残部が不純物からなる強化層がクラッドされてなるため、クラッド材の強度が優れている。
【0055】
また、前記組成の強化層の少なくとも片面に外層がクラッドされ、かつ前記外層が、Al:99.80wt%を含み、Fe:5〜60ppm、Si:5〜80ppmおよびCu:5〜150ppmを含み、残部が不純物からなるアルミニウム合金で構成されるアルミニウムクラッド材、あるいは前記組成の強化層の少なくとも片面にインサート層を介して前記組成の外層がクラッドされ、前記インサート層が、Al:99.80wt%以上を含むとともに、Fe、SiCuのうちの一種以上の元素が前記外層におけるよりも低濃度で含有し、残部が不純物からなるアルミニウム合金により構成されているアルミニウムクラッド材は、強度が優れており、かつ圧延して電解コンデンサ電極用アルミニウム箔として使用する場合は、エッチングによる拡面率の増大が可能であり、静電容量の増大を見込める。
【0056】
また、この発明の電解コンデンサ電極用アルミニウム箔は、前記強化層の少なくとも片面に、エッチング層がクラッドされてなるため、箔強度が向上し、且つ箔強度の向上により、拡面率の増大が可能となり、高静電容量化が可能となる。従って、エッチング特性はエッチング層により確保した上で、箔としての耐折強度や伸びは極微量のScおよびZrが添加された強化層により確保することによりさらなる拡面率の向上が可能となり、優れた静電容量と強度の両者を兼ね備える。特に、エッチング層が、アルミニウム純度99.80wt%以上の高純度アルミニウム、またはAl:99.80wt%以上を含むとともに、Fe:5〜60ppm、Si:5〜80ppmおよびCu:5〜150ppmを含み、残部が不純物からなるアルミニウム合金により構成されている場合は、一層エッチング特性が優れ、静電容量の増大を図ることができる。
【0057】
また、電解コンデンサ電極用アルミニウム箔が、前記組成の強化層の少なくとも片面に、インサート層を介して前記組成のエッチング層がクラッドされており、前記インサート層がAl:99.80wt%以上を含むとともに、Fe、Si、Cuのうちの一種以上の元素が前記エッチング層におけるよりも低濃度で含有し、残部が不純物からなるアルミニウム合金により構成されている場合は、インサート層がエッチピットの強化層を浸食するような箔厚方向への成長を確実に阻止し、芯材の厚さを確保して耐折強度の低下を抑制して強度維持を図ることができる。
【0058】
さらに、前記各電解コンデンサ電極用アルミニウム箔において、エッチング層が、表面から深さ0.1μmの表層部において、Pb:5〜1000ppmまたはSn:25〜5000ppmの少なくとも1種を含有する場合は、エッチング初期にエッチピットが高密度かつ均一に分布して発生するため、さらなる拡面率の増大が可能となり、高静電容量化が可能となる。
【0059】
さらに、前記エッチング層が、箔表面において、立方体方位{001}〈100〉からのずれ角が10°以下の結晶粒が80%以上を占める場合は、エッチングによる過溶解を阻止されて箔強度の低下が抑制され、さらなる拡面率の増大が可能となり、高静電容量化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の横断面図であり、(A)は強化層の両面にエッチング層をクラッドした3層構造箔であり、(B)は強化層の両面にインサート層を介してエッチング層をクラッドした5層構造箔である。
【符号の説明】
1,2…電解コンデンサ電極用アルミニウム箔
11…強化層(芯材)
12…エッチング層
13…インサート層
Claims (9)
- 少なくとも一層に、Al:99.60wt%以上を含むとともに、ScおよびZrを、Sc:10ppm以上1000ppm未満、Zr:10ppm以上2000ppm未満で、かつ−400ppm<2Sc−Zr<950ppmを満足する比率で含み、残部が不純物からなる強化層がクラッドされてなることを特徴とするアルミニウムクラッド材。
- 少なくとも一層に、Al:99.60wt%以上を含むとともに、ScおよびZrを、Sc:10ppm以上1000ppm未満、Zr:10ppm以上2000ppm未満で、かつ−400ppm<2Sc−Zr<950ppmを満足する比率で含み、残部が不純物からなる強化層がクラッドされ、さらに前記強化層の少なくとも片面に、外層がクラッドされてなるアルミニウムクラッド材であって、
前記外層は、Al:99.80wt%以上を含むとともに、Fe:5〜60ppm、Si:5〜80ppmおよびCu:5〜150ppmを含み、残部が不純物からなるアルミニウム合金により構成されていることを特徴とするアルミニウムクラッド材。 - 少なくとも一層に、Al:99.60wt%以上を含むとともに、ScおよびZrを、Sc:10ppm以上1000ppm未満、Zr:10ppm以上2000ppm未満で、かつ−400ppm<2Sc−Zr<950ppmを満足する比率で含み、残部が不純物からなる強化層がクラッドされ、さらに前記強化層の少なくとも片面に、インサート層を介して外層がクラッドされたアルミニウムクラッド材であって、
前記外層は、Al:99.80wt%以上を含むとともに、Fe:5〜60ppm、Si:5〜80ppmおよびCu:5〜150ppmを含み、残部が不純物からなるアルミニウム合金により構成され、
前記インサート層は、Al:99.80wt%以上を含むとともに、Fe、SiCuのうちの一種以上の元素が前記外層におけるよりも低濃度で含有し、残部が不純物からなるアルミニウム合金により構成されていることを特徴とするアルミニウムクラッド材。 - Al:99.60wt%以上を含むとともに、ScおよびZrを、Sc:10ppm以上1000ppm未満、Zr:10ppm以上2000ppm未満で、かつ−400ppm<2Sc−Zr<950ppmを満足する比率で含み、残部が不純物からなる強化層の少なくとも片面に、アルミニウムからなるエッチング層がクラッドされてなることを特徴とする電解コンデンサ電極用アルミニウム箔。
- 前記エッチング層は、アルミニウム純度99.80wt%以上の高純度アルミニウムにより構成される請求項4に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム箔。
- 前記エッチング層は、Al:99.80wt%以上を含むとともに、Fe:5〜60ppm、Si:5〜80ppmおよびCu:5〜150ppmを含み、残部が不純物からなるアルミニウム合金により構成される請求項4に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム箔。
- Al:99.60wt%以上を含むとともに、ScおよびZrを、Sc:10ppm以上1000ppm未満、Zr:10ppm以上2000ppm未満で、かつ−400ppm<2Sc−Zr<950ppmを満足する比率で含み、残部が不純物からなる強化層の少なくとも片面に、インサート層を介してエッチング層がクラッドされたアルミニウム箔であって、
前記エッチング層は、Al:99.80wt%以上を含むとともに、Fe:5〜60ppm、Si:5〜80ppmおよびCu:5〜150ppmを含み、残部がAl不純物からなるアルミニウム合金で構成され、
前記インサート層は、Al:99.80wt%以上を含むとともに、Fe、Si、Cuのうちの一種以上の元素が前記エッチング層におけるよりも低濃度で含有し、残部が不純物からなるアルミニウム合金により構成されていることを特徴とする電解コンデンサ電極用アルミニウム箔。 - 前記エッチング層は、表面から深さ0.1μmの表層部において、Pb:5〜1000ppmまたはSn:25〜5000ppmの少なくとも1種を含有する請求項4〜7のいずれかに記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム箔。
- 前記エッチング層は、箔表面において、立方体方位{001}〈100〉からのずれ角が10°以下の結晶粒が80%以上を占める請求項4〜8のいずれかに記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム箔。
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