JP5625767B2 - 有価金属回収方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばリチウムイオン電池等の廃電池に含有する有価金属を効率的に回収する方法に関する。
リチウムイオン電池等の、使用済みあるいは工程内の不良品である電池(以下廃電池という)をリサイクルし、含有する有価金属を回収しようとする処理方法には、大きく分けて乾式法と湿式法がある。
乾式法は、破砕した廃電池を熔融処理し、回収対象である有価金属と、付加価値の低いその他の金属等とを、それらの間の酸素親和力の差を利用して分離回収するものである。すなわち、鉄等の付加価値の低い元素を極力酸化してスラグとし、かつコバルト等の有価物は酸化を極力抑制して合金として回収するものである。
例えば、特許文献1には、高温の加熱炉を使用し、廃電池にSiO/CaO系のフラックスを添加することで有価金属であるニッケルやコバルトを合金として回収し、このとき、スラグ組成が、金属鉄換算で鉄20%以上、ニッケルとコバルトがそれぞれ20%以下、SiO/CaO比が1以上であることが開示されている。実施例における熔融温度は1450℃である。
米国特許第7169206号公報
リチウムイオン電池等の廃電池の正極には、アルミ箔が使用されている。金属アルミニウムは非常に酸化し易い性質を有することから、熔融処理を行った場合には酸化物であるアルミナ(Al)が生成する。このアルミナはスラグに分配されるが、同時にスラグの融点を上げ、スラグ粘性を高めることが知られている。この場合、熔融温度が低いとスラグが溶融しないか、あるいは粘性が高くなって、回収すべき有価金属である合金との分離が悪く、回収率が低下する問題がある。一方、操業効率の観点からは、熔融温度はできる限り低いほうが好ましい。
このように、乾式法によるスラグ分離と合金分離においては、スラグ融点をより低温側に制御して分離を行なうことが求められるが、廃電池処理のようにスラグ側に鉄やアルミ等の多種の酸化物が入り込む多成分系においては、実生産に適用可能な、好ましいスラグ成分とその融点の検討は行なわれていなかった。特に、アルミナや鉄の量に着目して熔融温度を決定することは特許文献1には開示されていない。
本発明は以上の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、リチウムイオン電池等の廃電池を乾式法で処理する際に、スラグ粘度を低減して低温での操業を可能とするとともに、スラグと合金の分離を確実にして有価金属を効率的に回収する方法を提供することにある。
本発明者らは、アルミナを所定量含有するスラグ組成においては、SiO/CaO系のフラックスを添加することに加えて、鉄酸化物を共存させることでスラグ全体の融点を更に低下できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) アルミニウムと鉄を含む廃電池からの有価金属回収方法であって、
前記廃電池を熔融して熔融物を得る熔融工程と、
前記熔融物からスラグを分離するスラグ分離工程と、
前記熔融物から有価金属の合金を分離する合金分離工程とを備え、
前記熔融工程においてフラックスとして二酸化珪素及び酸化カルシウムを添加し、
前記スラグ中の酸化アルミニウムの含量が20質量%以上75質量%以下であり、かつ、金属鉄換算の鉄含量が5質量%以上40質量%以下であり、
前記熔融工程を1500℃以上で行う有価金属回収方法。
(2) 前記熔融工程を1650℃以下で行う(1)記載の有価金属回収方法。
(3) 前記スラグにおける、二酸化珪素/酸化カルシウムの質量比が0.5以上2以下の範囲である(1)又は(2)記載の有価金属回収方法。
(4) 前記熔融工程を電気炉で行う(1)から(3)いずれか記載の有価金属回収方法。
(5) 前記廃電池がリチウムイオン電池である(1)から(4)いずれか記載の有価金属回収方法。
本発明によれば、リチウムイオン電池等の廃電池を乾式処理する際に、スラグ粘度を低減して低温での操業を可能とするとともに、スラグと合金の分離を確実にして有価金属を効率的に回収できる。
本発明の一例である、廃電池からの有価金属回収方法を示すフローチャートである。 実施例における、合金中への金属鉄と金属コバルトへの分配率を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、廃電池からの有価金属回収方法の一例を示すフローチャートである。まず、有価金属回収方法の全体プロセスについて説明した後、本発明の特徴であるスラグ組成とそれを得るための手段について説明する。なお、本実施形態においては、廃電池がリチウムイオン電池である場合について説明するが、本発明はアルミニウムと鉄とを含む廃電池であればよくこれに限定されるものではない。
[全体プロセス]
図1に示すように、この有価金属回収方法は、廃電池前処理工程ST10と、乾式工程S20と、湿式工程S30とからなる。このように、本発明においては乾式工程S20において合金を得て、その後に湿式工程S30によって有価金属元素を分離回収するトータルプロセスである。なお、本発明における廃電池とは、使用済み電池のみならず、工程内の不良品等も含む意味である。また、処理対象に廃電池を含んでいればよく、廃電池以外のその他の金属や樹脂等を適宜加えることを排除するものではない。その場合にはその他の金属や樹脂を含めて本発明の廃電池である。
<廃電池前処理工程ST10>
廃電池前処理工程ST10は、廃電池の爆発防止を目的として行われる。すなわち、廃電池は密閉系であり内部に電解液等を有しているため、このまま乾式の熔融処理を行なうと爆発の恐れがあり危険である。このため、何らかの方法でガス抜きのための開孔処理を施す必要がある。これが廃電池前処理工程ST10を行う目的である。
廃電池前処理工程ST10の具体的な方法は特に限定されないが、例えば剣山状の刃先で廃電池に物理的に開孔すればよい。なお、本発明においては後の乾式処理において熔融工程を経るために、個々の部材の分離等は不要である。
<乾式工程20>
乾式工程S20においては、廃電池前処理工程ST10で得られた前処理済廃電池を所定温度で熔融して熔融物を得る熔融工程ST21を行う。熔融工程ST21は従来公知の電気炉等で行うことができる。
なお、ここで酸化度を調整してニッケル、コバルト、銅、の回収率を向上するために空気等の酸化剤を吹き込む。例えばリチウムイオン電池の正極材料には、アルミ箔が使用されている。また、負極材料としては、カーボンが用いられている。更に電池の外部シェルは鉄製あるいはアルミ製であり、集合電池の外部パッケージにはプラスチックが用いられている。これらの材質は基本的に還元剤であるため、溶融して酸化し、ガスやスラグ化するトータルの反応は酸化反応になる。そのため、系内に酸素導入が必要となる。熔融工程ST21において空気を導入しているのはこのためである。
酸化剤は特に限定されないが、取り扱いが容易な点から、純酸素、酸素富化気体、空気等の酸素を含む気体等が好ましく用いられる。これらは直接熔融工程ST21において電気炉内に送り込まれる。なお、熔融工程ST21における粉塵や排ガス等は、従来公知の排ガス処理ST24において無害化処理される。
他に、熔融工程ST21では、後述するスラグ分離ST22で分離されるスラグの融点低下のためにSiO及びCaO等をフラックスとして添加する。これについては本発明の特徴であるので後述する。
熔融工程ST21によって、有価金属たるニッケル、コバルト、銅の合金と、鉄やアルミ等の酸化物であるスラグとが生成する。両者は比重が異なるために、両者はそれぞれスラグ分離ST22、合金分離ST23でそれぞれ回収される。
合金分離ST23を経た後、更に得られた合金から脱リン工程ST25を行なう。リチウムイオン電池においては、有機溶剤に炭酸エチレンや炭酸ジエチル等、リチウム塩としてLiPF(ヘキサフルオロリン酸リチウム)等が電解質として使用される。このLiPF中のリンは比較的酸化され易い性質を有するものの、鉄、コバルト、ニッケル等鉄族元素との親和力も比較的高い性質がある。合金中のリンは、乾式処理で得た合金から各元素を金属として回収する後工程の湿式工程での除去が難しく、不純物として処理系内に蓄積するために操業の継続ができなくなる。このため、この脱リン工程ST25で除去する。
具体的には、反応によりCaOを生じる石灰等添加し、空気等の酸素含有ガスを吹き込むことで合金中のリンを酸化してCaO中に吸収させることができる。
このようにして得られる合金は、廃電池がリチウムイオン電池の場合、正極材物質由来のコバルト、ニッケル、電解質由来のリチウム、負極材導電物質由来の銅等が主成分となる。
<合金ショット化工程S26>
本実施形態においては乾式工程S20の最後に合金を冷却して得る際に、これを粒状物(ショット化合金又は単にショットともいう)として得る。これにより、後の湿式工程S30における溶解工程ST31を短時間で行なうことができる。
後述するように、乾式工程を広義の前処理とすることで不純物の少ない合金を得るとともに湿式工程に投入する処理量も大幅に減らすことで、乾式工程と湿式工程とを組み合わせることが可能である。しかしながら、湿式工程は基本的に大量処理に向かない複雑なプロセスであるので、乾式工程と組み合わせるためには湿式工程の処理時間、なかでも溶解工程ST31を短時間で行なう必要がある。その問題については、合金を粒状物化することによって溶解時間を短縮することができる。
ここで、粒状物とは、表面積で言えば平均表面積が1mmから300mmであることが好ましく、平均重量で言えば0.4mgから2.2gの範囲であることが好ましい。この範囲の下限未満であると、粒子が細かすぎて取り扱いが困難になること、更に反応が早すぎて過度の発熱により一度に溶解することができ難くなるという問題が生じるので好ましくなく、この範囲の上限を超えると、後の湿式工程での溶解速度が低下するので好ましくない。合金をショット化して粒状化する方法は、従来公知の流水中への熔融金属の流入による急冷という方法を用いることができる。
<湿式工程S30>
廃電池からの有価金属回収プロセスは、特許文献1のように合金として回収したままでは意味がなく、有価金属元素として回収する必要がある。廃電池を乾式工程で予め処理することによって、上記のような有価金属のみの合金とすることで、後の湿式工程を単純化することができる。このとき、この湿式での処理量は投入廃電池の量にくらべて質量比で1/4から1/3程度まで少なくなっていることも湿式工程との組み合わせを有利にする。
このように、乾式工程を広義の前処理とすることで不純物の少ない合金を得るとともに処理量も大幅に減らすことで、乾式工程と湿式工程を組み合わせることが工業的に可能である。
湿式工程は従来公知の方法を用いることができ、特に限定されない。一例を挙げれば、廃電池がリチウムイオン電池の場合の、コバルト、ニッケル、銅、鉄からなる合金の場合、酸溶解(溶解工程ST31)の後、脱鉄、銅分離回収、ニッケル/コバルト分離、ニッケル回収及び、コバルト回収という手順で元素分離工程ST32を経ることにより有価金属元素を回収することができる。
<処理量>
従来、乾式工程と湿式工程を組み合わせたトータルプロセスにおいては、乾式工程において、廃電池を熔融した状態で酸化処理を行っていたため、酸化処理における酸化度を適切に調整するために、乾式工程内の熔融工程は、溶炉内で同時に処理する全ての廃電池の酸化処理を終えてから、改めて次の工程を最初から開始するというバッチ処理とする必要があった。本発明の有機金属回収方法によれば、予め予備酸化工程ST15によって酸化処理を終えた廃電池を連続的に溶融炉に投入することにより、乾式工程において廃電池を連続的に処理できるため、従来より大量の処理が可能である。少なくとも1日あたり1t以上、好ましくは1日あたり10t以上である場合に本発明を好適に使用できる。
廃電池の種類は特に限定されないが、コバルトやニッケル等の稀少金属が回収でき、その使用用途も自動車用電池等に拡大されており、大規模な回収工程が必要となるリチウムイオン電池が本発明の処理対象として好ましく例示できる。
[熔融工程ST21におけるスラグ形成の添加]
次に、本発明の特徴である熔融工程ST21におけるスラグ形成について説明する。前処理した廃電池を炉に入れて熔融すると、アルミニウム、リチウム、鉄、更にマンガンを含有する組成のバッテリーを処理したときはマンガン、がスラグの主成分となる。
熔融物を構成する主要元素は、酸素との親和力の差により一般的に、アルミ>リチウム>炭素>マンガン>リン>鉄>コバルト>ニッケル>銅、の順に酸化されていく。すなわちアルミが最も酸化され易く、銅が最も酸化されにくい。このため、スラグ中に酸化され易いアルミニウムが含まれると、高融点で高粘度のスラグとして酸化アルミニウム(アルミナ)が生成する。
このアルミナ単独の融点は2000℃付近にあるため、このような成分が単独で存在すると、エネルギーコストの増大や耐火物の熔損速度が上昇すること等により、操業コストが大きく増加することになり好ましくない。特に1650℃を超えると通常の電気炉を用いた操業も困難になり、特許文献1に記載されているようなプラズマ処理等の併用も必要になり、更に耐火物の耐久性も低下するとともに、炉内温度測定のための熱電対の損傷も生じる。このため、従来公知の電気炉で熔融工程ST21を行う観点からもスラグ融点は1500℃以上で好ましくは1650℃以下である。この範囲であれば、熔融工程ST21を1500℃以上1650℃以下で行えるので、従来公知の電気炉が使用でき生産性も高く、しかも、合金とスラグとの分離も充分行なわれるので、合金に含まれる有価金属の回収率も向上する。
本発明においては、熔融工程ST21においてスラグの融点低下のためにSiO及びCaOを添加する(図1参照)。これによりスラグの融点低下による低粘性化を図ることができる。SiO(二酸化珪素)及びCaO(石灰)を添加する。添加比はスラグにおける、二酸化珪素/酸化カルシウムの質量比が0.5以上2以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.8以上1.4以下である。質量比が0.5未満であるとスラグの融点が高くなるので好ましくない、質量比が2を超えるとスラグの粘性が高くなりすぎて、合金との分離がされにくくなるので好ましくない。
本発明においては、更に、スラグにおけるアルミナと鉄の量も重要である。具体的にはスラグ中のアルミナの含量が20質量%以上75質量%以下、好ましくは25質量%以上40質量%以下であり、かつ、金属鉄換算の鉄含量が5質量%以上40質量%以下である。スラグ中に鉄を共存させることで、相対的にアルミナの量を減らすことのみならず、鉄イオンがカチオンとして働くことで、アルミナで構成されたスラグ中のネットワークを切断することにより、スラグの流動化向上を助け、スラグの融点を下げることができる。その結果、合金との分離性能を向上させることで有価金属の回収率を向上させることができる。このように、フラックスの添加のみならず、廃電池の処理で想定されるアルミや鉄の量も考慮のうえ、総合的なスラグの融点低下を検討して、実際の操業に現実に利用できる、低粘度のスラグ組成領域を見出した点に本発明の新規な点がある。
なお、アルミナが20質量%未満ではスラグが高融点になる問題がそもそも生じ難い。20質量%の際のスラグ融点は約1500℃である。75質量%を超えるとフラックスや鉄を調整してもスラグの融点を1500℃以上1650℃以下に調整するのが困難である。75質量%の際のスラグ融点は約1650℃である。一方、金属鉄換算の鉄含量が5質量%未満であるとスラグの融点低下が不充分であり、スラグの融点を1500℃以上1650℃以下に調整するのが困難であり、75質量%を超えると廃電池以外に鉄源を別途供給する必要があるので好ましくない。
このようにしてスラグ分離工程ST22で得られるスラグは融点1500℃以上、好ましくは1650℃以下である。そして、熔融工程ST21を1500℃以上、好ましくは1650℃以下で行なうことにより、スラグの粘度が充分に低下するので合金の分離が容易になり、合金分離工程ST23における回収率が向上する。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
窒素雰囲気の電気炉内に設置したアルミナ製るつぼ内において、約23gの廃リチウムイオン電池を、表1に示すSiO/CaO比の混合フラックス7.3gとともに1505℃から1540℃の範囲内で30分保持した。保持後、アルミナチューブを通じて、所定量の酸素を吹き込むことにより、試料を酸化した。酸化後、30分保持してから炉冷し、冷却後にスラグと合金を分離回収して、それぞれICP法により分析した。スラグ、合金のそれぞれにつき、重量と鉄とコバルトの分析値から、合金中への金属鉄と金属コバルトへの分配率、及び、スラグ中への金属鉄とアルミナの分配率を求めた結果を表1に示す。また、合金中への金属鉄と金属コバルトへの分配率を図2に示す。
Figure 0005625767
表1、図2から解かるように、スラグ中の酸化アルミニウムと鉄の量を本発明の範囲内とすることで、スラグ粘度が低下して合金とスラグが良好に分離し、1500℃以上1650℃以下の熔融温度で合金とスラグを分離回収できることが解かる。そして、図2に示すように、この場合、合金中への鉄の分配率、すなわち、鉄元素換算の全鉄量に対する、合金中の金属鉄の質量割合を32%以上とすることで、金属コバルトの回収率を73%以上、金属鉄の質量割合を35%以上、好ましくは40%以上とすることで、金属コバルトの回収率を90%以上とすることが可能であった。
ST10 廃電池前処理工程
S20 乾式工程
ST21 熔融工程
ST22 スラグ分離
ST23 合金分離
ST24 排ガス処理
ST25 脱リン工程
ST26 合金ショット化工程
S30 湿式工程
ST31 溶解工程
ST32 元素分離工程

Claims (4)

  1. アルミニウムと鉄を含む廃電池からの有価金属回収方法であって、
    前記廃電池を熔融して熔融物を得る熔融工程と、
    前記熔融物からスラグを分離するスラグ分離工程と、
    前記熔融物から有価金属の合金を分離する合金分離工程とを備え、
    前記熔融工程においてフラックスとして二酸化珪素及び酸化カルシウムを添加し、
    前記スラグにおける、二酸化珪素/酸化カルシウムの質量比が0.5以上2以下の範囲であり、
    前記スラグ中の酸化アルミニウムの含量が25質量%以上75質量%以下であり、かつ、金属鉄換算の鉄含量が5質量%以上40質量%以下であり、
    前記熔融工程を1500℃以上1650℃以下で行う有価金属回収方法。
  2. 前記スラグ中の酸化アルミニウムの含量が25質量%以上40質量%以下である請求項1に記載の有価金属回収方法。
  3. 前記熔融工程を電気炉で行う請求項1又は2に記載の有価金属回収方法。
  4. 前記廃電池がリチウムイオン電池である請求項1から3のいずれかに記載の有価金属回収方法。

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