JP2012059564A - 廃リチウムイオン電池電解液の再利用方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】廃リチウムイオン電池のリサイクル処理において廃液として処理する電解液を有効利用することにより、排水処理負荷の低減を図る。
【解決手段】本発明の廃リチウムイオン電池電解液の再利用方法は、廃リチウムイオン電池から電解液を回収する電解液回収工程と、当該電解液を燃料として用いる工程と、を備えることを特徴とする。本発明によれば、廃リチウムイオン電池のリサイクル処理において回収した電解液を廃液として処理するのではなく、燃料として有効利用することにより、廃棄電解液の排水処理負荷を低減することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、廃リチウムイオン電池電解液の再利用方法に関する。
リチウムイオン電池は、ニッケル、コバルト、リチウム等の有価金属を使用していることから、寿命に達したり、製造工程で不良品と判断されたりして、廃棄の必要が生じた場合には、回収され、リサイクル処理される。一般に、廃電池のリサイクル処理方法には、大きく分けて湿式法と乾式法とがある。
湿式法による処理は、廃電池に残留する電荷を放電した後、解体し、塩化ビニル樹脂等の電池の外殻材料、正極、負極等を分離し、次いで、正極及び負極に付着する電解質を洗浄して除去し、酸等により正極及び負極に含有あるいは付着した有価金属を分離し、精製して回収するものである。湿式法による処理によれば、電解質を含有する洗浄液が生じるため、排水処理を行う必要があり、手間とコストとを要する。
一方、乾式法による処理は、廃電池を還元剤とともに高温の炉に入れ、焙焼や熔融処理することにより、有価金属を合金として回収するものである(特許文献1参照)。乾式法による処理によれば、大量の廃電池を迅速に処理することができる。
米国特許第7169206号公報
しかしながら、乾式法による処理では、廃電池を直接炉に入れると廃電池内の電解液が急激に加熱されることにより膨張し、炉内の廃電池が爆発する危険性があるため、廃電池に開孔処理を施し、電解液を抜くという前処理が必要である。また、抜き取った電解液は、そのままでは廃棄することができないため、湿式法による処理と同様に、排水処理を行う必要があり、手間とコストとを要する点では同じである。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、廃リチウムイオン電池のリサイクル処理において廃液として処理する電解液を有効利用することにより、廃棄電解液の排水処理負荷の低減を図ることにある。
本発明者は、廃リチウムイオン電池から回収した電解液を廃液として処理するのではなく、有効利用する方法について鋭意研究を重ねたところ、電解液が燃料として利用可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明では以下のものを提供する。
(1) 廃リチウムイオン電池から電解液を回収する電解液回収工程と、当該電解液を燃料として用いる工程と、を備えることを特徴とする廃リチウムイオン電池電解液の再利用方法。
(2) 上記電解液回収工程は、廃リチウムイオン電池を開孔又は破砕する工程と、開孔又は破砕した電池を洗浄して電解液を含有する洗浄液を得る工程と、得られた洗浄液の液面に浮上した電解液を回収する工程と、を有する(1)に記載の廃リチウムイオン電池電解液の再利用方法。
(3) 廃リチウムイオン電池を開孔して、電解液を抜き取る前処理工程と、上記電解液を抜き取った廃リチウムイオン電池を熔融炉にて還元熔融して、熔融物を得る熔融工程と、上記熔融工程において発生した排ガスを燃焼炉に導入し、当該燃焼炉にて上記排ガスを900℃以上で燃焼させる排ガス処理工程と、を備え、上記排ガス処理工程では、上記前処理工程において抜き取った電解液を上記燃焼炉の燃料として添加し、排ガスを燃焼させることを特徴とする廃リチウムイオン電池電解液の再利用方法。
(4) 上記電解液は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、及びエチルメチルカーボネートからなる群より選択される少なくとも1種の有機溶剤に、電解質としてフッ素含有リチウム塩を配合してなる(3)に記載の廃リチウムイオン電池電解液の再利用方法。
本発明によれば、廃リチウムイオン電池のリサイクル処理において回収した電解液を廃液として処理するのではなく、燃料として有効利用することにより、廃棄電解液の排水処理負荷を低減することができる。
本発明の方法が適用される廃リチウムイオン電池のリサイクル処理方法の一例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る廃リチウムイオン電池電解液の再利用方法の概略を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の方法が適用される廃リチウムイオン電池のリサイクル処理方法の一例を示すフローチャートであり、図2は、本発明の一実施形態に係る廃リチウムイオン電池電解液の再利用方法の概略を示す図である。まず、図1を参照しながら、本発明の方法が適用される廃リチウムイオン電池のリサイクル処理方法の全体プロセスを簡単に説明した後、図2を参照しながら、本発明の方法について詳細に説明する。なお、本発明において、廃リチウムイオン電池とは、廃棄の対象となったリチウムイオン電池を意味し、使用済み電池のみならず、製造工程時に不良品と判断された電池も含まれる。
本発明の方法が適用される廃リチウムイオン電池のリサイクル処理方法は、前処理工程ST10と、乾式工程S20と、湿式工程S30とからなる(図1)。
<前処理工程ST10>
前処理工程ST10は、廃リチウムイオン電池の爆発防止を目的として行われる。すなわち、廃リチウムイオン電池は密閉系であり内部に電解液等を有しているため、そのまま乾式の熔融処理を行うと爆発の恐れがあり危険である。そのため、何らかの方法で廃リチウムイオン電池内部の電解液を抜く必要がある。廃リチウムイオン電池内部の電解液を抜く方法は、特に限定されるものではなく、例えば、針状の刃先で廃リチウムイオン電池を物理的に開孔すればよい。従来、この前処理工程ST10で抜き取られた電解液は無害化された後、排出されていたが、本発明の一実施形態に係る方法では、この電解液を廃液として処理することなく有効利用する。詳細については後述する。なお、廃リチウムイオン電池内に多量の電荷が残留していると、開孔処理時に短絡が発生し、爆発等の危険性があるため、開孔処理に先立って、何らかの方法で放電させることにより無害化することが望ましい。放電の方法は、特に限定されるものではなく、例えば、塩化ナトリウム水溶液等の導電性を有する液体に廃リチウムイオン電池を長時間浸漬させる方法等が挙げられる。
<乾式工程S20>
乾式工程S20では、前処理工程ST10で得られた前処理済の廃リチウムイオン電池を1500℃付近で熔融する熔融工程ST21を行う。熔融工程ST21は、従来公知の電気炉等で行うことができる。なお、熔融工程ST21では、酸化度を調整してニッケル、コバルト、銅等の有価金属の回収率を向上させるため、空気、酸素、又は酸素富化空気を吹き込む。例えば、リチウムイオン電池の正極材料には、アルミ箔が用いられており、また、負極材料には、カーボンが用いられている。更に、電池の外部シェルは、鉄製又はアルミ製であり、集合電池の外部パッケージには、プラスチックが用いられている。これらの材質は、基本的に還元剤として作用するため、これらの材料を熔融し、スラグ化等する全体の反応は酸化反応となる。そのため、熔融工程ST21では、系内に酸素等の導入が必要となる。なお、熔融工程ST21では、後述するスラグ分離ST22にて分離されるスラグの融点を低下させるため、SiO及びCaOをフラックスとして添加する。
熔融工程ST21によって、鉄やアルミ等の酸化物であるスラグと、有価金属であるニッケル、コバルト、銅等による合金とが生成する。両者は比重が異なるため、この比重差により前者がスラグ分離ST22で、後者が合金分離ST23でそれぞれ回収される。熔融工程ST21において発生した粉塵や排ガス等は、従来公知の排ガス処理工程ST24において無害化処理される。
なお、本発明の一実施形態に係る方法は、上記前処理工程ST10、乾式工程S20の熔融工程ST21、及び排ガス処理ST24において適用されるが、詳細は後述する。
合金分離ST23を経て回収された合金は、電解質由来のリンを除去する脱リン工程ST25を行う。リチウムイオン電池では、電解質としてヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)が一般的に使用される。このLiPF中のリンは、比較的酸化されやすい性質を有するものの、鉄、コバルト、及びニッケルの鉄族元素との親和力も比較的高い性質がある。合金中のリンは、乾式処理で得た合金から各元素を金属として回収する後工程の湿式工程S30での除去が難しく、不純物として処理系内に蓄積するため、操業の継続ができなくなる。このため、この脱リン工程ST25で除去する。具体的には、反応によりCaOを生じる石灰等を添加し、空気等の酸素含有ガスを吹き込むことにより、合金中のリンを酸化してCaO中に吸収させることができる。
乾式工程S20では、最後に合金を冷却して粒状物として得る合金ショット化工程ST26を行う。具体的には、熔融金属を流水中に流入して急冷させる従来公知の方法を用いることができる。合金を粒状物化することにより、後の湿式工程S30における溶解工程ST31を短時間で行うことができる。
<湿式工程S30>
廃電池からの有価金属回収プロセスは、特許文献1のように合金として回収したままでは意味がなく、有価金属元素として回収する必要がある。湿式工程S30は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法にて行うことができる。一例を挙げれば、溶解工程ST31の後、脱鉄、銅分離回収、ニッケル/コバルト分離、ニッケル回収、コバルト回収という手順で元素分離工程ST32を経ることにより、有価金属元素を回収することができる。
次に、本発明の一実施形態に係る方法について説明する。図2に示すように、本発明の一実施形態に係る廃リチウムイオン電池電解液の再利用方法では、まず、廃リチウムイオン電池に開孔処理を施し、内部の電解液40を抜き取る前処理工程ST10を行う。次いで、電解液を抜き取った廃リチウムイオン電池41を、熔融炉43に投入し、鉄やアルミニウムを酸化するとともに、ニッケル、コバルトを還元熔融して、熔融物を得る熔融工程ST21を行う。得られた熔融物には、鉄やアルミ等の酸化物であるスラグと、有価金属であるニッケル、コバルト、銅等による合金と、が含まれている。これらは比重差を利用して、スラグ44と合金45とに分離して回収する。
熔融工程ST21で発生した排ガスは、煙道46を介して燃焼炉47に導入される。燃焼炉47では、導入された排ガスを加熱分解させる排ガス処理工程ST24を行う。この排ガス処理工程ST24によれば、ダイオキシン類等の有害ガスが万一発生した場合であっても外部に放出させることがない。なお、ダイオキシン類とは、ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDD)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)、及びダイオキシン様ポリ塩化ビフェニル(DL−PCB)の総称である。
電池の外殻材料には、ポリ塩化ビニルが使用されている場合がある。また、前処理工程ST10を経た廃リチウムイオン電池には、放電処理の際に使用した塩化ナトリウム水溶液や開孔処理の際に抜き取った電解液が付着している場合がある。リチウムイオン電池には、一般に、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)等の環状カーボネートと、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等の鎖状カーボネートとの混合有機溶剤に、電解質としてヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、テトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiSOCF)等のフッ素含有リチウム塩を混合した電解液が使用される。これらはダイオキシン類の発生要因の一つになり得ると考えられている。
熔融工程ST21では、廃リチウムイオン電池の還元熔融を1500℃付近にて行うため、排ガス温度はダイオキシン類が生成すると言われている温度900℃付近よりも十分に高く、ダイオキシン類が発生することはない。仮に、ダイオキシン類が発生するとすれば、この排ガスが熔融炉43を出て煙道46を通り、その温度が除々に下がる場合であると推測される。ダイオキシン類の発生を確実に防止する方法としては、例えば、熔融炉43で発生した排ガスを900℃に保持し、200℃以下に急冷する方法がある。しかしながら、熔融炉43を出た排ガスを900℃以上のまま炉外に排出し、直ちに200℃以下に急冷することは設備的に困難である。そこで、燃焼炉47内の温度をダイオキシン類が完全に分解する900℃以上の高温にする方法を採用した。
本発明一実施形態に係る方法では、前処理工程ST10において廃リチウムイオン電池から抜き取った電解液40を、燃焼炉47における燃料として添加し、排ガスを燃焼させる。排ガス処理工程S24では、万一発生したダイオキシン類を完全に分解させるために燃焼炉47内の温度を900℃以上にするが、これには多量の燃料が必要である。この燃料として電解液40を使用することで、排ガス処理工程ST24に必要な燃料コストの低減を実現することができる。また、このように電解液を燃料として有効利用すれば、廃液として排水処理する電解液の量が減るため、廃棄電解液の排水処理負荷を低減することも可能となる。
廃リチウムイオン電池から抜き取った電解液40は、所望の温度を効率良く得るために、例えば、原油、重油、灯油、コークス、微粉炭、LNGガス等の他の燃料と併用することが望ましい。併用方法としては、例えば、電解液40と上記他の燃料とを混合した後、バーナー48を介して燃焼炉47内に吹き込むことにより燃焼させる方法等が挙げられる。電解液40と他の燃料との混合比率は、特に限定されるものではなく、所望の温度を得るために適宜、調整するとよい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は、本発明に含まれるものである。
例えば、上記実施形態では、前処理工程ST10において廃リチウムイオン電池から抜き取った電解液40を、燃焼炉47における燃料として利用する場合について説明したが、廃リチウムイオン電池の開孔処理に使用した機器の洗浄排液から回収した電解液を利用してもよい。上記機器には電解液が付着しているため、その洗浄排液には電解液が含まれている。洗浄排液に含まれる電解液は、洗浄排液の液面に油分として浮上するため分離することが可能である。洗浄排液から回収した電解液を利用することで、洗浄排液の処理負荷の低減も可能となる。
また、電解液抜き取り後の廃リチウムイオン電池を洗浄し、その洗浄排液から回収した電解液を燃焼炉47における燃料として利用してもよい。電解液抜き取り後の廃リチウムイオン電池を洗浄すれば、ダイオキシン類の発生要因の一つになり得ると考えられる電解液が熔融炉43に入らないため、ダイオキシン類の発生の可能性をより低減させることとなる。
更に、上記実施形態では、乾式法の廃電池リサイクル処理における前処理として抜き取った電解液40を、燃焼炉47における燃料として利用する場合について説明したが、一般的な湿式法の廃電池リサイクル処理において破砕した廃リチウムイオン電池の洗浄排液から回収した電解液を、乾式法の廃電池リサイクル処理における燃焼炉47における燃焼用燃料として利用してもよい。
そして、上記実施形態では、電解液40を燃焼炉47における燃焼用燃料として利用する場合について説明したが、燃料として利用するのであれば、その用途や使用形態は問わず、例えば、熔融炉43における燃料として用いてもよい。
以下、実施例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に何ら制限を受けるものではない。
<試験例1>
濃度1mol/Lの塩化ナトリウム水溶液800mLを入れた容量1リットルのビーカーに、使用済みの廃リチウムイオン電池(直径18mm×長さ65mm)を10本浸漬させ、約1時間かけて放電した。次いで、放電が終了した廃リチウムイオン電池に穴を開けて、電解液を抜き取り、回収した。回収した電解液は、EC/DEC/DMC=30/30/40(体積比)の混合溶媒に、電解質としてLiPFを上記混合溶媒に対して1mol/L含有させたものであった。
電解液を抜き取った後の廃リチウムイオン電池をアルミナ製坩堝に入れ、第1の坩堝炉(40cm×40cm×60cm)内に設置した。次に、上記廃リチウムイオン電池をフラックスとともに1500℃に加熱し、酸素を吹き込んでアルミ、鉄等を酸化させてスラグと合金とし、1時間保持した後、冷却してメタルを得た。上記熔融の開始から終了までに発生した排ガスは、第2の坩堝炉(40cm×40cm×60cm)に導入した。そして、上記にて廃リチウムイオン電池から回収した電解液と、重油とを電解液/重油=1/9の体積割合で混合したものを、小型バーナーを介して500ml/minの割合で第2の坩堝炉に吹き込み、上記排ガスを燃焼させた。
上記第2の坩堝炉から排出された燃焼ガスの温度を測定したところ、ダイオキシン類が分解するとされる900℃付近を上回る1050〜1100℃であった。このことから、廃リチウムイオン電池から抜き取った電解液は、乾式法の廃電池リサイクル処理の熔融工程において発生する排ガスを加熱分解させるための燃料として十分に利用可能であることが確認された。
<試験例2>
試験例1において回収した電解液が1リットル入った容器に、水を5リットル加えて混合した後、室温にて約2時間放置した。そして、浮いて分離した油分を、容器を傾けて回収した。この油分と重油とを、油分/重油=1/9の体積割合で混合したものを、試験例1と同様に、小型バーナーを介して500ml/minの割合で第2の坩堝炉に吹き込み、排ガスを燃焼させた。
上記第2の坩堝炉から排出された燃焼ガスの温度を測定したところ、ダイオキシン類が分解するとされる900℃を上回る1050〜1100℃であり、電解液は、水と混ざった状態であっても油分として容易に水と分離可能であり、燃料として十分に利用できることが確認された。このことから、例えば、電解液抜き取り後の廃リチウムイオン電池、抜き取り装置等の洗浄排液から電解液を分離し、有効活用することで、排水処理負荷の低減も可能となると考えられる。
ST10 前処理工程
S20 乾式工程
ST21 熔融工程
ST22 スラグ分離
ST23 合金分離
ST24 排ガス処理工程
ST25 脱リン工程
ST26 合金ショット化工程
S30 湿式工程
ST31 溶解工程
ST32 元素分離工程
40 電解液
41 廃リチウムイオン電池
42 還元剤
43 熔融炉
44 スラグ
45 合金
46 煙道
47 燃焼炉
48 バーナー

Claims (4)

  1. 廃リチウムイオン電池から電解液を回収する電解液回収工程と、当該電解液を燃料として用いる工程と、を備えることを特徴とする廃リチウムイオン電池電解液の再利用方法。
  2. 前記電解液回収工程は、廃リチウムイオン電池を開孔又は破砕する工程と、開孔又は破砕した電池を洗浄して電解液を含有する洗浄液を得る工程と、得られた洗浄液の液面に浮上した電解液を回収する工程と、を有する請求項1に記載の廃リチウムイオン電池電解液の再利用方法。
  3. 廃リチウムイオン電池を開孔して、電解液を抜き取る前処理工程と、
    前記電解液を抜き取った廃リチウムイオン電池を熔融炉にて還元熔融して、熔融物を得る熔融工程と、
    前記熔融工程において発生した排ガスを燃焼炉に導入し、当該燃焼炉にて前記排ガスを900℃以上で燃焼させる排ガス処理工程と、を備え、
    前記排ガス処理工程では、前記前処理工程において抜き取った電解液を前記燃焼炉の燃料として添加し、排ガスを燃焼させることを特徴とする廃リチウムイオン電池電解液の再利用方法。
  4. 前記電解液は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、及びエチルメチルカーボネートからなる群より選択される少なくとも1種の有機溶剤に、電解質としてフッ素含有リチウム塩を配合してなる請求項3に記載の廃リチウムイオン電池電解液の再利用方法。
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