JP2012062498A - 電子部品用銅又は銅合金圧延板及びその製造方法 - Google Patents

電子部品用銅又は銅合金圧延板及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の銅又は銅合金圧延板より高い疲労特性を持つ圧延板を提供する。
【解決手段】厚さ200μm以上1mm以下であり、EBSD法にて測定した全ての結晶粒界長さLに対する特殊粒界長さLσの比率(Lσ/L)が60%以上であり、銅又は銅合金からなる鋳塊の熱間圧延工程の後に、粗冷間圧延及びその歪みを除去する焼鈍処理を行い、その後、仕上げ圧延及び熱処理を行って、粗冷間圧延前の板厚と仕上げ圧延後の板厚から計算される総圧延率が89%以上で、厚さを200μm以上1mm以下の圧延板とする冷間圧延工程とを有するとともに、前記仕上げ圧延及び熱処理は、圧下率が5〜25%の仕上げ冷間圧延と、被加工材の再結晶温度をTs(℃)としたときに、熱処理温度Ta(℃)を(Ts−150)<Ta<(Ts+150)とし、熱処理時間を5〜3600秒とした仕上げ再結晶熱処理とを行って、圧延板を部分再結晶化させる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、端子・コネクタ、リードフレーム等の電子部品や太陽電池パネルの電極間を接続するインターコネクター用配線材料に好適な、優れた疲労特性を有する電子部品用銅又は銅合金圧延板及びその製造方法に関するものである。
電子部品やインターコネクターに用いられる銅板又は銅合金板は,タフピッチ銅や高純度無酸素銅、クロム銅、ジルコニウム銅、クロムジルコニウム銅などの合金素材のブロックを熱間圧延したものに、さらに冷間圧延と熱処理とを繰り返し、所望の板厚にして製品としている。端子・コネクタやリードフレームには、0.2〜1.0mm程度の薄板としたものが使用される。
電子部品やインターコネクターにおける疲労特性は非常に重要であり、これを高めるための製造方法として、特許文献1に示されるように、最終冷間圧延時における加工度を90〜97%と大きくするプロセスや、特許文献2に示されるように、最終の冷間圧延前の結晶粒径と圧延加工度を所定範囲に制御し、再結晶化処理を行う事により、比較的粗大な結晶粒径でかつ、双晶境界が少ない合金組織とすることなどが試みられている。
しかし、近年、電子部品や装置が小型化し、より厳しい使用環境となるに伴い、要求される疲労特性は以前より高くなっている。また,材料のリサイクル性の観点から、添加元素を加えずに、加工や熱処理のみによって特性を向上させる手法がより求められるようになってきている。
特開平4−228553号公報 特開2000−256765号公報
近年の電子部品や装置の小型化や高水準化に伴い、端子・コネクタ、リードフレーム、インターコネクター等の素材となる銅板又は銅合金板には高い疲労特性が要求される。
本発明の目的は、従来の銅又は銅合金圧延板より高い疲労特性を持つ圧延板を提供することである。
端子・コネクタ、リードフレーム、インターコネクターなどに用いられる銅又は銅合金圧延板材料には、使用環境下に応じて振動や曲げ・引張・圧縮などの各種モードの応力がが負荷され、結果として板材の弾性変形が繰り返されることで板中の結晶粒界に転位が蓄積され、転位同士が互いの動きを阻害し、転位が移動できなくなることでき裂が進展し、破断に至る。特殊粒界は結晶粒同士の整合性が通常の粒界よりも高く、粒界に転位が蓄積しにくいという性質を持つ。そのため、特殊粒界を増加させた材料は疲労特性に優れる。
疲労特性を向上させる方法として、鋳塊を熱間圧延した後、冷間圧延と焼鈍とを繰り返し、直前に焼鈍を行った後5〜25%の所定の圧延率で仕上げ冷間圧延を行い、さらに所定温度で仕上げ熱処理を行い、特殊粒界の長さ比率が60%以上の再結晶組織を有する合金組織とする。
すなわち、本発明の銅又は銅合金圧延板は、厚さ200μm以上1mm以下であり、EBSD法にて測定した全ての結晶粒界長さLに対する特殊粒界長さLσの比率(Lσ/L)が60%以上であることを特徴とする。
結晶粒界は、二次元断面観察の結果、隣り合う2つの結晶間の配向方位差が15°以上となっている場合の当該結晶間の境界として定義される。
特殊粒界とは、結晶学的にCSL理論(Kronberg et.al.:Trans. Met. Soc. AIME, 185, 501 (1949))に基づき定義されるΣ値で3≦Σ≦29を有する結晶粒界(対応粒界)であって、当該粒界における固有対応部位格子方位欠陥Dqが Dq≦15°/Σ1/2 (D.G.Brandon:Acta.Metallurgica. Vol.14,p1479,1966)を満たす結晶粒界である。
すべての結晶粒界のうち、この特殊粒界の長さ比率が高いと、組織全体の結晶粒界の整合性が向上して、転位が蓄積しにくくなり、疲労特性を向上させることができる。
本発明の銅又は銅合金圧延板の製造方法は、銅又は銅合金からなる鋳塊の熱間圧延工程と、前記熱間圧延工程の後に、粗冷間圧延及びその歪みを除去する焼鈍処理を行い、その後、仕上げ圧延及び熱処理を行って、前記粗冷間圧延前の板厚と前記仕上げ圧延後の板厚から計算される総圧延率が89%以上で、厚さを200μm以上1mm以下の圧延板とする冷間圧延工程とを有するとともに、前記仕上げ圧延及び熱処理は、圧下率が5〜25%の仕上げ冷間圧延と、被加工材の再結晶温度をTs(℃)としたときに、熱処理温度Ta(℃)を(Ts−150)<Ta<(Ts+150)とし、熱処理時間を5〜3600秒とした仕上げ再結晶熱処理とを行って、圧延板を部分再結晶化させることを特徴とする。
この製造方法においては、熱間圧延後に総圧延率89%以上の冷間圧延を行うことにより、厚みが200μm以上1mm以下の圧延板とするとともに、その冷間圧延の終盤で再結晶温度前後での熱処理と低圧下率の仕上げ冷間圧延とを行うことにより、特殊粒界の長さ比率を高めて、疲労特性を向上させる。
この場合、再結晶温度Ts(℃)を以下のように定義する。所定の材料を加工率80%で冷間圧延加工を行った板材について、JIS Z 2244 ビッカース硬さ試験に準拠した試験方法に基づいてビッカース硬さを測定し、その後100℃以上900℃以下の温度範囲において、100℃から50℃刻みで昇温変量した各温度で600秒間保持した後、水焼入れを行い、同様にビッカース硬さを測定して得られたビッカース硬さが、熱処理前(冷間加工放し)のビッカース硬さに対して1/2以下となった熱処理温度を再結晶温度Tsと定義する。
熱処理プロセスは、被加工材の再結晶温度Tsに対して、(Ts−150)<Ta<(Ts+150)となる範囲の熱処理温度Ta(℃)で5〜3600秒間の部分再結晶熱処理を行い、その後に5〜25%の比較的低い圧下率で仕上げ冷間圧延と仕上げ再結晶焼鈍とを施すことにより、特殊粒界の長さ比率が60%以上の再結晶組織を有するように制御する。
特殊粒界の長さ比率を高めるためには、この再結晶熱処理と低圧下率での仕上げ冷間圧延とを組み合わせて実施することが重要であり、熱処理温度が(Ts−150)以下であったり、熱処理時間が5秒未満では、冷間圧延により生じた歪みの除去が不十分で、再結晶化が十分に生じず、一方、熱処理温度が(Ts+150)以上であったり、熱処理時間が3600秒を超えると、結晶粒の粗大化を招き、所望の特殊粒界長さ比率を得ることは難しい。熱処理時間は、5〜1800秒がより好ましい。
また、仕上げ冷間圧延の圧下率が5%未満では、再結晶化熱処理の過程において特殊粒界の形成が促進されず、一方、25%を超える圧下率の場合は、導入歪みが大き過ぎて、再結晶化熱処理の過程において特殊粒界以外の粒界形成比率が増加し、所望の特殊粒界長さ比率を得ることができない。
本発明の銅又は銅合金板の製造方法において、前記仕上げ冷間圧延と前記仕上げ再結晶熱処理とを2回以上繰り返すようにしてもよい。この処理を繰り返すことにより、さらに特殊粒界の長さ比率を高めて疲労特性を向上させることができる。
本発明によれば、特殊粒界長さ比率が高くなることにより、転位の蓄積を少なくして疲労特性を向上させることができ、端子・コネクタ、リードフレーム、インターコネクター等の素材として用いることにより、電子部品の小型化、高水準化に対応することができる。また、添加元素を加えることなく、加工と熱処理のみによって特性を向上させるので、リサイクル性も良い。
以下、本発明の電子部品用銅又は銅合金圧延板及びその製造方法の一実施形態を説明する。
本実施形態の電子部品用銅又は銅合金圧延板は、銅の純度が99.96mass%以上のタフピッチ銅(酸素含有量100ppm)、銅の純度が99.99mass%以上の無酸素銅(酸素含有量1ppm)、又は99.999mass%以上の高純度無酸素銅(酸素含有量0.1ppm)、クロム(Cr)を0.4〜1.2mass%含有したクロム銅、クロム(Cr)を0.1〜0.4mass%及びジルコニウム(Zr)を0.02〜0.2mass%含有したクロムジルコニウム銅などが用いられる。また、添加元素以外の不純物元素については、Zn、Sn、Fe、Co、Al、Ag、Mn、B、P、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、希土類元素、 Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Re、Ru、Os、Se、Te、Rh、Ir、Pd、Pt、Au、Cd、Ga、In、Li、Si、Ge、As、Sb、Ti、Tl、Pb、Bi、S、O、C、Ni、Be、N、H、Hgなどが含まれる場合があるが、これらが含まれる場合は、その合計が0.3mass%以下とする。
なお、本実施形態で例示した素材は、所定の用途に用いられる材料の一例であり、他の素材で、端子・コネクタ、リードフレーム、太陽電池パネル用インターコネクター等に用いられる素材についても、本特許に示されるのと同様の加工・熱処理を実施することにより、特性向上効果が期待される。
また、圧延板の厚さは、端子・コネクタ、リードフレーム、太陽電池用インターコネクター等の素材として好適な200μm以上1mm以下とされる。
そして、EBSD法にて測定した全ての結晶粒界長さLに対する特殊粒界長さLσの比率(Lσ/L)が60%以上とされる。
結晶粒界は、二次元断面観察の結果、隣り合う2つの結晶間の配向方位差が15°以上となっている場合の当該結晶間の境界として定義される。
特殊粒界とは、結晶学的にCSL理論(Kronberg et.al.:Trans. Met. Soc. AIME, 185, 501 (1949))に基づき定義されるΣ値で3≦Σ≦29を有する結晶粒界(対応粒界)であって、当該粒界における固有対応部位格子方位欠陥Dqが Dq≦15°/Σ1/2 (D.G.Brandon:Acta.Metallurgica. Vol.14,p1479,1966)を満たす結晶粒界である。
すべての結晶粒界のうち、この特殊粒界の長さ比率が高いと、結晶粒界の整合性が向上して、転位が蓄積しにくくなり、均一な変形特性を示し、過酷な使用環境の下、熱膨張及び熱収縮を繰り返すような場合や、コネクタのように繰り返し弾性変形させられる場合でも、金属疲労がおきにくく、疲労特性を向上させることができる。
次に、このような銅又は銅合金圧延板を製造する方法について説明する。
上述した組成を有する銅合金の原料を溶解して鋳造する溶解・鋳造工程と、この溶解・鋳造工程の後に、鋳塊を熱間圧延して3〜20mmの厚さの圧延板とする熱間圧延工程と、この熱間圧延工程の後に、総圧延率89%以上で冷間圧延を行うとともに、冷間圧延材に所定の温度範囲で再結晶熱処理を行う冷間圧延工程とを有しており、その冷間圧延工程においては、粗冷間圧延の後に、歪み除去のための焼鈍処理を行い、その後、低圧下率の仕上げ冷間圧延と仕上げ再結晶熱処理とを行う仕上げ処理を有している。
熱間圧延工程は、特別な条件ではなく、被加工材の銅又は銅合金に応じて通常用いられる適切な条件で行えばよい。
冷間圧延工程は、3〜20mmの厚さになった熱間圧延板を200μm以上1mm以下の薄板に加工するものであり、粗冷間圧延の後に、前段で実施した粗冷間加工で導入された歪みを除去する目的で焼鈍を行う。当該焼鈍条件については、被加工材の銅又は銅合金に応じて通常用いられる適切な条件で行えばよい。
そして、所望の高い特殊粒界を得るために実施する仕上げ処理では、直前の焼鈍処理の後に、圧下率5〜25%の仕上げ冷間圧延と、温度Ta℃、時間5〜3600秒の条件での仕上げ再結晶熱処理のサイクルを1回以上繰り返す。
仕上げ冷間圧延時の圧下率が5%未満であれば、この仕上げ冷間圧延時に素材全体に均質な歪みが導入できず、結果としてその後に行う仕上げ再結晶熱処理の過程において特殊粒界の形成が促進されず、また25%を超えて大きくなると、導入された均質ひずみ量が大き過ぎ、仕上げ冷間圧延後の再結晶熱過程において、特殊粒界の長さ比率を60%以上に保つ事が難しい。なお、総圧延率は、粗冷間圧延前の板厚に対する仕上げ冷間圧延後の板厚の減少率であり、仕上げ圧延時の圧下率は、1回のパス時の加工前板厚に対する加工後の板厚の減少率である。
再結晶熱処理については、素材の再結晶温度をTs(℃)としたときに、熱処理温度Ta(℃)が(Ts−150)<Ta<(Ts+150)の範囲で、5〜3600秒(より好ましくは5〜1800秒)行う。
熱処理温度Taが(Ts−150)以下で、5秒未満の条件では、再結晶化が十分に起きない。一方、熱処理温度Taを(Ts+150)より大きくし、3600秒より長時間の条件とした場合、二次再結晶化による結晶粒の粗大化が起き、その結果、特殊粒界の長さ比率が低下傾向となり60%以上に保つことが困難となる。
熱処理雰囲気については、不活性雰囲気(窒素、アルゴン)や還元雰囲気(水素)などが酸化抑制の観点から望ましいが、適切な短時間熱処理条件を選べば大気中であっても良い。
次に本発明の実施例を比較例とともに説明する。
被加工材の銅又は銅合金として、タフピッチ銅、無酸素銅、高純度無酸素銅、クロム銅、クロムジルコニウム銅の四種類を用いた。それぞれの概略成分組成は表1に示す通りである。表1中「−」は該当成分を添加していないことを示す。また、添加元素以外のZn、Sn、Fe、Co、Al、Ag、Mnなどの不純物については、全て0.3mass%以下であった。
Figure 2012062498
この表1に示す成分の各素材に対して適当な条件で熱間圧延して、3〜20mmの厚さの熱間圧延板を作製した後、表2〜表6に示す各条件で冷間圧延工程を経て、最終厚み500μmの圧延板を作製した。表2は素材がタフピッチ銅である例、表3は素材が無酸素銅である例、表4は素材が高純度無酸素銅であり、表5は素材がクロム銅であり、表6は素材がクロムジルコニウム銅である例をそれぞれ示す。
そして、このような冷間圧延工程により得られた薄肉の圧延板のビッカース硬さ、特殊粒界比率、疲労寿命を以下のように測定した。
<ビッカース硬さ>
ビッカース硬さは、圧延方向(R.D.方向)に沿う縦断面(T.D.方向に見た面)に対して、JIS(Z2244)に規定される方法(測定荷重500g)により測定した。
<特殊粒界長さ比率>
各試料について、耐水研磨紙、ダイヤモンド砥粒を用いて機械研磨を行った後、コロイダルシリカ溶液を用いて仕上げ研磨を行った。
そして、EBSD測定装置(HITACHI社製 S4300−SEM,EDAX/TSL社製 OIM Data Collection)と、解析ソフト(EDAX/TSL社製 OIM Data Analysis ver.5.2)によって、結晶粒界、特殊粒界を特定し、その長さを算出することにより、平均結晶粒径及び特殊粒界長さ比率の解析を行った。
まず、走査型電子顕微鏡を用いて、試料表面の測定範囲内の個々の測定点(ピクセル)に電子線を照射し、電子線を試料表面に2次元で走査させ、後方散乱電子線回折による方位解析により、隣接する測定点間の方位差が15°以上となる測定点間を結晶粒界とした。
また、測定範囲における結晶粒界の全粒界長さLを測定し、隣接する結晶粒の界面が特殊粒界を構成する結晶粒界の位置を決定するとともに、特殊粒界の全特殊粒界長さLσと、上記測定した結晶粒界の全粒界長さLとの粒界長比率Lσ/Lを求め、特殊粒界長さ比率とした。
<疲労寿命>
板厚0.5mm、幅10mmの試料について、日本伸銅協会が定める「銅及び銅合金薄板条の疲労特性試験方法(JCBA T308:2002)」に基づいて試験した。試験装置には、株式会社鷺宮製作所製せん断疲労試験機LMV3075を用い、試料に片側2mmの振幅で両振りとし、500MPaの最大曲げ応力で繰り返し荷重を付加した。試料に亀裂が生じ、最終的に破断に至るまでの繰り返し回数を測定し、疲労寿命とした。
表2〜表5中の疲労特性の増減の欄は、各表(各材料毎)に、試験No.1(比較例)の疲労寿命を基準とし、その疲労寿命に対する増減率を示しており、向上評価の欄は、疲労寿命が20%以上増加したものを○、それ以外を×として表した。
Figure 2012062498
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Figure 2012062498
Figure 2012062498
Figure 2012062498
これら表2〜表6に示されるように、冷間圧延の終盤で再結晶熱処理後に、低圧下率での仕上げ圧延及びその後の仕上げ再結晶熱処理を適切に行うことにより、特殊粒界長さ比率が60%以上と高くなり、疲労寿命が向上することがわかる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、仕上げ冷間圧延と仕上げ再結晶熱処理とを複数回繰り返す場合、毎回同じ条件で繰り返してもよいし、異なる条件で繰り返してもよい。

Claims (4)

  1. 厚さ200μm以上1mm以下であり、EBSD法にて測定した全ての結晶粒界長さLに対する特殊粒界長さLσの比率(Lσ/L)が60%以上であることを特徴とする銅又は銅合金圧延板。
  2. 銅又は銅合金からなる鋳塊の熱間圧延工程と、前記熱間圧延工程の後に、粗冷間圧延及びその歪みを除去する焼鈍処理を行い、その後、仕上げ圧延及び熱処理を行って、前記粗冷間圧延前の板厚と前記仕上げ圧延後の板厚から計算される総圧延率が89%以上で、厚さを200μm以上1mm以下の圧延板とする冷間圧延工程とを有するとともに、前記仕上げ圧延及び熱処理は、圧下率が5〜25%の仕上げ冷間圧延と、被加工材の再結晶温度をTs(℃)としたときに、熱処理温度Ta(℃)を(Ts−150)<Ta<(Ts+150)とし、熱処理時間を5〜3600秒とした仕上げ再結晶熱処理とを行って、圧延板を部分再結晶化させることを特徴とする銅又は銅合金圧延板の製造方法。
  3. 前記仕上げ冷間圧延と前記再結晶熱処理とを2回以上繰り返すことを特徴とする請求項2記載の銅又は銅合金圧延板の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法によって製造された銅又は銅合金圧延板からなる導電部材。
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